JPH11176691A - 積層チップ電子部品の製造方法 - Google Patents

積層チップ電子部品の製造方法

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JPH11176691A
JPH11176691A JP9346766A JP34676697A JPH11176691A JP H11176691 A JPH11176691 A JP H11176691A JP 9346766 A JP9346766 A JP 9346766A JP 34676697 A JP34676697 A JP 34676697A JP H11176691 A JPH11176691 A JP H11176691A
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external
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JP9346766A
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Keiichi Kobayashi
啓一 小林
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/30Stacked capacitors

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に素体の端面のみに外部端子電極を形成
できると共に製造工程の削減を図れる積層チップ電子部
品の製造方法を提供する。 【解決手段】 ビアホール17a,17bと内部電極1
1a,11bを形成した絶縁材料からなる素体シート1
4a,14bと、導電材料からなる外電シート15a,
15b及びビアホール17aを形成した絶縁材料からな
るダミーシート16を積層・圧着し、脱バインダ処理を
行った後、これを焼成して積層チップコンデンサを作成
する。これにより、外電シート15a,15b自体が外
部端子電極になるので、素体の対向する2つの端面のみ
に極めて容易に外部端子電極を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層チップ電子部
品の製造方法に関し、特に内部導体と共に端面のみに容
易に外部端子電極を形成できる積層チップ電子部品の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、積層チップ電子部品においては、
従来にも増してより小型化、高性能化が要求されてい
る。
【0003】例えば、積層チップコンデンサでは、材料
の高誘電率化、シートの薄層化が必要とされているが、
現段階では、双方とも限界が見えてきている。そこで、
これまでの構造(以下、横積層型と称する)と異なる縦
積層型の積層チップコンデンサが提案されている。
【0004】これまでの横積層型の積層チップコンデン
サ20は、図2の側面断面図に示すように、表面に内部
電極21を形成した絶縁体シート22を積層して素体2
3を形成し、素体23の両端部には交互に内部電極21
に導電接続される一対の外部端子電極24を塗布形成し
たものである。この場合、内部電極21の面と外部端子
電極24の端面はほぼ垂直になる。
【0005】これに対して、縦積層型の積層チップコン
デンサ30は、図3の平断面図に示すように、表面に内
部電極31を形成すると共にビアホール32を形成した
絶縁体シート33を積層して素体34を形成する。さら
に、積層方向の両端部、即ち最上端部及び最下端部に一
対の外部端子電極35を塗布形成したものである。
【0006】ここで、内部電極31は一層おきにビアホ
ール32を介して導電接続され、最上層の内部電極31
はビアホール32を介して一方の外部端子電極35に導
電接続され、最下層の内部電極31はビアホール32を
介して他方の外部端子電極35に導電接続されている。
この場合、内部電極31の面と外部端子電極35の端面
はほぼ平行になる。
【0007】前者の通常の構造(横積層型)では、素体
23の6面全てに対して内部電極21から最低50μm
のマージンMを取る必要があるので、素体23のサイズ
を固定した場合、得られる最大容量には自ら制限が出て
くる。しかし後者の縦積層型の場合は、外部端子電極3
5の端面近傍まで内部電極31を形成することができる
ので、同じサイズの素体の場合は横積層型よりも大きな
最大容量を得ることができる。
【0008】一方、近年の高周波部品の需要の高まりに
より、より高い共振周波数(f0 )を持つ積層インダク
タが求められている。また、このような高周波部品にお
いては、部品の非対称性によって共振周波数等の実装特
性に変化があるため、マーカーによる識別が必要不可欠
であった。
【0009】即ち、これまでの横積層型の積層チップイ
ンダクタ40は、図4の側面断面図に示すように、表面
に内部導体41及びビアホールを形成した絶縁体シート
42を積層し、ビアホールによって内部導体41を螺旋
状に導電接続した素体43を形成し、素体43の両端部
には螺旋状に接続された内部導体41からなるコイル導
体の両端に導電接続される一対の外部端子電極44を塗
布形成したものである。
【0010】この場合、内部導体41の面と外部端子電
極44の端面はほぼ垂直になる。また、印刷基板などへ
の実装の際に、基板に対して内部導体41の面が平行に
なる場合と垂直になる場合とでは、内部導体41に対す
る基板上の導体パターンの影響が変わり、特性に違いが
生じていた。このため、部品自体にマークを付けて内部
電極面の方向を認識できるようにしなければならなかっ
た。
【0011】しかし、部品自体にマーカーを付けた場合
