JP2001052999A - 荷電粒子ビーム露光方法 - Google Patents
荷電粒子ビーム露光方法Info
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Abstract
がりパターンの寸法精度をより向上させ、また、ショッ
ト数を低減する。 【解決手段】基本露光強度分布関数の前方散乱項を着目
パターンについて面積分して得られる露光強度分布の半
値幅が設計寸法になるように設計パターン幅を変更し、
半値幅を与える露光強度と該基本露光強度分布関数の後
方散乱項による露光強度との和のQcp倍がパターン現像
の閾値に等しくなるように補正露光量Qcpを決定するこ
とにより、近接効果補正を行う。後方散乱項による露光
強度分布は、パターン面積密度法を用いて求める。露光
すべきパターンの配置面を、ブロックパターン露光ショ
ットより小さいメッシュに分割し、メッシュのうちブロ
ックショットで露光強度が不足するものの各々に対して
補助露光を行う。
Description
光装置用露光データの作成において、出来上がりパター
ン寸法精度向上のために近接効果補正を行う荷電粒子ビ
ーム露光方法に関する。
を、基板上レジスト膜に照射して回路パターンを描画す
る場合、レジスト膜に入射した電子ビームの一部が前方
散乱され、レジスト膜を透過した電子ビームの一部が後
方散乱されて再びレジスト膜に入射する。このため、電
子線ビームをレジスト膜上の一点に入射させてもその影
響が拡がり、いわゆる近接効果が生ずる原因となる。
ビームが入射した時のレジスト膜の基本露光強度分布関
数f(X,Y)は、前方散乱の項と後方散乱の項とをそ
れぞれガウス関数で近似した次式で表されれる。
乱半径、βbは後方散乱半径である。これらの値は、電
子ビームのエネルギー、レジスト膜の膜厚及び基板の材
料などに依存し、実験により定められる。電子ビームの
加速電圧が高くなるほど、βfは小さくなり、βbは大き
くなる。
各パターンのエッジ中央点や角に評価点を設定し、パタ
ーンを露光した時の各評価点での露光強度を、式(1)
を用いて計算し、その目標値との差の平方和が最小にな
るように露光量(ドーズ)を決定していた。
数が急激に増大して計算時間が長くなり過ぎる。
されたパターン(出来上がりパターン)の寸法誤差を許
容範囲内にすることができる近接効果補正方法が要望さ
れていた。
パターン配置面を矩形メッシュに分割し、各メッシュで
のパターン面積密度を計算し、式(1)の後方散乱項に
基いて周辺メッシュから着目メッシュへの影響を考慮す
ることで、着目メッシュでの後方散乱露光強度を近似的
に計算する方法が例えば、特許第2502418号,及
び、Journal of Vacuum Science Technology Vol.B10,
No.6, pp.3072-3076,1992に開示されている。この方法
では、前方散乱露光強度のピークの半値と後方散乱露光
強度との和が一定になるように露光量が決定される。
で、後方散乱の影響による大域的な出来上がりパターン
寸法変動を防止することが可能である。
る。
の拡がりが考慮されていないので、出来上がりパターン
寸法が、設計寸法に等しくなる保証がない。即ち、パタ
ーンが微細化するほど半値強度での吸収エネルギー分布
の拡がりが無視できなくなり、前方散乱により出来上が
りパターン寸法が設計寸法よりも大きくなる。
にパターン面積密度が急変し1ショット内でのパターン
寸法変動が顆著であるような場合に対する補正が不充分
である。
パターンの寸法Lを所定量ΔLだけオフセットしたの
ち、パターン面積密度により近接効果補正を行うことが
提案されている(特開平11−26360号公報)。こ
の方法では、露光余裕度を向上させるために設計パター
ンに予めΔLだけの寸法オフセットを行ったのち、パタ
ーン面積密度法により近接効果補正を行う際に、露光強
度の式を寸法オフセットサイズを含む形に変更すること
により、寸法オフセットに起因するパターン面積密度の
変化を考慮している。
応じて異なるべき寸法オフセット量ΔLの具体的値が開
示されておらず、単に、一般的技術思想を示すだけであ
