JPH09150535A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH09150535A
JPH09150535A JP33262795A JP33262795A JPH09150535A JP H09150535 A JPH09150535 A JP H09150535A JP 33262795 A JP33262795 A JP 33262795A JP 33262795 A JP33262795 A JP 33262795A JP H09150535 A JPH09150535 A JP H09150535A
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JP
Japan
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thermal transfer
image
sheet
image receiving
receiving sheet
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JP33262795A
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English (en)
Inventor
Yonosuke Takahashi
洋之介 高橋
Jun Yamaguchi
潤 山口
Naoya Imamura
直也 今村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ記録装置における色相の異なる複数の
熱転写材料の供給、搬送系を簡略化することにより、装
置の小型化、コストの低減化を可能にする。 【解決手段】 異なった色相の熱転写性インキ層が面順
次に長さ方向に周期的に設けられた長尺状熱転写材料
と、受像シートとを用意し、熱転写材料から受像シート
より大きいサイズに切断分離した第一色目の熱転写シー
トを受像シートに重ねた後、レーザ光を照射し、受像シ
ート上に画像を転写させた後、受像シートからはみ出し
た部分を掴んで熱転写シートを剥離する工程、次いで、
前記熱転写材料から得た第二色目の熱転写シートを前記
一色目の画像が形成された受像シートの該画像上に重
ね、レーザ光を照射し、受像シート上に二色目の画像を
転写させた後、同様に熱転写シートを剥離する工程を含
む画像形成方法。受像シートに熱転写材料を重ねた後、
熱転写材料から切断分離した熱転写シートを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
感熱転写シートの熱転写性インキ層に形成された画像を
該転写シートと重ね合わせた受像シートに転写し、受像
シート上に転写画像を形成する方法に関するものであ
る。特に、本発明は、各色相の熱転写性インキ層が面順
次に周期的に設けられた長尺状の感熱転写シートを用い
て、レーザ記録装置の簡易化、小型化を可能にした画像
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からレーザ光を利用してカラー画像
を形成する感熱転写記録方式が知られている。この記録
方式では、支持体上に、レーザ光を吸収して熱を発生す
る光熱変換層及び顔料や染料などの色材とワックスなど
の結合剤とからなる熱溶融性のインキ転写層(画像形成
層)を積層させた熱溶融型の熱転写シートや、支持体上
に、レーザ光を吸収して熱を発生する光熱変換層及び昇
華型染料と結合剤とからなる転写層(画像形成層)を設
けた昇華型の熱転写シートが用いられる。熱溶融型の熱
転写シートの場合は、レーザ光の照射を受けた領域の光
熱変換層で発生した熱によりその領域に対応する画像形
成層が熱溶融により、また昇華型の熱転写シートの場合
は昇華性色素の昇華により、それぞれ転写シート上に積
層配置された受像シート上に転写され、受像シート上に
転写画像が形成される。
【0003】近年では、レーザ光を利用した画像形成方
式として、感熱転写シートのインキ層の上に受像シート
を重ね、感熱転写シートの背面からデジタル信号により
変調されたレーザービームを照射し、局所的に剥離させ
て受像シート上に転写画像を形成する、所謂アブレーシ
ョン法を利用するデジタル画像形成方法も開発されてい
る。この画像形成方法では、用いる感熱転写シートのイ
ンキ層が、バインダとして熱可塑性樹脂を用いているた
め顔料の高分散化が可能となり、これにより薄膜化が達
成されているため、高感度、高解像度の転写画像を得る
ことができる。なお、このアブレーション法を利用する
場合には、画質の向上を目的に、通常光熱変換層とイン
キ層との間に、更に感熱剥離層が設けられた熱転写シー
トが有利に用いられている(特開平6−219052号
公報)。
【0004】レーザ熱転写記録方式を利用するシステム
としては、例えば、特開平5−304589号公報に記
載されているような校正印刷装置(レーザサーマルプリ
ンタプルーファ)が知られている。この装置を利用した
カラー画像形成方法を添付の図7を参照しながら以下簡
単に説明する。このレーザ熱転写記録装置80は、該装
置の筐体81のなかに、素材供給部82、シートカッタ
部83、シート搬送部84、画像形成(記録)ドラム8
5、書き込み用ヘッド86、使用済みシート排出部8
7、そして出来上がりシート排出部88が組み込まれて
いる。まず、素材供給部82に用意されたロール状の記
録紙(受像材料)89からその先端部が引き出され、所
定の長さのところで記録紙はシートカッタ部で切断され
る。切断された記録シート(受像シート)は、シート搬
送部84により、画像形成ドラム85に送られ、ドラム
内部からの真空吸着により固定される。次いで、素材供
給部82に用意された第一色目のロール状の転写紙(熱
転写材料)90からその先端部が引き出され、転写紙は
所定の大きさでシートカッタ部83で切断される。切断
された転写シート(熱転写シート)はシート搬送部84
により画像形成ドラム85に送られ、前記固定された記
録シート上にその転写層(インキ層)側で重ねられ、記
録シートと同様に真空吸着により固定される。転写シー
トが固定された後、次に、該転写シートの背面から、書
き込みヘッド部86から照射されたレーザビームを照射
することにより、転写シートにイメージが形成され、記
録シートにイメージ画像が転写される。レーザ記録後、
転写シートは、記録シートから剥離され、使用済みシー
ト排出部87から装置の外に排出される。このようにし
て第一色目の画像が記録シート上に形成される。次に、
前記一色目の転写シートと同様にして、素材供給部82
に用意された前記転写紙とは異なる色相の別のロール状
の転写紙91から切断分離された転写シートが、ドラム
上の第一色目の画像が形成された記録シートに重ねら
れ、そしてレーザ記録、記録シートからの剥離を行うこ
とにより、記録シート上に二色目の画像が形成される。
このように記録シート上の転写画像が所望の色相になる
まで素材供給部82の転写紙から切断された転写シート
が一枚ずつ順にドラムに供給され、前記と同様な工程が
繰り返される。最終的に記録シートへの画像形成が完了
した後、該記録シートは、出来上がりシート排出部88
から装置の外に製品として排出される。
【0005】上記のように従来のレーザ記録システムに
用いられているロール状の記録紙及び色相の異なった複
数の転写紙は、レーザ記録前にそれぞれ一回の記録に要
するシートで切断される。そして記録ドラムへの吸着、
固定が容易なように転写紙は記録紙より幅広で、かつ切
断後のシートのサイズも転写シートの方が記録シートよ
り大きなサイズ(即ち、四辺共に転写シートの方が大き
なサイズ)のものが用いられている。なお、記録紙や転
写紙は、通常それぞれ長尺状の支持体上にその幅の全面
にわたって記録層(受像層)、あるいはインキ層(転写
層)が長さ方向に連続的に塗設されたものが用いられて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記システムでは、複
数の転写紙(熱転写材料)や記録紙(受像材料)などの
素材は、ロール状に巻かれた状態で供給されているた
め、例えば、素材のいずれもが所定のサイズに切断され
たシート状、あるいはその一方がシート状で、他方がロ
ール状に巻かれた状態で供給する従来の他の方法に比べ
て、シート状の場合に見られる二重送りなどの搬送トラ
ブルがなく、また各色毎の複数枚のシートを備えておく
ためのカセットやその搬送機構などの複雑な装置の必要
もないために低コストにできるなどの利点がある。しか
