JP4357499B2 - 荷電粒子ビーム露光用マスクパターンの矩形/格子データ変換方法及びこれを用いた荷電粒子ビーム露光方法 - Google Patents
荷電粒子ビーム露光用マスクパターンの矩形/格子データ変換方法及びこれを用いた荷電粒子ビーム露光方法 Download PDFInfo
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Description
これらの値は、電子ビームのエネルギー、レジスト膜の膜厚及び基板の材料など
に依存し、実験により定められる。電子ビームの加速電圧が高くなるほど、βf
は小さくなり、βbは大きくなる。
の場合、設計パターン毎にマスク上のパターン寸法や露光量を最適化することで
補正することができる。しかし、多数のパターンを一括露光する場合、パターン
毎に露光量を最適化することができない。また、露光量を変えることなく、マス
ク上のパターン寸法を変えて近接効果補正を行う場合、後方散乱強度が大きい大
パターンには効果が薄く、補正が不充分であるという問題があった。
(a)該第2矩形パターンを複数の矩形領域に分割し、
(b)互いにコンプリメンタリーな2つのマスクを用いて該第1矩形パターンを形成するために、該複数の矩形領域を、隣り合う矩形領域がそれぞれ互いにコンプリメンタリーな第1及び第2コンプリメンタリーパターンに含まれるように分け、
(c)該複数の矩形領域を、該第1格子パターンを構成する複数の第2格子パターンのそれぞれに変換し、
(d)各第2格子パターンについて、その周辺部要素の各々の少なくとも一辺が該第2格子パターンに対応した矩形領域の辺に接するように、該第2格子パターンに対し境界処理する。
ギー強度分布関数を説明する。
射する場合のものであるが、実際には拡がりがある。電子ビーム露光装置におい
て、電子銃から放射された電子ビームが露光対象物に到るまでにクロスオーバー
し、その位置で電子同士がクーロン斥力を受けて電子ビームが拡がる(クーロン
効果)。また、電子ビームのエネルギー分布に基づく収差によっても、電子ビー
ムが拡がる。拡がりを持った電子ビーム入射点での電流密度分布は、ガウス関数
S(X,Y)で近似され、その指数部は−(X2+Y2)/δ2で表される。また
、ぼけδは、電子ビーム電流Ib並びに定数a及びbを用いて、
δ=aIb+b
と近似することができる。例えば、a=0.03μm/A、b=0.05μmで
ある。電子ビーム電流Ibは、マスク上に照射される電子ビームの電流密度Jと
、マスク上の電子ビーム照射部の開口面積S(選択されたブロック露光パターン
又は可変矩形の開口面積)との積で表されるので、この式は、
δ=aJS+b (2)
と表される。通常、電流密度Jは一定であるので、開口面積Sからぼけδを容易
に求めることができる。
れる。
実効後方散乱半径βb'=(βb 2+δ2)1/2
を用いれば、この式(3)は、上式(1)においてβf及びβbをそれぞれβf'及
びβb'で置換したものと同じになる。
ので、βb'=βbとみなすことができる。
、ショット毎に、開口面積Sに依存した実効散乱計数βf'を計算し、その値を用
いればよい。
ターン間隔に比べ短い場合には、前方散乱の影響のみ考えるとき、着目パターン
のみ考慮すればよく、着目パターンに対するその周囲パターンの影響は無視でき
る。簡単化のために、以下では実効散乱計数をβfで表す。
ともできるが、繰り返し行われるパターン幅調整で設計幅が用いられ、また、設
計幅は目標とするパターン像幅に比例(計算においては、比例係数は1)してい
るので、パターン幅が調整されても設計幅は変更されないと考える。設計幅はパ
ターン幅の初期値でもある。
を説明する。
露光されるブロックパターンを含むマスクに形成されるパターンの幅を調整し且
つ補正露光量(補正された露光量)を算出することにより行われる。露光データ
に含まれるマスク上のパターンデータは、各パターンの位置、設計寸法、パター
ンがブロックパターンに属するか否か、ブロックパターンのサイズなどを含む。
。
ロン効果などの影響を含む)のみかつ着目パターンのみ考慮する自己補正(パタ
ーン幅調整)のステップS10と、前方散乱項と後方散乱項を考慮して露光量を
補正するステップS20と、ブロック露光パターン内の複数パターンの補正露光
量の最小値をこのブロック露光パターンの補正露光量Qcpとして求めるとともに
、ブロック内の露光強度不足領域に対する補助露光量Qauxを求め、Qaux又はQ
aux/Qcpが所定値以上の領域に補助露光ショットを発生するステップS30と
からなる。本実施例1の特徴はステップS10の処理であり、ステップS2
0及びS30の処理は、上記特願平12−166465のそれらと同一である。
ただし、ステップS20において、ブロック露光パターン毎の基準前方散乱強度
を用いる点で本実施例は特願平12−166465と相違する。
、1個のパターンのみ有するブロック露光パターンに対する処理と同一である。
を示す詳細フローチャートである。
)の前方散乱項に基づき、ブロック内各パターンの前方散乱強度分布の基準前方
散乱強度εpでの幅Wが設計幅W0に等しくなるようにパターン幅を調整する。基
準前方散乱強度εpは、ブロック露光パターン毎に決定される。
δを求める。
散乱強度分布の半値幅が設計幅になるようにしたときの半値強度をブロック露光
の基準前方散乱強度εpと決定する。εpは、次のようにして求められる。
W及びHの矩形パターンを示す。このパターンの前方散乱強度分布Ff(x,y
;W,H)は、次式
)を示す。ブロック内の最小幅の設計寸法W0×H0のパターンについて、X軸及
びY軸に沿った前方散乱強度分布の半値幅がそれぞれ設計幅W0及びH0に等しく
なるように、W及びHを決定する。W及びHは、次の2元連立方程式
Ff(W0/2,0;W,H)=Ff(0,0;W,H)/2 (8)
Ff(0,H0/2;W,H)=Ff(0,0;W,H)/2 (9)
の解である。基準前方散乱強度εpは、この解W及びHを用いて次式
εp=Ff(W0/2,0;W,H) (10)
で表される。
する式(8)の数値解Wを示す。パターン幅Wが狭すぎると出来上がりパターン
像精度が悪くなるので、実験に基づき許容最小パターン幅Dmを定める。例えば
Dm=0.04μmである。W<Dmとなった場合又は解が存在しない場合にはW
=Dmとし、これを式(8)に代入してHを求め、式(10)に基づき基準前方
散乱強度εpを決定する。
に1を代入する。
1Aへ進む。ここにnは着目ブロック内のパターン数である。
度分布Ffの基準前方散乱強度εpでの幅が設計幅に等しくなるようにパターン幅
