JP2001244165A - 近接効果補正方法、レチクル及びデバイス製造方法 - Google Patents

近接効果補正方法、レチクル及びデバイス製造方法

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JP2001244165A
JP2001244165A JP2000049136A JP2000049136A JP2001244165A JP 2001244165 A JP2001244165 A JP 2001244165A JP 2000049136 A JP2000049136 A JP 2000049136A JP 2000049136 A JP2000049136 A JP 2000049136A JP 2001244165 A JP2001244165 A JP 2001244165A
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reticle
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edge position
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English (en)
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Teruaki Okino
輝昭 沖野
Koichi Kamijo
康一 上條
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Nikon Corp
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  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 近接効果及び光学系のボケに起因する感応基
板面における蓄積エネルギープロファイルを補正する方
法を提供する。 【解決手段】 設計パターンを転写時の縮小倍率の逆数
倍に拡大し、一次レチクルパターンを設定する。投影光
学系のボケを偏向量と一括露光領域内におけるパターン
位置の関数として設定し、一次レチクルパターンにより
露光した場合の感応基板上でのエネルギープロファイル
DR(x)、E(x)を計算する。このE(x)に応じて形成される
ウェハ上のパターン各部のエッジ位置が所定位置に近く
なるように現像エネルギーの閾値を設定する。そして、
その閾値におけるパターン各部の線幅を計算し、この線
幅が設計パターンの線幅と一致するように一次レチクル
パターンを修正する。続いて、形状補正又はドーズ補正
を施し、レチクルパターン描画用のパターンデータを作
製する。描画後、現像を行いレチクルを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路等
のリソグラフィーに用いられる荷電粒子線露光における
近接効果の補正方法に関する。また、そのような近接効
果補正方法において用いるレチクルに関する。さらに、
そのような近接効果補正方法を伴う荷電粒子線露光方法
を用いてリソグラフィー工程を行うデバイス製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在のところ、半導体集積回路のリソグ
ラフィーにおける各ウェハ(感応基板)への露光は、紫
外線を用いるいわゆるステッパーによるものが主流であ
る。荷電粒子線露光は、ステッパーにパターン原版とし
て装着されるレチクルの描画には用いられるが、ウェハ
の量産リソグラフィー工程にはまだ用いられていない。
しかし、最近では、より高集積・超微細のパターンを露
光するため、各ウェハの露光にも電子線転写露光を用い
るとの提案がなされている。
【0003】しかしながら、電子線露光はスループット
が低いのが欠点とされており、その欠点を解消すべく様
々な技術開発がなされてきた。現在では、セルプロジェ
クション、キャラクタープロジェクションあるいはブロ
ック露光と呼ばれる図形部分一括露光方式が実用化され
ている。図形部分一括露光方式では、繰り返し性のある
回路小パターン(ウェハ上で5μm 角程度)を、同様の
小パターンが複数種類形成されたマスクを用いて、1個
の小パターンを一単位として繰り返し転写露光を行う。
しかし、この方式でも、繰り返し性のないパターン部分
については可変成形方式の描画を行う。そのため、ウェ
ハの量産リソグラフィー工程で望まれる程度のスループ
ットは得られない。
【0004】図形部分一括露光方式よりも飛躍的に高ス
ループットをねらう電子線転写露光方式として、一個の
半導体チップ全体の回路パターンを備えたレチクルを準
備し、そのレチクルのある範囲に電子線を照射し、その
照射範囲のパターンの像を投影レンズにより縮小転写す
る電子線縮小転写装置が提案されている。
【0005】この種の装置では、マスクの全範囲に一括
して電子線を照射して一度にパターンを転写しようとす
ると、精度良くパターンを転写することができない。ま
た、原版となるマスクの製作が困難である。そこで、最
近精力的に検討されている方式は、1ダイ(ウェハ上の
チップ)又は複数ダイを一度に露光するのではなく、光
学系としては大きな光学フィールドを持つが、パターン
は小さな領域(サブフィールド)に分割して転写露光す
るという方式である(ここでは分割転写方式と呼ぶこと
とする)。この際この小領域毎に、被露光面上に結像さ
れる前記小領域の像の焦点やフィールドの歪み等の収差
等を補正しながら露光する。これにより、ダイ全体の一
括転写に比べて、光学的に広い領域にわたって解像度並
びに精度の良い露光を行うことができる。
【0006】ところで、荷電粒子線をウェハ等の感応基
板に照射して露光する際には、基板からの反射電子ある
いはイオンによって、実際の露光量が近傍のパターン分
布に従い変化する近接効果が存在する。近接効果は、感
応基板面中に入射した荷電粒子が散乱しながら広がり、
所定位置に蓄積されるエネルギーを減少させたり、露光
部分に入射した荷電粒子が広く散乱されて周囲の非露光
部にエネルギーを与えることにより起こる。これを解決
