JPH1074690A - 電子ビーム描画方法 - Google Patents

電子ビーム描画方法

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JPH1074690A
JPH1074690A JP8249125A JP24912596A JPH1074690A JP H1074690 A JPH1074690 A JP H1074690A JP 8249125 A JP8249125 A JP 8249125A JP 24912596 A JP24912596 A JP 24912596A JP H1074690 A JPH1074690 A JP H1074690A
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JP
Japan
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electron beam
resist material
pattern
amount
size
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JP8249125A
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Shigeru Moriya
茂 守屋
Kaoru Koike
薫 小池
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Sony Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電子ビームのぼけによって所望のパターンをレ
ジスト材料に形成できなくなる現象を回避し得る電子ビ
ーム描画方法を提供する。 【解決手段】電子ビームをレジスト材料に照射して、所
望のパターンを該レジスト材料に描画する電子ビーム描
画方法であって、レジスト材料を照射する電子ビームの
寸法と、電子光学系の収差に起因した電子ビームのぼけ
量との関係に基づき、最適電子ビーム照射量を予め求め
ておき、レジスト材料に描画すべきパターンの寸法に応
じて、該求められた最適電子ビーム照射量の電子ビーム
をレジスト材料に照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置を製造
するために、あるいは又、フォトリソグラフィ技術やX
線リソグラフィ技術に用いられるマスクを作製するため
に、電子ビームを用いて所望のパターンをレジスト材料
に描画するための電子ビーム描画方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置においては回路の微細化が急
速に進められており、フォトリソグラフィ技術による回
路作製は限界に近づきつつある。そして、半導体装置の
回路の一層の微細化に対処するための技術の1つとし
て、電子ビーム描画法の検討が進められている。この電
子ビーム描画法においては、通常、半導体基板等上、あ
るいは半導体基板の上に形成された各種薄膜上にレジス
ト材料を塗布しておく。そして、かかるレジスト材料に
電子ビームを照射して、レジスト材料に所望のパターン
を描画する。可変成形ビーム方式に基づく電子ビーム描
画法においては、1フレーム(フィールド)を例えば1
mm角〜5mm角とし、かかるフレーム内のレジスト材
料に対して、例えば、最大5μm角程度まで寸法が可変
である電子ビームを1ショットとして、断続的に照射し
ながら走査していく。1フレーム内の照射が完了したな
らば、半導体基板等を移動させ、新たな1フレームに対
して再び電子ビーム描画を行う。
【0003】電子ビームの寸法が小さくなるに従い、電
子ビームのぼけに起因して所望のパターンをレジスト材
料に形成できなくなるといった問題が顕在化しつつあ
る。尚、電子ビームの寸法あるいは形状とは、電子ビー
ムがレジスト材料に入射する時点における、電子ビーム
の進行方向に垂直な面で電子ビームを切断したときの電
子ビームの大きさあるいは形状を指す。電子ビームのぼ
けは、電子ビーム描画装置における電子光学系の収差
(ザイデルの5収差)に起因して発生する。具体的に
は、例えば、一般に、電子銃から射出される電子のエネ
ルギーには揺らぎが存在し、かかる揺らぎによって色収
差が生じる結果、電子ビームにぼけが生じる。あるいは
又、電子ビーム描画装置のレンズ系の磁界の歪みや、電
子ビーム描画装置に組み込まれたアパーチャーに起因し
