JPH11204415A - 電子ビーム描画装置及び電子ビーム描画方法 - Google Patents
電子ビーム描画装置及び電子ビーム描画方法Info
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Abstract
がり寸法が均一なパターンを形成する。 【解決手段】先ず、CADシステムにより設計されたパ
ターンを描画データに変換するデータ変換用計算機に入
力し、変換された描画データを制御計算部に入力する
(ステップS1)。次いで、試料基板を近接効果補正用
と“かぶり”補正用とのそれぞれ別のメッシュに分割す
る。そして、それぞれのメッシュを用いて、近接効果補
正データU(X) と“かぶり”補正データV(X) とを演算
する(ステップS2)。制御回路は、“かぶり”補正デ
ータV(X) と近接効果補正データU(X) を用いて照射量
D(X) を決定する(ステップS3)。
Description
量を照射位置毎に求めて、“かぶり”の影響による照射
量変動を抑制する電子ビーム描画装置及び電子ビーム描
画方法に関する。
定パターンを描画する際、近接効果によって、電子ビー
ムの照射量が変動することが知られており、補正を行っ
てパターンの均一化を図っている。
子が反射し、さらに試料室の内壁で多重反射を繰り返し
再び試料上に戻ってくる現象が知られている。また、電
子ビームが試料に照射されるとX線等の電磁波が発生
し、この電磁波も試料室内を反射して再び試料に入射す
る。この様な試料に入射する所望の電子ビーム以外の電
子及び電磁波を本願明細書では“かぶり”と称する。
描画面積率の大きい場所が存在すると、そこを発生源と
した“かぶり”により試料面内の照射量に分布が生じて
しまう。
室内の構造物で試料基板に対向する部分の材質を電子線
の反射率が小さいCやBeなどの軽元素にすることが行
われていた。また、試料室内の構造物で試料基板に面す
る部分に蜂の巣状に穴をあけ、入射してきた電子を反射
させない構造等も提案されている。
“かぶり”の低減にある程度の効果があるものの、近年
半導体製造工程での電子ビーム描画に求められるナノメ
ートルオーダーの精度には不十分であり、描画したパタ
ーンの仕上がり寸法に不均一な分布が発生する問題があ
る。
するパターンの描画の際においては、近接効果及び“か
ぶり”の影響によって、描画パターンの仕上がり寸法に
不均一な分布が生じるという問題が生じている。
メートル・オーダーの精度を要求する電子ビーム描画に
おいては、近接効果及び“かぶり”の影響により照射量
が変動して、描画パターンの仕上がり寸法に不均一な分
布が生じるという問題があった。
の影響による照射量変動を抑制し、描画パターンの仕上
がり寸法を均一にし得る電子ビーム描画装置及び電子ビ
ーム描画方法を提供することにある。
目的を達成するために以下のように構成されている。 (1) 本発明(請求項1)は、光学系から試料基板に
対して電子ビームを照射してパターンを描画する電子ビ
ーム描画装置であって、近接効果によって前記試料基板
に照射される照射量を演算する第1の演算手段と、“か
ぶり”によって前記試料基板に照射される照射量を演算
する第2の演算手段と、前記電子ビームの各照射位置に
おいて、該試料基板に対して与えられる実照射量が所定
照射量になるように、第1及び第2の演算手段で演算さ
れた照射量に応じて、前記光学系から照射される照射量
を求める第3の演算手段と、第3の演算手段で演算され
た照射量に基づいて、前記試料基板に対して各照射位置
毎に電子ビームを照射する手段とを具備してなることを
特徴とする。 (2) 本発明(請求項2)は、電子ビーム露光装置の
光学系から試料基板に対して電子ビームを照射してパタ
ーンを描画するに先立ち、前記電子ビームの各照射位置
において、該試料基板に対して与えられる実照射量が所
定照射量になるように、前記光学系から照射される照射
量を求め、求められた照射量に基づいて前記電子ビーム
を照射する電子ビーム描画方法であって、近接効果及び
“かぶり”により前記試料基板に与えられる照射量をそ
れぞれ別個に演算し、前記電子ビームの照射位置毎に、
演算された二つの照射量に応じて、前記光学系から照射
される照射量を求めることを特徴とする。 (3) 本発明(請求項3)は、電子ビーム露光装置の
光学系から試料基板に対して電子ビームを照射してパタ
ーンを描画するに先立ち、前記電子ビームの各照射位置
