JP3244766B2 - 荷電粒子ビーム描画方法及び描画装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画方法及び描画装置

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JP3244766B2 JP09426992A JP9426992A JP3244766B2 JP 3244766 B2 JP3244766 B2 JP 3244766B2 JP 09426992 A JP09426992 A JP 09426992A JP 9426992 A JP9426992 A JP 9426992A JP 3244766 B2 JP3244766 B2 JP 3244766B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷電粒子ビームを用い
てパターンを描画する技術に係わり、特に荷電粒子ビー
ムによりパターンを描画する際の照射量補正を行った荷
電粒子ビーム描画方法及び描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可変成形ビームを用いた電子ビー
ム描画装置においては、パターンの近接効果を補正する
ために照射量を制御し、かつパターン描画用データを外
部記憶装置から描画制御回路に転送する際の時間を短縮
し、内部記憶装置の資源を節約するために、以下の例の
ように描画データの圧縮が行われている。
【0003】図8に示すように、2つの図形61と図形
62よりなるグループパターン60が4行×4列に配列
する場合、描画データは図9に示すような配置データ群
と図形データ群と照射量制御データ群によって表現され
る。
【0004】ここで、図形データ群とは、一定のパター
ンを構成する図形データのまとまりであるグループパタ
ーンの集まりであり、図形データは所望パターンを構成
する要素図形の種類(code)、照射位置(Xm ,Ym )
及び大きさ(Hm ,Wm )を記すデータの集合である。
また、配置データ群とは、グループパターンの配置情報
であり、配置する基準点の位置(Xxi,Yyi)、配置繰
り返しの回数Nxi(=4),Nyi(=4)、配置繰り返
しのピッチPxi,Pyi及び該グループパターンに属する
図形数Ni、該図形データを格納したデータの格納番地
PFi、該図形データに対応する照射量制御データを格
納したデータの格納番地PDiを表すデータの集合であ
る。さらに、照射量制御データ群は単位図形の照射量t
m を記すデータの集合となっている。
【0005】この方法により、一つのグループパターン
が繰り返し配置される場合には、グループパターンを表
現する図形データと、グループパターンを配置する配置
データと、図形データに対応する照射量制御データとを
定義すれば十分となり、パターンを描画するためのデー
タを圧縮することができる。
【0006】ところで、この種の方法では、図形のサイ
ズが電子ビームの照射による後方散乱の広がりよりも大
きな場合には、元の図形をその後方散乱の広がりよりも
十分に小さい図形に分割し、さらに分割された各々の図
形に対して照射量を制御するデータを記述しなければな
らない。即ち、図10(a)に示すように、電子ビーム
が点0に入射された場合、後方へ散乱された電子の分布
が点0を中心に半径σb=3σの円内に及ぶ。図10
(b)に示すように、もしこの円形領域内に、照射量を
制御された他の描画が行われた場合、結果として総照射
量が予め予定された量とは異なる値となってしまう。図
10(c)に示すように、総照射量が制御された描画を
行うためには、描画の単位図形がこの円形よりも十分に
小さな形状であり、かつ、この円形領域内にある他の図
形を描画することによる後方散乱による照射量を加味
し、その描画単位図形の照射量を制御することが必要で
ある。なお、図10において、81は電子ビームの照射
地点、82は電子ビームの後方散乱の影響の及ぶ領域、
83は所望するパターン、84は照射量の制御された描
画単位図形を示している。
【0007】従って、パターンを構成する図形のサイズ
が大きい場合には従来のような描画データの圧縮は不可
能であり、かつ描画データ量の増大をも招くことにな
る。つまり、従来方法では、照射量補正を実施する上で
描画データのデータ圧縮が不十分であるという問題があ