るので、具体的な電子ビーム露光において、出来上がり
パターン寸法が設計寸法に等しくなる保証がない。
積密度が急変する領域のみ1ショットサイズ(パターン
分割サイズ)を小さくし、そのような部分での寸法精度
を向上させる発明が、特開平8−31727号公報に開
示されている。例えばステンシルマスクを用い、後方散
乱の影響がほぼ一定のメモリセルアレイ中央領域では、
ブロックパターンを1ショットで露光し、メモリセルア
レイ周辺領域ではサイズの小さい可変矩形露光を行う。
位面積当たりのショット数が多くなるので、スループッ
トが低下する。この周辺領域をブロック露光するため、
サイズの小さいブロックパターンをステンシルマスクに
形成すれば、マスク上の限られたスペースに形成すべき
ブロックパターンの種類が多くなり、ブロック露光でき
ないものが増えて、スループットが低下する。
が急変する領域の露光に、焦点をぼかした補助ショット
を重ねることにより、パターン出来上がり寸法精度を向
上させる発明が、特許第2842737号に開示されて
いる。この方法では、素子中心部でパターン面積密度法
に基づいて計算された露光強度では露光強度不足になる
素子周辺領域のパターンに対して、焦点をぼかした補助
露光を行うことで、中心部と露光強度が等しくなるよう
にしている。
乱長βbにほぼ等しいために、電子ビーム露光装置の加
速電圧が大きくなるに従いぼかし量も大きくなり、この
方法の適用が困難になる。例えば、加速電圧50kVで
βf=0.028μm、βb=11.43μmである。ま
たパターン面積密度計算のメッシュサイズが後方散乱長
βbに相当する大きさであり、メッシュ単位で補正され
るので、加速電圧の増大に従いパターン出来上がり寸法
精度が劣化する。さらに、露光の際にビーム焦点を、要
求される焦点ぼけが生ずるように大きく変更する必要が
あるので、スループットが低下する原因となる。
問題点に鑑み、計算時間を大幅に増大させることなく、
出来上がりパターンの寸法精度をより向上させることが
できる近接効果補正方法を用いた荷電粒子ビーム露光方
法を提供することにある。
度が急変する領域において、出来上がりパターンの寸法
精度を低下させることなくかつ簡単なデータ処理で、単
位面積当たりのショット数を低減することが可能な近接
効果補正方法を用いた荷電粒子ビーム露光方法を提供す
ることにある。
による荷電粒子ビーム露光方法では、基本露光強度分布
関数の前方散乱項を着目パターンについて面積分して得
られる露光強度分布の、ピーク値の所定パーセントでの
ピーク幅が、設計寸法になるように設計パターン幅を変
更する自己補正ステップと、該所定パーセントの露光強
度と該基本露光強度分布関数の後方散乱項による露光強
度との和の補正露光量Qcp倍が略一定になるように該補
正露光量Qcpを決定する露光量補正ステップと、を有す
る近接効果補正を行う。
前に、前方散乱項を考慮したパターン幅変更の自己補正
ステップを実行し、露光量補正ステップでは前方散乱項
を考慮した結果に後方散乱項がさらに考慮されるので、
出来上がりパターンの寸法を精度良く設計寸法にするこ
とが可能になる。
のみ考慮すればよいので、計算時間の大幅な増大を抑制
できる。
値での露光強度傾きが他の位置でのそれよりも大きいの
で、露光量の誤差に対する出来上がりパターンの寸法の
変化は小さい。
テップを実行すれば、該ステップでの計算が比較的容易
である。
では、露光すべきパターンの配置面を、パターンを露光
する1ショットの最大サイズよりも小さいメッシュに分
割し、各メッシュのパターン面積密度を求め、該パター
ン面積密度をスムージング処理して実効パターン面積密
度を求め、基本露光強度分布関数の後方散乱項による露
光強度を該実効パターン面積密度に比例した値として求
め、該メッシュのうち、パターンに対する1ショット露
光で露光量が不足するものの各々に対して補助露光を行
う、ことにより近接効果補正を行う。
パターン露光ショットに、その最大サイズよりも小さい
メッシュの補助露光ショットが重ね合わされ、パターン
面積密度が急変する領域において、出来上がりパターン
の寸法精度を低下させることなく、可変矩形露光の場合
よりも単位面積当たりのショット数を低減することがで
