JP3321234B2 - 電子ビーム描画方法及び描画装置 - Google Patents

電子ビーム描画方法及び描画装置

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JP3321234B2
JP3321234B2 JP07911793A JP7911793A JP3321234B2 JP 3321234 B2 JP3321234 B2 JP 3321234B2 JP 07911793 A JP07911793 A JP 07911793A JP 7911793 A JP7911793 A JP 7911793A JP 3321234 B2 JP3321234 B2 JP 3321234B2
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哲郎 中杉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビーム描画技術に
係わり、特に近接効果の低減をはかった電子ビーム描画
方法及び描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体ウェハやマスク基板等の試
料に微細パターンを描画するものとして、電子ビーム描
画装置が用いられているが、この装置では後方散乱電子
によりパターンの太りや細りが生じる、いわゆる近接効
果の影響が問題となる。
【0003】近接効果を低減する方法として、パターン
のサイズや粗密に基づき、場所によって照射量を調整す
る照射量補正法がある。従来、この照射量補正法による
照射量の決定に際しては、行列を用いた方法(M.Parik
h, J.Appl.Phys. p4371,p4378,p4383(1979))、近似公
式を用いる方法(T.Abe, S.Yoshikawa, T.Takigawa, JJ
AP vol.30,3B,p521-531(1991) 、J.M,Pavkovich, J.Va
c. Sci.Technol.B4,159(1986))などが用いられる。こ
れらの方法は照射量決定に用いる方法の違いはあるもの
の、レジスト中の露光部の全吸収エネルギー吸収量をパ
ターンの粗密によらずに一定とする最適照射量を求め、
この照射量で描画することにより近接効果の影響を低減
するものである。
【0004】しかしながら、これらの方法には次のよう
な問題があった。即ち、パターンサイズが微細化される
と、入射電子ビームのぼけ及びレジスト中での前方散乱
の大きさがパターンサイズに比べて無視できない大きさ
を持つようになり、パターン寸法精度の低下をもたら
す。
【0005】また、パターンの粗密によって未露光部の
エネルギー吸収量が異なるために、個々のパターンの最
適現像時間にも違いが生じる。このため、パターンが微
細化された場合、同一ウェハ上にあるパターンは同じ現
像条件のもとではパターン密度の違いによって、形成寸
法に大きな差ができてしまうことになる。
【0006】これらの問題は、従来のレジスト中の露光
部の全吸収エネルギー吸収量をパターンの粗密によらず
一定とする補正方法では解決することはできない。ま
た、これらの影響を考慮した理想的な補正公式には多く
のパラメータが必要になり、補正計算に要する時間の増
大を招く。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の電
子ビーム描画方法にあっては、入射電子ビームのぼけ及
びレジスト中での前方散乱の大きさがパターンサイズに
比べて無視できない大きさを持つようになる場合、或い
はレジストの露光部と非露光部の溶解速度の比が十分に
大きくなく、現像時に発生するパターンの膜減り又は線
細りがパターンサイズに比べて無視できない場合には、
微細パターンを精度良く露光することは困難であった。
【0008】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、近接効果や入射電子ビ
ームのぼけ,レジスト中の前方散乱及び現像過程に起因
するパターン寸法精度劣化を防止し、且つ補正計算に要
する時間を大幅に短縮することができる電子ビーム描画
方法及び描画装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、予め後
