JP3568019B2 - 写真処理装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネガフィルム供給部から送られたネガフィルムの画像を印画紙へ焼き付ける露光部と、前記露光部で用いられたネガフィルムを排出するネガフィルム排出部と、前記焼付処理された印画紙を現像処理する現像部と、前記現像された印画紙を所定長さにカットすることでプリントとして排出するプリント排出部と、前記ネガフィルム排出部から排出された1単位のネガフィルムを受け取るとともに前記プリント排出部から前記1単位のネガフィルムから得られた画像をもつプリントを受け取ってこれらを仕上がり品として組み合わせて搬送する照合搬送手段とを備えた写真処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述したような写真処理装置では、ネガフィルムとプリントとの組み合わせは、顧客によって注文されたネガフィルム1本又は1セットのピースネガ(4駒又は6駒毎に切断したフィルム数枚)を1単位として行われるのが通常であり、この1単位を1オーダとも呼ぶ。同じ顧客が同時に数本のネガフィルムや数セットのピースネガの焼付注文をする場合でも、それぞれ別のオーダとして処理される。この1オーダ分の、つまり1単位のピースネガ(通常1本の長いネガフィルムは最終的にピースネガとして所定の長さにカットされる)とプリントを照合して自動的にDP袋に袋詰めする写真処理装置が、例えば特開平6−43622号公報から知られている。この写真処理装置におけるピースネガとプリントの照合工程では、露光処理を終えてネガシートに挿入された1単位のピースネガがこのピースネガが有するID番号を印字されたプリント袋に収納され、このプリント袋のID番号と単位毎に区分けされてソーターで搬送されてきたプリントのID番号とを照合し、ID番号が一致するとこの1単位のプリントはプリント袋に収納され、同じID番号を有するピースネガと組み合わされる。
【0003】
このような照合システムの場合、連続して搬送されてくるピースネガとプリントのID番号が異なっていた場合、搬送されてくるピースネガとプリントのID番号を順々に調べていく必要があり、照合不一致の場合のリカバリー作業に手間がかかるという問題が生じる。特に、照合不一致のピースネガとプリントが1単位だけ存在していても、他の照合一致するはずのピースネガとプリントまでもがリカバリー作業時のチェック対象となるため、この写真処理装置の稼働率が大きく低下することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記問題を解決し、照合不一致のネガフィルムとプリントが存在してもそのリカバリー作業が簡単となる照合チェック機能を備えた写真処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、ネガフィルム供給部から送られたネガフィルムの画像を印画紙へ焼き付ける露光部と、前記露光部で用いられたネガフィルムを排出するネガフィルム排出部と、前記焼付処理された印画紙を現像処理する現像部と、前記現像された印画紙を所定長さにカットすることでプリントとして排出するプリント排出部と、前記ネガフィルム排出部から排出された1単位のネガフィルムを受け取るとともに前記プリント排出部から前記1単位のネガフィルムから得られた画像をもつプリントを受け取ってこれらを仕上がり品として組み合わせて搬送する照合搬送手段とを備えた写真処理装置において、
前記ネガフィルムと前記印画紙の処理工程中に生じた前記1単位のネガフィルムとプリントとの照合に悪影響を与える照合不一致トラブルを検知するトラブル検知手段と、前記トラブル検知手段のもつトラブル情報に基づいて前記照合搬送手段によって搬送されている前記仕上がり品が前記照合不一致トラブルをもつことを報知する報知手段とが備えられ、前記照合搬送手段はトレーコンベヤとして構成されており、前記仕上がり品を収納する各トレーに前記報知手段が設けられていることを特徴とする。
【0006】
上記構成では、ネガフィルムや印画紙のそれぞれの処理工程中に、照合搬送手段における1単位のネガフィルムとプリントとの照合不一致をもたらすようなトラブルが生じた場合トラブル検知手段がこのトラブルを照合不一致トラブルとして検知しておき、照合搬送手段で搬送されている前述した照合不一致の対象となる仕上がり品、つまりネガフィルムやプリントに対して照合不一致であることを指摘することができる。これにより、1単位毎のネガフィルムとプリントとの組み合わせ照合を行う照合搬送手段において照合不一致であるネガフィルムやプリントを作業者は容易に認識できるため、そのネガフィルムやプリントだけを取り出してリカバリー作業を行えばよく、他の照合一致する仕上がり品をチェックする必要がない。つまり、照合不一致が生じたとしてもそのリカバリー作業が簡単かつ迅速に行うことができ、結果的にこの写真処理装置の稼働率が向上する。
【0007】
さらに、上記構成によれば、照合が一致しないネガフィルムやプリントなどの仕上がり品が各排出部からトレーに積み込まれると、そのトレーに設けられている報知手段が現在積み込んでいる仕上がり品が照合することのできないものであることを報知するので、作業者は照合不一致の仕上がり品をそのトレーより取り出しリカバリー作業を行う。作業者はトレーに設けられた報知手段に注目するだけでよいので、照合作業が簡単となる。
【0008】
報知手段の構造としては、人間の視覚、聴覚などに訴えるものを用いることができるが、色彩マーク、例えば赤色を表示可能なディバイスを利用すると効果的である。そのような照合不一致マークの表示は、電気式の点灯ディバイスによるより、機械的な切り換えディバイスによる方が、電気配線を施す必要がない分好都合である。
【0009】
トレーの好適な実施形態として、ネガフィルムを収納するフィルム収納部とプリントを収納するプリント収納部を同一のトレーに設ける構成が好ましく、この場合、フィルム収納部に収納されたネガフィルムから得られた画像をもつプリントが同じトレーのプリント収納部に収納されるので、照合されたプリントとネガフィルムを取り出して、1つのDP袋に入れる作業が簡単となる。報知手段によって照合不一致を指摘されたトレーでは、そこに収納されている(トラブルにより全く収納されていない場合もあるが)ネガフィルムの画像とプリントの画像が一致しないことになるので、そのトレーに収納されているネガフィルムやプリントを取り出してリカバリー作業を行い、その他のトレーのネガフィルムやプリントはそのまま1つのDP袋に入れて出荷することができる。
【0010】
トラブル検知手段は、ネガフィルムとプリントが最終的に照合搬送手段で組み合わされた際に照合不一致となる原因が生じた際にこれを検知する種々の実施形態をとることができるが、例えば、写真処理装置においてはネガフィルムと印画紙はお互いに連続処理されるので正常に連続稼働している限り照合不一致は生じないという前提にたてば、ネガフィルム又は印画紙のいずれかの連続した処理工程が中断された場合照合不一致トラブルとして検知するようにトラブル検知手段を構成することが考えられる。ネガフィルムや印画紙が搬送詰まりを起こすとネガフィルムや印画紙を搬送工程から取り除く必要があるが、特にネガフィルムの場合画像読み取りのための搬送、ピースネガへの切断やネガシート挿入などから搬送詰まりが生じやすく、連続した処理が中断され、ネガフィルムが取り除かれることになり、この場合、確実に照合搬送手段において照合不一致となるわけであるから、このトラブルをトラブル検知手段は検知し、このネガフィルムに対応するトレーに対して報知手段を通じて照合不一致を指摘するのである。
【0011】
さらに、焼付工程の前の画像読み取りチェックによりネガフィルムの全画像が正常な焼付処理に適さないと判断されると、コマ画像のプリントが行われないため、照合搬送手段においてネガフィルムのもつ画像とプリントが一致しなくなるので、このような場合照合不一致トラブルとして検知するようにトラブル検知手段を構成することも提案される。
【0012】
つまり、本発明の重要な点は、ネガフィルムや印画紙のローディング工程から始まって写真処理装置における全ての処理工程においてネガフィルムとプリントが最終的に照合搬送手段で組み合わされた際に照合不一致となる原因が生じた際にトラブル検知手段がこのトラブルを検知し、報知手段を通じて搬送されている特定のネガフィルムやプリントに照合不一致であることを指摘することで、他の照合一致する仕上がり品の出荷作業をスムーズにすることである。
本発明のその他の特徴及び利点は以下図面を用いた発明の実施の形態の説明で明らかになるだろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による写真処理装置1の全体が図1に示されており、この写真処理装置1内を各種処理にともなって搬送されるネガフィルム2(ここでは、ネガフィルムは、写真フィルム1本の長さをもつネガフィルム、数コマ単位でカットされたピースネガ、アドバンスフォトシステムに準じたカートリッジ付きネガフィルムの総称としても使用されている)と印画紙3の搬送経路が、図2に模式的に示されている。この写真処理装置1は、ネガフィルム供給部10と、ネガフィルム2の画像をペーパーマガジン4から引き出された印画紙3に焼き付ける露光部20と、露光部20にて露光済の印画紙3を現像処理する現像処理部30と、現像処理部30にて現像処理された印画紙3を乾燥する乾燥部40と、乾燥された印画紙3を所定長さにカットしてプリント(印画紙3を所定長さにカットしたものをプリント3と称している)として排出するプリント排出部50と、露光部20で使用されたネガフィルム2をカットし、必要の場合ネガシートに挿入して、排出するネガフィルム排出部60と、ネガフィルム排出部60から搬入された1単位(理解し易くするため、ここではこの1単位を1オーダと読み換えてもよい)のネガフィルム2とプリント排出部50から搬入された1単位のプリントを仕上がり品として照合組み合わせて、作業者による仕上がり品取り出し位置まで搬送する照合搬送手段としてのコンベヤ機構70とを備えている。
【0014】
ネガフィルム供給部10には、100本までのネガフィルム2をスプライステープによってつなぎ合わせたものを巻き取っているネガリール11が2本装填可能であり、このネガリール11から引き出されたネガフィルム2に備えられているバーコードを読み取るバーコードリーダー12や引き出されたネガフィルム2を1オーダ毎にカットするネガカッター13が設けられている。
【0015】
露光部20には、図3(図2と比べてネガフィルム2と印画紙3の配置が上下逆に配置されている)に示すように、フィルム搬送方向上流側に、読取用光源21a、ミラートンネル21b及び撮像装置21cからなるフィルム読取装置21が設けられ、そのフィルム搬送方向下流側に、露光用光源22a、調光フィルタ22b、ミラートンネル22c、ネガマスク22d、焼付レンズ22e及びシャッタ22fからなる露光装置22が設けられ、ネガフィルム供給部10から露光部20を通過してネガ排出部60へネガフィルム2を搬送するローラ23a及びそのローラ23aを駆動するモータ23bが設けられている。
【0016】
ローラ23aにて搬送されるネガフィルム2は、先ず、フィルム読取装置21にて、その各コマの画像が読み取られ、図4に詳細にそのブロック図が示されているコントローラ5に送られる。コントローラ5の露光制御手段5aでは、フィルム読取装置21から受け取った画像情報に基づいて、そのネガフィルム2の画像を印画紙3に焼き付けるための露光条件を求めて、該当するネガフィルム2のコマがネガマスク22dの位置に搬送されて来たときに、先だって求めた露光条件に基づいて調光フィルタ22b及びシャッタ22fを制御し、印画紙3を露光する。さらに、コントローラ5は、フィルム読取装置21にて読み取ったネガフィルム2の画像情報を処理して、求めた露光条件で印画紙3の焼き付けた場合に得られる画像のシミュレート画像をモニタ6aに表示させることができ、作業者は、そのシミュレート画像をモニタ6aを観察して、必要に応じて操作卓6bから露光条件を修正することができる。
【0017】
又、露光部20にて露光処理の終了したネガフィルム2は、露光装置22のフィルム搬送方向下流側に配置されているネガ排出部60に設けられたネガカッター25によって6駒又は4駒毎に切断され、複数枚のネガピース2として、コンベヤ機構70へ送り出されるが、仕様によっては、図示されていないネガシート挿入装置によってネガピース2がネガシートに挿入され、このネガシートは折り畳まれた後コンベヤ機構70へ送り出される。なお、アドバンスフォトシステムに準じたネガフィルム2は、各種処理作業前にカートリッジから引き出され、処理後再びカートリッジに巻き戻されるので、露光処理後のネガフィルム2もカートリッジに収納された状態でコンベヤ機構70へ送り出される。なお、ネガリール11から引き出され、最終的にコンベヤ機構70へ送り出されるまでの一連のネガフィルム2の搬送は、コントローラ5のネガフィルム搬送制御手段5bによって制御される。
【0018】
現像処理部30には、その図示は省略されているが、複数の現像処理タンクが備えられており、露光部20でネガフィルム2の画像が焼き付けられた後、印画紙3はローラ24a及びローラ24aを駆動するモータ24bによってコレクション印字部26を通り、現像処理部30の現像処理タンクを順次通過することで現像処理される。なお、現像処理部30の手前には、ループ部の存在にもかかわらず露光部20と現像処理部30の間で連続して印画紙3を送り続けることができない事態が生じた場合に緊急避難的に印画紙3を切断するカッター27が設けられている。
【0019】