きる。
説明から明らかになる。
施形態を説明する。
ムのぼけδを考慮した公知の基本露光強度分布関数を説
明する。
(X,Y)は、電子ビームが一点に入射する場合のもの
であるが、実際には拡がりがある。電子ビーム露光装置
において、電子銃から放射された電子ビームが露光対象
物に到るまでにクロスオーバーし、その位置で電子同士
がクーロン斥力を受けて電子ビームが拡がる(クーロン
効果)。また、電子ビームのエネルギー分布に基づく収
差によっても、電子ビームが拡がる。拡がりを持った電
子ビーム入射点での電流密度分布は、ガウス関数S
(X,Y)で近似され、その指数部は−(X2+Y2)/
δ2で表される。また、ぼけδは、電子ビーム電流Ib並
びに定数a及びbを用いて、 δ=aIb+b と近似することができる。例えば、a=0.03μm/
A、b=0.05μmである。電子ビーム電流Ibは、
マスク上に照射される電子ビームの電流密度Jと、マス
ク上の電子ビーム照射部の開口面積S(選択されたブロ
ック露光パターン又は可変矩形の開口面積)との積で表
される。通常、電流密度Jは一定であるので、開口面積
Sからぼけδを容易に求めることができる。
関数F(X,Y)は、次式で表される。
及びβbをそれぞれβf'及びβb'で置換したものと同じ
になる。
1.5μAでδ<0.1μmであるので、βb'=βbと
みなすことができる。
される。
てクーロン効果などを考慮するには、ショット毎に、開
口面積Sに依存した実効散乱計数βf'を計算し、その値
を用いればよい。
m、δ<0.1μmであり、βf'はパターン間隔に比し
短いので、前方散乱の影響のみ考える場合には、着目パ
ターンのみ考慮すればよく、着目パターンに対するその
周囲パターンの影響は無視できる。
形態の近接効果補正方法を用いた電子ビーム露光方法を
説明する。
略を示すジェネラルフローチャートである。
パターンのみ考慮する自己補正(局所的補正)、さらに
後方散乱の影響を考慮するドーズ補正(大域的補正)、
及び、パターン面積密度が急変する領域において補助露
光量を計算し補助ショットを発生させるステップに大別
される。着目パターンは、原理的には全パターンの各々
であるが、全パターンが階層構造を持っている場合には
その構造上互いに対称な一方のみの各パターンである。
パターンの前方散乱強度分布を計算する。次いで、この
分布の半値幅Wが、設計寸法W0に等しくなるように露
光パターンデータ上での寸法シフト、即ち、図形変更を
行う。
ンを露光する場合の自己補正説明図であり、図2(A)
は、X方向の設計寸法がW0の矩形パターン11と、自
己補正後のX方向の寸法がWの矩形パターン12との関
係示す図であり、図2(B)は、自己補正後のパターン
12を用いて露光した場合の、X軸に沿った露光強度分
布Ef(X,W/2,βf)を示す図である。X軸は、点
P1及びP2を通って矩形パターン11を直角に横切
る。点P1及びP2は、自己補正により、矩形パターン
12とX軸と矩形パターン12との交点Q1及びQ2に
移動する。
ターン12内で面積分することにより得られ、X方向に
関する部分は次式で表される。
義される。
幅)が設計寸法W0に等しくなるようにWを決定する。
すなわち、点X=±W0/2でのEfの値Ef(W0/2,
W/2,βf')が、ピーク値Ef(0,W/2,βf')
の1/2に等しくなるWの値を求める。Wの値は、次式
を数値的に解いて求めることができる。
正後のパターン幅を求める。
法W0と実効前方散乱半径βf'との関係で示す。図3か
ら、実効前方散乱半径βf'が大きくなるほど、設計寸法
W0が短くなるほど、自己補正された寸法Wが設計寸法
W0より短くなることが分かる。
ロックパターンを1ショットで露光する場合には、W0
がWに変わるとブロックパターンの開口面積Sの値が変
わり、これによりビームぼけδの値が変わるので、上式
(3)中のβf'の値が変わる。
値幅と設計寸法W0との差の絶対値が許容誤差範囲内で
なければ、上記ステップ(a)に戻る。
露光強度の傾きは、大略、他の位置での傾きよりも大き
いので、露光量の誤差に対する出来上がりパターンの寸
法の変化は小さい。これは、出来上がりパターンの寸法
