JP2000175669A - 加圧加熱殺菌食品の品質改良方法 - Google Patents
加圧加熱殺菌食品の品質改良方法Info
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- JP2000175669A JP2000175669A JP10355594A JP35559498A JP2000175669A JP 2000175669 A JP2000175669 A JP 2000175669A JP 10355594 A JP10355594 A JP 10355594A JP 35559498 A JP35559498 A JP 35559498A JP 2000175669 A JP2000175669 A JP 2000175669A
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- pressurized
- trehalose
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- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】加圧加熱殺菌食品の具材の煮崩れ防止、風味劣
化防止方法を提供する。 【解決手段】畜肉、魚介類、野菜等の具材を、トレハロ
ースを1.0〜40.0%含有する調味液中に浸漬させ
た状態で加圧加熱殺菌すると、具材は煮崩れせず、また
調味液中の糖類の全量または一部をトレハロースに代替
することにより、具材の風味・色調の劣化を防止するこ
とができる。
化防止方法を提供する。 【解決手段】畜肉、魚介類、野菜等の具材を、トレハロ
ースを1.0〜40.0%含有する調味液中に浸漬させ
た状態で加圧加熱殺菌すると、具材は煮崩れせず、また
調味液中の糖類の全量または一部をトレハロースに代替
することにより、具材の風味・色調の劣化を防止するこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、加圧加熱殺菌食品の
品質改良方法、更に詳しくは、野菜類、畜肉類、魚介類
の煮崩れ防止による食感改善方法及び加圧加熱殺菌によ
り発生する褐変及び不快臭の改善方法に関わるものであ
る。
品質改良方法、更に詳しくは、野菜類、畜肉類、魚介類
の煮崩れ防止による食感改善方法及び加圧加熱殺菌によ
り発生する褐変及び不快臭の改善方法に関わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】 近年、加工食品対する品質の向上が望
まれており、加圧加熱殺菌食品においても、即食用に調
理された料理と同様に、具材は大きく、食感が適度な歯
ごたえを持ったものが望まれてきている。また、香味や
色調においても加圧加熱殺菌食品は、褐変したり、特有
の不快臭(レトルト臭)を持ち改善することが求められ
ている。しかしながら、野菜類、畜肉類、魚介類を調理
したものを容器に詰めて加圧加熱殺菌すると、畜肉類や
魚介類は、肉汁性が乏しくパサパサになってしまい加熱
過多になるとボロボロに煮崩れてしまう。あるいは野菜
類は簡単に煮崩れてしまい、加熱過多になると形を止め
ないものになってしまう、という問題点があった。ま
た、加圧加熱殺菌食品では、調味液が高温加熱による酸
化とともにメイラード反応がおこり褐変や不快臭の原因
となっていた。
まれており、加圧加熱殺菌食品においても、即食用に調
理された料理と同様に、具材は大きく、食感が適度な歯
ごたえを持ったものが望まれてきている。また、香味や
色調においても加圧加熱殺菌食品は、褐変したり、特有
の不快臭(レトルト臭)を持ち改善することが求められ
ている。しかしながら、野菜類、畜肉類、魚介類を調理
したものを容器に詰めて加圧加熱殺菌すると、畜肉類や
魚介類は、肉汁性が乏しくパサパサになってしまい加熱
過多になるとボロボロに煮崩れてしまう。あるいは野菜
類は簡単に煮崩れてしまい、加熱過多になると形を止め
ないものになってしまう、という問題点があった。ま
た、加圧加熱殺菌食品では、調味液が高温加熱による酸
化とともにメイラード反応がおこり褐変や不快臭の原因