った。さらに、データ圧縮が不十分であるということか
ら、データ転送時間が長くなり、電子ビーム描画装置の
稼働率の低下を招き、ひいては描画スループットの低下
を招くという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように近接効果の
補正等を行う場合、従来の描画データ圧縮方法では、そ
のデータの圧縮が不十分となり、描画用データの転送時
間が大きくなり、荷電粒子ビーム描画装置の稼働率を低
下させるという問題点があった。
【0009】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、その目的とするところは、近接効果補正等のために
照射量を変化させて描画する際にも効率的な描画データ
の圧縮と伸長が可能となり、装置稼働率及び描画スルー
プットの向上をはかり得る荷電粒子ビーム描画方法を提
供することにある。また本発明の他の目的は、上記方法
を実施するための荷電粒子ビーム描画装置を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、描画用
データ中に含まれる図形データとその配置データ及び照
射量データを分離すると共に、描画領域を荷電粒子ビー
ムの後方散乱の広がりよりも小さな領域に分割し、該領
域毎に照射量を設定することにより、近接効果の補正等
に起因する形状の細分割を回避し、描画用データの量の
増大と描画用データの転送時間の増大を軽減することに
ある。
【0011】即ち本発明(請求項1)は、試料上に荷電
粒子ビームを照射して該試料上に所望パターンを描画す
る荷電粒子ビーム描画方法において、描画用データが下
記の4項目、 (1) 所望するパターンを要素図形により構成し、該要素
図形の形状を表す図形データを設定する。 (2) 前記図形データ又は該図形データの集合の配置情報
を表す配置データを設定する。
【0012】 (3) 描画領域の全て又は一部を荷電粒子ビームの後方散
乱の広がりよりも十分に小さな領域に区分し、該領域毎
照射量を算出するためのデータを設定する。 (4) (1)(2)(3) により設定されるデータは独立に記述す
る。を満たし、かつ該描画用データを下記の4項目、 (5) (1) による図形データを、所定の形状を持ち、かつ
所定のサイズより小さな描画単位図形に分割する。 (6) 各描画単位図形の代表点を算出する。 (7) (2) の配置情報より(6) の代表点が属する、(3) の
領域を求める。 (8) 該領域に設定されたデータより荷電粒子ビームの照
射量を求め、これを該描画単位図形の照射量として描画
する。を満たすように処理することを特徴とする。
【0013】また、本発明(請求項2)は、上記 (1)〜
(4) で定義される描画用データに基づき、所望パターン
を描画する荷電粒子ビーム描画装置において、下記の5
項目の機能を有することを特徴とする。 (1) 描画用データの内の図形データから描画単位図形を
発生させる機能。 (2) 描画用データの内の配置データから描画単位図形の
描画位置を決定する機能。 (3) 描画単位図形の大きさより該描画単位図形の代表点
を決定し、配置データより該描画単位図形の代表点の座
標を決定する機能。 (4) (3) で決定された描画単位図形の代表点の座標と描
画用データの内の照射量制御データから該描画単位図形
の照射量を決定する機能。 (5) (1)〜(4) の機能を実現し、且つ該描画単位図形を
描画する機能。
【0014】
【作用】本発明は、「後方散乱よりも小さな領域に描画
領域を区分し、各小領域内部の図形の照射量を同一とし
ても近接効果の補正精度は、大きく劣化しない」という
ことを基本としている。これを、以下に説明する。
【0015】点X′に荷電粒子ビーム、例えば電子線を
照射量dだけ入射したとき、場所Xにおけるレジストの
感光量(蓄積エネルギー)D(X)は、前方散乱の広が
りを無視すると、
【0016】
【数1】
【0017】で表わされる。但し、σb は後方散乱の広
がり、σf は前方散乱の広がり、ηeは前方散乱による
感光量と後方散乱による感光量との比率である。(数
1)の{}内の第1項が電子線の入射時に直接感光した
量、第2項が後方散乱による寄与を表わす。近接効果は
主として第2項の後方散乱部分によって生じるので、以
下ではこれを基準に考える。点Xに電子線を入射した時