た電子ビームの歪みによっても、電子ビームのぼけが生
じる。更には、電子ビームのぼけ量は、電子ビーム描画
装置の電子光学鏡筒の汚染状況等によっても変化する。
【0004】レジスト材料を描画するための電子ビーム
の電流密度プロファイルの一例を、図3の(A)に示
す。ここで、図3の(A)に示す電子ビームの電流密度
プロファイルは、電子ビームの寸法(W)が十分に大き
な場合の例である。尚、説明を簡素化するために、電子
ビームの寸法(W)はレジスト材料に描画すべきパター
ンの寸法と等しいとする。図3において、縦軸は電子ビ
ームの電流密度、横軸はレジスト材料の任意の位置であ
る。電子ビームの縁部においては、電子ビームの中心部
に向かうに従い、電流密度はバックグランド値D0から
一定の値Dsへと増加する。エネルギー値が(Ds
0)の10%の値となる位置から(Ds−D0)の90
%の値となる位置までの距離を、電子ビームのぼけ量δ
と定義する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、図3の(B)に
示すように、電子ビームの寸法(W)が小さくなると、
電子ビームのぼけに起因して、レジスト材料への電子ビ
ームの照射量が少なくなる結果、所望のパターンをレジ
スト材料に形成できなくなる。このような問題を解決す
るための一手段として、レジスト材料に形成すべきパタ
ーンよりも電子ビームの寸法(W)を大きくする方法が
ある(図3の(C)参照)。しかしながら、描画すべき
パターンが近接している場合、一方のパターンの電子ビ
ームによる描画が隣接するパターンに影響を与えるの
で、即ち、隣接するパターンに所謂「かぶり」現象が生
じるので、好ましい方法ではない。また、描画条件の変
動に対するマージが狭いという問題もある。
【0006】電子ビームの単位面積当たりの電流値Jを
小さくすることによって、電子ビームのぼけ量を小さく
することは可能である。しかしながら、レジスト材料へ
のパターンの描画に長時間を要し、生産性が極端に低下
するので、実用的ではない。現状では、ある程度の電子
ビームのぼけ量(通常、点状の電子ビームの半値幅に換
算して、0.02〜約0.1μm)を許容しつつ、実用
的な電子ビームの照射量(電流値)が得られるように、
電子ビーム描画装置を設計している。
【0007】更には、1フレームの中央部と周辺部で
も、電子ビームのぼけ量は変化する。即ち、1フレーム
の周辺部を照射する電子ビームは中央部を照射する電子
ビームよりも大きく偏向される結果、電子ビームのぼけ
量も大きくなる。その結果、1つのフレームの中央部と
周辺部とで、レジスト材料に形成されるパターンの寸法
に電子ビームのぼけ量の差異に起因した変化が生じる。
従って、従来、フィールドの大きさは、フィールド縁部
における電子ビームのぼけ量が、フィールド中央部にお
ける電子ビームのぼけ量の1.1倍程度以内に収まるよ
うな大きさとしている。しかしながら、フィールドの大
きさは、大きい程、一度に大きな面積に対する描画が行
えるために好ましい。
【0008】以上のとおり、電子ビームによって描画す
べきパターンが微細になると、電子ビームのぼけに起因
して所望のパターンをレジスト材料に形成できなくな
る。従って、本発明の目的は、電子ビームのぼけによっ
て所望のパターンをレジスト材料に形成できなくなる現
象を回避し得る電子ビーム描画方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、電子ビー
ムをレジスト材料に照射して、所望のパターンを該レジ
スト材料に描画する電子ビーム描画方法であって、レジ
スト材料を照射する電子ビームの寸法と、電子光学系の
収差に起因した電子ビームのぼけ量との関係に基づき、
最適電子ビーム照射量を予め求めておき、レジスト材料
に描画すべきパターンの寸法に応じて、該求められた最
適電子ビーム照射量の電子ビームをレジスト材料に照射
することを特徴とする本発明の電子ビーム描画方法によ
って達成することができる。
【0010】本発明の電子ビーム描画方法においては、
レジスト材料を照射する矩形形状の電子ビームの一辺の
長さをw、他方の辺の長さをh、電子ビームのぼけ量を
δ、収率係数をη、十分に大きな寸法のパターンを描画
するときの電子ビーム照射量をQs、cを定数としたと
き、前記最適電子ビーム照射量Q(w,h,δ)を、以
下の式(1)にて求めることができる。
【数4】 但し
【数5】 及び
【数6】
【0011】ここで、w及びhの値は、好ましくは1.