方散乱電子の寄与に対応した最適照射量又は照射時間の
参照用テーブルを設けておき、パターン内の各描画位置
毎の最適照射量を求める際に、各描画位置における後方
散乱電子の寄与のみを計算し、その後方散乱電子の寄与
に応じた最適照射量又は照射時間を、参照用テーブルを
参照することで決定し、近接効果や入射電子ビームのぼ
け,レジスト中の前方散乱及び現像過程に起因するパタ
ーン寸法精度劣化を防止し、かつ照射量決定に要する時
間を大幅に短縮することにある。
【0010】即ち、本発明は、試料上に電子ビームを照
射して所望パターンを描画するに先立ち、描画すべきパ
ターン内の各位置毎に最適照射量を求め、この最適照射
量にて各パターンを描画する電子ビーム描画方法におい
て、予め、パターン密度の異なる複数種のパターンを描
画し、各々のパターンに対する最適照射量をそれぞれ実
験的に求め、得られた複数のデータからパターン密度に
対応する最適照射量の補間公式を作成し、この補間公式
を基に後方散乱電子の寄与に対応した最適照射量又は照
射時間の参照用テーブルを設けておき、パターン内の各
描画位置毎に最適照射量を求める際に、後方散乱電子の
寄与のみを計算し、該計算によって得られた後方散乱電
子の寄与に応じた最適照射量又は照射時間を、前記テー
ブルを参照して決定することを特徴とする。
【0011】また、本発明は、試料上に電子ビームを照
射して所望パターンを描画し、且つ描画すべきパターン
内の各位置毎に最適照射量を求め、この最適照射量にて
各パターンを描画する電子ビーム描画装置において、後
方散乱電子の寄与に対応した最適照射量又は照射時間の
参照用テーブルと、パターン内の各描画位置毎に最適照
射量を求めるために、後方散乱電子の寄与のみを計算す
る手段と、前記計算によって得られた後方散乱電子の寄
与に応じた最適照射量又は照射時間を、前記テーブルを
参照して決定する手段とを具備してなり、前記参照用テ
ーブルは、パターン密度の異なる複数種のパターンを描
画し、各々のパターンに対する最適照射量をそれぞれ実
験的に求め、得られた複数のデータからパターン密度に
対応する最適照射量の補間公式を作成し、この補間公式
を基に作成されていることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明によれば、予め後方散乱電子の寄与に対
応した最適照射量又は照射時間の参照用テーブルを設け
ておき、各描画位置における後方散乱電子の寄与を計算
し、その寄与分に応じた最適照射量又は照射時間を、テ
ーブルを参照して決定することによって、近接効果や入
射電子ビームのぼけ,レジスト中の前方散乱及び現像過
程に起因するパターン寸法精度の低下を防止し、また照
射量決定に要する時間を大幅に短縮することが可能とな
る。
【0013】ここでは例として、ネガレジストを用いて
複数種類のパターン密度の異なる、ライン&スペースパ
ターンを可変整形ビーム方式の電子ビーム描画装置を用
いて形成することを考える。まず、従来の照射量補正法
では、同一ウェハ上にあるこれらのパターンが同じ現像
条件のもとでは形成寸法に大きな差ができてしまう理由
を述べる。
【0014】従来法では、レジスト中の露光部のエネル
ギー吸収量をパターンの粗密によらずに一定とする最適
照射量を求め、この照射量で描画することにより近接効
果の影響が低減される。しかしながら、パターンが微細
化された場合、図9に示すようにパターンの粗密によっ
て大きな寸法誤差を生じる。ここで、寸法誤差が生じる
原因としては、以下の2つを挙げることができる。 (1) 吸収エネルギー分布(ビームぼけ,レジスト中での
前方散乱) (2) 現像の進む未露光部のエネルギー吸収量の違い まず、吸収エネルギー分布に起因するパターン寸法精度
低下について説明する。図2にはパターンサイズが入射
ビームのぼけやレジスト中の前方散乱の広がりに比べ、
同程度まで微細化される場合の従来補正方法によるレジ
スト中の吸収エネルギー分布を示す。図中の1は前方散
乱電子の寄与によるエネルギー分布、2は後方散乱電子
の寄与によるエネルギー分布を示す。
【0015】レジスト中の前方散乱電子の寄与によるエ
ネルギー分布は、電子ビームの所望寸法を半値幅とする
ガウシアン分布で現すことができる。半値幅の大きさは
加速電圧やレジスト膜厚に依存するもので、照射量の大