において、該試料基板に対して与えられる実照射量が所
定照射量になるように、前記光学系から照射される照射
量を求め、求められた照射量に基づいて電子ビームを照
射する電子ビーム描画方法であって、前記試料基板のパ
ターン描画領域を複数の第1小領域に分割して,各第1
小領域において近接効果により該試料基板に与えられる
照射量を演算し、該パターン描画領域を複数の第2小領
域に分割して,各第2小領域において“かぶり”により
該試料基板に与えられる照射量を演算するステップと、
前記電子ビームの照射位置毎に、演算された照射量に応
じて、前記光学系から照射される照射量を求めるステッ
プを含むことを特徴とする。 (3-1) “かぶり”によって照射される照射量を演算する
に際し、第2小領域に含まれるパターンを代表する代表
図形を設定するステップと、前記代表図形を描画した
際、“かぶり”によって第2領域に照射される照射量を
演算するステップと、演算された照射量を、“かぶり”
によって第2小領域内に含まれるパターンに照射される
照射量とするステップとを含む。
てのみ行い、他の第2小領域についてはパターンをその
まま利用する。第2の小領域内に存在するパターン全体
を合計した面積を有する1個の矩形図形を設定する。
重心と一致した1個の体表図形を設定する。 (3-2) 第1小領域は、近接効果の影響が及ぶ領域より小
さく,且つ前記電子ビームの最小図形より大きく、第2
小領域は、“かぶり”の影響が及ぶ領域より小さく,且
つ第1小領域より大きい。
の作用・効果を有する。近接効果と“かぶり”との影響
によって、照射量が変動することを抑制することがで
き、面内の照射量の分布を均一にすることができる。
補正処理とを別々に行った後、処理結果を用いて照射量
を求めることにより、計算が簡単になり計算時間が短縮
される。
表図形を用いて処理を行うことによって、処理時間を更
に短縮することができる。第2小領域の大きさを第1小
領域より大きく設定することで、計算の処理時間を短く
することができる。
を参照して説明する。 [第1実施形態]近接効果と“かぶり”とを考慮した位
置Xへの最適な照射量D(X) は、照射パターンの存在す
る領域をEとして、
数、θは“かぶり”の係数、f(X) は近接効果の後方散
乱の分布関数、g(X) は“かぶり”の分布関数である。
ただしX,X’は座標ベクトルを表わす。
によって、近接効果と“かぶり”による寸法変動を抑制
することができる。ところが、“かぶり”による影響が
及ぶ領域(“かぶり”の広がり)を1cm,1μmに1
つのパターンがあるとすると、相互作用が及ばされる図
形の数は108 個であり、(1)式を用いて補正計算を
行うと、計算に要する時間は約100日もかかることに
なる。そこで、積分範囲E内でD(X) がほぼ一定である
とすると、(1)式は次式のように近似することができ
る。
パターンサイズにくらべて十分大きいので、このような
近似をしても生じる誤差はたかだか5%程度である。そ
して、(2)式を変形すると次式が得られる。
ぶり”補正データV(X) とを別々に求めた後、二つの補
正データから、“かぶり”と近接効果との両方による照
射量変動を考慮した最適照射量を求めることができる。
置Xに入射する電子量、データV(X) は“かぶり”によ
って位置Xに入射する電子量である。近接効果補正のた
めの処理と“かぶり”補正のための処理を別々に行なう
と、処理が簡単になり、補正計算に要する時間が短縮さ
れる。
施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図で
ある。
れている。電子銃11から照射された電子ビームの経路
に沿って、ブランキング用レンズ12、ブランキング用
偏向器13、ブランキング板14,第1成形レンズ1
5、第1ビーム成形用アパーチャ16、ビーム成形偏向
器17、第2成形レンズ18、第2ビーム成形用アパー
チャ19、縮小レンズ20、ビーム走査用副偏向器2
1、収束レンズ22、ビーム走査用主偏向器23が鏡筒
10内に設置されている。
料基板31が載置され、平面内を移動する試料台32が
設置されている。制御計算部40が、ブランキング制御
回路部51を介してブランキング用偏向器13に接続さ
れている。また、制御計算部40は、可変成形ビーム寸
法制御回路部52を介してビーム成形偏向器17に接続
されている。また、制御計算部40が、偏向制御回路部
