JP2006019732A - かぶり効果を減少させるための方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、かぶり効果の影響を考慮することにより電子ビームリソグラフィーシステムの照射パラメータの信頼できる補正を可能にする方法を創出することである。
【解決手段】
本発明は、電子ビームリソグラフィーシステムにおけるかぶり効果を減少させる方法に関し、設計データに一致する処理後のパターンを得るために露光が制御される。かぶり効果のためのモデルは、少なくとも制御関数の基本入力パラメータをそれぞれ変化させることによりフィットさせられる。関数型は、近接補正装置で用いられるカーネル型に応じて選択される。近接効果も考慮され、近接効果及びかぶり効果のための共通制御関数を獲得するために、最適な組のパラメータが得られる。電子ビームリソグラフィーシステムによるパターン描画は、標準の近接補正装置で実行される同じアルゴリズムを用いて、1データ処理ステップで、結合した単一の近接効果制御関数及びかぶり効果制御関数によって制御される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子ビームリソグラフィーシステムにおいて近接効果補正を制御するためのプロセスに関する。プロセスは、高解像度電子ビームリソグラフィー(EBL)において近接補正を最適に制御するための点広がり関数(Point Spread Function、PSF)の近接パラメータの正確な数決定に適している。
近接効果パラメータは、任意の近接効果補正ソフトウェアを制御するための特定の数の入力データである。これは、高いクリティカルディメンション制御(「CD制御」)の要件(インターナショナルセマテック社の販売する実際のインターナショナル・テクノロジー・ロードマップ・フォー・セミコンダクター(ITRS)に依存する)を満たし、また後のテクノロジーステップ(現像、エッチングなど)に関連して、マスクにおけるパターンバイアス及び/又はガウスビームを用いた直接描画作業及び/又は整形ビームを用いた直接描画作業を補償する。
様々な効果を反映した近接パラメータの決定のために多数の方法が提案されてきた。近接効果に加えて、電子ビームリソグラフィーシステムではかぶり効果も同時に生じる。近接効果補正を扱う刊行物が幾つかある。
非特許文献1は、クリティカルディメンション(CD)の変化、レジストの加熱及び近接効果を引き起こす50kVの電子ビーム描画の問題を示す。この実験方法は、離散した段階的なそれぞれに変えられた近接パラメータを用いた様々な条件下で描画した近接補正テストパターンの広範囲マトリクスを用いて、マスク製造プロセスにおける近接入力パラメータの決定に用いられる。次いで、最適なパラメータセットは、パターン変形効果が最小となるこれらテストパターンの直接測定から定められる。当該実験とパターン評価は非常に時間がかかる。入力パラメータの非常に多数の可能な組み合わせのために、当該方法は、得られるPSFの2ガウス近似に限られる。この方法はマスク製造において頻繁に用いられる。
非特許文献2では、補正関数のためのパラメータを決定するのに用いられるテスト構造はドーナツである。この方法は、光学顕微鏡検査法(オプティカルマイクロスコピー)を用いて露光したドーナツの配列から近接パラメータを決定するための直接の技術を提供する。この方法は電子ビームを用いたCD制御を実現するのに十分な感度を有さず、高解像度パターン成形EBL法に適さない。
非特許文献3では、単一のポイント/ピクセルが広範囲の線量で露光され、パターンの直径が測定され、結果がガウス関数によって直接近似される。この方法はハイコントラストのレジストにのみ適用でき(すなわち、現像率効果の変化に敏感)、高解像度の測定技術(SEM)と付加的プロセス(「リフトオフ」又はパターンの析出コーティング)を必要とする。この方法は、商業的に用いられる化学増幅レジスト(CAR)には適用できない。極めて高い線量を用いるポイント露光法により、酸拡散効果は近接効果の実際の性質より勝る(非特許文献4)。
非特許文献5は、メッシュパターンの長方形配列から電子ビームリソグラフィーにおける近接パラメータを決定するための経験法を開示している。これから、処理の後、近接パラメータは光−光学検査により正される。測定すべきテストパターンは、近接効果パラメータを決定するのに用いられる。この方法は、同時代の従来の高解像度製造電子ビームリソグラフィーに適さない。
幾つかの刊行物では、かぶり効果も考慮されている。非特許文献6は、高電圧電子ビームシステムでかぶり効果が減少すると示唆する。
Proc. SPIE, Vol. 4889, Part Two, pp 792-799 (paper No. 86)に開示された論文"Optimum PEC Conditions Under Resist Heating Effect Reduction for 90nm Node Writing" the article in Microelectronic Engineering 5 (1986) 141-159; North Holland with the title "Determination of the Proximity Parameters in Electron Beam Lithography Using Doughnut-Structures" the article "Point Exposure Distribution Measurements for Proximity Correction Electron Beam Lithography on a sub-100 nm Scale"; in J. Vac. Sci. Technol. B 5(1), Jan/Feb 1987 Z. Cui, Ph.D. Prewett, "Proximity Correction of Chemecally Amplified Resists for Electron Beam Lithography", Microelectronic Engineering 41/42 (1998) 183-186 the article "Determination of Proximity Effect Parameters in Electron-Beam Lithography" in J. Appl. Phys. 68 (12), 15. December 1990 the article "Fogging Effect Consideration in Mask Process at 50 KeV E-Beam Systems" T. H. P. Chang, "Proximity effect in electron beam lithography", J. Vac. Sci. Technol. 12 (1975) p.1271
本発明の目的は、かぶり効果の影響を考慮することにより電子ビームリソグラフィーシステムの照射パラメータの確かな補正を可能にする方法を創出することである。
この目的は請求項1に記載の方法によって達成される。
以下のステップを有する方法が有利である。
かぶりインパクト(fogging impact)のない及びあるテストパターン、すなわち、テストパターンと大露光領域の境界との間の適切な分離ギャップを有する十分大きい露光領域で囲まれたテストパターンを露光し(テストパターンは大きいかぶり領域からの近接効果によってロードされてはならない);
