JP2005508528A - ラスタスキャン微粒子ビームリソグラフィにおける近接レジスト加熱のリアルタイム予測および補正 - Google Patents

ラスタスキャン微粒子ビームリソグラフィにおける近接レジスト加熱のリアルタイム予測および補正 Download PDF

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Abstract

本発明は、電子ビームリソグラフィにおけるレジストの近接加熱を、書き込みが進行するにつれてリアルタイムで予測し、書き込みの間に電流および/またはドエルタイムのビーム補償を実行させる方法に関する。方法は、前もって計算されたカーネルを使用して、カーネルと等級分けされたセルサイズカバレッジマップとのスカラー積によって、ビーム書き込みが進行するにつれて、リアルタイムで、近接レジスト温度を評価することができる。カーネル値を数パーセント内の正確度で与えるシフテッドインパルス応答関数が示される。

Description

【関連出願への相互参照】
【0001】
[0001]本願は1999年6月30日に出願された米国特許出願第09/343,960号の一部継続であり、該米国特許出願第09/343,960号は、あたかもここで完全に記述されるかのように、参照してその全体をここに組み込まれる。
(本発明の背景)
【0002】
(技術分野)
[0002]本発明は、微粒子ビームリソグラフィの一般的分野に関し、更に具体的には、レジストの近接加熱を補償するリソグラフィプロセスのリアルタイム補正に関する。微粒子は電子、光子、イオン、または荷電されない微粒子であってよいが、説明は、特に、リソグラフィマスクを製造するため現在最も普通に使用される方法である電子ビームリソグラフィに関して行われる。
【0003】
(関連技術の説明)
[0003]表面の上に精確なパターンを制作することは、集積回路の製造に必要な段階であり、同様に他の多くの商用環境で用途を有する。そのようなパターンを作り出す典型的な方法は、エネルギーへ露光されたとき化学変換を受ける化学物質、「レジスト」で、パターン化される表面を被覆することである。ポジ型レジストは、エネルギーへ露光されたとき化学変換を受けて、そのように露光された領域の表面からレジストを除去する結果を生じる。ネガ型レジストは、他の化学変換、例えば交差結合を受けて、エネルギーへ露光されなかった領域のレジストを除去する結果を生じる。適切なパターン内のレジストが、適切なエネルギーパターンへ露光されることによって除去された後、下層の表面が更なる化学エッチングまたは物質堆積へと処理されてよい。表面エッチングまたは堆積に続いて、残りのレジストが除去される。
【0004】
[0004]レジスト上に入射するエネルギーは、典型的には、電磁微粒子または微粒子ビーム、典型的にはイオンまたは電子(eビーム)である。エネルギーは、2つの一般的な方法の1つでレジストへ向けられてよい。即ち、(1)透明領域および不透明領域の双方を有するマスクを介して、入射エネルギーを選択的に通過させ、下層のレジストの上に所望の露光パターンを作り出すか、(2)フォーカスされたビームとして、露光を必要とする区域のみへ選択的に衝突するように導かれる。
【0005】
[0005]マスクを介する露光は、低減されたコストで多数の同一パターンを制作するために現在使用される最も普通の技法である。しかし、マスク自身が、最も普通には、フォーカスされたビーム衝突によって最初に作られなければならない。したがって、レジストのフォーカスされたビーム露光は、リソグラフィのマスクを制作するときの必要なステップである。
【0006】
[0006]パターンの直接ビーム「書き込み」は、一般的に非常に遅いが、マスクからのプリンティングよりも幾つかの利点を有する。それらの利点の中には、複雑なマスクのアライメントおよびレジストレーションの回避があり、精確にフォーカスされたビームによって、より精確なパターン化が達成される。
【0007】
[0007]エレクトロニクス産業は、コンポーネントのフィーチャサイズを低減するために努力している。より小さいコンポーネントは、切り替え速度が速くなり、電力消費が小さくなるために望まれるが、ますますパターンの正確度について厳しい要求を出されている。正確なパターン化はレジストの正確な露光を必要とする。即ち、双方の型のレジストについて、露光される領域と露光されない領域との間で、シャープで正確に位置づけられた境界が望まれるが、それは、不正確に露光された隣接パターンの干渉および重複なしに、より高密度にパックされたコンポーネントをパターンデザイナに使用させるためである。
【0008】
[0008]説明を具体的にするため、ポジ型レジストの場合を考えるが、ポジ型レジストは、入射eビームへ露光された場合に、後続のエッチングまたは堆積のために下層から除去される。当技術分野で十分理解されるように、ネガ型レジストについても全く同様の効果が存在する。
【0009】
[0009]レジストの正確な露光は、eビーム露光へのレジスト感度に関する詳細な理解を必要とする。eビームへのレジストの露光は、ドーズと呼ばれる、典型的には、平方センチメートル当たりのマイクロクーロン(μC/cm)で測定される。レジストの「感度」とは、現像時にレジストの中に所望のパターンを作り出すために必要な電子ドーズ(μC/cm)を意味する。この感度は、レジストの組成、入射電子ビームのエネルギー、レジストの温度、レジスト現像プロセス、および他の因子の関数である。書き込みが起こる時点で温度と一緒に変化するレジスト感度の変化は、特に関係がある。
【0010】
[0010]レジストの温度変化は、その感度を変化させるので、適切な露光を達成するためには、電子ドーズを変化させる必要がある。温度に伴うレジスト感度の変化を考慮することに失敗すると、レジストの過剰露光、即ち露光を意図されない領域のレジスト露光を生じ、パターンの精度が減少する。以下で更に詳細に説明するように、パターンの「ブルーミング」(以下で説明する図2で、より具体的に示される)は、所望されない結果である。
【0011】
[0011]特に関係があるのは、「中間範囲近接加熱」として知られる現象である。高電圧リソグラフィでは、電子ビームエネルギーの大部分は、レジストおよび下層のマスク層(通常は非常に薄い)を通過し、基板を貫通して、そこに蓄積される。(典型的には、X線マスクの製造で薄い基板が使用されるとき例外が起こり、その場合、基板自身が膜であって非常に薄いので、ビームエネルギーの大部分はそれを通過する)。厚い基板内の電子拡散は、単一のeビームパルスまたは「フラッシュ」からの熱を、基板の中で、典型的には、フラッシュサイズよりも非常に大きな横範囲(eビーム方向に垂直)および基板の深さの容積に蓄積する。続いて起こる熱伝導は、この熱の一部分を基板表面へ運搬し、フラッシュに続く数マイクロ秒で横範囲が数十ミクロンとなり、多くのミリ秒の後にはミリメートルの幅へ増加するゾーンのレジストを加熱する。(正確な数値は、ビームエネルギー、基板の組成、およびその熱特性に依存する)。そのような近接加熱は、以前に書き込まれたパターンおよびパターン書き込みの時間履歴に依存する。それは何十度に及ぶ温度変化を生じるかも知れない。この変動性は、高正確度eビーム書き込みのプロセスをデザインするとき、近接加熱の推定を特に困難にする。
【0012】
[0012]この「中間範囲基板加熱」と混同されてはならない他の2つの近接加熱効果、すなわち「近隣フラッシュ加熱」および「大域加熱」と呼ばれるものが存在する。これらの他の効果も、リアルタイム補償を必要とするが、非常に異なった時間および距離の尺度で起こり、異なった方法を必要とする。近隣フラッシュ加熱は、前もって計算された温度の単純なテーブルルックアップによって補償されることができる。しかし、このルックアップは、非常に迅速に、例えばナノ秒のタイムスケールで起こる必要があるかも知れない。基板全体の大域加熱も、マスク境界を無視することのできないリアルタイム予測を必要とするかも知れない。それは、温度上昇が大きくないにしても、分および時間のタイムスケールで熱膨張を生じる。
【0013】
[0013]ここで使用される「近接加熱」は、基板から後方散乱された電子によるレジストの望まれない露光を説明するため普通に使用される用語である「近接効果」と混同されてはならない。この望まれない露光を補償するため補正手段が取られるが、その露光もレジストの加熱によって影響を受ける。
【0014】
[0014]図1Aおよび図1Bは、それぞれ、基板の上に入射する低および高のエネルギー電子ビームを示す。eビームリソグラフィの一般的な動作モードは、電圧、典型的には1000ボルト(1keV)以上を介して加速された電子のフォーカスされたビームを利用する。レジストの露光には、低い電圧のeビームが効果的である。高い電圧のeビームは、より正確にフォーカスされたビームへの形成能力を有し、レジスト層内の散乱が少なく、より正確なリソグラフィを生じ、より小さなパターンを制作する能力を有するので好ましい。ここで「高電圧」eビームとは、通常、約10keVを超えるeビームエネルギーを意味すると理解される。50〜100keVの高さのビームエネルギーが使用される。しかし、高エネルギーeビームは、望ましくない加熱副作用を生じる。
【0015】
[0015]図1Aは、レジスト層103aの上に入射する低エネルギー電子ビーム(約10keVより小さい)104aの断面を概略的に示す。典型的には、レジスト層103aは比較的に薄く、約0.5μm(「ミクロン」=10−6メートル)である。レジスト103aはエッチングされる層102aの上にあり、それらの全ては典型的には合理的厚さの基板によって支持される。リソグラフィマスクを制作する場合、層102aは一般的にマスク材料、典型的にはクロムを含む独占的組成の膜であり、レジスト層と比較して通常は非常に薄い。基板100aは典型的にはガラスであり、ここで説明される本発明に関連したeビームリソグラフィで生じる効果が、厚いガラス層の下面またはエッジ(図1Aでは示されない)によって影響されないので、無限に厚いと考えられてよい。x線リソグラフィマスクの制作で典型的に使用される非常に薄い基板は、例外である。図1A(全ての他の図面と共通して)は概略的なもので、一定の比率で描かれていない。
【0016】
[0016]図1Aに示される低エネルギービームの場合、eビームの顕著な広がりがレジスト層の中で起こり、この広がりはレジスト表面と衝突したときほぼ即時に開始される。幅における低エネルギーeビームの広がりは、貫通の深さに相応している。したがって、低エネルギーeビームは、レジスト層の中で散乱する傾向があり、それによって所望される以上に大きなレジスト範囲を露光し、意図されたパターンとは異なって入射ビームよりも広いパターンでレジストを露光する。この「パターンブルーミング」は、散乱した電子の化学的相互作用からも生じる。レジスト層の下にある層からの後方散乱も、望まれない露光およびパターンブルーミングを生じる。
【0017】
[0017]層102aにおける正確なパターンの作成は、レジストを通過するeビームの広がりを最小にすることによって容易になり、そのためには高エネルギービームの使用が有利である。高エネルギービームも、望まれない後方散乱を基板の深い層から生成するが、その後方散乱は多くが拡散し、エッジを拡散させるよりもコントラストを低くする傾向がある。高エネルギービームの使用は、より高い電圧およびより高いビーム電流の双方を必要とする。低エネルギーeビームは、ビームエネルギーの合理的に大きな部分を、レジストの露光を必要とするレジスト層の中に蓄積する。したがって、低エネルギーeビームは、レジストを露光するとき利用可能なビーム強度を効率的に使用するので、必要な入射ビーム強度(ビーム電流)が小さい。したがって、電流および電圧の双方が、高エネルギーeビームリソグラフィで使用されるものから低減されるので、ターゲットの中に蓄積されるエネルギーは、通常、低エネルギーeビームの場合にかなり小さくなる。即ち、蓄積されるエネルギーは、ビーム電圧、ビーム電流、および露光持続時間(ドエルタイム)の積である。ビーム電圧が増加するとき、電子は、より少ないエネルギーをレジストの中に残すので、電流も増加して正しい露光度を生成するように補償しなければならない。
【0018】
[0018]限定ではなく例示として、我々は10keVビームによるレジスト露光を、50keVビームによるレジスト露光と比較する。実験的に注意されることは、ビームエネルギーが増加するにつれて、電流はビームエネルギーと一緒にほとんど線形で増加して、レジストを十分に露光し続けなければならないことである。したがって、10から50keVへ5のファクタだけビームエネルギーを増加することは、付随的に電流を約5のファクタだけ増加して、レジストを十分に露光することが必要である。eビームパルス(またはフラッシュ)当たりで蓄積されるエネルギーは、(ボルト)・(アンペア)・(パルス持続時間)であり、これは本例では約25のファクタだけ増加する。
【0019】
[0019]図1Bは、高入射ビームエネルギー、典型的には約50keVでレジスト103bの上に入射するeビーム104bの断面(一定の比率になっていない)を概略的に示す。図1Bで示される高エネルギービーム衝突の場合、図1Aの5で示されたビームの広がりは、典型的には、レジスト層103bで無視できる。そのような高エネルギービームは、レジスト層102b、マスク層103bを通過して、実質的なビームの広がりが起こる前に、ガラス基板100bの中へ良好に進む傾向がある。それによって、加熱されたゾーン106が、eビームが静止するにつれて基板100bの中に作り出される。典型的には、ガラス内の電子が約50kVである場合、ゾーン106の直径は約20μm(μm=ミクロン=10−6メートル)であり、その中心はガラス基板100bの上面から約10μmだけ下にあり、小さなフラッシュまたは丸いスポットの場合、加熱されたゾーンは入射eビームによって規定される軸の周りで回転対称を有する。
【0020】
[0020]前述したように、高電圧eビームは、典型的には、低電圧ビームよりも非常に多くのエネルギーを基板100bの中に蓄積し、そのようなエネルギーは、ビームエネルギーの約2乗だけ増加する(電流増加の必要性も満たされなければならない)。パルス当たりエネルギーは大きくないかも知れないが、何百万または何億というパルスは、近接加熱に寄与する。したがって、高エネルギー電子ビームを使用すると、基板100bのかなりの加熱が生じる。
