JPH09169165A - 熱転写材料 - Google Patents

熱転写材料

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JPH09169165A
JPH09169165A JP7348785A JP34878595A JPH09169165A JP H09169165 A JPH09169165 A JP H09169165A JP 7348785 A JP7348785 A JP 7348785A JP 34878595 A JP34878595 A JP 34878595A JP H09169165 A JPH09169165 A JP H09169165A
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Yonosuke Takahashi
洋之介 高橋
Shinichi Yoshinari
伸一 吉成
Naoya Imamura
直也 今村
Shinji Tsuno
慎治 津野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 更に安定した転写操作が可能であり、高い印
刷物近似性を有する高品質な転写画像が得られる、感熱
転写シートと受像シートとを用いる熱転写材料を提供す
る。 【解決手段】 レーザ光を熱に変換する光熱変換層、及
び顔料と熱可塑性樹脂とを含む感熱転写層を有する感熱
転写シートと、クッション層および受像層を有する受像
シートとを、感熱転写層と受像層とが面接触の状態で積
層配置され、転写シートへのレーザ光の照射とその後の
転写シートの受像シートからの剥離により、レーザ照射
領域の感熱転写層が受像層に転写するようにされた熱転
写材料であり、クッション層と受像層との間、レーザ未
照射領域の感熱転写層と受像層との間、そしてレーザ照
射領域の光熱変換層と感熱転写層との間の剥離強さをそ
れぞれF1、F2、F3とした場合に、これらの間の関
係が、F1>F2であり、かつF1−F3>0.3g/
cmであるように調整されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
高解像度の画像を形成することができる、感熱転写シー
トと受像シートとを組み合わせてなる熱転写材料に関す
る。特に、本発明はディジタル画像信号からレーザ記録
により、印刷分野におけるカラープルーフ(DDCP:
ダイレクト・ディジタル・カラープルーフ)を高画質か
つ更に安定して作成できる熱転写材料に関する。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアート分野においてカラー
原稿からリスフィルムにより一組の色分解フィルムを作
成し、それを用いて印刷版の焼付けが行なわれている
が、本印刷(実際の印刷作業)を行なう前に、色分解フ
ィルムからカラープルーフを作成し、色分解工程での誤
りのチェック、色補正の必要性のチェック等が一般的に
行なわれている。このカラープルーフ用の材料として
は、実際の印刷物との近似性から、印刷本紙を用いるこ
とが好ましく、また色材は顔料を用いることが好ましい
とされている。また、中間調画像の高再現性を可能とす
る高解像力の実現や、高い工程安定性も望まれている。
そして、更に、現像液を用いない乾式のプルーフ作成法
への要望も高い。
【0003】また最近の印刷前工程(プリプレス分野)
における電子化システムの普及に伴い、ディジタル信号
から直接カラープルーフを作成する材料と記録システム
に対する要求が高まっている。このような電子化システ
ムでは、特に高画質のカラープルーフを作成する必要が
あり、一般的には150線/インチ以上の網点画像を再
現させる必要がある。そして、ディジタル信号から高画
質のプルーフを記録するためには、ディジタル信号によ
り変調可能で、かつ記録光を細く絞り込むことが可能な
レーザ光を記録ヘッドとして用いる必要がある。このた
め、レーザ光に対して高い記録感度を示し、かつ高精細
な網点を再現可能にする高解像力を示す記録材料の開発
が必要となる。
【0004】特開平6−219052号公報には、支持
体上に、光熱変換物質を含む光熱変換層、非常に薄層
(0.03〜0.3μm)の感熱剥離層、顔料及び熱可
塑性樹脂からなる画像形成層(感熱転写層)がこの順に
設けられて構成され、該感熱剥離層の介在により結合さ
れている該画像形成層と光熱変換層との間の結合力が、
レーザ光の照射により小さくなる感熱転写シートを用い
て、その感熱転写シート上に積層配置した受像シート上
に高精細画像を形成する画像形成方法が記載されてい
る。この画像形成方法で使用する画像形成システムは、
所謂「アブレーション」を利用したシステムであって、
具体的には、レーザ光の照射を受けた領域で感熱剥離層
が一部分解し、気化するため、その領域での画像形成層
と光熱変換層との間の接合力が弱まり、その領域の画像
形成層がその後の受像シートからの感熱転写シートの剥
離(分離)操作により、感熱転写シート上に積層配置し
た受像シート上に転写される現象を利用している。この
ように、支持体上に、レーザ光を熱に変換する光熱変換
層(好ましくは、更にこの上に感熱剥離層)及び顔料と
熱可塑性樹脂からなる感熱転写層がこの順に設けられた
構成の感熱転写シートと受像シートとを組み合わせた熱
転写材料を用いる画像形成方法は特にカラープルーフを
作成するのに有利な方法である。
【0005】上記熱転写材料を用いた画像形成方法にお
いて、受像シート材料としては、前記公報にも記載され
ているように、支持体上に二層構成の受像層を設けた受
像シートが有利に用いられている。これは、印刷本紙に
受像シート上に得られた画像を再転写する際には、二層
のうち上層を転写画像と共に印刷本紙に転写(再転写)
し、支持体側の下層を受像シートに残留させることがで
き、カラープルーフとして印刷物により近似したものが
得られるためである。上記受像シート材料としては、例
えば、特開昭61−189535号公報に記載されてい
るような、支持体上に、一般に5〜30μmの膜厚の第
一受像層(クッション層)及び0.5〜5μmの膜厚の
第二受像層(薄膜の剥離可能な受像層)の順に積層され
た、共に有機高分子物質からなる層を有する態様のもの
が使用されている。そして第一受像層において使用でき
る有機高分子物質の例としては、ポリオレフィン(例、
ポリエチレン)、エチレン共重合体(例、エチレンと酢
酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重
合体(例、塩化ビニルと酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩
化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン共重合体、ビニルトルエン共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステルの単独重合体及びその共重合
体、ポリアミド樹脂、合成ゴム及び塩化ゴムなどの軟化
点(ビカート法による)が80℃以下のものが挙げられ
ている。また第二受像層において使用できる有機高分子
物質の例としては、上記の高分子物質以外に酢酸ビニル
共重合体、ブチラール樹脂、ゼラチン、変性ポリビニル
アルコール、及びセルロース誘導体などが挙げられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記のよ
うな感熱転写シートと二層構成の受像層を有する受像シ
ートとを積層させた状態で組み合わせて用いる熱転写材
料を利用したレーザ記録画像形成方法について検討し
た。その結果、従来の感熱転写シートと受像シートを利
用することによって印刷物近似性の高いカラープルーフ
の作成が可能であるが、レーザー記録後、積層状態にあ
る受像シートから感熱転写シートを剥離現像する際に、
感熱転写シートの剥離と共に記録領域に対応した受像シ
ートの第一受像層と第二受像層との間で剥離が生じ、ひ
どい場合は第一受像層が縁から全面にわたって剥れる場
合があり、その転写操作の安定性においてはなお充分で
ないことが判明した。また一旦剥離現像して受像シート
上に得た転写画像をこの第一受像層と共に印刷本紙に再
転写する際には、第一受像層が第二受像層から滑らかに
剥れず、無理に引き剥すと本紙の繊維表面が剥れるなど
再転写操作の際の安定性においても充分ではなかった。
【0007】本発明の目的は、更に安定した転写操作が
可能であり、高い印刷物近似性を有する高品質な転写画
像が得られる、感熱転写シートと受像シートとを積層さ
せた状態で組み合わせて用いる熱転写材料を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な画像形成における転写性について感熱転写シートと受
像シートとを組み合わせて(積層配置させて)熱転写材
料を構成した際の各層間の剥離強さに着目して研究を進
めた。その結果、受像シートのクッション層と受像層と
の間の剥離強さF1と、レーザ未照射領域における感熱
転写シートの感熱転写層と受像シートの受像層との間の
剥離強さF2、そしてレーザ照射領域における感熱転写
シートの光熱変換層と感熱転写層との間の剥離強さF3
との間の関係が、F1>F2であり、かつF1−F3>
0.3g/cmとなるように調整しておくことにより、
更に具体的には、感熱転写シートの感熱転写層に、ワッ
クスや界面活性剤を添加して、上記のような関係式を満
たすように調整しておくことにより、従来に比べ更に安
定して、高画質の転写画像が得られることを見出し、本
発明に到達したものである。なお、本明細書において、
剥離強さ(g/cm)は180度における剥離強さを意
味し、具体的には、添付した図面の図7に図示した装置