かぶりインパクトのある及びないテストパターン内で得られるテスト構造の幾何学的配列を測定し、それにより、設計データに必要な寸法に対するかぶり効果(範囲に対する強度)の影響を示す1組の測定データを獲得し;
既に定められた近接関数と共にかぶり効果を記述する、1つ又は1組のガウス関数Gfog(又は別な関数−関数は近接補正装置で用いられるカーネル型(Kernel type)に応じて選択できる)のための基本かぶり入力パラメータの数値範囲を1組の測定データから決定し(畳み込みカーネルは多数の自由なオプションを有する:形状、サイズ、実数若しくは複素数、レイアウトに依存する又は独立であるなど);
近接効果を考慮して、少なくともガウス関数Gfogの基本入力パラメータをそれぞれ変化させてかぶり効果のモデルを測定データとフィットさせ、それにより、共通の近接及びかぶり補正関数のために最適な組のパラメータを獲得し、
設計データに従うパターンの露光の間、電子ビームリソグラフィーシステムの全域のCD一様性と局所的なCD直線性の補正のため、共通の補正関数−近接とかぶりの両方を含む−を露光制御に適用する。
さらに、露光補正用の所定のパラメータセットを、かぶりインパクトのある及びない、名目線量で露光された孤立した明瞭線及び不明瞭線の測定データセットと結果の比較及び計算に適用することが有効である(「ON THE TARGET」)(図21a)。フィットした近接パラメータセットを、他の任意のパターンからの測定データセットと結果との比較及び計算に適用するという別な可能性がある。他の任意のパターンは、例えば、ピラミッド状のパターンであり、テストパターンの代表点の測定から測定データセットと結果を比べることができる。フィットした近接パラメータセットを、他の任意のパターンからの測定データセットと結果との比較及び計算に適用するという、さらに別な可能性がある。他の任意のパターンは、例えば、デューティ比の複数の線であり、テストパターンの代表点での測定から測定データセットと結果を比べることができる。
当該方法は、EBLの干渉しない及び/又は干渉する非補正パターンに対する直接処理反応(電子エネルギー、レジスト材料、基板材料、前露光プロセス、後露光プロセス、パターン転写など)のパターン幾何学的配列の変化の解析に基づく。測定されたパターン変化の挙動は、特定の近接パラメータをモデルに挿入するバックシミュレーションを用いて計算により再構成される。モデルから、計算データは、データが実際のパターンで測定された同じ点におけるシミュレーションパターンの横の輪郭の局在化(ローカリゼーション)を表す。かぶりインパクトを用いた及び用いない代表テストパターン(単一の明瞭線/不明瞭線、ピラミッド状パターン、デューティ比の線の列など)の同じ点での計算結果と測定データとの比較により、制御関数用の所定のパラメータセットのクオリティが視覚化される。
要求される要件−補正アルゴリズムがモデルで用いられるのと同じモデル概念で働いている−が満たされる場合、当該方法は、近接補正において実際に定められた近接パラメータセットを用いた後、場合によっては起こるパターン一様性のずれ(パターンの合致)と解像限界を一度に予言する。
本発明には、露光された非補正の代表パターン(典型的なパターン幾何学的配列の変化として直接処理反応を解析する)の固有の幾何学的ゆがみをモデルに基づいて解析及び解読し、データが後続の処理のために記録されという利点がある。パターンは、(市販の測定ツール、例えばCD−SEMを用いて)特定の点で測定される。連続する「バックシミュレーション」手続き(procedure)が、これら効果の最良の可能な再構成のために用いられる。「バックシミュレーション」は、前露光及び後露光の条件及び/又は近接効果(パターンサイズ及び近傍)及びかぶり効果(=パターン及びプロセスの再構成)に依存する、具体的なパターンの細部の測定された幾何学的配列の変化を最良に近似するために、どのようにして最適な数値入力パラメータセットを見出すかという計算法を意味する。このようなパターンの細部は、露光強度に対する特定点におけるパターンの寸法変化(例えば、最も単純な場合、両方の色調(tonalities)での露光線量に対する線幅及び/又はコンタクトの寸法変化)である。別な変数は、例えば、かぶりインパクトのある及びかぶりインパクトのない隣接パターン(例えば、ラージパッドのギャップ幅の変化に対する線幅測定(ピラミッド状パターン)及び/又は格子の線(デューティ比の線))の位置である。その結果、得られたパラメータをモデルに挿入した後、適切なシミュレーションは、測定から得られたものと同じパターン幾何学的配列の変化依存性の傾向を示さなければならない。従って、補正アルゴリズムがモデルで用いられたものと同じモデル概念で働いていれば、近接補正でこれらの入力パラメータセットを用いて、付随して発生するゆがみ効果(parasitic distortion effects)がよく回復することになる。測定及びシミュレーションは最小の解像可能なパターン寸法以下に実行される。これは、いわゆる「短距離」効果を記述するパラメータの正確な決定も可能にする。この効果は、電子の前方散乱、第2の電子分布、ビームぶれ、レジスト効果(現像、酸拡散、クエンチング)及びパターン転写(マイクロロード)から生じる。従って、このパラメータセットを用いた解析関数により制御された近接補正装置は、深い100nm以下のリソグラフィーのノードにおいても正確に作動することができる。
一対の露光パターンの実験測定は、PROX-Inのアクティブフリー編集ダイアログボックスに全ての必要な数値入力を与え、また測定データを含む単純なASCIIファイル(アスキーファイル)を作るための事前条件である(PROX-Inはユーザフレンドリーウィンドウズ(登録商標)に基づくソフトウェアツールであり、ツールは、リソグラファーが近接及びかぶり効果パラメータの設定を決定するのを助ける働きをする)。従って、これらデータは、このプログラムの近接及びかぶりパラメータ決定に必要な、選択された特定の組込みアルゴリズムのベースとして働く。サブミクロン構造のパターンの低下/ゆがみを最大限避けるために、この効果を扱う補正法を適用することは避けられない。既存技術は、(a)露光線量のショットバイショットモジュレーション(shot-by-shot modulation)、(b)パターン幾何学的配列の変更、又は(c)前記の両方の方法の組み合わせに依拠する。
このプロセスの主な利点は、それが様々な入力パラメータにより既に近接補正された露光されたパターンの大きいマトリクスを利用しないことである。ここで、パラメータは、補正されない単純なテストパターンの測定から決定される。解析すべきデータ及び/又はパラメータの量は著しく減少する。本発明の利点は以下のようである。本発明は、露光されたテストパターンの比較的単純な設定を少しだけ使用する。近接効果パラメータ決定の場合、基板(5インチ及びそれより大きい)の領域は、1%以下に限定されたテストパターンで覆われる。さらに、テストパターンは近接及びかぶり補正なしに露光される。さらには、テストパターンの周りの付加的な補助パターンの基板の「ダミー」露光により局所的及び全域パターンロードを変更する可能性がある。これにより、現像及び/又はエッチングプロセスのバイアスの変化に対するかぶり効果に依存するパターンロードの付加的なインパクトを決定することができる。