53を介してビーム走査用副偏向器21及びビーム走査
用主偏向器23に接続されている。試料台32の位置を
測定するためのレーザ測長系54が制御計算部40に接
続されている。また、制御計算部40が試料台駆動回路
部55を介して試料台32に接続されている。そして、
パターンを設計するCADシステム61が、データ変換
用計算機62を介して制御計算部40に接続されてい
る。
Vであり、発生し得る電子ビームの最大のサイズは2μ
m角の矩形である。本装置では、電子銃11から放出さ
れた電子ビームは、ブランキング用偏向器13によって
ブランキング板14への照射位置を調節することによ
り、試料基板31に対する電子ビームのON−OFFが
調節される。電子ビームのON−OFFを調整すること
により、電子ビームの照射量を変化させることを可能に
している。
ビーム成形偏向器17並びに第1及び第2ビーム成形用
アパーチャ16,19により矩形ビームに成形され、ま
たその矩形の寸法が制御される。そして、この成形され
たビームはビーム走査用偏向器21,23によって試料
基板31上を偏向走査し、このビーム走査により試料基
板31に所望のパターンが描画される。
程度の大きな距離の偏向を行い、ビーム走査用副偏向器
21は、100μm×100μm程度のサブフィールド
と呼ばれる領域内の偏向を高速に行う。サブフィールド
内の描画が終わると、主偏向器23によって次のサブフ
ィールドに電子ビームを偏向させて描画を行う。
て調べた。なお、「広がり」とは、“かぶり”或いは近
接効果によって試料基板上に入射した電子が、レジスト
パターンの仕上がり寸法に所定寸法から変動が起こる領
域である。
った。先ず、ポジ型レジストを塗布した試料基板31上
の中心部の1mm角領域に、5mC/cm2 に相当する
照射量の電子ビームを照射した。次に、照射された1m
m角領域の周辺に、10μC/cm2 の照射量にて10
0μm角の1μmライン&スペース(L&S)パターン
を5mm間隔に描画する。図2は、1μmL&Sパター
ンの仕上がり寸法と1mm角パターンの中心部からの距
離との関係を示す特性図である。
L&Sパターンを描画しているので、近接効果は各L&
Sパターンに対して一様に起きる。従って、図5の寸法
変動には、近接効果によるものは現れていない。つま
り、図2に示されている寸法変動は、“かぶり”の影響
によるものだけである。
cmという広範囲に渡って起こっている。近接効果の広
がりはμmオーダーであり、“かぶり”の広がりはcm
オーダーであるので、両者の広がりは全く異なる。従っ
て、近接効果補正データU(X) 及び“かぶり”補正デー
タV(X) を求める際、“かぶり”補正データV(X) を
(5)式の積分範囲を、近接効果補正データU(X) を求
める(4)式のものより大きくとって良いことが分か
る。
ローチャートを用いて説明する。先ず、CADシステム
61により設計されたパターンを描画データに変換する
データ変換用計算機62に入力し、変換された描画デー
タD1を制御計算部40に入力する(ステップS1)。
“かぶり”補正用とのそれぞれ別の小領域に分割する。
そして、それぞれの小領域を用いて、近接効果補正デー
タU(X) と“かぶり”補正データV(X) とを演算する
(ステップS2)。なお、近接効果補正用の小領域は近
接効果の影響の及ぶ範囲より小さく,かつ描画装置の最
小ビーム寸法より大きく設定し、“かぶり”補正用の小
領域は“かぶり”の影響の及ぶ範囲より小さく,且つ近
接効果補正用の小領域より大きく設定する。
0の構成を示す図4を参照して詳細に説明する。データ
変換用計算機62から描画データD1が、ネットワーク
を介して制御計算部40内の制御計算機41及び補正計
算機42に入力される。補正計算機42では、試料基板
31を1μm□の小領域(第1小領域)に分割し、各小
領域に対して(4)式を用いて近接効果による照射量変
動を補正するための近接効果補正データU(X) を演算
し、その演算結果をハードディスク43に格納する。そ
して、補正計算機42は、試料基板31を1mm□の小
領域(第2小領域)に分割し、各小領域に対して(5)
式を用いて“かぶり”による照射量変動を補正するため
の“かぶり”補正データV(X) を演算し、演算結果をハ
ードディスク43に格納する。
(X) 及びV(X) をフレームごとにハードディスク43か
ら制御回路44内のメモリ(不図示)にコピーする。そ
