JPH11150373A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板およびその製造方法

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JPH11150373A
JPH11150373A JP9315146A JP31514697A JPH11150373A JP H11150373 A JPH11150373 A JP H11150373A JP 9315146 A JP9315146 A JP 9315146A JP 31514697 A JP31514697 A JP 31514697A JP H11150373 A JPH11150373 A JP H11150373A
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Takayuki Hirabayashi
崇之 平林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比誘電率の高い基板材料を使用して機能内蔵
型の多層配線基板を構成する場合にも、寄生容量による
高周波特性の劣化を抑制する。 【解決手段】 セラミック基板1の積層体からなる多層
配線基板において、内蔵される高周波伝送線路4、薄膜
コイル6、薄膜抵抗7、キャパシタ11の上部を空洞1
2とすることで、これら機能素子の上面が比誘電率の低
い空気と接触するようにする。上記空洞12は、機能素
子の形成されたセラミックグリーンシートに、空洞形成
用の開口を設けた別のセラミックグリーンシートを積層
して形成する。この開口をさらに別のセラミックグリー
ンシートで全面的に塞げば閉鎖型の空洞12が形成され
るが、通気孔を残して塞いだり、あるいはこの開口を塞
がずに吹抜け部を形成して機能素子を大気開放し、放熱
効果を高めてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品や半導体素
子が実装される多層配線基板とその製造方法に関し、特
に基板内部の寄生容量が少なく高周波信号の取扱いに適
する多層配線基板と、その簡便な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、セルラー電話、パーソナルコンピ
ュータ、ISDN(総合デジタル通信網)等の機器や設
備を利用したネットワーク技術の進展により、様々な電
子機器へ高周波通信回路ブロックや高速シリアル・イン
ターフェースが搭載されるようになっている。これらの
高速・高周波ブロックを電子機器へ搭載するには、ブロ
ック全体をコンパクトにまとめることはもちろんのこ
と、その内部構成部品の実装方法についても動作高速化
やノイズ低減のための配慮が必要である。上述のような
要請に応える方法として、機能内蔵型の多層配線基板を
用いる方法が提案されている。機能内蔵型とは、コイ
ル、キャパシタ、抵抗といった従来はチップ状の外付け
部品として供給されていた機能素子が、薄膜型の素子と
して多層配線基板の内部に作り込まれていることを指
す。
【0003】図24に、機能内蔵型の多層配線基板の一
構成例を示す。この多層配線基板は、6層のセラミック
基板101を積層することにより、電源信号レイヤVc
c、第2グランド信号レイヤGND2、第4信号レイヤ
S4、第1グランド信号レイヤGND1、第3信号レイ
ヤS3、第2信号レイヤS2、第1信号レイヤS1の7
つの信号レイヤを形成したものである。すなわち下層側
から順に、1層目のセラミック基板101の裏面には電
源線102がパターニングされ、1層目と2層目の間に
は第2グランド線103が介在され、2層目と3層目の
間には高周波伝送線路104、3層目と4層目の間には
第1グランド線105、4層目と5層目の間にはスパイ
ラル状の薄膜コイル106と薄膜抵抗107とキャパシ
タ111、5層目と6層目の間には内部配線112、6
層目の表面には半導体素子等のパッケージPを実装する
ための電極パッド114が形成されている。レイヤ間
は、セラミック基板101を貫通するビアホール113
により、電気的に接続されている。
【0004】かかる機能内蔵基板は一般に、焼成前の柔
らかいセラミック基板であるセラミックグリーンシート
上における導電膜のパターニングと、所定のビアホール
開口パターンを有するセラミックグリーンシートの圧接
による積層とを繰り返し、最後にこの積層体を焼成して
硬化させる手順で製造される。導電膜のパターニング
は、典型的には銅を含む導電性インキを用いたスクリー
ン印刷法により、またセラミックグリーンシートの所定
のビアホール開口パターンの形成は、金型を用いた打抜
き加工により行われる。この製造プロセスの一例を、図
25ないし図28に示す。
【0005】図25は、第1グランド信号レイヤGND
1の形成までが終了した状態を示している。この状態を
得るには、裏面側に電源線102を形成した1層目のセ
ラミックグリーンシート1011の表面側上で第2グラ
ンド線103をパターニングし、この上に2層目のセラ
ミックグリーンシート1012を積層し、この上で高周
波伝送線路104をパターニングし、この上に3層目の
セラミックグリーンシート1013を積層し、さらにこ
の上で第1グランド線105をパターニングする。次
に、図26に示されるように、予めビアホール113の
開口された4層目のセラミックグリーンシート1014
を積層する。
【0006】次に、図27に示されるように、たとえば
RuO2 膜からなる薄膜抵抗107をパターニングし、
続いて銅膜からなる薄膜コイル106、キャパシタ11
1の底部電極108、その他の内部配線をパターニング
する。上記ビアホール113は、この銅膜により埋め込
まれる。さらに、上記底部電極108の上ではたとえば