さらに、入力パラメータの1つの値をそれぞれ変えることによりパターン劣化の傾向を直接観察する可能性がある。次に、最良の可能性のあるCD要件(CD直線性)を実現するために、入力パラメータのインタラクティブな微調整がある。例えば、様々なパラメータを有する付加的なガウス関数がどこでなぜ必要かを直接チェックする可能性を有する2以上のガウシアン入力パラメータセット(モデルの畳み込みカーネルとしてガウス関数の組み合わせ)を用いて、より良い結果を実現することができる。任意の近接パラメータセットのための特定のパターン細部のバックシミュレーション及び再構成により、パターンの様々な幾何学的配列の組み合わせのための所与のパラメータセットために、場合によっては起こるCDの変化を予言することが可能である。
コンピュータプログラム「PROX-In」は、製造の実際の条件下でこの用途で記述される方法の最適化及び試験の目的で開発され、実現した。
「長距離」かぶり効果も考慮される。電子ビームリソグラフィックシステムによって、近接補正制御関数とかぶり補正制御関数を1つの共通の制御関数へ結合することにより、CD直線性と全域のCD一様性の寸法誤差が10nm未満に減少する。
本発明の操作の性質及びモードを、添付図面に則して以下の本発明の詳細な記述に完全に記述する。
図1は、電子ビームリソグラフィーシステム1のブロック図を示す。電子ビームリソグラフィーシステム1は、電子ビーム3を放出する電子源2を有する。明細書では電子ビーム3の使用についてのみ述べる。しかしながら、本発明は電子ビームだけに限られないことが理解されよう。本発明は一般的に、基板4にパターン5を描くのに用いることができる粒子線を用いて使用することができる。基板4自体は、X座標のX及びY座標のYで張られた平面内をモーター7及び8によって移動できるステージ6に配置されている。電子ビーム3は電子ビーム源2から出た後ビーム調整コイルを通る。ビーム調整コイル9の後、電子ビーム3の伝播方向に、ビームブランキングユニット10が設けられている。その後、電子ビーム3は一般的に4つの磁気コイルを有する磁界偏向ユニット11に達する。その後、電子ビーム3は基板4に向けられる。既に述べたように、基板4はステージ6上に位置決めされている。ステージの実際の位置は位置フィードバック装置13によって制御される。さらに、電子検出器14はステージ6の近傍に位置決めされる。コンピュータ15が電子ビームリソグラフィーシステム1全体を制御するために設けられる。特に、必要な寸法のパターンを作るために、ビームパラメータを制御、測定及び調節する。コンピュータ15は、アナログ・デジタル変換及び/又はデジタル・アナログ変換を実行するインターフェース16によって電子ビームリソグラフィーシステム1に繋がっている。インターフェース16はビームブランキングユニット10、磁界偏向ユニット、位置フィードバック装置13、電子検出器14、及びステージを移動させるためのモーター7及び8に接続している。ユーザーはディスプレイ17を介して電子ビームリソグラフィーシステム1の設定及び/又は調整パラメータについて知ることができる。
図2aはある領域21を覆うパターン20の例であり、領域21は複数のガウスビーム22で満たされている。ガウスビーム22はどれも同じ直径を有する。図2bでは、ガウスビーム22の断面23の形状が示されている。複数のビームが、パターン20の必要とする領域21を覆う。
図3aは、整形ビーム32によって描かれたパターン30の例を示す。パターン30の全領域31は多数の様々な形状の図形で覆われている。様々な形状の図形が描こうとするパターン31の領域を満たす。この場合、領域31は電子ビームの3つの異なる形状32,32及び32で覆われている。図3bは、整形ビーム32の断面33の形状を示す。それぞれのビームの形状は描く必要があるパターンに従って調節できる。図3bに示されるように、ビームの形状は変えることができる。これは矢印34によって示される。
両方の場合(ガウスビーム又は整形ビーム)において、ミクロン以下(サブミクロン)の構造又はパターンが、マスク描画及び直接描画にとって重大な因子になった。このパターンサイズを用いて、電子ビームリソグラフィーシステムは共通の付随して発生する電子散乱効果に対抗する。この効果は、描こうとするパターンを取り囲む領域で望んでいない露光デポジション(exposure depositions)を引き起こす。このパラサイト電子散乱効果は近接効果として知られている(例えば、非特許文献7参照)。最小構造サイズが電子の後方散乱の範囲より小さくなる場合、パターンの適用範囲(coverage)は描こうとするパターンの寸法制御に影響を及ぼす。他方で、前方散乱は最大解像度を制限する。電子のエネルギーが増加するに連れて、後方散乱と前方散乱との差が増加する。特定の領域内で落ちるパターンの細部は、実際に生じるリソグラフィックパターンイメージではユーザーがオリジナルに設計したサイズ及び形状からかなり大きいゆがみを受ける。サブミクロン構造のパターンの劣化/ゆがみを最大限に避けるために、この効果を扱うための補正法を適用することは避けられない。
図4aは、GaAs基板41にコーティングされた、レジストを定めるポリ−(メチル−メタクリレート)(PMMA)層40で散乱した100の電子のシミュレーションした軌道を示す。電子の第1エネルギーは15kevに設定される。電子ビーム43がPMMA層に衝突すると、電子が散乱し、計算された軌道に従って移動する。図4bは、GaAs基板41にコーティングされたPMMA層40で散乱した100の電子のシミュレーションした軌道を示す。電子の第1エネルギーは図4aに示される計算値より高い。電子ビームリソグラフィーでは、際立ったゆがみは、電子と、正確に分離できず別個に取り扱えない別な効果と絡み合ったレジスト/基板システムとの相互作用から生じる。ここでは、レジストの潜像(レジストの分化(differentiation))を創出するレジスト量の対応する放射線−化学事象分布を用いた、レジストの吸収エネルギー密度分布(AEDD)広がりが主な役割を果たす。レジスト層でのAEDDのモデル化(modeling)は、電子散乱プロセスの統計的(モンテカルロ)計算又は解析的(輸送方程式)計算を用いて可能になる。実際の潜像は、露光から必要な放射線量を吸収した後、照射されたレジスト量の局所的な化学的加減(chemical modification)によって創出される。
図5は、多数の後方散乱露光(再散乱、re-scattering)のかぶり効果を示す。これは後方散乱露光の遠距離効果により発生し、ツールの構造にも依存する。
図6は、特定構造の寸法を調査中のパターンの周りにおけるほぼ100%のパターンロードの「最悪のケース」でのかぶり効果を説明するのに用いられる単純な実験テストパターン60の形状の概略図である。テストパターンは約70000μmの幅61を有する完全に露光された領域62を有する。露光領域では、島63は、島63の中央における露光線66を除いて露光されない。200nmの幅の明瞭線64は、露光領域62から60000μmの距離65のところで露光される。明瞭線64は島63の中央の露光線66と平行である。明瞭線64と島63の中央の露光線66は95000μmの距離67だけ離れている。両方の線64及び66は同じ条件(かぶり効果の影響を受けていない孤立した200nmの線に最適な同じ強度)の下で露光される。測定と計算により、露光領域62から60000μm離れた明瞭線64の幅がかぶり効果によって影響を及ぼされないことが示される。