現像処理後の印画紙3は、乾燥部40で乾燥された後、プリント排出部50に送られ、ペーパーカッター51によってカットされることにより仕上がりプリント3となり、横送りコンベヤ53によってコンベヤ機構70へ送り出される。54は、何らかのトラブルで印画紙3をコンベヤ機構70に送り出せない事態が生じた場合印画紙3をノーカットで排出するための印画紙バイパス路である。印画紙3又はプリント3の一連の搬送や印画紙バイパス路54への分岐は、コントローラ5の印画紙搬送制御手段5cによって制御される。
【0020】
コンベヤ機構70は、図5に示すように、トレーコンベヤ式であり、周回案内路80に案内されながら搬送力を伝達する駆動手段90によって走行する複数のトレー100が備えられている。周回案内路80によって決定される搬送ラインには、ネガフィルム搬入ステーション71と待機ステーション72と、プリント搬入ステーション73と、照合ステーション74とが形成されている。周回案内路80は、図6に示すように、左右一対の略円形断面のレール81とこのレール81を所定の間隔で連結している連結体82とで構成され、写真処理装置1の低い位置に配置されたネガフィルム排出部60と高い位置に配置されたプリント排出部50との間を現像処理部30と乾燥部40の側壁に沿って延びている。
【0021】
トレー100は、図6〜図8に示されているように、レール81上を走行する走行部110と、フィルム収納部150aとプリント収納部150bとを備えた載置部150とから構成されている。走行部110は、チャンネル形の走行台111と、この走行台111の両側のリブ部111aと111bの内側にそれぞれ軸112によって回転可能に支持されている各4つの走行ローラ113と、載置部150を走行台111に対して傾斜させて取り付けるためのアングルブラケット114(図9)とを備えている。ひとつのトレーにつき8つづつ取り付けられている走行ローラ113の走行面には、レール81の形状に合わせた溝113aが形成されている。走行部110は、右側のリブ部111aに配置された前側の上下の走行ローラ113及び後側の上下の走行ローラ113で右側のレール81を2カ所挟み込むとともに、左側のリブ部111bに配置された前側の上下の走行ローラ113及び後側の上下の走行ローラ113で左側のレール81を2カ所挟み込むことにより、安定したレール走行を行っている。
【0022】
ネガフィルム搬入ステーション71では、ネガフィルム排出部60から排出された1単位分のネガフィルム2がトレー100のフィルム収納部150aに移載される。待機ステーション72では、ネガフィルム2を積み込んだトレー100がこのトレー100に積み込んだネガフィルム2の画像を焼き付けている1単位分のプリント3がプリント排出部50から出されるタイミングに合わすために待機可能である。プリント搬入ステーション73では、フィルム収納部150aに収納されたネガフィルム2の画像を焼き付けている1単位分のプリント3がプリント排出部50からトレー100のプリント収納部150bに移載される。照合ステーション74では、トレー100によって運び込まれた1単位分のネガフィルム2とプリント3の照合が確認されると、ネガフィルム2とプリント3がトレー100から取り出され、DP袋7へ入れられる。各トレー100に対するこのような照合・取り出しと照合ステーション74へのトレー100の送り出しが同期しているわけではないので、この照合ステーション74では、待機ステーション72と同様、トレー100はレール81上でストレージ可能となっている。空になったトレー100は、再びネガフィルム搬入ステーション71に送られる。
【0023】
トレー100を搬送する駆動手段90は、エンドレス駆動体としてチェイン91を採用したチェイン駆動方式を採用しており、図5から明らかなように、第1駆動装置90aから第6駆動装置90fに分割されている。第1駆動装置90aは、照合ステーション74と待機ステーション72とにわたって配置されている。第2駆動装置90bは、空になったトレー100をネガ搬入ステーション71におけるトレー停止位置まで移動させるように配置されている。第3駆動装置90cは、ネガフィルム2を積み込んだトレー100を第1駆動装置90aの一部によって形成される待機ステーション72のストレージラインまで移動させるように配置されている。第4駆動装置90dは、待機ステーション72でストレージされているトレー100を、順次プリント搬入ステーション73のトレー停止位置に移動させるように配置されており、図5から明らかなように、第4駆動装置90dはトレー100を急勾配で上昇させている。第5駆動装置90eは、さらにプリント3を積み込んだトレー100を急勾配で下降させ、第1駆動装置90aの照合ステーション74を形成している部分へ、送り込むように配置されているが、照合ステーション74の手前で周回案内路80が湾曲状になっているため、トレー100を湾曲したラインに沿って移動させる第6駆動装置90fを第5駆動装置90eと第1駆動装置90aとの間に配置している。上述した各駆動装置は、チェイン91、チェイン91に噛み合っている駆動スプロケット92と方向転換スプロケット93、駆動スプロケット92を駆動する駆動モータ94から構成されている。その際第1・第2・第3・第6駆動装置90a、90b、90c、90fは、共通の駆動モータ94から動力を受けているが、第4・第5駆動装置90d、90eはタイミングをとった間欠運転の必要からそれぞれ個別の駆動モータ94から動力を受けている。各チェイン91のリンクプレートとして通常のリンクプレート91aだけではなく、所定のピッチでチェインローラ軸心方向に延びた牽引部95を形成した牽引リンクプレート91bが装着されており、各チェインはこの牽引部95を介してトレー100を移動させている。
【0024】
牽引部95とトレー100の走行部110との搬送力伝達可能な係合は2つの方式で行われている。つまり、第1駆動装置90aでは、ストレージラインを形成するため、図7で示すように、走行台110のリブ部111bの外側に垂直に延びた取付板115の下面に樹脂117によって固定された磁石116とチェイン91の牽引部95とに間に作用する磁力によりトレー100の走行部110とチェイン91の牽引部95との間の係合を作りだし、結果的にチェイン91によってトレー100を移動させている。この目的のため、少なくとも牽引リンクプレート91bは磁性体で作られている。従って、トレー100がトレー100とチェイン91との間に作用する磁力より大きな力でその走行を阻止されると磁石116と牽引部95との係合が外れて、チェイン91だけが進行し、トレー100は停止したままとなる。このことにより、走行台111の端面どうしが接当していくことでトレー100が順次ストレージされ、前のトレーが前進すると、再び磁石116がチェイン91の牽引部95と磁気的に係合して、後のトレー100もチェイン91によって移動し始める。つまり、トレー100のストレージとトレー100のネガフィルム2とプリント3の取り出し位置への供給とが遅延なくかつ自動的に行われる。
【0025】
第1駆動装置90a以外の駆動装置では、トレー100とチェイン91とは一体的に動けばよいので、図6に示すように、走行台110のリブ部111aと111bの下端からさらに突き出した爪部118がチェイン91の牽引部95と接当することにより走行部110と牽引部95との搬送力伝達可能な係合が作り出される。各駆動モータ94は、コントローラ5のコンベヤ制御手段5dによってそれぞれ連係をとるように制御されている。
【0026】
ネガフィルム搬入ステーション71においてネガ排出部60からネガフィルム2を搬入するため、トレー100は第2駆動装置90bと第3駆動装置90cとの間で第1ストッパー装置85によって停止させられる。さらにプリント搬入ステーション73においてプリント排出部50からプリント3を搬入するため、トレー100は第4駆動装置90dと第5駆動装置90eとの間で第2ストッパー装置86によって停止させられる。第1ストッパー装置85と第2ストッパー装置86の構造は同じなので、ここでは図9で示された第1ストッパーの構造を説明する。
【0027】
第1ストッパー装置85は、支点85b回りに揺動する揺動アーム85cと、揺動アーム85cの一端に設けられるとともに揺動アーム85cの揺動によりトレー100の走行台111に設けられている爪部118と係合可能な係合ピン85aと、揺動アーム85cの他端に係合するとともに揺動アーム85cを支点85b回りで図9における時計回り方向に付勢するバネ85dと、揺動アーム85cに係合ピン85a近くで連結されるとともに通電時に揺動アーム85cを支点85b回りで図9における反時計回り方向に揺動させる直線駆動型ソレノイド85eとから構成されている。直線ソレノイド85eの通電解除時には係合ピン85aはトレー100の爪部118の移動軌跡内に入り込むので、第2駆動装置90bの牽引部95から離脱した後下り傾斜となっているレール81を滑り落ちてきたトレー100を停止保持する。直線ソレノイド85eが通電されると、係合ピン85aはトレー100の爪部118の移動軌跡から退避するので、トレー100の通過を許す。第2ストッパー装置86と第4駆動装置90dとの位置関係、及びレール81の下り傾斜姿勢も第1ストッパー装置85の場合と同様なので、第2ストッパー装置86も、同様にトレー100の停止と通過を制御することができる。
【0028】
更に、照合ステーション74においても、ストレージされるトレー100の先頭を停止させる第3ストッパー装置87が備えられている。第3ストッパー装置87は、図10に示すように、回動軸87c回りでシーソー式に揺動する揺動アーム87bと、揺動アーム87bの両端に設けられるとともに揺動アーム87bの揺動により選択的にトレー100の爪部118と係合可能な一対の係合ピン87aと、揺動アーム87bを揺動させるように回動軸87cと連結している回転型ソレノイド87dと、図10における時計回り方向に揺動アーム87bを付勢するように揺動アーム87bの一端に係合しているバネ87eとから構成されている。このような構成をもつ第3ストッパー装置87では、ロータリソレノイド87dの非通電時にはバネ87eの付勢力により、揺動アーム87bが図10において実線で示す姿勢となり、先頭のトレー100を停止させる。先頭のトレー100に続くトレー100は、前述したように先行するトレー100と接当するまでは磁力によってレール81上を移動させられるが、先行するトレー100と接当すると磁力による移動が不可能となり、次々とトレー100が詰められた状態でストレージされる。そして、ロータリソレノイド87dが通電されると、揺動アーム87bがバネ87eの付勢力に抗して図10において二点鎖線で示す姿勢となり、次のトレー100を停止させるが、自由となった先頭のトレー100は、第1駆動装置90aによって磁力を介して移動し始める。この状態から、更にロータリソレノイド87dの通電が解除されると、揺動アーム87bが、図10において実線で示す姿勢に戻り、一旦自由となり第1駆動装置90aによって少し移動した新たに先頭となったトレー100を停止させる。第1駆動装置90aから外れたトレー100はレール81の下り傾斜姿勢も手伝って第2駆動装置90bに近づいていき、第1駆動装置90aと第2駆動装置90bとの間に設けられた第4ストッパー装置88によって停止させられる。
【0029】
第4ストッパー装置88は、ネガフィルム搬入ステーション71へトレー100を送り出すタイミングをとるためのものであり、ネガフィルム搬入ステーション71からトレー100が出ていくと同時に、新しいトレー100を送り出すように制御されている。つまり、第3ストッパー装置87と第4ストッパー装置88によって、ストレージされているトレー100を1台づつネガフィルム搬入ステーション71へ送り出すことができ、同時に照合ステーション74のストレージラインも順次先詰めされていく。図11に示すように、第4ストッパー装置88は、実質的に第1ストッパー装置85や第2ストッパー装置86と同じ構造であるので、ここではその説明を省略する。
【0030】
第4ストッパー装置88によるトレー100の停止位置には、図11に示すように、トレー100のフィルム収納部150aとプリント収納部150bにそれぞれネガフィルム2とプリント3が収納されているか否かを検出する光センサー76が備えられており、この光センサ76は、ネガフィルム2の存否を検出するためのLED76a及び受光素子76bと、プリント3の存否を検出するためのLED76c及び受光素子76dとから構成されており、載置部150には、LED76a及びLED76cの出射光の通過を許容する孔(図示されていない)が形成されている。光センサー76の検出信号はコントローラ5に入力されることにより、第4ストッパー装置88によって停止させられているトレー100が空の状態であるどうかチェックされる。上述した第1ストッパー装置85、第2ストッパー装置86、第3ストッパー装置87、第4ストッパー装置88もコントローラ5のコンベヤ制御手段5dにより制御されている。
【0031】
ここで、図12を用いてトレー100の載置部150の構造を説明する。載置部150は、主に天板151と底板152と第1側板153と第2側板154から構成されるボックス状の形態を有している。プリント収納部150bは天板151上に形成されており、天板151に積み重ねられたプリント3がずれ落ちないように第1側板153と第2側板154を天板151から突き出し、その突き出した部分でプリント3を2つの方向から囲んでいる。他の2つの方向は開放されており、プリント3の搬入・搬出を容易にしている。ネガフィルム2、つまり裸のピースネガ或いはネガシートに挿入されたピースネガを収納するフィルム収納部150aは天板151と底板152との間にポケット状に形成されている。さらに付加的に、アドバンスフォトシステムに準じたネガフィルム2を巻き込んでいるカートリッジ2aを収納するカートリッジ収納部150cがフィルム収納部150aに対向して第2側板154の外側に取り付けられたボックス体155によって形成されている。
