JPH0661127A - 電子ビーム描画方法 - Google Patents

電子ビーム描画方法

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JPH0661127A
JPH0661127A JP4211564A JP21156492A JPH0661127A JP H0661127 A JPH0661127 A JP H0661127A JP 4211564 A JP4211564 A JP 4211564A JP 21156492 A JP21156492 A JP 21156492A JP H0661127 A JPH0661127 A JP H0661127A
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electron beam
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毅 藤野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビーム描画法において、高精度な微細パ
ターン作成に必要な近接効果補正計算において簡易かつ
迅速に高精度で補正計算し得る方法を提供することを目
的とする。 【構成】 電子ビーム描画法は、エネルギー蓄積分布の
計算において予め代表的な幾つかのパターン領域につい
て実験やシミュレーションに基づく積分計算を行なって
数値テーブルを作成し、それらのテーブル中の数値の和
差算によって種々のパターン中のエネルギー蓄積分布の
計算を行なうことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体デバイスの作成に
使用する電子ビーム描画方法に関し、特に、物質中での
電子散乱に基づく解像度の劣化を簡易に改善し得る電子
ビーム描画方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの形成に必要な微細パタ
ーンの作成方法に、電子ビーム描画方法がある。これ
は、目的とする半導体デバイスが形成されるべき半導体
ウエハ上に電子線感光樹脂(EBレジスト)を膜厚0.
3〜1.5μmに塗布し、それに電子線を選択的に照射
した後に現像液を用いて現像することによって、線幅約
0.5μm以下のパターンを作成し得る方法である。
【0003】電子ビーム露光方法においては、設計値ど
おりのパターンの作成を阻害する近接効果という要因が
ある。この近接効果は、電子がEBレジスト中で散乱す
るために微細なパターンが解像され得なかったり、2つ
の大きなパターン領域に挟まれた部分のパターン領域が
変形するなどの現象を生じるものである。
【0004】このような近接効果を補正する方法として
種々の方法が考えられており、たとえば、Japane
se Journal of Applied Phy
sics,Vol.30,No.11B,1991,p
p.3058−3064に示されているように、1点に
入射した電子ビームの散乱によるエネルギー蓄積分布を
EID(エネルギー強度分布)関数と呼ばれる関数を用
いて様々なパターン中の各パターン領域の端部における
エネルギー蓄積を近似計算し、これらのエネルギー蓄積
が均一になるようにパターン領域ごとの露光量を変える
方法がある。
【0005】たとえば、第4図に示されているような
A,B,Cの3つのパターン領域を含むパターンがある
場合、初めにA1〜A4,B1〜B4,C1〜C4の各
点におけるエネルギー蓄積量がEID関数を用いて計算
される。EID関数は、通常は次式(1)のような2つ
のガウス分布の和として計算される。ただし、次式
(1)においてβf ,βb ,およびηは定数であって近
似パラメータを表わしている。
【0006】
【数1】
【0007】点A1におけるエネルギー蓄積量E
(A1 )は、パターン領域A,B,Cにおける露光量を
A ,DB ,DC とすれば、次式(2)として求められ
る。
【0008】
【数2】
【0009】点A2 〜A4 ,B1 〜B4 ,C1 〜C4
おけるエネルギー蓄積量も、同様にして求めることがで
きる。
【0010】パターン領域A,B,Cの平均エネルギー
蓄積量E(A),E(B),E(C)は、次式(3),
(4),(5)によって定義される。
【0011】
【数3】
【0012】これらの式をまとめれば、平均エネルギー
蓄積量E(A),E(B),E(C)は、露光量DA