小には依存しない。図中4が中心部のエネルギー分布の
半値幅を示す場合、端部においては図中の6が半値幅に
相当することになり、エネルギー吸収量に違いを生じ
る。同じエネルギー吸収量(図中の3)でのエネルギー
分布の幅を比較してみると、中心部分の方(図中の4)
が端部(図中の5)よりも広くなる。即ち、図中の5と
図中の6の幅の違いが寸法精度を低下させる原因とな
る。
【0016】次に、パターンの粗密による未露光部のエ
ネルギー吸収量の違いと、これに起因するパターン寸法
精度低下について図3を用いて説明する。図3は、孤立
残しパターン,孤立抜きパターン,ライン&スペースパ
ターンについて、現像開始から現像終了までのレジスト
形状の変化を示している。また、露光には従来法による
近接効果補正がなされているものとする。図3(a)は
孤立残しパターンの最適現像時間、図3(b)はライン
&スペースパターンの最適現像時間、図3(c)は孤立
残しパターンの最適現像時間での各パターンのレジスト
形状をそれぞれ示している。
【0017】ネガレジストの場合、後方散乱電子の寄与
の少ないパターン密度の低い部分では、未露光部がすぐ
に現像されてしまう。現像時間は一般に露光部と未露光
部のエネルギー吸収量のコントラストが一番悪いところ
に合わせて設定される。即ち、図3の例では孤立抜きパ
ターンに合わせて現像時間が設定されるため、孤立残し
のようなパターン密度の低い部分では、本来残るべき露
光部が長く現像液に晒されて、線細りが発生する。この
線細り量は、パターンサイズが小さい場合には無視でき
なくなる。
【0018】上述したように、図2及び図3を用いて説
明した2つの理由により、従来のレジスト中の露光部の
エネルギー吸収量をパターンの粗密によらずに一定とす
る照射量補正方法では、同一ウェハ上にある粗密の異な
るパターンは同じ現像条件のもとでは形成寸法に大きな
差ができてしまう。
【0019】次に、本発明によって最適照射量を求める
ことで、近接効果や入射電子ビームのボケやレジスト中
での前方散乱、及び現像過程に起因するパターン寸法精
度の低下を防止し、また照射量決定に要する時間を大幅
に短縮することが可能となる理由について述べる。
【0020】本発明では、後方散乱電子の寄与に対応し
た補間公式を作成しているが、公式を作成する際に用い
るラインアンドスペースパターンの最適照射量は、既に
ビームのぼけや前方散乱,現像過程の効果を含んでい
る。このため、補間公式より導いた最適照射量で描画を
行うことにより、近接効果や入射電子ビームのぼけやレ
ジスト中での電子の前方散乱、及び現像過程に起因する
パターン寸法精度の低下を防止することが可能となる。
【0021】近似式を用いて上記補間公式と同様の効果
を得ようとした場合、吸収エネルギー分布の他に現像過
程も考慮に入れなければならない。このため、近似式は
複雑にならざるを得ない。これに対し、本発明で使用し
ている補間公式は比較的簡単に求められる上、複雑な近
似式と同等以上の精度で最適照射量を決定することがで
きる。
【0022】また、従来法では各描画位置毎の最適照射
量計算に膨大な時間を要していた。しかしながら、本発
明では各描画位置毎の後方散乱の寄与のみを求め、最適
照射量はテーブルから参照して決定する。一般に選択さ
れたメモリテーブルから対応したデータを読み込む方
が、計算を行うよりも高速に処理することが可能とな
る。同様に、最適照射量の決定に近似式を用いた場合で
も、参照用テーブルを予め作成しておくことで、補正計
算に要する時間を短縮することが可能となる。これ以外
にも近似式を用いる場合、公式の変更などに柔軟に対応
できるシステムを構築することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)図1は、本発明の第1の実施例方法に使用
した電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。図中
10は試料室、11はターゲット(試料)、12は試料
台、20は電子光学鏡筒、21は電子銃、22a〜22
eは各種レンズ系、23〜26は各種偏向系、27aは
ブランキング板、27b,27cはビーム成形用アパー
チャマスクを示している。また、31は試料台駆動回路
部、32はレーザ測長系、33は偏向制御回路部、34