Wi及びHiを定める。すなわち、次の2元連立方程式
Ff(Wi0/2,0;Wi,Hi)=εp (11)
Ff(0,Hi0/2;Wi,Hi)=εp (12)
の解Wi及びHiを求める。
ップS11のδが変化して関数Ffのパラメータが変化するので、ブロック内全
パターンについてステップS15の計算を再度行う必要がある。そこで、Wi及
びHiが収束していなければ、すなわち|Wi−Wib|又は|Hi−Hib|が所定
値より大きければ、ステップS17へ進み、そうでなければステップS19へ進
む。前回値Wib又はHibの初期値はそれぞれ設計幅Wi0及びHi0である。
理を終了する。
ターンとブロック露光の太幅パターン及び細幅パターンのX方向設計幅がそれぞ
れ(X2−X1)、(X4−X3)、(X6−X5)及び(X8−X7)であっ
た場合、ステップS10の処理により実線で示すようにパターン幅が狭くされる
。マスク10A上の実線で示す矩形透過孔11、12、11A及び12Aに対し
、それぞれ点線で示す矩形領域13〜15に電子ビームを照射すると、ホトレジ
ストが塗布されたウェーハ上の前方散乱強度分布の概略は図7(A)に示す如く
なる。図7(A)では、無限に大きな矩形パターンの前方散乱強度分布の最大値
が1になるように規格化されている。個別露光の前方散乱強度分布は、上記特願
平12−166465の場合と同じであり、前方散乱強度分布の半値幅が設計幅
になるようにパターン幅がシフトされる。設計幅に等しくなる前方散乱強度は、
個別露光の太幅パターン及び細幅パターンの場合それぞれ1/2及びεpであり
、ブロック露光の太幅パターン及び細幅パターンの場合いずれもほぼεpであり
、εp<1/2である。図6において、太幅パターン11Aは、個別露光の太幅
パターン11よりも狭くなる。これによりビームぼけδが小さくなる。
方散乱の寄与を視覚的に説明する。
た露光強度分布を示す概略線図である。露光量は一定であり、補正されていない
。
、設計幅に等しくなる露光強度はいずれのパターンもεp+αp・ηで表される。
太幅孤立パターンは、εp=1/2、αp=1である。後方散乱の影響は広範囲に
わたるものの、面積積分値が小さければ比較的小さいので、細幅孤立パターンの
αp・ηは無視することができる。
露光強度は実際には定数1/(1+η)を掛けた値になるが、この定数は省略さ
れている。
す概略線図である。
αp・η)の補正露光量Qcp倍が現像される閾値Ethに等しくなるように、すな
わち、
(εp+αp・η)Qcp=Eth (13)
を満たすように補正露光量Qcpが決定される。図8中、Q1〜Q3はそれぞれ個別
露光の孤立太幅パターン及び孤立細幅パターン並びにブロック露光パターンの補
正露光量Qcpであり、
(1/2+η)Q1=εpQ2=(εp+αp・η)Q3=Eth
となるようにQ1〜Q3が決定される。
述の実効パターン面積密度αp'である。
割し、第i行第j列の升目ーンの面積密度αi,j、
αi,j=(第i行第j列のメッシュ内のパターンの面積)/A2
を計算する。ただし、このパターンは、ステップS10で調整された幅を有する
。例えば、ブロックショットサイズは一辺が4.5μmの正方形であり、升目は
一辺が1.5μmの正方形である。パターン幅変更はステップS20及びS30
で行わないので、1回のみ計算すればよい。
域全面を露光したとき、その後方散乱による第i行第j列の升目中央点の露光強
度al,mは、上式(4)の後方散乱項を第(i+l)行第(j+m)列のメッシ
ュ内で面積分することにより得られ、次式で表される。
、すなわち、al,mの全てのl及びmの値についての総和Σal,mが1になるよう
に規格化されている。
正露光量Qi+l,j+mで露光したとき、その後方散乱による第i行第j列の升目内
の露光強度を、η×al,m×αi+l,j+mQi+l,j+mで近似する。ある点への後方散
乱の影響は、この点を中心とする半径2βb内と考えれば計算精度上充分である
。したがって、実効パターン面積密度α'i,jを次式で定義すると、後方散乱によ
る第i行第j列の升目内の露光強度は、ηα'i,jQcpと近似される。
であり、int(x)はxの小数点以下を切り上げて整数化する関数である。上式(
15)の計算を、スムージング処理と称す。
て説明する。簡単化のために、メッシュの升目を単位として補助露光を行う場合
を考える。したがって、補助露光ショットサイズはA×Aである。ブロック露光
領域に第1〜9メッシュが含まれ、第kメッシュの補助露光量Qaux及び実効パ
ターン面積密度をそれぞれQaux.k及びα'kと表記し、k=mでブロック内の実
効パターン面積密度が最大値になるとする。
が、Ethに等しくなるように定められる。すなわち、次式
(εp+ α'k・η)Qcp+ Qaux.k=Eth (16)
k=mのとき Qaux.k=0となるようにQcpを定めると、式(16)から次式
が導出される。
上式(16)と(17)とから、次式が導かれる。
Qaux.k=0となる領域には補助ショットを発生しない。なお、 Qaux.k>Δ
・Qcp.i、すなわち、
(α'm− α'k)η > Δ (19)
を補助露光発生条件としてもよい。ここにΔは、要求される出来上がりパターン
寸法精度により決定され、例えば0.05又は0.01などであり、それぞれ省
略される補助露光量は補正露光量の5%又は1%より小さいことを意味している
。
)はブロック露光に関するものであるが、複数の升目別露光パターンについても
適用される。ステップS20での処理は、式(17)中のεpがブロック露光パ
ターン毎に異なる点でのみ、上記特願平12−166465と異なる。
は、上記特願平12−166465と同一である。
8)はブロック露光に関するものであるが、複数の升目別露光パターンについて
も適用される。
助露光を行うと決定する、すなわち補助露光ショットを発生する。補助露光ショ
ットは、ブロック露光のショットに重ねて行う。補助ショットでは、矩形電子ビ
ームサイズをA×Aに一致させ、焦点を合わせて露光する。
ステップS22へ戻る。
の初期値は例えば孤立太幅パターンの補正露光量とする。
幅の矩形パターンを選出し、このパターンの前方散乱強度分布に基づいて基準前
方散乱強度εpと決定し、ブロック内の各パターンの前方散乱強度分布の基準前
方散乱強度εpでの幅が設計幅に等しくなるようにパターン幅を調整するので、
図8に示す如く、ブロック内細幅パターンの露光強度分布の閾値Ethでの傾きが
急になり、露光条件のばらつきに対する出来上がりパターン像の幅のばらつきが
小さくなり、高精度の細幅パターンを得ることができる。太幅パターンについて