【0032】
図5から明らかなように、トレー100はネガフィルム搬入ステーション71から待機ステーション72への移動行程において逆さ吊り状態となり、フィルム収納部150aやカートリッジ収納部150cから収納物が落下する恐れがあるため、トレー100には収納物を保持する押さえ保持機構160が備えられている。押さえ保持機構160は、図12〜図15に図解されているように、底板152に複数の軸受ブラケット162を介して回動可能に支持された回動軸161と、回動軸161に固定された爪スリーブ163と、天板151に取り付けられた固定軸164周りをシーソー式に揺動することによりその一端でフィルム収納部150aに収納されたネガフィルムを押さえる第1押さえ板165と、天板151に取り付けられた固定軸167周りをシーソー式に揺動することによりその一端でカートリッジ収納部150cに収納されたカートリッジを押さえる第2押さえ板168とを備えている。第1押さえ板165と第2押さえ板168は、爪スリーブ163の爪部163aとの接触にともなう爪スリーブ163からの回動変位の伝達により開放方向に揺動する。そして、それぞれの収納物を押さえ付ける方向への揺動はバネ力により行われるが、その目的のためにそれぞれつる巻きバネ166と169が設けられている。回動軸161の操作のために、回動軸161の走行台111側の端部には丸みをつけられた操作コマ部材170が固定されている。図15に示すように、操作コマ部材170はコマガイドレール175に対する接触移動によりその姿勢が変化し、これにともなって回動軸161が回動し、爪スリーブ163が図13に示す位置から図14に示す位置に変位し、その爪部163aが第1・第2押さえ板165、168をつる巻きバネ166、169のバネ力に抗して押し上げ、開放姿勢とし、フィルム収納部150aへのネガフィルム2の収納もしくはカートリッジ収納部150cへのカートリッジ2aの収納を許す。コマガイドレール175と操作コマ部材170との接触が終了すれば、バネ力により第1・第2押さえ板165、168は収納物の押さえ込み姿勢となる。それ故、ネガフィルム2をトレー100の搬入・搬出する領域にコマガイドレール175が設けられている。
【0033】
図4から明らかなように、コントローラ5は、上述した機能以外にも、種々の機能を果たすように構成されている。コマ画像判定手段5eは、ネガリール11から引き出されたネガフィルム2に対する画面検出センサー14の検出結果に基づいて、ネガフィルム2が、裏焼き、全カブリ、全素抜け、ハーフサイズなどのトラブルをもっているかどうかを判定する。ネガフィルムIDコード割り当て手段5fは、バーコードリーダー12によって1単位のネガフィルム2に貼り付けられたバーコードシールから読み取られたフィルムID(以下FIDと称する)に対応させてネガフィルムIDコードを割り当てるが、このネガフィルムIDコードは写真処理装置1での処理過程においてFIDの代わりにこの1単位のネガフィルム2を特定するために用いられる。なお、各FIDには、DP袋7のためのIDコードがリンクしており、これらのIDコードを照合することにより特定のFIDをもったネガフィルム2が予め定められたDP袋7に入れられる。さらに、このネガフィルム2から作成されたプリント3も特定のDP袋7に入れられることを保証するために、露光部20でこのネガフィルム2のコマ画像を焼き付けられた印画紙3領域に対してもプリントIDコードを割り当てるプリントIDコード割り当て手段5gも備えられており、このプリントIDコードもネガフィルムIDコードとリンクされる。プリントIDコードは、図示されていないノッチャーによって直接印画紙3にも機械的に6ビットコードとして形成される。トラブル検知手段5iは、コマ画像判定手段5eによって判定されたトラブルや、ネガフィルム搬送制御手段5bによって検出された搬送詰まりなどのからネガフィルム2の強制排出などをともなう照合不一致トラブルを検知し、トラブル情報としてこの照合不一致トラブルを生じたネガフィルム2のネガフィルムIDコードやプリントIDコードにリンクする。
【0034】
上述した各種IDコードとトラブル情報のリンク構造の理解を助けるために図16にその模式図が示されている。なお、ネガフィルムIDコードにはさらにオーダーNoもリンクしている。1つのトレー100に、リンクされたネガフィルムIDコードとプリントIDコードをもつネガフィルム2とプリント3が積み込まれることで、自動的に組み合わせ照合されるが、この目的のため、トレーIDコード割り当て手段5hは、ネガフィルムIDコードに、そして結果的にプリントIDコードに、トレーIDコードをリンクさせる。このトレーIDコードは、トレー100の走行台111に設けられた各トレー100のトレーIDコードを示すIDプレート120に形成された貫通穴121を案内周回案内路80の所定の位置に設けられたIDセンサー77が読み取ることで、6ビットコードとして生成され、コントローラ5のトレーIDコード割り当て手段5hに送られる。
【0035】
トレー100の第1側板153にブラケット114に並んで照合マーク表示装置180が設けられており、この照合マーク表示装置180はトレー100に搬入されるはずのネガフィルム2やプリント3が照合不一致トラブルをもつことを報知する報知手段として用いられる。図17に示すように、照合マーク表示装置180は、軸181周りで回動可能なドラム182と、このドラム182を弾性的に保持する弾性体183と、ドラム182を収容しているハウジング184とを備えている。ハウジング184には外部からドラム182を動かすために開口部184aと表示孔184bが設けられている。ドラム182の周壁面の一部が赤色で塗られており、ドラム182が第1位置に回動すると表示孔184bから赤色が、ドラム182が第2位置に回動すると表示孔184bから地色例えば白色が見える。つまり、写真処理装置1内でのネガフィルム2や印画紙3の処理中に生じた照合不一致トラブルで、同じトレー100に載せられる1単位のネガフィルム2やプリント3のIDコードにトラブル情報がリンクされていると、該当トレー100がプリント搬入ステーション73に停止している時に、コントローラ5の照合マーク制御手段5jがプリント搬入ステーション73に配置された表示マーク用ソレノイド89を動作させて、ドラム182を第2位置から第1位置に回動し、作業者にこのトレーのネガフィルム2とプリント3が照合不一致であることを報知する。第1位置に回動されたドラム182は照合ステーション74において再び第2位置に戻される。
【0036】
次に上述した写真処理装置1におけるネガフィルム2と印画紙つまりプリント3との照合に関する制御を説明する。図4では、写真処理装置1の全体の制御を行ってコントローラ5をブロック構成図で表しているが、図18ではコントローラ5の全体の機能を動作は写真処理装置制御メインルーチンで表しており、この写真処理装置制御メインルーチンは必要に応じて各種の処理ルーチンに指令を与えて必要な処理を実行させていくが、図18には、そのような各種処理ルーチンの内、特に照合に関するルーチンが取り挙げられている。いずれにしても、コントローラ5は、マイコンをベースとして、その機能は基本的にプログラムで実現されるものであり、ブロック構成図と処理ルーチンフローチャートの2つの異なった形態で説明することができる。
【0037】
まず、ネガリール11がセットされると、ネガローディング処理ルーチンが起動する。ネガローディング処理ルーチンにおいては、図19に示すように、1本分(通常この単位が1オーダとなる)のネガフィルム2のネガデータを光センサーで読み取り(#11)、正常な焼付処理が可能かどうかが判定される。つまり、このネガフィルム2のコマ画像が、裏焼きかどうか(#12)、全カブリや全素抜けかどうか(#13)、フルサイズではなくハーフサイズであるか(#14)、をチェックし、もしYesの場合そのような焼付処理に不適当なネガフィルム2を強制排出してしまうか、又は一応ネガ排出部60まで送り、トレー100に載せるかの選択を行う(#15)。強制排出の場合は、強制排出ルーチンによる制御に基づいて、このネガフィルム2は、図示されていない中途排出ラインを介して排出ネガ箱に排出される(#16)。いずれにしても、コマ画像が焼付処理に不適当な場合は照合不一致トラブルが発生したとして、このネガフィルム2がもつIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#17)。
【0038】
ネガローディングを終えたネガフィルム2は、ネガカット処理ルーチンにより、1本単位、つまり1オーダ単位にカットされ、分離した状態で露光部20へ送られる。
露光部20へ送られたネガフィルム2は、図20で示すコマ画像読み取りルーチンによって露光前の処理が行われる。コマ画像読み取りルーチンでは、コマ画像の位置決めのために用いられるプリントノッチが存在しているかどうかがチェックされ(#21)、プリントノッチがある場合プリントノッチを利用してスキャニング位置に位置決めされ(#22)、プリントノッチがない場合コマ画像を検出しながら所定のコマ画像をスキャニング位置に合わせる(#23)。位置決めされたコマ画像からフィルム読取装置21を介して読み込まれた(#24)画像情報はコントローラ5内の画像メモリに記憶され、適当な画像処理を施されてモニタ6aで写し出される。必要に応じて読み込まれたコマ画像に対する露光補正が行われ(#25)、ネガフィルム2は露光位置に送られる(#26)。このネガ送りにおいて、ネガ詰まりが生じたかどうかがチェックされ(#27)、ネガ詰まりが発生した場合、手でネガフィルム2が取り出され(#27)、照合不一致トラブルが発生したとして、このネガフィルム2がもつIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#29)。この取り出されたネガフィルム2は、ネガリール11に巻き付けられたネガフィルムが全て処理された後に、再度搬送ラインに装填される。
【0039】
露光処理では、前述したように露光装置22を構成する各要素の動作を制御する必要であるが、図21で示す露光処理ルーチンは、ネガフィルム2の動きに絞って記載されている。露光処理ルーチンでは、順次ネガフィルム2のコマ画像の印画紙3への露光が行われていくが(#31)、1つのコマ画像に対する焼付枚数が多いことなどの理由で、1オーダ当たりの露光枚数つまりプリント枚数が55枚を越えた場合(#32)、プリントIDの値をカウントアップする(#33)。このプリントIDは、通常1オーダ分のプリント全てに対して付けられるものであり、この1オーダのネガフィルム2とプリント3を同じトレー100に積み込むことにより、オーダ番号とネガフィルムIDとプリントIDとトレーIDが1:1にリンクされる。しかしながら、この実施の形態では、トレー100に載せられるプリント枚数の限度は、55枚であるので、55枚を越えるプリント3に対しては1つ繰り上がったプリントIDが割り当てられる。つまり、1つのオーダに対し2つの(場合によってはさらに多くの)プリントIDが与えられることとなる。これにより、プリントIDとトレーIDは1:1の関係が維持される。続いて、オートネガマスク領域でのネガ送りにおいて、ネガ詰まりが生じたかどうかがチェックされ(#34)、ネガ詰まりが発生した場合、一旦オートネガマスクへの新たなネガフィルム2の送り込みを停止し、手でネガフィルム2を取り出すといった手動リカバリー作業が行われ、照合不一致トラブルが発生したとして、このネガフィルム2がもつIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#35)。この取り出されたネガフィルム2は、ネガリール11に巻き付けられたネガフィルムが全て処理された後に、再度搬送ラインに装填される。#34でNo分岐した場合は、さらに、ネガフィルムが写真処理装置から取り出されるような照合不一致となるトラブルが発生したかどうかをチェックして(#36)、照合不一致トラブルが生じていた場合はそのネガフィルム2に対応するIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#37)。上述のようにして、1オーダ分の露光処理が行われる。
【0040】
露光処理の終えたネガフィルム2はネガピースとして所定の長さ(4コマ長さ、又は6コマ長さ)にカットされ、さらにカットされたネガフィルム2(ネガピース)はネガシートに挿入され、ネガシート排出部60から排出されるが、これらの処理はネガ排出ルーチンにより行われる。図22に示すネガ排出処理ルーチンでは、ネガフィルム2のカットすべき箇所をネガカッター25のカッティングラインに位置合わせし(#41)、ネガカッター25を作動し、所定長さのネガフィルム2を作り出す(#42)。カットされたネガフィルム2は、それ自体は公知であるネガシート挿入装置によってネガシートに挿入されていくが(#43)、ネガシート挿入過程においてシート挿入が不可能となるようなトラブル、例えばネガシートが大きすぎるたり小さすぎるためにネガシートを折り畳めないトラブル、ネガシートの継ぎ目にまたがるためにネガシート挿入作業が続行できないトラブルなど、が発生した場合(#44)、ネガフィルム2を強制的に排出し(#45)、このネガピース2をトレー100に載せることを断念する。従って、このネガフィルム2に対応するIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#46)。