0μm以下、より好ましくは0.5μm以下であること
が望ましい。尚、w及びhの値がこのような範囲にある
場合には、通常、レジスト材料に描画すべきパターンの
寸法は電子ビームの寸法と概ね等しい。レジスト材料に
描画すべき或るパターンの寸法が電子ビームの寸法より
も大きい場合には、かかる或るパターンの寸法の内、最
小値に応じて、求められた最適電子ビーム照射量の電子
ビームをレジスト材料に照射すればよい。即ち、レジス
ト材料に描画すべき或るパターンの寸法がA×B(但
し、A<Bであり、Aは、例えば可変成形ビームの最大
寸法以下の値とする)である場合、電子ビームの寸法
は、A×(B/N)とすればよい。但し、Nは1以上の
整数であり、A≦B/N である。そして、電子ビーム
の寸法A×(B/N)に対して予め求められた最適電子
ビーム照射量の電子ビームを、レジスト材料に照射すれ
ばよい。
【0012】本発明の電子ビーム描画方法においては、
ラスタ走査方式を採用してもよいし、ベクタ走査方式を
採用してもよい。また、電子ビームは可変成形ビームと
することが好ましい。
【0013】1フレームの中央部と周辺部では電子ビー
ムのぼけ量が変化し、その結果、1つのフレームの中央
部と周辺部とで、レジスト材料に形成されるパターンの
寸法に電子ビームのぼけ量の差異に起因した変化が生じ
る場合がある。このような現象を回避するためには、本
発明の電子ビーム描画方法において、フレームの中心か
ら電子ビームが照射される位置までの距離に基づき、最
適電子ビーム照射量を補正すればよい。
【0014】本発明の電子ビーム描画方法は、半導体装
置の製造におけるレジスト材料への直描法に適用するこ
とができ、あるいは又、フォトリソグラフィ技術やX線
リソグラフィ技術に用いられるマスクの作製におけるレ
ジスト材料への直描法に適用することができる。
【0015】基板上に塗布されたレジスト材料に入射し
た電子ビームが基板によって反射される、所謂後方散乱
によって、描画パターンの寸法に依存して最適な電子ビ
ーム照射量が相違するという現象が従来から知られてい
る。レジスト材料の或る点に入射した電子ビームに対し
て、この点を原点とした直交座標系を考えると、点
(x,y)における散乱分布強度E(x,y)は、2つ
のガウス分布の和として以下の式(4)にて表すことが
できる。
【0016】
【数7】
【0017】ここで、βfは前方散乱係数であり、β
bは、基板からの反射による電子ビームの散乱を表す後
方散乱係数である。また、ηは、散乱分布強度Eに及ぼ
す前方散乱と後方散乱の寄与度の比率を表す収率係数で
ある。尚、前方散乱βfは、以下の式(5)で表すこと
ができる。
【0018】
【数8】
【0019】ここで、式(5)中、β*は、レジスト材
料内に入射した電子ビームの散乱係数(内部散乱係数)
であり、β*は電子ビームのぼけ量δの値よりも1桁以
上小さいので、 βf≒δ 式(5’) となる。
【0020】従来の電子ビーム描画法においては、式
(4)に基づき、後方散乱の度合いに応じて電子ビーム
照射量の補正を行っている。ところが、この後方散乱が
無視できる程度に十分に小さなパターンにおいては、電
子ビームのぼけがレジスト材料に形成されるパターン寸
法に大きく影響を与える。描画すべき正方形のパターン
の一辺の長さ(横軸)と、かかる寸法のパターンを形成
するために必要とされる電子ビーム照射量(縦軸)の関
係を調べた試験結果を、図1の(A)に白丸にて示す。
尚、電子ビームの寸法と描画すべきパターンの寸法とを
等しくした。この試験においては、孤立状態の正方形の
微小パターンを可変成形ビーム方式の電子ビームにてレ
ジスト材料に描画して、レジスト材料を現像し、レジス
ト材料に形成されたパターンの寸法を計測した。電子ビ
ームの寸法を同じとしても、電子ビームの照射時間を種
々変化させると、レジスト材料に形成されたパターンの
