JP2021125648A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己共振周波数を高くしつつ、Q値の向上が図れるコイル部品を提供する。【解決手段】積層コイル部品1では、コイル5は、一対の側面2e,2fの対向方向において一方の側面2eに最も近接しているターン6の端部6aが第一外部電極3に接続されていると共に、他方の側面2fに最も近接しているターン11の端部11aが第二外部電極4に接続されており、ターン6が第二外部電極4と対向している面積、及び、ターン11が第一外部電極3と対向している面積は、ターン6及びターン11以外のターン7,8,9,10が第一外部電極3又は第二外部電極4と対向している面積よりも小さい。【選択図】図3

Description

本発明は、コイル部品に関する。
コイル部品として、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載のコイル部品は、互いに対向している一対の端面と、互いに対向している一対の主面と、互いに対向している一対の側面と、を有している素体と、素体内に配置されていると共に、一対の側面の対向方向に沿ってコイル軸が延在しており、複数のターンを含んで構成されているコイルと、コイルが接続されている一対の外部電極と、を備えている。コイルは、一対の側面の対向方向において一方の側面に最も近接しているターンの端部が一方の外部電極に接続されていると共に、他方の側面に最も近接しているターンの端部が他方の外部電極に接続されている。
特開2014−154716号公報
上記のようなコイル部品では、一方の外部電極(他方の外部電極)に接続されているコイルのターンは、他方の外部電極(一方の外部電極)と対向する部分において、電位差が大きくなる。そのため、当該ターンには、他方の外部電極(一方の外部電極)と対向する部分に電界が集中する。これにより、コイル部品では、コイルのターンと外部電極との間に発生する寄生容量(浮遊容量)が大きくなるため、コイルの特性において、自己共振周波数(SRF:Self-Resonant Frequency)が低くなると共にQ(Quality factor)値も低くなる。
本発明の一側面は、自己共振周波数を高くしつつ、Q値の向上が図れるコイル部品を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るコイル部品は、互いに対向している一対の端面と、互いに対向している一対の主面と、互いに対向している一対の側面と、を有している素体と、素体内に配置されていると共に、一対の側面の対向方向に沿ってコイル軸が延在しており、複数のターンで構成されているコイルと、コイルの一端が接続されている第一外部電極、及び、コイルの他端が接続されている第二外部電極と、を備え、第一外部電極及び第二外部電極のそれぞれは、少なくとも一方の主面に配置され、一対の端面の対向方向において離間しており、コイルは、一対の側面の対向方向において一方の側面に最も近接しているターンである第一最外ターンの端部が第一外部電極に接続されていると共に、他方の側面に最も近接しているターンである第二最外ターンの端部が第二外部電極に接続されており、第一最外ターンが第二外部電極と対向している面積、及び、第二最外ターンが第一外部電極と対向している面積は、第一最外ターン及び第二最外ターン以外のターンが第一外部電極又は第二外部電極と対向している面積よりも小さい。
本発明の一側面に係るコイル部品では、第一最外ターンが第二外部電極と対向している面積、及び、第二最外ターンが第一外部電極と対向している面積は、第一最外ターン及び第二最外ターン以外のターンが第一外部電極又は第二外部電極と対向している面積よりも小さい。これにより、コイル部品では、第一最外ターンと第二外部電極との間、及び、第二最外ターンと第一外部電極との間に発生する寄生容量を小さくすることができる。その結果、コイル部品では、自己共振周波数を高くしつつ、Q値の向上が図れる。
一実施形態においては、第一外部電極及び第二外部電極のそれぞれは、一方の主面のみに配置されていてもよい。この構成では、第一最外ターンと第二外部電極、及び、第二最外ターンと第一外部電極との間に形成される寄生容量を小さくすることができる。したがって、コイル部品では、自己共振周波数を高くしつつ、Q値の向上が図れる。
一実施形態においては、第一外部電極は、一方の端面に配置されている第一電極部分と、一方の主面に配置されている第二電極部分と、を含み、一方の端面及び一方の主面にまたがって配置されており、第二外部電極は、他方の端面に配置されている第三電極部分と、一方の主面に配置されている第四電極部分と、を含み、他方の端面及び一方の主面にまたがって配置されており、第一最外ターンが第一電極部分と対向している面積、及び、第二最外ターンが第三電極部分と対向している面積は、第一最外ターン及び第二最外ターン以外のターンが第一電極部分又は第三電極部分と対向している面積よりも小さくてもよい。この構成では、回路基板などに対してコイル部品をはんだで固着させる場合、素体の端面に位置する第一電極部分及び第三電極部分にもはんだが形成されるため、コイル部品を回路基板などに対して強固に固着させることができる。この構成において、コイル部品では、第一最外ターンと第一電極部分、及び、第二最外ターンと第三電極部分との間に形成される浮遊容量を小さくできる。したがって、コイル部品では、回路基板などへの実装性を確保しつつ、特性(自己共振周波数、Q値)の向上が図れる。