するには、感応基板におけるエネルギー蓄積量が望まし
くなるように、照射量を調整する方法や、マスク又はレ
チクルにおいて与えるパターン形状を変化させる方法な
どがある。
【0007】一方、荷電粒子転写光学系にはボケが存在
する。ボケは、通常の光同様に存在する球面収差などの
幾何収差や、荷電粒子がビーム内でクローン相互作用に
より反発し合うこと等によって生じる。幾何収差に起因
するボケは、一般に光軸からビームまでの距離が大きく
なるほど大きくなる。レチクルの一部を一括して投影露
光する分割投影転写方式の露光装置においては、1回の
転写露光単位であるサブフィールド(一括露光領域)の
中心が光軸から離れるほどボケが大きくなる。また、サ
ブフィールド内においても、その中心よりも端の方がボ
ケが大きくなる傾向が一般にある。また、クローン相互
作用に起因するボケは、パターン面積が増大して電流量
が大きくなるに従って、大きくなる傾向がある。このよ
うな現象により意図せぬ線幅の増減が発生し問題とな
る。
【0008】ところが、従来においては、サブフィール
ド中心と光軸との間の距離すなわちビーム偏向量と、サ
ブフィールドのパターン開口面積に応じて焦点補正を行
うにとどまっていた。しかし、サブフィールドの中心と
端とでボケの大きさが異なる場合、サブフィールド全体
が一遍に露光されるために、両者のボケの格差は上記方
法で解消することはできない。その結果、ボケによる意
図しないパターンサイズの変動が、サブフィールドのい
ずれかの領域で生じざるを得ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題に鑑みてなされたものであって、高いパターン寸法
精度を達成することができる近接効果補正方法等を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】上
記の課題を解決するため、本発明の1つの態様の近接効
果補正方法は、 レジスト層の塗布された基板(感応基
板)上に荷電粒子ビームを選択的に照射してパターンを
形成する際に、荷電粒子が感応基板中でバックスキャッ
ターして生じる近接効果を補正するため、露光パターン
データ(図形位置と図形巾と照射ドーズのデータ)を補
正して上記パターンの各部のエッジ位置を調整する近接
効果補正方法であって; 上記基板上に照射される荷電
粒子ビームのボケを予め上記露光パターンデータ補正の
ための計算のパラメータとして与え、 あるエッジ位置
でのバックスキャッターの影響によるドーズ量レベルを
計算し、 該ボケと上記荷電粒子バックスキャッターに
よるドーズ量レベルの両者を考慮して、上記エッジ位置
近傍におけるドーズ分布を計算し、 あるドーズ閾値を
設定し、 該ドーズ閾値と上記ドーズ分布から現実に上
記基板上に形成されるパターン各部のエッジ位置を予測
し、 該予測されるパターン各部のエッジ位置を所定の
位置となるように調整することを特徴とする。
【0011】上記近接効果補正方法においては、 上記
露光パターンデータの図形エッジ位置を変えることによ
って、露光されたパターンのエッジ位置が所定のパター
ンエッジ位置となるように調整することができる。
【0012】あるいは、 上記露光パターンデータの照
射ドーズを変えることによって、露光されたパターンの
エッジ位置が所定のパターンエッジ位置となるように調
整することができる。
【0013】本発明の他の態様の近接効果補正方法は、
基板上に転写すべきパターンをレチクル上に形成し、
このレチクルを用いてパターン化した荷電粒子ビームを
レジスト層の塗布された基板(感応基板)上に照射して
パターンを転写する際に、荷電粒子が感応基板中でバッ
クスキャッターして生じる近接効果を補正するため、該
レチクルを荷電粒子ビーム露光により作製する時点で露
光パターンデータ(図形位置と図形巾と照射ドーズのデ
ータ)を補正してレチクル上のパターンの各部のエッジ
位置を予め調整しておく近接効果補正方法であって;
上記基板上に照射される荷電粒子ビームのボケを予め上
記パターンデータ補正のための計算のパラメータとして
与え、 あるエッジ位置でのバックスキャッターの影響
によるドーズ量レベルを計算し、 該ボケと上記荷電粒
子バックスキャッターによるドーズ量レベルの両者を考
慮して、上記基板上に形成されるパターン各部のエッジ
位置近傍におけるドーズ分布を計算し、 あるドーズ閾
値を設定し、 該ドーズ閾値と上記ドーズ分布から現実
に基板上に形成されるパターン各部のエッジ位置を予測
し、 該予測されるパターン各部のエッジ位置が所定の
位置となるように上記レチクル上に形成するパターン各
部のエッジ位置を調整しておくことを特徴とする。
【0014】上記近接効果補正方法においては、 上記
レチクルを作製する際の露光パターンデータの図形エッ
ジ位置を変えることによって、上記感応基板上に形成さ
れるパターン各部のエッジ位置が本来の位置となるよう
調整することができる。
【0015】あるいは、 上記レチクルを作製する際の
露光パターンデータの照射ドーズを変えることによっ
て、上記感応基板上に形成されるパターン各部のエッジ
位置が本来の位置となるよう調整することができる。
【0016】本発明の近接効果補正方法においては、
上記基板上に形成されるパターンの各部のエッジ位置に
おける荷電粒子バックスキャッターの影響によるドーズ
(かぶり)を計算する際に、 該エッジ位置にバックス
キャッターの影響を与える範囲内のパターン領域を格子
状に分割し、分割した1つの格子内にあるパターンを1
つの図形のみに代表させ(いわゆる代表図形法)、 上
記格子の寸法を、荷電粒子がバックスキャッターする範
囲の径の1/100 〜1/3 とし、1つのエッジ位置について
計算対象とするパターン領域の範囲は該バックスキャッ
ターの範囲と同程度とすることができる。
【0017】代表図形の面積は、たとえば、実際のパタ
ーンの各小領域上の面積と同じにする。これら各小領域
内の代表図形で発生し、前述のパターンエッジ部分へ影
響するドーズかぶりを計算する。そして、すべての小領
域からの影響を加算すれば、領域全体でのドーズかぶり
が算出できる。
【0018】本発明の近接効果補正方法においては、