Ta2 5 膜からなるキャパシタ誘電体膜109をパタ
ーニングする。次に、図28に示されるように、予めビ
アホール113とキャパシタの上部電極の形成部位に開
口を有する5層目のセラミックグリーンシート1015
を積層し、キャパシタ111の上部電極110、および
内部配線112をパターニングする。
【0007】この上に、6層目のセラミックグリーンシ
ートを積層してその表面で電極パッド114をパターニ
ングすれば、前掲の図24に示したような機能内蔵型の
多層配線基板が完成される。このようにして製造される
機能内蔵型の多層配線基板は、理想的に設計されれば従
来のようなチップ状の機能素子の表面実装をすべて省略
することが可能であり、実装基板の面積の縮小を通じた
電子機器の小型化に大いに貢献する。また、実装基板の
小型化で機能素子間の配線長が短縮されるために、信号
伝送の高速化が図れる他、特に高周波信号の減衰を防ぐ
上でも有利である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、機能内蔵型
の下層配線基板の本体を構成する誘電体材料としては、
上述の例にも示したように、アルミナやムライト等のセ
ラミックが一般に用いられている。これは、セラミック
を用いた場合、印刷法により微細な回路パターンを形成
することができ高密度化に適すること、多層化が容易で
あること、耐熱性が高く半導体チップを直接実装可能で
あること、といったメリットが得られるからである。し
かし、セラミック以前の代表的な多層配線基板の構成材
料であり、比誘電率εが約4と低いガラス繊維強化エポ
キシ基板に比べ、セラミックの比誘電率εは9〜10と
高い。近年の電子機器には動作の高速化に伴い100〜
300MHzもの高いクロック周波数が採用されている
ため、基板材料の比誘電率εが上記のごとく高いと、寄
生容量の増加が動作上無視できないレベルに達してく
る。
【0009】図29に、寄生容量PCの発生を模式的に
示す。寄生容量PCは、基板の内部で導電膜が接近する
あらゆる場所で発生し、信号の減衰とインピーダンスの
低下をもたらす。これにより、回路定数に様々な変化が
生じ、機能素子の本来の特性と実際の特性との間にズレ
が生じる等、高周波特性が劣化する問題が顕著となって
いる。そこで本発明は、比誘電率εの高い基板材料を使
用した場合にも、高周波特性の劣化を防止し、高速動作
に適する機能内蔵型の多層配線基板と、その簡便な製造
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の多層配線基板
は、複数の誘電体基板が積層されてなる積層体の内部に
内蔵された機能素子の上面に空洞を設け、機能素子の表
面の多くの部分を比誘電率εの低い空気と接触させる構
造とすることで、上述の目的を達成しようとするもので
ある。上記空洞は、積層される個々の誘電体基板の厚み
全体を利用したものであっても、あるいは厚みの一部を
利用したものであってもよく、そのいずれかによって製
造方法は若干異なるが、機能素子の形成部位に対応する
部分の誘電体基板の一部を除去しておく点では共通して
いる。
【0011】すなわち、上記空洞を誘電体基板の厚み全
体を利用して形成する場合には、予め機能素子が形成さ
れたn層目誘電体基板と、この機能素子の形成部位に対
応して空洞形成用の開口が形成された(n+1)層目誘
電体基板とを積層する方法をとる。一方、上記空洞を誘
電体基板の厚みの一部を利用して形成する場合には、予
め機能素子が形成されたn層目誘電体基板と、この機能
素子の形成部位に対応して空洞形成用の凹部が形成され
た(n+1)層目誘電体基板とを積層する方法をとる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の多層配線基板は、従来で
あれば機能素子を取り囲んでいた高誘電率材料の一部
を、空洞に置き換えたところを最大の特色としている。
ここで、本発明者らがシミュレーションにもとづいて高
周波伝送線路の伝送特性(S21)に及ぼす空洞の効果
を検討した結果について、図21ないし図23を参照し
ながら説明する。図21は、伝送特性のシミュレーショ
ンモデルを表す斜視図であり、(a)図は高周波伝送線
路Tを空洞内に配置した場合、(b)図は誘電体内に配
置した場合をそれぞれ示す。両図において、面積、厚さ
共に無限大のグランド面G1とその上に積層された厚さ
d2の誘電体膜D1の上に、幅w1、長さL1、厚さd
1を有する高周波伝送線路Tが形成されている。高周波
伝送線路Tに対向されるグランド面G2は、面積、厚さ
共に無限大である。(a)図では、高周波伝送線路Tと
グランド面G2との間が厚さd3の空洞、(b)図では
厚さd3の誘電体膜とされている。
【0013】ここで、次のような条件を設定する。 d1=4μm d2=100μm d3=50μmまたは100μm w1=150μm L1=300μmまたは3000μm グランド面G1,G2の導電率=∞ 高周波伝送線路Tの導電率=4.1×106 S/m 誘電体膜D1,D2の比誘電率ε=9.6
【0014】以上の条件設定にもとづく電力透過特性
(S21)のシミュレーション結果を、図22および図
23に示す。図22はL1=300μmの場合の0〜1
00GHzにおける特性、図23はL1=3000μm
の場合の0〜10GHzにおける特性にそれぞれ対応す
る。また、両図共、横軸は周波数(GHz)、縦軸は電
力減衰率(dB)、実線のグラフは高周波伝送線路Tが
d3=100μmの空洞内にある場合、一点鎖線のグラ
フは高周波伝送線路Tが誘電体内にある場合を表す。こ
れらの結果より、空洞内に高周波伝送線路Tを配置した
場合の方が電力の減衰が少なく、高周波特性に優れてい
ることが明らかである。たとえば図22では周波数50