寸法が変化するので、目標とする寸法のパターンをレジ
スト材料に形成し得る電子ビームの照射時間(照射量)
を決定することができる。図1の(A)から明らかなよ
うに、形成すべきパターンの寸法が小さくなる程、電子
ビームの照射量を増加させる必要がある。
【0021】レジスト材料に入射しそして後方散乱した
電子がレジスト材料に影響を及ぼす範囲は、電子ビーム
の加速電圧が20keVの場合、約5μm、加速電圧が
50keVの場合、約30μmである。従って、形成す
べきパターンの寸法が1.0μm以下の場合、電子の後
方散乱の影響は無視できる一方、電子ビームのぼけ量が
パターンの寸法に大きな影響を与える。即ち、パターン
内における電子ビームの実効的な電流密度(レジスト材
料に所望のパターンを形成するために必要とされる電子
ビームの電流密度)が低下する結果、必要とされる電子
ビーム照射量が増加する。
【0022】パターン内における電子ビームの電流密度
の計算方法を、以下に説明する。図2の(A)に示すよ
うに、レジスト材料を照射する矩形形状の電子ビームの
一辺(x方向)の長さをw、他方の辺(y方向)の長さ
をhとする。また、電子ビームのぼけ量が無視できるほ
ど十分に大きなパターンをレジスト材料に形成するため
に必要とされる電子ビームの単位面積当たりの電流値を
Jとする。尚、かかる電流値Jは、電子を射出するフィ
ラメントの輝度をB、フィラメントから射出される電子
の発散角(見込み角)をαとした場合、J=πBα2
表される。即ち、フィラメントの材料、発散角αが決ま
れば、電流値Jは所定の値となる。図2の(A)に示す
任意の点(x,y)における電流密度f(x,y,w,
h,σ)は、ガウス分布を用いて、以下の式(6)で表
すことができる。尚、式(6)中、Kは定数であり、σ
はガウス分布における標準偏差である。
【0023】
【数9】
【0024】ところで、w,h,σに依らず、以下の式
(7)が成立する。
【0025】
【数10】
【0026】式(6)及び式(7)からヤコビアン変換
を用いた計算にて定数Kの値が求まる。 K=1/(π・σ2・w・h) 式(8)
【0027】図2の(B)に、式(6)においてy=0
としたときのxに対する電流密度f(x,0,w,h,
σ)の値を示す。電子ビームの中心付近の電流密度が一
定とみなせる大きさの幅Wの矩形パターンにおいて、電
子ビームの中心付近の電流密度をDs、バックグランド
値をD0としたとき、電流密度f(x,0,w,h,
σ)が、0.1(Ds−D0)から0.9(Ds−D0)と
なるときのxの変化量が電子ビームのぼけ量δである。
δとσの関係は、σがガウス分布における標準偏差であ
るが故に、計算により以下のとおりとなる。 δ=σ/c≒1.81σ 式(9)
【0028】従って、レジスト材料に形成すべきパター
ンの寸法w×h(以上の説明においては、この寸法は電
子ビームの寸法に他ならない)及び電子ビームのぼけ量
δが判れば、下記の式(10)にヤコビアン変換を施す
ことによって、パターン内の電流密度P(w,h,δ)
が以下の式(11)から求まる。
【0029】
【数11】
【0030】
【数12】
【0031】ここで、g(w,δ)及びg(h,δ)
は、以下の式(12)及び式(13)で与えられる。
【0032】
【数13】
【0033】レジスト材料に形成すべきパターンの寸法
w×hが小さい場合、w≪cδ=σ,h≪cδ=σであ
るが故に、式(12)及び式(13)の右辺の第2項の
()内の値はほぼ0となり、右辺の第2項は無視するこ
とができる。従って、式(12)及び式(13)は、以
下の式(2)及び(3)のように変形することができ
る。尚、式(2)及び式(3)の解は、ヘイスティング
の近似式によって容易に計算することができる。尚、w
≫cδ=σ,h≫cδ=σの場合には、式(12)及び
式(13)の右辺の第1項及び第2項の値はほぼ一定と
なる。
【0034】
【数14】
【数15】