の後方散乱の寄与は点Xで、
【0018】
【数2】 である。点Xより入射点が僅かにΔだけずれた時、点X
における後方散乱の寄与は、
【0019】
【数3】 である。(数2)(数3)より、点Xに入射する代わり
に点(X+Δ)に入射することによって生じる感光量の
変動は、
【0020】
【数4】 程度であることが分かる。
【0021】点(X+Δ)の最適照射量d(X+Δ)に
代えて、点Xの最適照射量d(X)を点(X+Δ)に照
射する時に生ずる誤差は、(数4)の誤差と同程度であ
る。例えば、|Δ|として(σb /5)ととれば、誤差
は4%程度にすぎない。加速電圧50kVの場合、σb
は10μmなので、小領域のサイズは2μm□とすれば
十分である。
【0022】本発明は、上記の点を考慮してなされたも
ので、描画すべき図形の形状やサイズとは全く独立に小
領域毎に照射量を設定することを可能としている。本発
明を用いれば、近接効果補正に起因する照射量設定のた
めの図形分割が不要となる。このため、図形数の増加が
抑えられ、データ量が減小してデータ転送の時間が大幅
に短縮される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の詳細を図示の実施例によって
説明する。
【0024】図1は、本発明の第1の実施例に係わる電
子ビーム描画装置の光学系構成を示す図である。図中1
0は電子銃、11は各種レンズ系、12,〜,14は各
種偏向系、15はブランキング板、16,17はビーム
成形用アパーチャマスク、18は反射電子検出器、19
はターゲットを示している。電子銃10から放出された
電子ビームは、ブランキング用偏向器12によりON−
OFFされる。本装置は、この際のブランキング時間を
調整することによって、各描画単位図形の照射量を制御
させることを可能としている。
【0025】ブランキング板15を通過したビームは、
ビーム成形用偏向器13及びビーム成形用アパーチャマ
スク16,17により矩形ビームに成形され、またその
矩形の寸法が可変される。そして、この成形されたビー
ムは、走査用偏向器14によりターゲット19上で偏向
走査され、このビーム走査によりターゲット19が所望
パターンに描画されるものとなっている。
【0026】なお、本装置での電子ビームの加速電圧は
50kVであり、また発生し得る可変成形ビームは最大
サイズが高さ2μm,幅2μmの矩形ビームである。ま
た、矩形ビームに限らず、三角形ビームも成形できるも
のとした。
【0027】図2は、本装置に付属する描画制御回路の
描画データ格納用メモリに転送された描画用データのイ
メージである。描画用データは、配置データ群,図形デ
ータ群及び照射量制御データ群より構成されている。
【0028】配置データ群とは、特定のパターンを構成
する図形データの一群をグループパターンと称し、それ
らグループパターンの配置情報である。また、図形デー
タとは、描画しようとするパターンを構成する図形の一
要素であり、グループパターンの配置原点からの相対的
な配置位置や図形の情報を含むものである。さらに、描
画データの構造上の特徴として異なる配置データが同一
のグループパターンを参照することも可能で、その結
果、同一のグループパターンを異なる座標に配置するこ
とも可能である。
【0029】また、照射量制御データ群は、描画領域を
電子の後方散乱の広がりよりも十分に小さな領域に分割
し、その各々の領域に照射量を制御する値を設定した照
射量制御データと照射量制御基準係数とからなる。実際
に電子ビームを用いて描画する時に、この照射量制御デ
ータを参照した上で照射量を設定し、描画する。ここ
で、照射量の計算は、「最適照射量の近似公式」を用い
る方法で行った(Jounalof Appliod Physics, p4428,11
(1989))。また、照射量を設定する領域は2μm□サイ
ズとした。Si基板、加速電圧50kVの場合、後方散
乱の広がりσb は10μmであり、この領域サイズを2
μm□とすれば十分に小さいからである。図3は、描画
制御回路の構成と描画用データより描画単位図形の導出
に至る描画データの流れについて表現したものである。
描画制御回路は、描画データ展開回路31,図形分割回
路32,照射量設定回路33,偏向制御回路34及び照
射量制御回路35より構成される。
【0030】描画データ展開回路31では、描画データ