GHzにおいて、また図23では周波数5GHzにおい
て、いずれも空洞内に置かれた高周波伝送線路の方が誘
電体内のものに比べて1dB以上高いゲインを示してい
る。また、同じ空洞内でも、空洞の厚さd3の大きい方
が減衰が少ない。これは、グランド面G2とのカップリ
ングの影響が少なくなるからである。
【0015】ところで、本発明で形成される空洞は、閉
鎖された空間であっても、あるいは大気と連通された空
間であってもよい。誘電体基板の厚みの全体を利用して
閉鎖された空洞を作る場合には、予め機能素子が形成さ
れたn層目誘電体基板と、この機能素子の形成部位に対
応して空洞形成用の開口が形成された(n+1)層目誘
電体基板と、この開口を全面的に塞ぐような(n+2)
層目誘電体基板を積層する。なお、閉鎖された空洞は空
気で満たされていても、あるいは所定の真空度を有する
空間であってもよい。真空を実現するには、この空洞を
取り囲む誘電体基板材料に残留空気を吸収する性質を有
するものを用いることが考えられる。
【0016】ここで、本発明において上面に空洞が設け
られると有効な機能素子とは、高周波伝送線路、薄膜コ
イル、薄膜抵抗、キャパシタの少なくともいずれかであ
る。電源線や低周波信号を伝送する信号線等のように伝
送損失がそれほど問題とならない配線については、特に
上面を空洞化する必要はない。また空洞は、構造上可能
であれば、上記機能素子の上面のみならず、側面も露出
させるようなものであることが一層好適である。
【0017】本発明の多層配線基板に多数の機能素子が
内蔵される場合には、空洞も当然、多数形成されること
になるが、これらの空洞のうちの少なくとも一部は吹抜
け構造を持ち、その中に収容される前記機能素子を大気
開放させるようにしてもよい。このことにより、多層配
線基板の放熱効果が向上する。もちろん、すべての空洞
が吹抜け構造部とされていても構わないが、吹抜け構造
が採用される場所には誘電体基板が存在せず、大気開放
される機能素子の上には当然、他の機能素子は実装でき
ないことになる。したがって、吹抜け構造を採用する空
洞の割合は、機能素子の実装密度や多層配線基板の小型
化を妨げない範囲内で適宜決定することが必要である。
【0018】吹抜け構造を形成する際には、誘電体基板
の厚みの全体を利用して空洞を形成することが前提とな
る。機能素子が形成されたn層目誘電体基板の上に、こ
の機能素子の形成部位に対応する開口を有する(n+
1)層目誘電体基板を積層する場合、この(n+1)層
目誘電体基板が多層配線基板の最上層であれば、この段
階で上記機能素子は吹抜け構造部の中に大気開放された
状態となる。また、(n+1)層目誘電体基板の上にさ
らに別の誘電体基板が積層される場合には、(n+2)
層目以降の誘電体基板のすべてに、上記開口と略等しい
開口を設ける必要がある。
【0019】あるいは、空洞の少なくとも一部に大気と
連通する通気孔を設けることも有効である。かかる通気
孔を設けておけば、吹抜け構造ほどの放熱効果は望めな
いものの、閉鎖された空洞とは異なり、多層配線基板の
製造工程で加熱が行われても空洞内の空気が膨張して基
板にクラックを発生させる等の不都合を回避することが
できる。また、吹抜け構造とは異なり、機能素子の上面
の一部も他の機能素子の形成領域として利用可能なの
で、機能素子の高密度化や多層配線基板の小型化を妨げ
るおそれも少ない。
【0020】上記の通気孔は、空洞を誘電体基板の厚み
方向の全体、一部のいずれを利用して形成する場合にも
設けることができ、また空洞の上方、下方のいずれにも
設けることができる。厚み方向の全体を利用して形成さ
れる空洞の上方に通気孔を設ける場合には、(n+1)
層目誘電体基板の空洞形成用の開口の形成部位に対応し
て、通気孔形成用の開口を備える(n+2)層目誘電体
基板を積層すればよい。この上にさらに別の誘電体基板
を積層する場合には、(n+3)層目以降のすべての誘
電体基板に、同様の通気孔形成用の開口を形成する。一
方、誘電体基板の厚み方向の一部を利用して形成される
空洞の上方に通気孔を設ける場合には、(n+1)層目
誘電体基板の空洞形成用の凹部の一部に通気孔形成用の
開口を設ければよい。この上にさらに別の誘電体基板を
積層する場合には、(n+2)層目以降のすべての誘電
体基板に同様の通気孔形成用の開口を形成する。
【0021】空洞の下方に通気孔を設ける場合には、機
能素子が形成されているn層目誘電体基板に通気孔形成
用の開口が備えられ、この開口が大気と連通されていれ
ばよい。もちろん、n層目誘電体基板の下にさらに別の
誘電体基板が積層されている場合には、(n−1)層目
以前のすべての誘電体基板に、同様の通気孔形成用の開
口が形成されている必要がある。この考え方は、空洞が
誘電体基板の厚みの全体、一部のいずれを利用して形成
されているかに係わらず、共通である。
【0022】ところで、一般に多層配線基板において
は、上下レイヤ間における機能素子同士、もしくは機能
素子と内部配線とを接続するために誘電体基板を貫通す
るビアホールが不可欠であるが、このビアホールは本発
明の場合、空洞の内外いずれにも形成することができ
る。空洞の外に形成する場合には、空洞形成用の開口ま
たは凹部が形成される(n+1)層目誘電体基板中、該
開口または該凹部とは別の部位にビアホールを形成すれ
ばよい。この場合は当然のことながら、空洞に配される
機能素子の電極部のみが誘電体基板中に埋め込まれてお
り、この電極部に上記ビアホールがアライメントされて
いる必要がある。
【0023】一方、機能素子がその電極部も含めて空洞
内に配されており、該空洞内にビアホールを形成する場
合には、空洞内における導電膜の露出面積が大きいと構
造上、信頼性上の問題が大きくなるため、導電膜の通路
を誘電体膜を用いて別個に作成することが有効である。