は可変成形ビーム寸法制御回路部、35はブランキング
制御回路部、36はバッファメモリ及び制御回路、37
は制御計算機、38はデータ変換用計算機、39はCA
Dシステムを示している。
【0024】電子銃21から放出された電子ビームはブ
ランキング用偏向器23によりON−OFFされる。本
装置はこの際の照射時間を調整することにより、照射位
置に応じて照射量を変化させることを可能としている。
ブランキング板27aを通過したビームは、ビーム成形
用偏向器24及びビーム成形用アパーチャマスク27
b,27cにより矩形ビームに成形され、またその矩形
の寸法が可変される。そして、この成形されたビームは
走査用偏向器25,26によりターゲット11上で偏向
走査され、このビーム走査によりターゲット11が所望
パターンに描画されるものとなっている。なお、本装置
での電子線の標準の加速電圧は50kVであり、また発
生し得る可変成形ビームの最大のサイズは高さ2μm,
幅2μmの矩形である。
【0025】本実施例で使用した描画装置の電子ビーム
の電流密度分布を、図4(a)に示す。これは、図4
(b)のように第1アパチャ像を第2アパチャに投影し
て、試料面で0.25μm×0.25μmの矩形となる
よう、ビームを成形した場合の断面の電流密度分布であ
る。図4(a)中の7はエネルギー分布の半値幅を示
し、その大きさは0.25μmである。ビームエッジで
の広がりは実施例で使用した描画装置の電子光学系固有
のものであるが、この広がりは電流密度が10%と90
%のところでは〜0.1μmにも達する。
【0026】また、本実施例での電子の散乱分布を前方
散乱と後方散乱のそれぞれ2つのガウシアン関数で近似
した場合について、図5に示す。強度が1/eになる距
離を散乱の広がりとすれば、前方散乱の広がりは〜0.
1μmで、後方散乱の広がりは〜7μmである。
【0027】次に、上記装置を用いた電子ビーム描画方
法、特に近接効果の補正方法について、図6〜11を参
照して説明する。
【0028】まず、装置の加速電圧は標準の40kVと
し、電流密度は30A/cm2 とした。また、Si基板
上に膜厚0.5μmで塗布したレジストSAL601
(シプレイ社製)を試料とし、テストパターンとして
は、0.25μmのライン&スペースパターンを数種類
の異なるパターン密度で用いた。なお、本実施例で用い
たプロセス条件は,プリベークを125℃,1分間、ポ
スト・イクスポージャー・ベークを115℃,2分間、
現像は0.36規定のアルカリ現像液で2分間である。
【0029】各照射位置の最適照射量、又は最適照射時
間は図11のように決定される。まず、補正計算に先立
ち、予め後方散乱の寄与に対応した最適照射量が記述さ
れた参照用テーブルを作成する。
【0030】具体的には、前記レジストをSi基板上に
膜厚0.5μmで回転塗布し、孤立抜きから孤立残しま
での0.25μmのライン&スペースパターンを複数種
類描画する(S1)。そして、各々のパターンの最適照
射量を実験的に求めた(S2)。さらに、得られたデー
タ数ポイントをフィッティングし、パターン密度、即ち
後方散乱の寄与に対応した最適照射量の実験式(補間公
式)を作成した(S3)。図6に本実施例で得られた後
方散乱の寄与に対応した最適照射量の関係を示す。
【0031】参照用テーブルは、上記実験式を利用して
作成した。この参照用テーブル作成は、補正計算の度に
行う必要はない。装置の加速電圧や基板種類、レジスト
プロセスに対応したものをそれぞれ作成しておけばよ
い。
【0032】描画は、以下のように行われる。まず、描
画パターンの各位置毎における後方散乱電子の寄与Uを
パラメータとして持った入力データDATA−1を計算
機を用いて作成する(P1)。次いで、EB装置に上記
データを入力し、また使用する参照用テーブルTABL
E−1を選択する。EB装置は各照射位置毎のUに対応
した照射時間tをテーブル中から参照して決定する(P
2)。そして、決定された照射量tにてパターンを描画
する。
【0033】EB装置内での最適照射量決定までの制御
は、図1中の点線で囲まれた部分で処理される。図7に
この部分の具体的構成を示す。
【0034】まず、制御計算機37よりバッファメモリ
M1にDATA−1を送り、バッファメモリM2には選
