JPH11170581A - レーザー熱転写画像形成方法 - Google Patents

レーザー熱転写画像形成方法

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JPH11170581A
JPH11170581A JP34486597A JP34486597A JPH11170581A JP H11170581 A JPH11170581 A JP H11170581A JP 34486597 A JP34486597 A JP 34486597A JP 34486597 A JP34486597 A JP 34486597A JP H11170581 A JPH11170581 A JP H11170581A
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sheet
image
ink
layer
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JP34486597A
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English (en)
Inventor
Sota Kawakami
壮太 川上
Katsumi Maejima
勝己 前島
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドラム状支持体への受像シートとインクシー
トの巻きつけ性、保持性、受像シートとインクシートの
均一密着性の向上、及び画像出力安定性を改善し得るレ
ーザー熱転写画像形成方法の提供。 【解決手段】 インク面が内側に巻き回されたロール状
のインクシートと受像面が外側に巻回されたロール状の
受像シートを用い、該両シートをそれぞれ所定の長さに
カットしてドラム状の支持体に積層保持した状態でレー
ザー光を照射することにより、前記インクシートのイン
クを前記受像シートの受像面に転移させて画像を形成す
る画像形成方法であって、前記受像シートの背面に設け
られる層の中心線平均粗さ(Ra)が0.3以上1.5
μm以下であることを特徴とするレーザー熱転写画像形
成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子信号入力を用
いてカラープルーフを作製するのに適したレーザー熱転
写画像形成方法に関し、更に詳しくは、レーザーを用い
て自動的にフルカラーのプルーフイメージを生成し、一
連のインクシート用紙に熱エネルギーを与え、各インク
を選択的に受像シートに転写し、印刷イメージを形成す
るレーザー熱転写画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、適切なデータ記録装置に記憶され
た電子データから、電子的に分離された単一色分離とい
う形で印刷版を生成する電子システムの開発が盛んに行
われており、プルーフ画像と実際の印刷版の双方を電子
的に形成し、記憶させ、処理するための様々なプロセス
が開発され実践されて来た。これら電子システムの一部
はアナログイメージも扱うことができるが、デジタルイ
メージの処理の容易さゆえに、これが用いられる。最終
印刷に進んでよいかどうか完全に判定する前に、一般に
ハードコピーを生成する必要があり、実際に刷り上がり
を見るためにハードコピーを生成する何等かの形の出力
装置或いはプリンタを用いる方法が必要である。
【0003】ところで、高画質、精密で一定のプルーフ
画像を生み出す熱転写プロセスを用いて、コンスタント
に、迅速かつ正確にイメージを生成する装置が特開平5
−221067号に開示されている。このサーマル画像
化装置は、ロール媒体供給装置を備え、受像シートとイ
ンクシートとが重ね合わされて保持される支持体を有
し、多種のインクシートを一枚の受像シートに重ねても
支持体上の受像シートを乱すことなくインクシートを取
り去り、全体の書き込みの間、受像シートの一部を保持
して複数回重ねられるイメージの位置を確認し、最終的
なプルーフを生成するものであり、上記支持体、即ちド
ラム状支持体表面には受像シートとインクシートとを重
ね合わせて該ドラム状支持体に付着させるために真空開
口が設けられ、更にその開口部を通して減圧する真空シ
ート保持手段が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記サーマル画像化装
置は一貫して迅速に、正確に、しかも正しい位置でプル
ーフ画像を形成することができる。しかしながらプルー
フ画像としては大サイズ化が要望されており、上記のよ
うな装置で大サイズ画像を形成するためにはドラム状支
持体を大きくする必要がある。支持体を大きくした場
合、受像シートとインクシートを重ね合わせて保持する
ことが困難となる。その理由としては、大サイズのドラ
ム状の支持体を回転し露光する時に、シートが該支持体
から脱落しやすいことが挙げられるが、それを防止する
ためには減圧度を上げる必要があり、減圧度を上げるた
めには大容量かつ高減圧を発生できる装置が必要とな
り、ドラム状支持体のジョイントからの空気もれも発生
しやすくなるため、これらに対応した高価な装置が必要
となる。又、シートの巻きつけの際皺も発生しやすくな
るだけでなく、受像シートとインクシートの全面に渡る
均一な密着状態を達成することも非常に困難となる。均
一な密着状態が得られない場合、画像出力安定性の低下
即ち、画像面内での濃度に差が生じる、繰り返し出力に
おいて濃度が一定とならない、画像面内で局部的に濃度
低下及び濃度上昇が発生する、網点のボケが発生するな
ど、でき上がりのプルーフ画像としては、致命的な問題
が生じる。
【0005】又、上記サーマル画像化装置においては、
インクシートのインク層中の染料を転写するタイプの材
料について記載されているが、インク層の色材とバイン
ダーをともに転写する(溶融型熱転写)タイプの材料に
ついても同様の問題が生じることが分かっている。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的はドラム状支持体への受像シートとインク
シートの巻きつけ性、保持性、受像シートとインクシー
トの均一密着性の向上、及び画像出力安定性を改善し得
るレーザー熱転写画像形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、受像シートの背面に設けられる層
又はドラム状の支持体の表面性状を規定することによ
り、顕著な効果が認められた、との知見のもと本発明に
至ったものである。
【0008】請求項1記載の発明は、『インク面が内側
に巻き回されたロール状のインクシートと受像面が外側
に巻回されたロール状の受像シートを用い、該両シート
をそれぞれ所定の長さにカットしてドラム状の支持体に
積層保持した状態でレーザー光を照射することにより、
前記インクシートのインクを前記受像シートの受像面に
転移させて画像を形成する画像形成方法であって、前記
受像シートの背面に設けられる層の中心線平均粗さ(R
a)が0.3以上1.5μm以下であることを特徴とす
るレーザー熱転写画像形成方法。』であり、受像シート
の背面に設けられる層(以下、バックコート層)の中心
線平均粗さを上記の範囲に設定することにより、減圧状
態に至るまでに必要な時間が大幅に減縮されてドラム表
面上への積層保持がスムーズになり、取り扱いが非常に
便利となる。即ち受像シートの支持体への均一な巻き付
け性が望め、支持体上で積層保持されるインクシート、
受像シート並びに支持体との密着性の向上が可能となり
優れた巻き付け性を保持することができ、しかもそれに
より最終プルーフでの画像濃度の向上が達成される。
【0009】請求項2記載の発明は、『前記受像シート
の背面に設けられる層の平均粗さ(Rz)が3.0以上
8.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の
レーザー熱転写画像形成方法。』であり、好ましい平均
粗さを設定することで、確実に上記の効果が奏される。
【0010】請求項3記載の発明は、『インク面が内側
に巻き回されたロール状のインクシートと受像面が外側
に巻回されたロール状の受像シートを用い、該両シート
をそれぞれ所定の長さにカットしてドラム状の支持体に
積層保持した状態でレーザー光を照射することにより、
前記インクシートのインクを前記受像シートの受像面に
転移させて画像を形成する画像形成方法であって、前記
支持体表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.0以上3.