精度向上に寄与する。
づいてパターン幅変更を行っているので、計算負荷の増
大が抑制される。上記のような基本パターンについて数
値計算により予めW0とWの関係のテーブル又は近似式
を作成しておくことにより、W0からWを容易に求める
ことができる。
はX=±W0/2付近で比較的大きいので、必ずしもそ
の半値幅Wを設計寸法W0に等しくにする必要は無く、
該露光強度分布の高さがピークの所定%、好ましくは3
0〜70%の範囲内の値でのピーク幅を設計寸法W0に
等しくすれば、出来上がりパターンの寸法精度が従来よ
り向上する。この範囲制限の理由は、30%より低いと
隣接パターンの重なりの影響により、70%より高いと
その位置での該露光強度分布の傾きが緩やかであること
により、寸法変動マージンが小さくなるためである。
たときの露光強度分布に対する前方散乱及び後方散乱の
寄与を視覚的に説明する。
の孤立ラインパターン、細幅のライン・アンド・スペー
スパターン、太幅の孤立ラインパターン、太幅のライン
・アンド・スペースパターン及び大パターンを示す。
0かつ前方散乱及び後方散乱による拡がりが無いと仮定
した場合における、図4(A)〜図4(E)のパターン
のX軸に沿った露光強度分布を示す。各強度のピーク値
は1に規格化されている。露光ドーズは一定である。す
なわち、電子ビームの電流密度が一定の場合、パターン
領域を露光する各ショットの露光時間は一定である。
(A)〜図5(E)の状態から前方散乱による露光強度
の拡がりのみ考慮した場合における、図4(A)〜図4
(E)のパターンのX軸に沿った露光強度分布を示す。
この場合、細幅の孤立ラインパターン及び細幅のライン
・アンド・スペースパターンのピーク強度は、1/κで
ある。κ>1であり、κの値はパターン寸法に依存す
る。前方散乱による露光強度の拡がりは狭いので、太幅
の孤立ラインパターン、太幅のライン・アンド・スペー
スパターン及び大パターンのピーク強度は、図5(C)
〜図5(E)と同じく1である。
(A)〜図6(E)の状態からさらに後方散乱による露
光強度の拡がりを考慮した場合における、図4(A)〜
図4(E)のパターンのX軸に沿った露光強度分布を示
す。この場合、パターン面積密度αpが1以下のライン
・アンド・スペースパターンにおいては、露光強度の後
方散乱成分はαpηとなり、パターン面積密度αp及び後
方散乱比率ηに比例した値になる。ここにインデックス
pはパターンに関する量であることを意味し、以下同様
である。後方散乱の影響は広範囲にわたるものの、面積
積分しなければその値は比較的小さいので、細幅及び太
幅の孤立ラインパターンにおいては後方散乱成分を無視
することができる。
前方散乱成分の半値強度に後方散乱成分を加えた値であ
る半ピーク強度は、以下の通りである。
び半ピーク強度はそれぞれ一般に、1/κ+αpη及び
1/2κ+αpηで表される。例えば、図7(A)はαp
=0の場合であり、図7(E)はκ=1かつαp=1の
場合である。
上式(1)から明らかなように、露光強度は実際には定
数1/(1+η)を掛けた値になるが、この定数は省略
されている。
計算の概略を説明する。
た、ライン・アンド・スペースパターン及び大パターン
(基準パターン)についての露光量補正前の露光強度分
布を示す概略線図である。図9は、図8の分布に対し露
光量補正を行った後の露光強度分布を示す概略線図であ
る。
像される閾値Ethに等しくなるようにする。すなわち、
補正後の半ピーク強度(1/2κ+αpη)Qcpが、基
準パターン、例えば上記大パターンの半ピーク強度(1
+2η)Qthに等しくなるようにする。ここに、Qcpは
補正露光量である。次式が成立する。
量)である。Qthは、出来上がり基準パターンの寸法が
その設計寸法に等しくなるような露光量であって、実験
的に定められる。基準露光量Qthは、関係式(1+2
η)Qth=Ethを満たす露光量に等しい。
れる。
強度が現像の閾値Ethに等しくなるので、各パターンの
寸法を精度良く設計寸法にすることが可能になる。
Ethを分離するために、次式で表される規格化された露
光量dpが計算において用いられる。
を用いる。