は、テーピングやマウンティング時にマーカーを認識し
て方向選別をする必要があり、生産性を著しく落とすな
どの不具合があった。
【0012】従って市場では、方向性の無い高周波対応
部品が求められるようになった。そこで、これらの要求
を実現するために、外部電極端面と平行な方向に内部電
極パターンを形成した構造(縦積層型)が知られてい
る。
【0013】縦積層型の積層チップインダクタ50は、
図5の平断面図に示すように、表面に内部導体51を形
成すると共にビアホールを形成した絶縁体シート52を
積層して素体53を形成し、積層方向の両端部に一対の
外部端子電極54を塗布形成したものである。
【0014】ここで、内部導体51はビアホールを介し
て螺旋状に導電接続され、これによって形成されるコイ
ル導体の両端のそれぞれがビアホールを介して外部端子
電極54に導電接続されている。この場合、内部導体5
1の面と外部端子電極54の端面はほぼ平行になる。
【0015】このような縦積層型は、印刷基板などへの
実装の際に、基板に対して内部導体51の面が常に垂直
になるので、内部導体51に対する基板上の導体パター
ンの影響は実装状態によって変わることが無く、特性に
違いを生じることが無い。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の縦積層型の積層チップコンデンサ(図3参照)
では、外部端子電極35が素体34の端面と端面近傍の
4つの側面に形成されるため、素体34の側面に形成さ
れた外部端子電極35と他極側の内部電極31層が重な
る領域があるので、この間に浮遊容量が生じてしまい、
内部電極31の数と実際の容量値との相関性が悪くなっ
て、所望の設計が難いという問題があった。
【0017】一方、前述した従来の縦積層型の積層チッ
プインダクタ(図5参照)においては、上記コンデンサ
のときと同様に、外部端子電極54の寸法によって、内
部導体51と外部端子電極54との間に浮遊容量が発生
し、共振周波数(f0 )を下げてしまうという問題があ
った。
【0018】そこでこれらの問題を解決すべく、素体3
4,54の側面を除く端面のみに外部端子電極35,5
4を塗布する方法等も検討されているが、外部電極塗布
機に対する条件設定が難しく、素体34,53とこれに
塗布した外部端子電極との間に空孔が入りやすい、さら
には素体34と外部端子電極との間の高い密着強度が得
難い等の問題を生じ、安定した外部電極塗布を行うのに
は困難を伴っていた。
【0019】また、この場合の外部端子電極の作成は、
焼成後の積層チップにターミネータ等で導電ペーストを
塗布し、乾燥、焼き付けを行うしかなく、積層チップ電
子部品の製造における工程リードタイムを長くしてしま
っていた。このことは、ごく一般的な横積層構造の積層
コンデンサについても同様であった。
【0020】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、容易
に素体の端面のみに外部端子電極を形成できると共に製
造工程の削減を図れる積層チップ電子部品の製造方法を
提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために請求項1では、電子素子を構成する内部導
体を有する積層素体と、該素体の積層構造における上層
部或いは下層部の少なくとも一方に相当する素体端面に
形成された外部端子電極とを備え、前記電子素子の端子
が前記外部端子電極に接続されている積層チップ電子部
品の製造方法において、電子素子を構成する内部導体が
表面に形成された絶縁体シートからなる素体シートを複
数積層する工程と、導電体シートからなる外部電極シー
トを、前記積層した素体シートの最上層或いは最下層の
少なくとも一方に積層する工程と、前記素体シート及び
外部電極シートを積層してなる積層体を焼成する工程と
を有し、前記外部電極シートによって前記焼成終了時に
外部端子電極が形成されている積層チップ電子部品の製
造方法を提案する。
【0022】該積層チップ電子部品の製造法方によれ
ば、前記素体シートを複数積層することにより、これら
の素体シートに形成された内部導体によってコンデンサ
或いはインダクタ等の電子素子が形成され、該電子素子
の端子はビアホール等を介して外部電極シートに導電接
続される。また、前記積層体を焼成した時点で、前記外
部電極シートによって外部端子電極が形成される。さら
に、前記外部電極シート自体が導体であるので、外部端
子電極を端面のみに形成可能となる。
【0023】また、請求項2では、電子素子を構成する
内部導体を有する積層素体と、該素体の積層構造におけ
る上層部或いは下層部の少なくとも一方に相当する素体
端面に形成された外部端子電極とを備え、前記電子素子
の端子が前記外部端子電極に接続されている積層チップ
電子部品の製造方法において、電子素子を構成する内部
導体が表面に形成された絶縁体シートからなる素体シー
トを複数積層する工程と、表面に外部電極用導体を一つ
以上形成すると共に接続用ビアホールを形成した絶縁体
シートからなる外部電極シートを、外部電極用導体の全
面が露出するように、前記積層した素体シートの最上層
或いは最下層の少なくとも一方に積層する工程と、前記
素体シート及び外部電極シートを積層してなる積層体を
焼成する工程とを有し、前記外部電極用導体によって前
記焼成終了時に外部端子電極が形成されている積層チッ
プ電子部品の製造方法を提案する。
【0024】該積層チップ電子部品の製造法方によれ
ば、前記素体シートを複数積層することにより、これら
の素体シートに形成された内部導体によってコンデンサ
或いはインダクタ等の電子素子が形成され、該電子素子