は、上記特願平12−166465の場合よりも該傾斜が緩やかになるが、太幅
であることにより寸法精度の低下は小さい。したがって、パターン全体として出
来上がりパターン像の寸法精度が従来よりも向上する。
求めることができる。
S12において、必ずしもブロック内最小幅のパターンの半値幅を設計幅に等し
くにする必要は無く、前方散乱強度分布FfのピークがFmaxであるとき、Ff=
κFmax、κ=30〜70%の範囲内の値での幅を設計幅に等しくすれば、出来
上がりパターンの寸法精度が従来より向上する。この範囲制限の理由は、30%
より低いと接近したパターンの露光強度分布の重なりの影響により、70%より
高いとその位置での前方散乱強度分布の傾きが緩やかであることにより、寸法変
動マージンが小さくなるためである。
最小の設計幅を持つパターンの前方散乱強度分布のスライスレベルでの幅が設計
幅に等しくなるようにスライスレベルを調整したときの該スライスレベルにして
もよい。すなわち、ブロック内最小幅の設計寸法W0×H0のパターンについて、
基準前方散乱強度εpを、εp=Ff(W0/2,0;W0,H0)と決定してもよい
。一括描画する領域内のパターン寸法が極端に異なる場合に、微細パターンの前
方散乱強度分布の半値強度に合わせて大きなパターンを図形変更すると、前方散
乱強度分布の裾付近での幅が設計幅に等しくなるため、大きなパターンの露光マ
ージンが低下するが、この様に、最小寸法のパターンを図形変更しないで比較的
高い強度に基準前方散乱強度εpを設定することで、大きなパターンの露光マー
ジンの低下を低減することができる。
法シフトを、短辺方向に対しては上述のように前方散乱強度分布の基準前方散乱
強度εpにおける幅が設計幅に等しくなるように行い、長辺方向に対しては前方
散乱強度分布のFf=κFmaxにおける幅が設計幅に等しくなるように行ってもよ
い。一般に、パターンを大きく細らせるとコーナー部分の露光強度が低くなって
丸くなりやすいが、長辺方向に対してこのようにすることで、パターンの接続部
分における前方散乱強度がピーク強度の2κ倍(κ=0.5ならピーク強度と同
じ強度)になり、接続部における露光強度の低下を低減することができる。
用いた電子ビーム露光方法を説明する。
径βf程度になると、付近のパターンからの前方散乱の影響が生ずる。この実施例2においては、図2のステップS15の前方散乱強度計算において、付近
のパターンからの前方散乱の影響をパターンの辺毎に考慮する点が、実施例1と異なる。
ように、矩形でないパターンを矩形に分割し、各矩形の辺の中点に、黒点で示す
固定サンプル点を設定する。パターンBとCが接する辺には固定サンプル点を設
定しない。次に、付近のパターンからの前方散乱の影響の取り込むために、各パ
ターンに設定した固定サンプル点での前方散乱強度を計算する。図10(A)は
、固定サンプル点P2における付近のパターンからの前方散乱の影響を示す。前
方散乱強度計算の積分範囲は各固定サンプル点を中心として、例えばX方向及び
Y方向のそれぞれに±2βfの範囲である。各固定サンプル点について、前方散
乱強度が基準前方散乱強度になるように、該固定サンプル点に対応した辺をその
直角方向にシフトさせて、パターン幅の調整を行う。
シフト量が向い合う辺で異なる。そこで、図10(B)に示すように、パターン
の左下角の座標を(X1,Y1)、右上角の座標を(X2,Y2)とすると、上
式(5)に相当する前方散乱強度分布関数Ffは、次式
Ff(X,Y;X1,X2,Y1,Y2)=G(X;X1,X2,βf)
・G(Y;Y1,Y2,βf) (20)
で定義される。この場合、設計寸法W0×H0のパターンについて、前方散乱強度
分布の基準前方散乱強度εpでの幅が設計幅に等しくなるようにするために、4
つの固定サンプル点P1、P2、P3及びP4の各々における前方散乱強度が基
準前方散乱強度εpに等しくなるような上記座標(X1,Y1)及び(X2,Y2
)を計算で求める。すなわち、点P1〜P4についての次の4元連立方程式
(P1) Ff(−W0/2,0;X1,X2,Y1,Y2)+ε1=εp
(P2) Ff(W0/2,0;X1,X2,Y1,Y2)+ε2=εp
(P3) Ff(0,−H0/2;X1,X2,Y1,Y2)+ε3=εp
(P4) Ff(0,H0/2;X1,X2,Y1,Y2)+ε4=εp
を解く。ここにε1〜ε4はそれぞれパターンAの固定サンプル点P1〜P4にお
けるパターンAを除く付近のパターンからの前方散乱強度である。
辺毎に考慮されるので、出来上がりパターン像の精度を向上させることができる
。
(A)に示すように図10(A)のパターンAが計算上3つの分割パターンA1
〜A3で構成されていると考え、分割パターンA1〜A3のうちパターンAの境
界に接する各辺の中点に固定サンプル点を設定し、各固定サンプル点について、
上記同様にして対応する辺をその直角方向へシフトすることによりパターンAの
各部の幅を調整する。これにより、例えば図11(C)に示すようなより正確に
調整されたパターンが得られる。
パターンをウェーハ上の複数箇所に繰り返し露光する場合の実施例であるが、
本発明は、マスク上の例えば1×1mm2のサブフィールドをウェーハ上に一括
転写して250×250μm2のサブフィールド像を得るEPLにも適用可能で
ある。
を用いた電子ビーム露光方法を説明する。
プS50からなる。一括露光であるので、Qcp=1である。
。上式(13)においてQcp=1とした次式
εp+αp'・η=Eth (21)
において、αp'・η=0と近似できる孤立した設計幅W0のパターンの前方散乱
強度εpを計算することにより、基準露光強度(閾値)Eth=εpを求める。すな
わち、設計幅W0のパターンの前方散乱強度分布のスライスレベルでの幅が設計
幅W0になるようにスライスレベルを調整し、このスライスレベルを基準露光強
度Ethと決定する。具体的には、
Eth=0.5erf(W0/βf) (22)
を計算する。設計幅W0として最小幅を選択すれば、上記実施例1で述べた
理由により、露光条件のばらつきに対する出来上がりパターン像の幅のばらつき
が小さくなり、パターン全体として出来上がりパターン像の寸法精度が従来より
も向上する。
算する。
εp=Eth−αp'・ηが定まる。一方、前方散乱強度分布はパターン幅Wで定ま
る。そこで、前方散乱強度分布のスライスレベルでの幅が設計幅W0iになるよう
にパターン幅Wを調整する。具体的には、
εp=〔erf{(W−W0i)/2βf}+erf{(W+W0i)/2βf}〕
/2 (23)