上記基板上に形成されるパターンの各部のエッジ位置に
おける荷電粒子バックスキャッターの影響によるドーズ
(かぶり)を計算する際に、 該エッジ位置にバックス
キャッターの影響を与える範囲内のパターン領域を格子
状に分割し、分割した1つの格子内にあるパターンを1
つの図形のみに代表させ(いわゆる代表図形法)、 上
記格子の寸法を、荷電粒子がバックスキャッターする範
囲の径の1/100 〜1/3 とし、1つのエッジ位置について
計算対象とするパターン領域の範囲は該バックスキャッ
ターの範囲と同程度とし、 ボケについては、ボケ量の
最大と同程度の領域範囲で他のパターンのボケとの干渉
を計算し、 上記近接効果ドーズ(かぶり)と上記パタ
ーンエッジの傾斜とから、所定のドーズ量閾値でのエッ
ジ位置がほぼ所定の位置になるように補正することがで
きる。
【0019】本発明の近接効果補正方法においては、
ボケ量の4倍以下の細い線幅のパターンのエッジの傾斜
を、線幅に対するボケの関数として表又は計算式から得
ることができる。
【0020】本発明の近接効果補正方法においては、
上記荷電粒子ビームのボケ量として、上記基板に照射さ
れる荷電粒子ビームの偏向量、及び/又は、パターン転
写の一括露光領域内におけるビーム位置等に応じて異な
る量を設定することができる。
【0021】本発明の近接効果補正方法は、 上記基板
に照射する荷電粒子ビームが加速電圧40kV以上の電子ビ
ームである時に有効である。
【0022】本発明の近接効果補正方法は、 上記基板
に照射する荷電粒子ビームが加速電圧50kV以上の電子ビ
ームである時に特に有効である。
【0023】本発明の近接効果補正方法は、 上記基板
に照射する荷電粒子ビームが加速電圧70kV以上の電子ビ
ームである時にさらに有効である。
【0024】本発明のレチクルは、 上記方法により近
接効果補正を加えたことを特徴とする。
【0025】本発明のデバイス製造方法は、 荷電粒子
線を用いたリソグラフィー工程において、上記方法によ
り近接効果補正を行うことを特徴とする。
【0026】本発明の1つの具体的な態様の近接効果補
正方法は、 基板上に転写すべきパターンをレチクル上
に形成し、このレチクルを用いてパターン化した荷電粒
子ビームをレジスト層の塗布された基板(感応基板)上
に照射してパターンを転写する際に、荷電粒子が感応基
板中でバックスキャッターして生じる近接効果を補正す
るため、該レチクルを荷電粒子ビーム露光により作製す
る時点で露光パターンデータ(図形位置と図形巾と照射
ドーズのデータ)を補正してレチクル上のパターンの各
部のエッジ位置を予め調整しておく近接効果補正方法で
あって; 感応基板上に形成すべきパターン(設計パタ
ーン)を設定し、 該設計パターンを縮小倍率の逆数倍
に拡大して一次レチクルパターンを設定し、 該一次レ
チクルパターンを通過し、次いで投影光学系を通って基
板に達する荷電粒子ビームの、ボケにより鈍ったエネル
ギープロファイルDR(x) を計算し、 該エネルギープロ
ファイルDR(x) の照射を受けた感応基板上における、バ
ックスキャッターによる蓄積エネルギープロファイルE
(x)を計算し、 DR(x)とE(x)を加算したエネルギープロ
ファイルに対して現像のエネルギー閾値を設定し、 現
像後に感応基板上に形成されるパターンの線幅を計算
し、 この形成される線幅が設計パターンの線幅となる
ように一次レチクルパターンを補正して修正レチクルパ
ターンを設定する方法において; 上記ボケとして、パ
ターン転写の一括露光領域内におけるパターン位置に応
じて異なる量を与えることを特徴とする。
【0027】一括露光領域内のボケの不均一性を考慮し
てレチクルパターンを補正しているので、所定の閾値で
蓄積エネルギープロファイルを切ったとき、感応基板上
に形成される線パターンやパッドが所定の寸法になる。
【0028】以下では、レチクル転写露光方式の場合で
説明を進めるが、本発明の大部分の基本的手法はレチク
ルを用いずに直接露光する方式にも適用される。
【0029】まず、図面を参照しつつ本発明の背景技術
の一つである分割転写方式の電子線投影露光技術の概要
を説明する。図12は、分割転写方式の電子線投影露光装
置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示
す図である。
【0030】光学系の最上流に配置されている電子銃10
1は、下方に向けて電子線を放射する。電子銃101の下方
には2段のコンデンサレンズ102、103が備えられてお
り、電子線は、これらのコンデンサレンズ102、103によ
って収束されブランキング開口107にクロスオーバーC.
O.像を結像する。
【0031】二段目のコンデンサレンズ103の下には、
矩形開口104が備えられている。この矩形開口(照明ビ
ーム成形開口)104は、レチクル(マスク)110の一つの
サブフィールド(露光の1単位となるパターン小領域、
一括露光領域)を照明する照明ビームのみを通過させ
る。具体的には、開口104は、照明ビームをレチクルサ
イズ換算で例えば0.5〜5mm角の正方形に成形する。こ
の開口104の像は、レンズ109によってレチクル110に結
像される。
【0032】ビーム成形開口104の下方には、ブランキ
ング偏向器105が配置されている。同偏向器105は、照明
ビームを偏向させてブランキング開口107の非開口部に
当て、ビームがレチクル110に当たらないようにする。
ブランキング開口107の下には、照明ビーム偏向器108が
配置されている。この偏向器108は、主に照明ビームを
図12の左右方向(X方向)に順次走査して、照明光学系
の視野内にあるレチクル110の各サブフィールドの照明
を行う。偏向器108の下方には、照明レンズ109が配置さ
れている。照明レンズ109は、レチクル110上にビーム成
形開口104を結像させる。
【0033】レチクル110は、図12では光軸上の1サブ
フィールドのみが示されているが、実際には光軸垂直面
内(X−Y面)に広がっており多数のサブフィールドを
有する。レチクル110上には、全体として一個の半導体
デバイスチップをなすパターン(チップパターン)が形
成されている。
【0034】レチクル110は移動可能なレチクルステー