の端子はビアホール等を介して外部電極シートに形成さ
れた外部電極用導体に導電接続される。また、前記積層
体を焼成した時点で、前記外部電極シートに形成された
外部電極用導体によって外部端子電極が形成される。さ
らに、前記外部電極用導体は、前記外部電極シートの表
面に形成されているので、外部端子電極を端面のみに形
成可能となる。
【0025】また、請求項3では、電子素子を構成する
内部導体を有する積層素体と、該素体の積層構造におけ
る上層部或いは下層部の少なくとも一方に相当する素体
端面に形成された外部端子電極とを備え、前記電子素子
の端子が前記外部端子電極に接続されている積層チップ
電子部品の製造方法において、電子素子を構成する内部
導体が表面に形成された絶縁体シートからなる素体シー
トを複数積層する工程と、前記素体シートを積層してな
る積層体を形成する工程と、該積層体の最上面或いは最
下面の少なくとも一方に導電ペーストによって外部電極
用導体を印刷する工程と、該端面に外部電極用導体を印
刷した積層体を焼成する工程とを有し、前記外部電極用
導体によって前記焼成終了時に外部端子電極が形成され
ている積層チップ電子部品の製造方法を提案する。
【0026】該積層チップ電子部品の製造法方によれ
ば、前記素体シートを複数積層して積層体を形成するこ
とにより、これらの素体シートに形成された内部導体に
よってコンデンサ或いはインダクタ等の電子素子が形成
される。また、前記積層体の最上面或いは最下面の少な
くとも一方に導電ペーストによって外部電極用導体を印
刷することにより、前記電子素子の端子がビアホール等
を介して前記外部電極用導体に導電接続される。また、
前記積層体を焼成した時点で、前記外部電極用導体によ
って外部端子電極が形成される。さらに、前記外部電極
用導体は、前記積層体の最上面或いは最下面の少なくと
も一方の面に形成されているので、外部端子電極を端面
のみに形成可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態
における縦積層型の積層チップコンデンサを示す平断面
図、図6はその分解斜視図である。図において、10は
積層チップコンデンサで、互いに平行な複数の内部電極
11a,11bを有する素体12と、内部電極面に対し
て平行に素体12の対向する2つの端面に形成された外
部端子電極13a,13bとから構成されている。
【0028】素体12は、図6に示すように、表面に内
部電極11a,11bを形成した絶縁材料からなる素体
シート14a,14b、導電材料からなる外電シート1
5a,15b及び絶縁材料からなるダミーシート16を
積層して形成されている。これらの各シート14a,1
4b,15a,15b,16は厚さ50μmを有する長
方形状をなしている。
【0029】積層順序は図6に示すように、最下層を外
電シート15bとして、この上に素体シート14cが積
層され、次いで素体シート14b及び素体シート14a
が交互に所定枚数積層され、さらにこの上にダミーシー
ト16及び外電シート15aが積層されている。
【0030】また、素体シート14a,14bに形成さ
れている内部電極11a,11bは、それぞれシート縁
から所定間隔をあけて、素体側面に露出しないように形
成されている。さらに、内部電極11a,11bは互い
にシートの長手方向にややずらして形成され、素体シー
ト14a,14b及びダミーシート16には、複数の内
部電極11aを外電シート15aに導電接続するための
ビアホール17aと、複数の内部電極11bを外電シー
ト15bに導電接続するためのビアホール17bが形成
されている。
【0031】前述した積層チップコンデンサは、次のよ
うにして製造した。まず、チタン酸バリウム材100重
量%に対して、ポリビニルブチラール(PVB)10重
量%、溶剤50重量%を添加したセラミックスラリーを
作成し、ボールミルで15時間攪拌後、ドクターブレー
ド法により50μm厚のグリーンシート(素体シート1
4a,14b,14c)を得た。
【0032】また、銀粉100重量%に対して、PVB
12重量%、ガラスフリット5重量%、溶剤50重量%
を添加して、素体シート同様にして50μm厚のグリー
ンシート(外電シート15a,15b)を得た。
【0033】このように作成した素体シート14a,1
4b,14cに、孔空け(ビアホールの形成)処理を行
った後、導体ペーストを用いて内部電極11a,11b
の印刷を行い、通常の縦積層型のチップを作成する工程
と同様の工程で焼成までの処理を行った。
【0034】即ち、素体シート14a,14b,14
c、外電シート15a,15b及びダミーシート16を
前述した順序で積層した後、これを圧着し、チップ単位
に切断して脱バインダ処理を行った後、これを焼成し
た。ここまでの処理で、積層チップコンデンサが完成す
る。尚、必要に応じて外電シート15a,15bにメッ
キ処理を施しても良い。また、ここでは1枚のシートに
はマトリクス状に複数のチップに対応する内部電極及び
ビアホールを形成し、積層後にこれを切断することによ
り、一度に複数の積層チップコンデンサを製造してい
る。
【0035】前述の製造方法によれば、外電シート15
a,15b自体が外部端子電極13a,13bになるの
で、素体12の対向する2つの端面のみに極めて容易に
外部端子電極13a,13bを形成することができる。
【0036】また、外部端子電極13a,13bが導電
材料からなる外電シート15a,15bから形成される
ので、外部端子電極13a,13bの質としては、従来
のようにチップを焼成した後に導電ペーストを塗布した
場合に比べて、外部端子電極13a,13bが確実に素
体12と一体化し、素体12との密着性が向上すると共
に空孔の発生等の問題も少なくなる。