【0041】
露光部20で最終コマ画像の露光完了時点からネガフィルム排出部60からの排出までの処理時間が異常に長いと、通常ネガシートに挿入された形でネガフィルム排出部60から排出されたネガフィルム2を積み込んだトレー100が、その最終コマ画像を焼き付けて現像され、プリント3としてプリント排出部50から排出されるまでに、プリント搬入ステーション73に到着しないことになる。このような事態の処理として、ネガ搬送遅れ処理ルーチンがある。図23で示すネガ搬送遅れ処理ルーチンでは、トレー100に載せる予定のネガフィルム2の最終コマ画像を焼き付けた印画紙3が現像処理部30に送り出されてからの時間:t1が限界時間:T1未満かどうかチェックされ(#51)、限界時間を越えていた場合、印画紙3の露光部20への送り出しを中断し(#52)、プリント排出部50から排出されるプリント3をとりあえず処理していくために空トレー100をプリント排出部50に向けて送り出してから(#53)、ネガフィルム排出部60のネガフィルム2をトレー100に積み込む。次いで、印画紙3の送り出しを再開する(#55)。同時に、露光部20から出てネガフィルム排出部60までに存在するネガフィルム2は照合不一致としてこのネガフィルム2に対応するIDコードにトラブル情報をリンクする(#56)。露光部20のセットされているネガフィルム2は、照合可能とみなされる。
【0042】
ここまでは、ネガフィルム2に関連する処理過程での照合不一致トラブルを説明したが、印画紙3(プリントカットされた後はプリント)の処理過程においても照合不一致トラブルは生じる。但し、印画紙3は、ペーパーローディングルーチンにより露光部20へ送り出され、露光された後、現像部搬送ルーチンにより現像処理部30の各処理タンク内を通過することにより現像処理され、乾燥部40で乾燥されるまで、通常は連続的に行われるので、照合不一致トラブルは生じない。問題となるのは、印画紙3よりプリントカットされたプリント3を所定のトレー100に積み込むプリント積み込み過程であり、その処理ルーチンは図24に示されている。ペーパーカッター51によるプリントカットの前に、印画紙3の側端に形成された6ビットのプリントID用ノッチ列を光学的に読み取り(#61)、コントローラ5が内部的にリンク構造の形で格納しているプリントIDと一致するかどうかチェックし(#62)、一致しなければこのプリントIDにトラブル情報をリンクする(#67)。さらに、露光された枚数とペーパーカッター51によって印画紙3からカットされたプリント枚数とをチェックされる(#63)。このチェックで、このオーダにおいて露光された枚数、つまり露光処理時にコントローラが記憶しているプリント枚数より実際にこのオーダ分としてペーパーカッター51によってプリントカットする枚数が多くなった場合のリカバリーとしては、一応このプリント3をプリントIDにリンクしているトレー100に積み込む。また、このオーダにおいてコントローラが記憶しているプリント枚数より実際にこのオーダ分としてペーパーカッター51によってプリントカットする枚数が少なくなった場合のリカバリーとしては、コントローラ5が記憶しているプリント枚数に達した段階で、残りのプリントを積み込むためのトレーを準備すべく、トレーIDを追加する。この実施の形態では、コントローラ5が記憶しているプリント枚数は、印画紙3をオーダ単位の区分けしているオーダノッチを使って算定可能であり、このオーダノッチ間に形成されているコマ画像がプリント枚数となる。従って、上述したトラブルは、ペーパーカッター51領域で、オーダノッチの検出もれ(指定の枚数になってもオーダノッチが検出されないケース)やオーダノッチの過剰検出(指定の枚数にならないのにオーダノッチが検出されるケース)によって引き起こされる。とにかく、枚数が一致しなければ上述したような積み込みトレー100の割り当てに関するリカバリー処理を行った後(#64)、このプリントIDにトラブル情報をリンクする(#67)。ここでは、さらに、プリント長さもチェックされ(#65)、所定長さを越える場合は、トレー100に積み込める長さにカットするといったリカバリー処理を行った後(#66)、このプリントIDにトラブル情報をリンクする(#67)。搬送系の故障などプリント搬入ステーション73での搬入が不可能となるトラブルが生じていると(#68)、印画紙3をノーカットでバイパス路54から排出し(#69)、このプリントIDにトラブル情報をリンクする(#67)が、このケースでは、プリント3はトレー100に積み込まれないので、該当トレー100はネガフィルム2だけを積み込んだ状態で、照合ステーション74に送られる。
【0043】
照合不一致報知処理ルーチンは、プリント搬入ステーション73に停止したトレー100が積み込むべきネガフィルム2やプリント3のIDコードにトラブル情報がリンクされており、結果としてこのトレー100のIDコードにトラブル情報がリンクしている場合、表示マーク用ソレノイド89を動作させて、赤色マークを出すことで、作業者にこのトレーのネガフィルム2とプリント3が照合不一致であることを報知する。
【0044】
次に、コンベヤ機構制御処理ルーチンに基づいた、コンベヤ機構70のトレー100の搬送動作を説明する。
ネガフィルム搬入ステーション71におけるネガ排出部60から第1ストッパー装置85によって停止しているトレー100のフィルム収納部150aへのネガフィルム2の収納は、ネガシートに挿入され折り畳まれた状態のものや裸のままのネガフィルム2、場合によってはアドバンスフォトシステムのカートリッジが1単位毎にここでは図示されていないフィーダ装置によって自動的に行なわれる。ネガフィルム搬入ステーション71での第1ストッパー装置85による停止が解除され、自重により下降したトレー100は、第3駆動装置90cの牽引部95に係合し、登り斜面を走行し、さらに待機ステーション72を形成している第1駆動装置90aによって引き継がれ、順次ストレージされていく。
【0045】
待機ステーション72でストレージされている先頭のトレー100は、間欠駆動している第4駆動装置90dのチェイン91が駆動して、牽引部95と係合することで、登りの急斜面を牽引部95の1ピッチ毎昇っていく。第4駆動装置90dによる搬送は、プリント搬入ステーション73の第2ストッパー装置86がトレー100の停止を解除するのと連動して、牽引部95の1ピッチ分ずつ駆動する。従って、プリント搬入ステーション73に停止するトレー100が、横送りコンベヤ53から1単位のプリント3を受け取って第5駆動装置90eによって斜面を下降する毎に、次のトレー100がプリント搬入位置に送られ、第2ストッパー装置86によって停止させられる。
【0046】
この写真処理装置1が正常に動作している限り、ネガフィルム2は、1オーダ当たりのプリント枚数が所定量を越えない限り、露光部20における露光処理順に1単位毎トレー100に収納され、ネガフィルム2を収納していないトレー100がプリント3を受け取ることはないので、プリントを上記の露光処理順と同じ順序で横送りコンベヤ53から受け取ることで、トレー100のプリント収納部150bには、フィルム収納部150aに収納されているネガフィルム2の画像を焼き付けたプリント3が収納されることになる。1オーダ当たりのプリント枚数が所定量を越える場合は、越えた分のプリントのためにさらにトレー100が割り当てられる。しかしながら、このような特例を除いて、何らかのトラブルで、所定のIDコードをもつトレー100に収納されたネガフィルム2とプリント3にこれまでの処理過程で生じたトラブルのため欠損があるなど、照合不一致とみなされ、このトレー100に収納された又は収納されるはずであったネガフィルム2やプリント3に対応するIDコードにトラブル情報がリンクしている場合、プリント搬入ステーション73に設けられている照合マーク用ソレノイド89が動作し、このトレー100の照合マーク表示装置180のドラム182を第1位置に回動し、照合不一致を示す赤色を表示孔184bに出す。第2ストッパー装置86によって停止させられているトレー100が、横送りコンベヤ53から、1単位のネガフィルム2に組み合わされるべきプリント3を受け取ると、第2ストッパー装置86が解除され、トレー100は自重により少し降下し、第5駆動装置90eの牽引部95に係合して、チェーン91の動きに伴って降下して行くが、この第5駆動装置90eは、照合ステーション74にストレージされているトレー100の数等に応じて、第2ストッパー装置86の作動と連動してトレー100を受け取る毎に牽引部95の1ピッチ分搬送する間欠駆動と、第2ストッパー装置86の状態にかかわらずにトレー100を搬送する常時駆動とに切り換え可能となっている。第5駆動装置90eによって斜面を下降するトレー100は、照合ステーション74のストレージラインに入るために、一旦第6駆動装置90fに引き継がれる。
【0047】
照合ステーション74のストレージラインに入ったトレー100は、第3ストッパー装置87によって停止させられたトレー100を先頭に順番に停止させられ、作業者がトレー100から仕上がり品としてネガフィルム2及びプリント3を取り出すのを待つ。ここで、赤色の照合不一致マークが表示されているトレー100に対しては、作業者は所定のリカバリー作業を行う。いずれにしても、収納されているネガフィルム2及びプリント3が作業者によって抜き取られたトレー100は、第4ストッパー装置88によって停止されていたトレー100が第2駆動装置90bによってネガフィルム搬入ステーション71に送られることに連動して第3ストッパー装置87が作動することにより、第4ストッパー装置88まで送り込まれる。これにともなって、ストレージラインのトレー100は第1駆動装置90aによって1つずつ前に詰められる。
【0048】
第4ストッパー装置88の解除にともなう第2駆動装置90bによるトレー100のネガフィルム搬入ステーション71への搬送制御は、第1ストッパー装置85による停止位置においてトレー100のフィルム収納部150aへネガフィルム2を収納する作業が完了する毎に行われる。つまり、ネガフィルム2の積み込み完了にともない第1ストッパー装置85がトレー100の停止を解除すると、第4ストッパー装置88の領域に備えられた光センサ76によりネガフィルム2及びプリント3の取り出し完了が検出されたのを条件として、第4ストッパー装置88がトレー100の停止保持を解除し、ネガフィルム搬入ステーション71へ空のトレー100を供給する。これに連動して、第3ストッパー装置87もトレー100の停止保持を解除し、第4ストッパー装置88へトレー100を送り出す。
【0049】
上記実施の形態では、トレー100に搬入されるはずのネガフィルム2やプリント3が照合不一致トラブルをもつことを報知する報知手段として色を表示する構成が採用されていたが、この構成以外、本発明の別な実施の形態として、マーク表示やランプ点灯などの視覚を利用する報知ディバイスや、ブザーなどの聴覚を利用する報知ディバイスを採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による写真照合システムを採用した写真処理装置の斜視図
【図2】図1によるネガフィルムと印画紙の流れを示す写真処理装置の模式図
【図3】図1による写真処理装置のブロック図
【図4】コントローラのブロック構成図
【図5】写真照合システムを構成するコンベヤ機構の模式図
【図6】駆動装置とトレーの走行部との関係を示す説明図
【図7】駆動装置とトレーの走行部との関係を示す説明図
【図8】フィルム収納部へのネガフィルムの搬入を示す説明図
【図9】第1ストッパー装置の模式図
【図10】第3ストッパー装置の模式図
【図11】光センサーの模式図
【図12】トレーの斜視図
【図13】トレーの押さえ保持機構を示す断面図
【図14】トレーの押さえ保持機構を示す断面図
【図15】操作コマ部材の動作を示す説明図
【図16】各種IDコードのリンク構造を説明する模式図
【図17】照合マーク表示装置の模式図
【図18】コントローラの機能を説明する説明図
【図19】ネガローディング処理のフローチャート
【図20】コマ画像読み取り処理のフローチャート
【図21】露光処理のフローチャート
【図22】ネガ排出処理のフローチャート
【図23】ネガ搬送遅れ処理のフローチャート
【図24】プリント搬入処理のフローチャート
【符号の説明】
2 ネガフィルム
3 印画紙(プリント)
20 露光部
50 プリント排出部
5i トラブル検知手段
60 ネガフィルム排出部
70 照合搬送手段
180 報知手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネガフィルム供給部から送られたネガフィルムの画像を印画紙へ焼き付ける露光部と、前記露光部で用いられたネガフィルムを排出するネガフィルム排出部と、前記焼付処理された印画紙を現像処理する現像部と、前記現像された印画紙を所定長さにカットすることでプリントとして排出するプリント排出部と、前記ネガフィルム排出部から排出された1単位のネガフィルムを受け取るとともに前記プリント排出部から前記1単位のネガフィルムから得られた画像をもつプリントを受け取ってこれらを仕上がり品として組み合わせて搬送する照合搬送手段とを備えた写真処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述したような写真処理装置では、ネガフィルムとプリントとの組み合わせは、顧客によって注文されたネガフィルム1本又は1セットのピースネガ(4駒又は6駒毎に切断したフィルム数枚)を1単位として行われるのが通常であり、この1単位を1オーダとも呼ぶ。同じ顧客が同時に数本のネガフィルムや数セットのピースネガの焼付注文をする場合でも、それぞれ別のオーダとして処理される。この1オーダ分の、つまり1単位のピースネガ(通常1本の長いネガフィルムは最終的にピースネガとして所定の長さにカットされる)とプリントを照合して自動的にDP袋に袋詰めする写真処理装置が、例えば特開平6−43622号公報から知られている。この写真処理装置におけるピースネガとプリントの照合工程では、露光処理を終えてネガシートに挿入された1単位のピースネガがこのピースネガが有するID番号を印字されたプリント袋に収納され、このプリント袋のID番号と単位毎に区分けされてソーターで搬送されてきたプリントのID番号とを照合し、ID番号が一致するとこの1単位のプリントはプリント袋に収納され、同じID番号を有するピースネガと組み合わされる。