の解Wを求める。詳細には、実効パターン面積密度αp'の計算においてパターン
を複数のパターンに分割し、さらに図11(A)のように固定サンプル点を設定
して分割パターンの各辺毎にその辺をその垂直方向へシフトさせてパターン幅W
を調整する。また、上式(18)においてQcp.i=1とした式
Qaux.k=(α'm−α'k)η (24)
によりブロック露光の場合と同様に補助露光を行うので、ステップS50の処理
が必要になる。
効果補正計算を行うことができる。
パターンであり、点線はステップS40の処理により幅が調整されたパターンで
ある。パターン16はステップS41で選択された最小設計幅の矩形パターンで
あり、この幅は調整されない。
示す。実線及び点線はそれぞれ設計寸法及び幅調整後のパターンを用いた場合で
ある。図15(B)では、補助露光が含まれていない。
Y座標系を定め、露光強度分布のスライスレベルでのX軸方向及びY軸方向の幅
がそれぞれ設計幅W0及びH0に等しくなるようにスライスレベルを調整したとき
の該スライスレベルを基準露光強度Ethとして求める。Ethは、次式で計算され
る。
ここにFは、次式で定義される。
(26)
Ff(X,Y;W,H)=G(X;−W/2,W/2,βf)
・G(X;−H/2,H/2,βf) (27)
Fb(X,Y;W,H)=G(X;−W/2,W/2,βb)
・G(X;−H/2,H/2,βb) (28)
孤立パターンは、後方散乱の影響がないので、以下の処理によってスライスレ
ベル=基準露光強度(現像閾値)の関係は影響されない。特にこの孤立パターン
が最小幅のパターンであれば、細幅パターンの露光条件のばらつきに対する出来
上がりパターン像の幅のばらつきが小さくなり、パターン全体として出来上がり
パターン像の寸法精度が従来よりも向上する。
に均等分割する。分割されたパターン(分割パターン)のサイズは、例えば(β
b/10)×(βb/10)程度であり、分割パターンの各エツジ上での隣りの分
割パターンからの影響が均一であるとみなせる程度にする。
ーンを、点線で示すように分割した場合の説明図であり、図13(B)、図13
(D)及び図13(F)はそれぞれ、図13(A)、図13(C)及び図13(
E)で分割されたパターンを明瞭にするために互いに分離して示す。
ターン寸法が指定したサイズで割り切れない場合には、右及び上に徹小なパター
ンが発生する。この場合、寸法シフトの時にパターンが消失したりパターン幅が
マイナスになったりするので不適当である。
場合であり、均等分割することで、図13(A)のような微小パターンの発生を
防ぐことができる。しかし、後述する図形変更(パターン幅調整)においては、
エッジが元のパターンと一致する辺のみしか図形変更を行わないため、細かくパ
ターンを分割するのは、パターン数が無用に増えて複雑になるだけであり、有効
でない。そこで、図13(E)のように、図13(C)と同じように均等分割す
るが、元のパターンの周囲に沿った領域のみ同一サイズの矩形に分割し、各分割
パターンが元のパターンの境界に接する辺を有するようにする。これにより、分
割された矩形パターン数の無用な増加を防ぐことができる。図13(F)中の黒
点は、図11(A)と同じ固定サンプル点である。
は孤立しているために分割されなかったパターンも分割パターンと称す。また、
例えば、設計寸法1×3μm2のパターンが3分割されて1×1μm2になった場
合、この1×1μm2も設計寸法と称する。
ーン面積密度α'i,jを各i及びjについて計算する。
の前方散乱の影響を取り込むために、図13(F)に示すように固定サンプル点
を設定し、上記実施例2と同様に各固定サンプル点での隣接パターンからの
前方散乱強度ε1〜ε4を計算する。次いで、設計寸法W0×H0の分割パターンに
ついて、露光強度分布のスライスレベル=基準露光強度Ethでの幅が設計幅に等
しくなるように、図10(B)と同様に一対の対角点(X1,Y1)及び(X2
,Y2)を、点P1〜P4についての次の4元連立方程式
(P1) Ff(−W0/2,0;X1,X2,Y1,Y2)+ε1+α'i,j・η
=Eth
(P2) Ff(W0/2,0;X1,X2,Y1,Y2)+ε2+α'i,j・η=
Eth
(P3) Ff(0,−H0/2;X1,X2,Y1,Y2)+ε3+α'i,j・η
=Eth
(P4) Ff(0,H0/2;X1,X2,Y1,Y2)+ε4+α'i,j・η=
Eth
を解いて求める。ただし、図13(F)に示す×印を付した辺のように、元のパ
ターンのエッジと一致しない辺については移動させない。
ン幅を調整することにより、分割前のパターンの出来上がり寸法精度が向上する
。
う。升目単位で補助露光を行うかどうかが決定されるので、補助ショットを行わ
なければ、複数の升目にまたがるパターンに部分的な露光強度不足が生ずる場合
がある。また、寸法シフト時にパターンの座標が露光装置の最小寸法単位に丸め
られることにより露光強度不足が生ずる場合がある。このような露光強度不足は
、升目サイズの補助露光ショットを発生させることにより解消される。ステップ
S43では補助露光のパターン面積密度も考慮する。寸法シフト又は補助露光シ
ョット発生により実効パターン面積密度が変化すると、収束しないと判定されて
ステップS43へ戻る。
ップS44で周囲の辺がシフトされたことを示す。
同様にして基準露光強度Eth=εpを決定してもよい。すなわち、ステップS4
1ではパターン幅を調整してもよい。例えば、最小設計幅W0の孤立矩形パター
ンを選択し、このパターンに関し前方散乱強度分布の、ピーク値の30〜70%
の範囲内の値であるスライスレベルでの幅が、設計幅に等しくなるようにパター
ン幅を調整したときの該スライスレベルを、基準露光強度Ethと決定してもよい
。
算により又は経験的にテーブル化しておき、ステップS41では、W0でこのテ
ーブルを参照して基準露光強度Ethを決定するようにしてもよい。
立パターンでなくてもよく、この場合、このパターンはステップS43〜S53
の処理によりパターン幅が決定される。
やクーロン効果の影響により、一括照射する面積、一括照射領域内の位置、一括
照射領域内の部分的な開口面積及び電流密度に依存することが知られている。そ
こで、より高精度な補正のために、これらがビームぼけδに及ぼす影響をあらか
じめ実験により測定し、フィッティングにより得られた関数を用いてビームぼけ
δを求め、又は計算時間短縮のために実験結果をテーブル化し、そのテーブルか
らぼけδを求める。
10×10の領域に分割し、×印を付した各領域中心でビームぼけδ[μm]を