【0021】
[0021]入射eビームによるレジスト層の直接加熱は顕著であるが、印加されたドーズから容易に予測可能であり、したがって較正によって補償することができる。しかし、書き込みが現在起こっている点の近接加熱は、熱が多数の(典型的には何百万という)早期のパルスによって蓄積された基板内の領域からの熱伝導によって影響を受けるので変動する。したがって、近接加熱は、書き込まれているパターンおよび過去のパルスのタイミングと順序に依存する。この近接加熱はパターンブルーミングを生じ、パターンブルーミングは、高エネルギービームが使用される場合に補償されなければならない。
【0022】
[0022]図2は、近接加熱に起因するレジストの感度増加から典型的に生じるパターンブルーミングの効果を示す。露光されるレジスト107の所望されるパターンは、平面図(図2A)および側面図(図2B)に示される。パターンおよびプロセスデザイナは、(例えば)露光点109が所望のパターン境界で起こるようにeビーム露光を計画する。しかし、増加したレジスト感度は、期待量よりも小さいeビームドーズによって、レジストのフル露光を起こすかも知れない。すなわち、パターンエッジは位置110へ移動し、108によって示されるように、拡張されたパターンを生じる。
【0023】
[0023]近接加熱は、幾つかの計算および測定の主題であった。Ralphらは、1983年の「電子およびイオンビーム科学および技術に関するシンポジウムの議事録、第10回国際会議、219〜2330ページ」(“Proceedings of the Symposium on Electron and Ion Beam Science and Technology, Tenth International Conference”, p.219−2330(1983))において、拡散方程式の数値積分によって近接加熱を計算する方法を説明している。更に、Babinらは、近接加熱の数値シミュレーションおよびそのような計算を測定値と比較する方法を説明している。SPIE,Vol.3048,p.368−373(1997)およびJ.Vac Sci Technol.B Vol.16,pp.3241−3247(1998)。近接加熱の追加計算および測定値との比較は、J.Vac Sci Technol.B Vol.12,pp.1362−1366(1994)の中でYasudaらによって報告されている。
【0024】
[0024]近接加熱の計算は、典型的には、適切な拡散(偏微分)方程式の数値解法に基づく。熱源は、解析的近似によって表されるか、レジスト、マスク、および基板を含むターゲットへの電子貫通の数値モンテカルロシミュレーションによって直接誘導されてよい。しかし、従来技術の方法は、eビーム書き込みの速度と比較して、近接加熱のリアルタイム計算および応答としての書き込みプロセスの調整を可能にするには、実際上非常に遅いことを証明した。更に具体的には、正確な予測は、モンテカルロシミュレーションを使用して基板内の単一フラッシュ熱源を表現することが必要であり、有限要素、有限差分、または精密な解析的近似を含む熱拡散方程式を解く様々な手法を使用するであろう。しかし、これらの方法は長い計算を必要とする傾向があり、リアルタイムの近接加熱補正では直接使用されることができない。
【0025】
[0025]そのようなわけで、中間範囲基板加熱を補償する改善されたシステムおよび方法の必要性が存在する。更に、中間範囲基板加熱をリアルタイムで補償する必要性が存在する。
(本発明の概要)
[0026]従来技術のこれらおよび他の欠点は、本発明の実施形態に従ったシステムおよび方法によって大部分を克服される。更に具体的には、露光の間にレジスト温度を決定する方法および手順が説明される。温度によるレジストの感度変化はアプリオリに実験で決定される。本発明の実施形態に従った手法によって決定されるように、一度、露光点の温度が知られると、温度変化を補償する既知の手法を使用して、露光パラメータを変えることができる。典型的には、書き込み点のために本発明の実施形態によって予測されたレジストの温度上昇は、レジストの温度感度に関連するファクタによって乗算される。その結果は、より正確なレジスト露光を提供するため、ビーム電流、または等価的にフラッシュのドエルタイムを制御することによってビームドーズへ適用される補正である。パターンブルーミングは、それにより低減される。
【0026】
[0027]本発明の実施形態は、書き込みが進行するにつれて近接加熱をリアルタイムで予測し、ドーズ補償をリアルタイムで実行させる方法に関連する。高い処理効率を達成する方法が説明されるが、この方法は書き込みが進行するにつれて計算をリアルタイムで実行させる。数パーセント以内まで正確なラスタスキャン近接加熱結果を与える解析的シフテッドインパルス(shifted impulse)応答関数が示される。それは補正スキームの迅速な評価およびデザインに使用される。
【0027】
[0028]本発明の実施に従った方法は、入射電子がレジストを加熱し露光領域を広げるとき、パターンブルーミングを防止または緩和する。近接加熱は非常に迅速な方法で予測され、それによって、プロセスが進行するにつれて、eビームプロセスへの近接加熱補正をリアルタイムで計算することを可能にする。予測は、eビーム書き込み速度に匹敵するタイムスケールで起こる。近接加熱のこのリアルタイム予測によって、eビームの特性および/または書き込みプロセスは、近接加熱を補償するため、書き込みが行われている間に調整されることができる。書き込み点における早期の書き込みパターンからのレジスト温度が決定され、適切なビーム調整によって結果の露光ドーズ誤差を補償させるデータが提供される。
【0028】
[0029]以下の詳細な説明を、以下の図面と組み合わせて考察するとき、本発明の、より良好な理解が得られる。
【0029】
(本発明の詳細な説明)
[0030]図1〜図9は、本発明の実施に従った中間範囲近接加熱補償の改善されたシステムおよび方法を示す。
【0030】
[0031]以下で詳細に説明するように、本発明の実施に従ったシステムは「セル」構造を定義し、各々のセルはピクセルのグループである。そして、各々のセルは一様なカバレッジ(coverage)を有するものと仮定される(即ち、カバレッジは1つのセルから次のセルへと異なっていてもよいが、各々のセルの中の全てのピクセルは等しい強度を有する)。各々のセルの中ではフルの公称カバレッジを仮定して、各々のセルの「カーネル」値のセットを解くため、熱拡散方程式が使用される。現在の書き込み点で生じたセル構造内の各々のセルに起因する温度であるカーネル値は、後のリアルタイム計算で使用するために記憶される。セルの形状またはサイズへの制限は課されず、セルが隣接ピクセルから構成されることも必要ではない。したがって、当面の書き込みストラテジに対するリアルタイム計算の正確性および経済性を最大にするセル構造が発見されてよい。
【0031】
[0032]リアルタイム書き込みの間に、所定のセル構造のためにカバレッジマップが構成されるが、カバレッジマップは、書き込まれているパターンに関連づけられた実際のピクセル強度値である。実際のピクセル強度値は総計され、前に定義されたセル構造に従って記憶される。現在の電子ビームスキャンの間に、現在の書き込み点またはその近隣について、前もって計算された「カーネル」が関連セルへ適用され、書き込まれている現在のピクセルまたはピクセル近隣の近接加熱に対する関連セルの寄与が決定される。
【0032】
[0033]一度、温度が決定されると、書き込まれているピクセルまたはピクセル近隣について、ドーズ補正を適用することができる。ドーズ補正は、使用されている特定のレジストについて、温度とレジスト感度との間の関係に関する先験的知識を介して適用される。即ち、普通に使用されるノボラック(Novolac)レジストは、℃当たり約0.2%だけ温度と共に感度を変えるので、レジスト温度の20℃の変化は約4%だけ感度を変えるであろう。この均等ドーズ誤差が補正されないと、特に微細なリソグラフィについて、小さいとは言えないブルーミング効果がeビームパターン上に生じるであろう。
【0033】
[0034]ここで図面、特に図3を参照すると、ラスタスキャンを示す図が示される。ラスタスキャン電子ビームリソグラフィ機械は、典型的には、機械ステージが約1cm/secの速度で直角方向に基板を移動するとき、典型的には、25マイクロ秒ごとに約1mmの長さの線形通路で電子ビームをスキャンする。1つまたは複数の円形または他の形状の電子ビーム300が第1の方向320で周期的にスキャンされ、その間に、第2の直角方向330のステージ移動が各々のピクセル340の露光を提供する。ピクセルは、典型的には、直径が約0.05ミクロンから0.2ミクロンの範囲にあり、約0.2から2.0ミクロンの範囲にあるサイズを有するフィーチャ(feature)を書き込む。各々のピクセル340に対する露光データは露光レベルPijで表され、ここでiおよびjはグリッド350のインデックスである。電子ビーム90がオンまたはオフである場合、それぞれPij=1または0である。より複雑なシステムは、より多くの露光レベル(例えば、64)Pij=0〜63を使用するであろう。これらのレベルは、通常、ドエルタイム変化で実施されるが、ビーム電流変化で実施されてもよい。
【0034】
[0035]1つのビームスキャンの終わりと次のビームスキャンの始まりとの間の時間は約5マイクロ秒であり、「フライバックタイム」と呼ばれる。ビームスキャンシーケンスおよびステージスキャンシーケンスの双方はラスタまたはサーペンタインであってよく、用語「ラスタ」は、ここでは双方を含むように使用される。早期書き込みに起因するレジストの温度は、電子ビームスキャン通路に沿って数十の度数だけ変化してよく、これはドーズ補正が約マイクロ秒ごとに更新されることを必要とする。これらは近似の数値であり、書き込まれている当面のパターン、使用されるeビーム機械、スキャンフィールドのサイズ、基板の性質、要求される正確度、レジストの感度、その他のファクタに依存する。
【0035】
[0036]ベクタスキャン機械は、書き込みが必要な場所へのみビームを向け、ラスタスキャンよりも潜在的にスループットの利点を有する。しかし、ラスタスキャン運動のパターン独立性は、「カーネル」と呼ばれる前もって計算された数のパターン独立リストで近接加熱を補正することを可能にする。カーネルは、以下で説明される。カーネルは、書き込みが現在行われている近隣のロケーションに依存しても依存しなくてもよい。サーペンタインスキャンカーネルはパターンに独立であり、補正が適用されている点のロケーションに依存して、数を含むカーネルアレイに対する追加のインデックスを必要とする。即ち、純粋なラスタスキャンは、このインデックスを必要としない。ベクタスキャンでは、スキャン運動はパターンに依存する。これは、一般的にリアルタイムで計算されなればならないパターン依存カーネルを必要とする。近接加熱の補正を目的としたときのラスタ/サーペンタインスキャンの利点は、近接加熱の温度が、可能性としてベクタスキャンよりもラスタスキャンで非常に低い事実によって増強される。ビームスキャンが、一般的に、単一フラッシュの電子拡散ヒートボール(heat ball)のサイズよりも非常に長いラスタスキャン機械は、現在使用されている典型的なレジスト、例えばノボラックについて、20℃程度の温度だけレジスト温度を増加することが看取される。同じスループットで同じレジストの上に書き込んでいるベクタスキャン機械は、100℃までレジスト温度を増加するが、これは、機械の静電ビーム偏向書き込みフィールドサイズが、単一フラッシュのヒートボールよりもそれほど大きくなく、磁気ビーム偏向を使用してビームを次のフィールドへ移動する前に、フィールドを書き込みで完全に満たさないことに厳しいスループットペナルティが存在するからである。
【0036】
[0037]前述したように、本発明の実施は、eビームの書き込みが行われているときに近接加熱をリアルタイムで計算することを目的として、レジストの近接加熱を予測する方法に関する。近接加熱のリアルタイム評価の主な利点は、集積回路の製造に使用されるeビームリソグラフィ機器の詳細な性能を考察するとき最も良好に理解される。
【0037】
[0038]典型的な現代の集積回路(例えば、Pentium(登録商標)マイクロプロセッサなど)は、10のトランジスタを含み、20以上のリソグラフィ層として製造される。各々のリソグラフィ層は、典型的にはeビームリソグラフィによって製造されたマスクを必要とする。チップデザイナは、コンポーネントが、どのようにチップ上で層ごとに配列されるかの情報を含むデータファイルを提供する。このデータファイルは、典型的には、経済性を関心事とて階層的なフォーマットである「GDS II」と呼ばれるフォーマットを有する。例えば、もし或るパターンが、より大きなパターンの中で繰り返して起これば、「セル」と呼ばれるサブパターンは、一度だけ指定されればよい。したがって、より大きなパターン内のサブパターンの発生は、ロケーションおよび方位について指定されるだけでよい。セルは基本的ジオメトリ、他のセル、他のセルのアレイなどを含んでよい。したがって、GDS II構造は、階層的に成長し、サブシステム、サブ・サブシステムなどの集合から基本的ジオメトリへ回路構造を完全に定義し、最も基本のコンポーネントを製造するためのマスクフィーチャを作る。
【0038】
[0039]GDS IIファイルは、典型的なeビームリソグラフィ機械がマスクを書き込むため直接使用できるようには組織されていない。したがって、GDS IIファイルは、個々の層およびeビーム機械がマスクを書き込む幾何学的順序へ「分解」されなければならない。「フラットフォーマット(flat format)」とは、分解されたGDS IIファイルの典型的な呼び名であり、集積回路を作るときに使用されるリソグラフィマスクの書き込み情報を非階層「フラットファイル」として提供する。ラスタスキャンeビーム機械は、典型的には、GDS IIファイルをラスタスキャン用の1mmのストリップへ分解し、それらのストリップを書き込む順序に並べ替える必要がある。ベクタスキャンeビーム機械は、異なった分解を必要とするかも知れない。
【0039】