0μm以下であり、かつ該支持体の直径が200mm以
上であることを特徴とするレーザー熱転写画像形成方
法。』であり、支持体表面の中心線平均粗さと支持体の
直径を上記の範囲に設定することにより、請求項1で記
載した如くの効果、即ち受像シートの支持体への均一な
巻き付け性が望め、支持体上で積層保持されるインクシ
ート、受像シート並びに支持体との密着性の向上が可能
となり優れた巻き付け性を保持することができ、しかも
それにより最終プルーフでの画像濃度の向上が達成され
る。
【0011】請求項4記載の発明は、『前記支持体表面
の平均粗さ(Rz)が5.0以上15.0μm以下であ
ることを特徴とする請求項3記載のレーザー熱転写画像
形成方法。』であり、好ましい平均粗さ及び径を設定す
ることで、確実に上記の効果が奏される。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明に係る画像記録装置の実施の形態を
添付の図面に従って説明する。図1は本発明に係る画像
記録装置の概略図である。
【0014】YMC又はYMCKの各色のインクシート
10は、コア101にロール状に巻き回されたものとし
てドラム状の供給装置30に用意されており、又受像シ
ート20もコア201にロール状に巻き回されたものが
ドラム状の供給装置30に用意されている。ロール状の
インクシート10は、インク面が内側に巻回され、受像
シート20は受像面が外側に巻回され、それぞれのイン
ク面や受像面が傷付いたり、ゴミが付着することが防止
されている。この実施の形態では、インクシート10が
右巻きでインク面が内側にして装填され、受像シート2
0も同様に右巻きにして受像面を外側にして装填されて
いるが、右巻き、左巻きは供給装置30への装填方向に
よる。各色のインクシート10や受像シート20は供給
装置30を時計方向或いは反時計方向に回動させること
により所定の供給位置に案内され、引き出し手段31に
より引き出される。インクシート10はインク面を下側
にし、受像シート20は受像面を上側にして引き出さ
れ、シートカッター手段32により所定の長さに裁断さ
れたシート状のものが対ローラ33aによる搬送手段3
3により搬送されて露光部40に移動される。露光部4
0には、ドラム状の支持体41が配置されている。この
ドラム状の支持体41には、先ず所定の長さにカットし
た受像シート20が受像面を上側にして保持され、次い
で同様に所定の長さにカットしたインクシート10のイ
ンク面を受像面に重ねるように積層保持した状態で書き
込みヘッド手段50、例えばレーザー光を照射すること
によって、インクシート10のインクを受像シートの受
像面に転移させる。本発明において、受像シート20及
びインクシート10の支持体41への積層保持は、支持
体41に開口部(以下、吸引孔)を設け、この吸引孔か
ら受像シート20及びインクシート10を吸着保持する
様に構成される。
【0015】本発明は、ドラム状支持体表面の中心線平
均粗さ(以下、単にRa)が1.0以上3.0μm以下
を要件とし、又大サイズ画像の出力が可能となるよう、
直径が200mm以上を要件とする。好ましいドラム状
支持体の直径は200mm以上410mm以下である。
又ドラム状支持体は、平均粗さ、本発明では十点平均粗
さ(以下、単にRz)が5以上15μm以下の範囲が好
ましい。特に、Raが1.0以上2.5μm以下範囲が
好ましく、又Rzが7以上12μm以下の範囲が好まし
い。本発明の効果はドラム状支持体の幅が600mmを
越えるサイズとなると顕著に現れる。Raが1.0μm
未満及びRzが5μm未満の場合、ドラム状支持体に受
像シートとインクシートを積層保持する際に、受像シー
トとインクシートの間の均一密着性が悪くなり、転写ム
ラが発生しやすくなる。Raが3.0μmを越える、及
びRzが15μmを越える場合には、柚肌状の転写ムラ
が発生する場合がある。Ra及びRzの測定は、JIS
−B−0601に準じて、測定長4mm、カットオフ値
0.8mmとして測定した値である。
【0016】本発明を以下の図2に示す全体図を用いて
更に詳しく説明する。図2は本発明に係る画像記録装置
の概略図であり、校正印刷装置の全体図が示されてい
る。この実施の形態では、図1の実施の形態と同様に構
成されるものは同じ符号を付して説明する。キャビネッ
ト70内部の構成要素の配置は、基本的に図1と同様で
あり、左から供給装置30、引き出し手段31、シート
カッター手段32、搬送手段33、ドラム状の支持体4
1が設けられた露光部40及び書き込みヘッド手段50
とからなり、搬送手段33の下に隔壁34を設け、又供
給装置30と露光部40との間に隔壁35を設けて、材
料交換時及び材料搬送時のゴミがドラム状の支持体41
及び露光部40への混入を防止している。
【0017】装置全体の操作は、供給装置30に隣接す
るように素材送り部36が設けられており、供給装置3
0内のロール状の素材の先端を引き出すことから始ま
る。コア201に巻き回されたロールから引き出された
受像シート20の先端の長さを測定し、シートカッター
手段32へと送り、該カッター手段で縦の長さに切断
し、切断されたシートを搬送手段33、即ち搬送ロール
33aにてドラム状の支持体41へと運ばれる。搬送ロ
ール33aが作動すると搬送されたシートがシートセン
サ(図示せず)に探知され、そこでストップする。支持
体41の周囲に巻かれる際にはシート表面からの反射を
捕らえることによりセンサがシート先端部を検出し、先
端部がセンサに探知されたらシートを停止させる。その
後支持体41が時計方向に回転しシート搭載位置が決め
され、固定される。吸引装置(図示せず)を作動するこ
とで支持体41に減圧が導かれる。この時点で支持体4
1は減圧にされ、全ての吸引孔に減圧状態が導かれる。
加圧ロール64がシート先端部と接するように動かさ
れ、シートが支持体41に密着するように押し付ける。
支持体41内の減圧によりシートが吸引孔に吸引され、
該シートが支持体41表面に保持される。加圧ロール6
4をかけることにより、シートと支持体41表面との間
の空気が容易に除去される。そして支持体41はシート
先端部が搬送ロール33aの位置に接近する位置に回転
して戻り、一方加圧ロール64は支持体41と接触しな
い位置へ動かされ、支持体41表面から離れる。次い
で、インクシート10が供給装置30から取り出され、
シートカッター手段32で縦の長さに切断され、搬送手
段33によってドラム状の支持体41へと運ばれる。そ
して同様に支持体41の周囲に巻き取られ、所望の位置
で受像シート20に重ねられ、固定される。このとき、
インクシート10が縦横ともに受像シート20を覆い隠
せるようにインクシート10の長さが受像シート20よ
りも長く裁断されることが必要である。その後、加圧ロ
ール64がインクシート10表面に接触し、支持体41
が回転し、インクシート10の後端が加圧ロール64の
下に来るまで回転する。
【0018】支持体41が時計の針方向に回転し、イン
クシート10の先端部が再度加圧ロール64の下になる
ような位置に戻す。このように2度ロールをかけるの
は、一度目のロールでインクシート10と受像シート2
0との間のほとんどの空気が除去されるように見えて
も、多少の空気が残っている可能性があるからで、この
ような残留空気は実際にイメージが出来上がらないと認
識されない。即ち残留空気の部分は画像密度の低い領域
として再現される。2度ロールをかけてインクシート1
0を受像シート20に密着させることで、認識されない
空気が除去されるという効果を有する。インクシート1
0が支持体41へ固定された後、加圧ロール64が支持
体41から離れ、支持体41は時計方向或いは反対方向
にイメージ書き込み速度にまで加速される。支持体41
の回転につれて書き込みヘッド手段50が支持体41の
軸方向に沿って横切り、イメージが受像シート20に写
される。イメージが受像シート20に書き込まれたな
ら、インクシート10は受像シート20を乱すことなく
支持体41から取り除かれ、使用済みシート排出口61
から装置の外へ出される。この後、別のインクシート1
0が順次支持体41上の受像シート20に重ねられ、所
望の画像が得られるまでイメージは受像シート20に写
される。イメージ転写が完成されたなら、受像シート2
0は出来上がりプリント排出部62から装置の外へ出さ
れる。
【0019】尚、それぞれの装置或いは手段における好
ましい態様として、例えば搬送ロール33aは粘着性を
有するものから構成されることが挙げられ、これにより
搬送される受像シート20或いはインクシート10に付
着する、又はシートカットの際の塵、ゴミ、埃等が画像
形成手段或いは画像露光部に混入するのを予め防止する
ことが可能となる。又、その搬送ロール33aは3本1
組のロールを1セットとし、それを4本セット12本で
1つの搬送手段とすると、支持体41の周囲に巻き取ら
れる長さにカットされたシートがスムーズに搬送され、
好ましい。又画像露光部を支えるキャビネット70内の
床上には粘着シート42を設けておくと、画像書き込み
或いはシートの巻き取り、シートカットの際に生じる
塵、ゴミ、埃等の落下物を効率よく捕縛させ、画像形成
手段或いは画像露光部内を清浄な状態にするのに寄与す
る。又支持体41に隣接して設けられる加圧ロール64
の表面を構成する素材にシリコンゴムを使用することも
