JPH0737719A - チップインダクタ及びその製造方法 - Google Patents

チップインダクタ及びその製造方法

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JPH0737719A
JPH0737719A JP17646593A JP17646593A JPH0737719A JP H0737719 A JPH0737719 A JP H0737719A JP 17646593 A JP17646593 A JP 17646593A JP 17646593 A JP17646593 A JP 17646593A JP H0737719 A JPH0737719 A JP H0737719A
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JP
Japan
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layer
magnetic
conductor
conductor layer
inductor
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JP17646593A
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English (en)
Inventor
Hironobu Chiba
博伸 千葉
Osamu Makino
治 牧野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デジタル機器の小型・薄型化に伴う高密度実
装回路基板のチップ部品として、小型低背で実装性に優
れかつ量産性に富んだチップインダクタの実現を目的と
する。 【構成】 角板状のセラミック基板11と、スルホール
41〜43を有する磁性体層21〜24とスルホール4
1〜43を介して各々下層の導体パターンと電気的に接
続する導体層31〜34とからなるインダクタ層15
と、結晶化ガラスと磁性体材料と低軟化点ガラスとから
なる収縮抑制層14とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小型デジタル電子機器の
高密度実装回路基板に面実装するチップインダクタ及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、チップインダクタはノイズ対策部
品などとしてデジタル機器の小型・薄型化に伴う高密度
実装回路基板に数多く使用されている。
【0003】以下、従来のチップインダクタの製造方法
について説明する。図5は従来のチップインダクタの内
部構造を示す斜視図である。図6は従来のチップインダ
クタの製造方法を示す分解斜視図である。
【0004】このような従来のチップインダクタの製造
方法は、磁性体層101を印刷し、その上に約半ターン
の導体層201を印刷し、この導体層の一端を残して磁
性体層102を印刷し、更にその上に約半ターンの導体
層202を印刷する。これらの工程を所定のターン数が
得られるまで繰り返し最上部に磁性体層108を印刷し
て個片に分割した後、焼成し、端面電極301を形成し
てチップインダクタを得るというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では量産性の面で大きな問題点を有していた。
【0006】すなわち、従来のチップインダクタの製造
方法においては約半ターンのパターンの導体層を印刷し
積層していくので、コイルターン数の2倍の導体層印刷
回数を必要とし、その分それらの接続部も多い。このた
め積層時のターン数が多くなるにつれて電気的接続の信
頼性は低くなり、量産時の歩留まりが低下するという問
題点を有していた。また、高ターン数のコイルを得るの
に積層体の厚みが著しく増加し、製品として一定寸法内
に収める要求がある場合、層数すなわちインダクタンス
値が制限されるという特性面での問題点を有していた。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、製品の歩留まりを向上させ優れた量産性ならびにイ
ンダクタンス値を拡大させるチップインダクタの製造方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のチップインダクタは、耐熱性の絶縁基板と、
この絶縁基板上に形成されるスルホールまたは切除部を
有する複数の磁性体層と前記スルホールまたは切除部を
介して下層の導体層と電気的に接続するように前記各磁
性体層に形成した導体層とからなるインダクタ層と、磁
性体材料と低軟化点ガラスとの混合物質あるいは結晶化