しながら、上記システムにおいても複数のロール状に巻
かれた転写紙を備えるための装置が必要であるなど必ず
しも装置全体の簡略化、小型化が充分為されているとは
言えない。
【0007】本発明の目的は、レーザ記録装置におけ
る、色相の異なる複数の熱転写材料の供給、搬送系を更
に簡略化することにより、装置の小型化、コストの低減
化を可能にした画像形成方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究の結果、
ロール状に巻かれた熱転写材料として、各色相の熱転写
性インキ層が面順次に設けられた熱転写材料を用いるこ
とにより、従来のように各色相毎に複数の熱転写材料を
用意する必要がなく、熱転写材料の供給、搬送系を更に
簡略化できることを見出し、本発明に到達したものであ
る。特に各色相の熱転写性インキ層を支持体上にインキ
未塗設部を残すように塗設した熱転写材料を用いること
により、このインキ未塗設部を所定の大きさに切断分離
後の熱転写シートの端部(受像シートに重ねた時のはみ
だした部分)として利用でき、上記熱転写材料の供給、
搬送系の簡略化と共に熱転写材料自体の製造コストの低
減化も可能となる。
【0009】本発明は、長尺状の支持体上に一画面記録
領域毎に異なった色相の熱転写性インキ層が面順次に長
尺方向に周期的に設けられた熱転写材料と、該熱転写材
料より狭い幅の受像シートとを用意し、長尺状の熱転写
材料から一画面記録領域を持つ第一色目の熱転写シート
を切断分離した後、該一色目の熱転写シートの画面記録
領域面側を該受像シートに重ね合わせ、熱転写シートの
背面からデジタル信号により変調されたレーザビームを
照射し、受像シート上に転写画像を形成させた後、受像
シートよりはみ出した部分の熱転写シートを掴んで受像
シートから剥離する工程、次いで、前記長尺状の熱転写
材料から次の一画面記録領域を持つ第二色目の熱転写シ
ートを切断分離した後、該二色目の熱転写シートの画面
記録領域面側を前記一色目の画像が形成された受像シー
トの該画像上に重ね合わせ、該熱転写シートの背面から
レーザビームを照射し、受像シート上に二色目の転写画
像を形成させた後、受像シートよりはみ出した部分の熱
転写シートを掴んで受像シートから剥離する工程を含む
画像形成方法にある。
【0010】また本発明は、長尺状の支持体上に一画面
記録領域毎に異なった色相の熱転写性インキ層が面順次
に長尺方向に周期的に設けられた熱転写材料と、該熱転
写材料と同等、あるいはそれ以上の幅の受像シートとを
用意し、長尺状の熱転写材料から一画面記録領域を持つ
第一色目の熱転写シートをその長さ方向が、前記受像シ
ートの長さ方向より長い寸法で切断分離した後、該一色
目の熱転写シートの画面記録領域面側を該受像シートに
重ね合わせ、熱転写シートの背面からデジタル信号によ
り変調されたレーザビームを照射し、受像シート上に転
写画像を形成させた後、受像シートよりはみ出した部分
の熱転写シートを掴んで受像シートから剥離する工程、
次いで、前記長尺状の熱転写材料から次の一画面記録領
域を持つ第二色目の熱転写シートをその長さ方向が、前
記受像シートの長さ方向より長い寸法で切断分離した
後、該二色目の熱転写シートの画面記録領域面側を前記
一色目の画像が形成された受像シートの該画像上に重ね
合わせ、該熱転写シートの背面からレーザビームを照射
し、受像シート上に二色目の転写画像を形成させた後、
受像シートよりはみ出した部分の熱転写シートを掴んで
受像シートから剥離する工程を含む画像形成方法にもあ
る。
【0011】更に、本発明は、長尺状の支持体上に一画
面記録領域毎に異なった色相の熱転写性インキ層が面順
次に長尺方向に周期的に設けられた熱転写材料と、該熱
転写材料より狭い幅の受像シートとを用意し、その長尺
状の熱転写材料の第一色目の一画面記録領域をその画面
記録領域面側で前記受像シートに重ね合わせ、該熱転写
材料から第一色目の熱転写シートを切断分離したのち、
該一色目の熱転写シートの背面からデジタル信号により
変調されたレーザビームを照射し、受像シート上に転写
画像を形成させた後、受像シートよりはみ出した部分の
熱転写シートを掴んで受像シートから剥離する工程、次
いで、前記長尺状の熱転写シートの次の二色目の一画面
記録領域をその画面記録領域面側で前記一色目の画像が
形成された受像シートに重ね合わせ、該熱転写材料から
第二色目の熱転写シートを切断分離した後、該二色目の
熱転写シートの背面からレーザビームを照射し、受像シ
ート上に二色目の転写画像を形成させた後、受像シート
よりはみ出した部分の熱転写シートを掴んで受像シート
から剥離する工程を含む画像形成方法にもある。
【0012】また更に、本発明は、長尺状の支持体上に
一画面記録領域毎に異なった色相の熱転写性インキ層が
面順次に長尺方向に周期的に設けられた熱転写材料と、
該熱転写材料と同等、あるいはそれ以上の幅の受像シー
トとを用意し、その長尺状の熱転写材料の第一色目の一
画面記録領域をその画面記録領域面側で前記受像シート
に重ね合わせ、該熱転写材料から一画面記録領域を持つ
第一色目の熱転写シートをその長さ方向が、前記受像シ
ートの長さ方向より長い寸法で切断分離した後、該一色
目の熱転写シートの背面からデジタル信号により変調さ
れたレーザビームを照射し、受像シート上に転写画像を
形成させた後、受像シートよりはみ出した部分の熱転写
シートを掴んで受像シートから剥離する工程、次いで、
前記長尺状の熱転写シートの次の二色目の一画面記録領
域をその画面記録領域面側で前記一色目の画像が形成さ
れた受像シートに重ね合わせ、該熱転写材料から一画面
記録領域を持つ第二色目の熱転写シートをその長さ方向
が、前記受像シートの長さ方向より長い寸法で切断分離
した後、該二色目の熱転写シートの背面からレーザビー
ムを照射し、受像シート上に二色目の転写画像を形成さ
せた後、受像シートよりはみ出した部分の熱転写シート
を掴んで受像シートから剥離する工程を含む画像形成方
法にもある。
【0013】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)異なった色相の熱転写性インキ層が、一画面記録
領域毎にインキ未塗設部を介在させながら長さ方向に設
けられている。 (2)異なった色相の熱転写性インキ層が、両側側部に
インキ未塗設部を残して長さ方向に設けられている。 (3)異なった色相の熱転写性インキ層が、一画面記録
領域毎にインキ未塗設部を介在させながら、かつ両側側
部にもインキ未塗設部を残して長さ方向に設けられてい
る。 (4)熱転写性インキ層が、ブラック、シアン、マゼン
タ、及びイエローの四色のうちの少なくとも二種類の色
相で構成されている。 (5)受像シートが、長尺状の受像材料から切断分離さ
れたものである。
【0014】(6)熱転写性インキ層が、30〜80重
量%の顔料及び70〜20重量%の熱可塑性樹脂(好ま
しくは、熱可塑性樹脂が、軟化点が40℃〜150℃の
非晶質有機高分子重合体である。) (7)熱転写性インキ層の層厚が、0.2〜1.5μm
(更に好ましくは、0.2〜1.0μm、特に、0.2
〜0.6μm)の範囲にある。 (8)熱転写シートが、支持体と熱転写性インキ層との
間に、更に光熱変換層を有している。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の画像形成方法に
用いられる熱転写材料について図を参照しながら説明す
る。図1〜図4は、それぞれ熱転写材料1の各態様の一
例の平面図を模式的に示した図である。本発明で用いら
れる熱転写材料は、図1に示されるように、長尺状の支
持体2上に一画面記録領域L毎に異なった色相の熱転写
性インキ層3(K/ブラック)、4(C/シアン)、5
(M/マゼンタ)、及び6(Y/イエロー)が面順次に
長さ方向に周期的に設けられている。一画面記録領域L
は、長尺状の支持体2の幅と共に通常一回のレーザ記録
に必要な領域となるように設定されている。また異なっ
た色相の熱転写性インキ層は、カラープルーフの用途に
おいては、通常四色で構成されるが必ずしも四色である
必要はない。また色相の配置順も特に制限はない。本発
明で用いられる熱転写材料としては、図2〜図4に示さ
れているように、上記熱転写性インキ層をインキ未塗設
部7を残して塗設された態様であることが好ましい。
【0016】図2に見られるように、熱転写材料1に
は、長尺状の支持体2上に一画面記録領域L毎に異なっ
た色相の熱転写性インキ層3〜6が一画面記録領域L毎
にインキ未塗設部7を介在させながら長さ方向に周期的
に設けられている。また一画面記録領域L毎に異なった
色相の熱転写性インキ層3〜6は、図3及び図4に見ら