を利用して測定した値を意味する。
【0009】本発明は、支持体上にレーザ光を熱に変換
する光熱変換層、および顔料と熱可塑性樹脂とを含む感
熱転写層をこの順に設けてなる感熱転写シートと、支持
体上にクッション層および受像層をこの順に設けてなる
受像シートとを、感熱転写層と受像層とが面接触するよ
うに積層配置し、感熱転写シートへのレーザ光の照射と
その後の感熱転写シートと受像シートとの間の分離によ
って、レーザ照射領域の感熱転写層を受像層に転写し、
受像シート上に転写画像を形成するために用いられる、
前記感熱転写シートと受像シートとが組み合わせてなる
熱転写材料であって、 1)受像シートのクッション層と受像層との間の剥離強
さをF1、 2)レーザ未照射領域における感熱転写シートの感熱転
写層と受像シートの受像層との間の剥離強さをF2、そ
して 3)レーザ照射領域における感熱転写シートの光熱変換
層と感熱転写層との間の剥離強さをF3、 とした場合に、F1、F2、そしてF3の間の関係が、
F1>F2であって、かつF1−F3>0.3g/cm
であることを特徴とする熱転写材料にある。
【0010】本発明は、以下の態様であることのが好ま
しい。 (1)F1とF2との関係が、F1−F2>0.3g/
cmである。 (2)感熱転写シートの感熱転写層に、更にワックス
が、顔料と熱可塑性樹脂との合計量100重量部に対し
て50重量部以内の量で含まれている。 (3)感熱転写シートの感熱転写層に、更にフッ素系界
面活性剤が、顔料と熱可塑性樹脂との合計量100重量
部に対して0.03〜10重量部の範囲の量で含まれて
いる。 (4)感熱転写シートの光熱変換層が、その上面に設け
られた感熱剥離層を含む構成である。 (5)受像シートの受像層が、感熱転写操作の後に、転
写された画像に損傷を与えることなくクッション層から
剥離可能であるように形成されている。 (6)受像シートの受像層が、ポリビニルブチラール及
びアルキルアクリレート/アクリルアミド共重合体を含
む。 (7)受像シートのクッション層が、ポリ塩化ビニル、
塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、塩化ビニルとビニ
ルアルコールの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルとマ
レイン酸の共重合体から選ばれる高分子重合体を含む。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の熱転写材料を図
面を参照しながら説明する。本発明の熱転写材料は、感
熱転写シートと受像シートとが積層状態で組み合わされ
てなるものである。通常は、感熱転写シートと受像シー
トとをそれぞれ用意し、画像形成時にこれらがその膜面
同志で密着するように構成した熱転写材料として利用す
るが、予め感熱転写シートと受像シートとがその膜面同
志で密着されてなる一体型の熱転写材料(熱転写複合材
料)として利用することもできる。
【0012】図1及び図2は、上記のように感熱転写シ
ートと受像シートとを用意し、これらを積層させ、本発
明の熱転写材料を構成した場合の断面を模式的に示した
図である。図1において、感熱転写シート10は、支持
体11の上に、光熱変換層12、そして感熱転写層14
がこの順に積層された構成を有する(以下、第一のタイ
プ)。また受像シート20は、支持体21の上に、クッ
ション層22、そして受像層23がこの順に積層された
構成を有する。そして感熱転写シート10の感熱転写層
14と、受像シート20の受像層23とが面接触させた
状態で積層されている。図2は、感熱転写シート10と
して、光熱変換層がその上面に設けた感熱剥離層13を
含む態様の感熱転写シート(以下、第二のタイプ)を用
いて本発明の熱転写材料を構成した場合の例を示す。
【0013】図3は、第二のタイプの感熱転写シートの
背面からレーザ光Lを照射した後、この感熱転写シート
を受像シートから剥離し、分離する状態を模式的に示し
た断面図である。感熱転写シートの背面からレーザ光L
を照射することにより、レーザ照射を受けた領域で光熱
変換層に含まれる熱剥離層が一部分解し、気化するため
その領域での光熱変換層と感熱転写層との間の接合力は
弱められる。このためレーザ照射後においては、レーザ
照射領域の感熱転写層と光熱転換層との間の接合力は、
レーザ未照射領域の感熱転写層と光熱転換層との間の接
合力に比べ弱くなる。そしてレーザ照射後、感熱転写シ
ートを受像シートから剥離し、分離すると、図3のよう
に、レーザ照射された領域の感熱転写層は、受像シート
の受像層に転写され、転写画像(Aで示す)が形成され
る。このように、レーザ照射後、感熱転写シートの剥離
(分離)により、受像シートの受像層とクッション層と
の間で剥れが生じることなく、転写画像(A)が良好に
形成されるためには、レーザ照射された領域の転写画像
(A)が受像層に残留し、一方残りの感熱転写層(レー
ザ未照射領域の感熱転写層)の部分(Bで示す)は、感
熱転写シートの剥離に伴って受像層から分離される必要
がある。従って、各層間の剥離強さの関係において、 1)受像シートのクッション層と受像層との間の剥離強
さをF1、そして 2)レーザ未照射領域における感熱転写シートの感熱転
写層と受像シートの受像層との間の剥離強さをF2、 とした場合に、F1とF2との間では、一般にF1>F
2の関係が満たされている。
【0014】また、3)レーザ照射された領域における
感熱転写シートの光熱変換層と感熱転写層との間の剥離
強さをF3とした場合に、F1とF3との間では、上記
のF1>F2の関係と同様な理由により、一般にF1>
F3の関係が満たされている。なお、上記のF1、F2
及びF3の間の関係と共に、一般に受像シートにレーザ
照射(記録)後の記録領域の感熱転写層が転写されるこ
とが必要であることから、以下の関係が成立してる。即
ち、レーザ未照射領域における光熱変換層と感熱転写層
との間の剥離強さはF3より大きく、レーザ照射(記
録)後の記録領域の感熱転写層と受像層との間の剥離強
さは、それぞれF1、F2、及びF3より大きい。
【0015】上記のようにF1>F2、かつF1>F3
の関係が満たされることにより、レーザ照射後の感熱転
写シートの受像シートからの剥離(分離)により、レー
ザ記録により形成された画像を受像シート上に転写する
ことができるが、本発明者の検討では、転写操作の安定
性においてはなお充分ではなく、従って、本発明におい
ては、F1−F3>0.3g/cm(好ましくは、F1
−F3>0.5g/cm、更に好ましくは、F1−F3
>0.8g/cm)の関係となるように調整することが
必要であることが明らかになった。また、本発明におい
ては、上記F1−F3>0.3g/cmの関係と共に、
更に安定した転写操作が可能なように、上記F1とF2
との関係においてもF1−F2>0.3g/cm(更に
好ましくは、F1−F2>0.5g/cm、特にF1−
F2>1.0g/cm)の関係となるように調整するこ
とが好ましいことも明らかになった。なお、上記のF
1、F2及びF3の間の関係と共に、本発明において
も、レーザ未照射領域における光熱変換層と感熱転写層
との間の剥離強さはF3より大きく、レーザ照射(記
録)後の記録領域の感熱転写層と受像層との間の剥離強
さは、それぞれF1、F2、及びF3より大きいという
関係が成立していることは言うまでもない。
【0016】更に本発明の熱転写材料においては、上記
F1、F2、そしてF3はそれぞれ以下のような値とな
るように調整されていることが好ましい。即ち、F1≦
2g/cm、F2<1.2g/cm(更に好ましくはF
2<0.5g/cm)、そしてF3<2g/cm(更に
好ましくはF3<1.5g/cm)であることが好まし
い。
【0017】本発明の熱転写材料は、F1、F2及びF
3の間の関係が上記のように特定の関係となるように調
整されているが、具体的には、これらの層間の剥離強さ
の関係は、後述するように、感熱転写シートの感熱転写
層に、ワックス、界面活性剤を添加することにより調整
されている。
【0018】次に、本発明の画像形成方法について説明
する。本発明の熱転写材料は、プルーフの作成に有利で
あるため、以下では、プルーフの作成方法について説明
する。図4に示すように、感熱転写シート10と受像シ
ート20とをそれぞれ用意し、感熱転写シート10を受
像シート20上に、感熱転写シート10の感熱転写層1
4と受像シート20の受像層23とが面接触するように
積層させる。そしてまず、感熱転写シート10の背面
(支持体側)からレーザ光Lの照射を行う。レーザ光L
の照射された感熱剥離層14は、前記のように熱により
分解等を起し、レーザ照射(記録)領域の感熱転写層
(レーザ記録部)Aと光熱変換層12との間の接合力
は、レーザ未照射領域の感熱転写層(レーザー非記録
部)Bと光熱変換層12との間の接合力に比べて弱くな
る。次いで、感熱転写シート10を受像シート20から
剥離する。この場合、本発明では、構成した熱転写材料
1の各層間の剥離強さは、前記のように、F1>F2、
かつF1−F3>0.3g/cmの関係、更に、好まし
くは、F1−F2>0.3g/cmの関係で調整されて
いるから、受像層23は、レーザ照射、未照射領域に拘
らずクッション層22から剥れることなく、レーザー照
射領域の感熱転写層Aは受像層23に良好に転写され
る。
【0019】次に、感熱転写層Aが形成された受像シー
トの受像層を別に用意した印刷本紙(以下、単に本紙)
に転写(再転写)する。図5は、本紙30上に、感熱転
写層Aが形成された受像シート20を感熱転写層Aを下
にして重ね合わせた後、受像シートの受像層を本紙上に
残し、支持体とクッション層を引き剥す状態を示してい
る。図のように、受像シート20の受像層23は、感熱
転写層Aに損傷を与えることなくクッション層22から
