JPH11178529A - 保存性と調理の簡便性にすぐれた生麺の製造方法 - Google Patents

保存性と調理の簡便性にすぐれた生麺の製造方法

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JPH11178529A
JPH11178529A JP9364483A JP36448397A JPH11178529A JP H11178529 A JPH11178529 A JP H11178529A JP 9364483 A JP9364483 A JP 9364483A JP 36448397 A JP36448397 A JP 36448397A JP H11178529 A JPH11178529 A JP H11178529A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生麺類の製造に際して、カキ殻焼成カルシウ
ム、プロタミンおよび1種類または2種類以上の混合物
である増粘多糖類を用い、減圧下で混練して製麺し、微
生物非透過性でありかつ耐熱性の袋に収納密封したの
ち、加熱処理することによって、保存性と調理の簡便性
にすぐれた生麺の製造方法を提供する。 【解決手段】小麦粉を主原料とする粉部またはこね水の
いずれかにカキ殻焼成カルシウム、プロタミンおよび増
粘多糖類を加えて均一に混合あるいは溶解させる第1の
工程、粉部とこね水を減圧下で混練する第2の工程、引
続いて前記工程を経た生麺を微生物非透過性でありかつ
耐熱性の袋に収納密封したのち加熱殺菌する第3の工程
を組み合せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生麺類の製造に際
して、カキ殻焼成カルシウム、プロタミンおよび1種類
または2種類以上の混合物である増粘多糖類を用いて、
減圧下で混練して製麺し微生物非透過性でありかつ耐熱
性の袋に収納密封したのち、加熱処理することにより得
られる保存性と調理の簡便性にすぐれた生麺の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生麺類の保存性を向上させる方法
として、(1)加熱殺菌、(2)エチルアルコールの添
加、および(3)水分活性を低下させて脱酸素剤を組み
合せる方法等が知られている。前記(1)加熱殺菌に
は、(イ)耐熱性包材に充填密封したのち、100℃以
上で加圧殺菌する方法と、(ロ)麺を酸性化処理したの
ち、100℃以下の簡易殺菌を行なう技術が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者(イ)の場合、高
温殺菌による小麦たん白質の変性により麺の食感が大き
く低下したり、褐変を起こし易い。後者(ロ)の場合に
は、かんすいを使う中華麺においてpHを下げるための
酸性化処理が原因となり、中華麺特有のしなやかで弾力
性を示す食感が損なわれてしまうだけでなく、特有の香
味が失われる。前記(2)のエチルアルコールおよびそ
の水溶液の添加においては、エチルアルコールおよびそ
の水溶液による静菌作用により保存性はやや向上する
が、短期間の保存の商品に限られる。この方法について
は、特公昭45−14102号公報が公知である。前記
(3)の水分活性を低下させ脱酸素剤とを組み合せる方
法については、酸素が透過しない高価な包材を使用し脱
酸素剤を用いる必要があるため、原材料価格が高くなる
欠点があった。この方法については、特開昭60−83
552号公報が公知である。
【0004】調理を簡便にする方法として、茹でまたは
蒸煮により麺をα化させ、茹でこぼしの必要がない生麺
類が知られているが、これらは保存により麺が結着する
問題があった。この問題を防止するため、麺表面へ油を
塗布する手段が講じられてきたが、充分な効果を挙げる
には至っていない。調理を簡便にするために、茹で湯を
捨てる必要がなく茹で湯をスープに使用できる方法とし
て、(1)かんすいの有無によって種別を変えた麺帯を
サンドイッチ状に配置し、かんすいの溶出を防止して茹
で湯を捨てる必要がなく、茹で湯の使用を可能とした生
中華麺の製造方法(特開昭59−192052号公
報)、(2)減圧下で螺旋押出翼による押圧により、麺
の密度を高めながら熱を加えα化を促進させることで麺
の茹で溶けを防止して、茹でこぼしをすることなく茹で
湯の利用を可能とする中華麺類ならびにその製造方法
(特公平4−46103号公報)、および(3)小麦粉
にキサンタンガム、消泡性物質、食用油脂、卵白を添加
し、茹で湯を捨てることなく茹で湯をそのままスープに
使用することができる麺類および麺用ミックス粉(特開