れるように、両側側部にインキ未塗設部7を残して、あ
るいは両側側部にインキ未塗設部7を残し、かつ一画面
記録領域L毎にインキ未塗設部7を介在させながら設け
ることもできる。インキ未塗設部7の幅は任意である
が、後述するようにレーザ記録時に熱転写シートを受像
シートに重ね合わせた際に、真空吸着によりしっかり固
定できる幅であること、またレーザ記録後、受像シート
から熱転写シートの端部を掴んで剥離するのに必要な幅
があることが好ましい。なお、図2に見られるように、
各一画面記録領域Lに対応して裁断位置を検出するため
の位置検出マークを付設することもできる。これにより
熱転写材料から一回のレーザ記録に必要な分の熱転写シ
ートの切断を正確に行うことができる。
【0017】本発明の画像形成方法に用いられる受像シ
ートは、転写画像を受像できるものであれば、特に限定
されない。例えば、普通紙、合成紙、あるいはプラスチ
ックフィルムなど種々のものを使用することができる。
本発明においては、支持体上に熱可塑性樹脂からなる受
像層を有する受像シートを好ましく使用することができ
る。なお、本発明の画像形成に際しては、受像シート
は、長尺状の受像材料から所定の大きさに予め切断分離
したものを用いても良いし、あるいはまた長尺状の受像
材料を用い、レーザ記録装置内において、レーザ記録前
に所定の大きさに切断分離して用いても良い。
【0018】次に、前述した熱転写材料及び受像シート
を用いて本発明の画像形成方法を説明する。なお、本発
明の画像形成方法を実施する場合には、用いる熱転写材
料から切断分離された熱転写シート、及び受像シート
は、通常レーザ記録ドラムへの固定がより確実に行われ
るように、熱転写シートの方が受像シートよりその長さ
方向、あるいは幅方向の少なくとも一方が大きなザイズ
のものが用いられる。本発明においては、図5に示すよ
うに、熱転写シートの方が受像シートよりその長さ方
向、及び幅方向のいずれもが大きなザイズ(四辺共に大
きなサイズ)のものを用いることが好ましい。以下の例
は、上記図5に示した熱転写シートの四辺のすべてが受
像シートより大きなサイズのものを用いた場合の例であ
る。
【0019】図6は、本発明の画像形成方法を実施する
ために有利なレーザ熱転写記録装置60の主要構成を模
式的に示した図である。レーザ記録装置60は、装置筐
体61と、これに収納された、素材供給部62、シート
カッター部63、シート搬送部64、画像形成(記録)
ドラム65、シート固定部66、ラミネートロール機構
部67、書き込み(レーザ)ヘッド部68、剥離機構部
69、使用済シート(転写シート)排出部70、そして
出来上がりシート(受像シート)排出部71から構成さ
れている。
【0020】図のように、素材供給部62には、前述し
た、一画面記録領域毎に異なった色相の熱転写性インキ
層を有する長尺状の熱転写材料72と、該熱転写材料よ
り幅の狭い長尺状の受像材料73がロール状に巻かれた
状態で保持されている。まず、受像材料73からその先
端が引き出され、位置検出器74で測定された一画面記
録領域に相当する長さの受像材料がシートカッター部6
3に送られ、そこで切断される。切断された受像シート
Rは、シート搬送部64により、真空引き用の溝を設け
た画像形成ドラム65に送られる。受像シートRはドラ
ムの周囲に巻かれ、位置決めされた後、ドラム内部に設
けられた真空引き装置(記載なし)による真空吸着に続
いてシート固定部66により固定される。なお、受像シ
ートの固定には、ピン止め機構、あるいはマグネット吸
着等の方法を利用することも可能である。
【0021】次に、素材供給部の熱転写材料72から一
画面記録領域を持つ第一色目の熱転写シートT1の先端
が引き出され、上記受像材料と同様にして、位置検出器
74で測定された後、シートカッター部63に送られ、
第一色目の熱転写シートT1は、前記受像シートRより
長い寸法で切断される。切断された熱転写シートT1
は、シート搬送部64により、画像形成ドラム65に送
られ、位置決めされた後、ドラム周囲の受像シートRに
重ねられる。次いで、ドラムを低速で回転させながらド
ラムの上方に設けられたラミネートロール機構部67に
より、受像シートRおよび熱転写シートT1は加熱、加
圧されて、均一に密着される。密着状態にある受像シー
トと熱転写シートは、サイズの大きい熱転写シートが受
像シートの全面を完全に覆った状態にあるため、真空吸
着によりまたシート固定部66によりしっかり固定され
る。なお、上記のラミネートロール機構部には、例え
ば、電気ヒータをロール中心部に配置し、その回りに耐
熱性ゴムを巻き付けた構造のヒートロールを使用するこ
とができる。そして通常の状態では、この機構部は、記
録ドラムから離して保持されており、受像シート上に熱
転写シートが重ね合わされた段階で、記録ドラムに接近
し、更に熱転写シートの端部に押し当てられる様に構成
されている。
【0022】次いで、固定された熱転写シートT1の背
面から、ワークステーションから出るデジタル画像信号
に変調されたレーザビームを照射することにより、熱転
写シートT1にイメージが形成され、受像シートRにイ
メージ画像が転写される。レーザビームの照射は、ドラ
ムの回転と共に書き込みヘッド部68をその回転方向と
直角方向に走査させながら行われる。レーザ記録後、熱
転写シートT1は、ドラムの回転により剥離機構部69
に送られ、シート固定部66の解除、続いて熱転写シー
トを吸着している部分のみ真空吸着の解除が行われる。
固定解除された熱転写シートT1の端部は自己の弾性に
よりドラムから離れるため、その部分を機械的に掴みつ
つ、ドラムを回転させることにより熱転写シートT1
は、受像シートRから剥離される。該熱転写シートの端
部(即ち、受像シートからはみ出した部分)はインキ未
塗設部となっているため、剥離機構部の機械的に掴む手
段はより簡単な機構とすることができる。受像シートか
ら剥離された熱転写シートT1は使用済みシート排出部
70から装置の外に排出される。このようにして第一色
目の画像が受像シートR上に形成される。
【0023】なお、上記のようにインキ未塗設部が形成
されるように本発明で用いる熱転写シートを作成した場
合には、以下のような利点がある。即ち、受像シートか
らはみ出した部分をインキ未塗設部とすることができる
ため、熱転写性インキ層がドラムに一部転写して汚れる
ことはなく、また汚れが飛散して画像欠陥の原因となる
こともない。また一般に上記のような密着固定機構では
受像シートの周縁部では圧力が大きくなり易く、従って
インキ未塗設部を有しない熱転写シートを用いた場合に
は、レーザ未照射領域でも熱転写性インキ層が転写し易
くなる。このため得られた画像を印刷本紙に再転写した
際には所謂カブリの原因となる場合がある。しかし上記
のように受像シートからはみ出した部分をインキ未塗設
部とすることにより、このようなカブリを防止すること
ができる。また更に後述するように、受像シートとして
は二層構造の受像層を有する受像シートを用いる場合が
多いが、このような受像シートを用いた場合には、熱転
写性インキ層はラミネートにより受像層と密着状態にあ
るため、レーザ記録後、剥離現像する際に、受像シート
の周縁部から第二受像層が第一受像層から剥れて第二受
像層が熱転写シート側に転写する、所謂受像層逆転写現
象が生じ易い。しかし受像シートからはみ出した部分を
インキ未塗設部とすることにより、受像シートの端部の
密着面は熱転写シートの支持体の表面となるため受像層
との接着力は小さくなり、従って上記のような受像層逆
転写現象を低減することができる。
【0024】次に、前記一色目の転写シートと同様にし
て、二色目の転写シートT2(記載なし)が前記熱転写
材料72から引き出され、切断分離後、前記と同様な工
程を経て、ドラム上の第一色目の画像が形成された受像
シートRに重ねられる。そしてレーザ記録、転写シート
T2の受像シートからの剥離を行うことにより、受像シ
ートR上に二色目の画像が形成される。このように転写
操作が、前記熱転写材料に設けられた熱転写性インキ層
の各色について面順次(各色の熱転写シート毎)に行わ
れることにより、受像シートへの多色の画像形成が完了
する。最終的に得られた受像シートRは、真空吸着、及
びシート固定部66の解除により、出来上がりシート排
出部71から装置の外に製品として排出される。
【0025】以上説明した画像形成方法においては、熱
転写材料から所定の寸法の熱転写シートを切断分離し、
これを受像シートに重ね合わせた後、以降のレーザ記録
等の工程が行われているが、本発明においては、受像シ
ートに熱転写材料を重ね合わせ、この熱転写材料を切断
