JP2007158235A - マルチビーム荷電粒子線装置及びマルチビーム荷電粒子線装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 マルチビーム荷電粒子線装置において各ビームが描画する微小フィールドサイズを描画パターンサイズの偶数倍にしない為に、微小フィールドサイズを変更する手段を設ける。
【選択図】 図5
Description
以上説明した荷電粒子線の制御方法として特許文献1に代表的な例が示されている。本従来例では、一つの電子源から放射された電子ビームを複数のビームに分割し試料上に照射しており、一つ一つのビームの照射、非照射はマルチブランカー及びブランキング制御回路によって制御されている。
すなわち、上記従来例において、複数のビームが個々の微小フィールドを走査し、個々のビームをオンオフ制御することによって描画がなされる。ここで、あるパターンを描画する経過を考えると、個々のビームは偏向走査によって描画パターン位置に来るとビームオンとなり、描画パターン位置で無い場合にはビームオフとなる。この動作を全てのビームについて考えると、ウエハに到達する全ビーム電流は時系列に変動している。つまり全てのビームが描画に関わる時刻にはビーム電流最大となり、反対に全てのビームが描画を行わない場合にはビーム電流最小(ゼロ)となる。従ってビーム電流は常に0から最大値の間を変動しながら描画が進行する。
一方、試料上に収束されるビームの解像度はクーロン効果の影響により劣化し、ビーム電流とクーロン効果による解像度はほぼ比例関係にある。以上の2点を考慮すると、描画中のビーム走査及び個々のビームのオンオフに伴いビーム電流が変動し、ひいては解像度の変動を招くこととなる。個々のビームがランダムにオンオフを繰り返す場合、ビーム電流の変動はそれほど大きくはならないが、以下に示す特定の状況には非常に大きな電流変動を伴う。
例えば、ラインアンドスペースパターンを描画する場合を考える。偏向走査が行われる微小フィールドサイズがパターン寸法の偶数倍であると、あるピクセル描画では全てのビームが一斉にオン状態になり、また次のピクセルでは一斉にオフ状態となる。そしてオン状態のビーム電流は最大ビーム電流であり、解像度は最も悪い状態である。同様に一般のデバイスパターンを描画する場合を考えるとデザインルールの偶数倍に微小フィールドサイズが設定されると、上記とほぼ同様の現象が生じ、非常に大きなビーム電流変動を生ずる。つまりある時刻にはほぼ全てのビームが同時にオン状態となり、またある時刻にはほぼ全てのビームが同時にオフ状態となる。そしてほぼ全てのビームがオン状態の際に描画されたパターンと、ほぼ全てのビームが同時にオフ状態となった際に描画されたパターンの解像度は大きく異なる。これは解像度のみならず描画精度に大きな影響を及ぼす。
本発明は、上述の従来例における問題点を解消することを課題とする。
微小フィールドサイズは描画パターンまたは描画パターンの一部を抽出したパターンに基づいて計算することができる。特に、これらの描画パターンまたは抽出パターンより計算される試料上へのビーム電流の時間変動が最小となる微小フィールドサイズを計算するとよい。
設定する手段が設けられている。
また、設定すべき微小フィールドサイズの変更量から光学系縮小率の補正量を計算し、それに伴いレンズ励磁、もしくはレンズ印加電圧を変更することが好ましい。
以下においては、荷電粒子線の一例としてマルチ電子ビーム露光装置の例を示す。なお、以下の実施例は、電子ビームに限らずイオンビームを用いた露光装置にも同様に適用でき、また露光装置に限らず他のマルチビーム荷電粒子線装置についても同様の効果を得ることができる。
以下、第1の実施例を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る電子ビーム露光装置の要部概略図である。
図1において、電子源1より放射状に放出される電子ビームはコリメータレンズ2によって所望の大きさを持った面積ビームに成形された後、マスク3にほぼ垂直入射される。マスク3は複数の開孔を持つマスクである。マスク3を通して複数個に分割され成形された電子ビーム10はレンズ4によってそれぞれブランキングアレイ6に収束される。ブランキングアレイ6は偏向板アレイであり、個々のビームを偏向することが出来る。ブランキングアレイ6によって偏向されたビームはブランキング絞り9によって遮蔽される。一方、偏向されなかったビームはレンズ7により収束され、ブランキング絞り9を通過する。さらに、レンズ8により収束され、偏向器5によって試料上への照射位置を調整された後、試料11上に照射される。
図2は試料上に到達する全てのビームの動きを説明している。各々のビーム10は各々に割り当てられた微小フィールド20内をラスタースキャンし、パターンを描画していく。また全てのビームが同時に同様のラスタースキャンを行い、パターンに応じて個々にビームのオンオフを行いフィールド22内のパターンを描画する。
図3は一つの微小フィールド内のビームの動き及びピクセル構造を示している。一つのビーム10は上述したように微小フィールド20内をラスタースキャンするが、微小フィールド内はさらにピクセル21に分割されており、ピクセル毎にビームのオンオフを行うことによってパターンを描画していく。
また、上述において、電子源は1個の例を示したが、2個以上であってもよい。
次に第2の実施例について説明する。
第1の実施例においてはデータ制御によって微小フィールドサイズの変更を行ったが、本実施例においては光学パラメータの変更によって同様の効果を実現する。
第1の実施例において微小フィールドサイズの変更を行い、従来の微小フィールドサイズに対して1ピクセル大きい微小フィールドサイズを設定することを考える。すると、図2に示す如く微小フィールド20は8×8配列されているため、最外周微小フィールドでは3ピクセル分のシフトが必要となり、フィールドサイズ22は6ピクセルだけ大きくなる。さらに微小フィールドサイズの拡大を行っていくことを考えると、最外周微小フィールドのシフト量は拡大に従って大きくなり、最後には最外周微小フィールドのスキャン可能領域を越えてしまう。従って、微小フィールドサイズの変更量が大きい場合には第1の実施例では不十分である。