となっていた。
【0003】一般的には、畜肉類や魚介類の食感改善
は、食感を軟らかくするべくおこなわれている。例え
ば、蛋白質分解酵素を使用する方法(特開平5−747
6号公報、特開平5−252911号公報)、油脂類や
乳化剤を使用する方法(特開昭54−62356号公
報、特開平4−148663号公報)、塩類を使用する
方法(特開平9−2675497号公報、特開平4−3
6167号公報)、アミノ酸類似物を使用する方法(特開
昭61−239862号公報)、それらを併用する方法
(特開平9−209号公報)など様々な方法が知られて
いる。しかしながら、これらの方法は加圧加熱殺菌を行
うと肉は小さく、硬くなるか、バラバラに砕けてしまう
かのいずれかであった。加熱食品用の野菜類の食感改善
方法としては、乳酸カルシウム水溶液中に野菜を浸漬
し、カルシウムと野菜中のペクチンが結合することで組
織を硬くして煮崩れを防止する方法が知られているが、
薄片状の野菜は硬くなり過ぎ、紙のようになり、根菜類
は筋張ったものになってしまい、即食用に調理されたも
のとはおよそかけ離れたものになってしまう。
は、食感を軟らかくするべくおこなわれている。例え
ば、蛋白質分解酵素を使用する方法(特開平5−747
6号公報、特開平5−252911号公報)、油脂類や
乳化剤を使用する方法(特開昭54−62356号公
報、特開平4−148663号公報)、塩類を使用する
方法(特開平9−2675497号公報、特開平4−3
6167号公報)、アミノ酸類似物を使用する方法(特開
昭61−239862号公報)、それらを併用する方法
(特開平9−209号公報)など様々な方法が知られて
いる。しかしながら、これらの方法は加圧加熱殺菌を行
うと肉は小さく、硬くなるか、バラバラに砕けてしまう
かのいずれかであった。加熱食品用の野菜類の食感改善
方法としては、乳酸カルシウム水溶液中に野菜を浸漬
し、カルシウムと野菜中のペクチンが結合することで組
織を硬くして煮崩れを防止する方法が知られているが、
薄片状の野菜は硬くなり過ぎ、紙のようになり、根菜類
は筋張ったものになってしまい、即食用に調理されたも
のとはおよそかけ離れたものになってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 本発明においては、
加圧加熱殺菌食品において畜肉類、野菜類、魚介類など
の具材の煮崩れを防止し、即食用に調理された料理と同
様の食感とすることと、同時に加圧加熱殺菌食品の褐変
や不快臭を低減する方法を提供する。
加圧加熱殺菌食品において畜肉類、野菜類、魚介類など
の具材の煮崩れを防止し、即食用に調理された料理と同
様の食感とすることと、同時に加圧加熱殺菌食品の褐変
や不快臭を低減する方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、畜肉、魚
介類、野菜等の具材をボイル処理などで熱処理し、つい
でトレハロースを1.0〜40.0%含有する調味液中
に浸漬させて、加圧加熱殺菌する事を特徴とする、加圧
加熱食品の具材の煮崩れ防止による食感改善方法であ
る。更に、調味液中の糖類の全量または一部をトレハロ
ースに代替することを特徴とする、加圧加熱殺菌食品の
褐変及び不快臭の防止方法である。
介類、野菜等の具材をボイル処理などで熱処理し、つい
でトレハロースを1.0〜40.0%含有する調味液中
に浸漬させて、加圧加熱殺菌する事を特徴とする、加圧
加熱食品の具材の煮崩れ防止による食感改善方法であ
る。更に、調味液中の糖類の全量または一部をトレハロ
ースに代替することを特徴とする、加圧加熱殺菌食品の
褐変及び不快臭の防止方法である。
【0006】本発明における具材とは、加圧加熱殺菌を
行うレトルト食品に広く使用されている固形状の食品を
指し、鶏肉、豚肉、牛肉などの畜肉や魚類、貝類、エ
ビ、イカ、タコなどの魚介類、馬鈴薯、人参、玉葱、白
菜、椎茸などの野菜及び茸類などのことである。具材の
大きさは、通常調理に使用される大きさであり、ペース
トなど形を止めないものは除く。
行うレトルト食品に広く使用されている固形状の食品を
指し、鶏肉、豚肉、牛肉などの畜肉や魚類、貝類、エ