B ,DC の関数fとして次式(6),(7),(8)
のように表わされる。
【0013】 E(A)=f(DA ,DB ,DC ) (6) E(B)=f(DA ,DB ,DC ) (7) E(C)=f(DA ,DB ,DC ) (8) これらの平均エネルギーE(A),E(B),E(C)
が0.5になるようにDA ,DB ,DC について解を求
めれば、パターン領域A,B,Cごとの露光量が決定さ
れ、近接効果の補正ができることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の近接効果の補正
は以上のように構成されているので、EBレジスト中の
電子ビームの散乱によるエネルギー蓄積分布を式(1)
で近似しなければならない。シリコン基板上のEBレジ
ストパターンにおける実験やシミュレーションによれば
2つのガウス分布の近似で比較的良好な精度が得られた
が、タングステンや金などの重金属基板上では近似の精
度が悪化し、それに伴って近接効果の補正の精度まで悪
化するという問題がある。また、3つ以上のガウス分布
で近似するという手法もあるが、式(1)中のβf ,β
b ,ηで示される近似パラメータの導出が難しく、また
式(2)の計算時間が増大するなどの問題がある。
【0015】本発明は、以上のような問題点を解消する
ためになされたものであり、電子ビームの散乱によるエ
ネルギー蓄積分布を式(1)のようなEID関数を用い
ることなく、簡易迅速かつ高精度な近接効果の補正を行
ない得る方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の電子ビーム描画
方法は、高精度な微細パターンの作成に必要な近接効果
の補正計算において、電子ビームが1点に入射したとき
にその周囲に蓄積されるエネルギー分布がどのような関
数形で表わされる場合でも簡易にエネルギー蓄積分布を
計算し得るように、エネルギー蓄積分布の計算において
予め代表的な幾つかのパターン領域について実験やシミ
ュレーションに基づく積分計算を行なって数値テーブル
を作成し、それらのテーブル中の数値の和差算によって
種々のパターン中のエネルギー蓄積分布の計算を行なう
ことを特徴としている。
【0017】
【作用】この発明による電子ビーム描画方法において
は、実験やシミュレーションによって求めたエネルギー
蓄積分布を用いて直接的に積分計算をすることにより、
EID関数において使用するパラメータを求める必要が
なくなり、かつEID関数では近似しにくい分布でも計
算し得るので、近接効果の補正を簡易迅速かつ高精度に
行なうことができる。
【0018】
【実施例】以下において、本発明の一実施例による電子
ビーム描画方法が説明される。
【0019】図1は、点1に入射した電子によってその
点1から或る距離だけ離れた位置に蓄積されるエネルギ
ーを模式的に示したグラフである。すなわち、横軸は位
置を表わし、縦軸は蓄積されたエネルギーを表わしてい
る。このようなグラフは、後述の文献に開示された実験
的方法またはシミュレーション方法によって求めること
ができる。従来、図1のようなエネルギー分布関数を式
(1)のEID関数で近似することによって近接効果補
正計算を行なっていた。
【0020】図2は、サンプル点3(0,0)から見た
ときの座標(x0 ,y0 )〜(x1,y1 )で形成され
る矩形2に電子が照射されたときに、サンプル点3
(0,0)に蓄積されるエネルギーを計算する例を示し
ている。このときのエネルギー蓄積量は次式(9)で計
算される。
【0021】
【数4】
【0022】式(9)の計算は、f(r)の任意の関数
形に対して、数値積分することによって求めることがで
きる。たとえば、図4に対してこれを適用した場合、式
(2)で示される点A1 におけるエネルギー蓄積量E
(A1 )は次式(10)で表わされる。
【0023】 E(A1 )=DA ・E(−xA0,xA0,−2yB0,0)+DB ・E(xB0−x A0 −xA ,xB0+2xB −xA0−xA ,yB0−yA0−2yA ,yB0+2yB −y A0 −2yA )+DC ・E(xC0−xA0−xA ,xC0+2xC −xA0−xA ,yC0 −yA0−2yA ,yC0+2yC −yA0−2yA ) (10) しかし、このような計算をLSIのような大規模のパタ
ーン領域数を持つパターンのサンプル点のすべてに対し
て数値積分によって計算を行なえば、膨大な計算時間が
必要となる。また、多くのパターン領域に対して計算す