して、制御回路44は、“かぶり”補正データV(X) と
近接効果補正データU(X) を用いて、(3)式から実際
の照射量D(X) を決定する(ステップS3)。
過程を、制御回路44の構成を示す図5を参照しながら
説明する。制御計算機41は、描画データD1を制御回
路44内の描画制御回路441 に出力する。また、“か
ぶり”補正データV(X) 及び近接効果データU(X) を制
御回路44内のメモリ442 に格納する。
ータD1からショットデータD2とサブフィールド・デ
ータD3を演算し、ショットデータD2をショット中心
算出部443 に、サブフィールドデータD3をショット
中心算出部443 及びサブフィールド原点算出部444
に出力する。なお、ショットデータとは、電子ビームの
照射位置(ショット位置)及びビーム形状のデータであ
る。
ータD2とサブフィールドデータD3とから各ショット
の中心位置を計算し、近接効果補正データU(X) のアド
レスを求める。一方、サブフィールド原点算出部444
は、サブフィールドデータD3から各サブフィールドの
原点を計算し、“かぶり”補正データV(X) のアドレス
を求める。
サブフィールド内のショット位置のデータから求めら
れ、サブフィールドとショットの両方の位置に依存して
いる。それに対し、“かぶり”補正データV(X) のアド
レスは、サブフィールドデータのみから求められ、1つ
のサブフィールド内のショット内での“かぶり”補正デ
ータV(X) は一定である。
ータU(X) とV(X) とから(3)式により照射量を求め
ておき、U(X) とV(X) を引数にして照射量を参照する
テーブルを作成しておく。実際の描画の際、照射時間換
算部445 は、作成したテーブルからデータU(X) 及び
V(X) を引数として照射量を求める。データU(X) 及び
V(X) がそれぞれ8ビットデータであるとすると、照射
量の格納されているアドレスの数は256×{V(X) +
U(X) }になる。アドレスを引数にしてテーブルから照
射量D(X) を引き出し、引き出された照射量D(X) を照
射時間に変換して、照射時間データを偏向制御回路に出
力する(ステップS4)。
及び照射時間データに基いて電子光学系を制御し、試料
基板31に対して、電子ビームの照射を行う(ステップ
S5)。
を示す。この制御計算部40では、“かぶり”補正のた
めの計算は補正計算機42によって行なうが、近接効果
補正の計算は近接効果補正回路45によって行なってい
る。このため、近接効果補正のための計算は描画時にリ
アルタイムで実行することができるようになるので、ト
ータルで時間が短縮される。
計算機42は描画に先立って、(5)式により“かぶ
り”補正データV(X) を演算し、ハードディスク43に
格納する。制御計算機41は描画時に“かぶり”補正デ
ータV(X) をフレーム毎にハードディスクからとりだ
し、制御回路内のメモリーに格納する。一方、制御計算
機から近接効果補正回路に描画データが送られ、(4)
式によって近接効果補正のための計算をおこない、U
(X) を求める。制御回路ではデータU(X) 及びV(X)を
用い、(3)式によって場所毎の照射量が得られる。照
射量は照射時間に変換され、ショットデータ、サブフィ
ールドデータと共に偏向制御回路に送られる。偏向制御
回路はこれらの情報に基いて電子光学系を制御する。
算と(5)式の“かぶり”補正のための演算をともに回
路によって行なう事も可能である。近接効果の為の計算
と“かぶり”の為の計算とを別々に行って最適照射量を
求めたところ、計算時間は約3時間であり、従来に比べ
て格段に計算時間が短くなった。
図を詳細に調べた結果、図7に示すように、寸法変動か
ら求めた実効照射量変動と中心部からの距離の関係はガ
ウス分布で近似できることが分かった。実効照射量の位
置分布がガウス分布で近似できることにより、以下に示
す代表図形を用いて“かぶり”を補正する計算が可能で
あることが分かる。
含まれる数多くのパターンを代表することができる理由
を説明する。先ず、図8(a)に示すような小領域70
の内部にパターン71を、図8(b)に示すような矩形
の代表図形72で代表させるものとする。このとき、位
置Xでの“かぶり”よって照射される照射量V(X)
(“かぶり”補正データ)は次式で表わされる。
レジストの感光量と“かぶり”による感光量との比を表
わす。また、積分は小領域70内のパターン部について