平2−219554号公報)などの技術が知られてい
る。
【0005】しかし、前記した(1)の技術では、かん
すいの少ない麺の表面からの溶出があるため茹で湯の透
明感が不充分であり、スープの風味を損うものと認めら
れる。(2)の技術では、押出式の減圧による練成機と
いう特殊な装置が必要不可欠であり、従来のロール式の
製麺機だけでは製品を作ることができず、またドゥの温
度が40℃〜60℃と低いため、澱粉のα化が起きにく
い。従って、茹で湯に透明感がなく泡立ち易いという問
題点があった。さらに(3)の技術では、打ち粉をして
いない生麺の場合、製造後2日〜3日で麺が結着して調
理時に麺がほぐれないという問題点があった。以上のよ
うに、従来技術では、生麺本来の食感と風味を犠性にす
ることなく、保存性と調理の簡便性にすぐれた生麺を製
造するには技術的な問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術では
果せなかった生麺の食感と風味を保ちながら、保存性が
良好でありかつ調理時に茹でこぼす必要がない調理の簡
単な生麺類を製造することを目的とする。さらに本発明
は、従来の生麺類の製造方法である澱粉による打ち粉を
することなく麺の結着を防ぐことを目的とする。前記目
的を達成するためには、過度な加熱処理をすることな
く、生麺本来の食感と風味を残し、生麺よりも保存性を
高め、しかも麺の結着をも防がなければならないという
複数の問題点を同時に解決する必要があった。
【0007】そこで、本発明者らは、研究を重ねた結
果、(1)カキ殻焼成カルシウム、プロタミンおよび特
定の増粘多糖類を組み合せること、(2)減圧下で混練
すること、(3)前記工程を経た生麺を微生物非透過性
であり、かつ耐熱性の袋に収納密封後、殺菌処理を行な
うという3つの工程を連続した工程として組み合せるこ
とにより、保存性と即席性、さらには麺の結着防止の効
果において、それぞれの工程を単独で行なう方法では得
ることができず、かつ予期し得なかった画期的な相乗効
果が得られることを見い出し本発明を完成させるに至っ
たのである。
【0008】本発明に係る保存性と調理の簡便性にすぐ
れた生麺の製造方法は、具体的には、請求項1の発明が
小麦粉を主原料とする粉部またはこね水のいずれかにカ
キ殻焼成カルシウム、プロタミンおよび増粘多糖類を加
えて均一に混合あるいは溶解させる第1の工程、粉部と
こね水を減圧下で混練する第2の工程、引続いて前記工
程を経た生麺を微生物非透過性でありかつ耐熱性の袋に
収納密封したのち加熱殺菌する第3の工程を組み合せる
ことを特徴とすること、また請求項2の発明は、前記粉
部に対して、カキ殻焼成カルシウムが0.1重量パーセ
ント〜0.2重量パーセントであり、プロタミンの量が
0.06重量パーセント〜0.08重量パーセントであ
るとしたこと、請求項3の発明は、前記増粘多糖類が、
グルコマンナン、グアーガム、アルギン酸であり、それ
らのうちから選ばれる1種類または2種類以上の混合物
の合計が粉部に対して0.2重量パーセント〜1.0重
量パーセントであるとしたこと、さらに請求項4の発明
は、前記混練を160mmHg〜100mmHg以下の
減圧下で行なうとしたこと、また請求項5の発明は、前
記生麺を微生物非透過性でありかつ耐熱性の袋に収納密
封したのち、麺を90℃〜95℃の温度で20分〜40
分間加熱処理することによって得られるものであるとし
たことにある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の最良の結果をも
たらす保存性と調理の簡便性にすぐれた生麺の製造方法
について詳細に説明する。まず、カキ殻焼成カルシウム
と増粘多糖類を組み合せることで、麺の引張強度に対し
てそれぞれを単独で使用した場合には得られなかった予
期し得ない相乗効果を得た。この効果は、増粘多糖類だ
けを使ったときよりもはるかににすぐれていた。これは
カルシウムが麺質を脆くしたり滑らかさを損なうという
従来の知見とは全く逆の効果であった。この効果は2価
の金属塩であるカルシウムが増粘多糖類と特殊な架橋構
造を形成することにより起こるものではないかと推定さ
れた。しかし、カキ殻焼成カルシウムの添加量を増加さ
せるとエグ味が発生して食味の著しい低下を起こすこと
がわかった。
【0010】本発明者らは、鋭意研究の結果、カキ殻焼
成カルシウムと特定の増粘多糖類を組み合せることによ
り、エグ味の発生がない範囲で麺の引張強度に対し相乗
効果が得られることを見い出した。また麺の保存性に関
してもカキ殻焼成カルシウムとプロタミンを組み合せる