格納用メモリに転送された描画用データから、一つの図
形データとその配置座標が抽出される。その一つの図形
が描画単位図形よりも大きい場合、図形分割回路32に
より該図形は描画単位図形にまで分割され、かつそれぞ
れの描画単位図形に対して配置座標が付与され、偏向制
御回路34に転送される。同時に、照射量設定回路33
では、描画単位図形の配置座標と該図形の大きさとから
該図形の代表点である重心座標が求められ、さらにその
重心座標を用いて照射量制御データ群から該図形の重心
座標に対応する座標固有の照射量制御データが求められ
る。そして、照射量制御基準係数と乗算処理を施したの
ち、照射量制御データとして照射量制御回路35へ転送
される。このようにして本実施例では、描画単位図形を
所定の位置に、かつ制御された照射量にて描画すること
ができる。その結果、所望するパターンを試料面上に精
度良く形成することができる。
【0031】本実施例方法を用いれば、近接効果補正に
も起因するデータ量の増加は以下に示すように限りある
ものとなる。即ち、照射量制御に伴うデータ量の増加は
小領域のサイズ2ΔとLSIのチップサイズLのみで決
まり、元のパターンの複雑さには一切関係しない。その
上限は(L/2Δ)2 ×d1 となる。ここで、d1 は1
つの照射量データのサイズであり、1バイトもみれば十
分である。
【0032】例えば、L=1cm,2Δ=2μmとすれ
ば、本実施例方法におけるデータ量の増加は、(104
/2)2 ×1〜25Mバイトとなり、これを越えること
はない。
【0033】実際にはアレイ定義と並用し、このデータ
量の増加をさらに抑えることが可能である。また、後述
するように図形毎に照射量を定義する方式と並用するこ
とも可能である。以下では、図形データとの並用は行わ
ずに、本実施例方法の効果を確認した。
【0034】上記方法をDRAMに適用すると、メモリ
セルアレイ部の周辺におけるデータアレイ構造の破壊が
抑えられる。256MのDRAM(0.25μmルー
ル)に従来法を適用するとメモリセル部約1mm2 にア
レイ構造の破壊が生じ、データ量は36Mバイト増加す
る。これに対し、本実施例方法を適用するとこの増加分
は0.3Mバイトに抑えられ、近接効果補正によるデー
タ量の増加はほぼ無視できる。
【0035】また、従来法をゲートアレイパーソナライ
ズ(5mm□,0.5μmルール)に適用し、近接効果
補正を行うと、データ量は約15Mバイトとなる。これ
に対し、本実施例方法を用いると、データ量は8Mバイ
トにすぎない。つまり、データ圧縮効果は(1/2)と
なる。
【0036】このように本実施例によれば、描画すべき
図形の形状やサイズとは無関係に、電子ビームの後方散
乱の広がりよりも小さな小領域毎に照射量を決定してい
るので、近接効果補正に起因する照射量設定のための図
形分割が不要となる。このため、図形数の増加が抑えら
れ、データ量が減小して、データ転送の時間が大幅に短
縮される。これにより、電子ビーム描画装置によって単
位時間に描画できる試料の数も多くなり、描画スループ
ットの向上をはかり得る。次に、本発明の第2の実施例
を、図4及び図5を参照して説明する。
【0037】図4は、描画制御回路の描画データ格納用
メモリに転送された描画データのイメージである。描画
用データは第1の実施例と同様に、配置データ群,図形
データ群及び照射量制御データ群より構成されている。
配置データ群及び図形データ群は第1の実施例と同様で
あり、本実施例は照射量制御データ群が第1の実施例と
は異なっている。
【0038】照射量制御データ群は、グループパターン
に属する図形固有の照射量制御データと、描画領域を電
子ビームの後方散乱の広がりよりも十分に小さな領域に
分割し、その各々の領域に照射量を制御する値を設定し
た照射量制御データと、照射量制御基準係数とからな
る。実際に電子ビームを用いて描画する時に、この照射
量制御データを参照した上で照射量を設定し、描画す
る。
【0039】図5は、描画制御回路の構成と描画データ
より描画単位図形の導出に至る描画データの流れについ
て表現したものである。描画制御回路は第1の実施例と
同様に、描画データ展開回路51,図形分割回路52,
照射量設定回路53,偏向制御回路54及び照射量制御
回路55より構成される。
【0040】本実施例においても第1の実施例と同様