ビ、イカ、タコなどの魚介類、馬鈴薯、人参、玉葱、白
菜、椎茸などの野菜及び茸類などのことである。具材の
大きさは、通常調理に使用される大きさであり、ペース
トなど形を止めないものは除く。
【0007】具材は、生及び生の冷凍品でもボイル、蒸
し、フライなどの加熱処理したものでも良い。しかし、
生及び生の冷凍品の状態では、アミラーゼ、プロテアー
ゼやリパーゼのような酵素が失活していないので、容器
に充填後、加圧加熱殺菌されるまでに、酵素の働きによ
って調味液の風味劣化や粘度低下などが発生する。よっ
て、通常加圧加熱殺菌食品においては、このような品質
劣化を起こさせない為に、事前に加熱処理したものが用
いられる。具材を生で使用する場合は、パウチ等の容器
に充填後すぐに加圧加熱殺菌することが必要になる。
し、フライなどの加熱処理したものでも良い。しかし、
生及び生の冷凍品の状態では、アミラーゼ、プロテアー
ゼやリパーゼのような酵素が失活していないので、容器
に充填後、加圧加熱殺菌されるまでに、酵素の働きによ
って調味液の風味劣化や粘度低下などが発生する。よっ
て、通常加圧加熱殺菌食品においては、このような品質
劣化を起こさせない為に、事前に加熱処理したものが用
いられる。具材を生で使用する場合は、パウチ等の容器
に充填後すぐに加圧加熱殺菌することが必要になる。
【0008】本願におけるトレハロースとは、2分子の
D−グルコースがα,α−1,1結合した非還元性の糖類
であり、自然界では、茸類、紅藻、地衣類、昆虫類など
に広く含まれている。非還元性ゆえ、メイラード反応を
おこしにくい。トレハロースの食品への応用例として
は、低齲蝕性、抗齲蝕性、ビフィズス活性をもった甘味
剤(特開昭63−240758公報)、食品原料や飲料
の蛋白質の変性抑制剤(特表平2−503864公
報)、水分活性調節剤、離水防止剤(特開平9−563
42公報)、缶コーヒーのえぐみ除去(特開平8−29
8932公報)、漬物の製造期間の短縮(特開平7−3
08150公報)、パンの品質向上及び製造期間の短縮
(特開平7−322810公報)、ゆで卵の経時変化防
止(特開平7−327639公報)、トランスグルタミ
ナーゼを併用して卵加工食品の品質改良(特開平7−2
50651公報)などがある。
D−グルコースがα,α−1,1結合した非還元性の糖類
であり、自然界では、茸類、紅藻、地衣類、昆虫類など
に広く含まれている。非還元性ゆえ、メイラード反応を
おこしにくい。トレハロースの食品への応用例として
は、低齲蝕性、抗齲蝕性、ビフィズス活性をもった甘味
剤(特開昭63−240758公報)、食品原料や飲料
の蛋白質の変性抑制剤(特表平2−503864公
報)、水分活性調節剤、離水防止剤(特開平9−563
42公報)、缶コーヒーのえぐみ除去(特開平8−29
8932公報)、漬物の製造期間の短縮(特開平7−3
08150公報)、パンの品質向上及び製造期間の短縮
(特開平7−322810公報)、ゆで卵の経時変化防
止(特開平7−327639公報)、トランスグルタミ
ナーゼを併用して卵加工食品の品質改良(特開平7−2
50651公報)などがある。
【0009】本発明においては、トレハロースを1.0
〜40.0%溶解させた調味液を作製し、上記具材を浸
漬させた状態で加圧加熱殺菌する。調味液の重量は、具
材の重量の1倍以上、望ましくは4倍以上である。トレ
ハロースの濃度は、1.0%以上ならばいずれでもよい
が、加圧加熱殺菌された調理食品の場合は、砂糖など他
の甘味物質の一部もしくは全量の代替として使用される
ので、通常は1.0%〜20.0%の範囲で使用され
る。
〜40.0%溶解させた調味液を作製し、上記具材を浸
漬させた状態で加圧加熱殺菌する。調味液の重量は、具
材の重量の1倍以上、望ましくは4倍以上である。トレ
ハロースの濃度は、1.0%以上ならばいずれでもよい
が、加圧加熱殺菌された調理食品の場合は、砂糖など他
の甘味物質の一部もしくは全量の代替として使用される
ので、通常は1.0%〜20.0%の範囲で使用され
る。
【0010】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説