[0040]フラットフォーマットへ分解された結果のファイルは、通常非常に大きくなる。例えば、もしピクセルが0.1ミクロン(10−7メートル)であれば、10cm×10cmのマスクは1012ピクセルを含む。もし各々のピクセルが、そのeビーム特性を指定するため1バイトの情報を必要とすれば、フラットフォーマットの中に全ての情報を記憶するためには、1012バイト(1,000Gバイト)が必要であろう。したがって、コンパクトなGDS IIフォーマットをフラットフォーマットへ分解することは、典型的には、eビーム書き込み機械によって即時に使用されるように、必要に応じてリアルタイムで行われる。フラットフォーマットは、GDS IIフォーマットとは異なり、ピクセルが書き込まれる空間および時間の順序に関する情報を含むので、近接加熱はフラットフォーマットから計算されなければならない。分解の前では、GDS IIファイルは、タイミング情報を含まず、eビーム書き込み用の空間情報を、直接にアクセス可能な形式で含んでいない。
【0040】
[0041]原理的には、要求されたeビームリソグラフィプロセスが実際に実行される前に、そのプロセスの近接加熱効果を計算することが可能であろう。したがって、全てのビームおよびスキャンパラメータを指定しながら、候補のeビーム書き込みプロセスを選択できるであろう。任意のパターンについて、どのように長い時間がかかろうと、前述した方法を使用して近接加熱を計算することができよう。次に、候補のプロセスパラメータは近接加熱効果を補償するため調整される。もし必要であれば、近接加熱計算およびパラメータ調整のサイクルは、プロセスパラメータの安定したセットへ収束するように必要なだけ繰り返して再実行することができる。この全てはオフラインで実行される(即ち、eビームリソグラフィが始まる前に、また典型的には、eビーム機器自身から遠いところで)。しかし、大部分の実用的な用途では、このアプローチは、プロセス時間を増大させ、追加のプロセスステップを必要とし、書き込み運動タイミングの正確な予測を必要とし、実際の書き込みが予測に従わなかった場合に失敗するので、推奨されない。
【0041】
[0042]本発明の実施は、eビーム書き込みの時間に匹敵するタイムスケールで近接加熱を予測する方法に関する。通常、チップデザイナによって制作されたGDS IIファイルは、eビームリソグラフィ機械および本発明の実施形態に従った方法によって同時に使用されるように、フラットフォーマットへ断片化される。近接加熱を計算する従来の方法とは異なり、本発明の実施に従った方法は、現代のeビーム書き込みプロセスの調整を、それに応答して可能にするタイムスケールで、レジストの近接加熱を予測することができる。
【0042】
[0043]図4は、本発明の実施に従った電子ビームリソグラフィシステムを概略的に示す。システム400は、制御および補償システム401、および電子ビームカラム402を含む。電子ビームカラム402では、電子ビーム403が生成され、ビーム加速器404で加速され、マスクブランク405へ印加される。カラム402は、更に、ビームブランカ(beam blanker)406および1つまたは複数のビーム偏向器408を含む。ビームブランカ406およびビーム偏向器408は、電子ビームをフォーカスおよび調整する。様々な電子ビームシステムの任意のものが、本発明の教示と組み合わせて使用されてよい。そのような1つのシステムは、Etec Systems社(Etec Systems, Inc., Hayward, California)から入手可能なMEBESシステムである。
【0043】
[0044]以下で更に詳細に説明するように、制御および補償ユニット401は、ビームブランカ406の動作を制御して、加熱されたゾーン412の効果を補償する。具体的には、GDS IIファイルまたは他の同等のファイル414は、加熱補償のために、フラットフォーマットでパターン発生器416へロードされる。様々な加熱および補償プロセッサが、このフラットフォーマットファイルを使用して、補正値を生成する。
【0044】
[0045]図示されるように、制御および補償システム401は、後方散乱補償プロセッサ418、加熱プロセッサメモリ424へ結合された中間範囲レジスト加熱プロセッサ422、および存在しても存在しなくてもよい大域加熱および隣接ピクセル加熱プロセッサ426を含む。以下で更に詳細に説明するように、中間範囲レジスト加熱プロセッサ422および加熱プロセッサメモリ424は、本発明の実施形態に従った加熱補償を実行する。後方散乱補償プロセッサ418は、例えば、前述したように知られた方法で、近接効果を補償する。大域加熱および隣接加熱プロセッサ426は、前述したように、大域加熱を補償する。一度、補償プロセッサがそれぞれの効果を補償すると、得られた補償値をドーズ値へ変換するためテーブルのルックアップ428または類似のプロセスが使用され、次にドーズ値がマスクへ適用される。
【0045】
[0046]注意すべきは、様々な加熱および補償プロセッサは、離散的ユニットとして示されているが、1つまたは複数のプロセッサまたはコントローラおよび関連メモリによって実行される1つまたは複数のソフトウェアモジュールとして実施されてよいことである。代替的に、補償および加熱機能は、1つまたは複数のアプリケーション特定集積回路(ASIC)、またはハードウェアおよびソフトウェアまたはASICおよび汎用またはディジタル信号プロセッサの組み合わせとして実現されてよい。このように、図面は例示的なものにすぎない。
【0046】
[0047]本発明の実施形態は、古典的な熱拡散方程式である方程式1を使用する。
【数1】
Figure 2005508528
方程式1
ここで、Tは温度であり、rは位置であり、tは時間であり、cは容積熱容量であり、kは基板の熱伝導率である。∇はラプラス演算子である。P(r,t)はパターン露光シーケンスであって、パターンを書き込むとき電子ビームによってトレースされた「カバレッジ」である。D(ρ)は、電子拡散モンテカルロによって与えられるように、各々のフラッシュ位置に対する基板内の電子空間エネルギー拡散関数である。ρは、フラッシュロケーションに対する3次元座標空間内のベクトルである。[P(r,t)*D(ρ)]は、PおよびDの畳み込みを示す。畳み込み[P(r,t)*D(ρ)]は、有用には、基板内の指定された空間および時間の点における単位容積当たりのエネルギー蓄積レートとして考えられてよい。方程式1は数理物理学で十分に研究され、それを解くため、商用の熱予測ソフトウェア、例えばANSYSを含む幾つかの手法が存在する。しかし、熱予測をリアルタイムで提供してeビーム書き込みプロセスを制御するには、従来の手法は遅すぎる。
【0047】
[0048]複雑なパターンについて、より迅速に方程式1を解く1つの知られた方法は、単一の電子ビームフラッシュについてそれを解き、結果の計算された位置および時間の温度関数を、書き込みシーケンス内の全てのフラッシュの上に線形に重畳することである。この線形近似は、eビームリソグラフィで典型的に発生する温度と良好に一致した温度を与えることが発見されており、熱パラメータが温度から独立であるとき、方程式1が誘導された微分方程式の線形性によって正当化され、また、このタイプの中間範囲近接加熱の距離スケール上で、境界条件を不変と考えることができるので正当化される。ラスタスキャンで生じる温度上昇は、典型的には適度であり、材料の熱パラメータが温度から独立であると仮定することによって、顕著な誤差は導入されない。
【0048】
[0049]したがって、温度の線形重畳は次のように表される。
【数2】
Figure 2005508528
方程式2
ここで、Σは全てのiにわたる総和を表す。方程式2のTは、現在のビーム書き込み点における環境温度の上の温度上昇を表す。Pは、0(eビーム書き込みが存在しない)から1(フルにカバーおよび露光されたピクセルi)のスケールでi番目のパターンピクセルのeビームによるカバレッジ(書き込み)である。Kは、方程式2のロケーションiにおけるフル露光ピクセル(P=1)に起因する現在の書き込み点の温度上昇を表す。(iは、ここでは、露光を単純化するため単一のインデックスとして与えられるが、実際にはステージスキャン次元およびビームスキャン次元をカバーする二重インデックスである)。
【0049】
[0050]Kの計算は、材料層内の電子散乱エネルギー蓄積の点源モンテカルロマップで畳み込まれた単一のフル露光フラッシュについて方程式1を解き、近接加熱へ顕著に寄与することのできる最も遠いピクセルからの距離および時間間隔をカバーする距離および時間の範囲にわたって、解T(r,t)を作表する(ここで、rはフラッシュから補正点までの表面距離であり、tは経過時間である)ことによって、便宜的に行われることができる。レジストの近接加熱が問題となる高ビーム電圧では、電子散乱のスケールはフラッシュサイズよりも非常に大きいので、フラッシュを点源として考えるか、ガウスのスポットとして考えるか、小さな有形フラッシュとして考えるかに、ほとんど差異はない。したがって、たとえフラッシュが回転対称でなくても、これは単一のフル露光フラッシュについて方程式1の解T(r,t)の回転対称の便宜的仮定を許す。補正点およびピクセルPの相対的ロケーションおよび時間が分かれば、関数T(r,t)を補間して、各々のPについて別々に方程式1を解く代わりに、iの各々の値についてKの値を得ることができる。Kの結果のアレイは「カーネル」と呼ばれ、短縮記号Kで表される。
【0050】
[0051]あたかも完全にここで記述されるかのように、参照してその全体をここに組み込まれるVeneklasenらの米国特許第5,847,959号で説明されるように、ラスタスキャン機械では、結果のカーネルKは、ステージスキャン内で電子ビームスキャン位置から独立であり、また現在のビームスキャン内でビームの位置から独立である。ラスタスキャンにおけるこの独立性の理由は、遠隔早期スキャンにおける所与のピクセルの加熱効果が、ピクセルの相対的位置にのみ依存し、ステージスキャン内のビームスキャンラインの位置または現在のスキャンライン内のビームの位置に依存しないからである。これは、比較的に、空間的に不変であるピクセル間の経過時間が、一般的にビームスキャン内のビームの位置に依存するため、スキャン方向が交替するサーペンタインスキャンの場合に、厳密には当てはまらない。即ち、加熱効果は時間および空間の双方に依存する効果である。しかし、これから説明するように、サーペンタインスキャン機械の近接加熱を計算する追加の手順は、ラスタスキャンの基本的手順の単純な修正である。即ち、以下の説明では、ビームスキャンが常に1つの方向であり、フライバックが他の方向である厳密にラスタスキャンの機械を考慮する。したがって、インデックスiは現在のビーム位置に対して取られると考えることができる。こうして、ラスタスキャン書き込みストラテジでは、カーネルKを前もって計算することができ、リアルタイムで計算する必要はない。カーネルKは、ビームエネルギー、書き込みストラテジ、および基板材料に依存するが、ラスタおよびサーペンタインスキャン機械では、Kは書き込まれているパターンに依存しない。したがって、ラスタまたはサーペンタイン機械の場合、および書き込み運動が、書き込まれているパターンに依存しないストラテジの場合、Kは、正確な(遅いけれども)方法によって前もって計算され、リアルタイムの加熱予測で使用されるように作表されることができる。サーペンタインスキャンは複雑さを導入するが、実際の状況では、カーネルの小さな一部分のみが時間に依存し、前もって計算および作表されてよいので、複雑さは小さい。
【0051】
[0052]目的は、ドーズ修正を使用して近接レジスト加熱をリアルタイムで補正することである。これを行うため、露光点のパターン依存温度上昇を計算しなければならない。原理的には、これは、パターン内で以前に露光された全てのピクセルに起因するこの点の温度上昇を加算することによって行うことができよう。しかし、熱拡散は、非常に長い範囲を有し、時間的近接および位置的近接に依存する。非常に多数のピクセルが、この温度上昇に寄与する。現在の書き込み点の温度に影響を与える過去の書き込みゾーンには、10の書き込みピクセルが存在するかも知れない。現在のビームスキャンに沿った何十という点で、ほぼマイクロ秒ごとに、補正をリアルタイムで計算する必要がある。方程式2で10の値にわたってインデックスを走らせることは、この場合禁止され、現在のマシンでは、iは多くても100から1000の項にわたって走ることができる。したがって、正確性を著しく失うことなく、約10万から100万のファクタの経済性が要求される。本発明の実施によれば、この経済性は、計算をリアルタイムで行わせるために得られる。
【0052】
[0053]解法は、100%のカバレッジを有すると仮定される書き込みピクセルの前もって計算されたセルの総和にわたってリアルタイムで実行される単一の総和へ方程式2を分割することである。カーネル値Kの解法で生じる前もって計算される総和は、計算がどのように長くなろうと、一度だけ「オフライン」の計算(これはリアルタイムではない)によって行われる。これは、スキャンされる区域を書き込みピクセルのセルへ分割し、そのセルが、そこに含まれる書き込みピクセルよりもかなり少ない数になるようにし、温度上昇へのセルの寄与を決定するとき、セル内の全てのピクセルが同じ単位エネルギー入力を有するかのようにそれらのピクセルを取り扱うことが必要である。これは、各々のピクセルが補正点で同じ温度を寄与するものと考えることを意味しない。即ち、各々のピクセルの温度寄与は、熱拡散方程式への前もって計算された解から別々に計算されるが、セルの全てのピクセルの総計温度寄与を計算するとき、各々のピクセルは、熱拡散方程式源関数へ同じエネルギー単位を寄与するものと仮定される。したがって、実際の書き込みでは、もし所与のパターンについてセル内の全てのピクセルが、同じエネルギー寄与で単位が異なる寄与を有すれば、セルの温度寄与は線形スケーリングによって正確に計算されることができる。リアルタイム計算の誤差は、セル内のピクセルが源関数へ異なった量を寄与する場合にのみ生じる。この場合の最悪誤差は、後で説明する方法によって計算可能である。
【0053】
[0054]基本的セルカーネル501の例は、図5で概略的に示される。更に具体的には、図5はビーム衝突点500,現在のビームスキャン502、および現在のステージスキャン504を示す。複数のセル506はカーネル501を構成する。
【0054】