【0003】
このような照合システムの場合、連続して搬送されてくるピースネガとプリントのID番号が異なっていた場合、搬送されてくるピースネガとプリントのID番号を順々に調べていく必要があり、照合不一致の場合のリカバリー作業に手間がかかるという問題が生じる。特に、照合不一致のピースネガとプリントが1単位だけ存在していても、他の照合一致するはずのピースネガとプリントまでもがリカバリー作業時のチェック対象となるため、この写真処理装置の稼働率が大きく低下することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記問題を解決し、照合不一致のネガフィルムとプリントが存在してもそのリカバリー作業が簡単となる照合チェック機能を備えた写真処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、ネガフィルム供給部から送られたネガフィルムの画像を印画紙へ焼き付ける露光部と、前記露光部で用いられたネガフィルムを排出するネガフィルム排出部と、前記焼付処理された印画紙を現像処理する現像部と、前記現像された印画紙を所定長さにカットすることでプリントとして排出するプリント排出部と、前記ネガフィルム排出部から排出された1単位のネガフィルムを受け取るとともに前記プリント排出部から前記1単位のネガフィルムから得られた画像をもつプリントを受け取ってこれらを仕上がり品として組み合わせて搬送する照合搬送手段とを備えた写真処理装置において、
前記ネガフィルムと前記印画紙の処理工程中に生じた前記1単位のネガフィルムとプリントとの照合に悪影響を与える照合不一致トラブルを検知するトラブル検知手段と、前記トラブル検知手段のもつトラブル情報に基づいて前記照合搬送手段によって搬送されている前記仕上がり品が前記照合不一致トラブルをもつことを報知する報知手段とが備えられ、前記照合搬送手段はトレーコンベヤとして構成されており、前記仕上がり品を収納する各トレーに前記報知手段が設けられていることを特徴とする。
【0006】
上記構成では、ネガフィルムや印画紙のそれぞれの処理工程中に、照合搬送手段における1単位のネガフィルムとプリントとの照合不一致をもたらすようなトラブルが生じた場合トラブル検知手段がこのトラブルを照合不一致トラブルとして検知しておき、照合搬送手段で搬送されている前述した照合不一致の対象となる仕上がり品、つまりネガフィルムやプリントに対して照合不一致であることを指摘することができる。これにより、1単位毎のネガフィルムとプリントとの組み合わせ照合を行う照合搬送手段において照合不一致であるネガフィルムやプリントを作業者は容易に認識できるため、そのネガフィルムやプリントだけを取り出してリカバリー作業を行えばよく、他の照合一致する仕上がり品をチェックする必要がない。つまり、照合不一致が生じたとしてもそのリカバリー作業が簡単かつ迅速に行うことができ、結果的にこの写真処理装置の稼働率が向上する。
【0007】
さらに、上記構成によれば、照合が一致しないネガフィルムやプリントなどの仕上がり品が各排出部からトレーに積み込まれると、そのトレーに設けられている報知手段が現在積み込んでいる仕上がり品が照合することのできないものであることを報知するので、作業者は照合不一致の仕上がり品をそのトレーより取り出しリカバリー作業を行う。作業者はトレーに設けられた報知手段に注目するだけでよいので、照合作業が簡単となる。
【0008】
報知手段の構造としては、人間の視覚、聴覚などに訴えるものを用いることができるが、色彩マーク、例えば赤色を表示可能なディバイスを利用すると効果的である。そのような照合不一致マークの表示は、電気式の点灯ディバイスによるより、機械的な切り換えディバイスによる方が、電気配線を施す必要がない分好都合である。
【0009】
トレーの好適な実施形態として、ネガフィルムを収納するフィルム収納部とプリントを収納するプリント収納部を同一のトレーに設ける構成が好ましく、この場合、フィルム収納部に収納されたネガフィルムから得られた画像をもつプリントが同じトレーのプリント収納部に収納されるので、照合されたプリントとネガフィルムを取り出して、1つのDP袋に入れる作業が簡単となる。報知手段によって照合不一致を指摘されたトレーでは、そこに収納されている(トラブルにより全く収納されていない場合もあるが)ネガフィルムの画像とプリントの画像が一致しないことになるので、そのトレーに収納されているネガフィルムやプリントを取り出してリカバリー作業を行い、その他のトレーのネガフィルムやプリントはそのまま1つのDP袋に入れて出荷することができる。
【0010】
トラブル検知手段は、ネガフィルムとプリントが最終的に照合搬送手段で組み合わされた際に照合不一致となる原因が生じた際にこれを検知する種々の実施形態をとることができるが、例えば、写真処理装置においてはネガフィルムと印画紙はお互いに連続処理されるので正常に連続稼働している限り照合不一致は生じないという前提にたてば、ネガフィルム又は印画紙のいずれかの連続した処理工程が中断された場合照合不一致トラブルとして検知するようにトラブル検知手段を構成することが考えられる。ネガフィルムや印画紙が搬送詰まりを起こすとネガフィルムや印画紙を搬送工程から取り除く必要があるが、特にネガフィルムの場合画像読み取りのための搬送、ピースネガへの切断やネガシート挿入などから搬送詰まりが生じやすく、連続した処理が中断され、ネガフィルムが取り除かれることになり、この場合、確実に照合搬送手段において照合不一致となるわけであるから、このトラブルをトラブル検知手段は検知し、このネガフィルムに対応するトレーに対して報知手段を通じて照合不一致を指摘するのである。
【0011】
さらに、焼付工程の前の画像読み取りチェックによりネガフィルムの全画像が正常な焼付処理に適さないと判断されると、コマ画像のプリントが行われないため、照合搬送手段においてネガフィルムのもつ画像とプリントが一致しなくなるので、このような場合照合不一致トラブルとして検知するようにトラブル検知手段を構成することも提案される。
【0012】
つまり、本発明の重要な点は、ネガフィルムや印画紙のローディング工程から始まって写真処理装置における全ての処理工程においてネガフィルムとプリントが最終的に照合搬送手段で組み合わされた際に照合不一致となる原因が生じた際にトラブル検知手段がこのトラブルを検知し、報知手段を通じて搬送されている特定のネガフィルムやプリントに照合不一致であることを指摘することで、他の照合一致する仕上がり品の出荷作業をスムーズにすることである。
本発明のその他の特徴及び利点は以下図面を用いた発明の実施の形態の説明で明らかになるだろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による写真処理装置1の全体が図1に示されており、この写真処理装置1内を各種処理にともなって搬送されるネガフィルム2(ここでは、ネガフィルムは、写真フィルム1本の長さをもつネガフィルム、数コマ単位でカットされたピースネガ、アドバンスフォトシステムに準じたカートリッジ付きネガフィルムの総称としても使用されている)と印画紙3の搬送経路が、図2に模式的に示されている。この写真処理装置1は、ネガフィルム供給部10と、ネガフィルム2の画像をペーパーマガジン4から引き出された印画紙3に焼き付ける露光部20と、露光部20にて露光済の印画紙3を現像処理する現像処理部30と、現像処理部30にて現像処理された印画紙3を乾燥する乾燥部40と、乾燥された印画紙3を所定長さにカットしてプリント(印画紙3を所定長さにカットしたものをプリント3と称している)として排出するプリント排出部50と、露光部20で使用されたネガフィルム2をカットし、必要の場合ネガシートに挿入して、排出するネガフィルム排出部60と、ネガフィルム排出部60から搬入された1単位(理解し易くするため、ここではこの1単位を1オーダと読み換えてもよい)のネガフィルム2とプリント排出部50から搬入された1単位のプリントを仕上がり品として照合組み合わせて、作業者による仕上がり品取り出し位置まで搬送する照合搬送手段としてのコンベヤ機構70とを備えている。
【0014】
ネガフィルム供給部10には、100本までのネガフィルム2をスプライステープによってつなぎ合わせたものを巻き取っているネガリール11が2本装填可能であり、このネガリール11から引き出されたネガフィルム2に備えられているバーコードを読み取るバーコードリーダー12や引き出されたネガフィルム2を1オーダ毎にカットするネガカッター13が設けられている。
【0015】
露光部20には、図3(図2と比べてネガフィルム2と印画紙3の配置が上下逆に配置されている)に示すように、フィルム搬送方向上流側に、読取用光源21a、ミラートンネル21b及び撮像装置21cからなるフィルム読取装置21が設けられ、そのフィルム搬送方向下流側に、露光用光源22a、調光フィルタ22b、ミラートンネル22c、ネガマスク22d、焼付レンズ22e及びシャッタ22fからなる露光装置22が設けられ、ネガフィルム供給部10から露光部20を通過してネガ排出部60へネガフィルム2を搬送するローラ23a及びそのローラ23aを駆動するモータ23bが設けられている。
【0016】
ローラ23aにて搬送されるネガフィルム2は、先ず、フィルム読取装置21にて、その各コマの画像が読み取られ、図4に詳細にそのブロック図が示されているコントローラ5に送られる。コントローラ5の露光制御手段5aでは、フィルム読取装置21から受け取った画像情報に基づいて、そのネガフィルム2の画像を印画紙3に焼き付けるための露光条件を求めて、該当するネガフィルム2のコマがネガマスク22dの位置に搬送されて来たときに、先だって求めた露光条件に基づいて調光フィルタ22b及びシャッタ22fを制御し、印画紙3を露光する。さらに、コントローラ5は、フィルム読取装置21にて読み取ったネガフィルム2の画像情報を処理して、求めた露光条件で印画紙3の焼き付けた場合に得られる画像のシミュレート画像をモニタ6aに表示させることができ、作業者は、そのシミュレート画像をモニタ6aを観察して、必要に応じて操作卓6bから露光条件を修正することができる。
【0017】
又、露光部20にて露光処理の終了したネガフィルム2は、露光装置22のフィルム搬送方向下流側に配置されているネガ排出部60に設けられたネガカッター25によって6駒又は4駒毎に切断され、複数枚のネガピース2として、コンベヤ機構70へ送り出されるが、仕様によっては、図示されていないネガシート挿入装置によってネガピース2がネガシートに挿入され、このネガシートは折り畳まれた後コンベヤ機構70へ送り出される。なお、アドバンスフォトシステムに準じたネガフィルム2は、各種処理作業前にカートリッジから引き出され、処理後再びカートリッジに巻き戻されるので、露光処理後のネガフィルム2もカートリッジに収納された状態でコンベヤ機構70へ送り出される。なお、ネガリール11から引き出され、最終的にコンベヤ機構70へ送り出されるまでの一連のネガフィルム2の搬送は、コントローラ5のネガフィルム搬送制御手段5bによって制御される。
【0018】
現像処理部30には、その図示は省略されているが、複数の現像処理タンクが備えられており、露光部20でネガフィルム2の画像が焼き付けられた後、印画紙3はローラ24a及びローラ24aを駆動するモータ24bによってコレクション印字部26を通り、現像処理部30の現像処理タンクを順次通過することで現像処理される。なお、現像処理部30の手前には、ループ部の存在にもかかわらず露光部20と現像処理部30の間で連続して印画紙3を送り続けることができない事態が生じた場合に緊急避難的に印画紙3を切断するカッター27が設けられている。
【0019】
現像処理後の印画紙3は、乾燥部40で乾燥された後、プリント排出部50に送られ、ペーパーカッター51によってカットされることにより仕上がりプリント3となり、横送りコンベヤ53によってコンベヤ機構70へ送り出される。54は、何らかのトラブルで印画紙3をコンベヤ機構70に送り出せない事態が生じた場合印画紙3をノーカットで排出するための印画紙バイパス路である。印画紙3又はプリント3の一連の搬送や印画紙バイパス路54への分岐は、コントローラ5の印画紙搬送制御手段5cによって制御される。
【0020】
コンベヤ機構70は、図5に示すように、トレーコンベヤ式であり、周回案内路80に案内されながら搬送力を伝達する駆動手段90によって走行する複数のトレー100が備えられている。周回案内路80によって決定される搬送ラインには、ネガフィルム搬入ステーション71と待機ステーション72と、プリント搬入ステーション73と、照合ステーション74とが形成されている。周回案内路80は、図6に示すように、左右一対の略円形断面のレール81とこのレール81を所定の間隔で連結している連結体82とで構成され、写真処理装置1の低い位置に配置されたネガフィルム排出部60と高い位置に配置されたプリント排出部50との間を現像処理部30と乾燥部40の側壁に沿って延びている。