剥離可能に形成されていることが好ましい。そして受像
シートの剥離の際に、本紙30の紙剥けが生じることな
く受像層23のみの転写操作が円滑に行われるために
は、受像層23とクッション層22との間の剥離強さF
1は、通常の印刷本紙の場合には、F1≦2g/cmの
関係を有していることが好ましい。以上の工程により、
検版用のモノクロプルーフを作成することができる。
【0020】本発明の熱転写材料を用いて多色画像から
なるカラープルーフを形成することもできる。多色画像
からなるカラープルーフを形成する際には、上記のよう
にして作成した第一色目の転写画像Aが形成された受像
シート20に、図6に示すように、別に用意した第一色
目の色相と異なる色相の感熱転写シート10’をその感
熱転写層14’と受像層23とが面接触するように積層
する。次いで、上記と同様に、感熱転写シート10’の
背面からレーザ光Lを照射し、その後、感熱転写シート
10’を受像シート20から剥離することにより、受像
シート20の第一色目の転写画像Aの上に第二色目の転
写画像A’が形成される。このような手順を、各色相別
に用意した通常四枚の感熱転写シート(通常、ブラッ
ク、シアン、マゼンタ、イエローの四色)について順次
繰り返すことにより、受像シート20上に多色画像(四
色の重なりによるフルカラー画像)を形成することがで
きる。各色相の感熱転写シートを受像シートに積層させ
た状態の各熱転写材料においては、それぞれ前記のよう
に、F1>F2、かつF1−F3>0.3g/cmの関
係、更に、好ましくは、F1−F2>0.3g/cmの
関係で各層間の剥離強さが調整されているから、レーザ
記録後の各色相の感熱転写シートを受像シートから剥離
する際にも受像層23はクッション層22から剥れるこ
となく、レーザー照射領域の感熱転写層A(転写画
像)、A’・・は受像層23に順に転写される。
【0021】次に、受像シート上に得られた多色転写画
像を印刷本紙に転写する。多色転写画像が形成された受
像シートの印刷本紙への転写(再転写)、そして本紙か
らの受像シートの剥離は、前記モノクロプルーフの作成
の場合と同様に行うことができる。そして受像シートの
剥離の際に、本紙の紙剥けが生じることなく受像層のみ
の転写操作が円滑に行われるためには、前記と同様に、
受像層23とクッション層22との間の剥離強さF1
は、F1≦2g/cmの関係を有していることが好まし
い。以上により、多色画像からなるカラープルーフを作
成することができる。
【0022】なお、上記の画像形成に際し、レーザ光照
射操作は、従来と同様な方法で行うことができる。即
ち、受像シートを記録ドラム(内部に真空形成機構を有
し、表面に多数の微小の開口部を有する回転ドラム)の
表面に真空引きにより密着させ、その状態で、該受像シ
ートの上に感熱転写シートをその膜面同志が密着するよ
うに重ね合わせ、次いで感熱転写シート側よりレーザ光
を照射させる方法により行なわれる。レーザ光の照射は
ドラムを回転させて主走査し、その照射操作中はドラム
に対し、レーザ光を一定の速度で移動(副走査)させ
る。
【0023】レーザ光としては、アルゴンイオンレーザ
光、ヘリウムネオンレーザ光、ヘリウムカドミウムレー
ザ光などのガスレーザ光、YAGレーザ光などの固体レ
ーザ光、半導体レーザ、色素レーザ光、エキシマレーザ
光などの直接的なレーザ光が利用される。あるいは、こ
れらのレーザ光を二次高調波素子を通して、半分の波長
に変換した光なども用いることができる。本発明におい
ては、出力パワーや変調のしやすさなどを考慮すると、
半導体レーザを用いることが好ましい。また、上記画像
形成方法の実施に際して、レーザ光は、光熱変換層上で
のビーム径が5〜50μm(特に6〜30μm)の範囲
となるような条件で照射することが好ましく、また走査
速度は1m/秒以上(特に3m/秒以上)とすることが
好ましい。
【0024】次に、本発明の熱転写材料を構成する感熱
転写シート及び受像シートについて説明する。本発明の
熱転写材料は、その画像形成が円滑に行われるように、
感熱転写シートと受像シートの各層間におけるその剥離
強さが前記のように特定の関係式を満たすように調整さ
れている。具体的には、このような関係式の調整は、感
熱転写シートにおいては、感熱転写層の構成要素である
顔料の種類により異なるが、界面活性剤の使用量の調
整、そして感熱転写層へのワックスの添加により行われ
ており、また受像シートにおいては、受像層を構成する
高分子重合体の種類、及びその使用量の調整により行わ
れている。
【0025】本発明に用いる感熱転写シートを構成する
材料について、次に説明する。感熱転写シートの支持体
の材料には特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に
応じて用いることができる。そのような支持体材料の好
ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体な
どの合成樹脂材料から形成されたシートを挙げることが
できる。なかでも、機械的強度や熱に対する寸法安定性
を考慮すると二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが好
ましい。なお、本発明の画像形成方法をカラープルーフ
の作成に用いる場合には、一般に受像シート支持体を印
刷本紙などの不透明なシート材料とするため、感熱転写
シートの支持体はレーザ光を透過させる透明な合成樹脂
材料から形成することが好ましい。
【0026】感熱転写シートの支持体には、その上に設
けられる光熱変換層との密着性を向上させるために、表
面活性化処理および/または一層または二層以上の下塗
層の付設を行なうことが好ましい。表面活性化処理の例
としては、グロー放電処理、コロナ放電処理などを挙げ
ることができる。下塗層の材料としては、支持体と光熱
変換層の両表面に高い接着性を示し、かつ熱伝導性が小
さく、また耐熱性に優れたものであることが好ましい。
下塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、ゼラチンなどを挙げることができる。
下塗層の厚さは下塗層全体の厚さとして、通常0.01
〜2μmの範囲に入るように選ばれる。また、感熱転写
シートの光熱変換層付設側とは反対側の表面には、必要
に応じて、反射防止層などの各種の機能層の付設、ある
いは表面処理を行なうこともできる。
【0027】感熱転写シートの光熱変換層は、一般的に
はレーザ光を吸収することのできる光吸収材料(色素、
顔料など)とバインダとからなる基本構成を有する。す
なわち、レーザ光吸収特性のみを求めるのであれば、光
熱変換層を色素のみから構成しても問題ないが、感熱転
写シートは、画像形成方法において、受像シートとの接
合や、受像シートからの剥離などの工程が含まれるた
め、そのような工程においても充分な自己形状保持性と
支持体と光熱変換層への接着性を保持するためには、通
常はバインダが併用される。ただし、後述するような金
属蒸着膜を利用する光熱変換層ではバインダは必要とし
ない。使用できる色素、顔料などの例としては、カーボ
ンブラックのような黒色顔料、フタロシアニン、ナフタ
ロシアニンのような可視から近赤外域に吸収を有する大
環状化合物の顔料、光ディスクなどの高密度レーザ記録
のレーザ吸収材料として使用される有機染料(インドレ
ニン染料等のシアニン染料、アントラキノン系染料、ア
ズレン系色素、フタロシアニン系染料)およびジチオー
ルニッケル錯体等の有機金属化合物色素を挙げることが
できる。なお、記録感度を高めるために光熱変換層はで
きるだけ薄いことが好ましく、そのためレーザ光波長領
域において大きい吸光係数を示すシアニン系色素やフタ
ロシアニン系色素を用いることが望ましい。なお、光熱
変換層のレーザ光吸収性材料としては、金属材料などの
無機材料も使用できる。金属材料は、粒子状(たとえ
ば、黒化銀)としてバインダと共に層を形成させてもよ
く、また蒸着膜などとして支持体上に形成させてもよ
い。あるいは、ベヘン酸銀などの有機金属化合物を、溶
液中またはフィルムとして還元剤と共存させながら加熱
することにより、in−situで金属微粒子を析出さ
せて光熱変換層とすることもできる。
【0028】光熱変換層のバインダの材料としては特に
限定はないが、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのアク
リル酸系モノマーの単独重合体または共重合体、メチル
セルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート
のようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルアルコールのようなビ
ニル系ポリマー及びビニル化合物の共重合体、ポリエス
テル、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジエン
−スチレン共重合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、
エポキシ化合物などの光重合性または熱重合性化合物を
重合・架橋させたポリマーなどを挙げることができる。
また上記以外のバインダ材料としては、ポリアミド酸も
好ましく使用することができる。
【0029】なお、感熱転写シートの光熱変換層は、画
像形成方法の実施においてレーザを照射された場合に、
極めて高い温度まで上昇する。そして、高温となった光
熱変換層は、その上の感熱剥離層(光熱変換層で発生し
た熱の作用により気体を発生する感熱材料を含む層)に
熱を伝え、感熱剥離層の感熱材料は、その熱により分解
して気体を発生するか、あるいは付着水などの放出を行