図7は、特定構造の寸法へのかぶり効果を決定するのに用いられる第2テストパターン70の形状の概略図である。単一の線71が露光されない領域72内で露光される。露光されない領域72の境界から単一の線71までの距離73は、100μmである。線71の露光幅76は200nmである。露光されない領域72は大きい露光領域74に囲まれる。線量の測定及び計算されたスキャン75は、露光された単一の線71と垂直に実行される。図8は、露光された単一の線71と垂直な線であって、第2テストパターン70の露光領域74の一端まで延びる線にわたって、任意単位で代表的なレジスト深さの計算された吸収露光強度を示すダイアグラム80である。ダイアグラム80の横座標81は、X座標の方向にある線に沿う位置を表す。縦座標82は、任意単位でそれぞれの位置での吸収露光強度を示す。ダイアグラム80の第1曲線83は、かぶり効果のある測定線量を示し、第2曲線84はかぶり効果のない測定線量を示す。かぶり効果により第1曲線83は第2曲線より高い強度レベルを有する。
図9は、露光された単一の線71と垂直な線であって、露光された単一の線71の左右に200nm延びる線99にわたって、任意単位(相対強度)で代表的なレジスト深さの計算された吸収露光強度を示すダイアグラム90である。ダイアグラム90の横座標91は、X座標の方向にある線99に沿う位置を表す。縦座標92は、任意単位でそれぞれの位置での吸収露光強度を示す。ダイアグラム90の第1曲線93は、かぶり効果のある露光強度を示し、第2曲線94はかぶり効果なしの露光強度を示す。図8で述べたように、かぶり効果により第1曲線93は第2曲線94より高い強度レベルを有する。第2テストパターン70を用いて、線を露光し、200nmの結果の幅96を得ることを意図する。かぶり効果なしで、この目的は実現される。かぶり効果を得られる線の幅に考慮すると、241nmになる。増加した幅95は、かぶり効果が露光に寄与した別な線量により引き起こされる。
長距離効果であるかぶり効果に加えて、短距離効果である近接効果も考慮する必要がある。近接効果を考慮するための1つのオプションを以下に述べる。図10は、レジストに描かれる、第1の可能な(すでにPROX-Inで実行された)テストパターン100を示す。この第1テストパターン100をバックシミュレーションするための手続きは、ピラミッドの「PYR」と称する(ピラミッド状のテストパターン100を用いる)。この特別なプロセスは、PROX-Inユーザーインターフェースを介してユーザーにより開始される(図12参照)。この手順により、露光された対称ピラミッドテストパターン100の線幅の変化から実験測定データを解析した後、入力パラメータを決定することができる。第1テストパターン100は、所定の線幅103を有する1本の線101を含む。所定の線101の両側では、ラージパッド102が測定される線101に沿って変わるギャップ幅104で露光される。補正しない場合、所定の単一の明瞭線の幅103は、測定線101とラージパッド102の間の減少するギャップ幅104と共に増加する。測定は図10のポイント105でマークされた位置で行われる。
図11も、直接近接パラメータの決定に使用できるPROX-Inですでに実行された可能な第2テストパターン110を示す。前記の他の方法と同様に、この手続きは、露光された補正されてないデューティ比テストパターン「DRT」の線幅111の測定値に基づく。多数の線112がレジストにおいて露光され及び/又はさらに処理される。線と線の間の様々なピッチ113の配列114の線112が作られる。この特別なプロセスは、特別なPROX-Inユーザーインターフェースを介してユーザーにより開始される(図14参照)。当該手続きにより、露光された対称な第2テストパターン110の代表線115の幅の変化から実験測定データを解析した後、近接入力パラメータを決定することができる。得られたファイルを受け取るために(図15参照)、フォームに2列のデータが与えられる。第1の列151は、比(1:1,1:2,1:3,…,1:20)の数1,2,3,…,20としてのデューティ比パラメータである。第2列152は比に対応するμmで表した測定線幅である。第3列153は計算された線幅である。様々な線/スペース率に対するそれぞれの配列114のほぼ中央で線幅の変化を測定する必要がある。図11の黒丸点115は測定が行われる位置を示す。「DRT」測定手続きを開始する前に、第2テストパターン110の右側の単一の明瞭線116のために最適な照射線量を決定する必要がある。言い換えれば、測定された単一の明瞭線はCADデータで必要とされる線幅を有し、パターン成形された線はできるだけ正確にターゲットに合っている。
図12は、図10に示されるようなユーザーが第1テストパターン100の露光を開始するための入力ウィンドウ120を示す。ユーザーは、表示された「PYR」の名称の上のマーク121を設定する(「PYR」ボタンをチェックする)ことによりピラミッド手続きを選択し、バックシミュレーション手続きが開始する。結果は表130に示される(図13参照)。露光された第1ピラミッドテストパターン100から得られた測定結果は、第2(中央の)列132に位置する。第1列131はギャップ幅を示し、第3列133は、シミュレーションによる、所定の入力パラメータセットのための、バックシミュレーション/再構築/計算した線幅133を示す。図13aはPROX-Inのグラフ形状134の結果を示す。目的は、測定データ136と計算結果137の最良の一致をもたらすパラメータセット135を見出すことである。
図14は、図11に示すように、ユーザーが第2「DRT」テストパターン110の手続きを開始するためのPROX-In入力ウィンドウ140を示す。ユーザーが、表示された「DRT」の名称の上のマーク141を設定する(「DRT」ボタンをチェックする)ことによりインパクト係数テスト手続きを選択し、計算プロセスが開始する。結果は表150に示される(図15参照)。露光された第2テストパターン110から得られた測定結果は、3つの列に位置する。第1列151はデューティ比を有するデータを含み、第2列152は測定された線幅を有するデータを含み、第3列153はバックシミュレーションから計算した線幅を含む。
図15aはPROX-Inのグラフ形状154の結果を示す。目的は、測定データ156と計算結果157の最良の一致をもたらすパラメータセット155を見出すこと(ピラミッドパターンを有する先の場合と同じ)である。
別な実験データ及びシミュレートデータを得るために、他のテストパターンが設計され、使用されるのは明らかである。データに対して、決定された近接パラメータをクロスチェックし、フィットさせなければならない。フィットにより、微細バターンの対の露光を可能にするパラメータセットが与えられ、得られる結果は必要なパターンのために与えられる設計データとよく一致する。言い換えれば、本発明に従うプロセスで露光されたパターンは、設計データに応じて必要とされる寸法を有するパターンになる。近接効果補正に加えて、かぶり効果を考慮した補正が与えられなければならない。