[0055]実際の書き込みの間、結果のカーネルが書き込み点へ適用され、隣接セルからの、書き込み点の増加温度への寄与が決定される。セル506の数を合理的な数へ縮小するため、「等級分けセルサイジング」と呼ばれる手法が使用される。露光の時点および場所で温度上昇を計算するとき、「熱補正セル」が、グループとして考えられるピクセルの総計として定義される。セル506は、異なった形状およびサイズを有することができる。それらのセルは隣接していなくてもよい。それらのセルは、温度が計算されているロケーションの近接加熱に著しく寄与する過去の書き込み区域を覆っている。セルは長方形である必要はないが、スキャンの直交性質は長方形の基本セル構造を暗示し、もし必要であれば、より粗いセルまたは非長方形セルを基本セル構造から構成することができる。例示され実施では、各々の基本セルは、ステージスキャン方向330(図3)に沿って、現在のビームスキャンへの近接性に依存して変化する長さ512(ピクセルまたはビームスキャンラインの単位で)を有し、各々の基本セルは、ビームスキャン方向320(図3)に沿って、場所を問わず同じである高さ510(ピクセルの単位で)を有する。カーネル要素が関係するセルは、基本セル自身であるか基本セルの総計であってよく、この総計は任意の形状を有するか非隣接領域から構成されてよい。
【0055】
[0056]平均ドーズCが、書き込まれているパターンによって寄与される各々のセルに、セル内の全てのピクセルサイトのフル露光から生じる現在の露光点の温度上昇を記述するカーネル内の数Kが関連づけられる。更に具体的には、方程式2の個々のピクセルをセルで置換することで、タスクの算術量が大きく縮小されたが、現在の書き込み点の温度は、温度の線形重畳によって前と同じように計算される。
【数3】
Figure 2005508528
方程式3
これは拡散方程式の線形性によって正当化される。
【0056】
[0057]CおよびKのインデックスiは、実際にはステージスキャン次元sおよびビームスキャン次元bをカバーする空間的2次元のインデックスsおよびbであり、ここでsおよびbは、Cs,bについてパターン内の現在の補正点に対して相対的である。しかし、或るコンピュータ、例えばマイクロプロセッサで計算する最大経済性を関心事として、sおよびbは単純な範囲を有しなくてもよい。即ち、それらは有意でない熱を現在の書き込み点へ寄与するセルからの熱計算を避けることを関心事として、それらの間に複雑な相互依存性が存在してよい。他のタイプのコンピュータ、例えばディジタル信号プロセッサでは、この経済性を利用しようとすることは有利ではなく、実際に計算をスローダウンさせるかも知れない。現在の目的では、sおよびbを単純なインデックスiと考えるのが容易であり、インデックスiは含められるべき項のリストを索引し、それらの項は、sおよびbを明示的に参照するか、コード内で暗黙的に参照する。
【0057】
[0058]もしCが正規化されるならば、セル内の全てのピクセルのフル露光はC=1を生じ、この場合、Kは、フルに露光されているセルiの全てのピクセルに起因する補正点の実際の温度上昇の度数である。ちなみに注意すべきは、パターンがiで索引されたセルの全てのピクセルのフル露光を要求し、Cが正規化されたとしても、他の補正、例えば後方散乱電子に対する補正が、1とは異なる値、更には1より大きい値へCを変化させるかも知れないことである。実際に、Cは露光に影響を与える全ての補正を含み、更には加熱自身の補正を含む。これは、ビームスキャンが非常に早いのでそれ自身の熱波を追い抜き、現在のビームスキャンは、書き込みが現在起こっているレジストを有意に加熱しないので、ラスタスキャン機械で起こり得ることである。(近隣ピクセルに起因するこのタイプの加熱に対する小さな補正は、後で説明する)。したがって、本発明の実施は、例えば、現在のビームスキャンよりも早期のビームスキャンによって生じた近接加熱を決定するだけである。これらのビームスキャンは過去の事象であるから、後方散乱近接補正および加熱自身の補正を含む正確なドーズを知ることができ、したがって計算に入れることができる。
【0058】
[0059]高電子ビーム電圧に関連する本発明の実施の態様は、それが直接露光への近接加熱効果を補正するだけでなく、後方散乱電子へ応答するレジストの加熱効果を大きく補正することである。これは2つの理由によって真である。即ち、1.電子拡散モンテカルロ誘導熱源に基づく熱拡散方程式の解は、1次または2次であれ、前方散乱または後方散乱であれ、全ての電子を含み、2.後方散乱電子の到着は、実際には直接露光と同時であり、また過去の書き込みに起因する加熱は、追加の熱拡散を伴う後方散乱を起こす電子拡散と同じメカニズムによって拡散されるからである。したがって、加熱補正が現在の直接露光ドーズを補正するとき、それは直接露光が起こす後方散乱をも補正する。したがって、直接露光および後方散乱電子の双方に対する加熱補正の効果は、露光が一定温度のレジストの上で起こっていることを後方散乱補正プロセッサへ知らせることである。書き込み点の温度は後方散乱領域で正確に一定ではなく、意図された露光の電子によるレジストの直接加熱と後方散乱領域との差に起因する2次効果が存在するが、これらは大きな効果ではないことが示された。
【0059】
[0060]方程式3へ戻って、ピクセル露光のスキャンおよび順序の正確な軌道は、ラスタスキャンシステムでは常に同じであるから、K値は基本セル高の増分でただ一度だけ前もって計算され、ビームスキャンに沿った任意の補正点で使用されてよい。このようにして、ランタイムの加熱補正が可能である。補正が計算されるセル境界および点は、純粋なラスタスキャンのためにK値の1つのセットのみが記憶されなければならないように選択される。ビームが、1つのビームスキャン上でステージスキャンのトップからボトムへスキャンし、次のビームスキャンでボトムからトップへスキャンし、以下同様にスキャンするサーペンタインスキャンでは、現在のビームスキャンとは反対方向の近時のビームスキャンによって影響を受ける少数のK値は、現在のビームスキャンに沿った補正点の位置に依存し、したがって現在の補正点のロケーションを索引されるアレイから得られなければならない。しかし、最も近時のスキャンを除く全てのスキャンによって影響されたK値の大部分は、実際にはサーペンタインスキャンおよびラスタスキャンについて同じであり、現在の補正点のロケーションとは無関係に、値の固定テーブルが使用されてよい。
【0060】
[0061]基本セル506の長さ512および高さ510(図5)は、同時に最適の正確性を維持しながらK要素の数を扱いやすいように選択される。各々のセル内の実際のピクセルカバレッジがフルまたは一様であったとすれば、本発明の実施形態の方法は、セルスキームがどのように粗くても、計算された温度が全く正しいことを保証する。方法は、各々のセル内のカバレッジは平均と同じ値を有して一様であるが、部分的にカバーされるセルでは、カバレッジは一様でないと仮定するので、誤差が生じるかも知れない。本発明の実施は、この誤差を最小にして公差内に収め、同時に、選択されたプロセッサの能力内に計算を維持するようにセルを構成する方法を発見する。
【0061】
[0062]セルの長さ512および高さの双方は、露光点からの空間および時間的遠隔性に従って変化してよい。510よりも大きい高さのセルを構成するため、一定の高さ510の整数倍でセルをグループ化する。これは、高さ510を可変にするよりも非常に簡単であることが発見されたが、他の実施では可変にするのが望ましいかも知れない。セルサイズのこの等級分けは、露光点から遠く離れて寄与するピクセルの大きな増加を補償し、セルの数を管理可能に維持することを可能にする。
【0062】
[0063]ビームスキャンライン502に沿った基本的セル高510は、基板内の電子の散乱範囲に匹敵するか、幾分大きくてよい。これは、過去のパターン詳細からの熱入力が電子散乱によって拡散され、各々のフラッシュによって蓄積された熱の中心がフラッシュサイズよりも10〜100倍だけ深いので、露光点500に非常に近くても当てはまる。熱拡散は電子拡散へ加えられ、細密なパターン詳細を不鮮明にする。ガラス上の50kV書き込みでは、16〜128の「バンド」108(図5)に沿って基本的セル境界を規定し、各々のバンドをビームスキャン軸に沿って約8〜64ミクロンの幅にするのが合理的である。16は、大きくても許容可能な誤差を与えるかも知れない。64または128より大きいバンドは、少しの正確度が得られるが、計算時間がコスト高になり、方法の他の部分で計算時間を使った方がよい。前記の数値は典型的なものであり、ステージスキャンを横切るバンドの数は機械のビーム電圧および基板材料の原子組成および密度に依存し、それは電子散乱範囲がそのように依存し、エネルギー蓄積の深さ、したがって熱拡散がそのように依存するからである。熱伝導率もこのパラメータに影響する。例えば、ガラスおよびサファイアは、同様の原子定数を有する化学元素から作られているが、サファイアはガラスよりも非常に良好な熱導体である。
【0063】
[0064]ビームスキャン方向の基本バンドの数を決定する1つの方法は、ビームスキャン方向でステージスキャンを大きな数のバンドへ分割し、スキャン方向のバンドの高さが基板内の電子拡散長よりも非常に小さくなるようにし、結果の基本カーネル要素を計算することである。もし最近のスキャンラインの隣接バンドが同様の温度を寄与すれば、バンドは不必要に狭く、より粗いバンドを使用することができる。最適セル構造を決定する固定的規則を与えることはできないが、これは最終的選択が、リソグラフィ機械の誤差予算および使用されるレジスト加熱プロセッサの速度およびタイプに依存するからである。賢明なデザインは、様々なオプションを考慮して、衝突する要件の間で最良バランスへ到達するオプションを発見するであろう。
【0064】
[0065]図6Aおよび図6B(「図6」)は、基本的セルカーネルを詳細に示す。以下で詳細に説明するように、現在のビームスキャン502、現在のステージスキャン504、複数の基本セル506、および複数のバンド508−1〜508−32が示される。欄のヘッダは、特定のセルに含まれるビームスキャンライン数を表す(即ち、セル長を表す)。もしスキャンライン0が現在のビームスキャンであれば、1は直前のビームスキャンであり、以下過去へ向かって同様である。このカーネルの各々のセルに対する数は、対応するセル内の全てのピクセルがフルの公称露光を受ける場合に生じる温度である。全体のステージスキャンを一般的に満たすセルカバレッジは、図6に示されていない。即ち、これらのカバレッジは、パターンごとに変化し、したがってステージスキャンに沿って変化するが、カーネルはラスタスキャンにおける数の固定セットであり、この固定セットは、図6の例ではバンド13と14との間に示されるようにビームスキャン方向の補正点のロケーションから独立であり、またステージスキャンに沿った現在のビームスキャンのロケーションから独立である。
【0065】
[0066]図5を参照すると、ステージ移動軸330に沿ったセルの長さ、およびビームスキャン方向320内のセルの高さは、そのセルに対するKのカーネル値がセル内の露光分布からできるだけ独立であり、同時にカーネル項の数を管理可能に維持するように選択される。セルの数を最小化する第2の指導原理は、各々のセルが補正点で同様の温度を寄与するように、セルのサイズおよび形状を選択することである。この規則は、寄与がゼロへ落ちることが必要なカーネルエッジで緩和することができる。
【0066】
[0067]更に具体的には、図示されるように、ステージスキャン方向330のセルの長さ512(図5および図6)は、露光点からのその距離が増加するにつれて増加することができる。例えば、典型的なラスタスキャン露光レートでは、セル長は、現在のスキャンラインに近い幾つかのビームスキャンラインに対する1ピクセル幅(約0.1μm)、すなわち、1ビームスキャンライン幅から、露光点から遠い数千ピクセル(100μmから1mm)まで変化してよい。補正が計算されている同じスキャンライン502に沿った隣接ピクセルからの基板加熱は、ラスタスキャンビームが熱の伝搬よりも早いので無視できる。これは、本発明の実施形態の方法を使用する加熱補正が、過去のビームスキャンを考慮するだけでよいことを意味する。これはラスタスキャンが、完了したビームスキャンからのデータであって加熱に対して既に補正されたデータのみを、加熱補正スキームへの入力ピクセルデータとして含めることを可能にするので、ラスタスキャンの重要な特性である。したがって、ラスタスキャンの加熱補正は、それ自身の効果を含み、高次の項を反復または考慮する必要がない。
【0067】
[0068]セルの数を更に縮小するため、セルの高さを露光点から遠くして、ビームスキャン次元で幾つかの基本セルバンドをカバーすることができる。カーネル要素の数を更に制限するため、トータルの加熱寄与が顕著である領域にのみカーネル要素を置く必要がある。この経済性が望ましいかどうかは、前述したように、使用されるプロセッサに依存する。計算のこの経済性を有効にすることは、マイクロプロセッサでは有用であるかも知れないが、おそらくDSP(ディジタル信号プロセッサ)では有用でないかも知れない。この経済性は、K要素が外側に存在しないカーネル境界を作り出す。この境界は、一般的に、単純なジオメトリを有しないので、前述したインデックスsおよびbの範囲は単純な規則を有しない。その結果、補正が計算されている任意の点で、各々のカーネル要素について対応するセルが存在するが、その逆は当てはまらない。各々の補正点では、対応するカーネル要素が存在しない多くのセルが存在するが、これは或るタイプのプロセッサについてはかなり経済的である。図6の白い空間は例である。
【0068】
[0069]動作において、ビームがステージスキャンの1つの端から他の端までスキャンするにつれて、カーネルスキームはセルスキームの上をスクロールする。最終的に、非ゼロのカーネル要素がセルの上をスクロールするとき、セルアレイ内の各々のセルが計算の中に含められる。
【0069】
[0070]各々の新しいビームスキャン102(図6)は、ステージスキャン330方向のカーネルスキームのスクロールに対応する。これは、次のビームスキャンのために計算を始める前に各々のセルのスキャンラインメンバーシップを更新することを必要とし、セル当たりのスキャンラインの数が2の累乗である場合にバイナリーマシンで容易なプロセスであるが、セルの正規化を単純化する。現在の直前のスキャンラインから遠い過去へ進むステージスキャン次元におけるセル当たりのスキャンラインカウントの例は、次のようである。
1,1,1,1,1,2,2,4,4,8,8,16,16,...4096,4096.