本発明の一側面によれば、自己共振周波数を高くしつつ、Q値の向上が図れる。
図1は、一実施形態に係る積層コイル部品を示す斜視図である。 図2は、図1に示す積層コイル部品の内部構成を示す斜視図である。 図3は、図1に示す積層コイル部品の内部構成を示す側面図である。 図4は、比較例に係る積層コイル部品の内部構成を示す斜視図である。 図5は、周波数とQ値との関係を示すグラフである。 図6は、第二実施形態に係る積層コイル部品の内部構成を示す斜視図である。 図7は、図6に示す積層コイル部品の内部構成を示す側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第一実施形態]
図1に示されるように、積層コイル部品1は、直方体形状を呈している素体2と、第一外部電極3及び第二外部電極4と、を備えている。第一外部電極3及び第二外部電極4は、素体2の両端部にそれぞれ配置されている。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。
素体2は、互いに対向している一対の端面2a,2bと、互いに対向している一対の主面2c,2dと、互いに対向している一対の側面2e,2fと、を有している。一対の主面2c,2dの対向方向、すなわち、端面2a,2bに平行な方向が、第一方向D1である。一対の側面2e,2fの対向方向が、第二方向D2である。一対の端面2a,2bの対向方向、すなわち、主面2c,2dに平行な方向が、第三方向D3である。本実施形態では、第一方向D1は、素体2の高さ方向である。第二方向D2は、素体2の幅方向であり、第一方向D1に直交している。第三方向D3は、素体2の長手方向であり、第一方向D1と第二方向D2にと直交している。
一対の端面2a,2bは、一対の主面2c,2dの間を連結するように第一方向D1に延在している。一対の端面2a,2bは、第二方向D2、すなわち、一対の主面2c,2dの短辺方向にも延在している。一対の側面2e,2fは、一対の主面2c,2dの間を連結するように第一方向D1に延在している。一対の側面2e,2fは、第三方向D3、すなわち、一対の端面2a,2bの長辺方向にも延在している。積層コイル部品1は、電子機器(たとえば、回路基板又は電子部品)に、たとえば、はんだ実装される。積層コイル部品1では、主面(一方の主面)2dが、電子機器に対向する実装面を構成する。
素体2は、第二方向D2に複数の誘電体層が積層されて構成されている。素体2は、積層されている複数の誘電体層を有している。素体2では、複数の誘電体層の積層方向が、第二方向D2と一致する。実際の素体2では、各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。各誘電体層は、ガラス成分を含む誘電体材料で形成されている。すなわち、素体2は、素体2を構成する元素の化合物として、ガラス成分を含む誘電体材料を含んでいる。ガラス成分は、たとえば、ホウケイ酸ガラスなどである。誘電体材料としては、たとえばBaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系などの誘電体セラミックである。各誘電体層は、ガラスセラミック材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成されている。なお、各誘電体層は、磁性材料により構成されていてもよい。磁性材料は、たとえば、Ni−Cu−Zn系フェライト材料、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト材料、又はNi−Cu系フェライト材料を含んでいる。各誘電体層を構成する磁性材料は、Fe合金を含んでいてもよい。各誘電体層は、非磁性材料から構成されていてもよい。非磁性材料は、たとえば、ガラスセラミック材料又は誘電体材料を含んでいる。
図1に示されるように、第一外部電極3及び第二外部電極4のそれぞれは、素体2の主面2dに配置されている。第一外部電極3及び第二外部電極4のそれぞれは、素体2に埋設されている。第一外部電極3及び第二外部電極4は、第三方向D3で互いに離間している。第一外部電極3は、端面2a側に配置されている。第二外部電極4は、端面2b側に配置されている。第一外部電極3及び第二外部電極4のそれぞれは、第一方向D1から見て、長方形状を呈している。第一外部電極3及び第二外部電極4は、第二方向D2及び第三方向D3に沿って延在している。第一外部電極3及び第二外部電極4は、同じ大きさに形成されている。