かぶり効果を考慮した補正とPROX-Inは標準コンピュータで作動する。コンピュータはウィンドウで作動し、特定のハードウェア/ソフトウェア構造は必要としない。かぶり補正に加えてPROX-Inの一般構造は、ディスプレイ17に示されたメインウィンドウ160から明らかである。プログラムPROX-Inを開始すると、メインウィンドウがすぐに現れる(図16参照)。メインウィンドウ160は3つの主要部分に分かれている。第1部分161はメインウィンドウ160の上半分全体にある。第1部分は、「CALCULATION α」及び「CALCULATION βandη」と付されている。第1部分161は、別個の第1分割ボックス161、第2分割ボックス161、第3分割ボックス161及び第4分割ボックス161から成る。第1分割ボックス161には「ALPHA」というタイトルがついている。第2分割ボックス161には「BETA-MANUAL」というタイトルがついている。第3分割ボックス161には「BETA-AUTO」というタイトルがついている。第4分割ボックス161には「ETA」というタイトルがついている。分割ボックスは、比較的大きいパターン/幅広い線の測定値からリソグラフィックプロセス反応の速い、まさに第一の評価をする働きをし、近接パラメータのための第1の(粗い)数値アプローチを行う。
第2部分162はメインウィンドウ160の下部に位置決めされる。第2部分162は「SIMULATION」と付されており、バックシミュレーションを用いて最良のパターン再構成に基づいたパラメータを「微調整」する働きをする。
第3部分163はメインウィンドウ160の右下に位置する。第3部分163は、テキストウィンドウ164を有する、スクロールされる「入力/出力」メモボックスである。選択した操作/計算から生じる幾つかの必要な情報が現れる。
新しい電子ビームリソグラフィックシステムは、100nmの装置の生成レベル及びそれ以下でCD要件を満たすように設計される。これらの規定を満たすために、全プロセスと正確な補正法の連続適用とを介して全てのパターンの劣化効果/ゆがみ効果をカバーする適切な知識ベースを有することが必要である。
近接補正制御関数f(r)は通常、2つ以上のガウス関数の和として記述される(方程式1参照)。関数型は近接補正装置で用いられるカーネル型に従って選択される。規格化された2G関数の場合、関数は以下のようになる。
ここで、第1項のα−は前方散乱の短距離を表し、第2項のβ−は後方散乱を表す。パラメータηは後方散乱成分と前方散乱成分のエネルギー比であり、r−は電子入射の点からの距離である(図4a参照)。
かぶり効果(長距離)の補正は、例えば、かぶり補正制御関数を記述する少なくとも1つのガウス関数Gfogを用いて実行できる。
fog(r)=cfogfog 方程式2
さらに、近接効果(短距離)とかぶり効果(長距離)の補正は、近接補正制御関数f(r)とかぶり補正制御関数ffog(r)を同時に適用することで実現する。前記の近接補正制御関数の適用は1つの可能性に過ぎないことも再び特記しておく。
本実施形態によれば、制御関数全体は以下のようになる。
f(r)=c(r)+c(r)+…+cfogfog(r) 方程式3
最後のレジスト除去マスクは、適切なデベロッパーでの後露光プロセス(たいていはウェットプロセス)の適用後に得られる。実際のレジストパターン幾何学的配列の予言及びモデル化のために、放射線で改良したポリマーの溶解の挙動が正確に知られる必要がある。この複雑な熱流体運動学プロセスの非常に非線形な挙動のために、現像プロセスは大量の不確定性の全体のシミュレーションをもたらす。非常に様々なシステム(半導体基板、レジスト及び後露光プロセス)が存在するので、方程式2のパラメータは異なるシステムの全てに対して決定される必要がある。
マスク製造では同様の複雑化が、第2ステップ−ウェットエッチング及び/又はドライエッチングの両方でレジストを介する画像層及び/又は基板へのパターン転写−を証明する。
電子ビームリソグラフィックシステムのフィールドにおける近接効果の補正は、前記のような電子散乱現象のダブル又はマルチのガウス近似を用いるという原則に基づいた照射線量の最適化問題を扱う全ての市販のソフトウェアパッケージによって利用できる。入力パラメータが専らモンテカルロシミュレーションから決定される場合、計算は純粋なAEDDのみを有する。このような結果は、他の影響を及ぼす要素からの付加的な非線形効果についての情報を何も含まない。1つの影響要素はプロセス、例えば、レジストにおける放射線化学事象、熱効果、現像の溶解挙動及びマスク作成におけるエッチングである。他の影響を及ぼす要素はツールであり(例えば、アエリアル画像勾配及び/又はエッジの鋭さに影響を及ぼす空間電荷効果及び電子光学収差)、従属するインパクトが得られるパターン変形に影響を及ぼす。このために、補正計画のための入力データは、これらの効果を全て正確に記述し、さらに実験測定値から得られたこれらのパラメータの値を精密に調整する物理的挙動モデルを用いて見積もられるべきである。
物理的モデルを用いたかぶりパラメータの正確な決定は実際には可能でない。かぶり強度は、基板の露光領域全体にわたるパターン密度マップから粗く既定(predefine)される。かぶり電子の発生は非常にツール(構造)に依存する。かぶり電子の数及びエネルギースペクトルも予言できず、これら電子の軌道の広がり及びエネルギーの広がりも正確には計算、既定できない。ゆえに、かぶりの得られる露光効率は正確には分からず、補正に必要な量の値を得るための1つの可能性は実験法を用いることである。かぶり効果パラメータも非常にリソグラフィックプロセス(コントラスト)に依存し、一般に「良好な」プロセスでは、必要なかぶり補正帯は非常に狭い(典型的には、10〜40nmのCDかぶり変化の「最悪の場合」で、最大で0.75〜1.5μC/cmだけの線量補正が必要である。すなわち、マスク領域内のパターンはほぼ100%のパターンロードである)。従って、最適条件から決定される補正パラメータの小さいずれ/不確定性が、強い過小補正(undercorrection)又は過補正(overcorrection)になり、ゆえに全域のCD一様性のロスになる。
補正プロセスのために、適当に選択された数値入力だけが補正システムを作動させる。ゆえに、露光制御関数を決定するのに必要なプロセスに依存する入力パラメータセットの数値決定のために、素早く簡単な方法を発展させる様々な努力がされてきた。柔軟なプログラムパッケージPROX-Inは、リソグラファーがこれらの最適な数値を見出す/決定するのを助ける。本発明は準現象学的コンセプトを利用している。
同一の入力パラメータのためのシミュレーションモードで同じ結果を得るために、それぞれ、補正装置とPROX-Inソフトウェアのアルゴリズムの両方を同期させるために、特に気を使った。
電子ビームリソグラフィックシステム1によるかぶり補正と近接補正は、100nmの装置の生成及びそれ以下のマスク及びウェーハの寸法誤差を10nm未満に減少させる。
「PROX-In」をスタートさせる前に、以下の主な数値リソグラフィックパラメータを、特別に設計され露光されたテストパターンの設定から直接得ることは避けられない(数値計算のためのPROX-Inへの入力/設定パラメータとして必要)。