ない、これにより、光熱変換層と感熱転写層との間の接
合強度を弱める作用をする。従って、独立した感熱剥離
層を設ける場合には、光熱変換層のバインダの耐熱性
は、感熱剥離層の感熱材料よりも高いことが望ましい。
すなわち、光熱変換層のバインダの熱変形温度や熱分解
温度などは、感熱剥離層の感熱材料の熱変形温度や熱分
解温度などよりも高いことが好ましい。
【0030】あるいは、光熱変換層に感熱材料が含ま
れ、その結果、光熱変換層自体が感熱剥離層を兼ねる場
合には、高温となった光熱変換層に含まれる感熱材料
が、その熱により分解して気体を発生するか、あるいは
付着水などの放出を行ない、これにより、光熱変換層と
感熱転写層との間の接合強度を弱める作用をする。光熱
変換層が、色材(染料または顔料)とバインダからなる
場合には、固形分重量比で1:20〜2:1(色材:バ
インダ)の範囲にあることが好ましく、特に1:10〜
2:1の範囲にあることが好ましい。バインダの量が少
なすぎると、光熱変換層の凝集力が低下し、形成画像が
受像シートに転写される際に、一緒に転写されやすくな
り、画像の混色の原因となる。またバインダが多すぎる
と、一定の光吸収率を達成するためには光熱変換層の層
厚を大きくする必要があり、感度低下を招きやすい。上
記の色材とバインダとからなる光熱変換層の層厚は、一
般に0.03〜2μm、好ましくは、0.05〜1μ
m、更に好ましくは、0.1〜0.8μmである。また
光熱変換層は、光記録に用いるレーザ光の波長で光吸収
率として70%以上を示すことが好ましい。
【0031】第一のタイプの感熱転写シートにおいて
は、光熱変換層には、その光熱変換層内で発生した熱の
作用により気体を発生する感熱材料が含まれていても良
い。そのような感熱材料としては、それ自身が熱により
分解もしくは変質して気体を発生する化合物(ポリマー
また低分子化合物)、あるいはその材料の特性として水
分などの易気化性気体を相当量吸収もしくは吸着してい
る化合物(ポリマーまた低分子化合物)などを用いるこ
とができる。なお、それらは併用することも可能であ
る。熱により分解もしくは変質して気体を発生するポリ
マーの例としては、ニトロセルロースのような自己酸化
性ポリマー、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴム、ポリ
塩化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンのよう
なハロゲン含有ポリマー、水分などの揮発性化合物が吸
着されているポリイソブチルメタクリレートなどのアク
リル系ポリマー、水分などの揮発性化合物が吸着されて
いるエチルセルロースなどのセルロースエステル、水分
などの揮発性化合物が吸着されているゼラチンなどの天
然高分子化合物などを挙げることができる。熱により分
解もしくは変質して気体を発生する低分子化合物の例と
しては、ジアゾ化合物やアジド化合物のような発熱分解
して気体を発生する化合物を挙げることができる。な
お、上記のような、熱による感熱材料による分解や変質
等は、280℃以下で発生することが好ましく、特に2
30℃以下で発生することが好ましい。
【0032】第二のタイプの感熱転写シートの光熱変換
層には、該光熱変換層で発生した熱の作用により気体を
発生する感熱材料を含む感熱剥離層が含まれている。そ
のような感熱材料としては、それ自身が熱により分解も
しくは変質して気体を発生する化合物(ポリマーまた低
分子化合物)、あるいはその材料の特性として水分など
の易気化性気体を相当量吸収もしくは吸着している化合
物(ポリマーまた低分子化合物)などを用いることがで
きる。それらは併用することも可能である。なお、感熱
剥離層に導入する、光熱変換層で発生した熱の作用によ
り気体を発生する感熱材料の例は、上記の説明で挙げた
ものと同様である。なお、感熱剥離層で、感熱材料とし
て低分子化合物を用いる場合には、バインダと組合せる
ことが望ましい。その場合のバインダとしては、上記の
それ自身が熱により分解もしくは変質して気体を発生す
るポリマーでもよく、あるいはそのような性質を持たな
い通常のポリマーバインダでも良い。感熱性の低分子化
合物とバインダとを併用する場合には、前者と後者の重
量比で、0.02:1〜3:1、特に0.05:1〜
2:1の範囲にあることが好ましい。感熱剥離層は、光
熱変換層をそのほぼ全面にわたって被覆していることが
望ましく、その厚さは一般に0.03〜1μm、特に
0.05〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
【0033】なお、支持体の上に、光熱変換層(感熱剥
離層を含む)、そして感熱転写層がこの順に積層された
構成の感熱転写シート(第二のタイプ)の場合には、感
熱剥離層は、光熱変換層から伝えられる熱により分解、
変質などを起し、気体を発生する。そして、この分解あ
るいは気体発生により、感熱剥離層が一部消失するか、
あるいは感熱剥離層内で凝集破壊が発生し、光熱変換層
と感熱転写層との間の結合力が低下する。このため、感
熱剥離層の挙動によっては、その一部が感熱転写層に付
着して、最終的に形成される画像の表面に現われ、画像
の混色の原因となることがある。従って、そのような感
熱剥離層の転写が発生しても、形成された画像に混色が
目視的に現われないように、感熱剥離層は着色が小さい
こと(即ち、可視光に対して高い透過性を示すこと)が
望ましい。具体的には、感熱剥離層は、可視光に対し、
光吸収率が50%以下、好ましくは10%以下である。
【0034】本発明に用いる感熱転写シートにおいて、
第二のタイプの場合には、光熱変換層の上には感熱剥離
層を介して感熱転写層が設けられる。または第一のタイ
プの場合には、光熱変換層の上には直接感熱転写層が設
けられる。第一のタイプや第二のタイプの感熱転写層
は、記録画像を可視化するための顔料と熱可塑性バイン
ダとを主構成材料とする層である。顔料は一般に有機顔
料と無機顔料とに大別され、前者は特に塗膜の透明性に
優れ、後者は一般に隠蔽性に優れる。本発明の感熱転写
シートを印刷色校正用に用いる場合には、印刷インキに
一般に使用されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
クと一致するか、あるいは色調が近い有機顔料が好適に
使用される。またその他にも、金属粉、蛍光顔料等も用
いる場合がある。好適に使用される顔料の例としては、
アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントリキノン系
顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソ
インドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げることができ
る。また、色相別に代表的な顔料を分けて記載すれば以
下のようになる。
【0035】1)黄色顔料 ハンザイエローG、ハンザイエロー5G、ハンザイエロ
ー10G、ハンザイエローA、ピグメントイエローL、
パーマネントイエローNCG、パーマネントイエローF
GL、パーマネントイエローHR。 2)赤色顔料 パーマネントレッド4R、パーマネントレッドF2R、
パーマネントレッドFRL、レーキレッドC、レーキレ
ッドD、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、
アリザリンレーキ、ローダミンレーキB。 3)青色顔料 フタロシアニンブルー、ビクトリアブルーレーキ、ファ
ストスカイブルー。 4)黒色顔料 カーボンブラック。
【0036】感熱転写層の熱可塑性バインダの例として
は、次のような熱可塑性ポリマーを挙げることができ
る。メチルセルロース、エチルセルロース、三酢酸セル
ロースのようなセルロース誘導体、アクリル酸、メタク
リル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルな
どのアクリル酸系モノマーの単独重合体または共重合
体、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマールなどのビニル系ポリマー、ポ
リスチレン、スチレン−マレイン酸共重合体などのスチ
レン系ポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレンなど
のゴム系ポリマー、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体などのポリオレフィン及びその共重合体、フ
ェノール樹脂、アイオノマー樹脂。上記の樹脂のなかで
も、Tgが30〜120℃の範囲にあるものが好まし
く、たとえば、ポリビニルブチラールやアクリル系ポリ
マーが好ましい。また、熱可塑性ポリマーの平均分子量
は5000〜100000の範囲にあることが望まし
い。感熱転写層中の顔料と熱可塑性樹脂バインダとの重
量比は、0.5:1〜4:1の範囲にあることが好まし
い。
【0037】本発明に用いる感熱転写シートの感熱転写
層には、前述のように、ワックスを含有させることが好
ましい。ワックスは、その融点は40〜160℃の範囲
にあることが好ましく、通常は鉱物系のワックスや天然
ワックス、合成ワックスが使用される。
【0038】鉱物系のワックスの例としては、パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エステル
ワックス、酸化ワックス等の石油ロウ、モンタンロウ、
オゾケライト、セレシン等を挙げることができる。なか
でも、パラフィンワックスが好ましい。パラフィンワッ
クスは、石油から分離されるものであり、その融点によ
って各種のものが市販されている。天然ワックスの例と
しては、カルナバロウ、木ロウ、オウリキュリーロウ、