して所定の寸法の熱転写シートとした後、以降のレーザ
記録等の工程が行われる方法を利用しても実施すること
もできる。なお、上記の装置における各構成機構は、前
記特開平5−304589号公報に開示されている機構
を利用することもできる。
【0026】次に、本発明の画像形成方法に用いられる
熱転写材料及び受像シートについて更に詳述する。本発
明において、熱転写材料は、特開平7−117359号
公報に開示されている顔料高含有の薄膜型熱転写材料が
有利に用いることができる。以下、この態様を用いて説
明する。熱転写材料は、支持体上に、顔料及び熱可塑性
樹脂を主体とする熱転写性インキ層を有する。熱転写性
インキ層(以下単に、インキ層と称する場合がある)
は、30〜80重量%の顔料及び70〜20重量%の熱
可塑性樹脂で構成されていることが好ましい。
【0027】熱転写材料の支持体としては、従来の溶融
転写や昇華転写用感熱転写シートの支持体として公知の
種々の支持体が使用される。
【0028】熱転写材料の熱転写性インキ層に含まれる
顔料としては、種々の公知の顔料が使用できる。これら
の例としては、カーボンブラック、アゾ系、フタロシア
ニン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、アンスラキ
ノン系、イソインドリノン系等の顔料が挙げられる。こ
れらは二種類以上組み合わせて使用することも可能であ
り、また色相調整のため公知の染料を添加してもよい。
熱転写材料において、薄膜で所定の濃度を出すために
は、インキ層中の顔料の含有量は30重量%〜80重量
%(好ましくは、40〜70重量%)である。顔料比率
が30重量%未満では上記所定の膜厚で濃度を出すこと
が困難になる。また顔料の粒径は、顔料の70重量%以
上が0.1〜1.0μmの範囲にあることが好ましい。
粒径が大きい場合にはカラー再現性時の各色の重なり部
の透明性が損なわれやすく、かつ先の層厚と濃度の関係
の両者を満たすことが困難になる場合がある。
【0029】熱転写材料のインキ層に含まれる熱可塑性
樹脂は、軟化点が40℃〜150℃の非晶質有機高分子
重合体であることが好ましい。これらの具体例として
は、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイ
ミン樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフ
ィン樹脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオー
ル樹脂、石油樹脂、スチレン、αーメチルスチレン、2
ーメチルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸、
ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレン等の
スチレン及びその誘導体、置換体の単独重合体や共重合
体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステ
ル類及びメタクリル酸、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート、αーエチルヘキシル
アクリレート等のアクリル酸エステル及びアクリル酸、
ブタジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリ
ル、ビニルエーテル類、マレイン酸及びマレイン酸エス
テル類、無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸
ビニル等のビニル系単量体の単独あるいは他の単量体等
の共重合体を挙げることができる。これらの樹脂は二種
以上混合して用いることもできる。これらのうち、分散
性の観点からブチラール樹脂やスチレン/マレイン酸半
エステル樹脂等が好ましい。これら樹脂の軟化点は40
℃〜150℃の範囲で選ばれる。150℃を越えると熱
記録感度が低くなり易く、他方40℃未満ではインキ層
の耐傷性が劣る傾向にある。
【0030】なお、ブチラール樹脂の具体例としては、
デンカブチラール#2000−L(重合度:約30
0)、#4000−1(重合度:約920)(以上、電
気化学工業(株)製))、エスレックBX−10(T
g:74℃、重合度:80、アセタール化度:69モル
%)、エスレックBL−S(Tg:61℃、エタノール
/トルエン=1/1の5%濃度の時の粘度:12cp
s、以上積水化学工業(株)製)を挙げることができ
る。
【0031】熱転写材料において、インキ層中の非晶質
有機高分子重合体の含有量は通常は70〜20重量%
(好ましくは、50〜30重量%)である。
【0032】熱転写材料には、そのインキ層に含窒素化
合物が含有されていることが好ましい。含窒素化合物と
しては、例えば、アミド化合物、アミン類、第四級アン
モニウム塩類、ヒドラジン類、芳香族アミン類、複素環
芳香族化合物を挙げることができる。これらのうちで
は、アミド化合物及び第四級アンモニウム塩類が好まし
い。上記含窒素化合物は、インキ層中に、0.1〜20
重量%(好ましくは、1〜10重量%)含有されている
ことが好ましい。
【0033】熱転写材料のインキ層には、熱印字の際の
インキ層の支持体からの離型性及び熱感度向上の観点か
ら種々の離型剤や軟化剤をインキ層中に20重量%以下
の量で加えることも可能である。具体的には、例えばパ
ルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン
酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩類、脂肪酸エステル類もしく
はその部分ケン化物、脂肪酸誘導体、高級アルコール
類、多価アルコール類のエステル等誘導体、パラフィン
ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ミツ
ロウ、木ロウ、キャンデリラワックス等のワックス類、
粘度平均分子量が約1,000から10,000程度の
低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン
等のポリオレフイン類、或いはオレフイン、αーオレフ
イン類と無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等
の有機酸、酢酸ビニル等との低分子量共重合体、低分子
量酸化ポリオレフイン、ハロゲン化ポリオレフイン類、
ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等
長鎖アルキル側鎖を有するメタクリル酸エステル、アク
リル酸エステル又はパーフロロ基を有するアクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル類の単独もしくはスチレ
ン類等のビニル系単量体との共重合体、ポリジメチルシ
ロキサン、ポリジフェニルシロキサン等の低分子量シリ
コーンレジン及びシリコーン変性有機物質等、更には長
鎖脂肪族基を有するアンモニウム塩、ピリジニウム塩等
のカチオン性界面活性剤、或いは同様に長鎖脂肪族基を
有するアニオン、ノニオン界面活性剤、パーフロロ系界
面活性剤等を挙げることができる。これらは、一種ある
いは二種以上選択して用いることができる。
【0034】前記の顔料の非晶質有機高分子重合体への
分散に関しては、適切な溶剤を加えてボールミルをはじ
めとする、塗料分野で使用される種々の分散方法が適用
される。得られた分散液に、含窒素化合物、離型剤等を
加え、塗料を調製し、そしてこのようにして調製した塗
料を公知の方法で支持体上に塗布し、インキ層を形成す
ることができる。
【0035】熱転写材料のインキ層は、層厚が0.2〜
1.5μm(好ましくは、0.2〜1.0μm、更に好
ましくは、0.2〜0.6μm)の範囲にある。1.5
μmよりも厚いインキ層の層厚では、面積階調再現性に
おいてシャドウ部がつぶれやすかったり、ハイライト部
がとびやすかったりして、結果的に階調再現性が劣るこ
となる。一方、層厚が0.2μm未満では、目的の濃度
を出すことが難しくなる。
【0036】熱転写材料のインキ層は主成分が顔料と非
晶質の有機高分子重合体であり、かつ従来のワックス溶
融型に比べ顔料比率も高く、通常の溶融型に比べ熱転写
時の粘度が102 〜103 cpsのように低くなること
はなく、150℃の温度において少なくとも104 cp
sよりも高い。このため、本発明の画像形成方法は、受
像シートへの熱接着性、あるいはカラー画像作成の場合