度αpを用いたが、実際にはαpは後述の実効パターン面
積密度αp'である。
る。
配置される面を寸法A×Aの矩形メッシュに分割する。
メッシュ(i+l,j+m)の矩形領域全面を露光した
とき、その後方散乱によるメッシュ(i,j)の矩形領
域中央点の露光強度ai+l,j+mは、上式(3)の後方散
乱項をメッシュ(i+l,j+m)の矩形領域で面積分
することにより得られ、次式で表される。
乱項を全範囲で面積分した値が1になるように、すなわ
ち任意の(i,j)の値に対しai+l,j+mの全てのl及
びmの値についての総和Σai+l,j+mが1になるように
規格化されている。l=0かつm=0、すなわちai,j
は、自己領域内の後方散乱によるその中央点の露光強度
である。
の面積密度をαi+l,j+mで表す。
m)内のパターンの面積)/A2 である。メッシュ(i+l,j+m)内のパターンを、 比露光量di+l,j+m=(補正露光量)/(基準露光量)
=Qcp/Qth で露光したとき、その後方散乱によるメッシュ(i,
j)内の露光強度を、η×ai+l,j+m×αi+l,j+m×di+
l,j+mQthで近似する。ある点への後方散乱の影響は、
この点を中心とする半径2βb内と考えれば計算精度上
充分である。したがって、実効パターン面積密度α'i,j
を次式で定義すると、後方散乱によるメッシュ(i,
j)内の露光強度は、ηα'i,jQcp =η α'i,jdijQt
hと近似される。
−int(2βb/A)〜int(2βb/A)であり、int(x)は
xの小数点以下を切り上げて整数化する関数である。上
式(10)の計算を、スムージング処理と称す。
一パターンが繰り返される場合、ステンシルマスクを用
いて、ブロックパターン、例えば1つのI形パターンを
1ショットで露光することにより、スループットが向上
する。
光のスループットが向上するが、大きいと出来上がりパ
ターンサイズのばらつきが、実効パターン面積密度が急
変する領域例えば図11に示すセルアレイ角部13で、
許容範囲外となる。このような領域では、後述のように
各ブロック露光に補助露光を重ねて行う。補助露光のシ
ョットサイズは、ブロックショットサイズよりも小さ
く、メッシュサイズに等しい。ブロックショットサイズ
は、出来上がりパターン寸法誤差が許容範囲内となり且
つブロックショット数と補助ショット数の総和が最小に
なるように決定するのが好ましい。
4.5μmの正方形であり、メッシュサイズは一辺が
1.5μmの正方形である。
ショットの境界を示しており、A×Aの矩形はメッシュ
を示している。図12では、実効面積密度が急変する領
域のみA×Aのメッシュを示しているが、メッシュはパ
ターン配置面の全領域、より具体的には副偏向器の走査
範囲である各サブフィールド領域に形成される。
たものである。
(1/2κ+αp'η)Qcpが、現像される閾値Ethに等
しくなるように、di,jの値を更新して繰り返し処理を
する。各di,jの初期値は1である。
域では、上記処理(1A)及び(2A)のみで、出来上
がりパターン寸法誤差を許容範囲内にすることができ
る。
ック露光のショット(ブロックショット)に補助露光の
ショット(補助ショット)を重ねて行う。補助ショット
では、矩形電子ビームサイズをA×Aに一致させ、焦点
を合わせて露光する。
以下のようにして決定する。すなわち、上記(2A)の
処理と以下の処理とを1ループにして繰り返し行う。
3個のメッシュi1〜i9の実効パターン面積密度をそ
れぞれα'(i,1)〜α'(i,9)で表し、その最大値をα'(i,
m)で表す。
cp.iを、上式(8)においてαp'をα'(i,m)で置換した
次式で決定する。
の補正露光量分布を概念的に示す。図14中の補正露光
量EI1〜EI3は、EI1>EI2>EI3である。
k、k=1〜9の補助露光量Qaux.i(k)は、各パタ
ーンについて、補正露光量による半ピーク強度(1/2
κ+α'(i,k)η)Qcpと補助露光量Qaux.i(k)との
和が、基準パターンの補正露光量(1/2+η)Qthに
等しくなるように定められる。
めると、式(12)から次式が導出される。
しない。面積密度が緩やかに変化する領域では、Qaux.