測定し、これを図17に示すようにテーブル化する。図15及び図16中の0〜
9はX方向及びY方向の各領域の中心位置を示す。一括照射内の任意の点におけ
るビームぼけδは、このテーブルを2次元補間して求めることができる。
射領域内の部分的な開口面積及び電流密度に対する依存性を、電子ビーム装置毎
の光学系を考慮したシミュレーションによって導出し、その関係式からビームぼ
けδを求めることができる。
め、照射面積依存性についてはシミュレーションで求めるというように、両者を
併用してビームぼけδを求めることもできる。
を用いた電子ビーム露光方法を説明する。
光量を調節した補助露光ショットを発生するが、補助露光ショット数が多くなる
ので、露光時間が膨大になる。そこで、本発明の実施例4では、補助露光
マスクを作成し、主露光と同様に大領域を一括して補助露光する。
せた後の露光データを作成する(図18)。次に、この露光データから、主露光
データと補助露光データとを分離し(図19(A)及び図19(B))、最後に
、補助露光データを、補助露光ショットの露光量と同等の面積密度のパターンに
置き換え(図20)、これを補助露光マスクのデータとする。
持つ面積密度αのパターン群に置き換える方法について説明する。
面積密度αのパターン群に分けたときの中心での露光強度はαである。そこで、
露光量Q0で描画して、露光量Qauxの補助露光ショットの効果を得るために、補
助露光ショットを面積密度α=Qaux/Q0のパターン群に分割する。
たパターン群を作成することは難しい。図21(A)及び図21(B)はそれぞ
れ、パターン群がメッシュ状及び短冊状(いずれも格子状)である場合を示し、
それぞれ比較的小さな面積密度及び比較的大きな面積密度のパターン群を得るの
に使用する。
ーンが在るところで露光強度が高くなり,パターンが無いところで露光強度が低
くなる。この前方散乱強度の極大値Emaxと極小値Eminの差がほぼ0とみなせる
ことが重要となる。後方散乱強度分布の凹凸は無視できる。
スペースパターン)のスペース幅(単位は前方散乱長βf)とEmax−Emin(単
位は任意)との関係を示す図である。例えばEmax−Emin≦1/63のときEma
x−Eminがをほぼ0であるとみなせる場合、面積密度50%の短冊パターンを作
成するには、図23から、パターン幅及びスペース幅を共に0・75βf以下に
しなければならない。
をある程度大きくぼかしてもパターン精度上問題なく、これにより実効前方散乱
長を大きくすることが可能であり、前方散乱長の0.75倍という短い寸法が要
求されても実現可能である。
ることができるので、露光のスループットが向上する。
を用いた電子ビーム露光方法を説明する。
.6という条件下で、図24(A)に示すように幅W及びHが共に50μm以上
の矩形パターンが接近して形成されると、図24(B)に示すように、パターン
間のスペース部の後方散乱強度が基準露光強度Ethを超えてしまうため、図12
のステップS45でパターン幅を調整しても、露光強度分布の基準露光強度Eth
における幅を設計幅に一致させることができない。
リックスパターンなどの格子パターンに変更することで、部分的にパターン面積
密度を低減すれば、スペース部の後方散乱強度が基準露光強度Eth下になり、こ
のようなパターンも補正が可能になる。
法の手順を示すジェネラルフローチャートである。
されている。また、格子パターン発生のため、図26(A)に示すようなパター
ンに対し、ステップS42Aでは図26(B)に実線で示すようにパターンの全
領域を、例えば(βb/10)程度のサイズで均等分割する。図26(B)中の
点線は上述のメッシュである。
の境界に接する分割パターン、例えば図26(B)のハッチングを施した領域の
分割パターンに対しては、図12のステップS45と同じ処理を行って図27(
A)に示すようにパターン幅を調整する。ステップS45の処理は、小さくて分
割されない元パターンに対しても行われる。
分割パターンのうちその4辺のいずれも他の分割パターンの辺と接しているもの
(4辺隣接パターン)に対しては、ステップS47の処理を行う。このような分
割パターンは、寸法精度が要求されないが、比較的大きなパターンであるので後
方散乱強度が比較的大きい。このため、4辺隣接パターンは、元のパターンの境
界に接する分割パターンに大きな影響を与え、出来上がり寸法にばらつきが生じ
易い。
(B)に示すようなパターン面積密度αgpの格子パターンに変換するので、該内
側領域の各分割パターンについて、該パターン面積密度αgpを次式で計算する。
ここにαgp、Ffmin、αp'及びαgpbはいずれも着目分割パターンに関するも
のであり、前方散乱強度低下率Ffminは該格子パターンの前方散乱強度の最小値
Eminと平均強度(Emax+Emin)/2の比であり、1以下である。αp'はステ
ップS43で算出された、着目分割パターンに跨る升目の実効パターン面積密度
のうち最小値である。ステップS43〜S53の繰り返しループの2回目以降の
ステップS43でのパターン面積密度αi,jはステップS47での格子パターン
及びステップS45での寸法シフトが考慮される。αgpbはαgpの前回値であり
、その初期値は1であり、また、ステップS53で収束したと判定された時、α
gpb=αgpである。kは1より大きい定数である。
における前方散乱強度の最小値(上記最小値に対応)に等しく、(αgp/αgpb
)αp'・η=αp'・ηはパターン面積密度αgpの着目分割パターンにおける後方
散乱強度である。つまり、着目分割パターンにおける格子パターンの最小露光強
度がEthのk倍になるように、着目分割パターンの格子パターン面積密度αgpを
決定する。
きの問題が解決される。また、基準前方散乱強度と比べて後方散乱強度が大きか
ったためにパターン幅の調整だけでは補正しきれなかったパターンについても補
正が可能となる。上式(29)でαgpを決定すれば、格子パターンに変換した後
の前方散乱強度の最小値でも露光不足で現像不可にならないことが保証される。
とがあり、逆にあまり大きいと後方散乱強度が充分低減されないので、1.2程
度が適当である。
方散乱長との関係によって異なってくる。従って、予想される最小パターン面積
密度や、マスク作成において要求される最小スペース幅などに基づき、前方散乱
強度低下率Ffminを決定するのが適当である。
。
アンドスペースに変換するならば、例えば幅30nm、長さ3μmのラインパタ
ーンをピッチ60nmで50本生成し、千鳥格子パターンに変換するならば、例
えば30×30nm2の矩形パターンを、縦方向及び横方向ともにピッチ42.