このことは、特に誘電体基板の厚みの全体を利用して空
洞が形成される場合には、該空洞内が真空でない限り、
ほぼ不可欠と考えてよい。誘電体基板の厚みの全体を利
用して空洞を形成する場合には、(n+1)層目誘電体
基板に形成された空洞形成用の開口の内部において、こ
の基板の一部をビアホール形成用の中空壁として残して
おくとよい。この壁の中空部分に、上層側の導電膜が埋
め込まれ、ビアホールとなる。上記中空壁は、上記空洞
形成用の開口と構造上連続しているものであっても、あ
るいはこの開口から切り離された独立の部材であっても
構わない。いずれにしても、(n+2)層目誘電体基板
にはこの中空壁に位置合わせされる部位にビアホール形
成用の開口を形成しておき、積層時にこの開口と中空壁
の中空部とを連続させることにより、ビアホールが形成
される。
【0024】誘電体基板の厚みの一部のみを利用して空
洞を形成する場合には、(n+1)層目誘電体膜に形成
される凹部の一部に、さらにビアホール形成用の開口を
形成すればよい。このとき形成される空洞は、誘電体基
板の厚みの全体を利用して形成される空洞よりも浅いた
め、このままでも精度の比較的高いビアホールを形成す
ることはできるが、信頼性を考慮するならば、やはりビ
アホールの壁が存在する方がよい。このような壁を形成
するには、空洞形成用の凹部のうち、ビアホール形成用
の開口の周辺部のみを予め肉厚に形成しておけばよい。
【0025】本発明の多層配線基板を構成する個々の誘
電体基板は、開口や凹部の加工が実用的な方法で可能で
あり、内蔵される機能素子や表面に実装されるパッケー
ジに悪影響を与えないものである限り、その構成材料が
特に限定されるものではない。しかし、寄生容量に起因
する伝送損失の軽減という本発明の趣旨に照らすと、比
誘電率εが高い基板材料を用いた場合のメリットが大き
い。かかる基板材料として典型的なものは、アルミナや
ムライト等のセラミックである。セラミック基板は一般
に未焼成のグリーンシートの状態で加工、積層が行われ
るが、本発明でもこのグリーンシートの状態で開口や凹
部を形成する。グリーンシートは柔らかいので、導電膜
のパターンが形成されたグリーンシート上にも圧接すれ
ば、自身が変形して該パターンによる段差を吸収するこ
とができる。すべての加工と積層が終了した後にグリー
ンシートの焼成を行えば、硬化させた多層配線基板を容
易に得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0027】実施例1 本実施例では、機能素子の上面に、セラミック基板の厚
みの全体を利用した閉鎖型の空洞が配された多層配線基
板について、図1を参照しながら説明する。この多層配
線基板は、9層のアルミナ系のセラミック基板1からな
る積層体を用いて、電源信号レイヤVcc、第2グランド
信号レイヤGND2、第4信号レイヤS4、第1グラン
ド信号レイヤGND1、第3信号レイヤS3、第2信号
レイヤS2、第1信号レイヤS1の7つの信号レイヤを
形成したものである。図中、最下層のセラミック基板1
の裏面には電源線2がパターニングされ、1層目と2層
目の間には第2グランド線3が介在されている。また、
4層目と5層目のセラミック基板1の間には第1グラン
ド線5が、さらに7層目と8層目のセラミック基板1の
間には内部配線14が形成されている。これら電源線
2、第2グランド線3、第1グランド線5、および内部
配線14はいずれもスクリーン印刷法により形成された
銅パターンからなるものであるが、伝送損失が特に問題
となる配線ではないので、上面に空洞は設けられていな
い。
【0028】これに対し、2層目のセラミック基板1の
上の高周波伝送線路4、5層目のセラミック基板1の上
のスパイラル状の薄膜コイル6と薄膜抵抗7、および7
層目のセラミック基板1に埋め込まれた形のキャパシタ
11の上部電極10の上部には、それぞれ空洞12が形
成されている。ここで、上記高周波伝送線路4は、それ
自体がパターン設計によりフィルタ等の機能を持ち得る
ため、機能素子に含めている。9層目のセラミック基板
1の表面には、半導体素子等のパッケージPを実装する
ための電極パッド15が形成されている。レイヤ間は、
セラミック基板1を貫通するビアホール13により、電
気的に接続されている。上記薄膜抵抗7はたとえば厚さ
約10μmのRuO2 膜からなり、キャパシタ誘電体膜
9はたとえば厚さ約10μmのTa2 5 膜よりなる。
その他の導電膜は、すべて銅パターンからなる。
【0029】かかる構成において、底部電極8とキャパ
シタ誘電体膜9と上部電極10とが積層された厚みの大
きいキャパシタ11を除き、各機能素子の厚さを約10
μm、各セラミック基板1の厚さを約100μmとする
と、機能素子上における各空洞12の高さは90μm前
後である。この空洞12の内部は、グリーンシートの焼
成時における基板材料からの脱ガス成分を若干含有する
空気で満たされている。本実施例では、多層配線基板に
内蔵される機能素子の上に上記のような空洞12が設け
られることで該機能素子の周囲の比誘電率εが低下する
ため、寄生容量の影響を排し、高周波特性を向上させる
ことができる。
【0030】実施例2 本実施例では、一部の機能素子の上面が吹抜け部とされ
た多層配線基板について、図2を参照しながら説明す
る。この多層配線基板は、前掲の図1に示したものと同
様、9層のセラミック基板1の積層体を用いて7つの信
号レイヤを形成したものであるが、薄膜コイル6とキャ
パシタ11の上方は吹抜け部16とされ、これらの機能
素子が大気開放された状態となっている。これら吹抜け
部16は、機能素子よりも上層側に積層される複数のセ
ラミック基板1のすべてに略等しい開口を設けることに
より形成されるものである。上記吹抜け部16は、多層