エスパルロウ等の植物ロウ、密ロウ、昆虫ロウ、セラッ
クロウ、鯨ロウ等の動物ロウが挙げられる。
【0039】合成ワックスは、一般に滑剤として用いら
れ、通常は高級脂肪酸系の化合物からなる。このような
合成ワックスの例としては、下記のものがある。 1)脂肪酸系ワックス 一般式:CH3 (CH2n COOH(式中、nは6〜
28の整数)で表わされる直鎖飽和脂肪酸。例、ステア
リン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、12−ヒドロキシス
テアリン酸、アゼライン酸。 2)脂肪酸エステル系ワックス 上記脂肪酸のエステル:例、ステアリン酸エチル、ステ
アリン酸ラウリル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸ヘキシ
ル、ミリスチン酸ベヘニル。 3)脂肪酸アミド系ワックス 上記脂肪酸のアミド:例、ステアリン酸アミド、ラウリ
ン酸アミド。 4)脂肪族アルコール系ワックス 一般式:CH3 (CH2n OH(式中、nは6〜28
の整数)で表わされる直鎖飽和脂肪族アルコール。例、
ステアリルアルコール。これらの合成ワックスのなかで
も、特にステアリン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの
高級脂肪酸アミド及びその誘導体が好適である。ワック
スは所望により単独もしくは適宜組合せて使用すること
ができる。ワックスは、感熱転写層に、顔料及びバイン
ダ(熱可塑性樹脂)の合計量100重量部に対して50
重量部以内の範囲で、好ましくは3〜20重量部の範囲
の量で用いられる。
【0040】また、本発明に用いる感熱転写シートの感
熱転写層には、界面活性剤を含有させることが好まし
い。界面活性剤は特に制限されることなく、一般的な界
面活性剤を使用することができる。これらの例として
は、陰イオン界面活性剤(ステアリン酸ナトリウムなど
の高級脂肪酸塩)、非イオン系界面活性剤(ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル等のオキシエチレン鎖を有す
る化合物)、陽イオン界面活性剤(テトラアルキルアン
モニウム塩など)、両イオン性界面活性剤(分子中に酸
基、塩基性基の両者を有するもので、N,N−ジアルキ
ルアミノアルキレンカルボン酸塩等)を挙げることがで
きる。特に、親油基中にフッ素や、シリコーン等の元素
を有する界面活性剤は、少量で効果が大きい点で好まし
い。シリコーン系界面活性剤は、ポリメチルシロキサン
型の構造であり、陰イオン、非イオン、陽イオン型のい
ずれも使用可能である。また、フッ素系界面活性剤は、
パーフルオロアルキルスルフォン酸塩等、陽イオン型の
界面活性剤が中心であり、例えば、商品名:メガファッ
クF−110、113、120、150、172、17
7、及び183(大日本インキ化学工業(株)製)が好
ましい。界面活性剤の添加量は、感熱転写層を構成する
顔料、バインダ(熱可塑性樹脂)、及び溶剤、界面活性
剤の種類によるが、例えば、フッ素系界面活性剤の場合
には、感熱転写層の顔料及びバインダの合計量100重
量部に対して、0.03〜10重量部、好ましくは、
0.1〜3重量部である。
【0041】本発明の感熱転写シートの感熱転写層は更
に可塑剤を含むこともある。すなわち、特に多色画像を
作成するために、同一の受像シート像に多数の画像層
(画像が形成された感熱転写層)を繰返し重ね合せるよ
うな操作を行なう場合には、画像層間の密着性を高める
ために感熱転写層に可塑剤を含ませることが好ましい。
そのような可塑剤の例としては、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキ
シル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジラウリル、フタル
酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタ
ル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)などの脂肪
族二塩基酸エステル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
(2−エチルヘキシル)などのリン酸トリエステル類、
ポリエチレングリコールエステルなどのポリオールポリ
エステル類そしてエポキシ脂肪酸エステルなどのエポキ
シ化合物が挙げられる。また、上記のような一般的な可
塑剤以外にも、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエ
リトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテト
ラアクリレート、ジペンタエリトリット−ポリアクリレ
ートのようなアクリル酸エステル類も、用いられるバイ
ンダの種類によっては好適に併用される。なお、可塑剤
は二以上組合せて用いてもよい。
【0042】また、可塑剤は一般的に、感熱転写層にお
いて、顔料と結合剤の合計量と可塑剤との重量比で、1
00:1〜100:30、好ましくは100:2〜10
0:15の範囲で用いられる。感熱転写層には、上記の
各成分に加えて、更に必要に応じて、増粘度剤などが添
加される。
【0043】感熱転写層の層厚(乾燥層厚)は目的によ
って変えられるが、一般に10μmを越えることはな
く、通常は0.1〜2μm(好ましくは0.1〜1.5
μm)の範囲内で調整される。
【0044】次に、本発明の熱転写材料に用いる受像シ
ートについて説明する。本発明に用いる受像シートは、
支持体上にクッション層及び受像層がこの順で設けられ
た構成である。受像シートに用いられる支持体は、通常
化学的及び熱的に安定なプラスチック製支持体であり、
このプラスチック材料としては例えば、ポリエステル
(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエー
テルサルフォン、ポリイミド、ポリオレフィン(例、ポ
リエチレン、ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート及び
酢酸セルロースを挙げることができる。これらの中で
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンが好
ましく、特に、寸度安定性などの点からポリエチレンテ
レフタレートが好ましい。
【0045】受像シートに用いられるプラスチック支持
体の厚みは、50〜250μmの範囲にあることが好ま
しく、更に好ましくは、75〜150μmの範囲であ
る。なお、クッション層を設ける側の支持体の表面は、
該中間層形成用塗布液を塗布するのに有利なように下塗
り処理、また接着力を上げるためにコロナ放電処理、グ
ロー放電処理などの表面処理を施してもよいし、あるい
はアンダーコート層を設けることも可能である。アンダ
ーコート層としては支持体と中間層の接着力を上げるも
のなら限定はないが、特にシランカップリング剤が好適
である。更に、支持体は帯電防止処理、マット処理が施
されていてもよい。
【0046】上記支持体の上に設けられるクッション層
及び受像層は、高分子重合体を主体とする層である。ク
ッション層を構成する高分子重合体としては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;
エチレンと酢酸ビニルあるいはエチレンとアクリル酸エ
ステルの如きエチレン共重合体;ポリ塩化ビニル;塩化
ビニルと酢酸ビニルの如き塩化ビニル共重合体;ポリ塩
化ビニリデン;塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)
アクリル酸エステル;共重合ナイロン、N−アルコキシ
メチル化ナイロンの如きポリアミド樹脂;アクリルゴム
などの合成ゴム;塩化ゴム等の有機高分子重合体から少
なくとも1つ選ばれるのが好ましい。
【0047】これらの中では、特に重合度が200〜2
000の高分子重合体(ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと
酢酸ビニルの共重合体、塩化ビニルとビニルアルコール
の共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルとマレイン酸の共
重合体)が好適である。その理由として、ポリ塩化ビニ
ル及び塩化ビニル共重合体は、常温での粘着性が殆ど無
いこと、弾性率が比較的小さく、熱転写時に転写画像の
凹凸に容易に追従可能なこと、共重合成分中の水酸基あ
るいはカルボキシル基の効果で層間密着力のコントロー
ルが容易なこと、そして特に、可塑剤により弾性率のコ
ントロールが容易なことなどが挙げられる。
【0048】クッション層の厚さは、1μm〜50μm
(更に好ましくは、5μm〜30μm)の範囲にあるこ
とが好ましい。その理由としては、受像シート上に転写
された画像を永久支持体に転写する場合に永久支持体の
表面の凹凸より厚くする必要があること、4色のカラー
画像が重なる部分のレリーフ段差を充分に吸収しうる厚
みが必要なこと、画像形成時にゴミが付着した場合でも
ゴミによる画像欠陥が生じないような(ゴミを吸収しう
る)厚みが必要なこと、更に充分なクッション性を得る
為には、この程度の厚みが必要なことなどを挙げること
ができる。
【0049】クッション層は、200kg・f/cm2
以下の弾性率で形成されていることが好ましい。弾性率
を小さくすることにより、受像層にクッション性が生じ
て、記録感度、ドット品質、階調再現性が向上する。さ
らに熱転写記録する際に熱転写シートと受像シートの間
にゴミ等の異物が存在した場合にも中間層のクッション