行うものとする。小領域のサイズをΔとして、(6)式
を(Δ/σ)について摂動展開すると、次式が得られ
る。
1個存在する場合、場所Xでの“かぶり”よってV’
(X) は、次式で表される。
2b)とした。このとき、
ら、相対誤差は(Δ4 /σ4 )/(Δ2 /σ2 )〜(Δ
2 /σ2 )となる。即ち、元のパターンを(9),(1
0)式の関係を満たす矩形で置き換えても、その“かぶ
り”の影響は(誤差Δ2 /σ2 の範囲で)変わらないこ
とになる。
形72について“かぶり”の補正を行っても、置き換え
そのものにより生じる誤差は、高々Δ2 /σ2 程度とな
る。例えば、Si基板に対し50kV加速電圧の加速電
圧で電子ビームを照射すると、本実施形態に用いた装置
では“かぶり”の広がりσは10mmであるから、この
誤差を1%に抑えるためには、Δ=1mm、即ち小領域
のサイズとして2mm□をとればよい。
容される誤差と“かぶり”の広がりのみで決まり、描画
すべきパターンの性質とは一切関係しない。また、本発
明によれば、小領域毎に設定された代表位置に対して
“かぶり”の広がりと同程度かそれ以下の大きさの領域
に対して設定された代表図形を用いて照射量を計算し
て、この結果を元の集積回路パターンに設定しているの
で、元のパターンそのものを用いて“かぶり”補正デー
タV(X) を直接計算する必要がなくなり、“かぶり”補
正データV(X) を計算するのに要する時間を大幅に短縮
することが可能となる。しかも、代表位置を設定する小
領域、及び代表図形を設定する領域のサイズ自身は、加
速電圧や基板の種類、描画装置内部の構造のみに依存
し、描画すべきパターンの特性(例えばパターン密度
等)には一切依存しない。
電圧で電子ビームを照射した場合、代表位置を設定する
小領域のサイズとしては2mm×2mm、代表図形を設
定する領域のサイズとしては10mm×10mmをとれ
ば十分である。即ち、最も計算時間が必要となる「補正
データを計算するステップ」では、計算時間はLSIの
集積度やパターン密度に全く依存せず、代表位置を設定
する小領域の数や代表図形のパターン密度だけで決まる
ことになる。
ついて以下に説明する。先ず、図9(a)に示すよう
に、描画領域を電子線の“かぶり”の広がりよりも小さ
く,且つ近接効果補正用の小領域よりも大きな複数の小
領域(破線で囲まれた領域)70a,b,c,dに分割
する。
域の内部に描画すべきパターンとは異なる1個の代表図
形をそれぞれ設定する。ここで、各小領域において、代
表図形の面積及び重心位置は描画すべきパターンの全体
の面積及び重心位置と一致するようにする。
域70において、代表図形72を描画すると仮定して
“かぶり”補正データV(X) を演算する。そして、図9
(d)に示すように、各小領域70において演算された
“かぶり”補正データV(X) を、各小領域70に含まれ
るパターン71の補正データとして決定する。
計算すべき図形数が従来よりも格段に少なくなり、最適
照射量を決定するに要する計算時間を大幅に短縮するこ
とが可能となる。
る。実際のDRAMパターンについて、“かぶり”補正
に要する時間を代表図形を使用した場合と使用しない場
合とを比較した結果を図10に示す。補正計算のアルゴ
リズムには行列法を用いた。使用した計算機の乗算速度
は[10n秒/回の乗算]である。
子ビームを照射するものとし、“かぶり”の広がりσ=
10mm、小領域のサイズを2mmとした。アレイ構造
を用いて補正時間を短縮することができるが、ここでは
あえてそれを行わず、アレイを全て展開し補正計算を行
った。代表図形を利用する場合は、代表点として代表図
形の中心を、利用しない場合は各パターンの重心を代表
点として用いた。
正計算時間はパターン密度ρの3乗で増える。そのた
め、この計算時間はデザインルール(L)の縮小に伴い
(1/L)6 で増大していく。これに対応して、実際の
計算時間も膨大なものとなり、0.5μmより小さなデ
ザインルールでは、補正計算を実行することは実質的に
不可能であった。
形を用いた場合には、計算時間は元のパターン密度には
依存しないため、1μmルールから0.125μmルー
ルまでほぼ同一の処理時間となる。特に、0.5μm以
下のルールでは代表図形を用いない従来方法に比して、
計算時間が大幅に短縮されることになった。行列法のみ
で“かぶり”の補正を行った場合と、行列法と本実施形
態方法を用いて補正を行った場合について、電子ビーム