好ましい。加圧ロール64は支持体41で画像形成され
た後のインクシート10及び受像シート20をそれぞれ
排出口61、出来上がりプリント排出口62に搬送する
手段も兼ねることもある。シリコンを使用することで、
受像面を加圧する際に受像面を汚すことなく、又ロール
自体に異物が付着して受像面を傷つけることがなくてす
む。又、排出部60と画像形成手段或いは画像露光部と
の間に隔壁板65を設置することが好ましい。これによ
り、排出口からの塵、ゴミ、埃等の落下物を防ぎ、画像
露光或いは形成に悪影響を与える要因を防止することが
可能である。又排出部60内にあるガイド板66表面を
梨地処理することが好ましく、これによりインクシート
及び受像シートの先端がこのガイド板66に当たり進向
方向を決定される際、無理な摩擦を生じることなく円滑
な搬送が可能となる。又支持体表面を清浄な状態に維持
することを目的として、粘着ロール63を設けても良
い。
【0020】(素材供給工程)供給装置30は、回転ラ
ックからなり更に垂直に立てられた円形のプレートを有
し、このプレートの一方の表面には、プレートの円周に
沿って等間隔に並ぶ複数の素材保持スピンドルが突起し
ており、それぞれのスピンドルにはロール状のシート1
0及び20がはめ込まれている。それらの1つは受像シ
ート20であり、他の4つはインクシート10である。
残る1つのスピンドルは予備のものである。そしてスピ
ンドルにはそれぞれに対応する素材送り部36が設けら
れ、スピンドルにはめられているロールから先端を引き
出し、駆動ロール(図示せず)を通って回転ラックの外
へ送り出される。ここでは、スピンドルがコアの役割を
果たすが、別途予めコアを有するロールを設けてもよ
い。回転ラックはその軸回りに回転し、選択された素材
のロールをシートカッター手段32へ送る。そしてカッ
ター手段を通過して送られ、長さを測定されて切断され
る。ここで切断された直後の素材はロール状に巻かれて
いたせいもありカールを有しており、これが支持体41
に保持される際にカールを有していることから巻き付け
性が悪く、しかも続くインクシート10は又別の形態の
カールを有しているため、支持体41、受像シート、イ
ンクシートと全て重なった際の密着性の低下は相当なも
のである。特にカットされたシートのカールの度合いと
いうのはロール状の内径側と外径側とでは大きく異な
り、支持体41への積層保持という点で取り扱いが非常
に不便である。
【0021】本発明はこのような事情に鑑みて支持体の
直径と受像シート或いはインクシートのコアとの比、又
支持体の直径と受像シート或いはインクシートの最大巻
径との比を好ましい範囲に規定することで上記の問題を
達成したものである。実際には、これらの範囲内にて、
適宜その数値を選択することが可能であり、例えば装
置、画像形成の枚数、使用インク数等を考慮すること
で、その選択は無限である。
【0022】(画像形成工程)図3は受像シート20が
支持体41の周囲に巻き取られ、更にインクシート10
が受像シート20を覆い隠せるように重ねられ、加圧ロ
ール64により固定される際の斜視図が示されている。
加圧ロール64は支持体41に着脱可能に設けられ、そ
の素材としては粘着性を有さないものが好ましく、しか
も回転方向と垂直に力を付与するための溝を有するもの
が更に好ましい。例えば図示する64aの溝である。支
持体41は、インクシート10上のインク層が熱せられ
ることによりインクシート10から受像シート20へイ
ンク層又は染料が転写されるようなサーマルプリント媒
体を搭載するためのものであり、受像シート20とイン
クシート10とが密着して重ねられ、一方支持体41内
部を減圧し、重ねられた用紙を吸引装置から吸引孔を通
して吸引することにより支持体41表面に保持される。
支持体41表面には多数の吸引孔42が設けられ、又中
心吸引口43からは吸引装置へとつながるバルブ(図示
せず)へと続く。
【0023】バルブは吸引装置に接続され、本発明では
この吸引装置により中心吸引口43を通して支持体41
内部に減圧状態を発生させることができる。減圧度が高
すぎると吸引装置の負荷が大きくなり、又ドラム状支持
体のジョイントからの空気もれが生じやすく、更に吸引
孔から受像シートを引き込み、受像シートに凹部を生じ
させてインクシートとの密着を阻害する。一方低すぎる
とインクシート、受像シートをドラムに良好に保持でき
ず、又インクシートと受像シート間の空気を充分に引け
ず密着が不充分となる。支持体41の回りには、左右に
リセス(凹み部)44が支持体41をぐるりと回って形
成されている。その幅は吸引孔の立て列間の範囲内であ
り、かつ受像シート20の固定された領域外に設けられ
ており、該リセスの深さは実際には受像シート20の厚
さ+50μmから−10μm程度に設定されるのが好ま
しく、約65以上225μm以下である。
【0024】図4は支持体41の展開図が示されてお
り、この図は軸方向の中心線に沿って切り離され広げら
れた支持体41の横断面図であり、中心吸引口43より
吸引孔42を通して支持体41内部が減圧され、受像シ
ート20が支持体表面に密着され、更に受像シート20
より幅、長さとも大きいインクシート10に覆われてお
り、受像シート20を介して支持体41とインクシート
10が密着される場面を示している。ハブ45は、反転
可能、速度変化可能の画像形成ドラム用の駆動モータ
(図示せず)に接続する。支持体41表面におけるリセ
ス44の目的は、インクシート10が受像シート20面
上を引っ張られつつ送られる際に、該インクシート10
表面に皺が生じないようにすることである。これにより
画像領域にまで伸び、最終イメージに深刻な悪影響を及
ぼす可能性のあるシート上の折り目、皺がインクシート
10に発生するのを防止することが可能となる。又、受
像シート20のエッジに沿った部分の空気を全て支持体
41表面に設けられた吸引孔42によって吸引すること
は困難であるが、リセス44によりこの部分の空気の引
き込みの問題が容易に解消される。図3で示したように
加圧ロール64を用いて吸引とともに加圧を行うこと
で、受像シート20とインクシート10との間の残留空
気が効率的に除去でき、画像に不利な影響を阻止するこ
とが可能となる。
【0025】次に画像記録用の材料について説明する。
【0026】図5の(a),(b)は、本発明に係る画
像記録装置で利用されるインクシート10と受像シート
20の一例を示す断面図である。
【0027】(a)のインクシート10は、ポリエチレ
ンテレフタレー卜(PET)などで形成される透明な基
体11の一面側に、クッション層12、光熱変換層13
を介してインク層14が積層されており、他面側にバッ
クコート層15が配置されている。(b)の受像シート
20は、ポリエチレンテレフタレー卜(PET)などで
形成される透明な基体21の一面側に、クッション層2
2、剥離層23を介して受像層24が積層されており、
他面側に、バックコート層25が配置されている。
【0028】前記した層構成は1例であり、他の層構成
の採用を排除するものではない。例えば、インクシート
の場合、インク層に昇華性の染料を含有する場合、クッ
ション層12はなくてもよい。光熱変換層13が有する
レーザー光を熱に変換する機能は、インク層中に光熱変
換材を入れる場合は設けなくて良い。受像シートの場
合、剥離層23はクッション層22および受像層24の
組み合わせによっては設けなくてもよい。尚、図5に示
したインクシート10並びに受像シート20における各
層の配列は、搬送時並びに露光時の上下位置に従ってい
る。
【0029】次いで、インクシート10並びに受像シー
ト20について説明する。
【0030】〈インクシート〉インクシートは、基本的
に基体、インク層の構成を有する。基体とインク層の間
に光熱変換層を設けてもよく、更に光熱変換層と基体の
間にクッション層を設けてもよい。
【0031】インクシートの基体としては、特開昭63
−193886号第2頁左下欄12〜18行に記載のフ
ィルム又はシートの中で、露光部で使用されるレーザー
の波長の光を透過することができ、搬送性及び平滑性の
良いポリマーフィルムを使用することができる。特にポ
リエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、シンジオタクチックポリスチレ
ン(PSP)、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリカーボネート(PC)などの高Tg樹脂フィ
ルムが好ましい。
【0032】インクシート基体の膜厚は50μm以上1
25μm以下が好ましく、50μm未満であるとドラム
状支持体への巻きつけの際、皺になりやすく、又125
μmを越えると、転写画像において部分的な濃度のムラ
が生じやすい。
【0033】これらのプラスチックフィルムには寸法安
定化、帯電防止等の各種加工を施すこともできる。又、
後述の各層が良好に基体上に塗布されるための下引層を
設けることもできる。
【0034】インクシートが有するインク層は、レーザ
ー等の高照度の光を受けて光熱変換層の光熱変換作用に
より発生した熱により、色素のみ転写可能な昇華タイ
プ、或いは溶融又は軟化して層ごと転写可能なタイプが
あり、層ごと転写可能なタイプの転写機構は完全な溶融
状態でなくてもよい。
【0035】熱溶融転写タイプのインクシートのインク