ガラスからなり前記インダクタ層上に形成され焼成時に
前記インダクタ層の収縮を抑制する収縮抑制層と、前記
耐熱性の絶縁基板および前記インダクタ層および収縮抑
制層からなる一体積層物の両端部に前記導体層と電気的
に接続する一対の端面電極とからなるものである。
【0009】
【作用】この構成により、本発明のチップインダクタは
積層体の最上層に収縮抑制層を形成することにより、磁
性体層が焼結する前に収縮抑制層が先に焼結膜を形成す
るためこの焼結膜が磁性体の焼成時の上部の収縮を抑制
し、磁性体層上部の平坦化を実現することにより高密度
実装に寄与するものである。
【0010】また、シート状のセラミック基板上に磁性
体層を形成していることから角板型厚膜チップ抵抗器と
同様に製造が容易で量産性に富んでいる。
【0011】これらのことから、従来のチップインダク
タでは実現できなかった歩留まりの向上に伴い優れた量
産性とインダクタンス値を拡大できるという特性面での
利点と、積層体表面の平坦化による優れた実装性を併せ
もつチップインダクタを提供できる。
【0012】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の一実施例につい
て図面を参照しながら説明する。
【0013】図1は本発明の第1の実施例におけるチッ
プインダクタの内部構造を示す図である。図2は第1の
実施例のチップインダクタの分解斜視図である。図1,
図2において10は耐熱性の絶縁基板であるシート状セ
ラミック基板、11はシート状セラミック基板10を分
割したセラミック基板、12は磁性体、13は内部導
体、14は収縮抑制層、15はインダクタ層、16は端
面電極、17は一次分割溝、18は二次分割溝、19は
積層体、20は一体積層物、21〜25は磁性体層、3
1〜34は導体層、41〜43はスルホールをそれぞれ
示す。
【0014】以上のように構成されたチップインダクタ
について図を用いてその製造方法を説明する。
【0015】まず、図2に示すように分割後の一個片が
2.0×1.25mmの角板上のセラミック基板11に
なるように一次分割溝17および二次分割溝18を加工
したアルミナ系のシート状セラミック基板10の片面の
ほぼ全面にNiZnCu系の磁性体ペーストを印刷し乾
燥して約200μmの厚みの下部磁性体層21を形成す
る。
【0016】次に1ターン以上の巻き始めの導体層31
をAg・Pd系の導体ペーストで約20μmの厚みに印
刷形成し、続いて導体層の端部を接続するためのスルホ
ール41を有する磁性体層22を磁性体ペーストで約5
0μmの厚みに印刷形成し、続いて下の導体層31の端
部をスルホール41を介して接続するように1ターン以
上の導体層32を約20μmの厚みに印刷形成する。こ
のように1ターン以上で約20μmの厚みの導体層とス
ルホールを有し約50μmの厚みの磁性体層を交互に繰
り返し形成し、所定の導体ターン数になるまで繰り返
す。この後、基板のほぼ全面を覆うように磁性体ペース
トを印刷して約200μmの厚みの上部磁性体層25を
形成する。
【0017】さらに前記上部磁性体層の上部に、結晶化
ガラスと、磁性体材料50%と低軟化点ガラス50%を
含む混合物質とからなる無機物質ペーストで収縮抑制層
14を印刷形成する。これらセラミック基板上に形成さ
れた磁性体および導体パターンおよび収縮抑制層を積層
体19とし、次にダイシング装置により溝幅を200μ
m以下にして積層体19をセラミック基板の上面から1
00μm〜10μmの厚みを残してシート状セラミック
基板の一次および二次分割溝に沿って溝加工する。これ
を800℃から1100℃の高温で1時間焼成する。
【0018】ついで一次分割溝17に沿って分割し、分
割された両端面に導体層31および34の側端部にそれ
と接続する端面電極をAg系の厚膜導体を塗布したあと
550℃から900℃で15分焼成することによって形
成し、最後に二次分割溝17に沿って分割し個片にして
チップインダクタを得る。
【0019】(実施例2)図3は本発明の第2の実施例
におけるチップインダクタの内部構造を示す図である。
図4は第2の実施例のチップインダクタの分解斜視図で
ある。図3,図4において10は耐熱性の絶縁基板であ
るシート状セラミック基板、11はシート状セラミック
基板10を分割したセラミック基板、12は磁性体、1
3は内部導体、14は収縮抑制層、15はインダクタ
層、16は端面電極、17は一次分割溝、18は二次分
割溝で、19は積層体、20は一体積層物、21〜25
は磁性体層、31〜34は導体層、41〜43はスルホ
ールをそれぞれ示す。
【0020】以上のように構成されたチップインダクタ
について図を用いてその製造方法を説明する。
【0021】図4に示すように分割後の一個片が2.0
×1.25mmの角板上のセラミック基板11になるよ
