JPH11124791A - 紙塗被剤用保水剤 - Google Patents

紙塗被剤用保水剤

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JPH11124791A
JPH11124791A JP28527997A JP28527997A JPH11124791A JP H11124791 A JPH11124791 A JP H11124791A JP 28527997 A JP28527997 A JP 28527997A JP 28527997 A JP28527997 A JP 28527997A JP H11124791 A JPH11124791 A JP H11124791A
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啓太 武田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙塗被剤に低剪断速度下では適度な増粘性
を、高剪断速度下では良好な流動性を与え、極めて優れ
た保水性を付与して塗工適性に優れ、かつ高濃度化によ
る乾燥エネルギーの削減と塗工速度の向上による生産性
向上、並びに塗工紙の品質の向上を可能とする保水剤の
提供。 【解決手段】 単量体(A)〜(C)を共重合させてな
る共重合体よりなる紙塗被剤用保水剤。(A)(メタ)
アクリル酸エステル系単量体、カルボン酸ビニル系単量
体、及びスチレン系単量体からなる群より選ばれた少な
くとも1種類、(B)カルボキシル基含有単量体、ヒド
ロキシル基含有単量体、アミド基含有単量体、及びアミ
ノ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種
類、(C)長鎖飽和炭化水素基及び/又は長鎖不飽和炭
化水素基を有する化合物にて末端ヒドロキシル基が封鎖
された構造を有する(メタ)アクリル酸ポリオキシアル
キレン誘導体から選ばれた少なくとも1種類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙塗被剤用保水剤
に関するものであり、詳しくは紙塗被組成物に適度の増
粘性、高剪断速度下の流動性、保水性、塗工適性及び塗
工紙の印刷適性に優れた性能を付与する紙塗被剤用保水
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】塗工紙を
製造するための紙塗被組成物(以下「塗工液」とする)
は、主として顔料、結合剤、水、及び各種の添加剤から
なる水系分散体混合物であり、顔料としては、カオリ
ン、焼成クレー、炭酸カルシウム等が、また、結合剤
(または接着剤)としては、SBR系ラテックス、MB
R系ラテックス等の合成ゴム系水性分散体が用いられ、
さらに、デンプン、カゼイン、大豆タンパク等の天然系
水溶性高分子が使用されている。
【0003】しかし近年、製造における塗工層乾燥時の
膨大な消費エネルギーを念頭においたコスト削減をねら
って、塗工液の高濃度化(低水分化)が要望されてき
た。また、塗工紙の需要激増により工程の高速度化が求
められ、塗工工程においても高速度化、特にコーターの
高速度化に伴う塗工液の良好な流動性、すなわち高剪断
速度下における塗工液の流動性が強く求められている。
一方、低剪断速度下では適度な粘性を与える必要があ
り、また、高い保水性を要求されてきた。保水性が不充
分である場合、塗工時に塗工液中の水分が急激に紙へ浸
透、移行し、塗工表面での塗工液の濃度上昇が生じ、塗
工紙の品質上の欠陥や、操業上のトラブルを引き起こす
こととなる。
【0004】この保水性を向上させる目的で、カルボキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、変性デンプ
ン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポリス
チレン/マレイン酸等が保水剤として使用されていた。
【0005】しかし、これらは保水性には非常に優れて
いるものの、高剪断速度下での流動性、及び高濃度化時
の流動性の低さ、塗工適性、印刷適性の悪さ等の点で多
くの欠点をもっていた。
【0006】また、結合剤(接着剤)であるブタジエン
系ラテックスに対する改良も行われ、例えばブタジエン
系ラテックスにカルボキシル基を0.5〜10%程度導
入することによる諸物性の改良等が試みられた。しかし
これらはその構造上の制約等から印刷適性等には優れて
いるものの、印刷適性以外の性能、とりわけ保水性に関
してはこれを付与することは全く不可能であった。
【0007】そこで従来の保水剤の欠点を解決する目的
で多くの保水剤が提案されてきた。例えば水溶性高分子
として、アクリルアミド系では特開昭53−74117
号、特開平5−222696号、特開平8−17029
8号等が、スチレンスルホン酸系としては特開平2−2
89196号等が、また、ポリビニルアルコール系とし
ては特開平3−124899号等があり、さらにカルボ
ン酸系アルカリ可溶性エマルジョンとしては、例えば特
開昭52−118015号、特開昭56−101995
号、特開昭61−43607号、特公昭62−8560
号、特公平4−9238号、特開平8−188987号
等を挙げることができる。
【0008】しかし、これら従来の保水剤では保水性が
不十分であること、また、保水性を向上させるために添
加量を多くすると粘度、特に高剪断速度下で粘度が高く
なり塗工が困難となるため、高濃度化、高速度化が不能
となるという欠点を持っていた。さらに、これら従来の
保水剤は、ストリーク、スクラッチ、ブリーディング等
の塗工紙の品質上の欠陥や操業上のトラブルを引き起こ
し、塗工紙の印刷適性上においては、白紙光沢、印刷光
沢、ドライ及びウエットピック表面強度、耐ブリスター
性、平滑性、インキ受理性、網点再現性等を満足させる
ものからはほど遠いものであった。そして、市場からは
このような優れた保水剤の開発が長年切望されていた。
【0009】[発明の目的]本発明は、上記の実情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、紙塗被剤に低剪
断速度下では適度な増粘性を、高剪断速度下では良好な
流動性を与え、極めて優れた保水性を付与して塗工適性
に優れ、かつ高濃度化による乾燥エネルギーの削減と、
塗工速度の向上による生産性向上、並びに印刷適性の向
上等塗工紙の品質の向上を可能とする紙塗被剤用保水剤
を提供するところにある。
【0010】
【課題を解決しようとする手段】本発明の紙塗被剤用保
水剤は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボ
ン酸ビニル系単量体、及びスチレン系単量体からなる群
より選ばれた少なくとも1種類以上である単量体(A)
と、カルボキシル基含有単量体、ヒドロキシル基含有単
量体、アミド基含有単量体、及びアミノ基含有単量体か
らなる群より選ばれた少なくとも1種類である単量体
(B)と、長鎖飽和炭化水素及び/又は長鎖不飽和炭化
水素基を有する化合物にて末端ヒドロキシル基が封鎖さ
れた構造を有する(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキ
レン誘導体から選ばれた少なくとも1種類である単量体
(C)とを共重合させてなる共重合体よりなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成に関連する主
要な事項について項目別に詳細に説明する。(1)単量体(A) 本発明における共重合体(紙塗被剤用保水剤)を構成す
る単量体において、単量体(A)は、(メタ)アクリル
酸エステル系単量体、カルボン酸ビニル系単量体、及び
スチレン系単量体から選ばれる。これら単量体(A)
は、単独で、もしくは2種類以上で用いられる。
【0012】上記単量体(A)の中で、好ましい単量体
は下記一般式(A−1)〜(A−3)にて表される単量
体である。
【化6】 (式中、Rは水素又はメチル基を、Rは炭素数1〜
22のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、
シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基、又は
アラルケニル基を、Rは炭素数1〜17のアルキル
基、クロロメチル基、又はフェニル基を、Rは水素又
は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)。
【0013】上記一般式(A−1)〜(A−3)で表さ
れる単量体は、単独で、もしくは2種類以上で用いられ
る。これらの中で、一般式(A−1)で表される単量体
が特に好ましい。
【0014】単量体(A)の具体例を以下に示す。(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の例として、上記一般
式(A−1)で表される単量体の例としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブ
チル(メタ)アクリレート、 tert-ブチル(メタ)アク
リレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)ア
クリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレ
ート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、イコシル(=エイコシル)
(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(=ヘンエイコシ
ル)(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレ
ート、オクタデセニル(メタ)アクリレート、シクロペ
ンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げ
られ、好ましくはエチルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタク
リレート、ブチルメタクリレートであり、特に好ましく
はエチルアクリレートである。
【0015】カルボン酸ビニル系単量体の例として、上
記一般式(A−2)で表される単量体の例としては、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル(ブタン酸
ビニル)、吉草酸ビニル(ペンタン酸ビニル)、ピバリ
ン酸ビニル(2,2−ジメチルプロピオン酸ビニル)、
カプロン酸ビニル(ヘキサン酸ビニル)、オクタン酸ビ
ニル、ノナン酸ビニル、デカン酸ビニル、ウンデカン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル、トリデカン酸ビニル、ミリ
スチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げ
られ、好ましくは酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルであ
る。
【0016】スチレン系単量体の例として、上記一般式
(A−3)で表される単量体の例としては、スチレン、
α−メチルスチレン、o−,m−,p−メチルスチレ
ン、o−,m−,p−エチルスチレン、o−,m−,p
−イソプロピルスチレン、o−,m−,p−tert−ブチ
ルスチレンなどが挙げられ、好ましくはスチレンであ
る。
【0017】なお、単量体(A)の中で最も好ましい単
量体は、エチルアクリレートである。
【0018】該共重合体を構成する単量体(A)の量
は、25〜75重量%(以下、特にことわらない限り%
は重量%を示す。)、好ましくは40〜70%である。
(A)の量が25%未満では塗工液の粘度が高くなり過
ぎ、75%を超えると充分な増粘性、保水性が得られな
い。また、25〜75%の範囲外では塗工紙の印刷適性
も不良となる。
【0019】(2)単量体(B) 本発明における共重合体(紙塗被剤用保水剤)を構成す
る単量体において、単量体(B)は、カルボキシル基含
有単量体、ヒドロキシル基含有単量体、アミド基含有単
量体、アミノ基含有単量体から選ばれる。これらの単量
体(B)は、単独で、もしくは2種類以上で用いられ
る。
【0020】上記単量体(B)の中で、好ましい単量体
は下記一般式(B−1)〜(B−4)にて表される単量
体である。
【化7】 (式中、Rは水素又はメチル基を、Mは水素、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、又は有機塩基
類のカチオンもしくはオニウムを、Rは炭素数2〜3
0のアルキレン基を、nは1〜100の整数を、R
びRは水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒド
ロキシプロピル基、メトキシメチル基、エトキシメチル
基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基を、Aは−
O−、または−NH−を、Rは−(CH−、−
(CH−、−CHC(CHCH−、又
は−CHCH(OH)CH−を、RおよびR10
は水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル
基、ジヒドロキシプロピル基、グリシジル基を示す。R
のアルキレン基は同一化合物中に1種類又は2種類以
上あってもよく、これらに対応するアルキレンオキシド
はそれぞれ単独付加、ブロック付加、ブロックランダム
付加、又はランダム付加のいずれでもよい。)。
【0021】上記一般式(B−1)〜(B−4)で表さ
れる単量体は、単独で、もしくは2種類以上で用いられ
る。これらの中で、一般式(B−1)で表される単量体
が特に好ましい。これら単量体(B)の具体例を以下に
示す。
【0022】カルボキシル基含有単量体の例として、上
記一般式(B−1)で表される単量体の例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。その他、クロ
トン酸、ケイ皮酸、アトロパ酸等のモノカルボン酸系単
量体、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコ
ン酸、メサコン酸等のジカルボン酸系単量体、及びこれ
らの酸無水物、さらにジカルボン酸モノアルキルエステ
ル系単量体等が挙げられる。これらの中でアクリル酸、
メタクリル酸が好ましく、特にメタクリル酸が好まし
い。
【0023】また、上記カルボキシル基含有単量体は塩
基性物質にてその一部、もしくは全部を中和して得られ
る塩を使用してもよく、該塩基性物質の例としては、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、ピリジン、アニリン、シクロヘ
キシルアミン、モルホリン等が挙げられる。これらの中
でナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好まし
い。
【0024】ヒドロキシル基含有単量体の例として、上
記一般式(B−2)で表される単量体の例としては、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリ
レート、ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレート、ポ
リオキシデシレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキ
シドデシレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシテ
トラデシレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシヘ
キサデシレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシオ
クタデシレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシイ
コシレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシトリア
コンチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。その他、グリセリンモノ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アリルアルコール、グリセリンモノ(メ
タ)アリルエーテル等が挙げられる。
【0025】アミド基含有単量体の例として、上記一般
式(B−3)で表される単量体の例としては、(メタ)
アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、
N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が
挙げられる。その他、ジアセトン(メタ)アクリルアミ
ド、マレイン酸アミド、マレイン酸イミド等が挙げられ
る。
【0026】アミノ基含有単量体の例として、上記一般
式(B−4)で表される単量体の例としては、(メタ)
アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)ア
クリル酸N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノネオ
ペンチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノプ
ロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノ−
2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−
ジエチルアミノネオペンチル、(メタ)アクリル酸N,
N−ジメチルアミノエチルアミド、(メタ)アクリル酸
N,N−ジメチルアミノプロピルアミド、(メタ)アク
リル酸N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピ
ルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノ
ネオペンチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエ
チルアミノエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−
ジエチルアミノプロピルアミド、(メタ)アクリル酸
N,N−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルアミ
ド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノネオペ
ンチルアミド等が挙げられる。その他、ビニルピリジ
ン、アミノスチレン、アミノアルキルスチレン等が挙げ
られる。
【0027】また、上記アミノ基含有単量体は酸性物質
にてその一部、もしくは全部を中和して得られる塩を使
用してもよく、該酸性物質の例としては、塩酸、臭化水
素酸、硫酸、リン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、酢酸、
ギ酸等が挙げられる。
【0028】なお、単量体(B)の中で最も好ましい単
量体はメタクリル酸である。
【0029】該共重合体を構成する単量体(B)の量
は、20〜70%、好ましくは30〜60%である。単
量体(B)の量が20%未満では充分な増粘性、保水性
が得られず、70%を超えると塗工液の粘度が高くなり
過ぎる。また、20〜70%の範囲外では塗工紙の印刷
適性も不良となる。
【0030】(3)単量体(C) 本発明における共重合体(紙塗被剤用保水剤)を構成す
る単量体において、単量体(C)は長鎖飽和炭化水素及
び/又は長鎖不飽和炭化水素を有する化合物にて末端ヒ
ドロキシル基が封鎖された構造を有する(メタ)アクリ
ル酸ポリオキシアルキレン誘導体から選ばれる。これら
単量体(C)は、単独で、もしくは2種類以上で用いら
れる。
【0031】上記単量体(C)は、本発明における共重
合体を構成する単量体において必須の単量体成分であ
る。上記単量体(C)を単量体成分の一つに使用して共
重合体を得、これを紙塗被剤用保水剤として用いた場
合、塗工液の低剪断速度下の粘度に対する高剪断速度下
の粘度が著しく低下し、かつ極めて高い保水性が得られ
る。したがって、塗工適性や塗工紙の品質、印刷適性は
著しく向上し、非常に高水準かつ各性能に関してバラン
スのとれた保水剤を得ることが可能となった。
【0032】本発明者らは先に、特願平8−32873
0号、特願平9−112597号において、連鎖移動剤
として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン
を使用して脂肪族共役ジエン系単量体を除くラジカル重
合性疎水性単量体と、ラジカル重合性親水性単量体とを
共重合させてなる共重合体よりなる紙塗被剤用保水剤を
発明し、出願した。しかしながら、さらに研究の結果、
上記単量体(C)を単量体成分の一つに加えて共重合体
とすること、すなわち高分子主鎖中に長鎖飽和炭化水素
基及び/または長鎖不飽和炭化水素基のような疎水基を
ポリオキシアルキレン鎖を介して側鎖に導入することに
より、得られた共重合体が紙塗被剤用保水剤として前述
の如く非常に優れた性能が発現されることを見出し、こ
こに出願するものである。
【0033】上記単量体(C)が優れた効果をもたらす
理由については不明な部分が多いが、側鎖の末端に導入
された長鎖飽和炭化水素基及び/または長鎖不飽和炭化
水素基のような疎水基が、静止状態または低剪断速度下
で塗工液中においてネットワーク構造を有するためと考
えられる。
【0034】上記単量体(C)の中で、好ましい単量体
は下記一般式(C−1)〜(C−4)にて表される単量
体である。
【化8】 (式中、Rは水素又はメチル基を、Rは炭素数2〜
30のアルキレン基を、nは1〜100の整数を、R
11は炭素数8〜40の飽和炭化水素基、不飽和炭化水
素基を、R12は炭素数7〜39の飽和炭化水素基、不
飽和炭化水素基を、R13は水素又は炭素数1〜4のア
ルキル基、R14は炭素数8〜30の飽和炭化水素基、
不飽和炭化水素基を、R15は水素又は炭素数1〜30
の飽和炭化水素、不飽和炭化水素基を示す。Rのアル
キレン基は同一化合物中に1種類又は2種類以上あって
もよく、これらに対応するアルキレンオキシドはそれぞ
れ単独付加、ブロック付加、ブロックランダム付加、又
はランダム付加のいずれでもよい。)。
【0035】上記一般式(C−1)〜(C−4)で表さ
れる単量体は、単独でもしくは2種類以上で用いられ
る。これらの中で、一般式(C−1)で表される単量体
が好ましい。
【0036】これら単量体(C)の具体例を以下に示
す。単量体(C)の例として、上記一般式(C−1)で
あらわされる単量体の例としては、(メタ)アクリル
酸、ポリオキシアルキレンオクチルエーテル、(メタ)
アクリル酸ポリオキシアルキレンデシルエーテル、(メ
タ)アクリル酸ポリオキシアルキレンドデシルエーテ
ル、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンテトラデ
シルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレ
ンヘキサデシルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリオキ
シアルキレンオクタデシルエーテル、(メタ)アクリル
酸ポリオキシアルキレンイコシルエーテル、(メタ)ア
クリル酸ポリオキシアルキレンドコシルエーテル、(メ
タ)アクリル酸ポリオキシアルキレンテトラコシルエー
テル、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレントリア
コンチルエーテル等の(メタ)アクリル酸ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテル系(アルキル基の炭素数8〜
40)単量体、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレ
ンオクタデセニルエーテル等の(メタ)アクリル酸ポリ
オキシアルキレンアルケニルエーテル系(アルケニル基
の炭素数8〜40)単量体、(メタ)アクリル酸ポリオ
キシアルキレンオクチルフェニルエーテル、(メタ)ア
クリル酸ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテ
ル、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンドデシル
フェニルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリオキシアル
キレンジオクチルフェニルエーテル、(メタ)アクリル
酸ポリオキシアルキレンジノニルフェニルエーテル、
(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンジドデシルフ
ェニルエーテル等の(メタ)アクリル酸ポリオキシアル
キレンアルキルアリールエーテル系(アルキルアリール
基の炭素数8〜40)単量体、(メタ)アクリル酸ポリ
オキシアルキレンシクロヘキシルエチルエーテル等の
(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンシクロアルキ
ルアルキルエーテル系(シクロアルキルアルキル基の炭
素数8〜40)単量体、(メタ)アクリル酸ポリオキシ
アルキレンフェネチルエーテル等の(メタ)アクリル酸
ポリオキシアルキレンアラルキルエーテル系(アラルキ
ル基の炭素数8〜40)単量体、(メタ)アクリル酸ポ
リオキシアルキレン2,4−ビス(α−メチルベンジ
ル)フェニルエーテル等の(メタ)アクリル酸ポリオキ
シアルキレンアラルキルアリールエーテル系(アラルキ
ルアリール基の炭素数8〜40)単量体等が挙げられ、
また、これら単量体のポリオキシアルキレンのアルキレ
ン基の炭素数は2〜30であり、その繰り返し単位は1
〜100の範囲である。
【0037】これら単量体中のポリオキシアルキレンの
アルキレン基は、1種類のみ、または、2種類以上を同
時に(同一化合物中に)持った構造であってもよく、さ
らにこれらポリオキシアルキレンに対応するアルキレン
オキシドは、1種類の場合は単独付加、2種類の場合は
ブロック付加、ランダム付加のいずれの形態で付加され
ていてもよく、ブロック付加部分とランダム付加部分を
同時に持っていても良い。
【0038】上記一般式(C−1)で表される単量体
中、下記一般式(C−1a),(C−1b)で表される
単量体が特に好ましい。
【化9】 (式中、Rは水素又はメチル基を、R11は炭素数8
から40の飽和炭化水素、不飽和炭化水素を、aは0〜
20の整数を、bは5〜50の整数を、cは1〜30の
整数を、Rは炭素数2〜30のアルキレン基を、nは
1〜100の整数を、mは1〜3の整数を示す。)。
【0039】上記一般式(C−1a)で表される単量体
の中で、特にR11が炭素数12〜24の飽和炭化水