層は、好ましくは着色剤を20〜40重量部、融点又は
軟化点が40〜150℃の範囲にある樹脂を主成分とす
るバインダーを40〜70重量部含有し、その膜厚が
0.4〜1.0μmのものである。
【0036】着色剤としては二酸化チタン、カーボンブ
ラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、
硫化カドミウム、酸化鉄並びに鉛、亜鉛、バリウム及び
カルシウムのクロム酸塩等の無機顔料、及びアゾ系、チ
オインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン
系、トリフェンジオキサジン系の各顔料、バット染料顔
料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン
顔料等の有機顔料、並びに酸性染料、直接染料、分散染
料、油溶性染料、又は含金属油溶性染料等の各染料を挙
げることができる。
【0037】特に、印刷産業用カラープルーフ材料とし
て使用する場合、印刷インクに用いられる有機顔料が好
ましく用いられる。ブラックの再現には、カーボンブラ
ックを主体として、要求によりシアン、ブルー、バイオ
レット等の顔料を加え、色を整えるのが好適である。
【0038】好ましい着色剤の量はインク総量に対し2
0〜40重量%、好ましくは25〜35重量%含有され
る。着色剤の量が多過ぎるとインク層が強くなり、光熱
変換型の記録を行った場合に記録像の滑らかさが失われ
る。例えば、細線では、線の連続性が損なわれて「がさ
つき」が生じる。又印刷校正用の用途においては、網点
の形状が破壊され易くなる。一方、着色剤の量が少ない
場合には、このような欠陥は発生し難くなるが必要な着
色濃度を得ることが難しくなってしまう。インク層に含
有される着色剤は、バインダーと混合した後の平均粒径
がインク層の膜厚より小さく分散されていることが、イ
ンク層の表面性状の点から好ましい。
【0039】顔料を中心とする粒子の平均粒径がインク
層の膜厚より大きいと、塗布後のインク層表面の平滑性
が著しく損なわれる傾向にある。インク層表面の平滑性
が損なわれた場合、インク層と受像シートとの接触が不
均一になること、及び光熱変換層で発生された熱エネル
ギーが不均一に伝導することによる、転写ムラが発生し
易くなる。より好ましい顔料分散粒子の粒径は、平均粒
径として0.5μm以下であることが好ましい。熱溶融
転写タイプのインク層に使用するバインダーとしては、
熱溶融性物質、熱軟化性物質、熱可塑性樹脂を挙げるこ
とができる。
【0040】該インク層に用いるバインダーの主成分
は、好ましくは融点又は軟化点が40〜150℃の樹脂
である。樹脂を主成分とすることで、凝集破壊の少な
い、均一なインク層の添加が行われる。特に、スチレン
樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン
酸樹脂等の非晶質樹脂を主成分とすると、インク層の転
写性が良好であることが確認された。更に、エチレン−
酢酸ビニル樹脂、アイオノマー樹脂を、バインダー成分
の1割程度加えると、インク画像の受像シート上での耐
擦過性が良好になることが判明した。これらの樹脂の併
用は、転写画像のエッジの滑らかさにも効果がある。
【0041】その他インク層には、可塑化により感度ア
ップを図る可塑剤の添加、塗布性を向上させる界面活性
剤の添加、ブロッキングを防止するための、インク層よ
り粒径の小さいマット材の添加等が可能である。界面活
性剤としては、弗素含有化合物を用いると薄層のインク
層を形成できる。
【0042】インク層の厚さは0.4〜1.0μmが好
ましく、更に好ましくは0.5〜0.8μmである。イ
ンクシートにおいて、インク層の膜厚は薄い方が感度が
向上し、特に1μm以下とすることで飛躍的に感度が向
上する。しかしながら、インク層が0.4μmより薄く
なると、特に、印刷用画像等の面積階調記録において、
小ドットや細線の転写不良が生じ、実質感度が低下した
り、インク層が過度に加熱されるためか、光熱変換層の
余計な転写が生じたり、インク層自体が焦げついて所望
の色を再現できなかったりする場合が多い。
【0043】又昇華タイプのインク層で用いられるバイ
ンダーとしては、例えばセルロース誘導体(例えば、酢
酸水素フタル酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸プロ
ピオン酸セルロース、酢酸酸セルロース、三酢酸セルロ
ース若しくは米国特許4,700,207号に記載され
ている何れかの材料);ポリカーボネート;ポリ酢酸ビ
ニル;ポリ(スルホン);ポリ(ビニルアルコール−コ
−アセタール)(例えば、ポリ(ビニルアルコール−コ
−ブチラール));ポリ(フェニレンオキシド)等が挙
げられる。バインダーは、約0.1〜5g/m2の塗布
量で使用することができる。
【0044】又昇華性染料としては、例えば以下の化合
物を使用できる。
【0045】
【化1】
【0046】又米国特許第4,541,830号、同第
4,698,651号、同第4,695,287号、同
第4,701,439号等に記載される昇華性染料を使
用すると良好な画像が得られる。上記の染料は単独で使
用しても、組み合わせて使用してもよい。これらの染料
は約0.05〜1g/m2で使用できる。
【0047】又赤外吸収染料を含有することも挙げら
れ、米国特許第4,973,572号に記載されるよう
なシアニン染料を使用することができる。又、インクシ
ートと受像シートとの間を特定の距離に保つために、イ
ンク層上にスペーサービーズを有する層を設けてもよ
く、或いはインク層中に含ませておいてもよい。
【0048】インク層(染料含有層)は支持体上にコー
ティングしても、グラビア印刷などのプリント技法によ
る方法でプリントしてもよい。
【0049】昇華タイプでは、ダイオードレーザーを用
いてインク層の昇華性染料を受像シートに転写すること
が好ましい。赤外吸収染料を含有するインクシートをダ
イオードレーザーで像様加熱して染料を揮発させ、画像
を転写する。ダイオードレーザーは、原稿画像の形状や
色を表す一組の信号によって調節され、その結果染料が
加熱され、受像層上で染料の存在が必要とされる領域に
おいてのみ揮発を引き起こして原稿画像の色を再構築す
る。
【0050】光熱変換層は、熱溶融転写タイプのインク
シートのインク層に隣接して設けると非常に熱伝導率が
高くなる。光熱変換層とインク層が隣接する場合、光熱
変換層で光熱変換された熱エネルギーは、直接インク層
を光熱変換層側の界面から加熱するため、光熱変換層と
インク層の界面からインク層が剥れ易くなり、効果的に
インク層が転写される。光熱変換物質は、光を吸収して
効率良く熱に変換する物質である。特に、カーボンブラ
ックは、一般的に使用できるあらゆる波長の光源に対
し、ほぼ均一な光熱変換作用を発現するため、光源を選
ばないインクシートの作成に有効である。光熱変換層を
構成する樹脂は、TGA法による熱分解測定による窒素
気流中、昇温速度10℃/分での重量減少率が50%と
なる温度が360℃以上である樹脂を、光熱変換層を構
成する樹脂全体の70重量%以上含有することが、光熱
変換層の不要な転写の防止に有効に役立ち、このような
樹脂を用いることにより、使用できる光吸収剤の選択肢
が広くなった。特に水溶性ポリマーを用いた光熱変換層
は、インク層との剥離性も良く、又、光照射時の耐熱性
が良く、過度な加熱に対してもアブレーションが少な
い。
【0051】水溶性ポリマーを用いる場合には、カーボ
ンブラックを水溶性に変性したり、水系分散することが
望ましい。インクシートが有する光熱変換層の膜厚は
0.4〜1.2μmが好ましく、より好ましくは0.5
〜1.0μmである。光熱変換層におけるカーボンブラ
ックの含有量は、画像記録に用いる光源の波長での吸光
度を、好ましくは0.3〜3.0になるよう決めるのが
好ましい。更に好ましくは0.7〜2.5になるように
決めることができるが、照射光の強度により、最適な範
囲を決める必要がある。
【0052】光熱変換層は、層厚の薄い方が発生した熱
エネルギーを有効にインク層に伝導し易くなるので好ま
しく、その効果はl.2μm以下で飛躍的に向上する。
しかしながら、光熱変換層を0.4μm未満にすると、
有効な光熱変換に必要なカーボンブラックを添加するた
めに、層全体の強度が脆くなり、光熱変換層の破壊が起
き易くなり、不要な転写が多発する。
【0053】カーボンブラックを添加する場合、添加量
を層全体の40重量%以下にすれば好適な効果が得られ
るため、光熱変換層の不要な転写が起こらない。
【0054】クッション層はインクシートと受像シート
との密着を増す目的で設けられるため、熱溶融転写タイ
プのインク層を有するインクシートに特に有効である。
このクッション層は熱軟化性又は弾性を有する層であ
り、加熱により充分に軟化変形しうるもの、又は低弾性
率を有する材料或いはゴム弾性を有する材料を使用すれ
ばよい。具体的には、後述の受像シートのクッション層
に用いられるものと同様のポリマーを用いることができ
る。クッション層はある程度の厚さを持たせるために、
塗布或いはラミネート、フィルムの貼り合わせなどによ
り行う。クッション層の形成方法としては、受像シート
の受像層の形成方法と同様の方法を用いることができ
る。表面平滑性が必須な目止めクッション層を更に形成