配線基板の内部で発生する熱を放熱する上で役立ってい
る。
【0031】実施例3 本実施例では、セラミック基板1の厚さの全体を利用し
て形成された空洞の各々から上方向または下方向に通気
孔が設けられた多層配線基板について、図3を参照しな
がら説明する。この多層配線基板は、前掲の図1に示し
たものと同様、9層のセラミック基板1の積層体を用い
て7つの信号レイヤを形成したものであるが、薄膜コイ
ル6と薄膜抵抗7とキャパシタ11の上方に設けられた
空洞12の天井部には、これより上層側のすべてのセラ
ミック基板1を貫通する通気孔17が開口されている。
一方、高周波伝送線路4を取り囲む空洞12からは、こ
の機能素子自身が形成された2層目のセラミック基板を
含め、これより下層側の基板のすべてを貫通する通気孔
17が開口されている。
【0032】したがって、本実施例の多層配線基板の空
洞12は、通気孔17によって大気と連通されている。
これら通気孔17は、放熱の役割もある程度果たすが、
最も大きなメリットは、グリーンシートの焼成時に空洞
12の内部の空気が膨張することによる内圧の増大を防
止し、多層配線基板の変形やクラック発生等の不具合を
回避できることである。
【0033】実施例4 本実施例では、実施例1ないし実施例3の多層配線基板
の製造に共通に適用されるプロセスについて、図4ない
し図9を参照しながら説明する。ただし、これらの図面
は、前掲の図1ないし図3の一部を表したものではな
く、より一般的な説明を行うための概念図である。また
ここでは、空洞の内部にビアホールを形成する場合につ
いても説明する。図4は加工前の(n+1)層目グリー
ンシート21を表す模式的断面図である。この(n+
1)層目グリーンシート21について、図5に示される
ように、たとえば金型を用いた打抜き加工を途中まで行
うことにより、深さ約10μmの第1凹部21aを形成
した。この第1凹部21aの深さは、機能素子の厚みに
ほぼ対応しており、残部の約90μmが後工程で次工程
で形成される中空壁の高さに対応することになる。つま
り、この第1凹部21aはビアホール深さを規定するも
のである。
【0034】次に、図6に示されるように、第1凹部2
1aの内部において(n+1)層目グリーンシート21
の一部をさらに除去することにより、空洞形成用の開口
21bを形成した。このとき、一部の開口21について
は、その内部にビアホール形成用の中空壁21cを残し
た。なお、この中空壁21cは、その周囲の数カ所にお
いて図示されない梁状部材によって上記開口21の内壁
と連結されている。上述のように加工された(n+1)
層目グリーンシート21を、その上下のグリーンシー
ト、すなわちn層目グリーンシート20と(n+2)層
目グリーンシート22と位置合わせした状態を図7に示
す。n層目グリーンシート20の表面には、予めn層目
導電膜23からなるパターンにより機能素子が形成され
ている。上記(n+1)層目グリーンシート21は、図
6とは表裏が反転されており、開口21bに上記の機能
素子がちょうど収容されるように、n層目グリーンシー
ト20と位置合わせされている。さらに、(n+2)層
目グリーンシート22には、ビアホール形成用の開口2
2cが設けられている。この開口22cは、(n+1)
層目グリーンシート21の中空壁21cの中空部と位置
合わせされている。
【0035】これら3層のグリーンシートを圧接して得
られた積層体を、図8に示す。この積層体において、機
能素子を構成するn層目導電膜23は空洞24中に収容
された。また、(n+2)層目グリーンシート22の開
口22cと(n+1)層目グリーンシート21の中空壁
21cとが一体化して、ビアホール25が形成された。
図9には、上記の積層体の上で(n+1)層目導電膜2
6をパターニングした状態を示す。この(n+1)層目
導電膜26の一部は、ビアホール25を埋め込み、機能
素子を構成するn層目導電膜23に接続された。以後、
同様の手順を繰り返して所望の数のレイヤを形成し、最
後にグリーンシートを硬化させると、セラミック多層配
線基板が完成される。
【0036】以上、閉鎖された空洞24を形成する例に
ついて説明したが、同様の手順により吹抜け部や通気孔
を形成することも可能である。すなわち、吹抜け部を形
成する場合には、図7の(n+2)層目グリーンシート
22に、(n+1)層目グリーンシート21の開口21
bと同様のパターンで開口を設けておく。さらに積層を
繰り返す場合には、(n+2)層目以降のすべてのグリ
ーンシートに同様の開口を設ければよい。なお、吹抜け
部の内部に配される機能素子への電気的接続について
は、該機能素子から空洞24の外部、すなわち誘電体基
板中に電極部を引き出し、この電極部にビアホールをコ
ンタクトさせることになる。
【0037】一方、通気孔を形成する場合には、図7の
(n+2)層目グリーンシート22に適当な大きさの開
口を設けておく。この開口の位置は、(n+1)層目グ
リーンシート21の開口21bに対応する部位であれば
よい。したがって、吹抜け部を形成する場合とは異な
り、同一の空洞24にビアホールと通気孔の双方を形成
することも可能である。さらに積層を繰り返す場合に
は、(n+2)層目以降のすべてのグリーンシートにも
同様の開口を設ける。
【0038】実施例5 本実施例では、機能素子の上面に、セラミック基板の厚
み方向の一部を利用した閉鎖型の空洞が配された多層配
線基板について、図1を参照しながら説明する。この多
層配線基板は、6層のアルミナ系のセラミック基板1か
らなる積層体を用いて、電源信号レイヤVcc、第2グラ
ンド信号レイヤGND2、第4信号レイヤS4、第1グ
ランド信号レイヤGND1、第3信号レイヤS3、第2
信号レイヤS2、第1信号レイヤS1の7つの信号レイ
ヤを形成したものである。配線や機能素子の種類と符号