ジ111上に載置されており、レチクル110を光軸垂直方向
(YX方向)に動かすことにより、照明光学系の視野よ
りも広い範囲に広がるレチクル上の各サブフィールドを
照明することができる。レチクルステージ111には、レ
ーザ干渉計を用いた位置検出器112が付設されており、
レチクルステージ111の位置をリアルタイムで正確に把
握することができる。
【0035】レチクル110の下方には投影レンズ115及び
119並びに偏向器116が設けられている。レチクル110の
あるサブフィールドを通過した電子線は、投影レンズ11
5、119、偏向器116によってウェハ123上の所定の位置に
結像される。ウェハ123上には適当なレジストが塗布さ
れており、レジストに電子線のドーズが与えられ、レチ
クル上のパターンが縮小されてウェハ123上に転写され
る。
【0036】なお、レチクル110とウェハ123の間を縮小
率比で内分する点にクロスオーバー像C.O.が形成され、
同クロスオーバー像位置にはコントラスト開口板118が
設けられている。同開口板118は、レチクル110の非パタ
ーン部で散乱された電子線がウェハ123に到達しないよ
う遮断する。
【0037】ウェハ123の直上には反射電子検出器122が
配置されている。この反射電子検出器122は、ウェハ123
の被露光面やステージ上のマークで反射される電子の量
を検出する。例えばレチクル110上のマークパターンを
通過したビームでウェハ123上のマークを走査し、その
際のマークからの反射電子を検出することにより、レチ
クル110とウェハ123の相対的位置関係を知ることができ
る。
【0038】ウェハ123は、静電チャック(図示され
ず)を介して、XY方向に移動可能なウェハステージ12
4上に載置されている。上記レチクルステージ111とウェ
ハステージ124とを、互いに逆の方向に同期走査するこ
とにより、チップパターン内で多数配列されたサブフィ
ールドを、光学系の視野を越えて順次露光することがで
きる。なお、ウェハステージ124にも、上述のレチクル
ステージ111と同様の位置検出器125が装備されている。
【0039】上記各レンズ102、103、109、115、119及び各
偏向器105、108、116は、各々のコイル電源制御部102a、10
3a、109a、115a、119a及び105a、108a、116aを介してコント
ローラ131によりコントロールされる。また、レチクル
ステージ111及びウェハステージ124も、ステージ制御部
111a、124aを介して、制御部131によりコントロールさ
れる。ステージ位置検出器112、125は、アンプやA/D変
換器等を含むインターフェース112a、125aを介してコン
トローラ131に信号を送る。また、反射電子検出器122も
同様のインターフェース122aを介してコントローラ131
に信号を送る。
【0040】コントローラ131は、ステージ位置の制御
誤差を把握し、その誤差を像位置調整偏向器116で補正
する。これにより、レチクル110上のサブフィールドの
縮小像がウェハ123上の目標位置に正確に転写される。
そして、ウェハ123上で各サブフィールド像が繋ぎ合わ
されて、レチクル上のチップパターン全体がウェハ上に
転写される。
【0041】次に、本発明の1実施例に係る近接効果補
正方法について説明する。図1は、本発明の1実施例に
係る近接効果補正方法を用いてレチクルパターンを作製
し、ウェハ露光を行う工程のフローチャートである。ま
ず初めに、ウェハ上に形成すべき設計パターンを設定す
る。その設計パターンを転写時の縮小倍率の逆数倍に拡
大し、一次レチクルパターンを設計する。次に、投影光
学系のボケを偏向量と一括露光領域内におけるパターン
位置の関数として設定する。続いて、一次レチクルパタ
ーンにより露光した場合の感応基板上でのエネルギープ
ロファイルDR(x)を計算する。
【0042】次に、このエネルギープロファイルDR(x)
の照射を受けた感応基板上における近接効果の影響を含
む蓄積エネルギー(ドーズ)プロファイルE(x)を計算す
る。この蓄積エネルギープロファイルE(x)に応じて形成
されるウェハ上のパターン各部のエッジ位置が所定位置
に近くなるように現像エネルギーの閾値を設定する。そ
して、その閾値におけるパターン各部の線幅(エッジ位
置)を計算し、この線幅(エッジ位置)が設計パターン
の線幅(エッジ位置)と一致するように一次レチクルパ
ターンを修正する。この際、形状補正又はドーズ補正を
施す。なお、レチクルパターン描画時の近接効果につい
ても形状補正又はドーズ補正に折り込んで対処する。描
画後、現像を行いレチクルを作製する。そして、このレ
チクルを用いてウェハ露光を行う。
【0043】図2(A)は、本発明の1実施例に係る近接
効果補正方法においてウェハ(感応基板)上に実現する
所定のパターン(設計パターン)を示す平面図である。
図中には、左から右に向かって、細い線パターン(ライ
ン)1、細いスペース2、幅の広い線パターン(パッ
ド)3、幅の広いスペース4、細い線パターン(ライ
ン)5が示されている。ライン1、ライン5及びスペー
ス2の幅は100nmである。パッド3の幅は50μmである。
スペース4の幅は70μmである。なお、図の縮尺は分か
り易くするために調整してある。
【0044】このようなパターンを含んだ250μm角のサ
ブフィールドを分割投影方式の荷電粒子線光学系で転写
する。光学系の倍率としては一般的に1/4や1/5が用いら
れることが多いが、ここでは簡単のため1対1の100kV
電子線転写光学系を前提に考える。
【0045】図2(B)は、レチクルを通過した直後のエ
ネルギープロファイルを示す図である。縦軸(Y軸)は
エネルギー、横軸(X軸)は横方向の位置である。この
図では、光学系のボケが付加されていないため、位置の
変化に対してエネルギープロファイルが非常に切り立っ
ている。レチクル通過直後のエネルギープロファイルDW
(x)は、xの関数であり、次の式で表される。 DW(x)=1.0(0.0≦x≦0.1、0.2≦x≦50.2、120.2≦x
≦120.3) DW(x)=0.0(x<0.0、0.1<x<0.2、50.2<x<120.2、120.