する場合、これは各種塗布方式によってコーティングを
行うことが望ましい。好ましいクッション層の総厚は2
μm以上、好ましくは4μm以上である。光源のエネル
ギーを無駄なく光熱変換層に吸収させるために、基体及
びクッション層の光源の波長に対する透過率は70%以
上が好ましく、更に好ましくは80%以上がよい。この
ためには、透明性の良い基体及びクッション層を使用す
ると共に、基体のバックコート面及び基体とクッション
層の界面での反射を少なくする必要がある。基体とクッ
ション層の界面での反射を小さくするための方法として
はクッション層の屈折率を基体のそれに対して0.1以
上小さくすることが好ましい。
【0055】インクシートは、機能も性質も異なる層を
一つの基体上に重ねて作成する必要がある。このような
重層の作成方法にはいくつかの方法が知られているが、
インクシートの性能を最も良好に発現させるためには、
次のような方法が好ましい。
【0056】好ましい方法の一つは、クッション層、光
熱変換層、インク層塗布液を基体上に順次重ね塗布する
方法である。この場合、クッション層は、表面が粘着性
を有する層であるため、エクストルージョン法や押出し
ラミネート法などにより予め設けられたものでもよい。
重要なことは、光熱変換層がクッション層上に塗設され
た際の表面のJIS Z−8741−1983規定の7
5度鏡面光沢度が65以上となるように、平滑に層を形
成することである。光熱変換層表面の平滑性が確保され
ていない状態でインク層を形成すると、インク層表面が
荒れてしまい、最終画像の品質が低下してしまう。又、
離型性の表面を有する基体の離型面上にインク層を設
け、インク層の上に光熱変換層を設けた後、別の基体上
に設けたクッション層と光熱変換層とを貼り合わせた
後、離型性基体を剥離してインクシートを作成する方法
も考えられる。この方法は、形成されたインクシートの
インク層表面のJIS Z−8741−1983規定の
75度鏡面光沢度が80以上という、極めて平滑性の高
いインクシートを得るために好適である。
【0057】このようなインクシート作成方法において
は、離型面とインク層との間の剥離力F1はインク層と
光熱変換層との間の剥離力F2より小さくなるように選
択する必要がある。F1は10g/cm以下程度がイン
クシートの良好な作成に有効である。光熱変換層とクッ
ション層とを貼り合わせた後、離型性基体を剥離する際
には離型性基体の剥離時の曲率θが180°以下となる
ようにすると、良好に剥離できる。
【0058】離型性基体は、フィラー等の混入が少ない
平滑なプラスチックシートが好ましく、剥離作業性の点
から50μm以下の薄いフィルムが好ましい。離型性の
面は、このような基体上に、架橋されているか、実質的
にインク層の塗布溶剤に対し非溶解性であるか、弗素又
は長鎖アルキル化合物を有するような層を形成すること
で得ることができる。架橋された剥離層としては熱硬
化、紫外線硬化等、広範囲に可能性があるが、剥離後の
インク層の感度低下を考慮すると、非シリコーン系化合
物が好ましい。ただし、高級脂肪酸エステル変性シリコ
ーン、ポリエステル変性シリコーンなどは、例外的に、
感度低下がなく良好な離型面とすることができる。剥離
性の観点からは、インク層が溶剤系の場合、水溶性の樹
脂、即ち、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アンモニ
ウム基などを有するバインダーをメラミン化合物、イソ
シアネート化合物、グリオキザール誘導体等の架橋剤と
架橋させた層が好ましい。ホスファゼン樹脂も有効に用
いることができる。
【0059】〈受像シート〉受像シートは、基本的に基
体、クッション層、受像層を、又受像層とは反対側にバ
ックコート層の構成を有する。
【0060】受像シートのバックコート層は、Raが
0.3以上1.5μm以下の範囲であり、又Rzは3.
0以上8.0μm以下の範囲が好ましい。Raが0.3
μm未満の場合、ドラム状支持体に受像シートとインク
シートを積層保持する際に、受像シートとインクシート
の間の均一密着性が悪くなり、転写ムラが発生しやすく
なる。一方Raが1.5μmを越える場合、基体自身の
平滑性のために柚肌状の転写ムラが発生する場合があ
る。Ra及びRzの測定は、JIS−B0601に準じ
て、測定長4mm、カットオフ値0.8mmとして測定
した値である。又Rzが3.0μm未満の場合、及びR
zが8.0μmを越える場合にも、上記同様の問題が生
じやすい。
【0061】バックコート層はマット化処理が行われて
いない基体を使用する場合、ロール状の受像シートのブ
ロッキング防止、受像シート及びインクシートをドラム
状支持体へ積層保持する際の均一密着性を向上させるた
めにも必要である。バックコート層は、バインダー樹脂
及びマット材から構成され、必要に応じて帯電防止剤、
塗布性を向上させるために各種活性剤を添加することが
できる。
【0062】バックコート層に用いられるバインダーと
しては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、芳香
族ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ア
ルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、弗素樹
脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウ
レタン変性シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、テフロン樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセテート、ポリカ
ーボネート、有機硼素化合物、芳香族エステル類、弗化
ポリウレタン、ポリエーテルスルホンなど汎用ポリマー
を使用することができる。
【0063】バックコート層のバインダーとして架橋可
能な水溶性バインダーを用い、架橋させることは、マッ
ト材の粉落ち防止やバックコートの耐傷性の向上に効果
がある。又、保存時のブロッキングにも効果が大きい。
【0064】この架橋手段は、用いる架橋剤の特性に応
じて、熱、活性光線、圧力の何れか一つ又は組合せなど
を特に限定なく採ることができる。場合によっては、支
持体への接着性を付与するため、支持体のバックコート
層を設ける側に任意の易接着層を設けてもよい。
【0065】バックコート層に好ましく添加されるマッ
ト材としては、有機又は無機の微粒子が使用できる。有
機系マット材としては、ポリメチルメタクリレート(P
MMA)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、その他のラジカル重合系ポリマーの微粒子、ポリエ
ステル、ポリカーボネートなど縮合ポリマーの微粒子な
どが挙げられる。
【0066】マット材は、形成されたバックコート層の
表面のRaが0.3以上1.5以下となるように粒径及
び添加量を決め、又Rzが3.0以上8.0以下であれ
ば好ましい。マット材は、その粒径分布が狭いほうが最
終画像の柚肌状のムラが発生しにくく好ましい。マット
材の粒径分布は、粒径分布の標準偏差を数平均粒径で割
った値σ/rn(=粒径分布の変動係数)が0.3以下
となるような粒径分布の狭いものを用いることで、異常
に大きい粒径を有する粒子により発生する欠陥を改善で
きる上、より少ない添加量で所望の性能が得られる。こ
の変動係数は0.15以下であることが更に好ましい。
【0067】バックコート層は0.5〜3g/m2程度
の付量で支持体に設けられることが好ましい。0.5g
/m2未満では塗布性が不安定で、マット材の粉落ち等
の問題が生じ易い。又、3g/m2を大きく超えて塗布
されると好適なマット材の粒径が非常に大きくなり、保
存時にバックコートによる受像層面のエンボス化が生
じ、特に薄膜の着色剤層を転写する薄膜溶融熱転写記録
では記録画像の抜けやムラが生じ易くなる。
【0068】受像シートはインクシートの形態により溶
融型又は昇華型に大別することができ、双方の受像シー
トの基体としては上記のインクシートと同等のものを使
用できるが、レーザーの波長の光を透過する必要はな
い。
【0069】溶融型又は昇華型の受像シートは、基体の
厚さが75以上175μm以下が好ましい。75μm未
満ではドラムの表面の影響により、受像シートとインク
シートの均一密着性が得られなくなり、一方175μm
を越えてもこれ以上の膜厚を上げる効果がなく、ロール
としてのハンドリングが悪くなる傾向にある。
【0070】インクシートが熱溶融タイプのインク層を
有する場合は溶融型の受像シートを用いる。該溶融型の
受像シートの受像層はバインダー樹脂とマット材より構
成され、該受像層膜厚は0.3以上3.0μm以下が好
ましい。
【0071】前記溶融型受像シートの受像層の膜厚が
3.0μmを大きく越えると、紙などの最終基体に転写
された最終画像の質感が、最終基体の質感と変わってし
まい、一方0.3μm未満では層自体の強度が不足し、
最終基体上に転写された後の擦れ等による画像欠落が起
こりやすく、転写される最終基体の選択の幅も狭くな
る。
【0072】前記マット剤の体積平均粒径は、受像層の
マット剤の存在しない部分の平均膜厚より1.5〜5.