ことにより、それぞれを単独で使用したときよりはるか
に効果があることを見い出した。なお、本発明の説明上
述べる「エグ味」とは、通常使用されている意味として
の「▲えぐ▼味。野菜類に含まれるあくの代表的なもの
で、苦味と渋味を混合したような好ましくない味。えご
味とも呼ばれる。」(調理用語辞典。第129頁左欄。
株式会社調理栄養教育公社)とあることと同義である。
【0011】次に、カキ殻焼成カルシウムとプロタミン
と特定の増粘多糖類を添加し減圧下にて混練することに
より、常圧下で混練した場合に必要な冷蔵庫での2日〜
3日の熟成期間をとることなく麺の引張強度が得られる
ことを見い出した。このため、減圧条件の検討を行なっ
た。その結果、200mmHg以下の減圧下であれば、
麺質の改善に対して効果のあることが認められた。その
中で最も好ましい条件は、実用上160mmHg〜10
0mmHgであった。
【0012】次に、生麺の保存性を一層高めるために麺
に対しての殺菌方法を検討した。その結果本発明者ら
は、微生物非透過性でありかつ耐熱性の袋に生麺に打ち
粉をすることなく収納して密封したのち、加熱処理をす
る方法が最も効果的であることを見い出した。これは、
麺に対して加熱処理後袋に密封する場合には、袋に密封
する工程において二次的な汚染が起こることがある。こ
れに対して、袋に収納密封後加熱処理をする方法は、充
填時における二次的な汚染の可能性をなくすことができ
る。微生物非透過性でありかつ耐熱性の袋の材質は、ポ
リプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート
等の材質を単品または組み合せて使用することができ
る。加熱処理の方法は、蒸熱殺菌庫に収納して殺菌する
方法と熱湯中に浸漬して殺菌する方法がある。
【0013】このようにして前記(1)〜(3)の複数
の連続した工程として組み合せることにより、食感と風
味にすぐれ、保存性が良好で、麺の結着がなくかつ調理
時に茹でこぼしの必要のない調理の簡便性にすぐれた生
麺を製造することができた。本発明の説明上、「茹でこ
ぼし」と説明している語意は、生や半生の麺を茹でて、
その湯を捨てたのち、別に用意したスープに茹でた麺を
入れることである。
【0014】本発明で用いるカキ殻焼成カルシウムにつ
いて、具体的かつ詳細に説明すると、それは食品添加物
としてのカルシウムについて、合成品以外に、貝殻焼
成、卵殻焼成、骨焼成他が栄養強化、中和、充填、品質
改良の目的に使用されていることが知られている(論説
「カルシウムの食品への利用」、服部高幸著。ニューフ
ードインダストリー。第35巻第9号、第13〜16
頁。平成5年9月1日発行。株式会社食品資材研究会
刊)。本発明においては、粉部に対して0.1重量パー
セント〜0.2重量パーセントであり、それより多く使
用した場合には、エグ味が発生して食味の著しい低下を
起こす。
【0015】本発明者らはカキ殻焼成カルシウムの使用
量について、実際に製麺しその効果を比較検討した。実
施要領を説明すると、 中華麺用粉(商品名「特ナンバーワン」 日清製粉
株式会社)に対して、カキ殻焼成カルシウム(商品名
「ハイセア−S」 カイホウ株式会社)を検討量とし、
グルコマンナン(商品名「レオレックスRS」 清水化
学株式会社)を粉部に対して1.0重量パーセントを加
え均一に混合する。 粉部に対して32重量パーセントの水に、粉部に対
して0.06重量パーセントのプロタミン(商品名「Y
A−1」 上野製薬株式会社)、粉部に対して0.4重
量パーセントのかんすい、粉部に対して0.6重量パー
セントの食塩を加え溶解する。 にを加え、減圧式ミキサー(株式会社トーキョ
ーメンキ製)により160mmHgの減圧下で16分間
混練を行ない、常法により麺に切り出す。この麺を厚さ
30μの耐熱性ポリプロピレン製袋に110gを収納密
封したのち、蒸熱殺菌庫に収納して90℃で20分間加
熱処理をする。 前記カキ殻焼成カルシウムの使用量の効果を表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】また本発明でいうカキ殻焼成カルシウムと
相乗効果のある増粘多糖類とは、グルコマンナン、グア
ーガム、アルギン酸であり、それらのうちから1種類ま
たは2種類以上の混合物の合計が粉部に対して0.2重
量パーセントから1.0重量パーセントの範囲で相乗効
果が最も良く発揮される。これより少ない場合は、麺の
引張強度が低下し、多い場合には、麺質が硬くなる傾向
が認められた(請求項3)。アルギン酸は、酸、ナトリ
ウム塩、プロピレングリコールエステルのいずれも使用
することができる。このように本発明者らは、カキ殻焼