i(k)は全て0になるので、面積密度が急変する領域
のみに補助ショットが発生される。
ショットの露光量分布を概念的に示す。図15中の露光
量EI4〜EI6は、EI4>EI5>EI6=0であ
る。
わち(α'(i,m)−α'(i,k))η > Δを補助露光発生条
件としてもよい。ここにΔは、要求される出来上がりパ
ターン寸法精度により決定され、例えば0.05又は
0.01などであり、それぞれ省略される補助露光量は
補正露光量の5%又は1%より小さいことを意味してい
る。
る。図16(B)は、ブロックショットBS1〜BS3
について上式(13)及び(14)の補正を行わなかっ
た場合の、図16(A)中のX軸に沿った露光強度分布
を示す。図17は、ブロックショットBS1〜BS3に
ついて上式(13)の補正をした場合の、図16(A)
中のX軸に沿った露光強度分布を示す。図18は、上式
(13)の補正及び上式(14)の補助ショットを行っ
た場合の、図16(A)中のX軸に沿った露光強度分布
を示す。図19は、図16(B)、図17及び図18中
の露光強度分布の後方散乱成分EIb1〜EIb3を示
す。
りパターン寸法精度と補正計算時間との兼ね合いで決定
される。
(3)の処理をより正確に説明する。
強度Ef(W0/2,W/2,βf')(=1/κ)を計算
する。
メッシュ(i,j)のパターン面積密度αi,jを計算す
る。
実効パターン面積密度α'i,jを計算する。
された補正露光量 dpi=Qcp.im/Qth=(1+2η)/(1/κ+2ηαp'(i,m)) (15) を計算する。ここにαp'(i,m)は、ブロックパターンi
(着目パターン)と重なる全メッシュの実効パターン面
積密度の最大値である。
各メッシュjについて、規格化された補助露光量 daux.ij=Qaux.ij/Qcp.ij=(αp'(i,m)−αp'(i,j))η (16) を計算する。ここにαp'(i,j)は、メッシュjの実効パ
ターン面積密度である。
ショットを行う領域と決定する。すなわち、補助ショッ
トを発生させる。なお、上記のようにdaux.ij>Δを補
助ショット発生条件としてもよい。
記ステップへ戻る。繰り返し回数は、以下のような実
験の結果、良いパターン寸法精度を得るのに3回で充分
であることが分かった。
0μm、βb=8.6μm、η=0.65μmであっ
た。設計ライン幅0.07μ、1:1ライン・アンド・
スペースパターンに対し上記〜の処理を行った後、
上記処理〜を0回、1回及び3回繰り返し行った露
光データを用いて露光し現像を行った。その後、該パタ
ーンの中央を通ってラインを横切る線上の測定ライン幅
の平均及び標準偏差は、以下の通りであった。
ンド・スペースパターンが挟まれたものについて上記同
様に測定した結果は、以下の通りであった。
たが3回繰り返しの場合の結果とあまり変わらなかっ
た。
ットをブロックショットに重ね合わせることにより、実
効パターン面積密度が急変する領域において、出来上が
りパターンの寸法精度を低下させることなく、ブロック
パターンを複数の可変矩形に分解して露光する場合より
も単位面積当たりのショット数を低減することができ
る。
クショット及び補助ショットの露光強度を計算している
ので、計算が比較的容易である。
に従って作成された露光データを用いて露光し現像を行
った後に測定されたパターンの出来上がり寸法精度を説
明する。
幅との関係を示すグラフである。パターンは、1:1、
1:3及び1:5の各々のライン・アンド・スペースパ
ターン並びに孤立ラインであった。メッシュサイズは、
1μm×1μm、ブロックショットサイズは4.5μm
×4.5μmであった。基本露光強度関数のパラメータ
は、上記と同じであった。
範囲のパターン幅について、出来上がりパターン誤差が
0.01μm以内であり、充分な寸法精度であることが
分かる。
ジからの距離との関係を示すグラフである。パターン
は、160μm□内に形成された1:2のライン・アン
ド・スペースパターンであり、ラインの設計パターン幅
0.08μm及び0.15μmの各々について実験を行
った。メッシュサイズは1μm×1μm、ブロックショ
ットサイズは4.5μm×4.5μmであった。基本露
光強度関数のパラメータは上記と同じであった。
このことから、実効パターン面積密度が急変するパター
ンエッジ部において、メッシュの補助露光を組み合わせ
ることにより、出来上がりパターン精度が充分な値にな
ることが分かる。
形態の近接効果補正方法を用いた電子ビーム露光方法を
説明する。
ターン幅の設計寸法を変えないで、図22に示す如く、
前方散乱による露光強度分布における幅が設計寸法W0
に等しくなる強度εpを求める。すなわち、次式でεpを