はインキ層間の熱接着性を利用した薄膜剥離現像タイプ
の画像形成であるということもできる。このことがイン
キ層の薄層化の効果とあいまって、高解像力性を維持し
た上でシャドウ部からハイライト部に至る広い階調再現
を可能にし、かつエッジシャープネスを良好にし、更に
100%の画像の転写を可能にする。
【0037】本発明の画像形成方法をアブレーション法
を利用して行う場合には、上記熱転写材料の支持体とイ
ンキ層との間には、光熱変換層が設けられていることが
好ましい。またアブレーション法を更に有利に実施する
ためにはこの光熱変換層の上に、更に感熱剥離層が設け
られていることが好ましい。なお、光熱変換層が感熱剥
離層の機能を兼ね備えている場合には、感熱剥離層は必
ずしも必要ではない。以下これらの層について詳述す
る。一般に光熱変換層は、レーザ光を吸収することので
きる色材(色素、顔料など)とバインダとからなる基本
構成を有する。使用できる色材の例としては、カーボン
ブラックのような黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロ
シアニンのような可視から近赤外域に吸収を有する大環
状化合物の顔料、光ディスクなどの高密度レーザ記録の
レーザ吸収材料として使用される有機染料(インドレニ
ン染料等のシアニン染料、アントラキノン系染料、アズ
レン系色素、フタロシアニン系染料)およびジチオール
ニッケル錯体等の有機金属化合物色素を挙げることがで
きる。なお、記録感度を高めるために光熱変換層はでき
るだけ薄いことが好ましく、そのためレーザ光波長領域
において大きい吸光係数を示すシアニン系色素やフタロ
シアニン系色素を用いることが望ましい。
【0038】光熱変換層のバインダの材料としては特に
限定はないが、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのアク
リル酸系モノマーの単独重合体または共重合体、メチル
セルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート
のようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルアルコールのようなビ
ニル系ポリマー及びビニル化合物の共重合体、ポリエス
テル、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジェン
−スチレン共重合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、
エポキシ化合物などの光重合性または熱重合性化合物を
重合・架橋させたポリマーなどを挙げることができる。
【0039】光熱変換層が色材(染料または顔料)とバ
インダとからなる場合には、重量比で1:5〜10:1
(色素:バインダ)とすることが好ましく、特に1:3
〜3:1とすることが好ましい。バインダの量が少なす
ぎると、光熱変換層の凝集力が低下し、形成画像が受像
シートに転写される際に、一緒に転写されやすくなり、
画像の混色の原因となる。また、バインダが多すぎる
と、一定の光吸収率を達成するためには光熱変換層の層
厚を大きくする必要があり、感度低下を招きやすい。上
記の色素とバインダとからなる光熱変換層の層厚は、一
般に0.05〜2μm、好ましくは0.1〜1μmであ
る。また、光熱変換層は光記録に用いるレーザ光の波長
での光吸収率として70%以上を示すことが好ましい。
【0040】感熱剥離層は、感熱材料が含まれてなる層
である。そのような感熱材料としては、それ自身が熱に
より分解もしくは変質して気体を発生する化合物(ポリ
マーまた低分子化合物)、あるいはその材料の特性とし
て水分などの易気化性気体を相当量吸収もしくは吸着し
ている化合物(ポリマーまた低分子化合物)などを用い
ることができる。なお、それらは併用することも可能で
ある。熱により分解もしくは変質して気体を発生するポ
リマーの例としては、ニトロセルロースのような自己酸
化性ポリマー、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴム、ポ
リ塩化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンのよ
うなハロゲン含有ポリマー、ポリスチレン等の易解重合
性ポリマー、水分などの揮発性化合物が吸着されている
ポリイソブチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマ
ー、水分などの揮発性化合物が吸着されているエチルセ
ルロースなどのセルロースエステル、水分などの揮発性
化合物が吸着されているゼラチンなどの天然高分子化合
物などを挙げることができる。熱により分解もしくは変
質して気体を発生する低分子化合物の例としては、ジア
ゾ化合物やアジド化合物のような発熱分解して気体を発
生する化合物を挙げることができる。上記のような、熱
による感熱材料による分解や変質等は、280℃以下で
発生することが好ましく、特に230℃以下で発生する
ことが好ましい。
【0041】なお、感熱剥離層で、感熱材料として低分
子化合物を用いる場合には、バインダと組合せることが
望ましい。その場合のバインダとしては、上記のそれ自
身が熱により分解もしくは変質して気体を発生するポリ
マーでもよく、あるいはそのような性質を持たない通常
のポリマーバインダでも良い。感熱性の低分子化合物と
バインダとを併用する場合には、前者と後者の重量比
で、0.02:1〜3:1、特に0.05:1〜2:1
の範囲にあることが好ましい。感熱剥離層は、光熱変換
層を、そのほぼ全面にわたって被覆していることが望ま
しく、その厚さは一般に0.03〜1μm、特に0.0
5〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
【0042】次に、受像シートについて説明する。本発
明の画像形成方法に用いられる受像シートは、支持体上
に受像層が設けれた構成であることが好ましい。受像シ
ートに用いられる支持体は、紙及び通常化学的及び熱的
に安定なプラスチック製支持体である。紙としては、天
然パルプを原料とするもの以外に、合成紙も用いること
ができる。またプラスチック材料としては例えば、ポリ
エステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、ポリオレフィン
(例、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレ
ート及び酢酸セルロースを挙げることができる。これら
の中では、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンが好ましい。
【0043】受像シートに用いられる支持体の厚みは、
50〜300μmの範囲あることが好ましく、更に好ま
しくは、75〜200μmの範囲である。なお、受像層
を設ける側の支持体の表面は、受像層形成用塗布液を塗
布するのに有利なように下塗り処理、また接着力を上げ
るためにコロナ放電処理、グロー放電処理などの表面処
理を施してもよいし、あるいはアンダーコート層を設け
ることも可能である。アンダーコート層としては支持体
と受像層の接着力を上げるものなら限定はないが、特に
シランカップリング剤が好適である。更に、支持体は帯
電防止処理、マット処理が施されていてもよい。
【0044】上記支持体の上に設けられる受像層は、高
分子重合体を含む層である。受像層は、一層からなる層
から構成されていても良いし、あるいは二以上の層から
構成されていても良い。以下に、本発明の好ましい態様
である二層の積層構成からなる受像層について説明す
る。二層の積層構成からなる受像層は、支持体上に形成
された第一受像層(クッション層とも言う)とこの層の
上に形成された第二受像層(接着層とも言う)からな
る。第一受像層及び第二受像層は、共に高分子重合体を
主体とする層である。まず第一受像層(クッション層)
について説明する。
【0045】第一受像層を構成する高分子重合体として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン;エチレンと酢酸ビニルあるいはエチレンと
アクリル酸エステルの如きエチレン共重合体;ポリ塩化
ビニル;塩化ビニルと酢酸ビニルの如き塩化ビニル共重
合体;ポリ塩化ビニリデン;塩化ビニリデン共重合体、
ポリ(メタ)アクリル酸エステル;共重合ナイロン、N
−アルコキシメチル化ナイロンの如きポリアミド樹脂;
アクリルゴムなどの合成ゴム;塩化ゴム等の有機高分子