明する。 (実施例1)トレハロースを含む(表1)に示す調味液
(1)は、まずラードと小麦粉をソテーし、次にカレー
粉を加えて香りがでるまで軽くソテーし、さらに、水を
少量ずつ加えながら加熱し、最後に食塩、トレハロー
ス、調味料を加えて味を調え5分間沸騰させたものであ
る。このようにして作製したトレハロースを含む(表
1)に示す調味液(1)を130g、牛の腿肉を25m
mダイス状にカットして5分間ボイルしたもの30g、
人参を20mmダイス状にカットして10分間ボイルし
たもの20g、馬鈴薯を20mmダイス状にカットして
5分間ボイルしたもの20g、各々をレトルトパウチに
充填した。次に、加圧加熱殺菌(121℃、30分間)を
行った後、レトルトパウチを開封し、官能評価を行っ
た。
明する。 (実施例1)トレハロースを含む(表1)に示す調味液
(1)は、まずラードと小麦粉をソテーし、次にカレー
粉を加えて香りがでるまで軽くソテーし、さらに、水を
少量ずつ加えながら加熱し、最後に食塩、トレハロー
ス、調味料を加えて味を調え5分間沸騰させたものであ
る。このようにして作製したトレハロースを含む(表
1)に示す調味液(1)を130g、牛の腿肉を25m
mダイス状にカットして5分間ボイルしたもの30g、
人参を20mmダイス状にカットして10分間ボイルし
たもの20g、馬鈴薯を20mmダイス状にカットして
5分間ボイルしたもの20g、各々をレトルトパウチに
充填した。次に、加圧加熱殺菌(121℃、30分間)を
行った後、レトルトパウチを開封し、官能評価を行っ
た。
【0011】(比較例1)(表1)に示す調味液(2)
は、まずラードと小麦粉をソテーし、次にカレー粉を加
えて香りがでるまで軽くソテーし、さらに、水を少量ず
つ加えながら加熱し、最後に食塩、砂糖、調味料を加え
て味を調え5分間沸騰させたものである。このようにし
て作製した砂糖を含む(表1)に示す調味液(2)を1
30g、牛の腿肉を25mmダイス状にカットして5分
間ボイルしたもの30g、人参を20mmダイス状にカ
ットして10分間ボイルしたもの20g、馬鈴薯を20
mmダイス状にカットして5分間ボイルしたもの20
g、各々をレトルトパウチに充填した。次に、加圧加熱
殺菌(121℃、30分間)を行った後、レトルトパウチ
を開封し、官能評価を行った。なお、トレハロースの添
加量は、甘味度が砂糖と同等となるように設定した。
は、まずラードと小麦粉をソテーし、次にカレー粉を加
えて香りがでるまで軽くソテーし、さらに、水を少量ず
つ加えながら加熱し、最後に食塩、砂糖、調味料を加え
て味を調え5分間沸騰させたものである。このようにし
て作製した砂糖を含む(表1)に示す調味液(2)を1
30g、牛の腿肉を25mmダイス状にカットして5分
間ボイルしたもの30g、人参を20mmダイス状にカ
ットして10分間ボイルしたもの20g、馬鈴薯を20
mmダイス状にカットして5分間ボイルしたもの20
g、各々をレトルトパウチに充填した。次に、加圧加熱
殺菌(121℃、30分間)を行った後、レトルトパウチ
を開封し、官能評価を行った。なお、トレハロースの添
加量は、甘味度が砂糖と同等となるように設定した。
【0012】
【表1】
【0013】実施例1及び比較1で得られた加圧加熱殺
菌後の調味液と各具材の官能評価結果は、調味液につい
ては、比較例1は、褐変臭があり、香辛料の香りがこも
ったような重い風味である。色もやや茶色がかった黄色
であった。これに比べて、実施例1は、香辛料の香りの
立ちがよく、褐変臭もなく、風味や色調の変化も少なか
った。具材については、比較例1では、馬鈴薯、人参は
煮崩れしてダイス状の角が取れて溶けかけていた。牛肉
は小さく縮み噛むとボソボソと崩れてしまった。これに
比べて、実施例1は、馬鈴薯、人参は、軟らかくなって
いるがダイス状を保っていた。また、牛肉の縮みも少な
かった。
菌後の調味液と各具材の官能評価結果は、調味液につい
ては、比較例1は、褐変臭があり、香辛料の香りがこも
ったような重い風味である。色もやや茶色がかった黄色
であった。これに比べて、実施例1は、香辛料の香りの
立ちがよく、褐変臭もなく、風味や色調の変化も少なか