に、描画データ展開回路51では一つの図形データとそ
の配置座標が抽出され、図形分割回路52にでは描画単
位図形よりも大きい図形データが描画単位図形にまで分
割される。そして、それぞれの描画単位図形に対して配
置座標が付与され、偏向制御回路54に転送される。
【0041】本実施例ではこれと同時に、描画単位図形
に対応する照射量制御データ群の図形固有値が照射量設
定回路53に転送される。照射量設定回路53では、描
画単位図形の配置座標と該図形の大きさとから、該図形
の代表点である重心座標が求められ、その重心座標を用
いて照射量制御データ群の領域固有値より対応する座標
個有の照射量制御データが求められる。そして、図形固
有と座標固有の各々の照射量制御データが加算され、照
射量制御基準係数と乗算処理を施したのち、照射量制御
データとして照射量制御回路55へ転送される。
【0042】このようにして描画単位図形を所定の位置
に、かつ制御された照射量にて描画することができ、そ
の結果、所望するパターンを試料面上に形成することが
できる。従って本実施例によっても、先の第1の実施例
と同様の効果を得ることができる。また、本実施例で
は、領域毎に照射量を定義する方式と図形毎に照射量を
定義する方式とを並用しているので、第1の実施例より
も更にデータ量の増加を抑えることができる。ここで、
補正照射量を(図形毎ではなく)後方散乱よりも十分小
さな領域毎に設定してよい理由を述べる。
【0043】図6(a)のように、x≧0なる領域を補
正して露光する場合を考える。小領域(サイズ2Δ)内
部では照射量が一定になり、各位置での露光量は図6
(b)に示すようになる。そのような露光を行うと、図
6(c)に示すように、後方散乱の影響分が小領域内部
で(レジストの)蓄積エネルギー(感光量)の変動を引
き起こす。この小領域内部の変動は、図6のケースのエ
ッジ(端部)で最大となる。図7は、このような変動
(即ち誤差)の小領域サイズ依存性を示している。この
依存性は、以下のように数値計算より確認されたもので
ある。
【0044】描画すべきパターンを領域2Δ毎に区分
し、各小領域の重心に補正照射量を決定した。ここで用
いた補正のアルゴリズムは Pavkovich(J.M.Pavkovich;
J.Vac.Sci. & Tech. B4(1986)P159 )。
【0045】この場合は、各領域内のパターンに対して
上記最適照射量を設定した場合のレジスト上の任意の位
置に対して、1:1,2:1,7:1の比のラインとス
ペースのパターンについて蓄積エネルギーを見積もり、
蓄積エネルギーの小領域内での変動を、重心位置の蓄積
エネルギーの一定値からのずれにより誤差として見積も
る。なお、ラインを電子線照射部分としている。レジス
ト上における任意の位置におけるエネルギー蓄積量D
(X)は、次の式(数5)で表わされる。
【0046】
【数5】
【0047】ここで、di はi番目の領域内のパターン
の重心に設定された最適照射量、σbは後方散乱の広が
りである。(数5)により数値計算を行った結果から見
積もられた誤差が図7である。図7は、同じ最適照射量
を設定した領域内での蓄積エネルギーの最大の変動を示
している。図に見るように、Δ/σb を1/10程度と
すれば、誤差は高々2%程度に抑えられることが分か
る。
【0048】例えば、加速電圧50kV,Si基板の場
合、σb =10μmなので、Δ=1μm(即ち、領域の
サイズとしては2Δ=2μm)とすれば、誤差は高々2
%と極めて小さい。即ち、後方散乱の広がりσb より十
分小さい領域内部で補正照射量を同一としても問題ない
ことが分かる。
【0049】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例では、描画単位図形の代表点
を重心としたが、次のように代表点を決めてもよい。即
ち、(1) 四角形の描画単位図形の場合にはその中心、
(2) 直角三角形の描画単位図形の場合は斜辺の中点とし
てもよい。また、電子光学鏡筒の構成は図1に何等限定
されるものではなく、仕様に応じて適宜変更可能であ
る。さらに、電子ビームの代わりにイオンビームを用い
たイオンビーム描画装置に適用することも可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形し