上記縮小率の変更のために本実施例では、微小フィールドサイズ変更量を第1の実施例と同様に計算した後に、コントローラ12によってレンズの変更量を計算し、レンズデータをレンズ制御回路13に転送する。さらに光学系の微小な調整にはビーム校正手段を用いて微調整を行う。
次に、上記の露光装置を利用した微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造プロセスを説明する。
図6は半導体デバイスの製造のフローを示す。
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(EBデータ変換)では設計した回路パターンに基づいて露光装置の露光制御データを作成する。
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意した露光制御データが入力された露光装置とウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。
次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程である。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
2:コリメータレンズ
3:マスク
4:レンズアレイ
5:偏向器
6:ブランキングアレイ
7、8:レンズ
9:ブランキング絞り
10:ビーム
11:試料
12:コントローラ
13:レンズ制御回路
14:描画パターン発生回路
15:ビットマップ変換回路
16:露光時間制御回路
17:ブランキング制御回路
18:偏向信号発生回路
19:偏向アンプ
20:微小フィールド
21:ピクセル
22:描画フィールド
Claims (17)
- 複数の荷電粒子線ビームを生成し、該複数の荷電粒子線ビームの各々に微小フィールドを描画させるマルチビーム荷電粒子線装置であって、
前記微小フィールドのサイズを可変する手段を有することを特徴とするマルチビーム荷電粒子線装置。 - 前記微小フィールドサイズを描画パターンの描画寸法の偶数倍以外に設定する手段を有することを特徴とする請求項1記載のマルチビーム荷電粒子線装置。
- 前記微小フィールドサイズを描画パターンの描画寸法の奇数倍に設定する手段を有することを特徴とする請求項1記載のマルチビーム荷電粒子線装置。
- 可変または設定すべき微小フィールドサイズを描画パターンに基づき計算する手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマルチビーム荷電粒子線装置。
- 前記微小フィールドサイズを計算する手段は、描画パターンの一部を抽出する手段を備え、該抽出パターンに基づいて前記微小フィールドサイズを計算することを特徴とする請求項4記載のマルチビーム荷電粒子線装置。
- 前記微小フィールドサイズを計算する手段は、描画パターンより計算される試料上へのビーム電流の時間変動が最小となる微小フィールドサイズを計算することを特徴とする請求項4または5記載のマルチビーム荷電粒子線装置。
- 前記微小フィールドサイズをピクセルサイズの偶数倍以外に設定する手段を有することを特徴とする請求項1記載のマルチビーム荷電粒子線装置。
- 可変または設定すべき微小フィールドサイズへの変更量から光学系縮小率の変更量を計算する手段と、該光学系縮小率の変更量に伴いレンズの励磁量または印加電圧を変更する手段とを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のマルチビーム荷電粒子線装置。
- 複数の荷電粒子線ビームを生成し、該複数の荷電粒子線ビームの各々に微小フィールドを描画させるマルチビーム荷電粒子線装置の制御方法であって、
前記微小フィールドのサイズを可変制御することを特徴とするマルチビーム荷電粒子線装置の制御方法。 - 前記微小フィールドサイズを描画パターンの描画寸法の偶数倍以外に設定することを特徴とする請求項9記載の制御方法。
- 前記微小フィールドサイズを描画パターンの描画寸法の奇数倍に設定することを特徴とする請求項9記載の制御方法。
- 制御または設定すべき微小フィールドサイズを描画パターンに基づき計算するステップを有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1つに記載の制御方法。
- 前記微小フィールドサイズを計算するステップは、描画パターンの一部を抽出するステップを備え、該抽出パターンに基づいて前記微小フィールドサイズを計算することを特徴とする請求項12記載の制御方法。
- 前記微小フィールドサイズを計算するステップでは、描画パターンより計算される試料上へのビーム電流の時間変動が最小となる微小フィールドサイズを計算することを特徴とする請求項12または13記載の制御方法。
- 前記微小フィールドサイズをピクセルサイズの偶数倍以外に設定することを特徴とする請求項9記載の制御方法。
- 制御または設定すべき微小フィールドサイズへの変更量から光学系縮小率の変更量を計算し、該光学系縮小率の変更量に伴いレンズの励磁量または印加電圧を変更制御することを特徴とする請求項9〜15のいずれか1つに記載の制御方法。
- 請求項1〜8のいずれか1つに記載の荷電粒子線露光装置または請求項9〜16のいずれか1つに記載の方法により微小フィールドサイズを制御される荷電粒子線露光装置を用いて基板を露光する工程と、露光した前記基板を現像する工程とを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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