【0035】更に、後方散乱の影響を考慮すると、式
(4)、式(5’)及び式(11)から、寸法w×hの
パターンを描画するために寄与する実効的な電流密度D
(w,h,δ)は、以下の式(14)で与えられる。
【0036】
【数16】
【0037】ここで、P’(w,h,βb)は、以下の
式(15)から求めることができる。
【0038】
【数17】
【0039】式(14)に基づき、電子ビームの寸法
(w=h)とD(w,h,δ)の関係を計算によって求
めた結果を、図1の(B)に示す。電子ビームの寸法が
大きい(例えば、約5μm以上)場合には、後方散乱の
寄与が支配的である。一方、電子ビームの寸法が小さく
なるに従い(例えば約1〜5μm)、後方散乱の影響は
小さくなり、概ね一定の値となる。電子ビームの寸法が
更に小さくなると(例えば、約1μm以下)、後方散乱
の影響は無視できるようになり、電子ビームのぼけの影
響が支配的となる。尚、図1の(B)においては、電流
密度D(w,h,δ)を規格化している。即ち、求めら
れたD(w,h,δ)の値を、(w×h)で除した値を
グラフ化した。
【0040】十分に大きなパターンにおいては、 D(w,h,δ)=(1+η)J 式(16) という関係にあるので、電子ビームのぼけが無視できる
程に十分に大きな寸法のパターンを描画するときの電子
ビーム照射量をQsとしたとき、任意の微小パターン
(好ましくは1.0μm角以下、より好ましくは0.5
μm角以下)のパターンを描画するときの電子ビーム照
射量Q(w,h,δ)は、後方散乱の影響は無視できる
ので、以下の式(1)で求めることができる。尚、g
(w,δ)及びg(h,δ)としては、式(2)及び式
(3)を用いる。
【0041】
【数18】
【0042】本発明においては、このように、レジスト
材料を照射する電子ビームの寸法(w,h)と、電子光
学系の収差に起因した電子ビームのぼけ量δとの関係に
基づき、実効的な電流密度D(w,h,δ)を計算する
ことで、最適電子ビーム照射量Q(w,h,δ)を予め
求めておき、レジスト材料に描画すべきパターンの寸法
(w,h)(言い換えれば、電子ビームの寸法(w,
h))に応じて、求められた最適電子ビーム照射量Q
(w,h,δ)の電子ビームをレジスト材料に照射する
ので、電子ビームのぼけが存在するにも拘わらず、所望
の寸法の微小パターンをレジスト材料に確実に形成する
ことができる。
【0043】
【実施例】式(1)に基づき、最適電子ビーム照射量Q
(w,h,δ)を求めた結果を図1の(A)に実線の曲
線で示す。尚、レジスト材料に描画すべきパターンの寸
法(図1の(A)の横軸)は、電子ビームの寸法と等し
く、w=hとした。また、計算におけるパラメータとし
て、以下の値を用いた。 η=0.8 δ=0.12μm c=1/1.81 Qs=8.5μC/cm2
【0044】図1の(A)から明らかなように、式
(1)にて求められた最適電子ビーム照射量Q(w,
h,δ)と、試験によって得られた電子ビーム照射量は
良く一致している。このように、電子ビームのぼけ量δ
を予め測定しておけば、描画すべきパターンの寸法
(w,h)は既知であるので、式(1)から最適電子ビ
ーム照射量Q(w,h,δ)を求めることができる。
【0045】1フレームの中央部と周辺部で電子ビーム
のぼけ量が変化し、その結果、1つのフレームの中央部
と周辺部とで、レジスト材料に形成されるパターンの寸
法に電子ビームのぼけ量の差異に起因した変化が生じる
場合がある。このような場合には、予め試験を行い、フ
レームの中心[原点(0,0)]から電子ビームが照射
される位置の中心[座標(X,Y)]までの距離を変数
とした電子ビームのぼけ量δ(X,Y)を求めておく。
かかる電子ビームのぼけ量δ(X,Y)は、フレームの
中心における電子ビームのぼけ量をδ0としたとき、例
えば、(aX2+bXY+cY2+d)δ0等のX及びY