[0071]カーネルスキームにおける結果の高度の対照性のために、もし補正点がビームスキャン方向320の基本セル境界で選択されれば、カーネル要素、したがってプロセッサ乗算における2つの経済性のファクタが可能である。即ち、共通のカーネル要素が、次の形式の項の外へ因数として取り出される。
【0070】
K・Cp+K・Cq=K・(Cp+Cq)
これは、各々のペアまたは項について乗算を節約する。図6は、これがどのようにして可能であるかを示す。特に、カーネルは軸551に関して非常に近い対称性を示す。したがって、「太字」値552aまたは非太字値552bのためにのみ乗算が要求されるように、カーネル値が因数として取り出されてよい。
【0071】
[0072]ステージスキャン方向330の典型的なグループ化は、補正が計算されている現在のスキャン502から後方へ幾つかのスキャンラインについて1つだけのスキャンラインをセルが含むようにし、次にセル当たりのスキャンラインの数を、より遠い過去へほぼ指数的に増加させる。最も近時のスキャンラインは加熱に対して最も著しく寄与し、それらの寄与は過去へ行くにしたがって急速に低減するので、C要素を構成するときスキャンラインを未成熟にグループ化し始めると、不正確性を生じることが示された。図6のタイプのカーネルを計算した後、もし必要であれば、より正確にセル境界を調整して、前述した指導規則を満たすことができる。
【0072】
[0073]ビームスキャン方向320では、現在のビームスキャンライン502の電子散乱範囲の中に存在する全てのスキャンのために、バンドの選択された数、例えば図6の例の32を使用する。この例では、もしスキャンラインが0.1ミクロンだけ離れており、散乱半径が10ミクロンであれば、現在に先立つ少なくとも100スキャンラインについて、セル当たり1つのバンドを有するであろう。次に、セル当たり2バンドを使用し、次に4バンドを使用し、次に8バンドを使用し、最終的に、図6の陰影部分で示されるように、最も遠いセルのためには16バンドを使用してよい。これらは、セル構造への最初の近似を案出するための大まかな経験則である。ビームスキャンラインをステージスキャン方向330でセルへグループ化する提案については、ビームスキャン方向320の最適グループ化を推量しようと試みる代わりに、バンドをグループ化しないで基本カーネルを計算し、次に検査によって最適バンドのグループ化を決定するのが有利であろう。
【0073】
[0074]図6は、左の欄で番号を付けられた32のバンドへ分割されたステージスキャンについて計算されたラスタスキャンのカーネルスキームの例である。各々の欄のセルに含まれるスキャンラインは、欄のヘッダに示される。1は完了したばかりのスキャンであり、2はその前のスキャンであり、以下同様である。この例でセルの各々の欄に含まれるスキャンラインの数は、それぞれ、1,1,1,1,1,1,1,2,4,8,16,32,.....8192である。このスキームは、正規化を仮定されたセルシステムについて計算され、したがって、図示された数は、各々の基本セル内の全てのピクセルのフル露光が補正点100(これは、この例では、セルバンド13と14との間の境界にあるビームスキャン0の上にある)で寄与する温度上昇の実際の度数である。
【0074】
[0075]カーネル要素は、或る仮定された公称露光ドーズ、例えば20μC/cmについて計算され、もし使用されるレジストが異なった速度を有すれば、線形にスケーリングされる。しかし、一般的に、他の簡単なスケーリング規則は存在しないことを理解するのが重要である。即ち、カーネルは他のパラメータ変化、例えばビームスキャン長、スキャン反復周期などについてスケーリングされることはできない。そのような変化は、カーネルの完全な再計算を必要とする。
【0075】
[0076]図6は、バンド境界上の補正点について計算されたので、高度の明白な対称性のために、太字で示された数字のみを記憶する必要がある。(カーネルは少し非対称であるから、最終のカーネルは対称的に関連づけられるカーネル要素のペアについて算術手段を使用すべきである。)図6のスキームは、ビームスキャン方向320のセルを総計することなく計算されており、すなわち、それは一様バンドシステムの基本セルの温度寄与を示す基本カーネルスキームである。しかし、陰影の付いたブロックは、各々のブロックが各々のバンド508の中でほぼ等しいカーネル値を有するので、スキャン方向320のそのような総計がどのように達成されるかを示す。したがって、例えば、ブロック555aの2つのバンドが総計されてよく、555bの4つのバンドが総計されてよいが、それは隣接したバンドが、この例では、単に千分の幾つかの度数だけ異なる温度を寄与するからである。これらのセルをストレージ内で総計するのが良いか、計算の間に各々のブロックから共通のK値を因数として取り出すのが良いかは、スキームを実施するプログラマに残された意思決定であり、プログラマは、手元のプロセッサを使用して、どれが効率的であるかを決定することができるであろう。
【0076】
[0077]図6の例では、補正点で約0.003度よりも小さい温度上昇を寄与するバンドセルについて、基本セルカーネル要素が省略されている。これは、補正点で小さいが計算可能な温度の過小推定を生じる。セルの総計は、更に、ステージスキャン方向およびビームスキャン方向の双方で達成されてよい。したがって、ブロック554は、双方の方向で幾つかのセルを横切る。そのような総計は、総計内の基本セルのカーネル値が相互に対して比較的近い場合に使用されてよい。基本セルが、より大きなセルに含まれるとき、基本セルが隣接していることも必要でない。
【0077】
[0078]小さなカーネル項を省略し、ビームスキャン方向320の多数のバンド508およびステージスキャン方向330のスキャンラインをグループ化する経済性は、或るタイプのプロセッサ、例えばマイクロプロセッサの場合に有利であるかも知れない。スカラー積を非常に早く実行するようにデザインされたプロセッサ、例えばDSP(ディジタル信号プロセッサ)の場合、これらの「経済性」は利点を生み出さず、むしろ計算速度を遅くするかも知れない。この理由によって、我々は、セルスキームのために固定した規則を提案せず、リアルタイムで補正を行う利用可能な時間の制約の中で、正確性を最適化する様々なアプローチを示唆する。例えば、ほとんど一定のカーネル要素を因数として取り出すことによってバンドをグループ化するとき、K・(....Ci−2+Ci−1+C+Ci+1+Ci+2,...)は2つの方法で実行されることができる。すなわち、1.C項は、図6の陰影区域(例えば555)によって示されるように、ビームスキャン方向の基本セルとしてグループ化しないままCストレージの中に残し、ドットスカラー積の計算で合計することができる。結果の複合セルは、図6の不規則な形状の区域554によって示されるように、長方形である必要はないことに注意されたい。代替的に、2.各々のビームスキャンの後でCメモリを更新するとき項を合計し、総計を表す1つだけのC数を記憶することができる。もし後者の選択をすれば、補正点の位置から独立したカーネルを利用することができない。すなわち、各々の補正点のために別々のカーネルを記憶しなければならないが、これは重大な負担ではない。各々の補正点に対するカーネルは、図6のような基本セル図から得ることができるが、それは基本セル図から陰影を除き、どのようにメモリ内のセルの総計を選択したかを示すストレージのマップにわたってそれをスクロールすることによって行われる。各々の補正点のために、セルへのバンド寄与を含むストレージマップ内で図6のような図のバンド寄与を読むことができる。
【0078】
[0079]或るプロセッサタイプは1つの選択から利益を得ることができ、他のプロセッサは他の選択から利益を得ることができ、ビームスキャン方向のセルの総計から全く利益を得ないプロセッサが存在するかも知れない。しかし、書き込みピクセルをバンドへ総計し、各々のバンド内のセルがスキャンラインのグループを含むようにすることは、補正をリアルタイムで計算しようとする場合に、今日のプロセッサで絶対に必要であるように見える。
【0079】
[0080]あるとすれば、隣接するステージスキャン505内の書き込みは、スキーム内で明白に無視されるが、その理由は、それが起こった後の時間経過が十分に大きく、その温度寄与が小さくなるか、もし大域加熱プロセッサがリソグラフィ機械に含まれるならば、そのようなプロセッサによって対処できるからである。図6は、隣接したステージスキャン505の中へ重複するカーネル要素を示す。この重複が起こる場合、カーネル要素が計算の間に無視されなければならないか、2つの隣接するステージスキャンに対応してストレージの中に提供されたCセルが、永久的にゼロへ設定される。しかし、全ての有意のカーネル要素は、もし或る補正点のために現在のステージスキャンの中に存在することができれば、カーネルの中に存在しなければならない。
【0080】
[0081]マスクブランクの温度は、書き込みが進行するにつれて、多くの分または時間のタイムスケールで、徐々に数度まで上昇する。先進の機械は、おそらく、マスクブランクの熱膨張を決定する目的で、この温度を決定する特別のプロセッサまたはセンサを装備しているであろう。前述の大域加熱と呼ばれるこの温度上昇は、もし現在の書き込み点で利用可能であれば、本発明の実施形態に従った方法によって計算された温度上昇へ加えられなければならない。
【0081】
[0082]図7Aおよび図7Bは、本発明の実施に従った方法の動作を詳細に示す。ここで図7Aを参照すると、所与の書き込みストラテジのためにセル構造およびカーネルの決定を示すフローチャートが示される。選択されたビーム電圧および基板材料について、電子散乱モンテカルロシミュレーションが実行され(701)、単一フラッシュの基板の熱源関数加熱分布が決定される。これは単位エネルギー(例えば、1マイクロジュール)のフラッシュへスケーリングされる。前記の源関数を使用して、熱拡散方程式(702)が解かれる。次の近似およびショートカットが、十分な正確性を与えるように発見されるかも知れない。すなわち、熱計算でレジストおよびマスク層を無視するか、それらのために典型的なパラメータを使用する。これらの層は、通常、非常に薄い。もしフラッシュが基板内の電子拡散の範囲と比較して小さければ、フラッシュの回転対称を仮定するが、これは3つの空間座標ではなく2つの空間座標で解くことを可能にする。無限積層基板の上に書き込むことを仮定し、すなわち、エッジ境界条件を無視する。
【0082】
[0083]次に、表面温度の解が、フラッシュからの時間および径方向距離の関数として作表される。もし対数半径線形深さ円筒座標が使用されるならば、拡散方程式の数値解法が促進される。しかし、対数半径座標は、ゼロに近いrについて特別の処理を必要とする。もし非常に細密なステップ期間が使用されないのであれば、作表される解の中で補間するため、特殊関数が必要であるかも知れない。
【0083】
[0084]シフテッドインパルス応答関数703(以下で説明する)が、最初の試行で使用されてよく、もしその2つの処分可能なパラメータが正確な解への良好な当てはめを与えることを決定されなければ、大きな距離および時間で使用されてよい。704では、バンド幅、したがってスキャン当たりのバンドの数を決定するため、ビームスキャン方向320(図6)のバンドの数が、ビームスキャン長を電子拡散範囲で除算することによって選択される。バイナリーマシンを使用する計算の便宜上、これは次に高い2の累乗へ丸められてよい。各々のバンドおよびスキャンラインにおける各々のピクセルの単位カバレッジを仮定して、純粋なラスタスキャンの温度が計算される(705)。これは、補正点のロケーション・モジュロ1バンド幅から独立である。2つのバンドの間の境界についてそれを計算することは、非常に対称に近いカーネルを生じる。全ての過去の書き込みの単位カバレッジを仮定して、アレイの合計は、選択された補正点の温度である。恣意的に遠方の過去のスキャンラインまで計算が実行されるにつれて、温度が表示されるようにテストコードを書くことは、漸近的温度の発見を可能にする。これは、様々なカバレッジのシナリオについて反復されることができる。提案された粗いセルスキームについて、温度が計算され、リアルタイムプロセッサの同じカバレッジシナリオをシミュレートする。もし誤差が所定の公差範囲の外にあれば、粗いセル構造はそれに従って変更され、704および705が繰り返される。不必要に高い正確性は、より粗い構造を示唆するか、より経済的なプロセッサを示唆するか、これらの双方を示唆する。
【0084】
[0085]図7Bは、書き込み点の温度のリアルタイム計算、および基板の加熱を補償するドーズ修正を示す。711では、現在書き込まれたスキャンラインごとに、書き込まれたピクセルが、高速加算器(図示されていない)によって各々のバンドのために総計される。例えば、もし8192のピクセル/スキャンおよび32のバンドが存在すれば、ピクセルは8192/32=256のグループで合計される。便宜上、この加算器は、もしグループ内の全てのピクセルがフルの公称ドーズで書き込まれるならば、その出力が或るバイナリースケールで1.000であるように設計されてよい。これらの数は、図7Aで決定されるようなセル構造に依存して、この例ではスキャン方向に33セルを有し、ステージスキャン方向に8192または16384または或る高次の2の累乗を有する2次元循環バッファ(図8、以下で詳細に説明する)へロードされてよい。