【0037】さらには、素体12の側面に外部端子電極
が形成されないため、外部端子電極13a,13bと内
部電極11a,11bとの間に発生する浮遊容量が少な
くなるので、設計変更による容量値の変化が予想しやす
くなる。
【0038】また、従来の外部端子電極形成工程、即ち
焼成後のチップに対する導電ペーストの塗布工程及びこ
の焼き付け工程を全て省略できるので、工程設備への投
資を削減できると共に、製品の製造に要する時間を短く
することができる。
【0039】また、前述のように素体12の端面のみに
外部端子電極13a,13bを形成することにより、図
7に示すように、積層チップコンデンサ10を回路基板
61等への実装するときに、従来例に比べて外部端子電
極13a,13b部分の半田62の盛り上がりが少なく
なるため、回路基板61上に形成されている印刷配線ラ
インやランド等の導体パターン63の間隔を狭めること
ができ、電子機器小型化のための有用な手法となり得
る。尚、図8は従来例の縦積層型チップコンデンサ30
(図3に示したもの)を回路基板61に実装したときの
状態を示す図であり、図7に示す本願実施例との違いは
明らかである。
【0040】次に、前述した方法によって製造した縦積
層型の積層チップコンデンサと従来例の縦積層型のチッ
プコンデンサ(図3に示したもの)との比較結果を述べ
る。
【0041】ここでは、内部電極の層数を5,10,1
5,20,25層とした積層チップコンデンサを実施例
及び従来例それぞれ100個づつ作成し、それぞれの容
量値の平均値を求め、理論値と比較した。この比較結果
を図9に示す。
【0042】図において、縦軸は容量値を、横軸は内部
電極層数をそれぞれ表し、またAは実施例の測定平均
値、Bは従来例の測定平均値を、またCは理論値をそれ
ぞれ示している。
【0043】本願実施例Aでは内部電極層数が5層のと
きは1.6nF、10層のときは3.3nF、15層の
ときは5.2nF、20層のときは7.1nF、25層
のときは10.0nFであり、従来例Bでは内部電極層
数が5層のときは3.0nF、10層のときは4.1n
F、15層のときは5.5nF、20層のときは7.2
nF、25層のときは10.1nFであった。
【0044】また、理論値は、内部電極層数が5層のと
きは1.2nF、10層のときは3.1nF、15層の
ときは5.1nF、20層のときは7.1nF、25層
のときは10.0nFである。
【0045】この比較実験の結果からも明らかなよう
に、本実施形態の積層チップコンデンサでは、ほぼ理論
値通りの容量が得られており、従来例のコンデンサに比
較して、浮遊容量を低減できたことがわかる。
【0046】次に、本発明の第2の実施形態を説明す
る。第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の縦積
層型の積層チップコンデンサを製造する際に外部端子電
極を印刷法を用いて形成した。即ち、第2の実施形態に
おける積層チップコンデンサの平断面図は、図1に示し
た第1の実施形態のものと同じであり、製造方法のみが
異なる。
【0047】第2の実施形態では次のようにして縦積層
型の積層チップコンデンサを製造した。まず、チタン酸
バリウム材100重量%に対して、ポリビニルブチラー
ル(PVB)10重量%、溶剤50重量%を添加したセ
ラミックスラリーを作成し、ボールミルで15時間攪拌
後、ドクターブレード法により50μm厚のグリーンシ
ート(素体シート14a,14b,14c)を得た。
【0048】また、銀粉100重量%に対して、エチル
セルロース15重量%、ガラスフリット5重量%、溶剤
20重量%を添加したものを3本ロールで5時間分散し
て、外部電極印刷ペーストを作成した。
【0049】このように作成した素体シート14a,1
4b,14cに、孔空け(ビアホールの形成)処理を行
った後、導体ペーストを用いて内部電極11a,11b
の印刷を行い、素体シート14a,14b,14c及び
ダミーシート16を積層した後、これを圧着して積層体
を形成した。
【0050】次いで、積層体の最上層及び最下層の端面
に全体に外部電極ペーストを印刷した。この印刷はスク
リーン印刷法によって行い、1回に付き20μmの膜厚
を形成する印刷を5回繰り返して、一端面における外部
電極ペースト全体の厚さを100μmとした。
【0051】この後、外部電極ペーストを印刷した積層
体をチップ単位に切断して脱バインダ処理を行い、さら
にこれを焼成した。ここまでの処理で、積層チップコン
デンサが完成する。
【0052】尚、必要に応じて外部端子電極13a,1
3bにメッキ処理を施しても良い。また、ここでは1枚
のシートにはマトリクス状に複数のチップに対応する内
部電極及びビアホールを形成し、積層後にこれを切断す
ることにより、一度に複数の積層チップコンデンサを製
造している。
【0053】次に、前述した方法によって製造した縦積
層型の積層チップコンデンサの容量値の測定結果を述べ
る。
【0054】ここでは、第1の実施形態における実施例
と同様に内部電極の層数を5,10,15,20,25
層とした積層チップコンデンサを100個づつ作成し、
それぞれの容量値の平均値を求めた。この測定結果を図
10に示す。図において、縦軸は容量値を、横軸は内部
電極層数をそれぞれ表している。
【0055】この測定結果では、内部電極層数が5層の
ときは1.8nF、10層のときは3.5nF、15層
のときは5.5nF、20層のときは7.1nF、25
層のときは10.0nFであり、第1の実施形態とほぼ
同じ結果が得られた。
【0056】前述した第2の実施形態における製造方法
によっても、素体12の対向する2つの端面のみに極め
て容易に外部端子電極13a,13bを形成することが