計算する。
す。
アンド・スペースパターン及び大パターン(基準パター
ン)についての近接効果補正前の露光強度分布を示す概
略線図である。図24は、図23の分布に対し近接効果
補正を行った後の露光強度分布を示す概略線図である。
図23及び図24中のαpは、実際には実効面積密度α
p'である。
ターンの設計寸法を与える強度が、現像される閾値Eth
に等しくなるようにする。すなわち、近設効果補正後に
設計寸法を与える強度(εp+αp'η)Qcpが、閾値Et
hに等しくなるようにする。基準パターンの補正露光量
QcpをQthで表すと、次式が成立する。
を与える強度が現像の閾値Ethに等しくなるので、各パ
ターンの寸法を精度良く設計寸法にすることが可能にな
る。
る。
まれる。
ルガウシアンに限定されず、実測との一致性を高めるた
めのフィッティング計数γ及び2次電子散乱比率η'を
含む第3項を有するトリプルガウシアンを用いたり、多
項式で近似してもよい。
bに関する1次式に限定されない。
いて考慮する範囲は上記のものに限定されず、要求され
る出来上がりパターン寸法精度と補正計算時間との兼ね
合いで決定すればよい。
ターンのそれの1/(整数)である必要はない。
トはブロックショットに限定されず、可変矩形のショッ
トであってもよい。
は、請求項記載のもの以外に、以下の付記項も含まれ
る。
ョットの最大サイズは、ステンシルマスク上のブロック
パターンを1ショットで露光するサイズであることを特
徴とする請求項8記載の荷電粒子ビーム露光方法。
トで露光する矩形ビームのサイズに等しいことを特徴と
する付記項9記載の荷電粒子ビーム露光方法。
露光量を、該1ショットと重なる複数のメッシュの実効
パターン面積密度のうち最大のものに基づいて決定する
ことを特徴とする請求項8記載の荷電粒子ビーム露光方
法。
露光領域内の着目メッシュに対する補助露光の量Qaux.
iを、該領域内の実効パターン面積密度の最大値α'mと
該着目メッシュの実効パターン面積密度α'iとの差に比
例した値にすることを特徴とする付記項11記載の荷電
粒子ビーム露光方法。
露光領域内の着目メッシュに対する補助露光の量Qaux.
iを、 Qaux.i=(α'm−α'i)ηQcp と決定し、ここにηは後方散乱係数、α'mは該領域内の
実効パターン面積密度の最大値、α'iは該着目メッシュ
の実効パターン面積密度α'i、Qcpは該1ショットのパ
ターン露光量であることを特徴とする付記項11記載の
荷電粒子ビーム露光方法。
露光量Qcpを、 Qcp={(1+2η)/(1/κ+2αm'η)}Qth と決定し、ここに、1/κは基本露光強度分布関数の前
方散乱項を着目パターンについて面積分して得られる露
光強度分布の、ピーク値の所定パーセントでのピーク幅
が、設計寸法になるように設計パターン幅を変更したと
きの該露光強度分布のピーク値、Qthはαp'=1となる
基準パターンの該パターン露光量Qcpであることを特徴
とする付記項12記載の荷電粒子ビーム露光方法。
露光量Qcpを Qcp={(εo+η)/(εp+αm'η)}Qth と決定し、ここにεpは基本露光強度分布関数の前方散
乱項を該1ショットのパターンについて面積分して得ら
れる露光強度分布の幅が設計寸法になる露光強度、εo
はαm'=1となる基準パターンの該露光強度εp、Qth
は該基準パターンの該パターン露光量Qcpであることを
特徴とする付記項13記載の荷電粒子ビーム露光方法。
順の概略を示すジェネラルフローチャートである。
場合の自己補正説明図であり、(A)は、X方向の設計
寸法がW0の矩形パターン11と、自己補正後のX方向
の寸法がWの矩形パターン12との関係示す図であり、
(B)は、自己補正後のパターン12を用いて露光した
場合の、X軸に沿った露光強度分布を示す図である。
方散乱半径βf'との関係で示す線図である。
る。
乱及び後方散乱による拡がりが無いと仮定した場合にお
ける、図4(A)〜図4(E)のパターンのX軸に沿っ
た露光強度分布を示す線図である。
(E)の状態から前方散乱による露光強度の拡がりのみ
考慮した場合における、図4(A)〜図4(E)のパタ
ーンのX軸に沿った露光強度分布を示す概略線図であ
る。
(E)の状態からさらに後方散乱による露光強度の拡が
りを考慮した場合における、図4(A)〜図4(E)の
パターンのX軸に沿った露光強度分布を示す概略線図で
ある。
ンド・スペースパターン及び大パターン(基準パター
ン)についての露光量補正前の露光強度分布を示す概略
線図である
強度分布を示す概略線図である。
角部を示すパターン図である。
のメッシュを示す図である。
に示す図である。
である。
(A)のブロックショットBS1〜BS3について近接