重合体から少なくとも1つ選ばれるのが好ましい。
【0046】これらの中では、特に重合度が200〜2
000の高分子重合体(ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと
酢酸ビニルの共重合体、塩化ビニルとビニルアルコール
の共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルとマレイン酸の共
重合体)が好適である。その理由として、ポリ塩化ビニ
ル及び塩化ビニル共重合体は、常温での粘着性がほとん
ど無いこと、弾性率が比較的小さく、熱転写時に転写画
像の凹凸に容易に追従可能なこと、共重合成分中の水酸
基あるいはカルボキシル基の効果で層間密着力のコント
ロールが容易なことなどが挙げられる。
【0047】第一受像層の厚さは、1μm〜50μm
(更にこの好ましくは、5μm〜30μm)の範囲にあ
ることが好ましい。その理由としては、受像シート上に
転写された画像を永久支持体に転写する場合に永久支持
体の表面の凹凸より厚くする必要があること、4色のカ
ラー画像が重なる部分のレリーフ段差を充分に吸収しう
る厚みが必要なこと、画像形成時にゴミが付着した場合
でもゴミによる画像欠陥が生じないような(ゴミを吸収
しうる)厚みが必要なこと、更に充分なクッション性を
得る為には、この程度の厚みが必要なことなどを挙げる
ことができる。
【0048】第一受像層は、200kg・f/cm2
下の弾性率で形成されていることが好ましい。弾性率を
小さくすることにより、受像層にクッション性が生じ
て、記録感度、ドット品質、階調再現性が向上する。さ
らに熱転写記録する際に熱転写シートと受像シートの間
にゴミ等の異物が存在した場合にも第一受像層のクッシ
ョン性がある為に画像欠陥になりにくいという利点があ
る。
【0049】なお、上記有機高分子重合体中に、支持体
や第二受像層との接着力を調整する為に、各種のポリマ
ーや密着改良剤あるいは界面活性剤や離型剤を加えるこ
とも可能である。また弾性率を下げる目的で常温での粘
着性が生じない範囲で可塑剤の添加、粘着性ポリマーの
一部併用も非常に有効である。
【0050】また、例えば、フッ素系の界面活性剤を添
加することにより、層間密着力が低下する。離系剤や界
面活性剤の添加量は好ましくは0.0001〜5重量
%、特に好ましくは0.001〜3重量%である。塗布
面状を良くするためには、少量の界面活性剤の添加が好
ましい。
【0051】更に高分子重合体として、塩化ビニル系樹
脂を使用する場合には、ポリ塩化ビニル及び塩化ビニル
共重合体の安定化剤として一般に知られるブチル錫系安
定剤あるいはオクチル錫系安定剤等の有機錫系安定剤を
添加することも有効である。
【0052】次に、第二受像層(接着剤層)について説
明する。第二受像層の目的は、熱転写による画像を受容
できること、永久支持体への再転写時に受像シートを剥
離する際、第一受像層と第二受像層の間で層間剥離をさ
せ、永久支持体上の画像上に薄い第二受像層のみを残
し、永久支持体の凹凸により、特別なマット化処理を施
すことなく実際の印刷物の光沢に近似した画像を得るこ
と、また画像の耐傷性を向上させることにある。
【0053】第二受像層は前記第一受像層と同様に樹脂
材料で構成されていることが好ましい。第二受像層を構
成することができる樹脂材料としては、例えば、前記第
一受像層で使用した種々の有機高分子重合体の他に、酢
酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキルア
クリレート/アクリルアミド共重合体、変成ポリビニル
アルコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、マレ
イン酸樹脂、ヒドロキシスチレン共重合体、スルフォン
アミド樹脂、セルロース樹脂、エステルガム及びロジン
を挙げることができる。特に、第二受像層は、ポリビニ
ルブチラール及びアルキルアクリレート/アクリルアミ
ド共重合体を用いて構成されていることが好ましい。
【0054】これらの樹脂の中には、各種界面における
接着力の関係を満たす為に他の密着改良剤、離型剤、界
面活性剤を添加することができる。第二受像層に用いる
塗布溶剤は、塗布時における塗布溶剤の下層への浸透に
よる第一受像層と第二受像層の混ざり込みを防ぐ目的
で、第一受像層に用いた樹脂を溶解もしくは膨潤させな
いような塗布溶剤を用いることが好ましい。例えば、各
種の溶剤に対して比較的溶解性の良好な塩化ビニル系の
樹脂を第一受像層に用いた場合には、アルコール系もし
くは水系の塗布溶剤を使用することが好ましい。
【0055】第二受像層の膜厚は、0.1μm〜10μ
mの範囲(更に好ましくは、0.5μm〜5μm)にあ
ることが好ましい。
【0056】第二受像層の上には、受像層の滑り性や耐
傷性を向上させる目的で、上塗層として、種々の離型剤
や滑剤の層を設けることができる。具体的には、例えば
パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリ
ン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩類、脂肪酸エステル類もし
くはその部分ケン化物、脂肪酸アミド類等の脂肪酸誘導
体、高級アルコール類、多価アルコール類のエテル等誘
導体、パラフインワックス、カルナバワックス、モンタ
ンワックス、ミツロウ、木ロウ、キヤンデリラワックス
等のワックス類、更には長鎖脂肪族基を有するアンモニ
ウム塩、ピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、或
いは同様に長鎖脂肪族基を有するアニオン、ノニオン界
面活性剤、パーフロロ系界面活性剤等から1種以上選択
して用いることができる。
【0057】上記第一受像層と第二受像層の間には、密
着性向上等の目的で中間層を設けることもできる。
【0058】本発明の受像シートは、受像層を一層で構
成することもできる。この場合には前述した第二受像層
を直接支持体上に設けて受像層とする。受像層が単一層
の層で構成されている場合の受像層の層厚は、0.2〜
50μm(好ましくは、0.5〜20μm)の範囲にあ
ることが好ましい。
【0059】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、以下の「部」
は、重量部を表わす。
【0060】[実施例1] (熱転写材料の作成) 1)光熱変換層形成用塗布液の調製 下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して光熱変換
層形成用塗布液を調製した。
【0061】 塗布液組成 赤外線吸収色素(IR−820、日本化薬(株)製) 5部 パインダ(ポリアミド酸) (PAA−A、三井東圧化学(株)製) 40部 メチルエチルケトン 1000部 1−メトキシ−2−プロパノール 1000部 界面活性剤(メガファックF−177P、 大日本インキ化学工業(株)製) 1部 なお、上記ポリアミド酸(PAA−A)(芳香族のテト
ラカルボン酸に無水物とジアミンとの反応により得られ
たもの)は、N,N−ジメチルアセトアミドの25重量
%溶液である。
【0062】2)支持体表面への光熱変換層の形成 厚さ50μm、幅50cmのポリエチレンテレフタレー
トフィルムのロールを用い、その一方の表面上に、上記
の光熱変換層形成用塗布液をグラビア印刷により塗布し
た。即ち、版サイズが長さ方向40cm、幅方向30c
mの版をグラビア版を用いて、上記支持体上に、各印刷
面の間隔(インキ未塗設領域)が5cm、幅方向両側の
インキ未塗設領域が各10cmとなるように光熱変換層
を形成した。得られた膜厚は0.1μmであった。
【0063】3)感熱剥離層形成用塗布液の調製 下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して感熱剥離
層形成用塗布液を調製した。
【0064】 塗布液組成 ニトロセルロース(タイプHIG120、旭化成(株)製)1.3部 メチルエチルケトン 26部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 40部 トルエン 92部 界面活性剤(メガファックF−177、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.01部
【0065】4)光熱変換層表面への感熱剥離層形成 上記光熱変換層の表面に、上記塗布液を用い、前記のグ
ラビア印刷により塗布した。感熱剥離層の厚みは、0.