【0021】
トレー100は、図6〜図8に示されているように、レール81上を走行する走行部110と、フィルム収納部150aとプリント収納部150bとを備えた載置部150とから構成されている。走行部110は、チャンネル形の走行台111と、この走行台111の両側のリブ部111aと111bの内側にそれぞれ軸112によって回転可能に支持されている各4つの走行ローラ113と、載置部150を走行台111に対して傾斜させて取り付けるためのアングルブラケット114(図9)とを備えている。ひとつのトレーにつき8つづつ取り付けられている走行ローラ113の走行面には、レール81の形状に合わせた溝113aが形成されている。走行部110は、右側のリブ部111aに配置された前側の上下の走行ローラ113及び後側の上下の走行ローラ113で右側のレール81を2カ所挟み込むとともに、左側のリブ部111bに配置された前側の上下の走行ローラ113及び後側の上下の走行ローラ113で左側のレール81を2カ所挟み込むことにより、安定したレール走行を行っている。
【0022】
ネガフィルム搬入ステーション71では、ネガフィルム排出部60から排出された1単位分のネガフィルム2がトレー100のフィルム収納部150aに移載される。待機ステーション72では、ネガフィルム2を積み込んだトレー100がこのトレー100に積み込んだネガフィルム2の画像を焼き付けている1単位分のプリント3がプリント排出部50から出されるタイミングに合わすために待機可能である。プリント搬入ステーション73では、フィルム収納部150aに収納されたネガフィルム2の画像を焼き付けている1単位分のプリント3がプリント排出部50からトレー100のプリント収納部150bに移載される。照合ステーション74では、トレー100によって運び込まれた1単位分のネガフィルム2とプリント3の照合が確認されると、ネガフィルム2とプリント3がトレー100から取り出され、DP袋7へ入れられる。各トレー100に対するこのような照合・取り出しと照合ステーション74へのトレー100の送り出しが同期しているわけではないので、この照合ステーション74では、待機ステーション72と同様、トレー100はレール81上でストレージ可能となっている。空になったトレー100は、再びネガフィルム搬入ステーション71に送られる。
【0023】
トレー100を搬送する駆動手段90は、エンドレス駆動体としてチェイン91を採用したチェイン駆動方式を採用しており、図5から明らかなように、第1駆動装置90aから第6駆動装置90fに分割されている。第1駆動装置90aは、照合ステーション74と待機ステーション72とにわたって配置されている。第2駆動装置90bは、空になったトレー100をネガ搬入ステーション71におけるトレー停止位置まで移動させるように配置されている。第3駆動装置90cは、ネガフィルム2を積み込んだトレー100を第1駆動装置90aの一部によって形成される待機ステーション72のストレージラインまで移動させるように配置されている。第4駆動装置90dは、待機ステーション72でストレージされているトレー100を、順次プリント搬入ステーション73のトレー停止位置に移動させるように配置されており、図5から明らかなように、第4駆動装置90dはトレー100を急勾配で上昇させている。第5駆動装置90eは、さらにプリント3を積み込んだトレー100を急勾配で下降させ、第1駆動装置90aの照合ステーション74を形成している部分へ、送り込むように配置されているが、照合ステーション74の手前で周回案内路80が湾曲状になっているため、トレー100を湾曲したラインに沿って移動させる第6駆動装置90fを第5駆動装置90eと第1駆動装置90aとの間に配置している。上述した各駆動装置は、チェイン91、チェイン91に噛み合っている駆動スプロケット92と方向転換スプロケット93、駆動スプロケット92を駆動する駆動モータ94から構成されている。その際第1・第2・第3・第6駆動装置90a、90b、90c、90fは、共通の駆動モータ94から動力を受けているが、第4・第5駆動装置90d、90eはタイミングをとった間欠運転の必要からそれぞれ個別の駆動モータ94から動力を受けている。各チェイン91のリンクプレートとして通常のリンクプレート91aだけではなく、所定のピッチでチェインローラ軸心方向に延びた牽引部95を形成した牽引リンクプレート91bが装着されており、各チェインはこの牽引部95を介してトレー100を移動させている。
【0024】
牽引部95とトレー100の走行部110との搬送力伝達可能な係合は2つの方式で行われている。つまり、第1駆動装置90aでは、ストレージラインを形成するため、図7で示すように、走行台110のリブ部111bの外側に垂直に延びた取付板115の下面に樹脂117によって固定された磁石116とチェイン91の牽引部95とに間に作用する磁力によりトレー100の走行部110とチェイン91の牽引部95との間の係合を作りだし、結果的にチェイン91によってトレー100を移動させている。この目的のため、少なくとも牽引リンクプレート91bは磁性体で作られている。従って、トレー100がトレー100とチェイン91との間に作用する磁力より大きな力でその走行を阻止されると磁石116と牽引部95との係合が外れて、チェイン91だけが進行し、トレー100は停止したままとなる。このことにより、走行台111の端面どうしが接当していくことでトレー100が順次ストレージされ、前のトレーが前進すると、再び磁石116がチェイン91の牽引部95と磁気的に係合して、後のトレー100もチェイン91によって移動し始める。つまり、トレー100のストレージとトレー100のネガフィルム2とプリント3の取り出し位置への供給とが遅延なくかつ自動的に行われる。
【0025】
第1駆動装置90a以外の駆動装置では、トレー100とチェイン91とは一体的に動けばよいので、図6に示すように、走行台110のリブ部111aと111bの下端からさらに突き出した爪部118がチェイン91の牽引部95と接当することにより走行部110と牽引部95との搬送力伝達可能な係合が作り出される。各駆動モータ94は、コントローラ5のコンベヤ制御手段5dによってそれぞれ連係をとるように制御されている。
【0026】
ネガフィルム搬入ステーション71においてネガ排出部60からネガフィルム2を搬入するため、トレー100は第2駆動装置90bと第3駆動装置90cとの間で第1ストッパー装置85によって停止させられる。さらにプリント搬入ステーション73においてプリント排出部50からプリント3を搬入するため、トレー100は第4駆動装置90dと第5駆動装置90eとの間で第2ストッパー装置86によって停止させられる。第1ストッパー装置85と第2ストッパー装置86の構造は同じなので、ここでは図9で示された第1ストッパーの構造を説明する。
【0027】
第1ストッパー装置85は、支点85b回りに揺動する揺動アーム85cと、揺動アーム85cの一端に設けられるとともに揺動アーム85cの揺動によりトレー100の走行台111に設けられている爪部118と係合可能な係合ピン85aと、揺動アーム85cの他端に係合するとともに揺動アーム85cを支点85b回りで図9における時計回り方向に付勢するバネ85dと、揺動アーム85cに係合ピン85a近くで連結されるとともに通電時に揺動アーム85cを支点85b回りで図9における反時計回り方向に揺動させる直線駆動型ソレノイド85eとから構成されている。直線ソレノイド85eの通電解除時には係合ピン85aはトレー100の爪部118の移動軌跡内に入り込むので、第2駆動装置90bの牽引部95から離脱した後下り傾斜となっているレール81を滑り落ちてきたトレー100を停止保持する。直線ソレノイド85eが通電されると、係合ピン85aはトレー100の爪部118の移動軌跡から退避するので、トレー100の通過を許す。第2ストッパー装置86と第4駆動装置90dとの位置関係、及びレール81の下り傾斜姿勢も第1ストッパー装置85の場合と同様なので、第2ストッパー装置86も、同様にトレー100の停止と通過を制御することができる。
【0028】
更に、照合ステーション74においても、ストレージされるトレー100の先頭を停止させる第3ストッパー装置87が備えられている。第3ストッパー装置87は、図10に示すように、回動軸87c回りでシーソー式に揺動する揺動アーム87bと、揺動アーム87bの両端に設けられるとともに揺動アーム87bの揺動により選択的にトレー100の爪部118と係合可能な一対の係合ピン87aと、揺動アーム87bを揺動させるように回動軸87cと連結している回転型ソレノイド87dと、図10における時計回り方向に揺動アーム87bを付勢するように揺動アーム87bの一端に係合しているバネ87eとから構成されている。このような構成をもつ第3ストッパー装置87では、ロータリソレノイド87dの非通電時にはバネ87eの付勢力により、揺動アーム87bが図10において実線で示す姿勢となり、先頭のトレー100を停止させる。先頭のトレー100に続くトレー100は、前述したように先行するトレー100と接当するまでは磁力によってレール81上を移動させられるが、先行するトレー100と接当すると磁力による移動が不可能となり、次々とトレー100が詰められた状態でストレージされる。そして、ロータリソレノイド87dが通電されると、揺動アーム87bがバネ87eの付勢力に抗して図10において二点鎖線で示す姿勢となり、次のトレー100を停止させるが、自由となった先頭のトレー100は、第1駆動装置90aによって磁力を介して移動し始める。この状態から、更にロータリソレノイド87dの通電が解除されると、揺動アーム87bが、図10において実線で示す姿勢に戻り、一旦自由となり第1駆動装置90aによって少し移動した新たに先頭となったトレー100を停止させる。第1駆動装置90aから外れたトレー100はレール81の下り傾斜姿勢も手伝って第2駆動装置90bに近づいていき、第1駆動装置90aと第2駆動装置90bとの間に設けられた第4ストッパー装置88によって停止させられる。
【0029】
第4ストッパー装置88は、ネガフィルム搬入ステーション71へトレー100を送り出すタイミングをとるためのものであり、ネガフィルム搬入ステーション71からトレー100が出ていくと同時に、新しいトレー100を送り出すように制御されている。つまり、第3ストッパー装置87と第4ストッパー装置88によって、ストレージされているトレー100を1台づつネガフィルム搬入ステーション71へ送り出すことができ、同時に照合ステーション74のストレージラインも順次先詰めされていく。図11に示すように、第4ストッパー装置88は、実質的に第1ストッパー装置85や第2ストッパー装置86と同じ構造であるので、ここではその説明を省略する。
【0030】
第4ストッパー装置88によるトレー100の停止位置には、図11に示すように、トレー100のフィルム収納部150aとプリント収納部150bにそれぞれネガフィルム2とプリント3が収納されているか否かを検出する光センサー76が備えられており、この光センサ76は、ネガフィルム2の存否を検出するためのLED76a及び受光素子76bと、プリント3の存否を検出するためのLED76c及び受光素子76dとから構成されており、載置部150には、LED76a及びLED76cの出射光の通過を許容する孔(図示されていない)が形成されている。光センサー76の検出信号はコントローラ5に入力されることにより、第4ストッパー装置88によって停止させられているトレー100が空の状態であるどうかチェックされる。上述した第1ストッパー装置85、第2ストッパー装置86、第3ストッパー装置87、第4ストッパー装置88もコントローラ5のコンベヤ制御手段5dにより制御されている。
【0031】
ここで、図12を用いてトレー100の載置部150の構造を説明する。載置部150は、主に天板151と底板152と第1側板153と第2側板154から構成されるボックス状の形態を有している。プリント収納部150bは天板151上に形成されており、天板151に積み重ねられたプリント3がずれ落ちないように第1側板153と第2側板154を天板151から突き出し、その突き出した部分でプリント3を2つの方向から囲んでいる。他の2つの方向は開放されており、プリント3の搬入・搬出を容易にしている。ネガフィルム2、つまり裸のピースネガ或いはネガシートに挿入されたピースネガを収納するフィルム収納部150aは天板151と底板152との間にポケット状に形成されている。さらに付加的に、アドバンスフォトシステムに準じたネガフィルム2を巻き込んでいるカートリッジ2aを収納するカートリッジ収納部150cがフィルム収納部150aに対向して第2側板154の外側に取り付けられたボックス体155によって形成されている。
【0032】