5μm大きいものであることが好ましい。この粒径のマ
ット剤は、インクシートと受像シートの密着性を維持し
つつカブリがなく、転写後の受像層の印象が良好であ
る。マット剤の素材としては、PMMA(ポリメチルメ
タクリレート)等のアクリル樹脂、弗素系樹脂、シリコ
ン樹脂などの公知の有機微粒子を用いることができる。
有機微粒子は、粒子の強度、耐溶剤性などを増す他に最
終画像の光沢を良好にする効果がある。マット剤による
受像層表面の突起は200〜2000個/mm2である
ことが、最終転写画像の光沢やインクの受容性の点から
好ましい。マット材による突起が少ないと、受像シート
とインクシートとを密着させる際にシート間の空気が均
一に吸引できず、空気溜りとなって転写不良を引き起こ
すことがある。一方、突起が多すぎる場合には、転写さ
れたインク層がマット材突起に橋掛け状に転写され易い
ためか、転写画像の耐刷性が低下することがあり、又、
最終基体に転写した際の光沢が過度に抑えられ、特にプ
ルーフに好ましい光沢が得られ難くなる。受像層バイン
ダーの具体例としては公知のあらゆるものを用いること
ができ、特に、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステル、ポリエチルアクリレート等のアクリル系
又はメタクリル系のポリマーが好ましい。これらの樹脂
は、単独で用いることもできるが、数種を混合すること
も可能である。
【0073】前記溶融型受像シートの受像層には、前記
ポリマーの水系エマルジョンの他に、水溶性樹脂を適宜
併用することができる。これらの水溶性樹脂を併用する
場合には、受像層の主成分である水系エマルジョン樹脂
に対して30重量%以下の範囲で用いることが好まし
い。受像層とインク層との間の静止摩擦係数は、受像層
上に複数色の重ね印字を行う際のシートのズレによる色
ズレを防止し、かつ画像形成が終了して受像シートとイ
ンクシートとを剥離、搬送する際の搬送性を確保するこ
との2つを両立するために0.3〜0.7の範囲とする
ことが好ましい。即ち、インク層と受像層の間の静止摩
擦係数が0.3より小さいと、重ね合わせ時にシート同
士が滑り易くなり、色ズレが生じ易い。又、静止摩擦係
数が0.7より大きいと、滑りが悪くなり、剥離搬送が
スムーズに行われない傾向にある。
【0074】溶融型受像シートにクッション層を設ける
ことで、画像記録時に混入する微細なゴミによる画像転
写不良が低減される。一般的な溶融熱転写方式の場合、
インクシートのインク層は2μm以上の膜厚を有し、溶
融粘度も非常に低く設計されているため、インクシート
と受像シートとの間に混入したゴミは溶融したインク層
に覆われてしまい、余り問題にならないが、特に前記の
ような薄膜の着色剤層を利用する光熱変換型記録におい
ては、インクシートと受像シートとの間に混入したゴミ
は、明確な転写抜けとなるため問題であった。
【0075】該溶融型受像シートに設けられるクッショ
ン層は、25℃における弾性率が好ましくはl〜250
Kg/mm2、更に好ましくは2〜150Kg/mm2
あるような層が好ましい。或いは、JIS K2530
−1976に規定される針入度が15〜500、更に好
ましくは30〜300であるような層とするのが好まし
い。このような性質のクッション層を設けることにより
インクシートと受像シートとを密着させた時の密着性が
増し、結果としてインクシートと受像シートとの間に不
純物が混入した場合にもシート間の浮きが低減され、転
写画像の欠陥が少なくなる。又、一方で、転写感度が上
昇するという効果も得られる。
【0076】前記クッション層を形成する素材は、ガラ
ス転移点(Tg)が低い各種ゴムや樹脂類を主成分とす
ることが好ましい。一般的には、これらの中でも重量平
均分子量(Mw)が100,000以下の低分子量のも
のが好適に用いられるが、クッション層に要求される性
質を満たすものであれば、より高い分子量のものも用い
ることができる。又、各種可塑剤を併用することにより
樹脂の軟化点を下げることでクッション層として好適な
性能とすることもできる。クッション層は、溶剤塗布に
より設けることができるが、ラテックスやエマルジョン
のような水系の分散物の状態で塗布形成することも可能
である。この他、水溶性樹脂も使用できる。これらの樹
脂は、必要によって単独又は混合して用いることができ
る。前記以外の素材でも、各種添加剤を加えることによ
りクッション層に好ましい特性が得られる。添加剤とし
ては、ワックスなどの低融点物質、可塑剤などが挙げら
れる。これら添加剤の添加量はベースとなるクッション
層素材との組み合わせで好ましい物性を発現させるのに
必要な量を選択すればよく、特に限定されないが、一般
的にクッション層素材量の10重量%以下、更に5重量
%以下が好ましい。クッション層の好ましい膜厚は10
μm以上であり、更に好ましくは20μm以上である。
【0077】又、他の被転写体(コート紙、上質紙など
の紙類)に再転写する場合には、更に30μm以上の膜
厚が好ましい。クッション層の膜厚が10μm未満にな
ると、最終基体への再転写の際、抜けや欠けが発生する
場合がある。
【0078】クッション層と受像層の間に設けられる剥
離層用バインダーとしては、スチレン類及びこれらの樹
脂を架橋したもの、Tgが65℃以上の熱硬化性樹脂及
びそれら樹脂の硬化物が挙げられる。硬化物としてはイ
ソシアナート、メラミン等の一般的硬化剤を使用するこ
とができ、特に、ポリカーボネート、アセタール、エチ
ルセルロースが保存性の点で好ましい。
【0079】前記剥離層に導電性物質を含有すること
で、受像シートに転写された画像を受像層ごと最終基体
に転写する際に受像層と剥離層の間で発生する剥離帯電
が抑えられ、ゴミ等のひき寄せも無く、作業性にも優れ
た受像シートを得ることができる。
【0080】一般的な帯電防止剤としてはカチオン系界
面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性
剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子の他、「1129
0の化学商品」化学工業日報社、875〜876頁等に
記載の化合物などが広く用いられる。好適な導電性物質
は、帯電防止剤として知られる前記の物質の中でも特に
導電効果の高いものである。金属蒸着層は、クッション
層の特性を失わせる可能性が高く、使用には制限があ
る。受像層転写剥離時の帯電を防止するためには剥離層
の表面比抵抗を、23℃、湿度55%RHの環境で測定
した時に1×1010Ω以下とすることが好ましい。
【0081】溶融型受像シートから受像層を最終基体に
転写する場合には、ラミネーター等で加熱、加圧して受
像層を熱転写するため、受像シートも最終基体も非常に
乾燥した状態におかれる。それ故、通常の帯電防止とし
て広く用いられている1×1010Ω程度では剥離帯電を
防止し切れないのである。
【0082】前記剥離層の形成方法としては、前記素材