図17aは、(*.BET)ファイルのテーブル170を示す。準備として、測定された線幅[μm]に対して照射線量[μC/cm]が表示されている。
測定は、かぶりインパクトのない様々な線量で露光された孤立した幅広の線において実行される。測定の結果173は図17bに視覚化される。測定された線は、βより大きい幅の、長い孤立した線として露光されたパターンである(「全ての後方散乱する電子を集める」ため、すなわち50keVマスク作成のため、線幅は10μm以上)。(*.BET)ファイル(表170)は、「線量」[μC/cm]と「線幅」[μm]の測定値を2つの列171,172に直接挿入して、任意のテキストエディタを用いて書かれており、ASCIIフォーマットの線量値と共に下がっている(図17aの例の15μm幅の線参照)。測定はCD測定ツール(例えば、ライカLMS-IPRO、ライカLWM、CD-SEMなど)によって行われる。
当該方法は、照射線量に対する線幅の変化の解析に基づく(図17b参照)。線量は横座標に書かれ、最適な露光により最小の適正値から(細かい刻みで)増加している(ここで、線幅は15μmからより高い値(最適線量の約10倍)までのターゲットに合う)。測定された線幅は座標に示される。前露光及び後露光プロセスからの全ての付加的なインパクトと共に、後方散乱の全効果の視覚化が、得られる線幅及び/又はフォーマットにより図17bに示される。所与のプロセス構成のための特定のβパラメータが、(*.BET)ファイルを、「PROX-In」プログラムの「BETA-AUTO」及び/又は「BETA-MANUAL」下で作動するアルゴリズムに挿入することにより計算される。
メインウィンドウ120の第2部分180には「SIMULATION」と付されており、選択パターンにおける数値入力パラメータセットの「微調整」に役立つ。パラメータ調整は、適用される線量及び/又は近傍に依存するパターンの測定された寸法変化の「バックシミュレーション」に基づく。1つのパターンは幅広の単一の明瞭線である。照射線量に対する線幅の変化は、得られた結果に基づき、対応する(*.BET)ファイルが得られる(図17a参照)。解像可能な最小の線から2〜3μm(プロセスに依存する)までの幅の範囲で、孤立した明瞭線のターゲット線幅に対する名目線量を決定するという別な可能性がある。測定値のASCIIデータは、(*.TGT)ファイルの線量因子に対する線幅の形式で得られる。対応するデータは、補正しない露光テストパターンの測定から得られる。「PYR」(ピラミッド状パターン)は、測定線と大きい対称的に露光された測定線に沿うパッドとの間のプログラムされたギャップ幅に対する線幅の変化である(図10参照)。測定データは、(*.PYR)ファイルとして線幅に対するギャップ幅として、測定値からのASCIIフォーマットで必要である。「DRT」(デューティ比テスト)は、線/スペースの刻みのに対する線幅の変化である。測定データは、(*.DRT)ファイルとしてピッチに対する線幅として、測定値からのASCIIフォーマットで必要である。データは、補正しないテストパターンの測定から得られる(図11参照)。メインウィンドウ120の第2部分180に表示される、このシミュレーション部分の主なタスクは、用いられるリソグラフィーモデルのための入力パラメータの適切な設定を(反復して)見出すことである。シミュレーションは測定値との最良のフィットを示す。これは、シミュレーションが、測定されたパターン幾何学的配列の変化の実際の状況を再構成することを意味する。
このシミュレーション部分の主な仕事は、シミュレーションは測定値との最良のフィットを示す、用いられるリソグラフィーモデルの近接補正及びかぶり補正のための入力パラメータの適正な組を見出すことである。これは、シミュレーションが、測定されたパターン幾何学的配列の変化の実際の状況を再構成すべきことを意味する。
シミュレーションのスタートボタン181を押す前に、ユーザーは4つのパターン型(「LW vs. Q」、「to Target…」、「PYR」、「DRT」)の1つを選択しなければならない。対応するASCIIファイルは測定データにより利用できる。全てのアクティブ編集ウィンドウ182を適切な数値で埋め、またかぶり効果のための別なガウス関数に加えて、近接効果のための2,3又は4のガウス表現を用いた必要なモデルアプローチを選択する必要もある。
数値の曖昧性(例えば、適正な物理解釈のない1つの値の結果及び/又はパラメータ値だけでない)が、ある複雑化を引き起こす。ゆえに、一般的に、「2G」184(2ガウシアン)アプローチでシミュレーションをスタートし、スタート値として、初めの粗い近似から得られたβ値及びη値を挿入するのが良い。スタート値として、0.05〜0.1μmの範囲の数が設定できる。
シミュレーションをスタートした後、対応するASCIIファイルの要求が現れる(選択されたパターン型に依存する(*.BET)、(*.TGT)、(*.PYR)又は(*.DRT)の1つ)。ファイルがプログラムによって無事に読まれ解読されると、新しいグラフィックウィンドウ190(図18参照)が、メインウィンドウ120の第2部分180の上側部分にすぐに現れる。メインウィンドウは、適切なグラフィックフォームの入力値を用いて測定値191及び関連するシミュレーション192の結果を示す。
図表と同時に、テキスト情報も、メインウィンドウ120の第3部分123(右下側に位置する)に現れる(図12参照)。第3部分123は、フィットクオリティの評価による実験結果と計算結果の対応する数値比較を含む。データは通常のエディタと同様に第3部分123で直接扱われる。すなわち、テキストに印を付け、クリップボードにコピーし、また別な処理のためにコピーされたASCIIファイルを別なソフトウェア(例えば、エクセル)に直接挿入する。
第2部分180でのそれぞれのシミュレーションステップの後、「stat」183では(図18参照)、まさに実行されたシミュレーションのクオリティを値が示している。一般的に、バックシミュレーション法を用いたパラメータ決定フィッティングプロセスの各ステップは、「stat」183の最小の可能な値を得る傾向がなければならない(例えば、図18と図19の「stat」値の差を見よ;明らかに図19がより良いフィット200を特徴付けることを示している)。
「ind」193,203はフィットプロセス中のフィットのクオリティ傾向を矢印「↑」の形式で示す。「Set」ボタン194,204を押すことにより、クオリティ評価のために最小の現在の「stat」値が設定され、インジケータ「ind」はこの値に従うフィットクオリティ傾向を示す。「ind」の意味は、「↑」は悪い、「↓」は良い、「←」は大きい変化なしである。
選択されたパターン型の場合、「DRT」を除いて、プログラムの「auto-ALPHA」、「auto-BETA」及び「auto-ETA」関数(図18参照)をそれぞれ別個に試験することも可能である(適当なボックスをチェックする。ただし、同時に1つしかチェックできない)。その結果、第2部分180に赤で現れるα、β又はηの最適パラメータ値が提案される。計算された値の提案が信頼できるようであれば、それは次のシミュレーションステップのための新しい値として下の適当な編集ウィンドウに入れられる。自動フィットプロセスの第1ステップとして、大体適当で許容できるη値を見出すために「auto-ETA」関数から始めるのが良い。この値を下の編集ウィンドウに入れた後、パラメータフィットは全ての入力パラメータを通して何度も反復する必要がある。
