JP4137193B2 - 調味液組成物及びその製造方法 - Google Patents

調味液組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は調味液組成物及びその製造方法に関し、更に詳しくは、炒め物、あんかけ、焼き肉のたれ、煮物、スープ等、とろみをつける料理全般に使用する、加熱調理時に増粘しとろみを付与する調味液組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
とろみを付与する料理としては、チンジャオロースー、八宝菜、麻婆豆腐等の炒め物、かに玉等のあんかけが代表的な物であるが、他にもスープ、煮物、焼き鳥や蒲焼きのたれ等、多くの料理に、食感の向上、照りによる外観の向上、たれの絡みの向上等のために、とろみが付与されている。
これらの料理にとろみを付与する方法としては、一般に、▲1▼食品素材に調味液を加えて加熱した後、水に溶いた片栗粉等を混合し加熱する方法、▲2▼食品素材に片栗粉をまぶしておき、加熱調理する方法、▲3▼片栗粉等で増粘された調味液を、食品素材に加え加熱混合する方法、▲4▼片栗粉等で増粘された調味液を、調理済の食品素材の上にかける方法等で行われている。
しかし、これらの方法は、片栗粉を水に溶いて添加する操作が面倒、添加量の加減が難しい、食品素材に不均一に絡む、ダマを生じるといった問題があった。また片栗粉等で増粘された調味液は、高粘度のため流動性が悪く非常に扱いにくい、経時的に粘度変化を起こすといった問題があった。
これらの問題に対し、澱粉等の増粘剤を含む粉末タイプの調味料類(あんかけの素、乾燥スープ等)や、予め増粘させた1回で使い切りの袋詰め調味液等が実際に上市されている。しかし、粉末のものについては、水を加えて加熱混合するだけでとろみが付与するとされているが、粉末がダマになりやすく、泡立て器でよく混合する操作が必要であり、面倒であった。また、予め増粘させた袋詰めの調味液は、袋を切るのが面倒、調味液が袋内に付着し袋から出しにくい、手が汚れやすい等、調理時の作業性に問題がある。
また、片栗粉等で増粘された調味液の経時的粘度変化については、調味液を澱粉で増粘する場合、加熱混合して膨潤、糊化させて粘度を出したり、また、多糖類などの増粘剤を用いる場合は、調味液に完全に溶解、膨潤させることによって粘度を出してるが、経時的に粘度変化をきたさない、保存安定な調味液を得ることが難しく、種々の研究がなされている。
例えば、特開平4−190760号公報では、キサンタンガム配合後に澱粉を加熱混合した、増粘安定化された焼き鳥のたれなどの調味液組成物、特開平4−311363号公報には、馬鈴薯澱粉あるいはタピオカ澱粉を由来とするリン酸架橋澱粉を加熱混合、増粘させた、老化による粘度低下のない中華用たれ、特開平6−141815号公報には、粉末セルロースとガム類、澱粉、化工澱粉などの増粘剤を加え、加熱混合、増粘させた、コーティング用たれが提案されているが、その効果は十分とは言えず、前記した問題を全て解決するものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のとろみを付ける方法は、片栗粉を水に溶いて添加する操作が面倒、添加量の加減が難しい、食品素材に不均一に絡む、ダマを生じるといった問題があった。また、片栗粉等で増粘された調味液は、高粘度のため流動性が悪く非常に扱いにくい、経時的に粘度変化を起こすといった問題があり、これらの問題を全て解決する手法が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、増粘剤を、増粘剤としての作用を呈しない状態で調味液中に配合し、加熱調理時に増粘剤としての作用を発揮するようにすれば、調味液だけで簡単にとろみを出せ、調味液自身の粘度が低いため、流動性があり、格段に扱いやすくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本願第1発明は、調味料及び増粘剤を含有し、加熱により増粘する調味液組成物であり、特に調味料及び増粘剤を含有する調味液組成物であって、該組成物を90℃で30分加熱した後の粘度(25℃)が該組成物の加熱前の粘度(25℃)の2倍以上であることを特徴とする調味液組成物である。