った。具材については、比較例1では、馬鈴薯、人参は
煮崩れしてダイス状の角が取れて溶けかけていた。牛肉
は小さく縮み噛むとボソボソと崩れてしまった。これに
比べて、実施例1は、馬鈴薯、人参は、軟らかくなって
いるがダイス状を保っていた。また、牛肉の縮みも少な
かった。
【0014】(実施例2)トレハロースを含む(表2)
に示す調味液(3)は、水に澱粉以外の原料を加えて加
熱し沸騰させ、次に、加熱を中止し、澱粉を水に溶いて
加えて撹拌し、再度沸騰するまで加熱したものである。
このようにして作製したトレハロースを含む(表2)に
示す調味液(3)を115g、鯛の切り身を30mm×
20mm×10mmのダイス状にカットして1分間ボイ
ルしたもの10g、イカの切り身を30mm×20mm
×3mmの短冊状にカットして1分間ボイルしたもの1
0g、芝エビを剥き身にして30秒間ボイルしたもの1
5g、帆立貝の貝柱を30秒間ボイルしたもの5g、白
菜を50mm×30mmの短冊状にカットして1分間ボ
イルしたもの20g、人参を30mm×10mm×3m
mの短冊状にカットして1分間ボイルしたもの10g、
椎茸を厚さ5mmでスライスして1分間ボイルしたもの
10g、タケノコを30mm×10mm×3mmの短冊
状にカットして1分間ボイルしたもの10g、各々をレ
トルトパウチに充填した。次に、加圧加熱殺菌(121
℃、30分間)を行った後、レトルトパウチを開封し、
官能評価を行った。
に示す調味液(3)は、水に澱粉以外の原料を加えて加
熱し沸騰させ、次に、加熱を中止し、澱粉を水に溶いて
加えて撹拌し、再度沸騰するまで加熱したものである。
このようにして作製したトレハロースを含む(表2)に
示す調味液(3)を115g、鯛の切り身を30mm×
20mm×10mmのダイス状にカットして1分間ボイ
ルしたもの10g、イカの切り身を30mm×20mm
×3mmの短冊状にカットして1分間ボイルしたもの1
0g、芝エビを剥き身にして30秒間ボイルしたもの1
5g、帆立貝の貝柱を30秒間ボイルしたもの5g、白
菜を50mm×30mmの短冊状にカットして1分間ボ
イルしたもの20g、人参を30mm×10mm×3m
mの短冊状にカットして1分間ボイルしたもの10g、
椎茸を厚さ5mmでスライスして1分間ボイルしたもの
10g、タケノコを30mm×10mm×3mmの短冊
状にカットして1分間ボイルしたもの10g、各々をレ
トルトパウチに充填した。次に、加圧加熱殺菌(121
℃、30分間)を行った後、レトルトパウチを開封し、
官能評価を行った。
【0015】(比較例2)(表2)に示す調味液(4)
は、水に澱粉以外の原料を加えて加熱し沸騰させ、次に
加熱を中止し、澱粉を水に溶いて加えて撹拌し、再度沸
騰するまで加熱したものである。このようにして作製し
た砂糖を含む(表2)に示す調味液(4)を115g、
鯛の切り身を30mm×20mm×10mmのダイス状
にカットして1分間ボイルしたもの10g、イカの切り
身を30mm×20mm×3mmの短冊状にカットして
1分間ボイルしたもの10g、芝エビを剥き身にして3
0秒間ボイルしたもの15g、帆立貝の貝柱を30秒間
ボイルしたもの5g、白菜を50mm×30mmの短冊
状にカットして1分間ボイルしたもの20g、人参を3
0mm×10mm×3mmの短冊状にカットして1分間
ボイルしたもの10g、椎茸を厚さ5mmでスライスし
て1分間ボイルしたもの10g、タケノコを30mm×
10mm×3mmの短冊状にカットして1分間ボイルし
たもの10g、各々をレトルトパウチに充填した。次
に、加圧加熱殺菌(121℃、30分間)を行った後、レ
トルトパウチを開封し、官能評価を行った。
は、水に澱粉以外の原料を加えて加熱し沸騰させ、次に
加熱を中止し、澱粉を水に溶いて加えて撹拌し、再度沸
騰するまで加熱したものである。このようにして作製し
た砂糖を含む(表2)に示す調味液(4)を115g、
鯛の切り身を30mm×20mm×10mmのダイス状
にカットして1分間ボイルしたもの10g、イカの切り
身を30mm×20mm×3mmの短冊状にカットして
1分間ボイルしたもの10g、芝エビを剥き身にして3
0秒間ボイルしたもの15g、帆立貝の貝柱を30秒間