成カルシウムと特定の増粘多糖類を特定の配合比率で使
用することにより、食感の向上とりわけ麺の引張強度に
対してすぐれた効果をもたらすことを見い出した(請求
項1)。
【0018】本発明者らは、増粘多糖類の種類と使用量
について、実際に製麺しその効果を比較検討した。実施
要領は前記した表1の実施要領のうち、カキ殻焼成カル
シウムを粉部に対して0.1重量パーセントとし、グル
コマンナンを増粘多糖類の検討種類および検討量とした
こと以外は、前記カキ殻焼成カルシウムの使用量につい
ての効果を比較検討するための実施要領として挙げた
ないしの条件と同様とした。なお、後述するプロタミ
ンの使用量、ミキシング時の減圧の効果並びに加熱処理
の効果について、それぞれ比較検討するための実施要領
も前記ないしの条件に従った。前記増粘多糖類の効
果を表2に示す。なお、表2のうち、、およびの
商品名、製造会社は、それぞれ「ダックアルギン」 株
式会社紀文フードケミファ、「ダックメンエステル」
株式会社紀文フードケミファおよび「オルノー X−
3」 オルガノ株式会社である。
【0019】
【表2】
【0020】次に本発明にいう「プロタミン(prot
amine)」とは、一般に知られているとおり、「魚
類やニワトリの精子核に存在する分子量の小さい強塩基
性の単純タンパク質」に相当する(標準化学用語事典。
第555頁左欄。丸善株式会社発行)が、本発明に使用
するプロタミンは、粉部に対して0.06重量パーセン
ト〜0.08重量パーセントであり、これより少ない場
合は保存性に対して効果がなく、これより多い場合は原
料価格が高くなる割りに保存性の向上が認められない
(請求項2)。
【0021】本発明者らは、プロタミンの使用量につい
て、実際に製麺しその効果を比較検討した。実施要領は
前記した表1の実施要領のうち、カキ殻焼成カルシウム
を粉部に対して0.1重量パーセントとし、プロタミン
を検討量としたこと以外は同様とした。前記プロタミン
の効果を表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】常圧下で混練する従来の製造方法では、麺
の引張強度に関する麺質の改善効果を得るために、2日
〜3日間冷蔵庫で保管するという熟成工程をとる必要が
あった。しかしながら本発明者らは、160mmHg〜
100mmHg以下の減圧下で混練を行なうことにより
本発明の場合には、製造直後でも充分な麺の引張強度が
得られ、熟成工程をとる必要がないことを見い出した
(請求項4)。熟成工程をとる必要がないため、ただち
に次の加熱処理の工程に移ることができ、生産効率が極
めてて良くなる。これは、実用上大変重要な点である。
【0024】本発明者らは、ミキシング時の減圧の効果
について、実際に製麺しその効果を比較検討した。実施
要領は前記した表1の実施要領のうち、カキ殻焼成カル
シウムを粉部に対して0.1重量パーセントとし、ミキ
シング時の減圧を検討する条件としたこと以外は、同様
とした。前記減圧の効果を表4に示す。
【0025】
【表4】
【0026】本発明による生麺は、微生物非透過性であ
りかつ耐熱性の袋に収納密封したのち、麺を90℃〜9
5℃の温度で20分〜40分間加熱処理することによっ
て保存性が著しく向上するだけでなく、麺の結着が防止
できた。しかし、90℃未満の温度では、保存性の点で
充分な効果が得られず、また保存中に麺が結着する傾向
が認められた。95℃を越える温度では、麺が褐変し易
く麺質が硬く脆くなる傾向が認められた。20分未満の
加熱処理時間では、保存性の点で充分な効果が得られ
ず、加熱処理時間が40分を越えると麺が褐変するだけ
でなく麺質も硬くかつ脆くなる傾向が認められた(請求
項5)。
【0027】本発明者らは、加熱処理の効果について、
実際に製麺しその効果を比較検討した。実施要領は、前
記した表1の実施要領のうち、カキ殻焼成カルシウムを
粉部に対して0.1重量パーセントとし、加熱処理の温
度と時間を検討する条件としたこと以外は、同様とし
た。前記加熱処理の効果を表5に示す。
【0028】
【表5】
【0029】
【発明の効果】本発明の効果は、生麺を製造するにあた
りカキ殻焼成カルシウムとプロタミンと特定の増粘多糖
類を用いて減圧下で混練して製麺し、耐熱性で微生物非
透過性の袋に収納密封後加熱処理するという3つの工程
を組み合せることにより、生麺の食感と風味を保ちなが
ら保存性が良好であり、かつ調理時に茹でこぼす必要が
ない調理の簡便な生麺が得られることを見い出したこと
にある。さらに、従来の生麺の製造方法である澱粉によ
る打ち粉をすることなく、麺の結着を防ぐという問題点