でき、従来のようにチップを焼成した後に導電ペースト
を塗布した場合に比べて、外部端子電極13a,13b
が確実に素体12と一体化し、素体12との密着性が向
上すると共に空孔の発生等の問題も少なくなる。
【0057】また、素体12の側面に外部端子電極が形
成されないため、外部端子電極13a,13bと内部電
極11a,11bとの間に発生する浮遊容量が少なくな
るので、設計変更による容量値の変化が予想しやすくな
る。
【0058】さらに、積層チップコンデンサ10を回路
基板等への実装するときに、従来例に比べて外部端子電
極13a,13b部分の半田の盛り上がりが少なくなる
ため、回路基板上に形成されている印刷配線ラインやラ
ンド等の導体パターンの間隔を狭めることができ、電子
機器小型化のための有用な手法となり得る。
【0059】尚、第2の実施形態では、積層体を形成し
た後に、この積層体に外部電極ペーストを印刷したが、
素体シート14a,14b,14cと同様に、ビアホー
ルを形成し且つ外部電極ペーストを印刷した絶縁材料シ
ートを、外部電極ペースト印刷面が端面になるように素
体シート14a,14b,14cと共に積層して、これ
を圧着し、チップ単位に切断して脱バインダ処理を行っ
た後に焼成してもよい。
【0060】また、端面に形成した外部端子電極13
a,13bの形状は、チップの端面全面を覆ったものが
一般的であるが、特に制限があるわけではなく、図11
乃至図20に示すように、用途によって外部端子電極1
3a,13bの形状を変えても良い。実施する際には、
第1の実施形態では、外部電極シートに適当なカットを
入れる、また第2の実施形態においては目的の形状に合
うようなスクリーンパターンを形成することで容易に所
望の形状を作成することができる。
【0061】また、上記の第1及び第2の実施形態で
は、基本的にシート法及びスクリーン印刷法を前提とし
て述べたが、スラリービルド法に対しても全く同様に応
用でき、実際効果も同様であることを確認済みである。
【0062】次に、本発明の第3の実施形態を説明す
る。図21は、第3の実施形態における縦積層型の積層
チップコンデンサを示す平断面図である。第3の実施形
態では、図21に示すように、第1及び第2の実施形態
とは外部端子電極の形成位置を変え、素体の一方の端面
に異なる2つの外部端子電極を形成した。
【0063】図21において、70は縦積層型の積層チ
ップコンデンサで、素体71の内部には複数の内部電極
72a,72bが所定間隔をあけて並設され、内部電極
72a,72bの面に対して平行になるように、素体7
1の一端面に2つの外部端子電極73a,73bが形成
されている。さらに、一方の外部端子電極73aはビア
ホール74aを介して複数の内部電極72aに導電接続
され、他方の外部端子電極73bはビアホール74bを
介して複数の内部電極72bに導電接続されている。
【0064】この構成の積層チップコンデンサの製造方
法は前述した第2の実施形態の製造方法と同様であり、
素体シート及びダミーシートへのビアホールの形成位
置、及び外部電極ペーストの印刷位置が異なるだけであ
る。
【0065】第3の実施形態によっても、第2の実施形
態と同じ効果を得ることができる。さらに、第3の実施
形態の積層チップコンデンサ70を回路基板に実装する
と、図22に示すようになり、第1及び第2の実施形態
の場合に比べて、さらに実装スペースを削減することが
でき、電子機器の小型を図ることができる。
【0066】次に、本発明の第4の実施形態を説明す
る。第4の実施形態では、前述した第1の実施形態にお
ける製造方法を縦積層型の積層チップインダクタの製造
に応用した。
【0067】図23は、第4の実施形態における縦積層
型の積層チップインダクタを示す側面断面図、図24は
その分解斜視図である。図において、80は積層チップ
インダクタで、複数のL字型内部導体81a,81bを
有する素体82と、内部導体面に対して平行に素体82
の対向する2つの端面に形成された外部端子電極83
a,83bとから構成されている。
【0068】素体82は、図24に示すように、表面に
内部導体81a,81bを形成した絶縁材料からなる素
体シート84a,84b、導電材料からなる外電シート
85a,85b及び絶縁材料からなるダミーシート86
を積層して形成されている。これらの各シート14a,
14b,15a,15b,16は厚さ50μmを有する
正方形状をなしている。
【0069】積層順序は図24に示すように、最下層を
外電シート85bとして、この上に素体シート84b及
び素体シート84aが交互に所定枚数積層され、さらに
この上にダミーシート86及び外電シート85aが積層
されている。
【0070】また、素体シート84a,84bに形成さ
れている内部導体81a,81bは、ビアホールを87
を介して螺旋状に導電接続されている。さらに、最下層
の素体シート84b及びダミーシート86に形成された
ビアホール87によって、螺旋状に接続された内部導体
の81a,81bの両端が外電シート85a,85bに
導電接続されている。
【0071】前述した積層チップインダクタ80は、次
のようにして製造した。まず、フェライト材100重量
%に対して、ポリビニルブチラール(PVB)10重量
%、溶剤50重量%を添加したセラミックスラリーを作
成し、ボールミルで15時間攪拌後、ドクターブレード
法により50μm厚のグリーンシート(素体シート84
a,84b)を得た。
【0072】また、銀粉100重量%に対して、PVB
12重量%、ガラスフリット5重量%、溶剤50重量%
を添加して、素体シート同様にして50μm厚のグリー
ンシート(外電シート85a,85b)を得た。
【0073】このように作成した素体シート84a,8