1μmであった。
【0066】5)ブラック(K)画像形成層形成用塗布
液の調製 下記の各成分をペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)で二時間分散処理して、ブラック顔料分散母液を調
製した。そして得られた分散母液をn−プロピルアルコ
ールで希釈し、粒子径測定器(レーザ光散乱方式)で測
定したところ、顔料の粒度分布は、粒子の70重量%以
上が、180〜300nmの範囲にあった。 顔料分散母液組成 ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、 デンカブチラール#2000−L)の 20重量%溶液(溶媒:n−プロパノール) 12.6部 色材(カーボンブラック顔料、タイプMA−1、 三菱化成(株)製) 24部 分散助剤(ソルスパースS−20000、 ICIジャパン(株)製) 0.8部 n−プロピルアルコール 110部 ガラスビーズ 100部
【0067】下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合
して、ブラック画像形成層形成用塗布液を調製した。 塗布液組成 上記顔料分散母液 20部 n−プロピルアルコール 60部 界面活性剤(メガファックF−177P、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.05部
【0068】6)シアン(C)、マゼンタ(M)、及び
イエロー(Y)画像形成層形成用塗布液の調製 前記ブラック画像形成層形成用塗布液の調製において、
色材(カーボンブラック顔料)の代わりに、下記の顔料
を用いた以外は、同様にしてそれぞれシアン、マゼン
タ、及びイエロー画像形成層形成用塗布液をそれぞれ調
製した。 シアン顔料(C. I. PB. 15:4) マゼンタ顔料(C. I. PR. 57:1) イエロー顔料(C. I. PY. 14)
【0069】7)光熱変換層表面へのK、C、M、そし
てY画像形成層の形成 前記と同じグラビア印刷機により、前記の光熱変換層表
面上に同一形態で上記で得た各色相の塗布液を図4に示
すように面順次(K、C、M、Yの順)に塗布した。得
られた画像形成層の光学濃度をマクベス濃度計によりそ
れぞれのフィルターを通して測定したところ、約0.7
であった。また各色相の画像形成層の膜厚は、0.3μ
mであった。
【0070】以上の工程により、ロールフィルム(支持
体)上に、光熱変換層、感熱剥離層、及び画像形成層が
この順で積層されてなり、かつK、C、M、そしてYの
各色相の画像形成層が面順次に設けられた熱転写材料を
作成した(図4参照)。
【0071】(受像材料の作成)下記の組成を有する第
一受像層形成用の塗布液及び第二受像層形成用の塗布液
を調製した。 第一受像層用塗布液 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 25部 (MPR−TSL、日信化学(株)製) ジブチルオクチルフタレート 12部 (DOP、大八化学(株)製) 界面活性剤 4部 (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) 溶剤(メチルエチルケトン) 75部
【0072】 第二受像層用塗布液 ポリビニルブチラール 16部 (デンカブチラール#2000−L、電気化学工業(株)製) N, N−ジメチルアクリルアミド/ブチル アクリレート共重合体 4部 界面活性剤 0. 5部 (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) 溶剤(n−プロピルアルコール) 200部
【0073】厚さ100μm、幅35cmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムのロールを用い、その一方の
表面上に、上記の第一受像層形成用塗布液を連続塗布機
を使用してその乾燥膜厚が25μmになるように塗布
し、100℃の乾燥ゾーン中を通した。次いで、更に第
一受像層の上に、上記第二受像層形成用塗布液をその乾
燥膜厚が2μmになるように同様に塗布し、同様に乾燥
ゾーンを通した。得られた塗布物を巻き取り、受像材料
を得た。
【0074】(画像形成) 1)受像シートの供給 図6に示したレーザ記録装置を利用して本発明の画像形
成方法を実施した。前記作成した熱転写材料と受像材料
を装置内の素材供給部に装着した。そして受像材料を引
き出し、位置検出器で測定し、長さ45cmのところで
シートカッター部のナイフを用いて切断した。得られた
受像シート(幅35cm、長さ45cm)をシート搬送
部により記録ドラムに送り、ドラムの所定の位置で真空
吸着により受像シートを固定した。
【0075】2)熱転写シートの供給 次に、熱転写材料から第一色目のブラック(K)画面
(熱転写性インキ層)を有する熱転写シートをその画像
分の長さで引き出し、次の第二色目のシアン(C)画面
との間に設けた位置検出マークのところで受像シートと
同様にナイフを用いて切断した(熱転写シートの大き
さ:シート幅50cm、長さ50cm、ブラック(K)
画面の幅30cm、長さ40cm)。
【0076】3)受像シートと熱転写シートとの重ね合
わせ 得られた熱転写シートのブラック画像面を受像シートに
重ね合わせ(熱転写シートの四辺の端部が受像シートよ
りはみ出した状態で重ねられる)、次いで、ラミネート
用ヒートローラによりドラムを低速で回転しつつ加熱、
加圧して(ヒートローラ温度130℃、圧力6kgf/
cm、速度3m/分)受像シートと熱転写シートを密着
させた。密着後、受像シートからはみ出した部分の熱転
写シートを真空吸着によりドラムに固定した。
【0077】4)レーザ記録 記録ドラムを回転させ、ドラム上の熱転写シートの表面
に外側からレーザ光を照射し、レーザ記録を行った。記
録ヘッドは、波長830nm、出力150mWの半導体
レーザから発生させた光を熱転写層の表面で径が7μm
のスポットとなるように集光しうるヘッドを用いた。レ
ーザ記録は、ワークステーションから出るデジタル画像
信号によりレーザ光を変調し、レーザ光を画像状に走査
させることにより行なった。そしてレーザ光の走査は、
記録ドラムを線速度8m/秒で回転(主走査方向)さ
せ、記録ヘッドを回転方向と直角方向(副走査方向)に
5ミクロンピッチで(ドラム一回転毎に5ミクロン副走
査)で移動させることにより行った。
【0078】5)熱転写シートの受像シートからの剥離 レーザ記録後、ドラムを停止させ、次いで真空吸着を解
除することにより受像シートからはみ出した熱転写シー
トの端部を固定状態から解放させた。この端部を機械的
な掴み手段で掴みつつ、ドラムを回転させながら熱転写
シートを受像シートから剥離させた。受像シート上に
は、第一色目の色相の転写画像が形成されていた。
【0079】6)多色画像の形成 次いで、第一色目の色相の転写画像が形成された受像シ
ートに対して、前記熱転写材料から引き出し、所定の大
きさにカットされた、第二色目のシアン(C)画面を有
する熱転写シート、第三色目のマゼンタ(M)画面を有
する熱転写シート、そして第四色目のイエロー(Y)画
面を有する熱転写シートを用い、この順で一枚ずつ前記
ブラック(K)画面と同様な画像形成を繰り返し、受像
シート上に四色の重ね合わせからなるカラー画像を得
た。
【0080】[転写画像の評価]この受像シートの画像
面を印刷本紙(アート紙)に接触させ、重ね合わせた
後、ラミネーター(ローラ温度130℃、圧力4.5k
gf/cm、速度450cm/分)を通し、その後受像
シートを印刷本紙から剥した。得られた本紙上の画像
は、受像層ごと転写されており、印刷物と高い近似性を
持っており、また受像層の一部欠けやカブリ、更に画像
欠陥の少ないカラー画像であった。
【0081】
【発明の効果】本発明の画像形成方法を利用することに
より、異なった色相の複数の熱転写材料を用意する必要
はないため、それによるレーザ記録装置の素材供給部を
単純化、小型化することができる。その結果、装置全体
の小型化も達成できる。また本発明で用いる熱転写材料
は、その熱転写性インキ層がインキ未塗設部を残しなが
ら支持体上に設けられた構成であるため、素材自体のコ
ストの低減化をも図ることができる。またこのようなイ
ンキ未塗設部は熱転写シートの端部となるように形成さ
れているため、画像記録時、受像シートと重ね合わせた
際には、受像シートからはみ出した部分がインキ未塗設
部となり、従ってはみ出した部分の熱転写性インキ層の
転写によるドラムの汚れを抑制できる。また受像シート
の周縁部によるカブリの発生を防止することができる。
更にレーザ記録後、熱転写シートを受像シートから剥離
する際に生じ易かった、所謂受像層逆転写現象を抑制す
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に有利に用いられる熱転
写材料の一例の平面図を模式的に示した図である。
【図2】本発明の画像形成方法に有利に用いられる熱転
写材料の別の一例の平面図を模式的に示した図である。
【図3】本発明の画像形成方法に有利に用いられる熱転
写材料の別の一例の平面図を模式的に示した図である。
【図4】本発明の画像形成方法に有利に用いられる熱転