効果補正をしない場合の、図16(A)中のX軸に沿っ
た露光強度分布を示す線図である。
S3についてブロックショット単位で近接効果補正をし
た場合の、図16(A)中のX軸に沿った露光強度分布
を示す線図である。
S3についてブロックショット単位で近接効果補正をし
さらにメッシュ単位で補助ショットを行った場合の、図
16(A)中のX軸に沿った露光強度分布を示す線図で
ある。
度分布の後方散乱成分EIb1〜EIb3を示す線図で
ある。
作成された露光データを用いて露光し現像を行った後に
測定されたパターン幅と設計パターン幅との関係を示す
グラフである。
作成された露光データを用いて露光し現像を行った後に
測定されたパターン幅とパターンエッジからの距離との
関係を示すグラフである。
明図であり、パターン幅の設計寸法を変えないで前方散
乱による露光強度分布における幅が設計寸法W0に等し
くなる露光強度εpを示す線図である。
アンド・スペースパターン及び大パターン(基準パター
ン)についての近接効果補正前の露光強度分布を示す概
略線図である
の露光強度分布を示す概略線図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 基本露光強度分布関数の前方散乱項を着
目パターンについて面積分して得られる露光強度分布
の、ピーク値の所定パーセントでのピーク幅が、設計寸
法になるように設計パターン幅を変更する自己補正ステ
ップと、 該所定パーセントの露光強度と該基本露光強度分布関数
の後方散乱項による露光強度との和の補正露光量Qcp倍
が略一定になるように該補正露光量Qcpを決定する露光
量補正ステップと、 を有する近接効果補正を行うことを特徴とする荷電粒子
ビーム露光方法。 - 【請求項2】 上記ピーク幅は半値幅であることを特徴
とする請求項1記載の荷電粒子ビーム露光方法。 - 【請求項3】 上記露光量補正ステップは、 露光すべきパターンの配置面をメッシュで分割し、 各メッシュのパターン面積密度を求め、 該パターン面積密度をスムージング処理して実効パター
ン面積密度を求め、 上記後方散乱項による露光強度を該実効パターン面積密
度に比例した値として求める、 ステップを有すること
を特徴とする請求項1又は2記載の荷電粒子ビーム露光
方法。 - 【請求項4】 上記露光量補正ステップは、上記補正露
光量Qcpを、 Qcp={(1+2η)/(1/κ+2αp'η)}Qth と決定するステップを有し、ここにηは後方散乱係数、
αp'は実効パターン面積密度、1/κは前方散乱強度の
ピーク値、Qthはαp'=1となる基準パターンの該補正
露光量Qcpであることを特徴とする請求項1乃至3のい
ずれかに記載の荷電粒子ビーム露光方法。 - 【請求項5】 基本露光強度分布関数の前方散乱項を着
目パターンについて面積分して得られる露光強度分布の
ピーク幅が設計寸法になる露光強度εpを求めるステッ
プと、 該露光強度εpと該基本露光強度分布関数の後方散乱項
による露光強度との和の補正露光量Qcp倍が略一定にな
るように該補正露光量Qcpを決定する露光量補正ステッ
プと、 を有する近接効果補正を行うことを特徴とする荷電粒子
ビーム露光方法。 - 【請求項6】 上記露光量補正ステップは、上記補正露
光量Qcpを、 Qcp={(εo+η)/(εp+αp'η)}Qth と決定するステップを有し、ここにηは後方散乱係数、
αp'は実効パターン面積密度、εoはαp'=1となる基
準パターンの上記露光強度εp、Qthは該基準パターン
の上記補正露光量であることを特徴とする請求項5記載
の荷電粒子ビーム露光方法。 - 【請求項7】 露光すべきパターンの配置面をメッシュ
で分割し、各メッシュのパターン面積密度を求め、該パ
ターン面積密度をスムージング処理して実効パターン面
積密度を求め、上記後方散乱項による露光強度を該実効
パターン面積密度に比例した値として求めることを特徴
とする請求項5又は6記載の荷電粒子ビーム露光方法。 - 【請求項8】 露光すべきパターンの配置面を、パター
ンを露光する1ショットの最大サイズよりも小さいメッ
シュに分割し、 各メッシュのパターン面積密度を求め、 該パターン面積密度をスムージング処理して実効パター
ン面積密度を求め、 基本露光強度分布関数の後方散乱項による露光強度を該
実効パターン面積密度に比例した値として求め、 該メッシュのうち、パターンに対する1ショット露光で
露光量が不足するものの各々に対して補助露光を行う、 ことにより近接効果補正を行うことを特徴とする荷電粒
子ビーム露光方法。
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