4bに、孔空け(ビアホールの形成)処理を行った後、
導体ペーストを用いて内部導体81a,81bの印刷を
行い、通常の縦積層型のチップを作成する工程と同様の
工程で焼成までの処理を行った。
【0074】即ち、素体シート84a,84b、外電シ
ート85a,85b及びダミーシート86を前述した順
序で積層した後、これを圧着し、チップ単位に切断して
脱バインダ処理を行った後、これを焼成した。ここまで
の処理で、積層チップコンデンサ80が完成する。
【0075】尚、必要に応じて外電シート85a,85
bにメッキ処理を施しても良い。また、ここでは1枚の
シートにはマトリクス状に複数のチップに対応する内部
導体及びビアホールを形成し、積層後にこれを切断する
ことにより、一度に複数の積層チップインダクタを製造
している。
【0076】前述の製造方法によれば、外電シート85
a,85b自体が外部端子電極83a,83bになるの
で、素体82の対向する2つの端面のみに、極めて容易
に外部端子電極83a,83bを形成することができ
る。
【0077】また、外部端子電極83a,83bが導電
材料からなる外電シート85a,85bから形成される
ので、外部端子電極83a,83bの質としては、従来
のようにチップを焼成した後に導電ペーストを塗布した
場合に比べて、外部端子電極83a,83bが確実に素
体82と一体化し、素体82との密着性が向上すると共
に空孔の発生等の問題も少なくなる。
【0078】さらには、素体82の側面に外部端子電極
が形成されないため、外部端子電極83a,83bと内
部導体81a,81bとの間に発生する浮遊容量が少な
くなり、共振周波数f0 が高周波側へずれるので、部品
としては従来よりも高い周波数領域まで使用可能とな
る。
【0079】また、従来の外部端子電極形成工程、即ち
焼成後のチップに対する導電ペーストの塗布工程及びこ
の焼き付け工程を全て省略できるので、工程設備への投
資を削減できると共に、製品の製造に要する時間を短く
することができる。
【0080】また、前述のように素体82の端面のみに
外部端子電極83a,83bを形成することにより、図
7を用いて説明した積層チップコンデンサ10のときと
同様に、積層チップインダクタ80を回路基板等への実
装するときに、従来例に比べて外部端子電極83a,8
3b部分の半田の盛り上がりが少なくなるため、回路基
板上に形成されている印刷配線ラインやランド等の導体
パターンの間隔を狭めることができ、電子機器小型化の
ための有用な手法となり得る。
【0081】次に、前述した方法によって製造した縦積
層型の積層チップインダクタと従来例の縦積層型のチッ
プインダクタ(図5に示したもの)との比較結果を述べ
る。
【0082】ここでは、本実施形態における実施例と従
来例において、同形状、同じ大きさ、同じ内部導体を有
する素体を形成し、外部端子電極のみが異なったものを
作成して、それぞれのインダクタンス値と共振周波数を
測定した。
【0083】この測定の結果、実施例の積層チップイン
ダクタではインダクタンス値が0.466μH、共振周
波数が172MHzであり、従来例の積層インダクタン
スではインダクタンス値が0.468μH、共振周波数
が149MHzであった。
【0084】従って、本実施形態によれば、従来例に対
して、共振周波数を10%以上高周波側に移行でき、高
周波対応部品としての改善が達成できた。
【0085】次に、本発明の第5の実施形態を説明す
る。第5の実施形態では、第4の実施形態と同様の縦積
層型チップインダクタを、前述した第2の実施形態にお
ける製造方法を応用して作成した。即ち、第5の実施形
態における積層チップインダクタの側面断面図は、図2
3に示した第5の実施形態のものと同じであり、製造方
法のみが異なる。
【0086】第5の実施形態では次のようにして縦積層
型の積層チップインダクタを製造した。まず、フェライ
ト材100重量%に対して、ポリビニルブチラール(P
VB)10重量%、溶剤50重量%を添加したセラミッ
クスラリーを作成し、ボールミルで15時間攪拌後、ド
クターブレード法により50μm厚のグリーンシート
(素体シート84a,84b)を得た。
【0087】また、銀粉100重量%に対して、エチル
セルロース15重量%、ガラスフリット5重量%、溶剤
20重量%を添加したものを3本ロールで5時間分散し
て、外部電極印刷ペーストを作成した。
【0088】このように作成した素体シート84a,8
4bに、孔空け(ビアホールの形成)処理を行った後、
導体ペーストを用いて内部導体81a,81bの印刷を
行い、素体シート84a,84b及びダミーシート86
を積層した後、これを圧着して積層体を形成した。
【0089】次いで、積層体の最上層及び最下層の端面
に全体に外部電極ペーストを印刷した。この印刷はスク
リーン印刷法によって行い、1回に付き20μmの膜厚
を形成する印刷を5回繰り返して、一端面における外部
電極ペースト全体の厚さを100μmとした。
【0090】この後、外部電極ペーストを印刷した積層
体をチップ単位に切断して脱バインダ処理を行い、さら
にこれを焼成した。ここまでの処理で、積層チップイン
ダクタが完成する。
【0091】尚、必要に応じて外部端子電極83a,8
3bにメッキ処理を施しても良い。また、ここでは1枚
のシートにはマトリクス状に複数のチップに対応する内
部導体及びビアホールを形成し、積層後にこれを切断す
ることにより、一度に複数の積層チップインダクタを製
造している。
【0092】前述した方法によって第5の実施形態の実
施例と同規格の縦積層型チップインダクタを製造して、
そのインダクタンス値と共振周波数を測定した。
【0093】この測定の結果、インダクタンス値が0.