第一外部電極3と第二外部電極4とは、第一方向D1から見て、第二方向D2において互いにずれて配置されている。具体的は、第一外部電極3は、第二方向D2から見て、側面2e寄りに配置されており、第二外部電極4は、第二方向D2から見て、側面2f寄りに配置されている。本実施形態では、第一外部電極3の表面は、主面2dと略面一である。第二外部電極4の表面は、主面2dと略面一である。
第一外部電極3及び第二外部電極4は、導電性材料を含んでいる。導電性材料は、たとえば、Ag又はPdを含んでいる。第一外部電極3及び第二外部電極4は、導電性材料粉末を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。導電性材料粉末は、たとえば、Ag粉末又はPd粉末を含んでいる。第一外部電極3及び第二外部電極4の表面には、めっき層が形成されていてもよい。めっき層は、たとえば、電気めっき又は無電解めっきにより形成される。めっき層は、たとえば、Ni、Sn、又はAuを含んでいる。
第一外部電極3及び第二外部電極4のそれぞれは、複数の電極層(図示省略)が積層されて構成されている。電極層は、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。各電極層は、対応する誘電体層に形成されている欠損部に設けられている。電極層は、グリーンシートに形成された欠損部内に位置している導電性ペーストが焼成されることによって、形成される。グリーンシートと導電性ペーストとは同時に焼成される。したがって、グリーンシートから誘電体層が得られる際に、導電性ペーストから電極層が得られる。実際の第一外部電極では、各電極層は、各電極層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
積層コイル部品1は、図2及び図3に示されるように、素体2内に配置されているコイル5を備えている。コイル5のコイル軸は、第二方向D2に沿って延在している。コイル5の一端は、第一外部電極3に接続されており、コイル5の他端は、第二外部電極4に接続されている。コイル5は、複数のターン6,7,8,9,10,11を含んで構成されている。ターン6,7,8,9,10,11のそれぞれは、コイル導体(コイル部)によって形成されている。
コイル5では、側面2eと側面2fとの間において、ターン6、ターン7、ターン8、ターン9、ターン10及びターン11の順番に配置されている。ターン7、ターン8、ターン9及びターン10は、ターン6とターン11との間に配置されている。ターン6、ターン7、ターン8、ターン9、ターン10及びターン11は、一定の幅を有している。すなわち、ターン6、ターン7、ターン8、ターン9、ターン10及びターン11は、同等の幅に形成されている。
ターン6は、第二方向D2において、側面2e(一方の側面)に最も近接している第一最外ターンである。ターン6の端部6aは、第一外部電極3に接続されている。これにより、コイル5は、第一外部電極3に接続されている。ターン7は、ターン6に接続されている。ターン8は、ターン7に接続されている。ターン9は、ターン8に接続されている。ターン10は、ターン9に接続されている。ターン11は、第二方向D2において、側面2f(他方の側面)に最も近接している第二最外ターンである。ターン11の端部11aは、第二外部電極4に接続されている。これにより、コイル5は、第二外部電極4に接続されている。
積層コイル部品1では、ターン6が第二外部電極4と対向している面積、及び、ターン11が第一外部電極3と対向している面積は、ターン6及びターン11以外のターン7,8,9,10が第一外部電極3又は第二外部電極4と対向している面積よりも小さい。図3に示されるように、第二外部電極4は、ターン6と対向する位置に配置されていない。すなわち、ターン6は、第二外部電極4と対向していない。ターン6と第二外部電極4との対向面積は、「0」である。ターン7,8,9,10は、第二外部電極4と対向している(図4において斜線で示す部分)。そのため、ターン6が第二外部電極4と対向している面積は、ターン7,8,9,10が第二外部電極4と対向している面積よりも小さい。
第一外部電極3は、ターン11と対向する位置に配置されていない。すなわち、ターン11は、第一外部電極3と対向していない。ターン11と第一外部電極3との対向面積は、「0」である。ターン7,8,9,10は、第一外部電極3と対向している(図4において斜線で示す部分)。そのため、ターン11が第一外部電極3と対向している面積は、ターン7,8,9,10が第一外部電極3と対向している面積よりも小さい。