うに一次分割溝17および二次分割溝18を加工したア
ルミナ系のシート状セラミック基板10の片面のほぼ全
面に、NiZnCu系の磁性体ペーストを印刷し乾燥し
て約200μmの厚みの下部磁性体層21とする。
【0022】次に1ターン以上の巻き始めの導体層31
をAg・Pd系の導体ペーストで約20μmの厚みに印
刷形成し、続いて導体層の端部を接続するためのスルホ
ール41を有する磁性体層22を磁性体ペーストで約5
0μmの厚みに印刷形成し、続いて下の導体層31の端
部をスルホール41を介して接続するように1ターン未
満の導体層32を約20μmの厚みに印刷形成し、続い
て導体層の端部を接続するためのスルホール42を有す
る磁性体層23を磁性体ペーストで約50μmの厚みに
印刷形成し、続いて下の導体層32の端部をスルホール
42を介して接続するように1ターン以上の導体層33
を導体ペーストで約20μmの厚みに印刷形成し、続い
て導体層の端部を接続するためのスルホール43を有す
る磁性体層24を磁性体ペーストを約50μmの厚みに
印刷形成し、続いて下の導体層33の端部をスルホール
43を介して接続するように1ターン未満の巻き終わり
の導体層34を導体ペーストで約20μmの厚みに印刷
形成する。この後、基板のほぼ全面を覆うように磁性体
ペーストを印刷し約200μmの厚みの上部磁性体層2
5を形成する。
【0023】さらに前記上部磁性体層25の上部に結晶
化ガラスからなる収縮抑制層14を印刷形成する。これ
らセラミック基板上に形成された磁性体層および導体層
を積層体19とし、次にダイシング装置により溝幅を2
00μm以下にして積層体19をセラミック基板の上面
から100μm〜10μm以下の厚みを残してシート状
セラミック基板の一次および二次分割溝に沿って溝加工
する。これを800℃から1100℃の高温で1時間焼
成する。
【0024】ついで一次分割溝17に沿って分割し、分
割された両端面に導体層31および34の側端部にそれ
と接続する端面電極をAg系の厚膜導体を塗布したあと
550℃から900℃で15分焼成することによって形
成し、最後に二次分割溝17に沿って分割し個片にして
チップインダクタを得る。
【0025】なお、各実施例において、セラミック基板
を用いたがこれに限るものではなく、フェライト基板等
の耐熱性の絶縁基板であればよい。また、各導体層の接
続をする手段はスルホールに限定するものではなく、磁
性体層の一部を切り欠く手段等、各導体層の接続を可能
にするものであればよい。
【0026】このようにして得られた上部および下部磁
性体層を除く中間の磁性体層が3層である場合の各実施
例のチップインダクタの1kHzにおけるインダクタン
ス値、幅1.4mmの支持体の中央にチップインダクタ
を置きR0.5の加圧治具を使用してチップインダクタ
の中央部を加圧して破損したときの抗折強度およびチッ
プ部品の実装機で1998個を実装したときの実装率を
(表1)に示す。
【0027】
【表1】
【0028】ここで(表1)に示す比較例は、約半ター
ンの導体層を繰り返し積層し収縮抑制層を形成しない従
来のチップインダクタである。
【0029】この(表1)の結果から、本実施例1,2
のチップインダクタは比較例のチップインダクタに比べ
てインダクタンス値が大きく、実装性もはるかに優れて
いることがわかる。
【0030】また本発明のチップインダクタおよびその
製造方法によれば、従来のチップインダクタに比べて、
機械的強度が強く寸法精度の高い焼結済みのシート状セ
ラミック基板10をベースとして磁性体層を設けるため
複数個の素子を効率良くしかも高精度に一括形成でき
る。
【0031】加えて、本発明によれば、セラミック基板
11上に導体パターンを内設した磁性体12上に形成さ
れた収縮抑制層14を設けることにより焼結時に発生す
る磁性体の反りを抑制し平坦化することができ、製品形
状のばらつきが小さく実装性と量産性に優れたものがで
きる。
【0032】なお、上部および下部磁性体層を除く各磁
性体層の厚みが40〜60μmでかつ各導体層の厚みの
2倍以上とした場合、磁性体層を挟んだ導体層間で短絡
が起こることも、また逆に導体層間の接続が不確実にな
ることもなく、導体層間の接続が良好で歩留まりも向上
した。
【0033】またさらに積層体に細分割用の溝を入れる
際、セラミック基板の上面から100μm以下の厚みを
残して行った場合、焼成後の基板のブレーク性は良好で
あった。
【0034】また、磁性体層と導体層を積層していく途
中に数層の収縮抑制層を積層することによって平坦度が
増すことは言うまでもない。なお、収縮抑制層上部に誘
電体層と内部導体の積層体からなるコンデンサ層を形成
し、LCフィルタを構成することは容易にできる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明のチップインダクタ