また、通常、調味液は、食酢、果汁、糖類、醤油、 塩等、配合によりpH、水分活性、塩濃度等を調整し、調味液自身に制菌性を持たせることで、 原料由来の菌が混入しても、菌が増殖することを極力抑えている。よって、必ずしも殺菌工程を経なくても、製造した調味液は食することが出来る。 但し、調味液を製造してから長期間保存した後に使用する場合は、調味液に制菌性を持たせる以外に、 殺菌を行い、より安全に菌対策を行うのが望ましい。調味液の殺菌は、製造時に原料由来の菌を殺菌する一次殺菌と、製造した調味液を容器に充填後、充填時に外部から混入した菌を殺菌する二次殺菌とに分かれる。即ち、調味液の原料成分を混合し、攪拌しながら90℃で30分程度加熱し一次殺菌を行いながら調味液を製造し、製造した調味液を容器に充填後、更に80〜90℃で30分程度加熱し二次殺菌を行うのが調味液製造の一般的な方法である。
しかし、上記方法の場合、加熱殺菌温度が高温であり、増粘剤が溶解又は糊化する。本発明者等は、この問題を解決すべく更に鋭意研究の結果、増粘剤を予め溶解又は糊化しない条件で殺菌し、通常の殺菌工程を施した他の組成成分と増粘剤が溶解又は糊化しない温度で混合する製造方法により、増粘剤を含有した、加熱により増粘する調味液を十分殺菌した状態で得られることを見出した。
即ち本願第2発明は、調味料及び増粘剤を、増粘剤が溶解又は糊化しない温度で混合することを特徴とする、加熱により増粘する調味液組成物の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用する増粘剤は、カラギーナン、アルギン酸塩、寒天等の海草抽出物;グアーガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、タラガム、カッシァガム等の植物種子粘質物;トラガントガム、カラヤガム等の植物樹液粘質物;ペクチン等の植物果実粘質物;キサンタンガム、スクレログルカン、ジェランガム等の微生物産生粘質物等の増粘多糖類、ゼラチン等の動物蛋白質;セルロースおよびその誘導体;馬鈴薯、小麦、トウモロコシその他食品として使用可能な全ての澱粉類等、食品として使用できる何れの増粘剤でもよい。また、ここで言う増粘剤には、小麦粉、コーンフラワー、モチ粉、その他増粘性を有する澱粉を含有する、食品として使用可能な全ての澱粉類も含まれる。これら全ての増粘剤の中でも澱粉類、特に馬鈴薯澱粉が好ましい。
本発明に使用する増粘剤は、上記増粘剤を油脂や界面活性剤等にてコーティング処理したものや、リン酸架橋処理、湿熱処理、乾熱処理等、公知の何れ加工方法にて処理したものでもよい。
増粘剤の配合量は特に限定されないが、調味液組成物中、0.01〜60重量%、好ましくは0.05〜40重量%、更に好ましくは0.1 〜20重量%である。
【0006】
又、本発明で使用する調味料を構成する成分は、料理の種類によって異なり、特に限定はないが、醤油、みそ、食酢、酒、食塩その他無機塩類、砂糖、化学調味料、エキス類、香辛料、オイスターソース、豆板醤、甜面醤、液糖、みりん、油脂、有機酸、果汁、ねぎ、しょうが等の野菜、界面活性剤、食用色素等がある。
【0007】
本発明の製造方法は、調味料と増粘剤を、増粘剤が溶解又は糊化しない温度で混合することに特徴を有する。また、殺菌が必要な場合には、糊化又は溶解しない条件で殺菌処理又は滅菌処理してある増粘剤を、別途に常法により殺菌した増粘剤以外の調味液組成成分に、増粘剤が溶解又は糊化しない温度で混合し、製造すればよい。ここで、溶解又は糊化しない状態とは、組成物中で実質的に増粘しない状態で存在することを意味する。尚、増粘剤は調味料の粘度調整の目的でも使用されることがあるため、その一部は溶解又は糊化していてもかまわない。
本発明でいう増粘剤の殺菌方法は、特に限定されず、マイクロ波処理や赤外線処理等による乾熱殺菌、エチレンオキサイド等のガス殺菌、有機酸を含む調味液配合成分(食酢、レモン果汁等)中での低温殺菌、過熱水蒸気での殺菌、ガンマ線照射等、公知の何れの殺菌方法でもよい。
【0008】