性がある為に画像欠陥になりにくいという利点がある。
また、受像シートに転写された画像を、紙などの印刷本
紙上に加熱、加圧下で再転写する際には、該中間層が紙
の凹凸に従って埋め込まれるため、紙との高い密着性が
得られ、受像層を剥離した後に表面をマット化等の特別
な処理をしなくとも表面光沢が印刷物に近似した画像と
なる。
【0050】上記有機高分子重合体中には、可塑剤を添
加することができる。可塑剤としては、例えば、フタル
酸エステル類(例、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−n
−オクチル、フタル酸ブチルベンジル)、脂肪族二塩基
酸エステル(例、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル))、リン酸
トリエステル類(例、リン酸トリクレジル)、ポリオー
ルエスエル類(例、ポリエチレングリコールエステ
ル)、エポキシ化合物(例、エポキシ脂肪酸エステ
ル)、及びアクリル酸エステル類(例、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、ペンタエリトリットトリア
クリレート)を挙げることができる。また有機高分子重
合体中には、支持体や第二受像層との接着力を調整する
為に、各種のポリマーや密着改良剤あるいは界面活性剤
や離型剤を加えることも可能である。また弾性率を下げ
る目的で粘着性ポリマーの一部併用も非常に有効であ
る。
【0051】更に高分子重合体として、塩化ビニル系樹
脂を使用する場合には、ポリ塩化ビニル及び塩化ビニル
共重合体の安定化剤として一般に知られるブチル錫系安
定剤あるいはオクチル錫系安定剤等の有機錫系安定剤を
添加することも有効である。
【0052】次に、受像層について説明する。受像層の
目的は、熱転写による画像を受容できること、永久支持
体への再転写時に受像シートを剥離する際、クッション
層と受像層の間で層間剥離をさせ、永久支持体上の画像
上に薄い受像層のみを残し、永久支持体の凹凸により、
特別なマット化処理を施すことなく実際の印刷物の光沢
に近似した画像を得ること、また画像の耐傷性を向上さ
せることにある。
【0053】受像層は、前記クッション層と同様に樹脂
材料で構成されていることが好ましい。受像層を構成す
ることができる樹脂材料としては、例えば、前記クッシ
ョン層で使用した種々の有機高分子重合体の他に、酢酸
ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのアセター
ル樹脂、アルキルアクリレート/アクリルアミド共重合
体、変成ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、
ヒドロキシスチレン共重合体、スルフォンアミド樹脂、
セルロース樹脂、エステルガム及びロジンを挙げること
ができる。特に、受像層は、ポリビニルブチラール及び
アルキルアクリレート/アクリルアミド共重合体を用い
て構成されていることが好ましい。
【0054】これらの樹脂の中には、各種界面における
接着力の関係を満たす為に他の密着改良剤、可塑剤、離
型剤、界面活性剤を添加することができる。受像層に用
いる塗布溶剤は、塗布時における塗布溶剤の下層への浸
透によるクッション層と受像層の混ざり込みを防ぐ目的
で、クッション層に用いた樹脂を溶解もしくは膨潤させ
ないような塗布溶剤を用いることが好ましい。例えば、
各種の溶剤に対して比較的溶解性の良好な塩化ビニル系
の樹脂をクッション層に用いた場合には、アルコール系
もしくは水系の塗布溶剤を使用することが好ましい。
【0055】受像層の膜厚は、0.1μm〜10μmの
範囲(更に好ましくは、0.5μm〜5μm)にあるこ
とが好ましい。膜厚が厚すぎると永久支持体の表面の凹
凸感が損なわれ、光沢が出過ぎて印刷物近似性が低下し
易くなる。
【0056】永久支持体への転写時に受像シートの剥離
で層間剥離をクッション層の有機高分子物質と受像層の
有機高分子物質の間で起こさせるには、各層間の密着力
のバランスが重要である。層間密着力をコントロールす
るには、重層塗布時の混合を防ぐ為に塗布溶剤の選択の
他に、親水性ポリマーと親油性ポリマーあるいは極性ポ
リマーと非極性ポリマーの組み合わせといった素材の選
択、シランカップリング剤等の密着改良剤、フッ素系や
シリコーン系の離型効果を有する各種添加剤、界面活性
剤をクッション層あるいは受像層に添加することが有効
である。
【0057】受像層の上には、受像層の滑り性や耐傷性
を向上させる目的で、上塗層として、種々の離型剤や滑
剤の層を設けることができる。具体的には、例えばパル
ミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸
亜鉛の如き脂肪酸金属塩類、脂肪酸エステル類もしくは
その部分ケン化物、脂肪酸アミド類等の脂肪酸誘導体、
高級アルコール類、多価アルコール類のエーテル等誘導
体、パラフインワックス、カルナバワックス、モンタン
ワックス、ミツロウ、木ロウ、キヤンデリラワックス等
のワックス類、更には長鎖脂肪族基を有するアンモニウ
ム塩、ピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、或い
は同様に長鎖脂肪族基を有するアニオン、ノニオン界面
活性剤、パーフロロ系界面活性剤等から1種以上選択し
て用いることができる。
【0058】熱転写シートと受像シートとを組み合わせ
て本発明の熱転写材料を作成する際には、この両シート
を重ね合わせた状態でヒートローラなどに通し、加熱加
圧処理が施される。加圧条件は、通常1〜30kg/c
2 、加熱条件は、ローラの場合、その表面温度が25
0℃以下、好ましくは60〜150℃である。
【0059】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、以下の「部」
は、重量部を表わす。
【0060】[実施例1] (1)マゼンタ画像記録転写シート(熱転写シート)の
作成 1)光熱変換層形成用塗布液の調製 下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して光熱変換
層形成用塗布液を調製した。
【0061】 塗布液組成 赤外線吸収色素(IR−820B、日本化薬(株)製) 5部 バインダ(ポリアミド酸) (PAA−A、三井東圧化学(株)製) 40部 メチルエチルケトン 1000部 1−メトキシ−2−プロパノール 1000部 界面活性剤(メガファックF−177P、 大日本インキ化学工業(株)製) 1部 なお、上記ポリアミド酸(PAA−A)(芳香族のテト
ラカルボン酸に無水物とジアミンとの反応により得られ
たもの)は、N,N−ジメチルアセトアミドの25重量
%溶液である。
【0062】2)支持体表面への光熱変換層の形成 厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの
一方の表面上に、スチレン・ブタジエン共重合体(厚さ
0.5μm)からなる層及びゼラチン層(厚さ0.1μ
m)とをこの順に形成して支持体を作成した。次いで、
この支持体の下塗り層の上に、上記光熱変換層形成用塗
布液を回転塗布機(ホワイラー)を用いて塗布した後、
100℃のオーブン中で2分間乾燥し、膜厚0.2μm
の光熱変換層を得た。
【0063】3)感熱剥離層形成用塗布液の調製 下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して感熱剥離
層形成用塗布液を調製した。
【0064】 塗布液組成 ニトロセルロース(タイプHIG120、旭化成(株)製) 16部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 480部 トルエン 1120部 界面活性剤(メガファックF−177P、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.2部
【0065】4)光熱変換層表面への感熱剥離層の形成 上記の支持体上に設けた光熱変換層の表面に、上記塗布
液をホワイラーを用いて1分間塗布したのち、塗布物を
100℃のオーブン中で2分間乾燥して、該支持体上に
感熱剥離層を形成した。膜厚は、走査型電子顕微鏡によ
り、感熱剥離層の断面を観察したところ、平均で0.1
μmであった。
【0066】3)マゼンタ画像形成層(感熱転写層)形
成用塗布液の調製 下記の各成分をペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)で二時間分散処理して、マゼンタ顔料分散母液を調
製した。 顔料分散母液組成 ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、 デンカブチラール#2000−L)の 20重量%溶液(溶媒:n−プロパノール) 12.6部 色材(マゼンタ顔料、C.I.Pigment Red 57:1、 東洋インキ(株)製) 18部 分散助剤(ソルスパースS−20000、 ICIジャパン(株)製) 0.8部 n−プロピルアルコール 110部 ガラスビーズ 100部
【0067】下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合
して、マゼンタ画像形成層形成用塗布液を調製した。 塗布液組成 上記顔料分散母液 60部 合成ワックス 2部 (N−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド) (J−420、イトーワックス(株)製) n−プロピルアルコール 600部 フッ素系界面活性剤(メガファックF−177P、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.2部