【0085】
[0086]各々のスキャンが完了した後、このアレイ(図8)内のステージスキャンインデックスは1だけ減少され、したがって現在モジュロバッファサイズよりも高い値は、過去のスキャンラインに対応する(713)。このバッファへのステージスキャンポインタは循環するから、現在を超えて16384よりも古いスキャンラインは、次のスキャンによって上書きされる。712では、現在のスキャンのピクセルの累積と同時または幾分前に、図7Aでデザインされた粗いセルマップの上にカーネルを被せることによって温度が計算され、典型的にはバンド境界上の点にある現在の補正点のために、粗いセルマップのセルとカーネルとのスカラー積を取ることによって、温度がリアルタイムプロセッサ422(図4)によって計算される。本発明の実施形態の基板加熱プロセッサ422(図4)の責任は、現在のビームスキャンに沿って選択された点の温度を計算することである。
【0086】
[0087]714では、この数は機械のデータ通路の中で第2の非常に高速のプロセッサ(例えば図4の428)へ送られ、この機械はテーブルの中でパターン要求ドーズを与えられたピクセルごとの実際のドーズ、後方散乱コンピュータ418(図4)からの後方散乱量、バンド境界の温度、および可能性としてドーズに影響する他のファクタをルックアップする。このプロセッサは、更に、ピクセル番号を供給されることができるので、それは原則としてバンド境界の間の位置から現在のピクセルの温度を補間することができる。このプロセッサのメモリへロードされたテーブルは、使用されるレジストのために前もって計算され、温度へのレジストの感度、更に必要であればこの感度の非線形性を明らかにする。
【0087】
[0088]図7Bで注記されるように、前述した事象は、計算されたピクセルドーズが書き込まれる前に更に修正されるのでなければ、実際の書き込みよりも早い恣意的時間に起こってよい。現在のスキャンライン内のピクセルの全てが711のバッファの中に累積された後、712内の粗いセルメモリが711のデータの全てから更新される。これを行う方法は、バッファ構造およびそれらの内容からコンピュータ・プログラミングに知識を有する者に明らかであろう。前述したカーネルの畳み込みは、712のメモリのデータを使用して行われる。
(実施の態様)
[0089]セル内のKの値は、もしその成分ピクセルの全てが露光されたのであれば、正規化されたセルと仮定して、そのセルからの温度寄与を指定する。もしセルが正規化されないのであれば、正規化ファクタをKの中に保持することができるが、これは一般的に浮動小数点プロセッサを必要とする。実際の書き込みの間に、補正点の温度に対するセルの実際の熱の寄与は、その値Kと、蓄積されたエネルギーの平均測度とを乗算したものである。前に注意したように、温度は次の畳み込みを使用して評価される。
【数3】
Figure 2005508528
方程式3
これはリアルタイムで評価され、ここで、Cijは、様々な補正が適用された後の分数パターンカバレッジである。前述したダブルインデックスs、bとしてiを書くことによって、短縮語CijはCs,b+jと書かれる。jが進むとき、カーネルはビームスキャン方向で1バンドだけセルに対して進む。iは同じカーネル要素Ks,bの上を走るが(ラスタスキャン)、jは進んだから、Cs,b+jは異なったセットである。スキャンに沿ってバンド境界上の補正を計算するため、カーネルに関する露光サイトjの位置が変更される。スキャンフィールドの外側の露光されない区域は、ゼロパターンカバレッジCij=0によって表される。これは、前述したように、次のストライプが露光される前に、隣接したステージスキャンストライプ内で露光されたパターンからの加熱が効果的に消失するので許される。これは、もし基本セルをビームスキャン方向で総計しなかったならば、前もって計算されたK値の同じセットが、ラスタスキャンのスキャンフィールド内のどこへでも適用されることを可能にし、したがってK項のインデックスjの不在を可能にする。しかし、サーペンタインスキャンでは、原則としてjの各々の値についてK値の異なったセットが必要である。実際には、それらは、少数の最も近時の過去の奇数スキャンライン、例えば図6のライン1および可能性としてライン3および5についてのみ必要である。カーネルの残りは、ラスタスキャンとサーペンタインスキャンとの間で区別することができない。
【0088】
[0090]もし、例えば、図6のように32バンドスキームが使用され、カーネル対称を利用するためバンド境界の上の補正点についてカーネルが計算されたならば、インデックスj=0は、ステージストライプのボトムに対応し、j=32はステージストライプのトップに対応し、したがって33の温度が各々のビームスキャンについて計算されるであろう。これらの温度に依存する補正は、補正点を無視してバンド中心の間の全てのピクセルへ適用されることができるか、もし十分な計算パワーを利用でき、書き込みの幾分前に補正を計算するのであれば、それらに依存する温度または補正を、各々のピクセルのために補間することができよう。
【0089】
[0091]望ましくない交差項および加熱補正における高次の効果を避けるためには、散乱近接効果を既に補正されたデータへ加熱補正を適用することが重要である。熱の拡散性のために、ピクセルに必要な補正は、それが起こす後方散乱を大きく補正するであろう。したがって、書き込みが一定加熱感度のレジストの上で生じていること、または同じことであるが、近接加熱がないように見えることを、近接後方散乱補正データへ明らかにする仕事を加熱補正プロセッサ422(図4)へ効果的に割り当てることができる。加熱補正を計算するために使用されるピクセルデータは、近接レジスト加熱自身を含む全ての補正を含むべきである。これは、現在のビームスキャンが自己を加熱しないため、前述したように高電圧ラスタスキャンリソグラフィで可能である。したがって、加熱補正は、過去のビームスキャンで既に起こった書き込みのみを補償し、現在書き込まれているものを補償しない。
【0090】
[0092]各々のピクセルへ渡されるトータルの露光ドーズおよび熱の双方は、ビーム電流と露光時間との積に依存し、したがって近接加熱のドーズ補正は、ビーム電流を変調するか、各々のピクセルが露光される時間を変調することによって適用されてよい。
【0091】
[0093]最後のステップは、各々のバンドのために補正点が存在するものと仮定して、各々のj補正点の温度を得るためカーネル要素によってカバーされる全てのセルからの寄与K・Cijを合計する。補正は、もしプロセッサ422(図4)がパターンによって誘導された温度変動を正確にたどらないという費用をかけて強制されるならば、より少ない頻度で計算されることができよう。補正は、例えば、バンド境界およびバンド中心の双方で、各々のためにカーネル要素のセットを記憶するという費用をかけて、より多い頻度で計算されることができよう。次に温度は、正しいピクセルドーズを出力するため、個々のピクセルドーズをアドレスデータとしてルックアップテーブル428(図4)へ渡される。ルックアップテーブルの内容は、レジストの熱感度特性を反映する実験的原点データから計算される。計算は、近接後方散乱補正および直接加熱効果を有する非畳み込み交差項を含んでよい。温度を得るための合計はマイクロ秒のタイムスケールで行われるが、ビームスキャン方向におけるセルへの書き込みピクセルの合計およびテーブルルックアップは、ピクセルごとに行われなければならず、したがって可能性として、これらの演算が別個のハードウェア部品で行われることを必要とするかも知れないナノ秒のタイムスケールで行われなければならない。
(セルストレージCの構成と更新)
[0094]各々の完了したビームスキャンのために、セル成分への合計を仮定されたピクセルデータからセルメモリを初期化する方法は、プログラミング技術に通常の知識を有する者に明らかであろう。これを達成する方法の以下の説明は、例としてのみ与えられる。
【0092】
[0095]主な問題は、元のデータからセル内のカバレッジを決定することである。単純な実施は、現在のビームスキャンがビームスキャン次元のセルへ総計された後に、それを2次元循環バッファBへロードすることである。次に、ステージスキャン次元における現在のビームスキャンのロケーションを示すそのようなバッファBへのポインタが、次のビームスキャンのセルを受け取る準備として減少される。バッファBは、セルメモリC内で表された全てのスキャンラインを含めるため、ステージスキャン次元で十分に大きくなければならない。
【0093】
[0096]典型的には、現在のステージスキャンの先行するミリメートルのみが、Cアレイの中に保持される必要がある。各々の新しいステージスキャンのスタートで、このアレイはクリアされる。もしステージスキャンの間に障害が起こり、書き込みを中止しなければならない場合、加熱補正のために、或る固定時間、典型的には1秒よりも小さい強制遅延を導入して、レジストを冷やすことが必要であり、次にCアレイはクリアされて、新しいステージスキャンのように書き込みが再開される。そのような障害は、パターンデータ通路コンピュータをオーバーロードするデータフローによって生じるかも知れないが、典型的には、良好に処理された機械では稀である。
【0094】
[0097]更に具体的には、そのようなセルメモリCおよび循環バッファBは、図8に示される。Bメモリはセルを有する2次元アレイであって、このセルは、ビームスキャン次元の各々のバンド、および現在のポインタ値がpであるステージスキャン方向で記憶される必要がある数の過去のスキャンラインに対するものである。次に(p+n)モジュロbがn番目の過去のスキャンラインをポイントする。循環バッファBは、典型的には8192または16384の過去のスキャンラインを含み、典型的には32または64のバンドを含むが、明瞭にするため、図8は16の過去のスキャンライン800および4つのバンド802を示す。更に、図示されるように、CメモリもBメモリと同じ数のセルをビームスキャン方向に有するが、それらを5つのアレイ802、804、806、808、810へ総計している。アレイ802はスキャン1を記憶し、アレイ804はスキャンライン2を記憶し、アレイ806はスキャンライン3および4を記憶し、アレイ808はスキャンライン5、6、7、8を記憶し、アレイ810はスキャンライン9、10、11、12、13、14、15、16を記憶する。現在のスキャンラインの各々のバンド内のピクセルが合計された後、その合計は現在のスキャンライン0の現在のバンドに記憶される。実際には、各々のバンド内のスキャン方向に、合計された128または256のピクセルが存在するかも知れない。この合計は、ディジタルまたはアナログ/ディジタルハードウェアの特別の部品を必要とするかも知れない。
【0095】
[0098]各々のビームスキャンの後、Bメモリへのポインタpが進められ、CメモリはBバッファから更新される。これは、Bメモリ内の現在のスキャン0を新しいスキャンライン1にし、1は2になり、以下同様である。前記の図の新しいスキャンライン1および2は、単純にCメモリ内の1および2と置き換わる。Cメモリ内の次のアレイ806は、古いスキャンライン3および4を含む。新しいスキャンライン3は、バンド方向でセルごとに加えられ、Bメモリ内の古いスキャンライン4、現在のスキャン5が減算される。同様に、スキャンライン5、6、7、8の各々のバンド内に合計を含むCバッファ808の次のアレイで、新しいスキャンライン5が加えられ、古いスキャンライン8、現在のスキャンライン9が減算によって廃棄される。
【0096】
[0099]Cブロックが2の累乗数のスキャンラインを含むことは必須でないが、もし含むならば正規化が単純化される。したがって、バイナリーマシンでは、Cブロックは、0と1との間の数を含み、1が各々のバンドについてブロック内のフルカバレッジを表すように、正規化を維持されることができる。このようにして、対応するカーネル要素Kは、そのバンドおよびブロック内のフルカバレッジに起因して、書き込み点の実際の温度上昇であることができる。
【0097】