3<x)
【0046】ここで、感応基板面に入射する直前では、
エネルギープロファイルは光学系のボケにより鈍るの
で、このボケたエネルギープロファイルDR(x)を次の式
により計算した。
【数1】 但し、βはその光学系のボケをガウス分布であらわす場
合に適切に定められる標準偏差である。
【0047】前述したように光学系のボケ(blur)は偏
向量、サブフィールドサイズ、パターンの開口率等によ
り定まるが、ここでは簡単のためサブフィールド内のサ
ブフィールド中心からの距離rによって決まると仮定
し、次の式で表した。 blur(nm)=70nm+0.25×r(μm) この式によると、サブフィールド中心でのボケの大きさ
は70nmで、サブフィールド上の点(x=120μm、y=0μ
m)でのボケの大きさは100nmとなる。
【0048】図3は、感応基板面に入射する直前のエネ
ルギープロファイルDR(x)を示す図である。縦軸のエネ
ルギーは、最大値を1とした。図3(A)、(B)、(C)はそれ
ぞれ、x=-0.1〜0.3μm、x=50.0〜50.4μm、x=120.0
〜120.4μmの範囲についてのエネルギープロファイルDR
(x)を示した図である。(A)よりも(B)、(B)よりも(C)の
方がサブフィールドの端にあり、ボケが多いため、エネ
ルギープロファイルの傾斜が緩やかになっている。
【0049】入射した荷電粒子は感応基板中で散乱し、
近接効果を引き起こす。散乱後に感応基板に蓄積される
エネルギー量E(x)は、例えば次のような式で表される。 E(x)=Eb(x)+Ef(x)
【数2】
【数3】 ここでηは後方散乱係数、σbは後方散乱径、σfは前方
散乱径である。荷電粒子として電子を用い、加速電圧を
100keVとしたときのそれぞれの典型的な値と、η=0.4、
σb=31.2μm、σf=7nmを計算に使用する。
【0050】図4は、近接効果の考慮された場合におい
て最終的に感応基板に蓄積されるエネルギー量E(x)を示
す図である。図3の場合と同様に、図4(A)、(B)、(C)は
それぞれ、x=-0.1〜0.3μm、x=50.0〜50.4μm、x=12
0.0〜120.4μmの範囲についてのエネルギープロファイ
ルE(x)を示した図である。プロセスの製造誤差がない理
想的な場合には、このエネルギープロファイルの適切に
定められた閾値を越す部分ではパターンが形成され、越
さない部分では形成されないと考えることができる。図
4中の40、41、42のラインは、それぞれの領域で形成され
るパターン各部のエッジ位置が所定位置と一致するよう
に引かれた閾値である。閾値40と41の値はほぼ同じであ
るが、閾値42は他の2つと大きく異なるため、40、41近
辺に閾値をとった場合には、図2に示した線パターン5
は所定の線幅より細くなる。逆に、42で示される閾値を
とると図2に示した線パターン1が太くなり、スペース
2は狭くなり、パッド3の幅が太くなる。また、線幅が
変わるとともに、当然、パターン各部のエッジ位置は所
定位置から大きく外れることになる。
【0051】次に、上述の近接効果及びボケの効果によ
り感応基板上に形成されるパターン線幅が不良となる場
合における補正方法について説明する。図5は、レチク
ルパターンの変形と感応基板上の蓄積エネルギー量分布
の変化の関係を示す図である。図5(A)は、レチクルパ
ターン変形前の様子を示したものであり、図5(B)は、
レチクルパターン変形後の様子を示したものである。
【0052】図5(A)中の上部にはレチクル50(一部)
が示されている。レチクル50には、荷電粒子を散乱させ
る散乱部51とその中央部分に荷電粒子を透過する透過部
分52とがある。レチクル50の図の下には、光学系のボケ
及び感応基板面上における荷電粒子の散乱を経て実現さ
れる感応基板における蓄積エネルギー量分布53の図が示
されている。図中には、蓄積エネルギー量分布53を横切
るようにして閾値54のラインが図示されている。この図
の下にはさらに、蓄積エネルギー量分布53を閾値54で切
ったとき実現される感応基板上のパターン55が図示され
ている。パターン55の両側には、所定のパターンの線幅
59が破線で示されている。
【0053】この図では、レチクルパターン変形による
補正が施されておらず蓄積エネルギー量53の内、閾値54
を超える部分が足りないので、実現される感応基板上の
パターン55は所定の線幅59より狭くなる。
【0054】図5(B)には、図5(A)と同じく図の上部に
はレチクル50´が示されている。レチクル50´には、荷
電粒子を散乱させる散乱部51とその中央部分に荷電粒子
を透過する透過部分(補正幅)52´とがある。ここで透
過部分52´は、図5(A)の透過部分52の両端の部分51´
を取り除いてあるので、図5(A)の場合よりも広くなっ
ている。レチクル50´の図の下には、蓄積エネルギー量
分布53´の図が示されている。これは、透過部分52´の
幅が変わったため、図5(A)の蓄積エネルギー量分布53
とは異なるものである。図中には、蓄積エネルギー量分
布53´を横切るようにして図5(A)と同じ位置に閾値54
のラインが図示されている。この図の下にはさらに、蓄
積エネルギー量分布53´を閾値54で切ったとき実現され
る感応基板上のパターン55´が図示されている。パター
ン55´の両側には、所定のパターンの線幅59が破線で示
されている。
【0055】この図では、レチクルパターン変形による
補正がなされているので、実現される感応基板上のパタ
ーン55´は所定の線幅59と等しくなる。実際には、感応
基板上のパターン55´が所定の線幅59と等しくなるよう
な補正幅52´を計算により求めることにより、レチクル
パターンの変形を行う。
【0056】次に、本発明の実施例を示す。この実施例
においては、サブフィールド内の場所により異なる光学
系のボケも参照してレチクルパターンの変形を行う。図
6は、本発明の1実施例に係るサブフィールド内の場所
により異なる光学系のボケを格納したテーブルである。
表の左の欄にはサブフィールド内のy方向の位置(単位
μm)が記されており、上の欄には、サブフィールド内
のx方向の位置が記されている。表内の数字は当該位置
におけるボケ(単位nm)である。テーブルの桝目の細か
さは、この例では5μmとしているが、同一の値のボケ
を参照しうる範囲を示しており、当該業者により必要に
応じた値をとれば良い。
【0057】サブフィールド内のボケ(blur)の分布が関
数により表されうる場合にはその関数を使用しても良
い。本実施例では、次の式を用いる。 blur(nm)=70nm+0.25×r(μm)
【0058】図7は、本実施例の近接効果補正方法によ
り変形されたレチクルパターンを示している。但しここ
では簡単のため、レチクル通過直後のエネルギープロフ
ァイルの形で示してある。図中には、左から右に向かっ
て、細い線ライン81、細いスペース82、幅の広い線ライ
ン83、幅の広いスペース84、細い線ライン85が存在す
る。ライン81及びスペース82の幅は100nmであり、ライ
ン83の幅は50μmである。そして、スペース84の幅は69.