写材料の別の一例の平面図を模式的に示した図である。
【図5】本発明の画像形成方法に有利に用いられる熱転
写シートと受像シートの大きさの関係を模式的に示した
平面図である。
【図6】本発明の画像形成方法を実施するのに有利なレ
ーザ記録装置の一例の正面図を模式的に示した図であ
る。
【図7】従来の画像形成方法を実施するのに用いられた
レーザ記録装置の一例の正面図を模式的に示した図であ
る。
【符号の説明】
1 熱転写材料 2 熱転写シートの支持体 3 熱転写性インキ層 4 熱転写性インキ層 5 熱転写性インキ層 6 熱転写性インキ層 7 インキ未塗設部 8 位置検出マーク L 一画面記録領域 60 レーザ熱転写記録装置 61 レーザ熱転写記録装置筐体 62 素材供給部 63 シートカッター部 64 シート搬送部 65 画像形成(記録)ドラム 66 シート固定部 67 ラミネートロール機構部 68 書き込み(レーザ)ヘッド部 69 剥離機構部 70 熱転写シート排出部 71 受像シート排出部 72 熱転写材料 73 受像材料 T1 熱転写シート R 受像シート

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺状の支持体上に一画面記録領域毎に
    異なった色相の熱転写性インキ層が面順次に長尺方向に
    周期的に設けられた熱転写材料と、該熱転写材料より狭
    い幅の受像シートとを用意し、長尺状の熱転写材料から
    一画面記録領域を持つ第一色目の熱転写シートを切断分
    離した後、該一色目の熱転写シートの画面記録領域面側
    を該受像シートに重ね合わせ、熱転写シートの背面から
    デジタル信号により変調されたレーザビームを照射し、
    受像シート上に転写画像を形成させた後、受像シートよ
    りはみ出した部分の熱転写シートを掴んで受像シートか
    ら剥離する工程、次いで、前記長尺状の熱転写材料から
    次の一画面記録領域を持つ第二色目の熱転写シートを切
    断分離したのち、該二色目の熱転写シートの画面記録領
    域面側を前記一色目の画像が形成された受像シートの該
    画像上に重ね合わせ、該熱転写シートの背面からレーザ
    ビームを照射し、受像シート上に二色目の転写画像を形
    成させた後、受像シートよりはみ出した部分の熱転写シ
    ートを掴んで受像シートから剥離する工程を含む画像形
    成方法。
  2. 【請求項2】 長尺状の支持体上に一画面記録領域毎に
    異なった色相の熱転写性インキ層が面順次に長尺方向に
    周期的に設けられた熱転写材料と、該熱転写材料と同
    等、あるいはそれ以上の幅の受像シートとを用意し、長
    尺状の熱転写材料から一画面記録領域を持つ第一色目の
    熱転写シートをその長さ方向が、前記受像シートの長さ
    方向より長い寸法で切断分離した後、該一色目の熱転写
    シートの画面記録領域面側を該受像シートに重ね合わ
    せ、熱転写シートの背面からデジタル信号により変調さ
    れたレーザビームを照射し、受像シート上に転写画像を
    形成させた後、受像シートよりはみ出した部分の熱転写
    シートを掴んで受像シートから剥離する工程、次いで、
    前記長尺状の熱転写材料から次の一画面記録領域を持つ
    第二色目の熱転写シートをその長さ方向が、前記受像シ
    ートの長さ方向より長い寸法で切断分離した後、該二色
    目の熱転写シートの画面記録領域面側を前記一色目の画
    像が形成された受像シートの該画像上に重ね合わせ、該
    熱転写シートの背面からレーザビームを照射し、受像シ
    ート上に二色目の転写画像を形成させた後、受像シート
    よりはみ出した部分の熱転写シートを掴んで受像シート
    から剥離する工程を含む画像形成方法。
  3. 【請求項3】 長尺状の支持体上に一画面記録領域毎に
    異なった色相の熱転写性インキ層が面順次に長尺方向に
    周期的に設けられた熱転写材料と、該熱転写材料より狭
    い幅の受像シートとを用意し、その長尺状の熱転写材料
    の第一色目の一画面記録領域をその画面記録領域面側で
    前記受像シートに重ね合わせ、該熱転写材料から第一色
    目の熱転写シートを切断分離した後、該一色目の熱転写
    シートの背面からデジタル信号により変調されたレーザ
    ビームを照射し、受像シート上に転写画像を形成させた
    後、受像シートよりはみ出した部分の熱転写シートを掴
    んで受像シートから剥離する工程、次いで、前記長尺状
    の熱転写シートの次の二色目の一画面記録領域をその画
    面記録領域面側で前記一色目の画像が形成された受像シ
    ートに重ね合わせ、該熱転写材料から第二色目の熱転写
    シートを切断分離した後、該二色目の熱転写シートの背
    面からレーザビームを照射し、受像シート上に二色目の
    転写画像を形成させた後、受像シートよりはみ出した部
    分の熱転写シートを掴んで受像シートから剥離する工程
    を含む画像形成方法。
  4. 【請求項4】 長尺状の支持体上に一画面記録領域毎に
    異なった色相の熱転写性インキ層が面順次に長尺方向に
    周期的に設けられた熱転写材料と、該熱転写材料と同
    等、あるいはそれ以上の幅の受像シートとを用意し、そ
    の長尺状の熱転写材料の第一色目の一画面記録領域をそ
    の画面記録領域面側で前記受像シートに重ね合わせ、該
    熱転写材料から一画面記録領域を持つ第一色目の熱転写
    シートをその長さ方向が、前記受像シートの長さ方向よ
    り長い寸法で切断分離した後、該一色目の熱転写シート
    の背面からデジタル信号により変調されたレーザビーム
    を照射し、受像シート上に転写画像を形成させた後、受
    像シートよりはみ出した部分の熱転写シートを掴んで受
    像シートから剥離する工程、次いで、前記長尺状の熱転
    写シートの次の二色目の一画面記録領域をその画面記録
    領域面側で前記一色目の画像が形成された受像シートに
    重ね合わせ、該熱転写材料から一画面記録領域を持つ第
    二色目の熱転写シートをその長さ方向が、前記受像シー
    トの長さ方向より長い寸法で切断分離した後、該二色目
    の熱転写シートの背面からレーザビームを照射し、受像
    シート上に二色目の転写画像を形成させた後、受像シー
    トよりはみ出した部分の熱転写シートを掴んで受像シー
    トから剥離する工程を含む画像形成方法。
  5. 【請求項5】 異なった色相の熱転写性インキ層が、一
    画面記録領域毎にインキ未塗設部を介在させながら長さ
    方向に設けられている請求項1〜4のいずれかの項に記
    載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 異なった色相の熱転写性インキ層が、両
    側側部にインキ未塗設部を残して長さ方向に設けられて
    いる請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成方
    法。
  7. 【請求項7】 異なった色相の熱転写性インキ層が、一
    画面記録領域毎にインキ未塗設部を介在させながら、か
    つ両側側部にもインキ未塗設部を残して長さ方向に設け
    られている請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形
    成方法。
  8. 【請求項8】 熱転写性インキ層が、ブラック、シア
    ン、マゼンタ、及びイエローの四色のうちの少なくとも
    二種類の色相で構成されている請求項1〜7のいずれか
    の項に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 受像シートが、長尺状の受像材料から切
    断分離されたものである請求項1〜4のいずれかの項に
    記載の画像形成方法。
JP33262795A 1995-11-28 1995-11-28 画像形成方法 Withdrawn JPH09150535A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000211222A (ja) * 1999-01-21 2000-08-02 Konica Corp インクシ―ト、受像シ―ト、画像形成装置、画像形成方法、画像形成システム及び画像形成装置の集中制御システム
US6226020B1 (en) 1998-03-13 2001-05-01 Man Roland Druckmaschinen Ag Method and apparatus for producing a print, especially a proof, by means of laser-induced thermal transfer
JP2001293908A (ja) * 2000-03-23 2001-10-23 Eastman Kodak Co ハーフトーンの処方カラーイメージをプリントする装置及び方法

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