[0100]本発明では、隣接したスキャンからの加熱寄与を無視するので、BおよびCメモリは各々のステージスキャンのスタートでゼロへ初期化される。これが正当化される理由は、ステージストライプの間でステージを機械的に移動するために必要な時間が、十分に長く、新しい書き込みが始まる前に、熱の消散を可能にするからである。Bメモリからセルへ到着するビームスキャンライン要素を各々のセルの中へ加え、そのセルを離れるビームスキャンラインをBメモリから減算して適切に正規化すれば、ステージスキャン次元でスキャンラインをセルへ総計することは、Cの中で自動的になる。ステージスキャン次元でセルが総計される方法は、恣意的であってよい。しかし、2の累乗の総計は、セルの正規化を高速にし、bを2の累乗にすることは、通常は遅い除算を避けることによって、バイナリーマシン上で(p+n)モジュロbの計算を高速にする。Bメモリは数Mバイトを必要とするだけであるが、或るタイプのマシン、例えばフィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)の能力を超えるかも知れない。プログラミング技術に通常の知識を有する者には、小さなセルよりも大きなセルを少ない頻度で更新するか、各々のビームスキャンの後で、1つのセルからの加重平均を使用して次のセルを更新するという費用をかけて、Bメモリを避けてCメモリ自身を更新できることが明らかであろう。これは誤差を導入するが、その誤差は解析されることができ、手元のマシンで公差内であるかも知れない。
【0098】
[0101]図8に示されるようなメモリCは、現在のステージスキャンのみを表す。しかし、カーネルは一般的に隣接したステージスキャンの中へ重複する。重複したカーネルセルは、計算で無視されなければならないか、もし含められるならば、ダミーのCメモリが隣接ステージスキャンのために含められなければならないが、このメモリは永久的に0へ設定されなければならない。これは、単一のCメモリの重複領域に、ゼロのセルのバンドを設けることと同じである。
【0099】
[0102]本発明の実施形態は、補正を計算している同じビームスキャン内のピクセルからの加熱を無視する。これは深い基板を通る熱の伝導について正当化されるが、その理由は、ビームがラスタスキャンでこの加熱に先回りするからである。しかし、レジスト、マスク層、および基板の表面部分を通る熱伝導によって、すぐ隣のピクセルからの近接加熱が、書き込まれているピクセルへ起こるかも知れない。この加熱は、適切なモデリングソフトウェアを使用して先験的に計算されることができるか、実験的にモデル化されることができ、前もって計算されたテーブルをルックアップすることによって、現在のピクセルドーズへ補正を適用することができる。この補正は、典型的には、本発明の実施形態の計算よりも非常に早いタイムスケールで、別個のマシンによって行われなければならない。しかし、この高速マシンは、双方の補正を実行するために使用されることができる。すなわち、比較的遅く変化する近接加熱コンピュータからの温度、近接ピクセルドーズ、および近接後方散乱について補正された必要ドーズは、全てアドレスバスへビットを供給し、アドレスバスは、現在のピクセルのために、結果の前もって計算されたドーズをルックアップする。この事前の計算は、使用されるレジストの熱感度を考慮に入れるであろう。
【0100】
[0103]全ての補正を含む現在のピクセルドーズは、現在のビームスキャンを含む前述したBメモリのベクトルにおける各々のバンドのセルの中へ合計または平均化される。現在のビームスキャンが完了し、Bメモリ内の現在のスキャンラインに対するポインタが減分されたとき、現在のスキャンは図5のスキャンライン1になり、次のスキャンラインのために温度計算へ入る。
(レジストの較正)
[0104]前述したように、一度、露光点の温度上昇が計算されると、使用中のレジストについてレジスト感度と露光の間の温度との関係が知られるので、適切なドーズ補正が適用されてよい。特定のレジストのための補正較正は、制御された条件のもとで取られた実験的データから得られる。このデータは、ピクセル露光の間の直接レジスト加熱および前に露光されたパターンからの近接加熱に起因する温度上昇を明らかにする。このタイプの較正実験におけるこれらの近接温度は、ここで説明された全く同じ方法、および温度上昇から露光を独立させるため実験的に決定されたターゲット露光のドーズ補償によって計算されることができる。レジストを較正するこの方法は、レジストを露光する電子に起因する直接レジスト加熱の効果を含む実際のリソグラフィ条件のもとで∂(ドーズ)/∂(温度)を生じるメリットを有する。
【0101】
[0105]ここで説明されるレジスト加熱補正を備えたマシンで新しいレジストを較正する1つの方法は、各々のステージストライプが異なった試行∂(ドーズ)/∂(温度)係数を使用して書かれることを除いて、一連の同じステージストライプを書くことである。
【0102】
[0106]例えば、図9A〜図9Cは、ステージストライプ1000a〜1000cを示す。各々のステージストライプの中央部から下方へ、テストフィーチャのセット1002a(図9A)、1002b(図9B)、1002c(図9C)が存在する。テストフィーチャは、ステージストライプ1000の中央部から下方へ書かれた機械測定可能臨界ディメンション(CD)を有する小さな同一フィーチャのセットである。この列の各々の側、および後方散乱範囲の外側に、CDターゲット1002で0から最大までの進行温度上昇を生成するようにデザインされた増加稠密書き込み1004a〜1004cが存在する。最も一定の測定されたCDを与える∂(ドーズ)/∂(温度)の値が、そのレジストの最も近い補正値であろう。
【0103】
[0107]更に具体的には、正しく補正されたレジストが図9Bに示される。CDフィーチャ1002bはスキャンにわたって一様である。図9Aのステージストライプ1000aは過小補正であるが、これは稠密になる書き込みの方向でテストフィーチャが厚くなるからであり、図9cのステージストライプは過大補正であるが、これは稠密でなくなる書き込み方向で、テストフィーチャが厚くなるからである。
【0104】
[0108]CD変化をゼロへ駆動しようとしているから、これは無効の実験であることが注意される。温度誘導等価ドーズ誤差に対してCDを敏感にするため、機械を幾分フォーカス外に置いて、次の方程式で∂CD/∂ドーズを増加することができる。
ΔCD=[∂CD/∂ドーズ]・[∂(ドーズ)/∂(温度)]・Δ(温度)
ラスタスキャン機械で典型的に遭遇された温度範囲にわたって、∂(ドーズ)/∂(温度)はほとんど一定であることが発見されたが、∂(ドーズ)/∂(温度)を温度の関数として決定するため、前記の手法を一般化することができる。
(スキームの誤差の解析)
[0109]前述のようにスキームが説明されたので、それを実施するために必要な数学的知識を有する者には、生じるかも知れない誤差をどのように解析するかは明らかであろう。誤差が公差の外側にあり、より細密なセル分割スキームを必要とするか、公差のはるか内側にあり、より経済的なプロセッサが示唆されるかも知れないので、この解析は各々の提案されたスキームについて行われる必要がある。解説を完全にするため、誤差解析の幾つかの方法を以下に説明する。
【0105】
[0110]小さなカーネル項をゼロへ近似したので、誤差を生じる可能性がある。この誤差は、この近似を伴うか伴わないでフルカバレッジについて計算された温度を比較することによって容易に解析される。計算がステージスキャンの下方へ十分に遠く拡張されるとき、いつ漸近的温度へ達するかが明らかになる。
【0106】
[0111]カーネル要素は拡散方程式の正確な解の中に原点を有するから、本発明の方法は、先行するパラグラフで説明された誤差を除いて、カバレッジが0%または100%またはそれらの間であろうと、一様カバレッジのために正しい温度を常に生じる。しかし、もしカバレッジが50%、すなわち一様でなければ、方法は各々のセルの中で一様カバレッジを仮定するので、セルからセルへそのような仮定をしないにしても誤差が起こる可能性がある。各々のカーネル要素について、この誤差は容易に推定されるが、その推定は、その値の半分と、半分が100%カバレッジで満たされたセルについて計算された温度と比較し、補正点に最も近いか最も遠いカバレッジを除くことによって行われる。各々のセルに対するこれらの偏差は、標準の統計手順に従って総計誤差を統計的に推定することを許すであろう。
(カーネル要素の計算)
[0112]図5に類似した形式のカーネル項を計算することが必要であろう。これは、方程式2を使用して、提案されたスキームの各々のセル内の全ての書き込みピクセルにわたって合計することによって行うことができる。方程式2は、フルに露光された単一の書き込みピクセルについての当面の方法によって得られた方程式1へのフルカバレッジ解を線形に重畳する。このアプローチは、働いているスキームのカーネル値の最終計算に望ましいが、そのスキームでの収束は、様々なプロセッサの能力内にある正確度要件を満たすスキームを発見するために幾つかの試行を含む切り捨て試行プロセスであってよい。このプロセスを加速するため、適切なアプローチが案出された。本発明の実施形態は、ラスタスキャン機械のために正確なレジスト加熱の解析的近似を任意に使用するが、この解析的近似は、他の書き込みストラテジのためには必ずしも正確でない。それは、当面の方法でラスタスキャン温度上昇の予測を単純化し、大きく加速する。ラスタスキャン温度上昇のための解析的近似は、次のとおりである。
【数4】
Figure 2005508528
方程式4
ここで、
cgs単位では、
ε=ジュール
c=ジュールcm−3°K−1=容積特定熱
k=ジュールsec−1cm−1°K−1=熱伝導率
t=秒で示した経過時間
r=熱源εと、温度が決定されている点との間の表面距離(cm)
[0113]この方程式が高ビーム電圧加熱予測に使用されるとき、薄いレジストおよびクロム層を通る熱伝導は無視することができ、基板は1つの材料と考えられてよい。この近似はラスタスキャンの場合に正当化される。その理由は、表面層を通る伝導が大きい現在のビームスキャン内の他の近接フラッシュによって、現在のフラッシュの加熱を無視することができるからである。
【0107】
[0114]方程式4でδ=0およびτ=0と設定すると、方程式4はグリーンの関数と呼ばれる拡散方程式への古典的インパルス応答解へ変形される。もしeビーム蓄積加熱ゾーンが、中心が深さδにあり、直径が(τ/b)1/2によって特徴づけられる精確なガウス形であれば、方程式4は精確であろう。実際には、加熱されたゾーンはガウス形ではなく、方程式4はtの小さな値について信頼できない答えを与える。しかし、ラスタスキャンeビーム機械の場合、時間的に近いeビームフラッシュは、同じラスタスキャンライン内に堆積されたフラッシュに対応する。典型的なラスタスキャン機械は、eビームを十分に早く移動するので(約50〜100メートル/秒)、書き込みeビームは、同じビームスキャンラインの中に堆積された最近のフラッシュによって実質的に影響されない。すなわち、eビームはそれ自身の熱波より早く走る。したがって、現在のフラッシュによって書き込まれているレジストの温度は、同じスキャンライン内の近時の過去からのフラッシュによって実質的に影響されない。現在書き込まれている点に非常に近い隣接ラスタスキャンラインのフラッシュは、レジストの温度変化に非常に影響するが、方程式4が不正確である直近の過去には書き込まれなかった。そのような隣接したフラッシュは、現在の書き込みに先行する数十マイクロ秒以上のタイムスケールで起こり、これは基板内の深いところに蓄積された熱が、現在のビームスキャン通路の中で書き込まれている場所へ伝搬するための十分な時間である。この状況では、方程式4は全く正確である。
【0108】
[0115]方程式4のパラメータは、典型的には、時間を消費するが正確なモンテカルロシミュレーションによって推定され、このシミュレーションは、古典的な拡散方程式への有限差分または有限要素解の中で、熱源として使用される単一のeビームフラッシュによって熱源をシミュレートする。単一フラッシュの結果を当てはめる最小自乗は、方程式4のε、δ、およびτの値を確認する好ましい方法である。ガラス基板内の50keVビームエネルギーの場合、δの典型的な値は約10ミクロンであり、τは約10マイクロ秒である。εはフラッシュ当たりで蓄積されたエネルギーであって、機械および使用されているレジストに依存するが、典型的なラスタスキャン機械では約10−10ジュールである。それは、幾らかのエネルギーが基板上の真空へ後方散乱されるので、直接のフラッシュビームエネルギーではない。mm当たり約10フラッシュまたはcm当たり1010フラッシュが存在すれば、cm当たり約1ジュールを生じるであろう。方程式4によって与えられた近似は、モンテカルロシミュレーションおよび熱拡散方程式の数値積分と比較して、数パーセント内の正確度であるが、非常に少ないコンピュータ時間で結果を得ることが発見された。言語の経済性から、我々は時間シフトτおよび空間変位δを含む方程式4によって与えられる温度計算を「シフテッドインパルス応答関数(shifted impulse response function)」と呼ぶ。
【0109】
[0116]正確な計算への当てはめは、パラメータδおよびτを得る好ましい方法である。しかし、δおよびτの発見的な解釈は、同様の数値へ導き、物理的プロセスへの洞察を与える。δは、eビームエネルギーが、レジストが存在する表面の下に蓄積されるという事実をほぼ補償する量だけ、距離rと置き換わる。rは、レジストの平面(xy)において、温度上昇が必要な点と、xy平面で前に書き込まれたピクセル(「原点ピクセル」と呼ばれる)との間の距離であり、そのピクセルのrにおける温度への影響が決定されなければならない。しかし、原点ピクセルを書き込むために使用されたeビームエネルギーは、レジストのxy平面ではなく、主として、或る下方の距離、典型的には50kVで約10ミクロンだけ下に蓄積される。方程式4のrをδで置換することは、ピタゴラスの定理を使用してxy平面の下のこの変位をほぼ調整する。δのこの値は、実質的に同じ値を導くモンテカルロシミュレーションによって支持される。