977μmで、ライン85の幅は144.66nmである。
【0059】図8は、図7で用いたレチクルにより実現
されるエネルギー分布を示す図である。図3の場合と同
様に図7(A)、(B)、(C)はそれぞれ、x=-0.1〜0.3μm、x
=50.0〜50.4μm、x=120.0〜120.4μmの範囲についての
エネルギープロファイルを示した図である。図中の86、8
7、88のラインは、それぞれの領域で形成されるパターン
各部のエッジ位置が所定位置と一致するように引かれた
閾値である。この実施例ではサブフィールド内のボケの
不均一性を考慮してレチクルパターンを補正しているの
で、所定の閾値0.5でエネルギープロファイルを切った
とき、図4の場合とは異なり、感応基板上に形成される
線パターン及びパッドが図2に示す所定の寸法になる。
【0060】次に、ドーズレベルとボケによる傾斜とか
ら、補正すべき量(レチクルのパターンデータのエッジ
位置又は補正すべきドーズ量)を求める方法について述
べる。100kV程度の電子線の場合を考えると、バックス
キャッターは30μm程度と大きく広がり、フォワードス
キャッターは7μm程度と非常に小さい。したがって、
バックスキャッターは、露光パターン全面でゆっくりと
変化するかぶりを生じさせる。しかし、フォワードスキ
ャッターは数10nmあるビームのボケと比べると非常に小
さく、無視するかボケの中に含めて考えても差し障りな
い。
【0061】そこでまず、ある特定のパターンのエッジ
位置において、バックスキャッターによるドーズかぶり
を計算する。図9は、感応基板上のパターン領域全面を
格子状の小領域に区切ってある状態を模式的に示す平面
図である。図9では、感応基板123上のパターン領域全
面は格子状の小領域91に区切ってある。また、感応基板
123上にはパターン92が形成されている。ここでは、各
小領域91上に形成されたパターン92を小領域毎に一つの
図形93で代表させる。この代表図形93の面積は、実際の
パターン92の各小領域91上の面積と同じにする。これら
各小領域91内の代表図形93で発生し、前述のパターンエ
ッジ部分へ影響するドーズかぶりを計算する。そして、
すべての小領域からの影響を加算すれば、領域全体での
ドーズかぶりが算出できる。この計算においては、バッ
クスキャッターの影響は30μm程度とかなり広いので、
小領域は1〜3μm位にすれば十分精度が出る。また、
計算する領域は全体で100μmもあれば十分である。
【0062】次に、パターンエッジ部分のビームプロフ
ァイルの傾斜を求める。図10は、感応基板上におけるビ
ームプロファイルの分布の様子を示す図である。図中の
97で示すのが、他の図形のボケの影響がない場合の本来
の個別の図形ビームプロファイルの分布である。99で示
すのが、他の図形のボケの影響を考慮し、大きく傾斜が
変わっているビームプロファイルの分布である。ボケは
サブフィールド内で一様として与えられる場合もあれ
ば、変化するものとして与えられる場合もある。また、
ボケに対してパターンが十分太い場合はボケがそのビー
ム自身の傾斜になり、パターンが細い場合は、ビームプ
ロファイルの傾斜が本来のビーム自身の傾斜よりも緩や
かになる。この場合には、傾斜はボケとパターンとのコ
ンボリューション計算をすることにより得ることもでき
るが、簡単には線幅に対する傾斜を予め別途計算してお
き、それを表として与え、そこから求めても良い。ま
た、簡単な計算式からも求めることができる。なお、ボ
ケは外部パラメータとしてこの計算に与えられる。パタ
ーン同士がボケ量程度に接近している場合は、これら各
パターンのボケ同士が影響しあい、エッジでの傾斜が緩
やかになる。前記のようにして求めたビームのボケか
ら、ボケ量程度の範囲に入るプロファイルの積分により
エッジの傾斜を求めることができる。
【0063】以上のバックスキャッターから求めたドー
ズレベルとボケによる傾斜とから、補正すべき量(レチ
クルのパターンデータのエッジ位置又は補正すべきドー
ズ量)を知ることができる。
【0064】次に上記説明した近接効果補正方法を利用
したデバイス製造方法の実施例を説明する。図11は、微
小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネ
ル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製
造のフローを示す。
【0065】ステップ1(回路設計)では、半導体デバ
イスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)で
は、設計した回路パターンを形成したマスクを製作す
る。この時、パターンについて局部的にリサイズを施す
ことにより近接効果や空間電荷効果によるビームボケの
補正を行ってもよい。一方、ステップ3(ウェハ製造)
では、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
【0066】ステップ4(酸化)では、ウェハの表面を
酸化させる。ステップ5(CVD)では、ウェハ表面に
絶縁膜を形成する。ステップ6(電極形成)では、ウェ
ハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ7(イオ
ン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステッ
プ8(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布す
る。ステップ9(電子ビーム露光)では、ステップ2で
作ったマスクを用いて電子ビーム転写装置によって、マ
スクの回路パターンをウェハに焼付露光する。ステップ
10(光露光)では、同じくステップ2で作った光露光用
マスクを用いて、光ステッパーによってマスクの回路パ
ターンをウェハに焼付露光する。ステップ9において、
上述の近接効果補正方法を利用する。
【0067】ステップ11(現像)では、露光したウェハ
を現像する。ステップ12(エッチング)では、レジスト
像以外の部分を選択的に削り取る。ステップ13(レジス
ト剥離)では、エッチングがすんで不要となったレジス
トを取り除く。ステップ4からステップ13を繰り返し行
うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成
される。
【0068】ステップ14(組立)は、後工程と呼ばれ、
上の工程によって作製されたウェハを用いて半導体チッ
プ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、
ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等
の工程を含む。ステップ15(検査)では、ステップ14で
作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テ
スト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイ
スが完成しこれが出荷(ステップ16)される。
【0069】以上図1〜図12を参照しつつ、本発明の第
1の実施例に係る近接効果補正方法等について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な変
更を加えることができる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、短い時間の補正計算で、近接効果及び光学系
のボケに起因する感応基板面における蓄積エネルギープ
ロファイルを補正して、感応基板上に形成するパターン
の高い寸法精度を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る近接効果補正方法を用
いてレチクルパターンを作製し、ウェハ露光を行う工程
のフローチャートである。
【図2】図2(A)は、本発明の1実施例に係る近接効果
補正方法においてウェハ(感応基板)上に実現する所定
のパターン(設計パターン)を示す平面図である。図2
(B)は、レチクルを通過した直後のエネルギープロファ
イルを示す図である。
【図3】感応基板面に入射する直前のエネルギープロフ
ァイルDR(x)を示す図である。
【図4】近接効果の考慮された場合において最終的に感
応基板に蓄積されるエネルギー量E(x)を示す図である。
【図5】レチクルパターンの変形と感応基板上の蓄積エ
ネルギー量分布の変化の関係を示す図である。
【図6】本発明の1実施例に係るサブフィールド内の場
所により異なる光学系のボケを格納したテーブルであ
る。
【図7】変形されたレチクルパターンを示している。但
しここでは簡単のため、レチクル通過直後のエネルギー
プロファイルを示してある。
【図8】図7で用いたレチクルにより実現されるエネル
ギー分布を示す図である。
【図9】感応基板上のパターン領域全面を格子状の小領
域に区切ってある状態を模式的に示す平面図である。
【図10】感応基板上におけるビームプロファイルの分布
の様子を示す図である。
【図11】微小デバイス(ICやLSI等の半導体チッ
プ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマ
シン等)の製造のフローを示す。
【図12】分割転写方式の電子線投影露光装置の光学系全
体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
【符号の説明】
1、5 線パターン(ライン) 2、4 スペー
ス 3 線パターン(パッド) 40、41、42 閾値 50 レチクル 51 散乱部 52 透過部分 53 蓄積エネル
ギー量分布 54 閾値 55 感応基板上
のパターン 59 所定のパターンの線幅 81、85 線パターン(ライン) 82、84 スペー
ス 83 線パターン(パッド) 86、87、88 閾値 91 小領域 92 パターン 93 代表図形 97、99 ビーム
プロファイルの分布 101 電子銃 102、103 コン
デンサレンズ 104 照明ビーム成形開口 105 ブランキ
ング偏向器 107 ブランキング開口 108 偏向器 109 コンデンサレンズ 110 レチクル 111 レチクルステージ 112 レチクル
ステージ位置検出器 115 第1投影レンズ 116 像位置調
整偏向器 118 コントラスト開口板 119 第2投影
レンズ 122 反射電子検出器 123 ウェハ 124 ウェハステージ 125 ウェハス
テージ位置検出器 131 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H095 BA02 BA08 BB01 BB36 2H097 BA01 BB01 CA16 GB01 JA02 LA10 5F056 AA22 AA29 CD09 CD15 FA08

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レジスト層の塗布された基板(感応基
    板)上に荷電粒子ビームを選択的に照射してパターンを
    形成する際に、荷電粒子が感応基板中でバックスキャッ
    ターして生じる近接効果を補正するため、露光パターン
    データ(図形位置と図形巾と照射ドーズのデータ)を補
    正して上記パターンの各部のエッジ位置を調整する近接
    効果補正方法であって;上記基板上に照射される荷電粒
    子ビームのボケを予め上記露光パターンデータ補正のた
    めの計算のパラメータとして与え、 あるエッジ位置でのバックスキャッターの影響によるド
    ーズ量レベルを計算し、 該ボケと上記荷電粒子バックスキャッターによるドーズ
    量レベルの両者を考慮して、上記エッジ位置近傍におけ
    るドーズ分布を計算し、 あるドーズ閾値を設定し、 該ドーズ閾値と上記ドーズ分布から現実に上記基板上に
    形成されるパターン各部のエッジ位置を予測し、 該予測されるパターン各部のエッジ位置を所定の位置と
    なるように調整することを特徴とする近接効果補正方
    法。
  2. 【請求項2】 上記露光パターンデータの図形エッジ位
    置を変えることによって、露光されたパターンのエッジ
    位置が所定のパターンエッジ位置となるように調整する
    ことを特徴とする請求項1記載の近接効果補正方法。
  3. 【請求項3】 上記露光パターンデータの照射ドーズを
    変えることによって、露光されたパターンのエッジ位置
    が所定のパターンエッジ位置となるように調整すること
    を特徴とする請求項1記載の近接効果補正方法。
  4. 【請求項4】 基板上に転写すべきパターンをレチクル
    上に形成し、このレチクルを用いてパターン化した荷電
    粒子ビームをレジスト層の塗布された基板(感応基板)
    上に照射してパターンを転写する際に、荷電粒子が感応
    基板中でバックスキャッターして生じる近接効果を補正
    するため、該レチクルを荷電粒子ビーム露光により作製
    する時点で露光パターンデータ(図形位置と図形巾と照
    射ドーズのデータ)を補正してレチクル上のパターンの
    各部のエッジ位置を予め調整しておく近接効果補正方法