4nmで70×70個生成する。
が困難になることと、逆にピッチやスペース幅が前方散乱長と比べて大き過ぎる
と局所的に露光強度が落ちて格子パターンとして現像されてしまうことである。
これらを避けるため、パターン生成時にパターン生成の条件が必要となる。例え
ば、前方散乱長が30nmでマスクの最小開口幅が30nmであるとき、スペー
ス幅を30nmに固定するというのは1つの条件として適当である。また、ピッ
チを例えば前方散乱長の2倍に固定するというのも適当な条件の1つである。さ
らに、パターン面積密度αgpの値に応じて千鳥格子パターンとラインアンドスペ
ースパターンとを使い分ける手法が、マスク作成の困難を低減するために有効で
ある。なぜならば、ピッチ一定の条件下で、千鳥格子を用いてラインアンドスペ
ースパターンと同じパターン面積密度を実現するには、よりスペースを小さくし
なければならないので、例えばパターン面積密度αgpが50%未満なら千鳥格子
パターンに、50%以上ならラインアンドスペースパターンにすることにより、
極端に細い梁の発生が抑えられ、マスク作成の困難を低減できる。
ッツ形の開口を有し、中央部が抜け落ちるので実現できない。ドーナッツパター
ンは通常2つのパターンに分割され、それぞれに対応するマスクが作製されて、
露光が2回行われる。
パターンとに分割される。周辺パターンは、縦のパターンと横のパターンとに分
割され、格子パターンは均等に分割される。均等に分割する理由は以下の2点で
ある。第1点は、開口面積をほぼ同じにすることにより、2回露光のうちどちら
かのクーロン効果が極端に大きくなることを防ぐためである。第2点は、ピッチ
やスペースが小さい格子パターンのマスクの作成は非常に困難であるが、2枚の
マスクに均等に分割すれぱ、ピッチが倍になり、マスク作成が容易になるととも
に、マスクの耐久性が向上するからである。
割パターン内の最小値でなくてもよく、最大値、平均値、パターン重心がある升
目での値、あるいはこの分割パターンに含まれ及びまたがる升目による重み付け
平均値を用いてもよい。また、パターン面積密度αgpの計算法として、
αp'≧0.5のときαgp=0.5、αp'<0.5のときαgp=1.0
又は、
αp'>0.5のときαgp=0.5/αp'
を用いてもよい。
もなく、主露光マスクを1枚しか使わない場合には、次のどちらかの手法を用い
る。
ップS46の判定処理を行わないでステップS47へ進み、ドーナッツパターン
の発生を防ぐ。
張を行う。例えば、図29(A)のパターンに対しステップS60で図29(B
)のように格子パターンが一部に生成された場合、元パターンの露光境界のうち
、最も後方散乱強度が大きい辺に平行に、露光境界まで格子パターンの領域拡張
を行う。拡張領域には、例えば幅30nmの千鳥格子パターンやラインアンドス
ペースパターンを生成する。
る場合など、主露光マスクが1枚である場合には、ステップS61のパターン分
割を行わなくてよい。
傍でのクーロン効果によるビームぼけを小さくするために、微細パターン側の総
パターン面積を減らすようにパターン分割を行ってもよい。
電子ビーム露光方法を説明する。
分離して転写することが可能になる。しかし、ステップS42Aでパターンを分
割した時に上記内側領域が存在する場合、常に格子パターンが生ずる。また、主
露光マスクが2枚必要になる。
パターンを抽出するステップS48をステップS40Bに加える。どのパターン
を抽出するかを判断する情報を得るために、このステップS48の前にステップ
S43及びS44の処理を行う。
含むものについて、後方散乱強度αp'・ηが基準露光強度Ethの例えば80%以
上となるかどうかを判定し、肯定判定された升目に境界が含まれるパターンを抽
出する。このパーセンテージは、低コントラストでもきちんと解像するレジスト
であれば高く、そうでなければ低く設定する。
。
た矩形パターンのうち、元のパターンの境界に接するパターン(周囲パターン)
に対しては、図12のステップS45と同じ処理を行って図27(A)に示すよ
うにパターン幅を調整する。しかし、ステップS47の処理は、ステップS48
で抽出されたパターンについてのみ、該周囲パターンの内側のパターンに対して
行う。
み行われる。
る感応基板に電子ビームを照射して露光し、現像して大矩形パターン(出来上が
りパターン)、例えば短辺が10μmの矩形を形成する場合、これに対応してマ
スク上に図32(A)に示すような大矩形パターン20を形成する必要がある。
大矩形パターン20は、図26(B)のハッチングの内側の矩形又は該内側の4
行4列の矩形のうちの1つであってもよく、この場合、該矩形に対応した感応基
板上の矩形は実際に現像されない仮想的なものである。上述の理由により露光量
を低減するため、マスクデータ作成において、この大矩形パターン20が図32
(A)に示すようなパターン要素としての小正方形を要素とするマトリックスパ
ターンに変換される。マトリックスパターンは、大矩形パターン20のパターン
要素21の隣り合う2辺が大矩形パターン20の隣り合う2辺に接するように配
置されている。
ーンをマスクブランクに精度良く形成することができるが、前方散乱強度低下率
Ffminが大きくなって露光不足領域の模様が生ずる。これを避けるには、出来上
がりパターン領域内の最小露光量位置Q1の露光量がしきい値Ethより大きけれ
ばよい。この位置Q1は、図32(A)中の大矩形パターン20内の位置P1に
対応している。前方散乱強度低下率Ffminはマージンを考慮した値であり、この
値は、マスクに形成できるパターンの最小寸法及びβfを考慮して決定され、露
光量補正の観点からは大きい程好ましいが、大きくする程、βfと比べて小さい
パターンをマスクに形成しなければならない。面積密度αp(上記実施例5
では格子パターンのパターン面積密度をαgpで表したが、以下においてはこれを
単にαpで表す。)は例えば、上記実施例5で述べた方法により決定される
。
ターン要素幅W及びスペース幅Sを決定する方法を以下に説明する。
スペース幅Sを用いて幾何学的に求められ、次式が成立する。
露光強度分布の位置に関する変動原因は、散乱半径が比較的小さい前方散乱成
分である。感応基板上の位置Q1での前方散乱露光強度の計算においては、例え
ば、位置P1の回りのパターン要素22〜24を通った電子ビームによる露光の
みで近似することができる。図32(B)は、前方散乱露光強度の計算式の理解
を容易にするための、図32(A)の部分拡大図である。縮小投影率は、簡単化
のため1であるとする。位置Q1での前方散乱強度がFfmin・αpであれば露光
不足が出来上がりパターン領域の全範囲で生ぜず、この条件は上式(27)の関
数Ffを用いて次式で表される。