「3G」及び「4G」と示されたボックス(メインウィンドウ120の第2部分180を見よ)は、2以上のガウシアンパラメータセットを選択するのに用いられる。測定のある領域が標準の2ガウシアンパラメータセットを用いたシミュレーションと満足のいくほどフィットしないことがしばしば起こる(図18参照;点線の円195でマークされた領域)。測定された線幅変化の入力データが正しい場合、これは実際には補正プロセスのパターンの幾つかの組み合わせにとって、最適な線量の割り当ての局所的な障害をもたらし得る。一般的に、フィットのクオリティを改善するために2以上のガウシアンを用いることが可能である(図19参照)。
図20は、単一の明瞭線の測定線幅212の最適線量と「2G」近似を用いて計算した線量の比較210を示す。「2G」近似を用いて計算した「補正曲線」211は、線幅の測定データに対して最良のフィットを与えない(近接効果)。
図21は、単一の明瞭線の測定線幅の最適線量と「3G」近似を用いて計算した線量の比較220を示す。「3G」近似を用いて計算した「補正曲線」221は、線幅の測定データ222に対して最良のフィットを与える(近接効果)。
図22は、結果の制御関数231のグラフ230の描写である。全パラメータセット決定プロセスの最終ステップは、露光プロセス最適化のための制御関数231の生成である。制御関数231は、得られた近接入力パラメータα、β、ηなどにより完全に定められる。
「EID」(Exposure Intensity Distribution、露光強度分布)の形式の制御関数231は、「EID to a File (*.pec)」チェックボックスをチェックした後、シミュレーションステップの1つに対して各ステップで得られる。ディスプレイの上側部分では、露光強度[任意単位]に対するラジアル距離[μm]として現れる制御関数のグラフ描写がある。
図23は、適用制御関数を用いて、また用いずに描かれたパターンの概略図を示す。第1領域280及び第2領域281に、所定の電子ビーム線量が割り当てられる。電子ビームの照射から生じるパターンの概略図282は、それぞれのランド284と284の間の接続部283を示す。CADデータによって、ランド284と284が分離する。電子ビーム照射は、2つのランド284と284の間の望まれない接続を引き起こす。構造化パターンの実際の画像285は、2つのランド284と284の接続部を示す。本発明によれば、第1領域280及び第2領域281は、少なくとも2つの分割領域280,280,…,280と281,281,…,281に分けられる。ここで、異なる線量が分割領域に割り当てられる。本実施形態によれば、領域280及び281は、3つの分割領域280,280及び280に分けられる。各分割領域280,280及び280に、それぞれの線量が割り当てられる。ここで、第1分割領域280は線量Dを受け、第2分割領域280は線量Dを受け、第3分割領域280は線量Dを受ける。様々な線量の様々な分割領域への本発明の割り当ての結果、CADデータの必要とする寸法を有する構造が得られる。得られる様々な構造286の概略図は、2つの構造の明確な区切りがあることを示す。区切りは、一定の幅を有するストレート線287で定められる。パターン成形した構造の実際の画像288も示されている。
図24は、第1ダイアグラム250において、近接効果の制御関数253のグラフを示す。第2ダイアグラム251は、かぶり効果の制御関数254のグラフである。第3ダイアグラム252は、近接効果及びかぶり効果の組み合わせの制御関数255を示す。
電子ビームリソグラフィーシステムのブロック図である。 ガウス形電子ビームによって描いたパターンの例を示す図である。 一定の直径を有するガウス形電子ビームの断面の形状を示す図である。 整形電子ビームによって描いたパターンの例を示す図である。 描く必要があるパターンに応じて形状寸法を調節した、整形電子ビームの断面の形状を示す図である。 GaAs基板にコーティングされたポリ−(メチル−メタクリレート)(PMMA)で散乱した100の電子のシミュレーション軌道を示す図である。 電子の一次エネルギーが図4aに示された計算値よりも高い、GaAs基板にコーティングされたポリ−(メチル−メタクリレート)(PMMA)で散乱した100の電子のシミュレーション軌道を示す図である。 ターゲットでの電子散乱とかぶり効果を示す図である。 特定構造(ここでは200nm幅の単一の線)のCD変化に対するかぶり効果を説明するかぶりインパクトのある(I.)及びない(II.)テストバターンの概略図である。 特定構造の寸法変化に対するかぶり効果を説明するために用いられる図6の線パターン(I.)の形状の概略拡大図である。 露光していない隣接領域を通して図6の200nmの露光した単一の線(I.)にわたって、任意単位の露光強度分布(代表的なレジスト深さで計算した)の差を示す図であり、かぶりインパクトを考慮して及び考慮せずに計算した線パターンの周りで露光された大きいかぶり領域の一端まで延びる。 露光された線と垂直な図6の200nmに設計された単一の線(I.)のために任意単位で、計算された露光強度分布と得られるCDの差を示す図8の拡大図であり、かぶりインパクトを考慮せず及び考慮して露光された線の左右に200nm延びる。 かぶり効果なし及びありで露光されたテスト構造から成るかぶりパラメータの決定に用いられるテスト配置を示す図であり、使用すべきテスト構造の例は図10及び11に記述される。 露光されるピラミッドテスト、「PYR」パターンの線を示す図である。 露光されるデューティ比テスト、「DRT」パターンの線を示す図である。 ユーザが図10に示されるテストパターンの露光を開始するための入力ウィンドウを示す図である。 図10に示される露光パターンから得られた測定値と計算結果の表を示す図である。 最適入力パラメータによるバックシミュレーション後の、図10に示される露光テストパターンから得られた結果を示す図である。 ユーザが「DRT」テストパターンの手続きを開始するためのPROX-In入力ウィンドウを示す図である。 露光及びバックシミュレーションされた「DRT」パターンから得られた測定値と計算結果の表を示す図である。 最適入力パラメータによる「DRT」パターンのバックシミュレーション後の、PROX-Inのグラフにおける測定結果と計算結果の比較を示す図である。 コンピュータと関連するディスプレイに与えられたプログラムPROX-Inのメインウィンドウを示す図である。 適用された線量に対する露光された線幅及び測定された線幅の表を示す図である。 露光された線量に対する測定された線幅の変化を示す図である。 バックシミュレーション法及び2ガウシアン「2G」近似を用いた、図17a,bの実験データに対するパラメータ決定フィッティングプロセスを示す図である。 バックシミュレーション法及び3ガウシアン「3G」近似を用いた、図17の実験データに対するパラメータ決定フィッティングプロセスを示す図である。 「2G」近似を用いた、単一の明瞭線のターゲットの線幅で測定された最適な線量とシミュレーションとの比較を示す図である。 「3G」近似を用いた、単一の明瞭線のターゲットの線幅で測定された最適な線量(「Dose to Target」)とシミュレーションとの比較を示す図である。 「3G」近似とかぶりの影響を受けた単一の明瞭線と同じ設定とを用いた、図21の単一の明瞭線のターゲットで測定された最適な線量とシミュレーションとの比較を示す図であり、かぶりパラメータは単一の共通制御関数として加えられた4ガウシアン(4th Gaussian)に含まれる。 得られる図21の「3G」近似制御関数のグラフを示す図である(まだかぶりインパクトはない)。 露光補正を用いて、また用いずに描いたパターンの概略図である。 共通の短距離(近接)制御関数と長距離(かぶり)制御関数を組み合わせた図である。