素、又は不飽和炭化水素である単量体が好ましい。
【0040】上記一般式(C−1b)で表される単量体
中で、特にRが炭素数2又は3のアルキレン基である
単量体が好ましい。
【0041】単量体(C)の例として、上記一般式(C
−2)で表される単量体の例としては、(メタ)アクリ
ル酸ポリオキシアルキレンアルキルエステル系(アルキ
ル基の炭素数7〜39)単量体、(メタ)アクリル酸ポ
リオキシアルキレンアルケニルエステル系(アルケニル
基の炭素数7〜39)単量体等が挙げられる。
【0042】これら単量体のポリオキシアルキレンのア
ルキレン基の炭素数は、2〜30であり、その繰り返し
単位は1〜100の範囲である。
【0043】また、これら単量体中のポリオキシアルキ
レンのアルキレン基は、1種類のみ、又は2種類以上を
同時に(同一化合物中に)持った構造であってもよく、
さらに、これらポリオキシアルキレンに対応するアルキ
レンオキシドは、1種類の場合は単独付加、2種類以上
の場合はブロック付加、ランダム付加のいずれの形態で
付加されていてもよく、ブロック付加部分とランダム付
加部分を同時に持っていても良い。
【0044】上記一般式(C−2)で表される単量体の
中で、R12が炭素数11〜23の飽和炭化水素又は不
飽和炭化水素である単量体、Rが炭素数2又は3のア
ルキレン基である単量体が好ましい。
【0045】単量体(C)の例として、上記一般式(C
−3)で表される単量体の例としては、(メタ)アクリ
ル酸ポリオキシアルキレンN−アルキル−N−アルキロ
イルアミノアルキルエーテル系(N−アルキル基の炭素
数0〜4、N−アルキロイル基の炭素数8〜40、アミ
ノアルキル基の炭素数2〜30)単量体、(メタ)アク
リル酸ポリオキシアルキレンN−アルキル−N−アルケ
ニロイルアミノアルキルエーテル系(N−アルキル基の
炭素数0〜4、N−アルケニロイル基の炭素数8〜4
0、アミノアルキル基の炭素数2〜30)単量体等が挙
げられる。
【0046】これら単量体のポリオキシアルキレンのア
ルキレン基の炭素数は、2〜30であり、その繰り返し
単位は1〜100の範囲である。
【0047】また、これら単量体中のポリオキシアルキ
レンのアルキレン基は、1種類のみ、又は2種類以上を
同時に(同一化合物中に)持った構造であってもよく、
さらに、これらポリオキシアルキレンに対応するアルキ
レンオキシドは、1種類の場合は単独付加、2種類以上
の場合はブロック付加、ランダム付加のいずれの形態で
付加されていてもよく、ブロック付加部分とランダム付
加部分を同時に持っていても良い。
【0048】上記一般式(C−3)で表される単量体の
中で、R12が炭素数11〜23の飽和炭化水素又は不
飽和炭化水素である単量体、Rが炭素数2又は3のア
ルキレン基である単量体が好ましい。
【0049】単量体(C)の例として、上記一般式(C
−4)で表される単量体の例としては、(メタ)アクリ
ル酸ポリオキシアルキレンN,N−ジアルキルアミノア
ルキルエーテル系(N−アルキル基の炭素数8〜30又
は0〜30、アミノアルキル基の炭素数2〜30)単量
体等が挙げられる。
【0050】これら単量体のポリオキシアルキレンのア
ルキレン基の炭素数は、2〜30であり、その繰り返し
単位は1〜100の範囲である。
【0051】また、これら単量体中のポリオキシアルキ
レンのアルキレン基は、1種類のみ、又は2種類以上を
同時に(同一化合物中に)持った構造であってもよく、
さらに、これらポリオキシアルキレンに対応するアルキ
レンオキシドは、1種類の場合は単独付加、2種類以上
の場合はブロック付加、ランダム付加のいずれの形態で
付加されていてもよく、ブロック付加部分とランダム付
加部分を同時に持っていても良い。
【0052】上記一般式(C−4)で表される単量体の
中で、R14とR15を合計した炭素数が12〜36と
なる飽和炭化水素又は不飽和炭化水素を持つ単量体、R
が炭素数2又は3のアルキレン基である単量体が好ま
しい。
【0053】該共重合体を構成する単量体(C)の量
は、0.1〜30%、好ましくは0.1〜10%、さら
に好ましくは0.5〜5%である。単量体(C)の量が
0.1%未満では、著しく優れた保水性等は得られず、
30%を超えると粘度が増大し、保水性は低下傾向とな
り、塗工性が低下、かつ塗工紙の印刷適性も極めて良好
なものは得られなくなる。
【0054】(4)連鎖移動剤 本発明における共重合体(紙塗被剤用保水剤)の重合に
際し、必要により連鎖移動剤を使用する。連鎖移動剤の
選択としては、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−
ペンテン(DPMPと略す)の使用が保水剤としての性
能上、特に好ましい。DPMPの使用量は上記単量体
(A)、(B)、(C)の合計量に対して0〜2%に設
定することが好ましく、より好ましくは0〜0.5%で
ある。
【0055】なお、DPMP以外の連鎖移動剤を併用す
ることも可能であるが、保水性としての性能上の効果を
阻害しない程度の量とする。
【0056】DPMP以外の連鎖移動剤としては、例え
ば、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオー
ル、ブタンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオ
ール、ベンゼンチオール、トルエンチオール、α−ナフ
タレンチオール、β−ナフタレンチオール、メルカプト
メタノール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパ
ノール、メルカプトブタノール、チオグリコール酸、チ
オグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオ
グリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオ
グリコール酸n−オクチル、チオグリコール酸2−エチ
ルヘキシル、チオグリコール酸ドデシル、チオグリコー
ル酸オクタデシル、チオグリコール酸ベンジル、チオグ
リコール酸メトキシエチル、チオグリコール酸メトキシ
ブチル、β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプト
プロピオン酸メチル、β−メルカプトプロピオン酸エチ
ル、β−メルカプトプロピオン酸プロピル、β−メルカ
プトプロピオン酸ブチル、β−メルカプトプロピオン酸
n−オクチル、β−メルカプトプロピオン酸2−エチル
ヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸ドデシル、β−
メルカプトプロピオン酸オクタデシル、β−メルカプト
プロピオン酸ベンジル、β−メルカプトプロピオン酸メ
トキシエチル、β−メルカプトプロピオン酸メトキシブ
チル、トリメチロールプロパントリス−(β−メルカプ
トプロピオネート)等のチオール(メルカプタン)類、
四塩化炭素、クロロホルム、四臭化炭素、ブロモホル
ム、ブロモトリクロロエタン、ブロモベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素類又はハロゲン化炭素類、アミン類、ニ
トロ化合物類、アルコール類、アルデヒド類、スルフィ
ド類、ジスルフィド、スルホキシド類、スルホン類、そ
の他、次亜リン酸塩、クメン、アントラセン、アリル化
合物、ジイソブチレン、テルピノレン、β−テルピネ
ン、γ−テルピネン、1,4−シクロヘキサジエン、2
−メチル−1,4−シクロヘキサジエン等が挙げられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併用して用いるこ
とができる。
【0057】(5)架橋剤 本発明における共重合体(紙塗被剤用保水剤)の重合に
際し、必要によりラジカル重合性の二重結合を2つ以上
持つ架橋剤を使用する。架橋剤の種類については、ラジ
カル重合性の二重結合を2つ以上持つ化合物であれば、
特に限定されない。具体例を挙げるならば、例えば、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メ
タ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
アリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレ
ート、アリル(メタ)アクリレート、N,N’−メチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼン等が
挙げられる。
【0058】架橋剤の使用量は上記単量体(A)、
(B)、(C)の合計量に対して0〜2%に設定するこ
とが好ましく、より好ましくは0〜0.5%である。
【0059】(6)共重合体(保水剤) 本発明の共重合体(紙塗被剤用保水剤)は、上記単量体
(A)、(B)、(C)を共重合させて得られる共重合
体より構成され、単量体(A)の量が25〜75%、単
量体(B)の量が20〜70%、単量体(C)の量が
0.1〜30%であり、好ましくは(A)の量が40〜
70%、(B)の量が30〜60%、(C)の量が0.