をも同時に解決できたことにある。
【0030】
【実施例】次に実施例に基づいて、本発明を具体的に説
明する。 実施例1 中華麺用粉100kgに対して、カキ殻焼成カルシウム
100gと増粘多糖類としてグルコマンナン1000g
(粉部に対して1.0重量パーセント)を均一に混合す
る。次にプロタミン60g、かんすい400g、食塩6
00g、クチナシ色素200gを水32kgに溶解して
得たこね水を加え真空ポンプを連結した減圧式ミキサー
により160mmHgの減圧下で16分間混練を行な
い、常法により麺に切り出した。この麺を厚さ30μの
耐熱性ポリプロピレン製袋に110gを計量して収納密
封したのち、蒸気殺菌庫に収納して90℃で20分間加
熱処理をし生中華包装麺を得た。 実施例2 実施例1において、増粘多糖類としてグアーガム(商品
名「オルノ−G1」オルガノ株式会社)200g(粉部
に対して0.2重量パーセント)を使用し、100mm
Hgの減圧下で混練を行ない、90℃で45分間の加熱
処理した以外は実施例1と同様な方法で生中華包装麺を
得た。
【0031】比較例1 実施例1において、カキ殻焼成カルシウムを使用しない
こと以外は、実施例1と同様な方法で生中華包装麺を得
た。 比較例2 実施例1において、グルコマンナンを使用しないこと以
外は、実施例1と同様な方法で生中華包装麺を得た。 比較例3 実施例1において、プロタミンを使用しないこと以外
は、実施例1と同様な方法で生中華包装麺を得た。 比較例4 実施例1において、混練を減圧下ではなく、常圧下で行
なうこと以外は実施例1と同様な方法で生中華包装麺を
得た。
【0032】比較例5 実施例1において、蒸熱殺菌庫での加熱処理を行なわな
いこと以外は、実施例1と同様な方法で生中華包装麺を
得た。 比較例6 実施例1において、300mmHgの減圧下で混練を行
ない、95℃で50分間の加熱処理をした以外は、実施
例1と同様な方法で生中華包装麺を得た。得られた生中
華包装麺は、硬く脆い食感であった。前記実施例および
比較例により得た引張強度および麺の結着状況、30℃
での保存性の対比を表6に示す。
【0033】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08B 37/00 C08B 37/00 G 37/04 37/04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉を主原料とする粉部またはこね水
    のいずれかにカキ殻焼成カルシウム、プロタミンおよび
    増粘多糖類を加えて均一に混合あるいは溶解させる第1
    の工程、粉部とこね水を減圧下で混練する第2の工程、
    引続いて前記工程を経た生麺を微生物非透過性でありか
    つ耐熱性の袋に収納密封したのち加熱殺菌する第3の工
    程を組み合せることを特徴とする保存性と調理の簡便性
    にすぐれた生麺の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記粉部に対して、カキ殻焼成カルシウ
    ムが0.1重量パーセント〜0.2重量パーセントであ
    り、プロタミンの量が0.06重量パーセント〜0.0
    8重量パーセントである請求項1記載の保存性と調理の
    簡便性にすぐれた生麺の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記増粘多糖類が、グルコマンナン、グ
    アーガム、アルギン酸であり、それらのうちから選ばれ
    る1種類または2種類以上の混合物の合計が粉部に対し
    て0.2重量パーセント〜1.0重量パーセントである
    請求項1記載の保存性と調理の簡便性にすぐれた生麺の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記混練を160mmHg〜100mm
    Hgの減圧下で行なう請求項1記載の保存性と調理の簡
    便性にすぐれた生麺の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記生麺を微生物非透過性でありかつ耐
    熱性の袋に収納密封したのち、麺を90℃〜95℃の温
    度で20分〜40分間加熱処理することによって得られ
    る請求項1記載の保存性と調理の簡便性にすぐれた生麺
    の製造方法。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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