描画装置を用いてその補正効果を調べたところ、“かぶ
り”補正による寸法変動は共に±2nmとなった。この
寸法変動は、測定誤差の範囲である。このことから、本
実施形態方法を用いることにより生じる補正精度の劣化
は実用上問題とならなない事が分かる。
れるものではない。例えば、実施形態では可変成形ビー
ム方式の電子ビーム描画装置を用いたが、これ以外の方
式の描画装置にも適用できる。また、本発明は電子ビー
ム描画装置の使用目的を限定するものでは無い。例え
ば、ウエハ上に直接レジストパターンを形成するという
使用目的以外にも、光ステッパー用マスク、X線マスク
などを作成する際にも利用可能である。その他、本発明
は、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施す
ることが可能である。
接効果及び“かぶり”の影響による照射量変動を考慮し
て照射量を決定することによって、近接効果及び“かぶ
り”の影響による照射量の変動を抑制することができ、
パターンの出来上がり寸法を均一にすることができる。
成を示す図。
角パターンの中心部からの距離との関係を示す特性図
を示す図。
示す図。
とを示す模式図。
模式図。
を示す特性図。
Claims (5)
- 【請求項1】光学系から試料基板に対して電子ビームを
照射してパターンを描画する電子ビーム描画装置であっ
て、 近接効果によって前記試料基板に照射される照射量を演
算する第1の演算手段と、 “かぶり”によって前記試料基板に照射される照射量を
演算する第2の演算手段と、 前記電子ビームの各照射位置において、該試料基板に対
して与えられる実照射量が所定照射量になるように、第
1及び第2の演算手段で演算された照射量に応じて、前
記光学系から照射される照射量を求める第3の演算手段
と、 第3の演算手段で演算された照射量に基づいて、前記試
料基板に対して各照射位置毎に電子ビームを照射する手
段とを具備してなることを特徴とする電子ビーム描画装
置。 - 【請求項2】電子ビーム露光装置の光学系から試料基板
に対して電子ビームを照射してパターンを描画するに先
立ち、 前記電子ビームの各照射位置において、該試料基板に対
して与えられる実照射量が所定照射量になるように、前
記光学系から照射される照射量を求め、求められた照射
量に基づいて前記電子ビームを照射する電子ビーム描画
方法であって、 近接効果及び“かぶり”により前記試料基板に与えられ
る照射量をそれぞれ別個に演算し、前記電子ビームの照
射位置毎に、演算された二つの照射量に応じて、前記光
学系から照射される照射量を求めることを特徴とする電
子ビーム描画方法。 - 【請求項3】電子ビーム露光装置の光学系から試料基板
に対して電子ビームを照射してパターンを描画するに先
立ち、 前記電子ビームの各照射位置において、該試料基板に対
して与えられる実照射量が所定照射量になるように、前
記光学系から照射される照射量を求め、求められた照射
量に基づいて電子ビームを照射する電子ビーム描画方法
であって、 前記試料基板のパターン描画領域を複数の第1小領域に
分割して,各第1小領域において近接効果により該試料
基板に与えられる照射量を演算し、該パターン描画領域
を複数の第2小領域に分割して,各第2小領域において
“かぶり”により該試料基板に与えられる照射量を演算
するステップと、 前記電子ビームの照射位置毎に、演算された照射量に応
じて、前記光学系から照射される照射量を求めるステッ
プを含むことを特徴とする電子ビーム描画方法。 - 【請求項4】“かぶり”によって照射される照射量を演
算するに際し、 第2小領域に含まれるパターンを代表する代表図形を設
定するステップと、 前記代表図形を描画した際、“かぶり”によって第2領
域に照射される照射量を演算するステップと、 演算された照射量を、“かぶり”によって第2小領域内
に含まれるパターンに照射される照射量とするステップ
とを含むことを特徴とする請求項3に記載の電子ビーム
描画方法。 - 【請求項5】第1小領域は、近接効果の影響が及ぶ領域
より小さく,且つ前記光学系から照射される電子ビーム
の最小図形より大きく、 第2小領域は、“かぶり”の影響が及ぶ領域より小さ
く,且つ第1小領域より大きいことを特徴とする請求項
4に記載の電子ビーム描画方法。
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