1〜10%であり、(C)についてより好ましくは0.
5〜5%である。
【0060】上記単量体(C)の使用は、本発明の共重
合体に必須の成分であり、また、(C)の量が0.1〜
30%の範囲外では目的とする保水性等の保水剤として
の種々の著しく優れた性能は得られず、かつ塗工液(紙
塗被剤)を塗工された塗工紙の印刷適性も極めて良好な
ものが得られなくなる場合がある。
【0061】本発明の共重合体の分子量は特に限定され
ないが、好ましい平均分子量(重量平均分子量)は1
0,000〜10,000,000で、特に好ましくは
平均分子量が100,000〜3,000,000であ
る。共重合体の平均分子量が10,000未満では、充
分な増粘性、保水性が得られない場合があり、10,0
00,000を超えると塗工液の粘度が高くなり過ぎる
場合がある。また、10,000〜10,000,00
0の範囲外では塗工紙の印刷適性も不良となる可能性が
生じる。
【0062】また、該共重合体を構成する単量体は、ブ
ロック、ランダム、交互、グラフトのいずれの形式で重
合していてもよい。
【0063】(7)重合方法 本発明の共重合体の製造方法は基本的には限定されず、
溶液重合、乳化重合、懸濁重合、及び塊状重合のいずれ
の方法を採用することも可能であるが、好ましくは溶液
重合法、乳化重合法であり、特に乳化重合法が保水剤と
しての性能上最適である。
【0064】上記溶液重合法または乳化重合法によって
目的とする共重合体を重合する場合、重合用溶媒(媒
体)としては、水、および有機溶媒、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、
ヘプタン、オクタン、クロロメタン、クロロエタン、ク
ロロフルオロメタン、クロロフルオロエタン、フルオロ
メタン、フルオロエタン、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール、酢酸エチル、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等が挙げられ、これらの溶媒は適宜併用しても
よい。
【0065】重合開始剤としては、例えば、ベンゾイル
パーオキシド、tert−ブチルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、クミルパーオキシド、tert−ブ
チルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、
アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化水素、過
硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−
ヒドロクロリド、レドックス系開始剤(過酸化水素−塩
化第一鉄、過硫酸アンモニウム−酸性亜硫酸ナトリウ
ム、アスコルビン酸(塩)、ロンガリット等)、O−ア
リルOO−t−ブチルパーオキシカーボネート、OO−
t−ブチルO−2−(メタクリロイルオキシ)エチルパ
ーオキシカーボネート、t−ブチル(E)−3−イソプ
ロポキシカルボニルパーオキシアクリレート、1,1−
ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサ
ン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシ
シクロヘキシル)プロパン等のラジカル供与剤が挙げら
れる。また、紫外線、電子線、放射線等による光重合に
よってラジカルを発生させてもよく、この場合、光増感
剤等を使用してもよい。
【0066】上記乳化重合法を採用する場合、使用する
乳化剤としては、下記一般式(D−1),(D−2),
(D−3)で表される反応性界面活性剤から選ばれる1
種類以上を使用することが好ましく、特に(D−1)が
好ましい。
【化10】 (式中、dは1〜100の整数を、R16は炭素数10
〜30のアルキル基、アルキルフェニル基、アラルキル
フェニル基を、R17は炭素数12〜30のアルキル基
を示す。)。
【0067】上記一般式(D−1),(D−2),(D
−3)で表される反応性界面活性剤は、全単量体に対し
て0.1〜10重量%使用することが好ましい。
【0068】乳化重合法を採用する場合、上記反応性界
面活性剤以外の乳化剤を使用してもよく、また併用も可
能である。
【0069】上記反応性界面活性剤以外の乳化重合用乳
化剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン酸塩、硫酸化
脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキ
ルスルホ脂肪酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸
エステル酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルス
ルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシアルキレンア
ルケニルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、ポリ
オキシアルキレンアリールエーテルスルホコハク酸モノ
エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル塩、アルキル硫酸
エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシ
アルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシ
アルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオ
キシアルキレンアリールエーテル硫酸エステル塩、アル
キルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル
エーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアル
ケニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレ
ンアリールエーテルリン酸エステル塩等のアニオン性界
面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポ
リオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシア
ルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアル
キルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル
エステル、ポリオキシアルキレンアルケニルエステル、
ポリオキシアルキレンアルキルアリールエステル、ポリ
オキシアルキレンアルキルアミン、N,N−ジヒドロキ
シエチルアルキルアミド、ポリオキシアルキレンアルキ
ルアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステ
ル、ポリオキシアルキレンペンタエリスリトールアルキ
ルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシア
ルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル、ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル、ポ
リオキシアルキレン等の非イオン性界面活性剤、アルキ
ルアミン塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルアラル
キルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキ
ルピコリニウム塩等のカチオン性界面活性剤、アミノ酸
型、ベタイン型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン
酸エステル型等の両性界面活性剤、カゼイン、β−ナフ
タレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ポリカルボン酸
塩、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリ
(メタ)アクリルアミド、スチレン−マレイン酸共重合
体およびその誘導体、ポリアミド−エピクロルヒドリン
樹脂、アミン−エピクロルヒドリン樹脂、(ポリ)アル
キレンポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、ポリ(ジ
アリルアミン)−エピクロルヒドリン樹脂等の高分子型
界面活性剤等が挙げられ、これらの界面活性剤は単独で
または2種以上を混合して用いることができる。
【0070】なお、本発明においては、本発明の保水剤
を、その製造時の重合用乳化剤としてそのまま、もしく
は中和して用いることもできる。
【0071】その他、pH緩衝剤、キレート剤等を、重
合時に使用してもよく、pH緩衝剤としては、例えば、
炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナ
トリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が挙げられ、キレ
ート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナト
リウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウム等が挙げられる。
【0072】上記共重合体の重合に際しては、各単量体
(A)、(B)、(C)重合開始剤および必要により連
鎖移動剤、架橋剤、界面活性剤等からなる混合物の総量
が全体の5〜90%、好ましくは10〜80%であり、
残部が媒体(水、有機溶媒)とする。また、重合温度は
5〜200℃、好ましくは50〜100℃である。他の
条件、方法等は、一般的な重合の条件、方法に従って実
施すればよく、例えば、単量体等の重合系への添加方法
については、一括添加法、連続添加法、分割添加法等が
挙げられ、これらを採用すればよい。
【0073】(8)該共重合体(保水剤)が対象とする
紙塗被剤 本発明の共重合体が対象とする紙塗被剤は、主として顔
料、結合剤(接着剤)、分散剤、水、及び各種の添加剤
からなる水系分散体混合物であり、後述のコート紙等の
製造に使用される。
【0074】塗工液の構成成分中、顔料としては、例え
ばカオリン、焼成クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭
酸カルシウム、タルク、サチンホワイト、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、プラ
スチックピグメント等が挙げられ、結合剤としては、例
えばスチレン/ブタジエン系ラテックス、メチルメタク
リレート/ブタジエン系ラテックス、及びこれらのカル
ボキシル変性ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等の
合成ゴム系水性分散体、及びデンプン、変性デンプン、
カゼイン、大豆タンパク、変性大豆タンパク等の天然系
水溶性高分子が挙げられる。分散剤としては、例えばポ
リカルボン酸塩、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリ
ルアミド、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等が挙げ
られ、耐水化剤としては、例えば尿素樹脂、メラミン樹
脂、グリオキザール等が挙げられる。その他の添加剤と
して、滑剤、消泡剤、柔軟剤、湿潤剤、防腐剤、蛍光増
白剤、離型剤、レベリング剤、老化防止剤等も適宜使用
される。また、本発明の保水剤の性能を阻害しない範囲
内において、カルボキシメチルセルロース、メチルセル
ロース、変性デンプン、アルギン酸ソーダ、ポリビニル
アルコール等、従来の保水剤を1種類以上併用すること
も可能である。
【0075】通常、塗工液中の顔料100重量部(以
下、単に「部」という)に対し、結合剤の使用量は乾燥
重量で5〜20部、分散剤の使用量は乾燥重量で0.1
〜0.5部であり、残部を水とした塗工液の固形分濃度
は40〜70%程度である。
【0076】本発明の保水剤は通常pH調整を必要と
し、水酸化ナトリウム、アンモニア等の塩基性物質にて
pH7〜11程度に調整する。なお、本発明の保水剤
は、塗工液の調製後これに保水剤を添加してその後pH
調整を行うことが操作上好ましいが、塗工液のpH調整
後保水剤を添加しても良く、また保水剤単独でのpH調
整後塗工液に添加してもよい。
【0077】本発明の保水剤の添加量については特に限
定されず、粘度等の要求物性項目に応じて適宜増減され
使用される。ただし、通常塗工液中の顔料100部に対
し、固型分換算で0.01〜5部、好ましくは0.05
〜2部程度が使用される。
【0078】(9)紙塗被剤の紙への塗工 本保水剤が対象とする塗工液の紙への塗工方法は、特に
限定されず公知の方法に従えばよく、例えばエアナイフ
コーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコ
ーター、カーテンコーター等の塗工装置によって紙へ塗
工される。この時、塗工液の固形分濃度は通常40〜7
0%程度であるが、本発明の保水剤使用時には65%以
上の高濃度での塗工が可能で、低水分化することができ
る。また、塗工液は紙の片面または両面に塗工され、塗
工量は乾燥重量で通常片面に5〜25g/m程度であ
り、乾燥後通常カレンダー処理、スーパーカレンダー処
理が施される。塗工用原紙としては坪量40〜600g
/mの上質紙、中質紙、板紙等、及びこれらのコート
紙等の印刷用紙が使用される。なお、本発明の保水剤使
用時には、高剪断粘度が低く、流動性に優れるため、塗
工速度1,500m/min以上の高速塗工が可能であ
る。
【0079】本発明の保水剤を用いることにより、紙塗
被組成物に低剪断速度下では適度な増粘性を、高剪断速
度下では良好な流動性を与え、かつ極めて優れた保水性
を付与し、塗工紙の印刷適性に優れ、高濃度化による乾
燥エネルギーの削減と、塗工速度の向上による生産性向
上を可能とする。従来の合成系保水剤比較し、本発明の
剤は上記の点で優れている。
【0080】
【実施例】以下に実施例、及び比較例を挙げて本発明の
具体的な実施形態、及び効果について説明するが、本発
明の技術的範囲はこれにより限定されるものではない。
なお、以下において、「部」及び「%」は重量基準であ
る。
【0081】
【表1】
【表2】
【0082】[単量体(A)に属する単量体] MA:メチルアクリレート(A−1) EA:エチルアクリレート(A−1) BA:n−ブチルアクリレート(A−1) i−BA:イソブチルアクリレート(A−1) 2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート(A−1) DA:デシルアクリレート(A−1) SA:ステアリルアクリレート(A−1) MMA:メチルメタクリレート(A−1) EMA:エチルメタクリレート(A−1) BMA:n−ブチルメタクリレート(A−1) HMA:ヘキシルメタクリレート(A−1) 2EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート(A−
1) VAc:酢酸ビニル(A−2) VN:ノナン酸ビニル(A−2) St:スチレン(A−3) α−MSt:α−メチルスチレン(A−3)。
【0083】[単量体(B)に属する単量体] AA:アクリル酸(B−1) MAA:メタクリル酸(B−1) HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B−
2) AAm:アクリルアミド(B−3) DAM:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
(B−4)。
【0084】[単量体(C)に属する単量体]◎
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0085】[その他] DPMP:2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペン
テン(連鎖移動剤) DM:n−ドデカンチオール(連鎖移動剤) t−DM:tert−ドデカンチオール(連鎖移動剤) EGDM:エチレングリコールジメタクリレート(架橋
剤) DAP:ジアリルフタレート(架橋剤)◎
【化15】 (D−1(1)、D−2(1)、D−3(1):反応性
界面活性剤)。
【0086】1.共重合体(保水剤)の製造例実施例1 エチルアクリレート10部、メタクリル酸5部、ジ(2
−エチルヘキシル)スルホサクシネートナトリウム1.