複数のターン6,7,8,9,10,11は、導電性材料を含んでいる。導電性材料は、Ag又はPdを含んでいる。複数のターン6,7,8,9,10,11は、導電性材料粉末を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。導電性材料粉末は、たとえば、Ag粉末又はPd粉末を含んでいる。本実施形態では、複数のターン6,7,8,9,10,11は、第一外部電極3及び第二外部電極4と同じ導電性材料を含んでいる。複数のターン6,7,8,9,10,11は、第一外部電極3及び第二外部電極4と異なる導電性材料を含んでいてもよい。
複数のターン6,7,8,9,10,11は、対応する誘電体層に形成されている欠損部に設けられている。複数のターン6,7,8,9,10,11は、グリーンシートに形成された欠損部内に位置している導電性ペーストが焼成されることによって、形成される。上述したようにグリーンシートと導電性ペーストとは同時に焼成される。したがって、グリーンシートから誘電体層が得られる際に、導電性ペーストから複数のターン6,7,8,9,10,11が得られる。
グリーンシートに形成される欠損部は、たとえば、以下の過程によって形成される。まず、誘電体層の構成材料及び感光性材料を含む素体ペーストを基材上に付与することにより、グリーンシートを形成する。基材は、たとえば、PETフィルムである。素体ペーストに含まれる感光性材料は、ネガ型及びポジ型のどちらであってもよく、公知のものを用いることができる。次に、欠損部に対応するマスクを用い、フォトリソグラフィ法によりグリーンシートを露光及び現像し、基材上のグリーンシートに欠損部を形成する。欠損部が形成されたグリーンシートは、素体パターンである。
複数のターン6,7,8,9,10,11は、たとえば、以下の過程によって形成される。まず、感光性材料を含む導電性ペーストを基材上に付与することにより、導体材料層を形成する。導電性ペーストに含まれる感光性材料は、ネガ型及びポジ型のどちらであってもよく、公知のものを用いることができる。次に、欠損部に対応するマスクを用い、フォトリソグラフィ法により導体材料層を露光及び現像し、欠損部の形状に対応する導体パターンを基材上に形成する。
積層コイル部品1は、たとえば、上述した過程に続く以下の過程によって得られる。導体パターンが、素体パターンの欠損部に組み合わされることにより、素体パターンと導体パターンとが同一層とされたシートが用意される。用意した所定枚数のシートを積層して得られた積層体を熱処理した後に、積層体から、複数のグリーンチップを得る。本過程では、たとえば、切断機で、グリーン積層体をチップ状に切断する。これにより、所定の大きさを有する複数のグリーンチップが得られる。次に、グリーンチップを焼成する。この焼成により、積層コイル部品1が得られる。積層コイル部品1では、第一外部電極3及び第二外部電極4とコイル5とが一体に形成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る積層コイル部品1では、ターン6が第二外部電極4と対向している面積、及び、ターン11が第一外部電極3と対向している面積は、ターン6及びターン11以外のターン7,8,9,10が第一外部電極3又は第二外部電極4と対向している面積よりも小さい。本実施形態では、積層コイル部品1は、ターン6と第二外部電極4、及び、ターン11と第一外部電極3とが対向配置されていない。これにより、積層コイル部品1では、ターン6と第二外部電極4との間、及び、ターン11と第一外部電極3との間に発生する寄生容量を小さくする(寄生容量を発生させない)ことができる。その結果、積層コイル部品1では、自己共振周波数を高くしつつ、Q値の向上が図れる。
図4に示される積層コイル部品100では、コイル5の全てのターン6,7,8,9,10,11が、第一外部電極110又は第二外部電極120と対向して配置されている。すなわち、積層コイル部品100では、ターン6と第二外部電極120との対向面積は、ターン7,8,9,10と第二外部電極120との対向面積と同じである。積層コイル部品100では、ターン11と第一外部電極110との対向面積は、ターン7,8,9,10と第一外部電極110との対向面積と同じである。
図5では、横軸は周波数(Frequency)[GHz]、縦軸はQ値である。図5では、積層コイル部品1の特性を実線で示し、積層コイル部品100の特性を破線で示している。図5に示されるように、積層コイル部品1は、積層コイル部品100に比べて、高周波帯域においてQ値が高い。したがって、積層コイル部品1では、自己共振周波数を高くしつつ、Q値の向上が図れる。
本実施形態に係る積層コイル部品1では、第一外部電極3及び第二外部電極4のそれぞれは、素体2の主面2dのみに配置されている。この構成では、ターン6と第二外部電極4、及び、ターン11と第一外部電極3との間に形成される寄生容量を小さくすることができる。したがって、積層コイル部品1では、自己共振周波数を高くしつつ、Q値の向上が図れる。
[第二実施形態]
続いて、第二実施形態について説明する。図6に示されるように、積層コイル部品1Aは、第一外部電極20及び第二外部電極30を備えている。