本発明の製造法により得られる調味液組成物は、増粘剤が調味料中で溶解又は増粘しておらず、分散状態で存在している。ここで、分散状態とは常時完全に分散していることを意味しない。要は、使用時に分離していても、また、軽く凝集していても、普通に振る程度で分散状態になればよい。
本発明の製造法により得られる調味液組成物の性状は特に限定されるものではなく、味噌やマヨネーズのような高粘度ペーストの形態でも良く、これを水に分散させて低粘度状態にしてから使用しても良いが、取り扱い性の点から、粘度(25℃)は 10000cp以下、更には5000cp以下、特に3000cp以下であることが望ましい。ここでいう粘度は、(株)東京計器製BL型粘度計にてローターNo.4を使用し、30rpm で1分間回転させて測定した値である。
【0009】
又、本発明の調味液組成物は、そのままでは粘度が低く流動性が良く、加熱調理時に増粘してとろみを付与するという初期の目的から、90℃で30分加熱した後の粘度(25℃)が該組成物の加熱前の粘度(25℃)の2倍以上、更に好ましくは5倍以上になることが必要である。更に、対象料理によっても異なるが、加熱後の最終的な粘度は1000〜50000cp であることが好ましい。
ここで、加熱後の粘度とは、90℃で30分加熱した後、25℃まで冷し、測定した値である。
このようにして得られた調味液組成物は容器に充填される。
【0010】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例中の部は重量部を意味する。
実施例1、比較例1〜3
〔麻婆豆腐の調理〕
Figure 0004137193
<調味液の製造方法>
(実施例1)
配合Aにおいて、馬鈴薯澱粉を除く成分を混合し、90℃で30分加熱処理し、40℃に冷却後、馬鈴薯澱粉を加え、調味液を得た。この調味液の粘度((株)東京計器製BL型粘度計にてローターNo.4を使用し、30rpm で1分間回転させて、25℃で測定。以下の例も同様)は350cp であった。
(比較例1)
配合Bにおいて、全成分を混合し、90℃で30分加熱処理し、調味液を得た。この調味液の粘度は300cp であった。
(比較例2)
配合Aにおいて、全成分を混合し、90℃で30分加熱処理し、調味液を得た。この調味液の粘度は14000cp であった。
(比較例3)
比較例1と同じ調味液を使用した。
<調理法>
(実施例1、比較例1、2)
豚挽肉100g、刻んだネギ1/3本、しょうが1片、ニンニク1片を油30gを敷いたフライパンで炒めた後、豆腐1丁と上記各調味液60gを加え煮立て、麻婆豆腐を調理した。
(比較例3)
豚挽肉100g、刻んだネギ1/3本、しょうが1片、ニンニク1片を油30gを敷いたフライパンで炒めた後、豆腐1丁と上記調味液60gを加え煮立て、更に水10gに溶いた片栗粉3gを加え、とろみを付けて麻婆豆腐を調理した。
<評価>
調味液の扱い易さ、調理時の作業性、料理の出来を、実施例1を基準(全てにおいて良好)として評価した。又、上記4種の方法で作った麻婆豆腐を味覚パネル10人に評価してもらい、最もおいしいと思うものを選定してもらった。結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
Figure 0004137193
【0012】
実施例2
実施例1の調味液組成において、馬鈴薯澱粉6部の代わりにコーン澱粉10部を用いた。この調味液により実施例1と同様に調理したところ、評価は実施例1と同様に全てにおいて良好であり、味覚パネルによる評価も実施例1と同じであった。
実施例3、比較例4〜6
〔チンジャオロースーの調理〕
Figure 0004137193
<調味液の製造方法>
(実施例3)
配合Cにおいて、馬鈴薯澱粉を除く成分を混合し、90℃で30分加熱処理し、40℃に冷却後、馬鈴薯澱粉を加え、調味液を得た。この調味液の粘度は300cp であった。
(比較例4)
配合Dにおいて、全成分を混合し、90℃で30分加熱処理し、調味液を得た。この調味液の粘度は200cp であった。
(比較例5)
配合Cにおいて、全成分を混合し、90℃で30分加熱処理し、調味液を得た。この調味液の粘度は20000cp であった。
(比較例6)
比較例4と同じ調味液を使用した。