て実施することができる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、描
画用データ中に含まれる図形データとその配置データ及
び照射量データを分離すると共に、描画領域を荷電粒子
ビームの後方散乱の広がりよりも小さな領域に分割し、
該領域毎に照射量を設定することにより、近接効果補正
等のために照射量を変化させて描画する際にも効率的な
描画データの圧縮と伸長が可能となり、装置稼働率及び
描画スループットの向上をはかることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる電子ビーム描画
装置の光学系構成を示す図、
【図2】第1の実施例における描画データのイメージを
示す模式図、
【図3】第1の実施例に用いた描画制御回路の構成を示
すブロック図、
【図4】第2の実施例における描画データのイメージを
示す模式図、
【図5】第2の実施例に用いた描画制御回路の構成を示
すブロック図、
【図6】補正照射における小領域内部での蓄積エネルギ
ー変動を示す模式図、
【図7】小領域サイズと誤差との関係を示す特性図、
【図8】従来方式によるデータ圧縮を行う場合のパター
ンイメージの例を示す模式図、
【図9】従来方式による圧縮されたデータのイメージを
示す模式図、
【図10】従来方式の問題点を説明するための模式図。
【符号の説明】
10…電子銃、 11…各種レンズ系、 12〜14…各種偏向系、 15…ブランキング板、 16,17…ビーム成形用アパーチャマスク、 18…反射電子検出器、 19…ターゲット、 31,51…描画データ展開回路、 32,52…図形分割回路、 33,53…照射量設定回路、 34,54…偏向制御回路、 35,55…照射量制御回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−270317(JP,A) 特開 平4−212407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料上に荷電粒子ビームを照射して該試料
    上に所望パターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法に
    おいて、 描画用データとして、所望するパターンを構成する要素
    図形の形状を表す図形データと、この図形データ又は該
    図形データの集合の配置情報を表わす配置データと、描
    画領域の全て又は一部を荷電粒子ビームの後方散乱の広
    がりよりも小さな領域に区分した際における該領域毎の
    照射量を算出するための照射量制御データとを、独立に
    記述しておき、 この描画用データに基づき、前記図形データを所定の形
    状を持ち、かつ所定のサイズ以下の描画単位図形に分割
    し、分割された各描画単位図形の代表点を算出し、算出
    された代表点が属する領域に設定された照射量制御デー
    タを利用して荷電粒子ビームの照射量を求め、これを描
    画単位図形の照射量として決定することを特徴とする荷
    電粒子ビーム描画方法。
  2. 【請求項2】描画すべきパターンを構成する要素図形の
    形状を表わす図形データ,この図形データ又は該図形デ
    ータの集合の配置情報を表わす配置データ,及び描画領
    域を荷電粒子ビームの後方散乱の広がりよりも小さく
    分した領域毎の照射量を表わす照射量制御データからな
    る描画用データを基に、試料上に荷電粒子ビームを照射
    して該試料上に所望パターンを描画する荷電粒子ビーム
    描画装置であって、 前記図形データから描画単位図形を発生させる手段と、
    前記配置データから描画単位図形の描画位置を決定する
    手段と、該手段により決定された描画単位図形の位置及
    び大きさより該描画単位図形の代表点を決定し、前記配
    置データより該描画単位図形の代表点の座標を決定する
    手段と、該手段により決定された描画単位図形の代表点
    の座標と前記照射量制御データから該描画単位図形の照
    射量を決定する手段とを有し、前記決定された照射量で
    描画単位図形を描画することを特徴とする荷電粒子ビー
    ム描画装置。
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