れば、同様の計算を何回も行なうこととなり、多くの無
駄を生じる。
【0024】そのような問題を解消するために、本発明
においては、予め積分を行なって数値テーブルを作成し
ておき、蓄積エネルギー計算を簡易かつ迅速に行なう手
法を使用する。テーブルとして、図3に示すようにサン
プル点3(0,0)から(α,β)までのパターン領域
によって生じるエネルギー蓄積量ΣE(α,β)をすべ
てのα,βに対して計算し、2次元のテーブルを作成し
ておく。そのようなテーブルを用いれば、上述の式
(9)は次式(11)として、1回ごとに積分すること
なく単なる和と差を取ることによって求めることができ
る。
【0025】 E(x0 ,x1 ,y0 ,y1 )=ΣE(x1 ,y1 )−ΣE(x1 ,y0 )− ΣE(x0 ,y1 )+ΣE(x0 ,y0 ) (11) ただし、この計算は、x0 ,x1 ,y0 ,y1 >0であ
る必要があるので、式(10)中の値が負の値を持って
いるときには、次式(12)のような計算をする必要が
ある。
【0026】 E(−x0 ,x1 ,y0 ,y1 )=E(−x0 ,0,y0 ,y1 )+E(0, x1 ,y0 ,y1 )=E(0,x0 ,y0 ,y1 )+E(0,x1 ,y0 ,y1 ) (12) 以上のような手法によって、従来例の式(2)に変わる
式(10)の計算について、式(11)や(12)を用
いてテーブルを参照することによって簡易かつ迅速に計
算することができる。
【0027】なお、上述の実施例においては、図1に示
される点1に入射した電子によってその点1から或る距
離だけ離れた位置に蓄積されるエネルギー分布の導出方
法は述べられていないが、たとえばJ.Vac.Sc
i.Technol.B5(1),1987,pp.1
35−141において実験的に求める方法が示されてい
る。また、シミュレーションによる場合には、入射した
電子の散乱の様子を乱数を用いてモンテカルロ計算する
ことによって求めることができ、たとえば電子情報通信
学会SDM89−73 pp.1−6において示されて
いる。本発明においては、そのような実験的手法または
シミュレーション手法のいずれを用いても図1のような
エネルギー分布を求めることができ、それに基づいて簡
易かつ迅速に近接効果補正を行なうことができる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来か
ら近接効果補正において問題となっていた電子ビーム散
乱によるエネルギー蓄積分布の近似をEID関数によっ
て行なわず、実験やシミュレーションによって求めた任
意のエネルギー蓄積分布を用いて得られた数値テーブル
を利用することによって、簡易かつ迅速な和差算によっ
て精度の高い近接効果補正を行ない得る電子ビーム描画
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ビームが1点に入射したときにその近傍に
蓄積されるエネルギー分布を示すグラフである。
【図2】1つのパターン領域が1つの蓄積エネルギー計
算点に及ぼすエネルギー蓄積量の計算を説明するための
平面図である。
【図3】もう1つの図形が蓄積エネルギー計算点3に及
ぼすエネルギー蓄積量を計算する例を説明するための平
面図である。
【図4】複数のパターン領域における蓄積エネルギー計
算点を示す平面図である。
【符号の説明】
1 電子ビームの照射位置 2 電子ビームの照射領域 3 蓄積エネルギーの計算点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 37/305 9172−5E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム描画方法による高精度な微細
    パターンの作成に必要な近接効果の補正計算において、
    電子ビームが1点に入射したときにその周囲に蓄積され
    るエネルギー分布がどのような関数形で表わされる場合
    でも簡易にエネルギー蓄積分布を計算し得るように、 エネルギー蓄積分布の計算において予め代表的な幾つか
    のパターン領域について実験やシミュレーションに基づ
    く積分計算を行なって数値テーブルを作成し、 それらのテーブル中の数値の和差算によって種々のパタ
    ーン中のエネルギー蓄積分布の計算を行なうことを特徴
    とする電子ビーム描画法。
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