【0068】4)感熱剥離層表面へのマゼンタ画像形成
層の形成 前記の感熱剥離層表面上に、上記マゼンタ画像形成用塗
布液をホワイラーを用いて塗布した後、100℃のオー
ブン中で2分間乾燥し、膜厚0.3μmのマゼンタ画像
形成層を形成した。得られた画像形成層のみの光学濃度
は、0.7(グリーンフィルター、マクベス濃度計)で
あった。
【0069】(2)受像シートの作成 1)第一受像層(クッション層)形成用塗布液の調製 下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して第一受像
層形成用塗布液を調製した。
【0070】 塗布液組成 ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 (MPR−TSL、日信化学(株)製) 44部 アクリルゴム (RS−08、日信化学(株)製) 22部 可塑剤(ポリサイザーW20、 大日本インキ化学工業(株)製) 22部 ジオクチルメルカプト錫 (KS−2000A、共同薬品工業(株)製) 0.33部 界面活性剤(メガファックF−177PF、 0.6部 大日本インキ化学工業(株)製) メチルエチルケトン 135部 トルエン 11部 N,N−ジメチルホルムアミド 0.4部
【0071】2)支持体表面への第一受像層形成 支持体(厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム)の一方の表面上に上記の塗布液をホワイラー
を用いて塗布した後、塗布物を100℃のオーブン中で
5分間乾燥して、該支持体上に第一受像層(膜の厚さ2
3μm)を形成した。
【0072】3)第二受像層(受像層)形成用塗布液の
調製 下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して第二受像
層形成用塗布液を調製した。
【0073】 塗布液組成 ポリビニルブチラール 12.5部 (デンカブチラール#2000−L、 電気化学工業(株)製) N,N−ジメチルアクリルアミド/ブチルアクリレート 3.2部 共重合体(共重合組成比:50/50) 界面活性剤(メガファックF−177PF、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.07部 n−プロピルアルコール 164部 1−メトキシ−2−プロパノール 10部 N,N−ジメチルホルムアミド 0.4部 4)第一受像層表面への第二受像層形成 支持体上の第一受像層の表面上に上記の塗布液をホワイ
ラーを用いて塗布した後、塗布物を100℃のオーブン
中で5分間乾燥して、第一受像層の表面に第二受像層を
形成した(膜の厚さ2μm)。以上の工程により、支持
体の上に、クッション層/受像層が積層された受像シー
トを作成した。
【0074】(3)積層体(熱転写材料)の作成 上記のようにして作成した感熱転写シートと受像シート
とをそれぞれ室温で一日放置したのち、感熱転写シート
のマゼンタ画像形成層(感熱転写層)の上に、受像シー
トの受像層側を重ね、この状態で、表面温度90℃、圧
力4.5kg/cm2 のヒートローラに速度150cm
/分で通して、それらを一体化し、積層体を作成した。
【0075】[実施例2]実施例1の感熱転写シートの
作成において、色材として、マゼンタ顔料(C.I.Pigmen
t Red 57:1、東洋インキ(株)製)の代わりにシアン顔
料(C.I.PigmentBlue 15:4 、東洋インキ(株)製)を
用いた以外は、同様にしてシアン画像記録転写シートを
作成した。そして得られたシアン画像記録転写シートを
用いて実施例1と同様にして積層体を作成した。
【0076】[比較例1]実施例1の感熱転写シートの
作成において、色材として、マゼンタ顔料(C.I.Pigmen
t Red 57:1、東洋インキ(株)製)の代わりにイエロー
顔料(C.I.Pigment Yellow 14 、東洋インキ(株)製)
を用いた以外は、同様にしてイエロー画像記録転写シー
トを作成した。そして得られたイエロー画像記録転写シ
ートを用いて実施例1と同様にして積層体を作成した。
【0077】[比較例2]実施例1の感熱転写シートの
作成において、色材として、マゼンタ顔料(C.I.Pigmen
t Red 57:1、東洋インキ(株)製)の代わりにイエロー
顔料(C.I.Pigment Yellow 14 、東洋インキ(株)製)
に変更し、かつ画像形成用塗布液中の合成ワックスの量
を2.3部に変更した以外は、同様にしてイエロー画像
記録転写シートを作成した。そして得られたイエロー画
像記録転写シートを用いて実施例1と同様にして積層体
を作成した。
【0078】[比較例3]実施例1の感熱転写シートの
作成において、色材として、マゼンタ顔料(C.I.Pigmen
t Red 57:1、東洋インキ(株)製)の代わりにイエロー
顔料(C.I.Pigment Yellow 14 、東洋インキ(株)製)
に変更し、かつ画像形成用塗布液中の合成ワックスの量
を2.7部に変更した以外は、同様にしてイエロー画像
記録転写シートを作成した。そして得られたイエロー画
像記録転写シートを用いて実施例1と同様にして積層体
を作成した。
【0079】[比較例4]実施例1の感熱転写シートの
作成において、色材として、マゼンタ顔料(C.I.Pigmen
t Red 57:1、東洋インキ(株)製)の代わりにイエロー
顔料(C.I.Pigment Yellow 14 、東洋インキ(株)製)
に変更し、かつ画像形成用塗布液中の界面活性剤の量を
0.3部に変更した以外は、同様にしてイエロー画像記
録転写シートを作成した。そして得られたイエロー画像
記録転写シートを用いて実施例1と同様にして積層体を
作成した。
【0080】[比較例5]実施例1の感熱転写シートの
作成において、色材として、マゼンタ顔料(C.I.Pigmen
t Red 57:1、東洋インキ(株)製)の代わりにイエロー
顔料(C.I.Pigment Yellow 14 、東洋インキ(株)製)
を用い、かつ画像形成用塗布液中の界面活性剤の量を
0.4部に変更した以外は、同様にしてイエロー画像記
録転写シートを作成した。そして得られたイエロー画像
記録転写シートを用いて実施例1と同様にして積層体を
作成した。
【0081】[比較例6]実施例1の感熱転写シートの
作成において、画像形成用塗布液中に合成ワックスを添
加しないこと、及び画像形成用塗布液中の界面活性剤の
量を0.4部に変更した以外は、同様にしてマゼンタ画
像記録転写シートを作成した。そして得られたマゼンタ
画像記録転写シートを用いて実施例1と同様にして積層
体を作成した。
【0082】[実施例3]実施例1の感熱転写シートの
作成において、色材として、マゼンタ顔料(C.I.Pigmen
t Red 57:1、東洋インキ(株)製)の代わりにイエロー
顔料(C.I.Pigment Yellow 14 、東洋インキ(株)製)
に変更し、かつ画像形成用塗布液中の合成ワックスの量
及び界面活性剤の量をそれぞれ2.7部、0.4部に変
更した以外は、同様にしてイエロー画像記録転写シート
を作成した。そして得られたイエロー画像記録転写シー
トを用いて実施例1と同様にして積層体を作成した。
【0083】[比較例7]実施例3と同様にして感熱転
写シートを作成した。実施例1の受像シートの作成にお
いて、第二受像層形成用塗布液中のN,N−ジメチルア
クリルアミド/ブチルアクリレートを使用しなかった以
外は、同様にして受像シートを作成した。そして得られ
た受像シートと上記感熱転写シートを用いて積層体を作
成した。
【0084】[比較例8]実施例3と同様にして感熱転
写シートを作成した。実施例1の受像シートの作成にお
いて、第二受像層形成用塗布液中のN,N−ジメチルア
クリルアミド/ブチルアクリレートの量を7部に変更し
た以外は、同様にして受像シートを作成した。そして得
られた受像シートと上記感熱転写シートを用いて積層体
を作成した。
【0085】以上得られた各積層体(熱転写材料)につ
いて、感熱転写シートの画像形成層と受像シートの受像
層の主要構成を以下の表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】[レーザ光を利用した画像形成及び評価]
以上のようにして得られた熱転写材料を用いて、下記の
方法でレーザ光を利用して画像形成を行い、得られた転
写画像の評価を行った。更に受像シート上の転写画像を
アート紙に再転写し、同様に評価を行った。また得られ
た熱転写材料について、受像層とクッション層との間の
剥離強さF1、レーザ照射(記録)領域の画像形成層
(感熱転写層)と光熱変換層との間の剥離強さF3、及
びレーザ未照射(非記録)領域の画像形成層と受像層と
の間の剥離強さF2を下記の方法でそれぞれ測定した。
【0089】(1)熱転写材料のレーザー画像記録装置
への装着 上記で得られた積層体を室温で約10分間放置して充分
に冷却した。次いで、この積層体を、真空吸着用のサク
ション穴が設けられた回転ドラムに、受像シート面側が
ドラム表面に接するようにして積層体を巻き付け、ドラ
ム内部を真空にすることによって、積層体をドラム表面
に固定した。
【0090】(2)熱転写材料への画像記録 上記のドラムを回転させ、ドラム上の熱転写材料の表面
に外側から波長830nmの半導体レーザ光を、光熱変
換層の表面で径が7μmのスポットとなるように集光
し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して直角
方向に移動させながら(副走査)、熱転写材料へのレー
ザ画像(画線)記録を行なった。レーザ照射条件は次の