を溶媒に溶解又はラテックス状に分散した塗布液をブレ
ードコーター、ロールコーター、バーコータ、カーテン
コーター、グラビアコーターなどの塗布法、ホットメル
トによる押出しラミネーション法などが適用でき、クッ
ション層上に塗布し形成することができる。或いは、仮
べース上に前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分
散したものを前記の方法で塗布したものとクッション層
とを貼り合わせた後に、仮ベースを剥離して形成する方
法がある。
【0083】インクシートのインク層が昇華タイプの場
合、昇華型受像シートを用いる。該昇華型受像シート
は、少なくとも基体、クッション層、受像層から構成さ
れ、一方基体を挟んで受像層とは反対側にはバックコー
ト層が設けられる。好ましいクッション層及び受像層は
熱溶融タイプのインク層を有するインクシートを使用し
た場合とは異なる。
【0084】昇華型受像シートのクッション層として、
例えばポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルア
セタール、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリカプロ
ラクトン及びポリオレフィンから選択することができ
る。とりわけポリビニルアセタール例えばポリ(ビニル
アルコール−コ−ブチラール)、ポリオレフィン例えば
ポリプロピレン、並びに二塩基性芳香族酸例えばフタル
酸又は二塩基性脂環式酸例えばシクロヘキサンジカルボ
ン酸と、短鎖脂肪族ジオール例えばエチレングリコール
及び芳香族ビスフェノール例えばビスフェノールAとを
エステル化して誘導された線状ポリエステルが好まし
い。
【0085】該クッション層は、約0.5g/m2を上
回る塗布量、好ましくは約5〜50g/m2、最も好ま
しくは約10〜50g/m2の塗布量が有効である。
【0086】前記受像層は、ポリカーボネート、ポリウ
レタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、セルロースエ
ステル(例えば酢酪酸セルロースエステルもしくは酢酸
プロピオン酸セルロース)、ポリ(スチレン−コ−アク
リロニトリル)、ポリ(カプロラクトン)、ポリビニル
アセタール(例えばポリ(ビニルアルコール−コ−ブチ
ラール))、それらの混合物、又は他の従来の何れかの
ポリマー色素受像体材料を含んでなる。一般に約0.2
〜5g/m2の濃度で使用すると良好な結果が得られ
る。
【0087】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、以下に
示す「部」は「重量部」を示す。
【0088】〈受像シートの作製〉 (溶融型受像シート1) a)基体として、厚さ100μmのPETベース(ダイ
ヤホイルヘキスト社製、T100)に下記バックコート
層をワイヤーバーにて塗布・乾燥し、付き量0.3g/
2のバックコート層を形成した。
【0089】 バックコート層塗布液1 EG−05(ポリビニルアルコール、日本合成化学社製) 9.5部 サイリシア310 (平均粒径1.4μmシリカ、富士シリシア社製) 0.5部 純水 170部 イソプロピルアルコール 20部 b)その後、基体のバックコート層の反対の面に、下記
クッション層塗布液をアプリケーターにて塗布・乾燥
し、膜厚30μmのクッション層を得た。
【0090】 クッション層塗布液1 アクリル系ラテックス (カネボウNSC社製、ヨドゾールAD92K) 100部 c)次いで前記クッション層上に下記剥離層塗布液をワ
イヤーバー法にて塗布・乾燥し、膜厚1.8μmの剥離
層を得た。
【0091】 剥離層塗布液 エチルセルロース(ダウ・ケミカル社製、エトセル10) 10部 イソプロピルアルコール 90部 d)次いで剥離層上に下記受像層塗布液をワイヤーバー
法にて塗布・乾燥し、付き量1.5g/m2の受像層を
形成した。
【0092】 受像層塗布液 ポリアクリル酸ラテックス(カネボウNSC社製、 ヨドゾールA5805、固形分55%) 25部 マット材分散液 (総研化学社製、MX−40S、固形分30%) 1.8部 フッ素系樹脂 (住友化学社製、スミレーズレジンFP−150 4.2部 固形分15%) イソプロピルアルコール 9部 純水 60部 得られた受像シート1のバックコート層面のRaは0.
11μm、Rzは1.16μmであった。
【0093】(溶融型受像シート2)厚さ100μmの
PETベース(ダイヤホイルヘキスト社製、T100)
にバックコート層塗布液2をワイヤーバーにて塗布・乾
燥し、付き量0.8g/m2のバックコート層を形成し
た基体に、前記受像シート1と同様にしてクッション
層、剥離層、受像層を形成して受像シート2を作製し
た。
【0094】 バックコート層塗布液2 ポリビニルアルコール(日本合成化学社製、EG−05) 9.4部 MX−1000(綜研化学(株)社製、 平均粒径10μm、架橋PMMA微粒子) 0.6部 純水 170部 イソプロピルアルコール 20部 得られた受像シート2のバックコート層面のRaは0.
41μm、Rzは4.2μmであった。
【0095】(溶融型受像シート3)厚さ100μmの
PETベース(ダイヤホイルヘキスト社製、T100)
にバックコート層塗布液3をワイヤーバーにて塗布・乾
燥し、付き量0.8g/m2のバックコート層を形成し
た基体に、前記受像シート1と同様にしてクッション
層、剥離層、受像層を形成して受像シート3を作製し
た。
【0096】 バックコート層塗布液3 ポリビニルアルコール(日本合成化学社製、EG−05) 9.4部 MR−20G(綜研化学(株)社製、 0.6部 平均粒径13μm、架橋PMMA微粒子) 純水 170部 イソプロピルアルコール 20部 得られた受像シートのバックコート面のRaは1.7μ
m、Rzは13μmであった。
【0097】(昇華型受像シート4)厚さ100μmの
PETベース(ダイヤホイルヘキスト社製、T100)
に、下記クッション層塗布液をアプリケーターにて塗布
・乾燥し、膜厚15μmのクッション層を得た。
【0098】 クッション層塗布液2 ポリビニルアセタール(Kw−1、積水化学社製、固形分19%)60部 純水 40部 次いでクッション層上に下記剥離層塗布液をワイヤーバ
ー法にて塗布・乾燥し、膜厚0.25μmの剥離層を得
た。
【0099】 剥離層塗布液2 活性シロキサンポリマー(ダウ・コウニング社製、 9.1部 Syloff 7146) 架橋剤(ダウ・コウニング社製、Syloff 7048) 0.04部 トルエン 90.86部 次いで剥離層上に下記受像層塗布液をワイヤーバー法に
て塗布・乾燥し、付き量4.1g/m2の受像層を形成
した。
【0100】 受像層塗布液 ポリビニルブチラール(積水化学社製、BH−3) 9.7部 架橋剤PMMA粒子(綜研化学社製、 0.3部 MX−1500、平均粒径15μm) エタノール 50部 メチルエチルケトン 40部 得られた受像シートの受像層を有しない面のRaは0.