は、前掲の図1ないし図3と同じであるが、本実施例で
は空洞18の高さをセラミック基板1の厚みの半分程度
としているために空洞形成用の余分のセラミック基板1
は不要である。すなわち、基板1の積層数に限ってみれ
ば、前掲の図24に示した従来の多層配線基板と同じと
することが可能である。
【0039】実施例6 本実施例では、実施例5で述べた多層配線基板の製造に
適用されるプロセスについて、図11ないし図15を参
照しながら説明する。ただし、これらの図面は、前掲の
図10の一部を表したものではなく、より一般的な説明
を行うための概念図である。またここでは、空洞の内部
にビアホールを形成する場合についても説明する。図1
1は、(n+1)層目グリーンシート21に空洞形成用
の第2凹部21dを形成した状態を表す模式的断面図で
ある。第2凹部21dの深さは約50μmであり、この
深さがそのまま空洞18の高さとなる。次に、図12に
示されるように、上記の(n+1)層目グリーンシート
21に対し、第2凹部21dの内部でさらにビアホール
28の開口を行った。
【0040】上述のように加工された(n+1)層目グ
リーンシート21を、その下層側のn層目グリーンシー
ト20と位置合わせした状態を図13に示す。n層目グ
リーンシート20の表面には、予めn層目導電膜23か
らなるパターンにより機能素子が形成されている。上記
(n+1)層目グリーンシート21は、図11とは表裏
が反転されており、第2凹部21dに上記の機能素子が
ちょうど収容されるように、n層目グリーンシート20
と位置合わせされている。
【0041】これら2層のグリーンシートを圧接して得
られた積層体を、図14に示す。この積層体において、
機能素子を構成するn層目導電膜23は空洞27中に収
容された。この後、上記の積層体の上で(n+1)層目
導電膜29をパターニングし、図15に示されるような
多層配線基板を得た。この(n+1)層目導電膜29の
一部は、ビアホール28を埋め込み、機能素子を構成す
るn層目導電膜23に接続されている。
【0042】実施例7 本実施例では、前掲の図15に示したビアホール28か
らさらに空洞27内に延在される壁を設けるプロセス例
について、図16ないし図20を参照しながら説明す
る。図16は、(n+1)層目グリーンシート21にビ
アホール深さを規定するための第1凹部21aを形成し
た状態を表す模式的断面図である。次に、図17に示さ
れるように、第1凹部21aの内部でビアホールの形成
部位となる部分を残して(n+1)層目グリーンシート
21の一部をさらに除去し、より深い第2凹部21dを
形成した。次に、図18に示されるように、(n+1)
層目グリーンシート21の厚く残された部分にビアホー
ル30を開口した。
【0043】上述のように加工された(n+1)層目グ
リーンシート21の表裏を反転させて、その下層側のn
層目グリーンシート20と積層した状態を図19に示
す。さらに、上記(n+1)層目グリーンシート21上
で(n+1)層目導電膜29をパターニングした状態
を、図20に示す。この(n+1)層目導電膜29の一
部は、ビアホール30を埋め込み、機能素子を構成する
n層目導電膜23に接続された。本実施例では、ビアホ
ール30の壁が機能素子の直上まで延びているため、ビ
アホール30の形成精度や信頼性を向上させることがで
きた。
【0044】以上、本発明の具体的な実施例を7例挙げ
たが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。たとえば、多層配線基板に内蔵される機能素子
の種類や組合せ、機能素子を構成する材料膜の種類や厚
さ、誘電体基板の構成材料、誘電体基板の積層枚数、吹
抜け部や通気孔やビアホールの形成部位等の細部につい
ては、適宜変更、選択、組合わせが可能である。
【0045】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の多層配線基板は機能素子の上面に空洞が設けられる
ことで寄生容量が低減されたものであり、これにより高
周波信号の伝送損失が少なく、高速動作素子の実装に適
した基板が提供される。上記空洞の最大高さは、多層配
線基板を構成する個々の誘電体基板の厚みと等しくて
も、あるいは厚みの一部であってもよい。前者の空洞
は、機能素子が形成された誘電体基板上に空洞形成用の
開口を設けた誘電体基板を積層することにより、また後
者の空洞は、機能素子が形成された誘電体基板上に空洞
形成用の凹部を設けた誘電体基板を積層することによ
り、それぞれ容易に形成することができる。特に後者の
場合には、空洞を持たない従来の多層配線基板と比べて
も、誘電体基板の積層数が増加することがない。
【0046】上記空洞の少なくとも一部を吹抜け構造と
すると、その内部の機能素子が大気開放され、多層配線
基板の放熱効率を高めることができる。このような多層
配線基板は、空洞形成用の開口を設けた誘電体基板の上
に、同様の開口を有する別の誘電体基板を必要な数だけ
さらに積層してゆくことで製造可能である。また、空洞
の少なくとも一部に大気と連通する通気孔を設けること
は、空洞内の空気の膨張による多層配線基板の信頼性の
劣化を防ぐ上で有効である。このような多層配線基板
は、空洞形成用の開口または凹部を設けた誘電体基板に
通気孔形成用の開口を設け、同様の開口を有する別の誘
電体基板を必要な数だけさらに積層することで形成可能
である。
【0047】上記空洞は、高周波伝送線路、薄膜コイ
ル、薄膜抵抗、キャパシタの少なくともいずれかの上面
に形成された場合に、寄生容量の低減効果が顕著とな
る。また、誘電体基板としてセラミック基板を使用する
場合には、回路パターンの微細化や基板の多層化に適す
るセラミック基板本来の長所を活かしながら、その比誘
電率εの大きさに起因する寄生容量の像体効果を相殺