469μH、共振周波数が171MHzであり、本実施
形態によっても、従来例に対して、共振周波数を10%
以上高周波側に移行でき、高周波対応部品としての改善
が達成できた。
【0094】また、第5の実施形態においても第4の実
施形態とほぼ同様の効果が得られることは言うまでもな
いことである。
【0095】また、上記の第4及び第5の実施形態で
は、基本的にシート法及びスクリーン印刷法を前提とし
て述べたが、スラリービルド法に対しても全く同様に応
用でき、実際効果も同様であることを確認済みである。
【0096】次に、本発明の第6の実施形態を説明す
る。図25は、第6の実施形態における縦積層型の積層
チップインダクタを示す平断面図である。第6の実施形
態では、第4及び第5の実施形態とは外部端子電極の形
成位置を変え、素体の一方の端面に異なる2つの外部端
子電極を形成した。
【0097】図25において、90は縦積層型の積層チ
ップインダクタで、素体91の内部には複数のL字型内
部導体92a,92bが所定間隔をあけて並設され、内
部導体92a,92bの面に対して平行になるように、
素体91の一端面に2つの外部端子電極93a,93b
が形成されている。
【0098】さらに、内部導体92a,92bは、ビア
ホールを94を介して螺旋状に導電接続されると共に、
螺旋状に接続された内部導体の92a,92bの両端は
ビアホール94を介して外部端子電極93a,93bに
導電接続されている。
【0099】この構成の積層チップインダクタの製造方
法は前述した第5の実施形態の製造方法と同様であり、
素体シート及びダミーシートへのビアホールの形成位
置、及び外部電極ペーストの印刷位置が異なるだけであ
る。
【0100】第6の実施形態によっても、第5の実施形
態と同じ効果を得ることができる。さらに、第6の実施
形態の積層チップインダクタ90を回路基板に実装する
と、図22に示した積層チップコンデンサの場合と同様
に、第4及び第5の実施形態の場合に比べて、さらに実
装スペースを削減することができ、電子機器の小型を図
ることができる。
【0101】尚、前述した第1乃至第6の実施形態に示
す製造方法は、コンデンサ及びインダクタの製造に限定
されるものではなく、また積層部品であっても、縦積層
構造の場合のみに適用可能であり、縦積層構造独特の製
造方法であることはいうまでもない。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
よれば、外部端子電極を容易に且つ確実に素体端面のみ
に形成することができる。さらに、外部端子電極となる
外部電極シートを素体となる素体シートに積層して一体
化しているので、従来のように積層体を焼成した後に外
部端子電極を塗布形成した場合に比べて、確実に素体と
外部端子電極とを一体化することができ、外部端子電極
と素体との密着性を高めることができると共に、空孔の
発生等も低減することができる。また、素体の端面のみ
に外部端子電極が形成され、素体の側面には外部端子電
極が形成されないので、外部端子電極と内部導体との間
の浮遊容量が少なくなるため、例えば素体内に形成され
る電子素子がコンデンサの場合には設計変更による容量
値の変化が予想しやすくなり、また電子素子がインダク
タの場合には共振周波数が高周波側へずれて、部品とし
ては従来よりも高い周波数領域まで使用可能となる。さ
らにまた、従来の外部電極形成工程を全て省略できるの
で、製造工程への投資を削減できると共に製品製造に要
する時間を短縮することができる。また、素体端面のみ
に外部電極を形成することにより、実装時に外部端子電
極への半田の盛り上がりが少なくなるので、回路基板上
の導体パターンの間隔を狭めることができ、電子機器小
型化のための有用な手法となり得る。
【0103】また、請求項2によれば、外部端子電極を
容易に且つ確実に素体端面のみに形成することができ
る。さらに、外部端子電極となる外部電極用導体が表面
に形成された外部電極シートを素体となる素体シートに
積層して一体化しているので、従来のように積層体を焼
成した後に外部端子電極を塗布形成した場合に比べて、
確実に素体と外部端子電極とを一体化することができ、
外部端子電極と素体との密着性を高めることができると
共に、空孔の発生等も低減することができる。また、素
体の端面のみに外部端子電極が形成され、素体の側面に
は外部端子電極が形成されないので、外部端子電極と内
部導体との間の浮遊容量が少なくなるため、例えば素体
内に形成される電子素子がコンデンサの場合には設計変
更による容量値の変化が予想しやすくなり、また電子素
子がインダクタの場合には共振周波数が高周波側へずれ
て、部品としては従来よりも高い周波数領域まで使用可
能となる。さらにまた、従来の外部電極形成工程を全て
省略できるので、製造工程への投資を削減できると共に
製品製造に要する時間を短縮することができる。また、
素体端面のみに外部電極を形成することにより、実装時
に外部端子電極への半田の盛り上がりが少なくなるの
で、回路基板上の導体パターンの間隔を狭めることがで
き、電子機器小型化のための有用な手法となり得る。
【0104】また、請求項3によれば、外部端子電極を
容易に且つ確実に素体端面のみに形成することができ
る。さらに、積層した素体シートの端面に外部端子電極
となる導体ペーストを印刷した後にこれを焼成している
ので、従来のように積層体を焼成した後に外部端子電極
を塗布形成した場合に比べて、確実に素体と外部端子電
極とを一体化することができ、外部端子電極と素体との
密着性を高めることができると共に、空孔の発生等も低
減することができる。また、素体の端面のみに外部端子
電極が形成され、素体の側面には外部端子電極が形成さ
れないので、外部端子電極と内部導体との間の浮遊容量
が少なくなるため、例えば素体内に形成される電子素子
がコンデンサの場合には設計変更による容量値の変化が
予想しやすくなり、また電子素子がインダクタの場合に
は共振周波数が高周波側へずれて、部品としては従来よ
りも高い周波数領域まで使用可能となる。さらにまた、
従来の外部電極形成工程を全て省略できるので、製造工
程への投資を削減できると共に製品製造に要する時間を
短縮することができる。また、素体端面のみに外部電極
を形成することにより、実装時に外部端子電極への半田
の盛り上がりが少なくなるので、回路基板上の導体パタ
ーンの間隔を狭めることができ、電子機器小型化のため
の有用な手法となり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における縦積層型の積