図5から明らかなように、トレー100はネガフィルム搬入ステーション71から待機ステーション72への移動行程において逆さ吊り状態となり、フィルム収納部150aやカートリッジ収納部150cから収納物が落下する恐れがあるため、トレー100には収納物を保持する押さえ保持機構160が備えられている。押さえ保持機構160は、図12〜図15に図解されているように、底板152に複数の軸受ブラケット162を介して回動可能に支持された回動軸161と、回動軸161に固定された爪スリーブ163と、天板151に取り付けられた固定軸164周りをシーソー式に揺動することによりその一端でフィルム収納部150aに収納されたネガフィルムを押さえる第1押さえ板165と、天板151に取り付けられた固定軸167周りをシーソー式に揺動することによりその一端でカートリッジ収納部150cに収納されたカートリッジを押さえる第2押さえ板168とを備えている。第1押さえ板165と第2押さえ板168は、爪スリーブ163の爪部163aとの接触にともなう爪スリーブ163からの回動変位の伝達により開放方向に揺動する。そして、それぞれの収納物を押さえ付ける方向への揺動はバネ力により行われるが、その目的のためにそれぞれつる巻きバネ166と169が設けられている。回動軸161の操作のために、回動軸161の走行台111側の端部には丸みをつけられた操作コマ部材170が固定されている。図15に示すように、操作コマ部材170はコマガイドレール175に対する接触移動によりその姿勢が変化し、これにともなって回動軸161が回動し、爪スリーブ163が図13に示す位置から図14に示す位置に変位し、その爪部163aが第1・第2押さえ板165、168をつる巻きバネ166、169のバネ力に抗して押し上げ、開放姿勢とし、フィルム収納部150aへのネガフィルム2の収納もしくはカートリッジ収納部150cへのカートリッジ2aの収納を許す。コマガイドレール175と操作コマ部材170との接触が終了すれば、バネ力により第1・第2押さえ板165、168は収納物の押さえ込み姿勢となる。それ故、ネガフィルム2をトレー100の搬入・搬出する領域にコマガイドレール175が設けられている。
【0033】
図4から明らかなように、コントローラ5は、上述した機能以外にも、種々の機能を果たすように構成されている。コマ画像判定手段5eは、ネガリール11から引き出されたネガフィルム2に対する画面検出センサー14の検出結果に基づいて、ネガフィルム2が、裏焼き、全カブリ、全素抜け、ハーフサイズなどのトラブルをもっているかどうかを判定する。ネガフィルムIDコード割り当て手段5fは、バーコードリーダー12によって1単位のネガフィルム2に貼り付けられたバーコードシールから読み取られたフィルムID(以下FIDと称する)に対応させてネガフィルムIDコードを割り当てるが、このネガフィルムIDコードは写真処理装置1での処理過程においてFIDの代わりにこの1単位のネガフィルム2を特定するために用いられる。なお、各FIDには、DP袋7のためのIDコードがリンクしており、これらのIDコードを照合することにより特定のFIDをもったネガフィルム2が予め定められたDP袋7に入れられる。さらに、このネガフィルム2から作成されたプリント3も特定のDP袋7に入れられることを保証するために、露光部20でこのネガフィルム2のコマ画像を焼き付けられた印画紙3領域に対してもプリントIDコードを割り当てるプリントIDコード割り当て手段5gも備えられており、このプリントIDコードもネガフィルムIDコードとリンクされる。プリントIDコードは、図示されていないノッチャーによって直接印画紙3にも機械的に6ビットコードとして形成される。トラブル検知手段5iは、コマ画像判定手段5eによって判定されたトラブルや、ネガフィルム搬送制御手段5bによって検出された搬送詰まりなどのからネガフィルム2の強制排出などをともなう照合不一致トラブルを検知し、トラブル情報としてこの照合不一致トラブルを生じたネガフィルム2のネガフィルムIDコードやプリントIDコードにリンクする。
【0034】
上述した各種IDコードとトラブル情報のリンク構造の理解を助けるために図16にその模式図が示されている。なお、ネガフィルムIDコードにはさらにオーダーNoもリンクしている。1つのトレー100に、リンクされたネガフィルムIDコードとプリントIDコードをもつネガフィルム2とプリント3が積み込まれることで、自動的に組み合わせ照合されるが、この目的のため、トレーIDコード割り当て手段5hは、ネガフィルムIDコードに、そして結果的にプリントIDコードに、トレーIDコードをリンクさせる。このトレーIDコードは、トレー100の走行台111に設けられた各トレー100のトレーIDコードを示すIDプレート120に形成された貫通穴121を案内周回案内路80の所定の位置に設けられたIDセンサー77が読み取ることで、6ビットコードとして生成され、コントローラ5のトレーIDコード割り当て手段5hに送られる。
【0035】
トレー100の第1側板153にブラケット114に並んで照合マーク表示装置180が設けられており、この照合マーク表示装置180はトレー100に搬入されるはずのネガフィルム2やプリント3が照合不一致トラブルをもつことを報知する報知手段として用いられる。図17に示すように、照合マーク表示装置180は、軸181周りで回動可能なドラム182と、このドラム182を弾性的に保持する弾性体183と、ドラム182を収容しているハウジング184とを備えている。ハウジング184には外部からドラム182を動かすために開口部184aと表示孔184bが設けられている。ドラム182の周壁面の一部が赤色で塗られており、ドラム182が第1位置に回動すると表示孔184bから赤色が、ドラム182が第2位置に回動すると表示孔184bから地色例えば白色が見える。つまり、写真処理装置1内でのネガフィルム2や印画紙3の処理中に生じた照合不一致トラブルで、同じトレー100に載せられる1単位のネガフィルム2やプリント3のIDコードにトラブル情報がリンクされていると、該当トレー100がプリント搬入ステーション73に停止している時に、コントローラ5の照合マーク制御手段5jがプリント搬入ステーション73に配置された表示マーク用ソレノイド89を動作させて、ドラム182を第2位置から第1位置に回動し、作業者にこのトレーのネガフィルム2とプリント3が照合不一致であることを報知する。第1位置に回動されたドラム182は照合ステーション74において再び第2位置に戻される。
【0036】
次に上述した写真処理装置1におけるネガフィルム2と印画紙つまりプリント3との照合に関する制御を説明する。図4では、写真処理装置1の全体の制御を行ってコントローラ5をブロック構成図で表しているが、図18ではコントローラ5の全体の機能を動作は写真処理装置制御メインルーチンで表しており、この写真処理装置制御メインルーチンは必要に応じて各種の処理ルーチンに指令を与えて必要な処理を実行させていくが、図18には、そのような各種処理ルーチンの内、特に照合に関するルーチンが取り挙げられている。いずれにしても、コントローラ5は、マイコンをベースとして、その機能は基本的にプログラムで実現されるものであり、ブロック構成図と処理ルーチンフローチャートの2つの異なった形態で説明することができる。
【0037】
まず、ネガリール11がセットされると、ネガローディング処理ルーチンが起動する。ネガローディング処理ルーチンにおいては、図19に示すように、1本分(通常この単位が1オーダとなる)のネガフィルム2のネガデータを光センサーで読み取り(#11)、正常な焼付処理が可能かどうかが判定される。つまり、このネガフィルム2のコマ画像が、裏焼きかどうか(#12)、全カブリや全素抜けかどうか(#13)、フルサイズではなくハーフサイズであるか(#14)、をチェックし、もしYesの場合そのような焼付処理に不適当なネガフィルム2を強制排出してしまうか、又は一応ネガ排出部60まで送り、トレー100に載せるかの選択を行う(#15)。強制排出の場合は、強制排出ルーチンによる制御に基づいて、このネガフィルム2は、図示されていない中途排出ラインを介して排出ネガ箱に排出される(#16)。いずれにしても、コマ画像が焼付処理に不適当な場合は照合不一致トラブルが発生したとして、このネガフィルム2がもつIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#17)。
【0038】
ネガローディングを終えたネガフィルム2は、ネガカット処理ルーチンにより、1本単位、つまり1オーダ単位にカットされ、分離した状態で露光部20へ送られる。
露光部20へ送られたネガフィルム2は、図20で示すコマ画像読み取りルーチンによって露光前の処理が行われる。コマ画像読み取りルーチンでは、コマ画像の位置決めのために用いられるプリントノッチが存在しているかどうかがチェックされ(#21)、プリントノッチがある場合プリントノッチを利用してスキャニング位置に位置決めされ(#22)、プリントノッチがない場合コマ画像を検出しながら所定のコマ画像をスキャニング位置に合わせる(#23)。位置決めされたコマ画像からフィルム読取装置21を介して読み込まれた(#24)画像情報はコントローラ5内の画像メモリに記憶され、適当な画像処理を施されてモニタ6aで写し出される。必要に応じて読み込まれたコマ画像に対する露光補正が行われ(#25)、ネガフィルム2は露光位置に送られる(#26)。このネガ送りにおいて、ネガ詰まりが生じたかどうかがチェックされ(#27)、ネガ詰まりが発生した場合、手でネガフィルム2が取り出され(#27)、照合不一致トラブルが発生したとして、このネガフィルム2がもつIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#29)。この取り出されたネガフィルム2は、ネガリール11に巻き付けられたネガフィルムが全て処理された後に、再度搬送ラインに装填される。
【0039】
露光処理では、前述したように露光装置22を構成する各要素の動作を制御する必要であるが、図21で示す露光処理ルーチンは、ネガフィルム2の動きに絞って記載されている。露光処理ルーチンでは、順次ネガフィルム2のコマ画像の印画紙3への露光が行われていくが(#31)、1つのコマ画像に対する焼付枚数が多いことなどの理由で、1オーダ当たりの露光枚数つまりプリント枚数が55枚を越えた場合(#32)、プリントIDの値をカウントアップする(#33)。このプリントIDは、通常1オーダ分のプリント全てに対して付けられるものであり、この1オーダのネガフィルム2とプリント3を同じトレー100に積み込むことにより、オーダ番号とネガフィルムIDとプリントIDとトレーIDが1:1にリンクされる。しかしながら、この実施の形態では、トレー100に載せられるプリント枚数の限度は、55枚であるので、55枚を越えるプリント3に対しては1つ繰り上がったプリントIDが割り当てられる。つまり、1つのオーダに対し2つの(場合によってはさらに多くの)プリントIDが与えられることとなる。これにより、プリントIDとトレーIDは1:1の関係が維持される。続いて、オートネガマスク領域でのネガ送りにおいて、ネガ詰まりが生じたかどうかがチェックされ(#34)、ネガ詰まりが発生した場合、一旦オートネガマスクへの新たなネガフィルム2の送り込みを停止し、手でネガフィルム2を取り出すといった手動リカバリー作業が行われ、照合不一致トラブルが発生したとして、このネガフィルム2がもつIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#35)。この取り出されたネガフィルム2は、ネガリール11に巻き付けられたネガフィルムが全て処理された後に、再度搬送ラインに装填される。#34でNo分岐した場合は、さらに、ネガフィルムが写真処理装置から取り出されるような照合不一致となるトラブルが発生したかどうかをチェックして(#36)、照合不一致トラブルが生じていた場合はそのネガフィルム2に対応するIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#37)。上述のようにして、1オーダ分の露光処理が行われる。
【0040】
露光処理の終えたネガフィルム2はネガピースとして所定の長さ(4コマ長さ、又は6コマ長さ)にカットされ、さらにカットされたネガフィルム2(ネガピース)はネガシートに挿入され、ネガシート排出部60から排出されるが、これらの処理はネガ排出ルーチンにより行われる。図22に示すネガ排出処理ルーチンでは、ネガフィルム2のカットすべき箇所をネガカッター25のカッティングラインに位置合わせし(#41)、ネガカッター25を作動し、所定長さのネガフィルム2を作り出す(#42)。カットされたネガフィルム2は、それ自体は公知であるネガシート挿入装置によってネガシートに挿入されていくが(#43)、ネガシート挿入過程においてシート挿入が不可能となるようなトラブル、例えばネガシートが大きすぎるたり小さすぎるためにネガシートを折り畳めないトラブル、ネガシートの継ぎ目にまたがるためにネガシート挿入作業が続行できないトラブルなど、が発生した場合(#44)、ネガフィルム2を強制的に排出し(#45)、このネガピース2をトレー100に載せることを断念する。従って、このネガフィルム2に対応するIDコードにはトラブル情報がリンクされる(#46)。
【0041】
露光部20で最終コマ画像の露光完了時点からネガフィルム排出部60からの排出までの処理時間が異常に長いと、通常ネガシートに挿入された形でネガフィルム排出部60から排出されたネガフィルム2を積み込んだトレー100が、その最終コマ画像を焼き付けて現像され、プリント3としてプリント排出部50から排出されるまでに、プリント搬入ステーション73に到着しないことになる。このような事態の処理として、ネガ搬送遅れ処理ルーチンがある。図23で示すネガ搬送遅れ処理ルーチンでは、トレー100に載せる予定のネガフィルム2の最終コマ画像を焼き付けた印画紙3が現像処理部30に送り出されてからの時間:t1が限界時間:T1未満かどうかチェックされ(#51)、限界時間を越えていた場合、印画紙3の露光部20への送り出しを中断し(#52)、プリント排出部50から排出されるプリント3をとりあえず処理していくために空トレー100をプリント排出部50に向けて送り出してから(#53)、ネガフィルム排出部60のネガフィルム2をトレー100に積み込む。次いで、印画紙3の送り出しを再開する(#55)。同時に、露光部20から出てネガフィルム排出部60までに存在するネガフィルム2は照合不一致としてこのネガフィルム2に対応するIDコードにトラブル情報をリンクする(#56)。露光部20のセットされているネガフィルム2は、照合可能とみなされる。