第一外部電極20は、素体2の端面2a側に配置されている。第二外部電極30は、素体2の端面2b側に配置されている。第一外部電極20及び第二外部電極30は、第三方向D3で互いに離間している。
第一外部電極20は、端面2a及び主面2dにわたって配置されている。第一外部電極20は、第二方向D2から見て、L字状を呈している。第一外部電極20は、複数の電極部分20a,20bを有している。本実施形態では、第一外部電極20は、一対の電極部分20a,20bを有している。電極部分(第一電極部分)20aと電極部分(第二電極部分)20bとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。本実施形態では、電極部分20aと電極部分20bとは、一体的に形成されている。電極部分20aは、第一方向D1に沿って延在している。電極部分20aは、第三方向D3から見て、長方形状を呈している。電極部分20bは、第三方向D3に沿って延在している。電極部分20bは、第一方向D1から見て、長方形状を呈している。各電極部分20a,20bは、第二方向D2に沿って延在している。第一外部電極20の表面は、端面2a及び主面2dのそれぞれと略面一である。
第二外部電極30は、端面2b及び主面2dにわたって配置されている。第二外部電極30は、第二方向D2から見て、L字状を呈している。第二外部電極4は、複数の電極部分30a,30bを有している。本実施形態では、第二外部電極30は、一対の電極部分30a,30bを有している。電極部分(第三電極部分)30aと電極部分(第四電極部分)30bとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。本実施形態では、電極部分30aと電極部分30bとは、一体的に形成されている。電極部分30aは、第一方向D1に沿って延在している。電極部分30aは、第三方向D3から見て、長方形状を呈している。電極部分30bは、第三方向D3に沿って延在している。電極部分30bは、第一方向D1から見て、長方形状を呈している。各電極部分30a,30bは、第二方向D2に沿って延在している。第二外部電極30の表面は、端面2b及び主面2dのそれぞれと略面一である。
第一外部電極20と第二外部電極30とは、第一方向D1から見て、第二方向D2において互いにずれて配置されている。具体的は、第一外部電極20は、第二方向D2から見て、側面2e寄りに配置されており、第二外部電極30は、第二方向D2から見て、側面2f寄りに配置されている。
積層コイル部品1Aでは、ターン6が第二外部電極30と対向している面積、及び、ターン11が第一外部電極20と対向している面積は、ターン6及びターン11以外のターン7,8,9,10が第一外部電極20又は第二外部電極30と対向している面積よりも小さい。第二外部電極30は、ターン6と対向する位置に配置されていない。図7に示されるように、ターン6は、第二外部電極30の電極部分30a及び電極部分30bと対向していない。ターン6と第二外部電極30との対向面積は、「0」である。ターン7,8,9,10は、第二外部電極30と対向している(図7において斜線で示す部分)。そのため、ターン6が第二外部電極30と対向している面積は、ターン7,8,9,10が第二外部電極30と対向している面積よりも小さい。
第一外部電極20は、ターン11と対向する位置に配置されていない。ターン11は、第一外部電極20の電極部分20a及び電極部分20bと対向していない。ターン11と第一外部電極20との対向面積は、「0」である。ターン7,8,9,10は、第一外部電極20と対向している。そのため、ターン11が第一外部電極20と対向している面積は、ターン7,8,9,10が第一外部電極20と対向している面積よりも小さい。
以上説明したように、本実施形態に係る積層コイル部品1Aでは、ターン6が第二外部電極30と対向している面積、及び、ターン11が第一外部電極20と対向している面積は、ターン6及びターン11以外のターン7,8,9,10が第一外部電極20又は第二外部電極30と対向している面積よりも小さい。本実施形態では、積層コイル部品1Aは、ターン6と第二外部電極30、及び、ターン11と第一外部電極20とが対向配置されていない。これにより、積層コイル部品1Aでは、ターン6と第二外部電極30との間、及び、ターン11と第一外部電極20との間に発生する寄生容量を小さくする(寄生容量を発生させない)ことができる。その結果、積層コイル部品1Aでは、自己共振周波数を高くしつつ、Q値の向上が図れる。