層チップコンデンサを示す側面断面図
【図2】従来例の横積層型の積層チップコンデンサを示
す側面断面図
【図3】従来例の縦積層型の積層チップコンデンサを示
す側面断面図
【図4】従来例の横積層型の積層チップインダクタを示
す側面断面図
【図5】従来例の縦積層型の積層チップインダクタを示
す側面断面図
【図6】本発明の第1の実施形態における縦積層型の積
層チップコンデンサを示す分解斜視図
【図7】本発明の第1の実施形態における積層チップコ
ンデンサの回路基板実装状態を示す図
【図8】従来例の積層チップコンデンサの回路基板実装
状態を示す図
【図9】本願発明の第1の実施形態における積層チップ
コンデンサと従来例との容量値比較結果を示す図
【図10】本願発明の第2の実施形態における積層チッ
プコンデンサの容量値測定結果を示す図
【図11】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図12】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図13】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図14】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図15】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図16】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図17】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図18】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図19】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図20】本願発明に係る他の外部端子電極形状を示す
【図21】本願発明の第3の実施形態における縦積層型
の積層チップコンデンサを示す平断面図
【図22】本願発明の第3の実施形態における縦積層型
の積層チップコンデンサの回路基板実装状態を示す図
【図23】本願発明の第4の実施形態における縦積層型
の積層チップインダクタを示す側面断面図
【図24】本願発明の第4の実施形態における縦積層型
の積層チップインダクタを示す分解斜視図
【図25】本願発明の第6の実施形態における縦積層型
の積層チップインダクタを示す平断面図
【符号の説明】
10…積層チップコンデンサ、11a,11b…内部電
極、12…素体、13a,13b…外部端子電極、14
a,14b,14c…素体シート、15a,15b…外
電シート、16…ダミーシート、17a,17b…ビア
ホール、70…積層チップコンデンサ、71…素体、7
2a,72b…内部電極、73a,73b…外部端子電
極、74a,74b…ビアホール、80…積層チップイ
ンダクタ、81a,81b…内部導体、82…素体、8
3a,83b…外部端子電極、84a,84b…素体シ
ート、85a,85b…外電シート、86…ダミーシー
ト、87a,87b…ビアホール、90…積層チップコ
ンデンサ、91…素体、92a,92b…内部電極、9
3a,93b…外部端子電極、94…ビアホール。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子素子を構成する内部導体を有する積
    層素体と、該素体の積層構造における上層部或いは下層
    部の少なくとも一方に相当する素体端面に形成された外
    部端子電極とを備え、前記電子素子の端子が前記外部端
    子電極に接続されている積層チップ電子部品の製造方法
    において、 電子素子を構成する内部導体が表面に形成された絶縁体
    シートからなる素体シートを複数積層する工程と、 導電体シートからなる外部電極シートを、前記積層した
    素体シートの最上層或いは最下層の少なくとも一方に積
    層する工程と、 前記素体シート及び外部電極シートを積層してなる積層
    体を焼成する工程とを有し、 前記外部電極シートによって前記焼成終了時に外部端子
    電極が形成されていることを特徴とする積層チップ電子
    部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 電子素子を構成する内部導体を有する積
    層素体と、該素体の積層構造における上層部或いは下層
    部の少なくとも一方に相当する素体端面に形成された外
    部端子電極とを備え、前記電子素子の端子が前記外部端
    子電極に接続されている積層チップ電子部品の製造方法
    において、 電子素子を構成する内部導体が表面に形成された絶縁体
    シートからなる素体シートを複数積層する工程と、 表面に外部電極用導体を一つ以上形成すると共に接続用
    ビアホールを形成した絶縁体シートからなる外部電極シ
    ートを、外部電極用導体の全面が露出するように、前記
    積層した素体シートの最上層或いは最下層の少なくとも
    一方に積層する工程と、 前記素体シート及び外部電極シートを積層してなる積層
    体を焼成する工程とを有し、 前記外部電極用導体によって前記焼成終了時に外部端子
    電極が形成されていることを特徴とする積層チップ電子
    部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 電子素子を構成する内部導体を有する積
    層素体と、該素体の積層構造における上層部或いは下層
    部の少なくとも一方に相当する素体端面に形成された外
    部端子電極とを備え、前記電子素子の端子が前記外部端
    子電極に接続されている積層チップ電子部品の製造方法
    において、 電子素子を構成する内部導体が表面に形成された絶縁体
    シートからなる素体シートを複数積層する工程と、 前記素体シートを積層してなる積層体を形成する工程
    と、 該積層体の最上面或いは最下面の少なくとも一方に導電
    ペーストによって外部電極用導体を印刷する工程と、 該端面に外部電極用導体を印刷した積層体を焼成する工
    程とを有し、 前記外部電極用導体によって前記焼成終了時に外部端子
    電極が形成されていることを特徴とする積層チップ電子
    部品の製造方法。
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