【0110】
[0117]更に、τを時間へ加算することについて発見的解釈が存在する。原点ピクセルを書き込むとき基板内に蓄積されるエネルギーは、点には蓄積されず、電子拡散に起因して拡散ゾーンに蓄積される。したがって、インパルスに適切な応答関数は、時間の置換によってガウス形へ変形することができ、これは電子拡散を熱拡散でシミュレートすることを可能にする。方程式4の実際の時間にτを加算することは、原点ピクセルを書き込むとき蓄積される熱が、インパルス的に或る点へ蓄積され、しかし距離rにおける加熱計算で「クロックをスタート」する前の時間τの間、インパルス応答関数に従って広がる場合に予想される効果を模倣する。
【0111】
[0118]したがって、方程式4は、原点ピクセル(方程式3のi)からの書き込み点(方程式3のj)における温度上昇を評価するために使用される。方程式4は、方程式3で使用されるカーネルKを決定するために使用されることができる。方程式4の使用は2重である。すなわち、それはラスタスキャンの加熱補正を目的として十分に正確なカーネル項Kを提供する。より正確な最終カーネル項が必要であるとしても、この特許のスキームに従って、方程式4は、探査されているシナリオについて当面の方法によるKの時間消費再計算を必要とすることなく迅速に探査される多くの代替を可能にするので、方程式4は加熱補正スキームをデザインするときに価値が高い。
(近接加熱補正の入力データ)
[0119]本発明の近接加熱計算への入力データは、基板へ実際に蓄積されるエネルギーを反映すべきであり、加熱自身の補正を含むドーズへの全ての補正を含むことを強調することが重要である。現在のピクセルの後方散乱範囲内の全ての書き込みは電子をそのピクセルの中へ後方散乱するので、近接後方散乱の補正を目的として現在および将来の書き込みが考慮される。これは、現在のピクセルのドーズへの補正を必要とする。しかし、近接加熱プロセッサは、現在のピクセルが書き込まれようとしているレジストの温度を決定するが、これは過去の書き込みにのみ依存する。
【0112】
[0120]近接後方散乱補正と近接加熱補正との間には、複雑な交差項が存在するように見えるかも知れない。しかし、近似の良好な程度まで、加熱プロセッサが現在のピクセルドーズを調整するとき、それは現在のピクセルが起こす全ての後方散乱電子のドーズをも調整する。近接加熱は、後方散乱を起こす同じ拡散によって拡散され、また更なる熱拡散が存在するので、レジストの温度は後方散乱範囲にわたってほぼ一定であり、したがって直接ピクセルドーズを補償するとき、加熱プロセッサはその後方散乱の露光をもほぼ補正する。この理由によって、近接加熱補正が直接露光およびそれが起こす後方散乱の双方を補正するものと仮定することによって、近接後方散乱補正はレジスト加熱を明白に無視することができ、それは実際に双方の露光が一定温度のレジストの上で起こるように見せる。この理由によって、将来の書き込みは後方散乱を介して現在の書き込みに影響するだけであるから、加熱プロセッサは将来の書き込みを明白に無視することができる。将来のピクセルの書き込みが現在のピクセルの後方散乱範囲内で起こるとき、レジストの温度は異なるかも知れないが、その時点で、それは加熱プロセッサへ知らされ、加熱プロセッサは、将来のピクセルが書き込まれるときそのピクセルだけでなく、それが書き込みの現在領域へ起こす後方散乱についてもドーズを補償する。これらの仮定における誤差は、温度が後方散乱ディスク上で正確に一定ではなく、後方散乱電子がピクセルの露光よりも少ないレジストの直接加熱を起こすことである。これらの誤差は吟味され、典型的なラスタスキャンリソグラフィでは公差内にあることが発見された。
【0113】
[0121]本発明の実施形態に従った方法によって引き出された近接加熱データは、典型的には、eビーム書き込み機器へ戻され、温度によって誘導されたレジスト感度の変化を補償するため、書き込みを調整するときに使用される。温度の上昇は、使用されるレジストの熱感度に関する情報を使用して、ドーズ調整へ変換されなければならない。eビームが調整される具体的な方法は、特定のeビーム機械の詳細に著しく依存する。近接加熱に応答してビーム電流が調整されるか、電流の調整が実行不可能であるか実際的でなければ、フラッシュのドエルタイムが調整されてよい。本発明の実施形態によって提供された情報に応答してeビームを調整する具体的な方法および他の必要な補正は、使用されているeビーム機械の特性によって大きく決定されよう。
【0114】
[0122]本発明を詳細に説明したので、当業者は、本発明の開示によって、ここで説明された発明概念の趣旨から逸脱することなく、本発明に対して修正がなされてよいことを理解するであろう。したがって、本発明の範囲が例示および説明された特定の好ましい実施形態へ限定されることは意図されない。むしろ、本発明の範囲は、添付のクレイムによって決定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1A】基板、エッチングされるマスク、およびレジストの上の低エネルギーeビーム衝突の概略断面図である。
【図1B】基板、エッチングされるマスク、およびレジストの上の高エネルギーeビーム衝突の概略断面図である。
【図2A】それぞれ、露光されたレジスト領域の、過剰露光によるパターンブルーミングを示す概略平面図および側面図である。
【図2B】それぞれ、露光されたレジスト領域の、過剰露光によるパターンブルーミングを示す概略平面図および側面図である。
【図3】本発明の実施に従ったラスタスキャンからのカバレッジを表す図である。
【図4】本発明の実施の動作を概略的に示す図である。
【図5】本発明の実施に従った例示的補正カーネルを概略的に示す図である。
【図6A】典型的なeビーム書き込み手順のカーネルを示す図であって、補正点に対する早期書き込みの横方向位置の関数として、また過去のビームスキャンラインカウントの関数として、近接加熱への環境を超える典型的寄与を°Kで示す。
【図6B】典型的なeビーム書き込み手順のカーネルを示す図であって、補正点に対する早期書き込みの横方向位置の関数として、また過去のビームスキャンラインカウントの関数として、近接加熱への環境を超える典型的寄与を°Kで示す。
【図7A】本発明の実施の動作を示すフローチャートである。
【図7B】本発明の実施の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施に従った例示的スキャンラインおよびセルおよびカーネルメモリを示す図である。
【図9A】本発明の実施に従ったレジスト温度の較正を示す図である。
【図9B】本発明の実施に従ったレジスト温度の較正を示す図である。
【図9C】本発明の実施に従ったレジスト温度の較正を示す図である。
【符号の説明】
【0116】
100a…基板、100b…ガラス基板、102a…エッチングされる層、102b…レジスト層、103a…レジスト層、103b…レジスト、マスク層、104a…低エネルギー電子のビーム、104b…eビーム、105a…ビームの広がり、106、106b…加熱されたゾーン、107…露光されたレジストの所望のパターン、108…広げられたパターン、109…露光点、110…位置、300…電子ビーム、320…第1の方向、ビームスキャン方向、330…第2の直交方向、ステージスキャン方向、ステージ移動軸、340…ピクセル、350…グリッド、400…システム、401…制御および補償システム(装置)、402…電子ビームカラム、403…電子ビーム、404…ビーム加速器、405…マスクブランク、406…ビームブランカ、408…ビーム偏向器、412…加熱されたゾーン、428…ルックアップテーブル、第2の高速プロセッサ、500…ビーム衝突点、露光点、501…基本セルカーネル、502…現在のビームスキャンライン、504…現在のステージスキャン、505…隣接したステージスキャン、506、506a、506b…基本セル、508、508〜1、508〜32、508a、508b、508c、508n…バンド 、510…高さ、512…長さ、552a…太字値、552b…非太字値、551…軸、554…ブロック、不規則形状区域、555…陰影区域、555a…2つのバンドのブロック、555b…4つのバンドのブロック、800…過去のスキャンライン、802…4つのバンド、アレイ、804、806、808、810…アレイ、1000、1000a、1000b、1000c…ステージストライプ、1002…臨界ディメンションターゲット、1002a、1002b、1002c…テストフィーチャ、1004a、1004b、1004c…増加的に稠密な書き込み

Claims (17)

  1. 電子ビームリソグラフィシステムでレジストの近接加熱を補正する方法であって、
    過去のピクセル値を可変サイズのセルとしてグループ化し、結果のセル値を、1つまたは複数の所定のカーネルを有するスカラー積として使用することによって、書き込み点での温度増加を決定することを含む方法。
  2. 前記セルからの温度寄与が、セル内の値の分布から実質的に独立であるように、前記セルの境界が選択される、請求項1に記載の方法。
  3. カーネル値のグループ化が補正点に関して実質的に対称であるように、セル境界が選択される、請求項1に記載の方法。
  4. カーネル値が値においてほぼ等しいように、セルサイズが選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 更に、現在のフラッシュに関連づけられた後方散乱電子によるレジストの露光時に過去の書き込みに起因するレジスト加熱の効果を補償することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. セルが、書き込み点からの距離が増加するにつれて一般的に大きくなる可変数のピクセルを含み、このセルが、隣接するか隣接しない書き込み領域を含む、請求項1に記載の方法。
  7. リソグラフィックプリンティング機械、1つまたは複数の制御プロセッサ、前記1つまたは複数のプロセッサが、値のカーネルをピクセルの1つまたは複数のセルへ適用することによってレジストの近接加熱を補償し、現在の書き込みピクセルに対する前に書き込まれたピクセルの温度効果を決定し、早期の書き込みに起因するリソグラフィ品質上の温度変化を補償するのに必要な露光補償を決定するように構成されることを具備するシステム。
  8. 更に、書き込みピクセルへ近いセルが比較的少ないピクセルを含み、前記書き込みピクセルから遠いセルが比較的多くのピクセルを含むように、セルの決定を記憶するように構成された1つまたは複数のメモリ装置を含む、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記1つまたは複数の記憶カーネルが、前記セルの中のピクセル値分布を一様分布の値で近似し、熱拡散方程式を解くことによって決定される、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記カーネルの前記適用が、更に、セルのサイズ、形状、および隣接性を変化させることによって、前記カーネルを適用するために必要な計算の数を最小化するようにグループ化することを含む、請求項9に記載のシステム。
  11. 可変サイズの複数のセルのために熱拡散方程式を解くことによってカーネル値のセットを決定し、前記セルは、前記セルの中で一様分布の値を有するように仮定されたピクセルのグループを含み、
    書き込みの間に、結果のカーネル値を、前記複数のセルとして配列されたカバレッジマップへ適用することを含む方法。
  12. ビームスキャン方向でバンドの数を規定し、ステージスキャン方向で前記セルのサイズを変化させることによってセル配列を決定することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記カーネルが対称であって書き込み点から独立であるように、前記セルの境界が書き込み点を参照して選ばれる、請求項12に記載の方法。
  14. セルがステージスキャン方向でバンドから生成され、ビームスキャン方向のバンドの高さが、基板材料内の電子拡散のディメンションによってスケーリングされる、請求項11に記載の方法。
  15. バンドセルが実質的に共通のカーネル値を有するとき、セルがビームスキャン方向で可変数のバンドから構成される、請求項11に記載の方法。
  16. セルが、隣接していないが実質的に共通のカーネル値を有するバンドセルのグループから構成される、請求項11に記載の方法。
  17. 更に、前記決定の間に、シフテッドインパルス応答関数を適用することを含む、請求項16に記載の方法。
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