し、高周波特性に優れた多層配線基板を提供することが
可能となる。また、セラミック基板は、未焼成の柔らか
いグリーンシートの状態で加工や積層が行われ、最後に
焼成によって硬化されるため、製造プロセスは極めて簡
便である。
【0048】機能素子へのコンタクトをとるためのビア
ホールを空洞内に形成する場合には、空洞形成用の開口
を形成する誘電体基板の一部を用いてビアホール形成用
の中空壁を残しておき、その上に積層される誘電体基板
に該中空壁と連続するような開口を設けることにより容
易に形成できる。かかる構造により、電気的接続部の加
工精度と信頼性を改善することが可能である。このよう
に、本発明は高周波特性に優れ、高速動作素子の実装に
適した多層配線基板を極めて容易な方法で提供できるも
のであり、産業上の価値の極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】機能素子の上部に空洞が設けられた本発明の多
層配線基板の一構成例を示す模式的断面図である。
【図2】薄膜コイルとキャパシタの上方に吹抜け部が設
けられた本発明の多層配線基板の他の構成例を示す模式
的断面図である。
【図3】図1の空洞と大気とを連通させる通気孔が設け
られた本発明の多層配線基板のさらに他の構成例を示す
模式的断面図である。
【図4】図1ないし図3の多層配線基板の製造に共通に
適用されるプロセスにおいて、加工前の(n+1)層目
グリーンシートを表す模式的断面図である。
【図5】図4の(n+1)層目グリーンシートの表面に
ビアホール深さ規定用の第1凹部を形成した状態を示す
模式的断面図である。
【図6】図5の第1凹部の一部をさらに除去して空洞お
よびビアホール形成用の中空壁を形成した状態を示す模
式的断面図である。さらに他の構成例を示す模式的断面
図である。
【図7】図6の(n+1)層目グリーンシートをn層目
グリーンシートおよび(n+2)層目グリーンシートと
位置合わせした状態を示す模式的断面図である。
【図8】図7の3層のグリーンシートを積層した状態を
示す模式的断面図である。
【図9】図8の積層体の上で(n+1)層目導電膜をパ
ターニングした状態を示す模式的断面図である。
【図10】セラミック基板の厚さ方向の一部を空洞とし
た本発明の多層配線基板の一構成例を示す模式的断面図
である。
【図11】図10の多層配線基板の製造に適用されるプ
ロセスにおいて、(n+1)層目グリーンシートに空洞
形成用の第2凹部を形成した状態を示す模式的断面図で
ある。
【図12】図11の(n+1)層目グリーンシートにビ
アホールを形成した状態を示す模式的断面図である。
【図13】図12の(n+1)層目グリーンシートをn
層目グリーンシートと位置合わせした状態を示す模式的
断面図である。
【図14】図13の2層のグリーンシートを積層した状
態を示す模式的断面図である。
【図15】図14の積層体の上で(n+1)層目導電膜
をパターニングした状態を示す模式的断面図である。
【図16】セラミック基板の厚さ方向の一部を空洞とす
る本発明の多層配線基板の他のプロセス例において、
(n+1)層目グリーンシートにビアホール深さ規定用
の第1凹部を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図17】図16の(n+1)層目グリーンシートに空
洞形成用の第2凹部を形成した状態を示す模式的断面図
である。
【図18】図18の(n+1)層目グリーンシートにビ
アホールを形成した状態を示す模式的断面図である。
【図19】図18の(n+1)層目グリーンシートをn
層目グリーンシートと積層した状態を示す模式的断面図
である。
【図20】図19の積層体上で(n+1)層目導電膜を
パターニングした状態を示す模式的断面図である。
【図21】多層配線基板の伝送特性のシミュレーション
モデルを示す斜視図であり、(a)は伝送線路を空洞内
に配置したモデル、(b)は伝送線路を誘電体内に配置
したモデルをそれぞれ表す。
【図22】長さL1=300μmの伝送線路が空洞内と
誘電体内に配置された場合の電力透過特性(S21)の
シミュレーション結果を比較したグラフである。
【図23】長さL1=3000μmの伝送線路が空洞内
と誘電体内に配置された場合の電力透過特性(S21)
のシミュレーション結果を比較したグラフである。
【図24】従来の多層配線基板の一構成例を示す模式的
断面図である。
【図25】図24の多層配線基板の製造プロセスにおい
て、3層目グリーンシートの積層および第1グランド線
のパターニングまでが終了した状態を示す模式的断面図
である。
【図26】図25の積層体上に4層目グリーンシートを
積層した状態を示す模式的断面図である。
【図27】図26の積層体上で薄膜コイル、薄膜抵抗、
底部電極、キャパシタ誘電体膜をパターニングした状態
を示す模式的断面図である。
【図28】図27の積層体上で5層目グリーンシートの
積層、および上部電極と内部配線のパターニングを行っ
た状態を示す模式的断面図である。
【図29】従来の多層配線基板の内部に発生する寄生容
量を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
1…セラミック基板 2…電源線 3…第2グランド線
4…高周波伝送線路 5…第1グランド線 6…薄膜コイル 7…薄膜抵抗
8…底部電極 9…キャパシタ誘電体膜 10…上部電
極 11…キャパシタ 12,18,24,27…空洞
13,25,28,30…ビアホール 14…内部配
線 15…電極パッド 16…吹抜け部 17…通気孔
20…n層目グリーンシート 21…(n+1)層目
グリーンシート 21a…第1凹部(ビアホール深さ規
定用) 21b,21d…開口(空洞形成用) 21c
…中空壁(ビアホール形成用) 22…(n+2)層目