<調理法>
(実施例3、比較例4、5)
ピーマン5個、牛もも肉200gを千切りにし、油30gを敷いたフライパンで炒めた後、上記各調味液30gを仕上げに絡め、チンジャオロースーを調理した。
(比較例6)
牛もも肉に片栗粉をまぶし、下ごしらえをした後、実施例3と同様の方法でチンジャオロースーを調理した。
<評価>
下準備の手間、調味液の扱い易さ、調理時の作業性、料理の出来を、実施例3を基準(全てにおいて良好)として評価した。結果を表2に示す。又、上記4種の方法で作ったチンジャオロースーを味覚パネル10人に評価してもらい、最もおいしいと思うものを選定してもらった。結果を表2に示す。
【0013】
【表2】
Figure 0004137193
【0014】
実施例4
実施例3の調味液組成において、馬鈴薯澱粉8部の代わりにタピオカ澱粉12部を用いた。この調味液により実施例3と同様に調理したところ、評価は実施例3と同様に全てにおいて良好であった。
実施例5
実施例3の調味液組成において、馬鈴薯澱粉8部の代わりにキサンタンガム0.5 部、コーン澱粉7.5部を用いた。この調味液により実施例3と同様に調理したところ、評価は実施例3と同様に全てにおいて良好であった。
【0015】
実施例6
〔焼肉のたれ〕
Figure 0004137193
<調味液の製造方法>
配合Eにおいて、馬鈴薯澱粉2部及び馬鈴薯澱粉以外の成分を混合し、90℃で30分加熱処理し、40℃に冷却後、馬鈴薯澱粉3部を加え、調味液を得た。この調味液の粘度は1500cpであった。
<調理法及び評価>
牛ロース薄切りスライス肉200gをフライパンで焼成し、仕上げに上記調味液(たれ)を肉にかけ、更に肉とたれを絡めるように肉を焼成した。
その結果、本調味液は粘度が低いため、肉にふりかけ易く作業性良好であり、肉とも絡め易く、更にできあがった焼肉はとろみの効果により、肉表面の照り、つやがあり、肉の食感も柔らかく、極めて良好であった。
【0016】
実施例7
〔濃縮インスタントスープ〕
Figure 0004137193
<調味液の製造方法>
配合Fにおいて、馬鈴薯澱粉を除く成分を混合し、90℃で30分加熱処理し、40℃に冷却後、馬鈴薯澱粉を加え、調味液を得た。この調味液の粘度は350cp であった。
<調理法及び評価>
沸騰した湯400mlに本調味液50mlを加え、軽くかき混ぜた後、卵1個を溶き入れ、卵スープを得た。
スープには適度なとろみが付与され、作業時の手間もなく、良好な食感の卵スープであった。
【0017】
<殺菌処理を施した青椒肉絲用調味液の製造および調理評価>
製造後に保存する等の理由から殺菌が必要な場合の実施例を以下に説明する。
Figure 0004137193
(調味液の製造)
実施例8
前記の配合Gでレモン果汁中と馬鈴薯澱粉を55℃で2時間加熱攪拌混合し、澱粉を殺菌した。レモン果汁と馬鈴薯澱粉を除く配合成分を90℃で30分間加熱攪拌後、55℃まで降温し、殺菌処理したレモン果汁と澱粉を混合し、更に60〜65℃で1時間二次殺菌を行い、青椒肉絲用調味液を製造した。
参考例1
配合成分Gを室温で混合し、青椒肉絲用調味液を製造した。
(調味液中の菌数測定)
・測定方法
得られた調味液中に残存する菌数を測定した。調味液 0.1ccまたは調味液を滅菌した 0.9%生理食塩水で10倍に稀釈した溶液 0.1ccを90×15mmの浅型滅菌シャーレを使用した培地に添付し、コーンラージ棒で一面に塗り広げた後、30℃で保存し、培地に発生したコロニー数から一般生菌数、真菌数、大腸菌群数を測定した。培地は、標準寒天培地(一般生菌測定用)、GP寒天培地(真菌測定用)、デスオキシコーレイト培地(大腸菌群測定用)の三種を使用した。
・菌数測定結果
殺菌処理を施していない参考例1では一般生菌、真菌が検出されたが、殺菌処理を施した実施例8では、何れも検出されなかった。
【0018】
【表3】
Figure 0004137193
【0019】
(調理評価)
ピーマン5個、牛もも肉 200gを千切りにし、油50gで炒めた後、参考例1、実施例8で製造した調味液30gを仕上げに絡め、青椒肉絲を作った。その結果、調理がしやすく、完成した料理にはよくとろみがついており、素材にタレがよくなじんだ良好な青椒肉絲を得た。