択された参照用テーブルTABLE−1をストアし、回
路A1をスタートさせる。
【0035】この状態で基準照射量を11.0μc/c
2 として描画を行う。このとき、回路A1は次のよう
な作業を行う。 (1) 描画データ DATA-1 中の各描画位置毎に記述された
後方散乱電子の寄与Uを読み取る。 (2) 後方散乱電子の寄与Uに対応した最適照射時間tを
バッファメモリM2から読み込む。 (3) 最適照射時間tを後方散乱電子の寄与Uの代わりに
描画データに付加し、バッファメモリM3にデータを格
納する。
【0036】本実施例では、各パターンの照射量は、孤
立残しパターンが11.0μc/cm2 、ライン&スペ
ースが16.0μc/cm2 、孤立抜きパターンが2
7.1μc/cm2 となった。
【0037】以上のように描画を行ったところ、図8
(a)〜(c) に示すようなパターンが得られた。図9 (a)
〜(c) には比較として従来法による近接効果補正を行っ
た場合のSEM写真を示す。寸法測定の結果について、
従来法と比較を図10に示す。図10(a)は本実施例
における0.25μmパターンの寸法精度を示し、図1
0(b)は従来法の補正による寸法精度を示すものであ
る。本実施例においては±0.02μmの精度でパター
ン寸法を制御することができた。 (実施例2)上述の第1の実施例では参照用テーブルを
実験的に求めたが、この代わりに、近似式を用いて参照
用テーブルを作成してもよい。この場合でも、各描画位
置毎に照射量算出のための計算をしなくて済むため、最
適照射量決定のための時間を大幅に短縮することができ
る。本実施例では、次の式を用いた。
【0038】D=D/(1+2ηU) この式では、電子ビーム描画装置固有の電流密度分布と
電子ビームが試料に入射した際の前方散乱エネルギー分
布の両者の寄与によるエネルギー分布において、そのエ
ネルギーが1/2となる描画位置、即ち半値幅での後方
散乱エネルギー分布を含めた全吸収エネルギー量がパタ
ーンの粗密によらず一定となるように最適照射量が与え
られる。別な言い方では、パターンエッジのエネルギー
吸収量がパターンの粗密によらず一定となる近似式と言
える。
【0039】上記近似式を用いた描画実験では、EB描
画装置に入力する描画データを従来法より高速に作成す
ることができ、さらに第1の実施例とほぼ同様の補正効
果を得ることができた。
【0040】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。実施例では、可変成形ビームを用いた
が、これ以外の方式の描画装置、例えばキャラクタ・プ
ロジェクション方式の電子ビーム描画装置でも適用可能
である。また本発明は、電子ビーム描画装置の使用目的
を限定するものではない。例えば、ウェハ上に直接レジ
ストパターンを形成するという使用目的以外にも、X線
マスクを作成する際、光ステッパ用マスク、レチクル等
を作成する際にも利用可能である。その他、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することがで
きる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、照
射量補正方式の近接効果補正において最適照射量を決定
する際に、予め後方散乱電子の寄与に対応した最適照射
量又は照射時間の参照用テーブルを設けておき、各パタ
ーンの後方散乱電子の寄与を計算し、その寄与分に応じ
た最適照射量又は照射時間を、テーブルを参照して決定
することにより、近接効果に起因するパターン寸法精度
低下のみならず、入射電子ビームのぼけやレジスト中で
の電子の前方散乱によるパターン寸法精度低下をも防止
することができ、且つ照射量補正では根本的な問題であ
る未露光部の現像時における寸法精度劣化を防止するこ
とができ。また、各照射位置毎に補正計算をする必要が
ないため、照射量決定に要する時間を短縮することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例方法に使用した電子ビー
ム描画装置を示す概略構成図。
【図2】従来法における吸収エネルギー分布とそれに起
因するパターン寸法精度の低下を説明するための図。
【図3】パターンの粗密による最適現像時間の違いとそ
れに起因するパターン寸法精度の低下を説明するための