【0042】
ここまでは、ネガフィルム2に関連する処理過程での照合不一致トラブルを説明したが、印画紙3(プリントカットされた後はプリント)の処理過程においても照合不一致トラブルは生じる。但し、印画紙3は、ペーパーローディングルーチンにより露光部20へ送り出され、露光された後、現像部搬送ルーチンにより現像処理部30の各処理タンク内を通過することにより現像処理され、乾燥部40で乾燥されるまで、通常は連続的に行われるので、照合不一致トラブルは生じない。問題となるのは、印画紙3よりプリントカットされたプリント3を所定のトレー100に積み込むプリント積み込み過程であり、その処理ルーチンは図24に示されている。ペーパーカッター51によるプリントカットの前に、印画紙3の側端に形成された6ビットのプリントID用ノッチ列を光学的に読み取り(#61)、コントローラ5が内部的にリンク構造の形で格納しているプリントIDと一致するかどうかチェックし(#62)、一致しなければこのプリントIDにトラブル情報をリンクする(#67)。さらに、露光された枚数とペーパーカッター51によって印画紙3からカットされたプリント枚数とをチェックされる(#63)。このチェックで、このオーダにおいて露光された枚数、つまり露光処理時にコントローラが記憶しているプリント枚数より実際にこのオーダ分としてペーパーカッター51によってプリントカットする枚数が多くなった場合のリカバリーとしては、一応このプリント3をプリントIDにリンクしているトレー100に積み込む。また、このオーダにおいてコントローラが記憶しているプリント枚数より実際にこのオーダ分としてペーパーカッター51によってプリントカットする枚数が少なくなった場合のリカバリーとしては、コントローラ5が記憶しているプリント枚数に達した段階で、残りのプリントを積み込むためのトレーを準備すべく、トレーIDを追加する。この実施の形態では、コントローラ5が記憶しているプリント枚数は、印画紙3をオーダ単位の区分けしているオーダノッチを使って算定可能であり、このオーダノッチ間に形成されているコマ画像がプリント枚数となる。従って、上述したトラブルは、ペーパーカッター51領域で、オーダノッチの検出もれ(指定の枚数になってもオーダノッチが検出されないケース)やオーダノッチの過剰検出(指定の枚数にならないのにオーダノッチが検出されるケース)によって引き起こされる。とにかく、枚数が一致しなければ上述したような積み込みトレー100の割り当てに関するリカバリー処理を行った後(#64)、このプリントIDにトラブル情報をリンクする(#67)。ここでは、さらに、プリント長さもチェックされ(#65)、所定長さを越える場合は、トレー100に積み込める長さにカットするといったリカバリー処理を行った後(#66)、このプリントIDにトラブル情報をリンクする(#67)。搬送系の故障などプリント搬入ステーション73での搬入が不可能となるトラブルが生じていると(#68)、印画紙3をノーカットでバイパス路54から排出し(#69)、このプリントIDにトラブル情報をリンクする(#67)が、このケースでは、プリント3はトレー100に積み込まれないので、該当トレー100はネガフィルム2だけを積み込んだ状態で、照合ステーション74に送られる。
【0043】
照合不一致報知処理ルーチンは、プリント搬入ステーション73に停止したトレー100が積み込むべきネガフィルム2やプリント3のIDコードにトラブル情報がリンクされており、結果としてこのトレー100のIDコードにトラブル情報がリンクしている場合、表示マーク用ソレノイド89を動作させて、赤色マークを出すことで、作業者にこのトレーのネガフィルム2とプリント3が照合不一致であることを報知する。
【0044】
次に、コンベヤ機構制御処理ルーチンに基づいた、コンベヤ機構70のトレー100の搬送動作を説明する。
ネガフィルム搬入ステーション71におけるネガ排出部60から第1ストッパー装置85によって停止しているトレー100のフィルム収納部150aへのネガフィルム2の収納は、ネガシートに挿入され折り畳まれた状態のものや裸のままのネガフィルム2、場合によってはアドバンスフォトシステムのカートリッジが1単位毎にここでは図示されていないフィーダ装置によって自動的に行なわれる。ネガフィルム搬入ステーション71での第1ストッパー装置85による停止が解除され、自重により下降したトレー100は、第3駆動装置90cの牽引部95に係合し、登り斜面を走行し、さらに待機ステーション72を形成している第1駆動装置90aによって引き継がれ、順次ストレージされていく。
【0045】
待機ステーション72でストレージされている先頭のトレー100は、間欠駆動している第4駆動装置90dのチェイン91が駆動して、牽引部95と係合することで、登りの急斜面を牽引部95の1ピッチ毎昇っていく。第4駆動装置90dによる搬送は、プリント搬入ステーション73の第2ストッパー装置86がトレー100の停止を解除するのと連動して、牽引部95の1ピッチ分ずつ駆動する。従って、プリント搬入ステーション73に停止するトレー100が、横送りコンベヤ53から1単位のプリント3を受け取って第5駆動装置90eによって斜面を下降する毎に、次のトレー100がプリント搬入位置に送られ、第2ストッパー装置86によって停止させられる。
【0046】
この写真処理装置1が正常に動作している限り、ネガフィルム2は、1オーダ当たりのプリント枚数が所定量を越えない限り、露光部20における露光処理順に1単位毎トレー100に収納され、ネガフィルム2を収納していないトレー100がプリント3を受け取ることはないので、プリントを上記の露光処理順と同じ順序で横送りコンベヤ53から受け取ることで、トレー100のプリント収納部150bには、フィルム収納部150aに収納されているネガフィルム2の画像を焼き付けたプリント3が収納されることになる。1オーダ当たりのプリント枚数が所定量を越える場合は、越えた分のプリントのためにさらにトレー100が割り当てられる。しかしながら、このような特例を除いて、何らかのトラブルで、所定のIDコードをもつトレー100に収納されたネガフィルム2とプリント3にこれまでの処理過程で生じたトラブルのため欠損があるなど、照合不一致とみなされ、このトレー100に収納された又は収納されるはずであったネガフィルム2やプリント3に対応するIDコードにトラブル情報がリンクしている場合、プリント搬入ステーション73に設けられている照合マーク用ソレノイド89が動作し、このトレー100の照合マーク表示装置180のドラム182を第1位置に回動し、照合不一致を示す赤色を表示孔184bに出す。第2ストッパー装置86によって停止させられているトレー100が、横送りコンベヤ53から、1単位のネガフィルム2に組み合わされるべきプリント3を受け取ると、第2ストッパー装置86が解除され、トレー100は自重により少し降下し、第5駆動装置90eの牽引部95に係合して、チェーン91の動きに伴って降下して行くが、この第5駆動装置90eは、照合ステーション74にストレージされているトレー100の数等に応じて、第2ストッパー装置86の作動と連動してトレー100を受け取る毎に牽引部95の1ピッチ分搬送する間欠駆動と、第2ストッパー装置86の状態にかかわらずにトレー100を搬送する常時駆動とに切り換え可能となっている。第5駆動装置90eによって斜面を下降するトレー100は、照合ステーション74のストレージラインに入るために、一旦第6駆動装置90fに引き継がれる。
【0047】
照合ステーション74のストレージラインに入ったトレー100は、第3ストッパー装置87によって停止させられたトレー100を先頭に順番に停止させられ、作業者がトレー100から仕上がり品としてネガフィルム2及びプリント3を取り出すのを待つ。ここで、赤色の照合不一致マークが表示されているトレー100に対しては、作業者は所定のリカバリー作業を行う。いずれにしても、収納されているネガフィルム2及びプリント3が作業者によって抜き取られたトレー100は、第4ストッパー装置88によって停止されていたトレー100が第2駆動装置90bによってネガフィルム搬入ステーション71に送られることに連動して第3ストッパー装置87が作動することにより、第4ストッパー装置88まで送り込まれる。これにともなって、ストレージラインのトレー100は第1駆動装置90aによって1つずつ前に詰められる。
【0048】
第4ストッパー装置88の解除にともなう第2駆動装置90bによるトレー100のネガフィルム搬入ステーション71への搬送制御は、第1ストッパー装置85による停止位置においてトレー100のフィルム収納部150aへネガフィルム2を収納する作業が完了する毎に行われる。つまり、ネガフィルム2の積み込み完了にともない第1ストッパー装置85がトレー100の停止を解除すると、第4ストッパー装置88の領域に備えられた光センサ76によりネガフィルム2及びプリント3の取り出し完了が検出されたのを条件として、第4ストッパー装置88がトレー100の停止保持を解除し、ネガフィルム搬入ステーション71へ空のトレー100を供給する。これに連動して、第3ストッパー装置87もトレー100の停止保持を解除し、第4ストッパー装置88へトレー100を送り出す。
【0049】
上記実施の形態では、トレー100に搬入されるはずのネガフィルム2やプリント3が照合不一致トラブルをもつことを報知する報知手段として色を表示する構成が採用されていたが、この構成以外、本発明の別な実施の形態として、マーク表示やランプ点灯などの視覚を利用する報知ディバイスや、ブザーなどの聴覚を利用する報知ディバイスを採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による写真照合システムを採用した写真処理装置の斜視図
【図2】図1によるネガフィルムと印画紙の流れを示す写真処理装置の模式図
【図3】図1による写真処理装置のブロック図
【図4】コントローラのブロック構成図
【図5】写真照合システムを構成するコンベヤ機構の模式図
【図6】駆動装置とトレーの走行部との関係を示す説明図
【図7】駆動装置とトレーの走行部との関係を示す説明図
【図8】フィルム収納部へのネガフィルムの搬入を示す説明図
【図9】第1ストッパー装置の模式図
【図10】第3ストッパー装置の模式図
【図11】光センサーの模式図
【図12】トレーの斜視図
【図13】トレーの押さえ保持機構を示す断面図
【図14】トレーの押さえ保持機構を示す断面図
【図15】操作コマ部材の動作を示す説明図
【図16】各種IDコードのリンク構造を説明する模式図
【図17】照合マーク表示装置の模式図
【図18】コントローラの機能を説明する説明図
【図19】ネガローディング処理のフローチャート
【図20】コマ画像読み取り処理のフローチャート
【図21】露光処理のフローチャート
【図22】ネガ排出処理のフローチャート
【図23】ネガ搬送遅れ処理のフローチャート
【図24】プリント搬入処理のフローチャート
【符号の説明】
2 ネガフィルム
3 印画紙(プリント)
20 露光部
50 プリント排出部
5i トラブル検知手段
60 ネガフィルム排出部
70 照合搬送手段
180 報知手段
Claims (5)
- ネガフィルム供給部から送られたネガフィルムの画像を印画紙へ焼き付ける露光部と、前記露光部で用いられたネガフィルムを排出するネガフィルム排出部と、前記焼付処理された印画紙を現像処理する現像部と、前記現像された印画紙を所定長さにカットすることでプリントとして排出するプリント排出部と、前記ネガフィルム排出部から排出された1単位のネガフィルムを受け取るとともに前記プリント排出部から前記1単位のネガフィルムから得られた画像をもつプリントを受け取ってこれらを仕上がり品として組み合わせて搬送する照合搬送手段とを備えた写真処理装置において、
前記ネガフィルムと前記印画紙の処理工程中に生じた前記1単位のネガフィルムとプリントとの照合に悪影響を与える照合不一致トラブルを検知するトラブル検知手段と、前記トラブル検知手段のもつトラブル情報に基づいて前記照合搬送手段によって搬送されている前記仕上がり品が前記照合不一致トラブルをもつことを報知する報知手段とが備えられ、前記照合搬送手段はトレーコンベヤとして構成されており、前記仕上がり品を収納する各トレーに前記報知手段が設けられていることを特徴とする写真処理装置。 - 前記報知手段は、視覚認識可能な照合不一致マークを選択的に表示することを特徴とする請求項1に記載の写真処理装置。
- 前記トレーには前記ネガフィルムを収納するフィルム収納部と前記プリントを収納するプリント収納部が設けられており、前記フィルム収納部に収納されたネガフィルムから得られた画像をもつプリントが同じトレーのプリント収納部に収納されることを特徴とする請求項1又は2に記載の写真処理装置。
- 前記トラブル検知手段は、前記ネガフィルム又は前記印画紙のいずれかの連続した処理工程が中断された場合照合不一致トラブルとして検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の写真処理装置。
- 前記トラブル検知手段は、前記ネガフィルムの全画像が正常な焼付処理に適さない場合照合不一致トラブルとして検知することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の写真処理装置。
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