    であって;上記基板上に照射される荷電粒子ビームのボ
    ケを予め上記パターンデータ補正のための計算のパラメ
    ータとして与え、 あるエッジ位置でのバックスキャッターの影響によるド
    ーズ量レベルを計算し、 該ボケと上記荷電粒子バックスキャッターによるドーズ
    量レベルの両者を考慮して、上記基板上に形成されるパ
    ターン各部のエッジ位置近傍におけるドーズ分布を計算
    し、 あるドーズ閾値を設定し、 該ドーズ閾値と上記ドーズ分布から現実に基板上に形成
    されるパターン各部のエッジ位置を予測し、 該予測されるパターン各部のエッジ位置が所定の位置と
    なるように上記レチクル上に形成するパターン各部のエ
    ッジ位置を調整しておくことを特徴とする近接効果補正
    方法。
  5. 【請求項5】 上記レチクルを作製する際の露光パター
    ンデータの図形エッジ位置を変えることによって、上記
    感応基板上に形成されるパターン各部のエッジ位置が本
    来の位置となるよう調整することを特徴とする請求項4
    記載の近接効果補正方法。
  6. 【請求項6】 上記レチクルを作製する際の露光パター
    ンデータの照射ドーズを変えることによって、上記感応
    基板上に形成されるパターン各部のエッジ位置が本来の
    位置となるよう調整することを特徴とする請求項4記載
    の近接効果補正方法。
  7. 【請求項7】 上記基板上に形成されるパターンの各部
    のエッジ位置における荷電粒子バックスキャッターの影
    響によるドーズ(かぶり)を計算する際に、該エッジ位
    置にバックスキャッターの影響を与える範囲内のパター
    ン領域を格子状に分割し、分割した1つの格子内にある
    パターンを1つの図形のみに代表させ(いわゆる代表図
    形法)、 上記格子の寸法を、荷電粒子がバックスキャッターする
    範囲の径の1/100 〜1/3 とし、1つのエッジ位置につい
    て計算対象とするパターン領域の範囲は該バックスキャ
    ッターの範囲と同程度とすることを特徴とする請求項1
    〜6いずれか1項記載の近接効果補正方法。
  8. 【請求項8】 上記基板上に形成されるパターンの各部
    のエッジ位置における荷電粒子バックスキャッターの影
    響によるドーズ(かぶり)を計算する際に、該エッジ位
    置にバックスキャッターの影響を与える範囲内のパター
    ン領域を格子状に分割し、分割した1つの格子内にある
    パターンを1つの図形のみに代表させ(いわゆる代表図
    形法)、 上記格子の寸法を、荷電粒子がバックスキャッターする
    範囲の径の1/100 〜1/3 とし、1つのエッジ位置につい
    て計算対象とするパターン領域の範囲は該バックスキャ
    ッターの範囲と同程度とし、 ボケについては、ボケ量の最大と同程度の領域範囲で他
    のパターンのボケとの干渉を計算し、 上記近接効果ドーズ(かぶり)と上記パターンエッジの
    傾斜とから、所定のドーズ量閾値でのエッジ位置がほぼ
    所定の位置になるように補正することを特徴とする請求
    項1〜6いずれか1項記載の近接効果補正方法。
  9. 【請求項9】 ボケ量の4倍以下の細い線幅のパターン
    のエッジの傾斜を、線幅に対するボケの関数として表又
    は計算式から得ることを特徴とする請求項1〜8記載の
    近接効果補正方法。
  10. 【請求項10】 上記荷電粒子ビームのボケ量として、
    上記基板に照射される荷電粒子ビームの偏向量、及び/
    又は、パターン転写の一括露光領域内におけるビーム位
    置等に応じて異なる量を設定することを特徴とする請求
    項1〜9記載の近接効果補正方法。
  11. 【請求項11】 上記基板に照射する荷電粒子ビームが
    加速電圧40kV以上の電子ビームであることを特徴とする
    請求項1〜10いずれか1項記載の近接効果補正方法。
  12. 【請求項12】 上記基板に照射する荷電粒子ビームが
    加速電圧50kV以上の電子ビームであることを特徴とする
    請求項1〜10いずれか1項記載の近接効果補正方法。
  13. 【請求項13】 上記基板に照射する荷電粒子ビームが
    加速電圧70kV以上の電子ビームであることを特徴とする
    請求項1〜10いずれか1項記載の近接効果補正方法。
  14. 【請求項14】 請求項4〜13いずれか1項記載の方法
    により近接効果補正を加えたことを特徴とするレチク
    ル。
  15. 【請求項15】 荷電粒子線を用いたリソグラフィー工
    程において、請求項1〜13いずれか1項記載の方法によ
    り近接効果補正を行うことを特徴とするデバイス製造方
    法。
  16. 【請求項16】 基板上に転写すべきパターンをレチク
    ル上に形成し、このレチクルを用いてパターン化した荷
    電粒子ビームをレジスト層の塗布された基板(感応基
    板)上に照射してパターンを転写する際に、荷電粒子が
    感応基板中でバックスキャッターして生じる近接効果を
    補正するため、該レチクルを荷電粒子ビーム露光により
    作製する時点で露光パターンデータ(図形位置と図形巾
    と照射ドーズのデータ)を補正してレチクル上のパター
    ンの各部のエッジ位置を予め調整しておく近接効果補正
    方法であって;感応基板上に形成すべきパターン(設計
    パターン)を設定し、 該設計パターンを縮小倍率の逆数倍に拡大して一次レチ
    クルパターンを設定し、 該一次レチクルパターンを通過し、次いで投影光学系を
    通って基板に達する荷電粒子ビームの、ボケにより鈍っ
    たエネルギープロファイルDR(x) を計算し、 該エネルギープロファイルDR(x) の照射を受けた感応基
    板上における、バックスキャッターによる蓄積エネルギ
    ープロファイルE(x)を計算し、DR(x)とE(x)を加算した
    エネルギープロファイルに対して現像のエネルギー閾 値を設定し、 現像後に感応基板上に形成されるパターンの線幅を計算
    し、 この形成される線幅が設計パターンの線幅となるように
    一次レチクルパターンを補正して修正レチクルパターン
    を設定する方法において;上記ボケとして、パターン転
    写の一括露光領域内におけるパターン位置に応じて異な
    る量を与えることを特徴とする近接効果補正方法。
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