図。
【図4】第1の実施例に用いた電子ビーム描画装置にお
ける電流分布を示す図。
【図5】電子ビーム露光における吸収エネルギー分布を
説明するための図。
【図6】実施例中の参照用テーブル作成の際に用いた補
間公式の関係を示す図。
【図7】図1の要部を具体的に示すブロック図。
【図8】実施例による基板上に形成された微細なパター
ンを現している写真。
【図9】従来法の補正によって得られた0.25μmサ
イズの孤立抜き,孤立残し,ライン&スペースパターン
のSEM写真。
【図10】本発明による補正精度を示す図。
【図11】各照射位置の最適照射量、又は最適照射時間
の決定方法を示す図。
【符号の説明】
1…前方散乱電子の寄与によるエネルギー分布 2…後方散乱電子の寄与によるエネルギー分布 3…同一エネルギー吸収量 4…中心部分 5…端部 6…端部における半値幅 7…電流密度分布の半値幅 10…試料室 11…ターゲット(試料) 12…試料台 20…電子光学鏡筒 21…電子銃 22a〜22e…各種レンズ系 23〜26…各種偏向系 27a…ブランキング板 27b,27c…ビーム成形用アパーチャマスク 31…試料台駆動回路部 32…レーザ測長系 33…偏向制御回路部 34…可変成形ビーム寸法制御回路部 35…ブランキング制御回路部 36…バッファメモリ及び制御回路 37…制御計算機 38…データ変換用計算機 39…CADシステム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−29203(JP,A) 特開 平3−225816(JP,A) 特開 昭61−284921(JP,A) 特開 昭58−10825(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料上に電子ビームを照射して所望パター
    ンを描画するに先立ち、描画すべきパターン内の各位置
    毎に最適照射量を求め、この最適照射量にて各パターン
    を描画する電子ビーム描画方法において、予め、パターン 密度の異なる複数種のパターンを描画
    し、各々のパターンに対する最適照射量をそれぞれ実験
    的に求め、得られた複数のデータからパターン密度に対
    応する最適照射量の補間公式を作成し、この補間公式を
    基に後方散乱電子の寄与に対応した最適照射量又は照射
    時間の参照用テーブルを設けておき、 パターン内の各描画位置毎に最適照射量を求める際に、
    後方散乱電子の寄与のみを計算し、 該計算によって得られた後方散乱電子の寄与に応じた最
    適照射量又は照射時間を、前記テーブルを参照して決定
    することを特徴とする電子ビーム描画方法。
  2. 【請求項2】前記参照用テーブルを作成するに際し、パ
    ターン密度の異なる複数種のパターンとして、ライン&
    スペースのパターンを用いることを特徴とする請求項1
    記載の電子ビーム描画方法。
  3. 【請求項3】試料上に電子ビームを照射して所望パター
    ンを描画し、且つ描画すべきパターン内の各位置毎に最
    適照射量を求め、この最適照射量にて各パターンを描画
    する電子ビーム描画装置において、 後方散乱電子の寄与に対応した最適照射量又は照射時間
    の参照用テーブルと、パターン内の各描画位置毎に最適
    照射量を求めるために、後方散乱電子の寄与のみを計算
    する手段と、前記計算によって得られた後方散乱電子の
    寄与に応じた最適照射量又は照射時間を、前記テーブル
    を参照して決定する手段とを具備してなり、 前記参照用テーブルは、パターン密度の異なる複数種の
    パターンを描画し、各々のパターンに対する最適照射量
    をそれぞれ実験的に求め、得られた複数のデータからパ
    ターン密度に対応する最適照射量の補間公式を作成し、
    この補間公式を基に作成されていることを特徴とする電
    子ビーム描画装置。
  4. 【請求項4】前記参照用テーブルを作成するために描画
    する複数種のパターンは、ライン&スペースのパターン
    であることを特徴とする請求項3記載の電子ビーム描画
    装置。
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