グリーンシート 22c…開口(ビアホール形成用)
23…n層目導電膜 26,29…(n+1)層目導電
膜 P…パッケージ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体基板が積層されてなる積層
    体の内部に所定の材料膜パターンよりなる機能素子を内
    蔵させた多層配線基板であって、 前記機能素子の上面が空洞とされていることを特徴とす
    る多層配線基板。
  2. 【請求項2】 前記空洞の最大高さが個々の誘電体基板
    の厚みの少なくとも一部と等しくなされていることを特
    徴とする請求項1記載の多層配線基板。
  3. 【請求項3】 前記空洞の少なくとも一部が吹抜け構造
    を有し、その中に収容される前記機能素子が大気開放さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の多層配線基
    板。
  4. 【請求項4】 前記空洞の少なくとも一部に大気と連通
    する通気孔が設けられていることを特徴とする請求項1
    記載の多層配線基板。
  5. 【請求項5】 前記機能素子が、高周波伝送線路、薄膜
    コイル、薄膜抵抗、キャパシタの少なくともいずれかで
    あることを特徴とする請求項1記載の多層配線基板。
  6. 【請求項6】 前記誘電体基板がセラミック基板である
    ことを特徴とする請求項1記載の多層配線基板。
  7. 【請求項7】 n層目誘電体基板上に所定の材料膜パタ
    ーンよりなる機能素子を形成する第1工程と、 (n+1)層目誘電体基板に前記機能素子の形成部位に
    対応して空洞形成用の開口を形成する第2工程と、 前記機能素子と前記開口とを位置合わせしながら、前記
    (n+1)層目誘電体基板を前記n層目誘電体基板の上
    に積層する第3工程とを有することを特徴とする多層配
    線基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記n層目および(n+1)層目誘電体
    基板はいずれもセラミックグリーンシートからなり、前
    記第3工程の終了後に得られた積層体を焼成することを
    特徴とする請求項7記載の多層配線基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第3工程を終了後、(n+2)層目
    誘電体基板で前記空洞形成用の開口を全面的に塞ぐこと
    により、閉鎖された空洞を形成することを特徴とする請
    求項7記載の多層配線基板。
  10. 【請求項10】 前記第2工程では、前記空洞形成用の
    開口の内部において前記(n+1)層目誘電体基板の一
    部をビアホール形成用の中空壁として残しておき、 前記第3工程を終了後、前記中空壁に位置合わせされる
    部位にビアホール形成用の開口を備える(n+2)層目
    誘電体基板を積層することを特徴とする請求項7記載の
    多層配線基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第3工程を終了後、前記空洞形成
    用の開口と位置合わせされる部位に該開口と略等しい開
    口を備える(n+2)層目誘電体基板を積層し、前記機
    能素子を大気開放させる吹抜け構造部を形成することを
    特徴とする請求項7記載の多層配線基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第3工程を終了後、前記空洞形成
    用の開口の形成部位に対応して通気孔形成用の開口を備
    える(n+2)層目誘電体基板を積層し、大気と連通す
    る空洞を形成することを特徴とする請求項7記載の多層
    配線基板の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記(n+2)層目誘電体基板はセラ
    ミックグリーンシートからなり、得られた積層体を焼成
    することを特徴とする請求項9ないし請求項12のいず
    れか1項に多層配線基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記n層目誘電体基板に通気孔形成用
    の開口が備えられており、該開口が大気と連通されてい
    ることを特徴とする請求項7記載の多層配線基板の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 n層目誘電体基板上に所定の材料膜パ
    ターンよりなる機能素子を形成する第1工程と、 (n+1)層目誘電体基板に前記機能素子の形成部位に
    対応して空洞形成用の凹部を形成する第2工程と、 前記機能素子と前記凹部とを位置合わせしながら、前記
    (n+1)層目誘電体基板を前記n層目誘電体基板の上
    に積層する第3工程とを有することを特徴とする多層配
    線基板の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第2工程では、前記凹部の一部に
    さらにビアホール形成用の開口を形成することを特徴と
    する請求項15記載の多層配線基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記n層目および(n+1)層目誘電
    体基板はいずれもセラミックグリーンシートからなり、
    前記第3工程の終了後に得られた積層体を焼成すること
    を特徴とする請求項15記載の多層配線基板の製造方
    法。
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