本実施形態に係る積層コイル部品1Aでは、第一外部電極20は、一方の端面2aに配置されている電極部分20aと、一方の主面2dに配置されている電極部分20bと、を含み、一方の端面2a及び一方の主面2dにまたがって配置されている。第二外部電極30は、他方の端面2aに配置されている電極部分30aと、一方の主面2dに配置されている電極部分30bと、を含み、他方の端面2b及び一方の主面2dにまたがって配置されている。ターン6が電極部分20aと対向している面積、及び、ターン11が電極部分30aと対向している面積は、ターン6及びターン11以外のターン10が電極部分20a又は電極部分30aと対向している面積よりも小さい。この構成では、回路基板などに対して積層コイル部品1をはんだで固着させる場合、素体2の端面2a,2bに位置する第一外部電極20の電極部分20a及び第二外部電極30の電極部分30aにもはんだが形成されるため、積層コイル部品1Aを回路基板などに対して強固に固着させることができる。この構成において、積層コイル部品1では、ターン6と電極部分20a、及び、ターン11と電極部分30aとの間に形成される浮遊容量を小さくできる。したがって、積層コイル部品1Aでは、回路基板などへの実装性を確保しつつ、特性(自己共振周波数、Q値)の向上が図れる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態では、ターン6が、第二外部電極4と対向していない形態を一例に説明した。しかし、ターン6が第二外部電極4と対向する構成であってもよい。この場合、ターン6が第二外部電極4と対向している面積が、ターン6以外のターン7,8,9,10が第二外部電極4と対向している面積よりも小さければよい。ターン11についても同様である。
上記実施形態では、ターン6が、第二外部電極30の電極部分30a及び電極部分30bと対向していない形態を一例に説明した。しかし、ターン6が、第二外部電極30の電極部分30a又は電極部分30bと対向していない構成であってもよい。ターン11についても同様である。
上記実施形態では、第一外部電極3及び第二外部電極4のそれぞれが素体2に埋設されている形態を一例に説明した。しかし、第一外部電極3及び第二外部電極4のそれぞれは、素体2の主面2d上に配置されていてもよい。第一外部電極20及び第二外部電極30についても同様である。
上記実施形態では、コイル5が、ターン6,7,8,9,10,11を含んでいる構成を一例に説明した。しかし、コイルを構成するターンの数は、これに限定されない。
上記実施形態では、図2及び図3に示されるように、コイル5のターン6,7,8,9,10,11の外形が矩形状を呈している形態を一例に説明した。しかし、コイルのターンの形状はこれに限定されない。
1,1A…積層コイル部品、2…素体、2a,2b…端面、2c,2d…主面、2e,2f…側面、3,20…第一外部電極、4,30…第二外部電極、5…コイル、6,7,8,9,10,11…ターン、6a,11a…端部。

Claims (3)

  1. 互いに対向している一対の端面と、互いに対向している一対の主面と、互いに対向している一対の側面と、を有している素体と、
    前記素体内に配置されていると共に、一対の前記側面の対向方向に沿ってコイル軸が延在しており、複数のターンで構成されているコイルと、
    前記コイルの一端が接続されている第一外部電極、及び、前記コイルの他端が接続されている第二外部電極と、を備え、
    前記第一外部電極及び前記第二外部電極のそれぞれは、少なくとも一方の前記主面に配置され、一対の前記端面の対向方向において離間しており、
    前記コイルは、一対の前記側面の対向方向において一方の前記側面に最も近接している前記ターンである第一最外ターンの端部が前記第一外部電極に接続されていると共に、他方の前記側面に最も近接している前記ターンである第二最外ターンの端部が前記第二外部電極に接続されており、
    前記第一最外ターンが前記第二外部電極と対向している面積、及び、前記第二最外ターンが前記第一外部電極と対向している面積は、前記第一最外ターン及び前記第二最外ターン以外の前記ターンが前記第一外部電極又は前記第二外部電極と対向している面積よりも小さい、コイル部品。
  2. 前記第一外部電極及び前記第二外部電極のそれぞれは、一方の前記主面のみに配置されている、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第一外部電極は、一方の前記端面に配置されている第一電極部分と、一方の前記主面に配置されている第二電極部分と、を含み、一方の前記端面及び一方の前記主面にまたがって配置されており、
    前記第二外部電極は、他方の前記端面に配置されている第三電極部分と、一方の前記主面に配置されている第四電極部分と、を含み、他方の前記端面及び一方の前記主面にまたがって配置されており、
    前記第一最外ターンが前記第一電極部分と対向している面積、及び、前記第二最外ターンが前記第三電極部分と対向している面積は、前記第一最外ターン及び前記第二最外ターン以外の前記ターンが前記第一電極部分又は前記第三電極部分と対向している面積よりも小さい、請求項1に記載のコイル部品。
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