の多項式等で表すことができる。そして、式(1)にお
いて、δの代わりにδ(X,Y)を用いてQ(X,Y,
w,h,δ)を計算することによって、一層正確に最適
電子ビーム照射量を求めることができる。また、このよ
うに、1フレーム内における電子ビームのぼけ量の差異
を補正した最適電子ビーム照射量を求めることによっ
て、1フレームの実質的な大きさ、即ちフィールド面積
を拡大することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明の電子ビーム描画方法において
は、電子ビームのぼけ量を予め測定しておけば、レジス
ト材料を照射する電子ビームの寸法と電子ビームのぼけ
量との関係に基づき、最適電子ビーム照射量を予め求め
ておくことができるので、レジスト材料に描画すべきパ
ターンの寸法に応じて、最適電子ビーム照射量の電子ビ
ームをレジスト材料に照射することが可能となり、その
結果、微細な寸法のパターンをレジスト材料に確実に且
つ高い精度で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】描画すべき正方形のパターンの一辺の長さ(横
軸)と、かかる寸法のパターンを形成するために必要と
される電子ビーム照射量(縦軸)の関係を調べた試験結
果、及び、式(1)に基づき、最適電子ビーム照射量Q
(w,h,δ)を求めた結果を示すグラフ、並びに、式
(14)に基づき、電子ビームの寸法(w=h)とD
(w,h,δ)の関係を計算によって求めた結果を示す
グラフである。
【図2】電子ビームの電流密度の計算方法において用い
たパターンの模式図、及び式(6)においてy=0とし
たときのxに対する電流密度f(x,0,w,h,σ)
の値を示す模式的なグラフである。
【図3】レジスト材料を描画するための電子ビームの電
流密度プロファイルの例を示す模式的なグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームをレジスト材料に照射して、所
    望のパターンを該レジスト材料に描画する電子ビーム描
    画方法であって、 レジスト材料を照射する電子ビームの寸法と、電子光学
    系の収差に起因した電子ビームのぼけ量との関係に基づ
    き、最適電子ビーム照射量を予め求めておき、レジスト
    材料に描画すべきパターンの寸法に応じて、該求められ
    た最適電子ビーム照射量の電子ビームをレジスト材料に
    照射することを特徴とする電子ビーム描画方法。
  2. 【請求項2】レジスト材料を照射する矩形形状の電子ビ
    ームの一辺の長さをw、他方の辺の長さをh、電子ビー
    ムのぼけ量をδ、収率係数をη、十分に大きな寸法のパ
    ターンを描画するときの電子ビーム照射量をQs、cを
    定数としたとき、前記最適電子ビーム照射量Q(w,
    h,δ)は、以下の式(1)にて求められることを特徴
    とする請求項1に記載の電子ビーム描画方法。 【数1】 但し 【数2】 及び 【数3】
  3. 【請求項3】w及びhの値は1.0μm以下であること
    を特徴とする請求項2に記載の電子ビーム描画方法。
  4. 【請求項4】w及びhの値は0.5μm以下であること
    を特徴とする請求項3に記載の電子ビーム描画方法。
  5. 【請求項5】電子ビームは可変成形ビームであることを
    特徴とする請求項1に記載の電子ビーム描画方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002534794A (ja) * 1999-01-06 2002-10-15 エテック システムズ インコーポレイテッド 二次元複画素フラッシュフィールドを用いるラスタ形成、電子ビーム露光方法
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