+Ff((W+S)/2,0:W,W)=Ffmin・αp (31)
パターン要素幅W及びスペース幅Sの値は、与えられたパターン面積密度αp
及び前方散乱強度低下率Ffminの値に対し、連立方程式(30)及び(31)を
解くことにより決定される。図33は、βf=30nm、Ffmin=0.7である
場合のパターン面積密度αpに対するパターン要素幅W及びスペース幅Sの数値
計算結果を示す。
値Lminは例えば30nmである。この場合、W>LminかつS>Lminとなるパ
ターン面積密度αpの範囲αp1<αp<αp2は0.25<αp<0.46である。
パターン面積密度αpがこの範囲内の値であれば、露光量低減のための格子パタ
ーンとしてマトリックスパターンを用いることができ、そのパターン要素幅W及
びスペース幅Sを上記のように定めることができる。
ン20からはみ出た部分を削除すると、図34(A)に示す如くなる。一部が削
除されたパターン要素をマスク基板に形成するとそのパターン精度が低くなるの
で、これらを削除して図34(B)に示すようなパターンを得る。このパターン
は、大矩形パターン20とマトリックスパターンとの図形論理積に等しい。この
削除により出来上がりパターンのサイズが所望のものより小さくなる。そこで、
大矩形パターン20の辺201と隣り合う辺を有しこの辺と辺201との間の距
離がスペース幅Sより長いパターン要素25及び26を、これらの辺を辺201
まで平行移動させた長方形に拡大して、図35に示すパターン要素25A及び2
6Aに変更する。大矩形パターン20の辺202及び203についても同様であ
る。大矩形パターン20の辺204については、パターン要素の一辺が辺204
に接しているので、境界処理を行う必要がない。マトリックスパターンには大矩
形パターン20が存在しないが、図35では、マトリックスパターンとの関係を
示すためにこれを示している。この点は他図についても同様である。
クスパターンよりも出来上がりパターン精度を向上させることができる。
3)とがあり、ステンシルマスクの場合、図35のマトリックスパターンを互い
にコンプリメンタリーな2つのパターンに分割することにより、パターン要素の
分布密度を低減してマスクパターン出来上がり精度を向上させ、また、マスクの
強度を向上させることができる。図36(A)及び図36(B)は、図35のマ
トリックスパターンを2つのコンプリメンタリーパターンに分割した場合のそれ
ぞれのパターンの一例を示す。
、上記実施例7に類似した実施例8の方法を説明する。
チングが施されたパターン要素としてのラインは電子ビーム透過領域であり、そ
の一部が大矩形パターン20からはみ出ている。L/Sパターンは、大矩形パタ
ーン20のパターン要素27の一辺が辺204に接するように配置されている。
上式(30)に対応して、次式が成立する。
図37中の位置P2は、図32(A)の位置P1に対応している。位置P2に
対応した感応基板上の位置Q2での前方散乱露光強度の計算においては、例えば
、位置P2の両側のパターン要素27及び28を通った電子ビームによる露光の
みで近似することができる。この場合、上式(31)に対応して、次式が成立す
る。
値Lminは例えば30nmである。この場合、W>LminかつS>Lminとなるパ
ターン面積密度αpの範囲αp3<αp<αp4は0.41<αp<0.68である。
パターン面積密度αpがこの範囲内の値であれば、露光量低減のための格子パタ
ーンとしてL/Sパターンを用いることができ、そのパターン要素幅W及びスペ
ース幅Sを上記のように定めることができる。
からはみ出た部分を削除すると、図39(A)に示す如くなる。一部が削除され
たパターン要素をマスク基板に形成するとその精度が低くなるので、これを削除
する。この削除により出来上がりパターンサイズが所望のものより小さくなる。
そこで、大矩形パターン20の辺202と隣り合う辺291を有しこの辺291
と辺202との間の距離がスペース幅Sより長いパターン要素29を、辺291
を辺202まで平行移動させた長方形に拡大して、図39(B)に示すパターン
要素29Aに変更する。
よりも出来上がりパターン精度を向上させることができる。
が狭いので、与えられたパターン面積密度αp及び前方散乱強度低下率Ffminの
値に対し格子パターンとしてマトリックスパターンを用いるかL/Sパターンを
用いるかを決定することにより、広範囲のパターン面積密度αpに対し大矩形パ
ターン20を格子パターンに変換することが可能となる。
すフローチャートである。
パターンのうちハッチングが施された領域の内側の1つであり、該内側の各矩形
パターンについて図41の処理が行われる。
べたように決定する。
=S1を上記実施例7のようにして決定する。
を上記実施例8のようにして決定する。
ップS77へ進む。
ップS76へ進む。
。ここにS10は、次の連立方程式を解くことにより求められる。
E(Q1:Lmin,S10)=Ffmin・αp
ここに関数E(Q:W,S)は、エネルギー強度分布関数の前方散乱項を面積
分して得られた位置Qでの前方散乱強度であり、例えば上式(20)の関数Ff
に等しい。位置Q1は図32中のものである。
変換し、ステップS80へ進む。
でなければステップS79へ進む。
ステップS78へ進む。ここに、W20は、次の連立方程式を解くことにより求
められる。
E(Q2:W20,Lmin)=Ffmin・αp
ここに、位置Q2は図37中のものである。
変換し、ステップS78へ進む。
い場合には大矩形パターンがマトリックスパターンに変換されるが、この場合、
大矩形パターンをL/Sパターンに変換する構成、又は次のような構成であって
もよい。すなわち、W1−Lmin+S1−Lminの値がW2−Lmin+S2−Lmin
の値よりも大きければステップS76へ進み、そうでなければステップ78へ進
む構成であってもよい。さらに、W1、S1、W2及びS2がいずれもLminよ
り小さい場合には、ステップ70へ戻って、前方散乱強度低下率Ffminの値を可
能な範囲で変化させ、図41のステップ71以下の処理を行う構成であってもよ
い。
対する他のコンプリーメンタリーパターン分割方法を実施例10として示す。
隣り合う領域を互いにコンプリメンタリーなサブパターンとする。隣り合う領域
に跨がるパターン要素については、一点鎖線で分割された面積の広い方のサブパ
ターン要素とする。これにより、ハッチングが施されたパターン要素群のパター
ンとハッチングが施されていないパターン要素群のパターンとが互いにコンプリ
メンタリーなパターンとされる。
る場合、相対的な位置ずれが生ずる。しかし、このような方法により分割すれば
、図42(A)及び(B)の一点鎖線に関してのみ位置ずれが生ずるので、位置