ボイルしたもの5g、白菜を50mm×30mmの短冊
状にカットして1分間ボイルしたもの20g、人参を3
0mm×10mm×3mmの短冊状にカットして1分間
ボイルしたもの10g、椎茸を厚さ5mmでスライスし
て1分間ボイルしたもの10g、タケノコを30mm×
10mm×3mmの短冊状にカットして1分間ボイルし
たもの10g、各々をレトルトパウチに充填した。次
に、加圧加熱殺菌(121℃、30分間)を行った後、レ
トルトパウチを開封し、官能評価を行った。
【0016】
【表2】
【0017】実施例2及び比較例2で得られた加圧加熱
殺菌後の調味液と各具材の官能評価結果は、調味液につ
いては、比較例2は、こげ臭がつよく、調味液の色も暗
く濃くこげ茶色であった。鶏ガラスープの風味は弱く蒸
れた様な臭いが強かった。これと比べて、実施例2は、
こげ臭は殆どなく、調味液の色も淡い茶色であった。鶏
がらスープとオイスターソースの風味の立ちも良好であ
った。具材については、比較例1では、白菜はどろどろ
に溶けて、人参も軟らかくなっていた。椎茸、タケノコ
は、変化は少ないが、調味液の味が染み込んで褐変臭が
強いものになっていた。鯛の切り身、帆立貝の貝柱は肉
の繊維方向に砕けていた。イカの切り身と芝エビの剥き
身は小さく縮んでいた。これに比べて、実施例1では、
野菜類は形が残り、風味も良好であった。鯛の切り身や
帆立貝の貝柱はやや崩れていたが比較例1より保型性を
保っていた。またイカの切り身や芝エビの剥き身の縮み
も少なく、食感もしっかりとしていた。
殺菌後の調味液と各具材の官能評価結果は、調味液につ
いては、比較例2は、こげ臭がつよく、調味液の色も暗
く濃くこげ茶色であった。鶏ガラスープの風味は弱く蒸
れた様な臭いが強かった。これと比べて、実施例2は、
こげ臭は殆どなく、調味液の色も淡い茶色であった。鶏
がらスープとオイスターソースの風味の立ちも良好であ
った。具材については、比較例1では、白菜はどろどろ
に溶けて、人参も軟らかくなっていた。椎茸、タケノコ
は、変化は少ないが、調味液の味が染み込んで褐変臭が
強いものになっていた。鯛の切り身、帆立貝の貝柱は肉
の繊維方向に砕けていた。イカの切り身と芝エビの剥き
身は小さく縮んでいた。これに比べて、実施例1では、
野菜類は形が残り、風味も良好であった。鯛の切り身や
帆立貝の貝柱はやや崩れていたが比較例1より保型性を
保っていた。またイカの切り身や芝エビの剥き身の縮み
も少なく、食感もしっかりとしていた。
【0018】
【発明の効果】畜肉、魚介類、野菜等の具材を、トレハ
ロースを1.0〜40.0%含有する調味液中に浸漬さ
せた状態で加圧加熱殺菌すると、具材は煮崩れせず食感
の劣化を防止することができる。また、調味液中の糖類
の全量または一部をトレハロースに代替すると、メイラ
ード反応等による風味、色調の劣化を低減させることが
でき、加圧加熱殺菌食品の不快臭も防止することができ
る。
ロースを1.0〜40.0%含有する調味液中に浸漬さ
せた状態で加圧加熱殺菌すると、具材は煮崩れせず食感
の劣化を防止することができる。また、調味液中の糖類
の全量または一部をトレハロースに代替すると、メイラ
ード反応等による風味、色調の劣化を低減させることが
でき、加圧加熱殺菌食品の不快臭も防止することができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 畜肉、魚介類、野菜等の具材を、トレハ
ロースを1.0〜40.0%含有する調味液中に浸漬さ
せた状態で加圧加熱殺菌する事を特徴とする、加圧加熱
殺菌食品の具材の煮崩れ防止方法。 - 【請求項2】調味液中の糖類の全量または一部をトレハ
ロースに代替することを特徴とする、加圧加熱殺菌食品
の褐変及び不快臭防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10355594A JP2000175669A (ja) | 1998-12-15 | 1998-12-15 | 加圧加熱殺菌食品の品質改良方法 |
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