【0020】
〔実施例9〕
実施例8で馬鈴薯澱粉5部の代わりコーン澱粉8部を使用した。調製後の調味液には菌は検出されず、調理評価でも、調理がしやすく、完成した料理にはよくとろみがついており、素材にタレが良くなじんだ良好な青椒肉絲を得た。
【0021】
<麻婆豆腐用調味液の製造および調理評価>
〔実施例10〕
Figure 0004137193
(製造および評価)
馬鈴薯澱粉以外の調味液成分を90℃で30分間加熱攪拌後、65℃まで降温し、マイクロ波殺菌処理した馬鈴薯澱粉を混合し、更に65℃で1時間二次殺菌を行い、麻婆豆腐用調味液を製造した。さらに、豚挽肉 150g、刻んだねぎ1/3本、しょうが1片、ニンニク1片を油45gを敷いたフライパンで炒めた後、豆腐1丁と調製した麻婆豆腐用調味液80g、水80gを加え煮立て、麻婆豆腐を作った。調製後の調味液には菌は検出されず、調理評価でも、調理がしやすく、完成した料理にはよくとろみが付いており、良好な麻婆豆腐を得た。
【0022】
<ペースト型麻婆豆腐用調味液の製造および調理評価>
〔実施例11〕
Figure 0004137193
(製造および評価)
馬鈴薯澱粉以外の調味液成分を90℃で30分間加熱攪拌後、65℃まで降温し、マイクロ波殺菌処理した馬鈴薯澱粉を混合し、更に65℃で1時間二次殺菌を行い、麻婆豆腐用調味液ペーストを製造した。このもの粘度は25℃で35000cp であった。ペーストは高い粘度であるため、(株)東京計器製BH型粘度計を用い、ローターNo.7を使用し、20rpm で1分間回転させて測定した。さらに、豚挽肉 150g、刻んだねぎ1/3本、しょうが1片、ニンニク1片を油45gを敷いたフライパンで炒め、調味液ペースト50gを水110 gに溶き、豆腐1丁と共に煮立て、麻婆豆腐を作った。調製後の調味液には菌は検出されず、完成した料理にはよくとろみが付いており、良好な麻婆豆腐を得た。

Claims (10)

  1. 次の(イ)〜(ニ);
    (イ)増粘剤を含まない調味液組成成分を加熱処理して殺菌処理又は滅菌処理する工程
    (ロ)増粘剤を含む原料を糊化又は溶解しない温度で殺菌処理又は滅菌処理する工程
    (ハ)前記工程(イ)で得られたものを冷却する工程
    (ニ)前記工程(ハ)で得られたものと前記工程(ロ)で得られたものを、増粘剤が糊化又は溶解しない温度で混合する工程
    を含み、調理時の加熱により増粘する調味液組成物の製造方法。
  2. 更に、(ホ);前記工程(ニ)で得られたものを増粘剤が糊化又は溶解しない温度で殺菌処理又は滅菌処理する工程
    を含む請求項1記載の調味液組成物の製造方法。
  3. 前記工程(ロ)を、有機酸を含む溶液中で行う、請求項1又は2記載の調味液組成物の製造方法。
  4. 含有する増粘剤が澱粉類及び/又は増粘多糖類の1種又は2種以上である請求項1〜3の何れか1項記載の調味液組成物の製造方法。
  5. 殺菌処理又は滅菌処理してある、増粘剤を含まない調味料、及び有機酸を含む溶液中で糊化又は溶解しない温度で殺菌処理又は滅菌処理してある増粘剤を含有し、調理時の加熱により増粘する調味液組成物。
  6. 殺菌処理又は滅菌処理してある、増粘剤を含まない調味料、及び有機酸を含む溶液中で糊化又は溶解しない温度で殺菌処理又は滅菌処理してある増粘剤を含有する調味液組成物であって、該組成物を 90 ℃で 30 分加熱した後の粘度( 25 ℃)が該組成物の加熱前の粘度( 25 ℃)の2倍以上であることを特徴とする調味液組成物。
  7. 組成物中で溶解又は糊化せず分散状態で存在する増粘剤を含有する請求項5又は6記載の調味液組成物。
  8. 調味液組成物の加熱前の粘度(25℃)が10000cp 以下である請求項5〜の何れか1項記載の調味液組成物。
  9. 含有する増粘剤が澱粉類及び/又は増粘多糖類の1種又は2種以上である請求項5〜8の何れか1項記載の調味液組成物。
  10. 含有する増粘剤が澱粉類の1種又は2種以上である請求項5〜8の何れか1項記載の調味液組成物。
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