06μm、Rzは0.7μmであった。
【0101】(昇華型受像シート5)前記受像シート2
と同様にバックコート層を形成した基体に、前記受像シ
ート4と同様にしてクッション層と受像層を形成して受
像シート5を作成した。得られた受像シートのバックコ
ート面のRaは0.41μm、Rzは4.2μmであっ
た。
【0102】〈インクシートの作製〉 (溶融型インクシート1) a)受像シートと同様にしてバックコート層を設けた基
体のバックコート層の反対の面に、下記クッション層塗
布液をアプリケーターにて塗布・乾燥し、膜厚6μmの
クッション層を得た。
【0103】 クッション層塗布液 スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレン樹脂 14部 (クレイトンG1657:シェル化学社製) タッキファイヤー(スーパーエステルA100:荒川化学社製) 6部 メチルエチルケトン(MEK) 10部 トルエン 80部 b)次いでクッション層上に下記光熱変換層塗布液をワ
イヤーバー法にて塗布・乾燥し、付き量0.7g/m2
の光熱変換層を得た。
【0104】 光熱変換層塗布液 ポリビニルアルコールの10wet%水溶液 6.7部 (ゴーセノールEG−30:日本合成紙化学社製) カーボンブラック分散物(固形分30%) 0.9部 (SD−9020:大日本インキ社製) 水 0.6部 i−プロピルアルコール 1.8部 c)次いで光熱変換層上に下記インク層塗布液をワイヤ
ーバー法にて塗布・乾燥し、付き量0.6g/m2のイ
ンク層を形成した。
【0105】 インク層塗布液 マゼンタ顔料分散物 12部 (MHIマゼンタ#1038:御国色素社製、顔料固形分 10wet%、平均粒径0.16μm) スチレン/アクリル樹脂(ハイマーSBM73F 2.4部 :三洋化成社製) エチレン/酢酸ビニル樹脂(エバフレックス EV40Y 0.2部 三井デュポンポリケミカル) フッ素系界面活性剤(サーフロンS−382:旭硝子(株)) 0.1部 メチルエチルケトン(MEK) 60.5部 シクロヘキサノン 24.8部 (溶融型インクシート2)受像シートと同様にしてバッ
クコート層を設けた基体のバックコート層の反対の面
に、下記インク層塗布液をワイヤーバー法にて塗布・乾
燥し、付き量1.2g/m2のインク層を得た。
【0106】 インク層塗布液 マゼンタ色素 52部 イエロー色素 6部 IR吸収色素(シアニン) 7部 酢酸プロピオン酸セルロース 35部 ジクロロメタン/1,2−トリクロロエタン混合物(1:1) 90部
【0107】
【化2】
【0108】実施例1 Ra=1.6μm、Rz=11μmの表面形状を有し、
直径23.5cm、幅85cmのドラム状支持体を備え
た図2に示す画像記録装置に、上記のごとく得られた受
像シート1〜3とインクシート1をセットし、全面ベタ
画像とウエッジ画像を繰り返し連続して5版ずつ出力
し、ラミネータ(東京ラミネックス(株)DX−70
0)にて127g/m2のアート紙に再転写し、最終画
像を得た。得られた画像について下記の評価を行った。
【0109】〈評価〉 (濃度均一性)全面ベタ画像の10cm間隔で面内の濃
度を測定し、濃度の最大値と最小値の差を求めた。
【0110】(濃度ムラ)出力した全面ベタ画像の柚肌
状のムラ、ドラム状支持体の吸引孔の跡などの全体的及
び局部的なムラを、目視で評価した。
【0111】 ○・・・目視でのムラが分からない △・・・局部的にムラが発生する場合がある ×・・・全面にムラがあることが分かる。
【0112】(ドットゲイン再現性)ウエッジ画像を反
射濃度計(GRETAG D−186)を使用して50
%ドットゲイン(DG)を測定した。
【0113】 ○・・・ドットゲインの変動幅が3%以内 ×・・・ドットゲインの変動幅が3%を越える。
【0114】
【表1】
【0115】表1から明らかなように、表面のRaが本
発明のドラム状支持体にバックコート層のRaが本発明
の受像シートを搭載し、画像記録を行った場合には、濃
度均一性、濃度ムラ、DG再現性の何れも良好な結果を
奏していることが分かる。
【0116】実施例2 Ra=0.15μm、Rz=1.5μmの表面形状を有
し、直径23.5cm、幅85cmドラム状支持体を備
えた図2に示す画像記録装置に受像シート1〜3とイン
クシート1をセットし、全面ベタ画像とウエッジ画像を
繰り返し連続して5版ずつ出力し、ラミネータ(東京ラ
ミネックス(株)DX−700)にて127g/m2
アート紙に再転写し、最終画像を得た。得られた画像に
ついて実施例1と同様に評価した。結果を以下の表2に
示す。
【0117】
【表2】
【0118】表2から明らかなように、バックコート層
のRaが本発明の受像シートを搭載し、画像記録を行っ
た場合には、濃度均一性、濃度ムラ、DG再現性の何れ
も良好な結果を奏していることが分かる。しかしながら
ドラム状支持体の表面のRa及び受像シートのバックコ
ート層のRaがいずれも本発明外の場合には、濃度均一
性、濃度ムラ、DG再現性のうちの2つ以上に劣化が見
られる。
【0119】実施例3 実施例1と同じ画像記録装置に、受像シート4及び5と
インクシート2をセットし、実施例1と同様に画像記録
及び評価を行った。得られた結果を以下の表3に示す。
【0120】
【表3】
【0121】表3から明らかなように、表面のRaが本
発明のドラム状支持体にバックコート層のRaが本発明
の受像シートを搭載し、画像記録を行った場合には、濃
度均一性、濃度ムラ、DG再現性の何れも良好な結果を
奏していることが分かる。
【0122】実施例4 実施例2と同じ画像記録装置に、インクシート2をセッ
トし、実施例1と同様に画像記録及び評価を行った。得
られた結果を以下の表4に示す。
【0123】
【表4】
【0124】表4から明らかなように、バックコート層
のRaが本発明の受像シートを搭載し、画像記録を行っ
た場合には、濃度均一性、濃度ムラ、DG再現性の何れ
も良好な結果を奏していることが分かる。しかしながら
ドラム状支持体の表面のRa及び受像シートのバックコ
ート層のRaがいずれも本発明外の場合には、濃度均一
性、濃度ムラ、DG再現性の全てにおいて劣化が見られ
る。
【0125】
【発明の効果】本発明により、ドラム状支持体への受像
シートとインクシートの巻きつけ性、保持性、受像シー
トとインクシートの均一密着性の向上、及び画像出力安
定性を改善し得るという顕著に優れた効果を奏する。具
体的には、受像シートに転写された画像の濃度均一性が
優れ、濃度ムラが改善され、しかも最終プルーフでのド
ットゲインの変動幅が低減されているなど、画像のボケ
防止にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像記録装置の概略図。
【図2】本発明に係る画像記録装置の一例の概略図。
【図3】ドラム状支持体及び加圧ロールの斜視図。
【図4】ドラム状支持体の横断面図。
【図5】インクシートと受像シートの一例を示す断面
図。
【符号の説明】
10 インクシート 20 受像シート 30 供給装置 41 ドラム状支持体 50 書き込みヘッド手段 60 排出部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク面が内側に巻き回されたロール状
    のインクシートと受像面が外側に巻回されたロール状の
    受像シートを用い、該両シートをそれぞれ所定の長さに
    カットしてドラム状の支持体に積層保持した状態でレー
    ザー光を照射することにより、前記インクシートのイン
    クを前記受像シートの受像面に転移させて画像を形成す
    る画像形成方法であって、前記受像シートの背面に設け
    られる層の中心線平均粗さ(Ra)が0.3以上1.5
    μm以下であることを特徴とするレーザー熱転写画像形
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記受像シートの背面に設けられる層の
    平均粗さ(Rz)が3.0以上8.0μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のレーザー熱転写画像形成
    方法。
  3. 【請求項3】 インク面が内側に巻き回されたロール状
    のインクシートと受像面が外側に巻回されたロール状の
    受像シートを用い、該両シートをそれぞれ所定の長さに
    カットしてドラム状の支持体に積層保持した状態でレー
    ザー光を照射することにより、前記インクシートのイン
    クを前記受像シートの受像面に転移させて画像を形成す
    る画像形成方法であって、前記支持体表面の中心線平均
    粗さ(Ra)が1.0以上3.0μm以下であり、かつ
    該支持体の直径が200mm以上であることを特徴とす
    るレーザー熱転写画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記支持体表面の平均粗さ(Rz)が
    5.0以上15.0μm以下であることを特徴とする請
    求項3記載のレーザー熱転写画像形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347183A (ja) * 2001-05-24 2002-12-04 Kimoto & Co Ltd 印刷用シート
WO2002096667A1 (fr) * 2001-05-28 2002-12-05 Fuji Photo Film Co., Ltd. Procede d'enregistrement par transfert thermique par laser
JP2005525257A (ja) * 2002-05-13 2005-08-25 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 耐久性集成体を提供する画像形成方法および製品

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