は、積層体の最上層に収縮抑制層を形成することによ
り、磁性体層が焼結する前に収縮抑制層が先に焼結膜を
形成するためこの焼結膜が磁性体の焼成時の上部の収縮
を抑制し、磁性体層上部の平坦化を実現することにより
高密度実装に寄与するものである。さらに、導体パター
ンを一層当たり1ターン以上形成しているため従来のチ
ップインダクタの積層数に比べ積層数が減り接続点が約
半分ですみ、加えて磁性体層の厚みを40〜60μmと
しかつ磁性体層の厚みを導体層厚みの2倍以上とするこ
とにより、層間の電気的接続の信頼性が向上して歩留ま
りが向上し量産性の面で優れたものとなる。
【0036】また、同じインダクタンスを得る場合、積
層数が減ることから従来のチップインダクタの積層体厚
みに比べ総厚が薄くなるため、巻き数および層数を増や
すことができインダクタンス値を拡大できるという特性
面でも優れたものとなる。
【0037】また、機械的強度の高いセラミック基板上
にインダクタを形成しているため、抗折強度が高く実装
時の部品のカケや割れがなく、しかも焼結済のセラミッ
ク基板であることから、寸法精度が高く実装性が良好で
ある。さらに、シート状のセラミック基板上に磁性体層
を形成していることから角板型厚膜チップ抵抗器と同様
に製造が容易で量産性に富んでいる。
【0038】これらのことから従来のチップインダクタ
では実現できなかった歩留りの向上に伴い優れた量産性
とインダクタンス値を拡大できるという特性面での利点
と、積層体表面の平坦化による優れた実装性を併せもつ
チップインダクタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるチップインダク
タを示す斜視図
【図2】同実施例におけるチップインダクタを示す分解
斜視図
【図3】本発明の第2の実施例におけるチップインダク
タを示す斜視図
【図4】同実施例におけるチップインダクタを示す分解
斜視図
【図5】従来のチップインダクタを示す斜視図
【図6】従来のチップインダクタを示す分解斜視図
【符号の説明】
10 シート状セラミック基板 11 セラミック基板 12 磁性体 13 内部導体 14 収縮抑制層 15 インダクタ層 16 端面電極 17 一次分割溝 18 二次分割溝 19 積層体 20 一体積層物 41,42,43 スルホール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性の絶縁基板と、この絶縁基板上に
    形成されるスルホールまたは切除部を有する複数の磁性
    体層と前記スルホールまたは切除部を介して下層の導体
    層と電気的に接続するように前記各磁性体層に形成した
    導体層とからなるインダクタ層と、磁性体材料と低軟化
    点ガラスとの混合物質あるいは結晶化ガラスからなり前
    記インダクタ層上に形成され焼成時に前記インダクタ層
    の収縮を抑制する収縮抑制層と、前記耐熱性の絶縁基板
    および前記インダクタ層および収縮抑制層からなる一体
    積層物の両端部に前記導体層と電気的に接続する一対の
    端面電極とからなるチップインダクタ。
  2. 【請求項2】 シート状の耐熱性の絶縁基板に下部磁性
    体層を形成し前記下部磁性体層上に1ターン以上の第1
    の導体層を形成する第1の工程と、前記第1の導体層上
    にスルホールまたは切除部を有し厚さが40〜60μm
    でかつ第1の導体層の厚さの2倍以上である第1の磁性
    体層を形成し、この第1の磁性体上に厚さが前記第1の
    導体層と同様で1ターン以上あるいは1ターン未満の第
    2の導体層を前記スルホールまたは切除部を介して前記
    第1の導体層と接続するように形成する第2の工程と、
    前記第2の導体層上に上部磁性体層を形成し前記上部磁
    性体上に収縮抑制層を形成する第3の工程と、前記各磁
    性体層および導体層からなるインダクタ層と前記収縮抑
    制層からなる積層体の縦横に前記耐熱性の絶縁基板の上
    面から前記積層体を一部残して細分割用の溝を形成し一
    括焼成した後前記縦あるいは横の溝に沿って前記積層体
    を一次分割して棒状の一体積層物を形成し前記一体積層
    物の両端部に端面電極を形成し前記横あるいは縦の溝に
    沿って二次分割して複数のチップ状に細分割する第4の
    工程とからなり、前記第2の工程を所定の回数繰り返す
    ことを特徴とするチップインダクタの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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