符号の説明
1 電子ビームリソグラフィーシステム
2 電子ビーム源
3 電子ビーム
4 基板
5 パターン
6 ステージ
7 モータ
8 モータ
9 ビーム調整コイル
10 ビームブランキングユニット
11 磁界偏向ユニット
12 磁気コイル
13 位置フィードバック装置
14 電子検出器
15 コンピュータ
16 インターフェース
17 ディスプレイ
20 パターン
21 領域
22 ガウスビーム
23 断面
30 パターン
31 領域
32 整形ビーム
32 異なる形状
32 異なる形状
32 異なる形状
33 断面
34 矢印
40 PMMA層
41 GaAs基板
42 軌道
43 電子ビーム
50 ダイアグラム
60 テストパターン
61 幅
62 露光領域
63 島
64 明瞭線
65 距離
66 島の中央の露光線
67 距離
70 第2テストパターン
71 単一の線
72 露光されない領域
73 距離
74 露光領域
75 距離
76 幅
80 ダイアグラム
81 横座標
82 縦座標
83 第1曲線
84 第2曲線
90 ダイアグラム
91 横座標
92 縦座標
93 第1曲線
94 第2曲線
95 幅
96 幅
100 テストパターン
101 線
102 パッド
103 線幅
104 ギャップ幅
105 ポイント
110 第2テストパターン
111 線幅
112 線
113 ピッチ
114 配列
115 黒丸点
116 単一の明瞭線
120 入力ウィンドウ
121 マーク
130 表
131 第1列
132 第2列
133 第3列
134 グラフ形状
135 パラメータセット
136 測定データ
137 計算結果
140 入力ウィンドウ
141 マーク
150 表
151 第1列
152 第2列
153 第3列
154 グラフ形状
155 パラメータセット
156 測定データ
157 計算結果
160 メインウィンドウ
161 第1部分
161 第1分割ボックス
161 第2分割ボックス
161 第3分割ボックス
161 第4分割ボックス
170 テーブル
171 列
172 列
173 結果
180 第2部分
181 スタートボタン
182 アクティブ編集ウィンドウ
183 stat
184 2G
190 グラフィックウィンドウ
191 測定値
192 シミュレーション
193 ind
194 「Set」ボタン
195 点線の円
200 より良いフィット
203 ind
210 比較
211 補正曲線
212 測定線幅
220 比較
221 補正曲線
222 測定データ
230 グラフ
231 制御関数
250 第1ダイアグラム
251 第2ダイアグラム
252 第3ダイアグラム
253 制御関数
254 制御関数
255 制御関数
280 第1領域
280 分割領域
280 分割領域
280 分割領域
281 第2領域
281 分割領域
281 分割領域
281 分割領域
282 概略図
283 接続部
284 ランド
284 ランド
285 実際の画像
286 得られる構造
287 ストレート線
288 実際の画像

Claims (8)

  1. マスク又はウェーハの全体にわたる全域のCD一様性を最適化する処理の後に設計データと一致するパターンを得るために露光が制御される、電子ビームリソグラフィーシステムにおけるかぶり効果を減少させる方法において、
    かぶりインパクトを用いず及び用いて、近接補正したテストパターンを露光し;
    テストパターン内で生じるテスト構造の幾何学的配列を測定し、それにより、設計データに必要な寸法に対するかぶり効果の影響を示す1組の測定データを獲得し;
    ガウス関数Gfog又は別な関数のための基本入力パラメータの数値範囲を決定し、関数型は1組の測定データから、かぶり効果を記述する近接補正装置で使用されるカーネル型に応じて選択され;
    近接効果を考慮して、少なくともガウス関数Gfogの基本入力パラメータをそれぞれ変化させてかぶり効果のためのモデルを測定データセットにフィットさせ、それにより、単一の共通の近接制御関数及びかぶり制御関数のための最適な組のパラメータを獲得し;及び
    設計データに従うパターンの露光の間、電子ビームリソグラフィーシステムの露光制御に補正関数を適用する、
    という各ステップを有する方法。
  2. 電子ビームリソグラフィーシステムにおける近接効果補正が、
    近接補正を制御するためのプロセスを適用した任意の組のパターンを露光し;
    生じるテスト構造の幾何学的配列を測定し、それにより1組の測定データを獲得し;
    1組の測定データから基本入力パラメータα、β及びηの近接の数値範囲を決定し;
    少なくとも制御関数の基本入力パラメータα、β及びηをそれぞれ変化させることによりモデルを測定データセットとフィットさせ、それにより最適な組のパラメータを獲得し;
    設計データに従うパターンの露光の間、電子ビームリソグラフィーシステムの露光制御に補正関数を適用する、
    という各ステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 近接効果のための制御関数が少なくとも2つのガウス関数の和であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 近接効果及びかぶり効果のための制御関数が
    f(r)=c(r)+c(r)+cfogfog(r)
    で定められ、第1項のfが前方散乱の短距離を特徴づけ、第2項のbが後方散乱を特徴づけ、Gfog(r)がかぶり効果を考慮した制御関数を決定し、rが電子入射の位置からの距離である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 近接効果のための制御関数が3つのガウス関数の和により定められることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 近接効果のための制御関数が4つのガウス関数の和により定められることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  7. 電子ビームリソグラフィックシステムによる近接効果補正及びかぶり効果補正のための単一の制御関数を用いて、ウェーハ又はマスクの全体にわたる寸法誤差が10nm未満に減少することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 近接制御関数がPROX-Inソフトウェアに組み込まれることを特徴とする請求項2に記載のプロセス。
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