通りである。 レーザパワー(画像形成層上):110mW 回転(主走査方向)速度:線速8m/秒 副走査ピッチ(1回転当りの副走査量):5μm 記録画像:ワークステーションからの画像信号(175
線/インチのスクリーン線数、50%の面積率の網点)
により半導体レーザを変調
【0091】(3)転写画像の評価 上記のレーザ画像記録を行なった熱転写材料をドラムか
ら取り外し、受像シートと感熱転写シートとを手で引き
剥した。そしてこの剥離操作の際に、記録領域、非記録
領域に対応する受像層の剥れ(受像層とクッション層と
の間の剥れ)が生じたか否かを調べた。この試験は、1
0回繰り返し、そのうち何回剥れが生じたかを調べ、評
価した。なお、全ての試料において、記録領域、非記録
領域に対応する受像層の剥れが生じることなく良好に転
写された場合には、画像(画線)形成層(感熱転写層)
のレーザ照射領域のみが受像シートの受像層側に転写、
記録され、転写画像の網点面積率もほぼ50%を再現し
ていた。
【0092】(4)再転写画像の評価 上記のように転写画像が形成された受像シートを、受像
層とアート紙(菊判連量65)を接するようにしてラミ
ネーター(ヒートローラー温度130℃、圧力4.5k
gf/cm2 、速度450cm/分)を通した。室温に
戻った段階でアート紙から受像シートを引き離した。そ
してこの引き離し操作の際に、アート紙上に受像シート
の剥離に対応して紙剥けが生じたか否かを調べた。この
試験は、10回繰り返し、そのうち何回紙剥けが生じた
かを調べ、評価した。なお、紙剥けが生じることなく受
像シートをアート紙から剥離できた場合には、受像層は
転写画像と共にアート紙に転写され(受像シートの支持
体にはクッション層のみが残留し)、アート紙上に受像
層共に転写画像が良好に形成されていた。
【0093】(5)受像シートのクッション層と受像層
との間の剥離強さF1の測定 熱転写材料(大きさ:幅4.5cm×長さ15cm)を
用意し、下記図7に示す装置により剥離強さを測定しな
がら剥離を行った。 剥離条件:受像シートの支持体を平面台に固定し、クッ
ション層と受像層との間を端から剥し、該受像層と感熱
転写シートとを一体的に引っ張りながら一定の速度(1
50cm/分)で剥離した。引っ張る際に、受像層と感
熱転写シートの端をフォースゲージセンサー(タイプD
FG−2K、シンポ(株)製)に接続し、剥離する際に
要した力を測定した。測定は、0.01秒毎にデータ信
号を取り込み、1秒間の平均値として表わした。 剥離角度:180度 測定環境:25℃、50%RH
【0094】(6)レーザ照射(記録)領域の感熱転写
層と光熱変換層の間の剥離強さF3の測定 熱転写材料(大きさ:幅4.5cm×長さ15cm)を
用意し、これに全面ベタ記録する以外は、上記記録方法
と同じ方法により、レーザー記録を行った。レーザー記
録後、次いで感熱転写シートと受像シートとを剥離する
際に、前記の図7に示す装置を用い、同じ方法、即ち、
受像シートを平面台に固定し、感熱転写シートを引っ張
りながら、同じ条件で感熱転写層と光熱変換層との間の
剥離強さを測定しながら剥離を行った。
【0095】(7)レーザ未照射(非記録)領域の感熱
転写層と受像層との間の剥離強さF2の測定 感熱転写材料(大きさ:幅4.5cm×長さ15cm)
を用意し、これにレーザー記録を行うことなく、前記の
図7に示す装置を用い、前記と同じ方法、同じ条件で感
熱転写シートの感熱転写層と受像シートの受像層との間
の剥離強さを測定した。以上の結果をまとめて表2に示
す。
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】上記表2の結果から、F1>F2であり、
かつF1−F3>0.3g/cmの関係を満たすように
感熱転写シートと受像シートとを用いて熱転写材料(実
施例1〜3)を構成することで、レーザ記録後、感熱転
写シートを受像シートから剥離する際に、クッション層
と受像層との間の剥れはなく、円滑に、そして確実に転
写することができることがわかる。その結果、良好な転
写画像を受像層上に得ることができる。また受像層上に
得られた転写画像を印刷本紙に転写(再転写)する際に
は、F1≦2g/cmとすることで、印刷本紙の紙剥け
を生じることなく、良好に再転写画像を得ることができ
ることもわかる。
【0099】一方、比較例1のようにイエロー顔料を用
いた場合には、一般にマゼンタやシアン顔料を用いた場
合に比べ、感熱転写層の接着性が向上するためか、F1
とF2、F1とF3の関係は、本発明で必要とされる関
係を満足せず、従ってクッション層と受像層との間の剥
れも比較的多く、円滑な転写操作は困難になる。また合
成ワックスと界面活性剤の使用量を調整した場合でも、
F1>F2であり、かつF1−F3>0.3g/cmの
関係が満たされない場合には(比較例2〜5)、転写操
作の充分な改良は見られない。また受像シートの受像層
の高分子重合体の量を調整した場合でも上記の関係式が
満たされない場合には(比較例6〜7)、同様に充分な
改良には至らない。
【0100】
【発明の効果】感熱転写シートと受像シートとを積層状
態で組み合わせ、その層間における剥離強さが特定の関
係を有するように調整して構成した本発明に従う熱転写
材料を利用することで、レーザ記録画像が感熱転写シー
トから受像シートに円滑に転写され、受像シート上に高
品質な転写画像が安定して得られる。また受像シート上
に得られた転写画像を印刷本紙に再転写する際にも、本
紙の紙剥けなども生じることなく、滑らかな転写操作が
実現できる。従って印刷物近似性の高いカラープルーフ
を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写材料の好ましい一例を模式的に
示した断面図を示す。
【図2】本発明の熱転写材料の別の好ましい一例を模式
的に示した断面図を示す。
【図3】本発明の熱転写材料にレーザ照射後、感熱転写
シートを受像シートから剥離する状態を模式的に示した
断面図である。
【図4】本発明の熱転写材料にレーザ照射後、レーザ照
射領域に対応して感熱転写層A(レーザ未照射領域は残
りの感熱転写層Bとして存在)が形成された状態を模式
的に示す断面図である。
【図5】印刷本紙上に、感熱転写層が形成された受像シ
ートを重ね合わせた後、受像層とクッション層との間で
剥離させ、感熱転写層と共に受像層を印刷本紙上に転写
する状態を模式的に示す断面図である。
【図6】第一色目の転写画像が形成された受像シート上
に第一色目とは異なる色相の感熱転写シートを積層さ
せ、熱転写材料を構成した状態を模式的に示す断面図で
ある。
【図7】剥離強さの測定装置を模式的に示した図であ
る。
【符号の説明】
1 熱転写材料 10 感熱転写シート 11 感熱転写シートの支持体 12 光熱変換層 13 感熱剥離層 14 感熱転写層 1’ 熱転写材料 10’ 感熱転写シート 11’ 感熱転写シートの支持体 12’ 光熱変換層 13’ 感熱剥離層 14’ 感熱転写層 20 受像シート 21 受像シートの支持体 22 クッション層 23 受像層 A レーザ照射(記録)領域の感熱転写層 A’ レーザ照射(記録)領域の感熱転写層 B レーザ未照射(非記録)領域の感熱転写層 B’ レーザ未照射(非記録)領域の感熱転写層 L レーザ光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津野 慎治 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にレーザ光を熱に変換する光熱
    変換層、および顔料と熱可塑性樹脂とを含む感熱転写層
    をこの順に設けてなる感熱転写シートと、支持体上にク
    ッション層および受像層をこの順に設けてなる受像シー
    トとを、感熱転写層と受像層とが面接触するように積層
    配置し、感熱転写シートへのレーザ光の照射とその後の
    感熱転写シートと受像シートとの間の分離によって、レ
    ーザ照射領域の感熱転写層を受像層に転写し、受像シー
    ト上に転写画像を形成するために用いられる、前記感熱
    転写シートと受像シートとが組み合わせてなる熱転写材
    料であって、 1)受像シートのクッション層と受像層との間の剥離強
    さをF1、 2)レーザ未照射領域における感熱転写シートの感熱転
    写層と受像シートの受像層との間の剥離強さをF2、そ
    して 3)レーザ照射領域における感熱転写シートの光熱変換
    層と感熱転写層との間の剥離強さをF3、 とした場合に、F1、F2、そしてF3の間の関係が、
    F1>F2であって、かつF1−F3>0.3g/cm
    であることを特徴とする熱転写材料。
  2. 【請求項2】 F1とF2との関係が、F1−F2>
    0.3g/cmである請求項1に記載の熱転写材料。
  3. 【請求項3】 感熱転写シートの感熱転写層に、更にワ
    ックスが、顔料と熱可塑性樹脂との合計量100重量部
    に対して50重量部以内の量で含まれている請求項1に
    記載の熱転写材料。
  4. 【請求項4】 感熱転写シートの感熱転写層に、さらに
    フッ素系界面活性剤が、顔料と熱可塑性樹脂との合計量
    100重量部に対して0.03〜10重量部の範囲の量
    で含まれている請求項1に記載の熱転写材料。
  5. 【請求項5】 感熱転写シートの光熱変換層が、その上
    面に設けられた感熱剥離層を含む請求項1に記載の熱転
    写材料。
  6. 【請求項6】 受像シートの受像層が、感熱転写操作の
    後に、転写された画像に損傷を与えることなくクッショ
    ン層から剥離可能であるように形成されている請求項1
    に記載の熱転写材料。
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