5部、炭酸水素ナトリウム0.2部、及び水110部
を、滴下装置、撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒
素導入管を付した反応容器に入れて混合し、窒素雰囲気
下にて80℃まで加熱した後、過硫酸アンモニウム0.
2部を10部の水に溶解した水溶液を添加して重合を開
始した。水溶液添加後より5分後、エチルアクリレート
35部、メタクリル酸45部、C−1(1)5部、ジ
(2−エチルヘキシル)スルホサクシネートナトリウム
0.5部、及び水100部を混合したエマルジョン状態
の混合物を滴下装置から2時間かけて滴下し、この間の
温度は80℃に保ち、さらに80℃で3時間撹拌を続け
た後、30℃まで冷却して共重合体を得た。
【0087】実施例2 メチルメタクリレート10部、エチルアクリレート30
部、メタクリル酸53部、C−1(2)7部、DPMP
0.01部、アゾビスイソブチロニトリル0.6部、ニ
トリロトリ酢酸三ナトリウム0.01部、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキシド
(「EO」以下同様。)繰返し単位:20)9部、及び
水200部を、撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒
素導入管を付した反応容器に入れて混合し、窒素雰囲気
下にて85℃で4時間撹拌後、30℃まで冷却して共重
合体を得た。
【0088】実施例3 エチルアクリレート40部、n−ブチルアクリレート1
7部、メタクリル酸40部、C−1(3)3部、過硫酸
カリウム0.1部、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテルサルフェートアンモニウム(EO繰返し単位:
20)1.5部、及び水240部を、撹拌装置、還流冷
却器、温度計、及び窒素導入管を付した反応容器に入れ
て混合し、窒素雰囲気下にて75℃で8時間撹拌後、3
0℃まで冷却して共重合体を得た。
【0089】実施例4 エチルアクリレート65部、2−エチルヘキシルアクリ
レート4.8部、メタクリル酸30部、C−1(4)
0.2部、エチレングリコールジメタクリレート0.5
部、ベンゾイルパーオキシド0.1部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム14部、及び水300部を、撹
拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素導入管を付した
反応容器に入れて混合し、窒素雰囲気下にて60℃で1
0時間撹拌後、30℃まで冷却して共重合体を得た。
【0090】実施例5 エチルアクリレート15部、酢酸ビニル20部、ノナン
酸ビニル5部、メタクリル酸55部、アクリル酸4部、
C−1(5)1部、ラウロイルパーオキシド0.4部、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホコハ
ク酸モノエステル二ナトリウム(EO繰返し単位:1
2)3部、及び水200部を、撹拌装置、還流冷却器、
温度計、及び窒素導入管を付した反応容器に入れて混合
し、窒素雰囲気下にて90℃で3時間撹拌後、30℃ま
で冷却して共重合体を得た。
【0091】実施例6 イソブチルアクリレート10部、スチレン20部、α−
メチルスチレン5部、メタクリル酸45部、C−1
(6)20部、DPMP0.5部、過硫酸ナトリウム
0.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.5部、リン酸ナト
リウム0.4部、水酸化ナトリウム0.2部、D−3
(1)5部、及び水400部を、撹拌装置、還流冷却
器、温度計、及び窒素導入管を付した反応容器に入れて
混合し、窒素雰囲気下にて30℃で24時間撹拌して共
重合体を得た。
【0092】実施例7 エチルメタクリレート60部、ステアリルアクリレート
7部、メタクリル酸20部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート10部、C−2(1)2部、C−2(2)1
部、ラウロイルパーオキシド0.5部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテルサルフェートナトリウム
(EO繰返し単位:6)5部、及び水200部を、撹拌
装置、還流冷却器、温度計、及び窒素導入管を付した反
応容器に入れて混合し、窒素雰囲気下にて80℃で4時
間撹拌後、30℃まで冷却して共重合体を得た。
【0093】実施例8 メチルアクリレート35部、n−ブチルメタクリレート
25部、メタクリル酸5部、アクリルアミド30部、C
−3(1)0.5部、C−3(2)0.5部、2,2´
−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.
3部、D−2(1)1部、プロピレングリコール25
部、及び水400部を、撹拌装置、還流冷却器、温度
計、及び窒素導入管を付した反応容器に入れて混合し、
窒素雰囲気下にて60℃で2時間、70℃で10時間撹
拌後、30℃まで冷却して共重合体を得た。
【0094】実施例9 エチルアクリレート30部、2−エチルヘキシルメタク
リレート5部、メタクリル酸40部、N,N−ジメチル
アミノエチルメタクリレート20部、C−4(1)4
部、C−4(2)1部、ジアリルフタレート0.01
部、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)−ヒ
ドロクロリド4部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム15部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル(EO繰返し単位:30)5部、イソプロピルアルコ
ール100部、及び水200部を、撹拌装置、還流冷却
器、温度計、及び窒素導入管を付した反応容器に入れて
混合し、窒素雰囲気下にて75℃で10時間撹拌後、3
0℃まで冷却して共重合体を得た。
【0095】実施例10 エチルアクリレート10部、アクリル酸5部、ジ(2−
エチルヘキシル)スルホサクシネートナトリウム1.5
部、炭酸水素ナトリウム0.2部、及び水110部を、
滴下装置、撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素導
入管を付した反応容器に入れて混合し、窒素雰囲気下に
て80℃まで加熱した後、過硫酸アンモニウム0.2部
を10部の水に溶解した水溶液を添加して重合を開始し
た。水溶液添加後より5分後、エチルアクリレート10
部、アクリル酸35部、C−1(1)40部、ジ(2−
エチルヘキシル)スルホサクシネートナトリウム0.5
部、及び水100部を混合したエマルジョン状態の混合
物を滴下装置から2時間かけて滴下し、この間の温度は
80℃に保ち、さらに80℃で3時間撹拌を続けた後、
30℃まで冷却して共重合体を得た。
【0096】比較例1 エチルアクリレート10部、メタクリル酸5部、ジ(2
−エチルヘキシル)スルホサクシネートナトリウム1.
5部、炭酸水素ナトリウム0.2部、及び水110部
を、滴下装置、撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒
素導入管を付した反応容器に入れて混合し、窒素雰囲気
下にて85℃まで加熱した後、過硫酸アンモニウム0.