ずれによりパターン要素間の距離が広くなって露光不足が生ずる欠陥を低減する
ことができる。
れているので、分割線の両側でパターン要素が接続され、これにより、露光にお
いて互いにコンプリメンタリーなマスクを切り替えた場合、相対的な位置ずれが
生じても、スペース幅が広がることによる露光不足が生じ難い。
の問題を解決するために、領域31〜34の隣り合う境界線に接する辺を有する
要素パターンを、図50に示すように、該辺を該境界線を越えて所定距離平行移
動させた図形に拡大する。図50では境界線付近のパターン要素が重なって分か
り難くなるのを避けるため領域31〜34間を分離して示している。
に大矩形パターン40を、一般にパターン面積密度αpが異なる複数の領域、例
えば4行7列の領域に分割し、さらに、大矩形パターン40を互いにコンプリメ
ンタリーな2つの領域に分ける。例えば奇数列の領域と偶数列の領域とを互いに
コンプリメンタリーな領域とする。次に、分割された各領域を、上記実施例9により格子パターンに変換する。
、L/Sパターンに変換された互いにコンプリメンタリーなパターンを示す。L
/Sパターンのラインの長手方向は行方向と定められており、これにより、図4
8(A)及び(B)に示すように列方向とした場合よりもライン長が短くなるの
で、マスクの強度を大きくしてその寿命を延ばすことができる。
ュの単位領域と同程度のサイズにし、又は、該分割領域のサイズと同程度のメッ
シュでパターン面積密度αpを計算する。
単な式を用いて、連立方程式を簡単化し、容易にパターン要素幅W及びスペース
幅Sを決定する方法について説明する。
対前方散乱強度低下率Ffminの数値計算結果を示す。W及びSの実現可能な最小
値Lminが30nmであるとする。
(b)S=30nmでW>30nmを満たすL/Sパターン
(c)ピッチW+S=75nmでW>30nm及びS>30nmを満たすL/
Sパターン
(a)の場合、スペース幅Sとパターン面積密度αpの値を上式(30)に代
入すればパターン要素幅Wの値が求まり、(b)の場合、スペース幅Sとパター
ン面積密度αpの値を上式(32)に代入すればパターン要素幅Wの値が求まり
、(c)の場合、W+S=75とパターン面積密度αpの値と上式(32)とか
らパターン要素幅Wとスペース幅Sの値が求まる。
ターン面積密度αpの値に応じて次のような格子パターンに変換する。
(ii)0.44<αp<0.59であれば(c)のL/Sパターン
(iii)0.6<αp<0.68であれば(b)のL/Sパターン
なお、本発明には外にも種々の変形例が含まれる。
ターン要素の影響のみ考慮しているが、一般には例えば着目点を中心とする半径
2βfの円内を積分範囲として前方散乱強度を計算する。
能なパターン面積密度αpの最小値0.25のパターンを用い、αp>0.68で
ある場合にはαp=1.0、すなわち格子パターンに変換しない。実施例3及び7におけるパターン面積密度αpの各範囲の境界値は、βfの値及び前方散
乱強度低下率Ffminの下限値に応じて決定される。
た場合であってもよい。
性を高めるためのフィッティング計数γ及び2次電子散乱比率η'を含む第3項
を有するトリプルガウシアンを用いたり、多項式で近似してもよい。特に上記第
2及び実施例3においては、寸法シフトのステップにおいて、トリプルガウ
シアンに含まれる、前方散乱より広く後方散乱より狭い範囲に拡がる項を取り込
んでもよい。
数)である必要はない。
21〜29、25A、26A、29A パターン要素
201〜204 辺
31〜34 領域
P1、P2、Q1、Q2 位置
S スペース幅
W パターン要素幅
αp、αp1〜αp4、αp11〜αp47 パターン面積密度
Ffmin 前方散乱強度低下率
Claims (6)
- 荷電粒子ビーム露光により矩形パターン又はその一部の矩形を第1矩形パターンとして感応基板上に実際に又は仮想的に形成する場合に、露光量低減のため該第1矩形パターンに対応したマスク上第2矩形パターンを第1格子パターンに変換する矩形/格子データ変換方法であって、
(a)該第2矩形パターンを複数の矩形領域に分割し、
(b)互いにコンプリメンタリーな2つのマスクを用いて該第1矩形パターンを形成するために、該複数の矩形領域を、隣り合う矩形領域がそれぞれ互いにコンプリメンタリーな第1及び第2コンプリメンタリーパターンに含まれるように分け、
(c)該複数の矩形領域を、該第1格子パターンを構成する複数の第2格子パターンのそれぞれに変換し、
(d)各第2格子パターンについて、その周辺部要素の各々の少なくとも一辺が該第2格子パターンに対応した矩形領域の辺に接するように、該第2格子パターンに対し境界処理する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム露光用マスクパターンの矩形/格子データ変換方法。 - 上記ステップ(c)では、上記第2格子パターンはラインが上記矩形領域の短辺に平行なラインアンドスペースパターンであることを特徴とする請求項1に記載の矩形/格子データ変換方法。
- 上記ステップ(d)では、
上記第2格子パターンと該第2格子パターンに対応した矩形領域との図形論理積のパターンを作成し、該論理積パターン内の、該矩形領域の辺に接し中央部のパターン要素よりも小さいパターン要素を、その隣のパターン要素と連ねて一体化する、
境界処理を実質的に行うことを特徴とする請求項1に記載の矩形/格子データ変換方法。 - 上記ステップ(d)では、上記第2格子パターンに含まれるパターン要素のうち、該第2格子パターンに対応した矩形領域から一部がはみ出したパターン要素を削除し、削除後に該矩形領域に含まれているパターン要素のうち、該矩形領域の辺Aと隣り合う辺Bを有し該辺AとB間の距離が該第2格子パターン内の中央部のパターン要素間スペース幅Sより長いパターン要素を、該辺Bを該辺Aまで平行移動させた図形に拡大する、
境界処理を実質的に行うことを特徴とする請求項1に記載の矩形/格子データ変換方法。 - 上記ステップ(d)では、上記複数の矩形領域のうち隣り合う矩形領域の境界線に辺が一致するパターン要素を、該辺を該境界線を越えて所定距離平行移動させた図形に拡大する、
境界処理を実質的に行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の矩形/格子データ変換方法。 - 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の矩形/格子データ変換方法を用いてマスクを製作し、荷電粒子ビームを、該マスクを介し感応基板に照射することを特徴とする荷電粒子ビーム露光方法。
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