2部を10部の水に溶解した水溶液を添加して重合を開
始した。水溶液添加後より5分後、エチルアクリレート
35部、メタクリル酸50部、ジ(2−エチルヘキシ
ル)スルホサクシネートナトリウム0.5部、及び水1
00部を混合したエマルジョン状態の混合物を滴下装置
から2時間かけて滴下し、この間の温度は80℃に保
ち、さらに80℃で3時間撹拌を続けた後、30℃まで
冷却して共重合体を得た。
【0097】比較例2 メチルアクリレート10部、エチルアクリレート37
部、メタクリル酸53部n−ドデシルメルカプタン0.
001部、アゾビスイソブチロニトリル0.6部、ニト
リロトリ酢酸三ナトリウム0.01部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム
(EO繰返し単位:20)9部、及び水200部を、撹
拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素導入管を付した
反応容器に入れて混合し、窒素雰囲気下にて85℃で4
時間撹拌後、30℃まで冷却して共重合体を得た。
【0098】比較例3 エチルアクリレート40部、n−ブチルアクリレート2
0部、メタクリル酸40部、過硫酸カリウム0.1部、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェー
トアンモニウム(EO繰返し単位:10)2部、及び水
240部を、撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素
導入管を付した反応容器に入れて混合し、窒素雰囲気下
に75℃で8時間撹拌した後、30℃まで冷却して共重
合体を得た。
【0099】比較例4 エチルアクリレート65部、2−エチルヘキシルアクリ
レート5部、メタクリル酸30部、ベンゾイルパーオキ
シド0.1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
14部、及び水300部を、撹拌装置、還流冷却器、温
度計、及び窒素導入管を付した反応容器に入れて混合
し、窒素雰囲気下にて60℃で10時間撹拌後、30℃
まで冷却して共重合体を得た。
【0100】比較例5 エチルアクリレート20部、メタクリル酸80部、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.6部、ニトリロトリ酢酸三
ナトリウム0.01部、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテルサルフェートアンモニウム(EO繰返し単
位:20)9部、及び水200部を撹拌装置、還流冷却
器、温度計、及び窒素導入管を付した反応容器に入れて
混合し、窒素雰囲気下にて85℃で4時間撹拌後、30
℃まで冷却して共重合体を得た。
【0101】比較例6 ヘキシルメタクリレート8部、デシルアクリレート29
部、メタクリル酸63部、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテルサルフェートナトリウム(EO繰返し単位:
25)14部、及び水228部を滴下装置、撹拌装置、
還流冷却器、及び温度計を付した反応容器に入れて混合
し、0.5%過硫酸カリウム水溶液38部を滴下装置よ
り3時間かけて滴下、このときの反応温度は80〜10
0℃に保った。滴下終了後3時間同温度に保った後、3
0℃まで冷却し、特開平8−188987の実施例1に
よる共重合体を得た。
【0102】比較例7 水190部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
2.0部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.02
部を滴下装置、撹拌装置、温度計、及び窒素導入管を付
した耐圧反応容器に入れて混合、85℃に加熱し、反応
容器内を窒素置換後、エチルアクリレート55部、酢酸
ビニル10部、メタクリル酸35部、t−ドデカンチオ
ール(t−ドデシルメルカプタン)0.1部からなる混
合物と、水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.8部、水酸化ナトリウム0.8部、過硫酸ナト
リウム0.8部からなる混合物とを85℃で3時間かけ
て同時に滴下した。さらに1時間撹拌後、30℃まで冷
却し、特開昭61−43607の実施例1による共重合
体を得た。
【0103】比較例8 水15部、及びエマルゲン920(花王(株)製)1部
からなる[液1]と、n−ブチルアクリレート60部、
スチレン30部、メタクリル酸2.5部、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート7.5部、エマルゲン920
(同)4部、ネオペレックス05(花王(株)製)0.
2部、過硫酸アンモニウム0.2部、及び水70部から
なる[液2]と、2%NaHSO水溶液10mlから
なる[液3]とを調製した。[液1]を滴下装置、撹拌
装置、還流冷却器、温度計、及び窒素導入管を付した反
応容器に入れて窒素置換後、[液2]の1/10量、及
び[液3]の1/10量を添加、反応開始後残りの[液
2]及び[液3]を3時間かけて滴下。このとき反応温
度は50℃に保った。さらに滴下終了後反応温度を50
℃に1時間保った後30℃まで冷却、アンモニア水でp
Hを7に調整し、特開昭52−118015の実施例1
による共重合体を得た。
【0104】2.紙塗被剤(塗工液)の調製 a)オフセット印刷用紙塗被剤紙塗被剤例1a 塗工液の最終固型分が65%となる量の水と分散剤(第
一工業製薬(株)製:シャロールAN−103P)0.
2部を撹拌下、カオリンクレー(ECC Corp.
製:KCS)60部、重質炭酸カルシウム(ECC C
orp.製:カービタル−90)40部を添加し、リン
酸エステル化デンプン(日本食品加工(株)製:MS#
4600)1部、及びスチレン/ブタジエン系ラテック
ス(旭化成工業(株)製:L−1408)11部を加
え、さらに実施例1で得られた保水剤(共重合体)0.
1部を添加したのち、NaOH水溶液にてpH9.0に
調整し、固形分65%の塗工液を調製した(分散剤、ラ
テックス、保水剤の添加量はいずれも固形分換算であ
る)。
【0105】紙塗被剤例2a〜10a 実施例2〜10で得られた保水剤を使用し、上記紙塗被
剤例1aと全く同様の方法で塗工液を調製した。
【0106】比較紙塗被剤例1a〜8a 比較例1〜8で得られた保水剤を使用し、上記紙塗被剤
例1aと全く同様の方法で塗工液を調製した。
【0107】以上のオフセット印刷用紙塗被剤は、後述
する紙塗被剤の評価(低速剪断粘度、高速剪断粘度、静
的保水性、動的保水性)、及び塗工紙の評価(白紙光沢
度、印刷光沢度、ドライピック表面強度、ウェットピッ
ク表面強度、耐ブリスター性)で使用した。
【0108】b)グラビア印刷用紙塗被剤紙塗被剤例1b 塗工液の最終固型分が62%となる量の水と分散剤(第
一工業製薬(株)製:シャロールAN−103P)0.
3部を撹拌下、カオリンクレー(ECC Corp.
製:KCS)100部を添加し、スチレン/ブタジエン
系ラテックス(旭化成工業(株)製:G−1176)6
部を加え、さらにカルボキシメチルセルロースナトリウ
ム(第一工業製薬(株)製:セロゲンBSH)0.05
部、及び実施例1で得られた保水剤(共重合体)0.3
部を添加した後、アンモニア水溶液にてpH9.0に調
整し、固形分62%の塗工液を調製した(分散剤、ラテ
ックス、保水剤の添加量はいずれも固形分換算であ
る)。
【0109】紙塗被剤例2b〜10b 実施例2〜10で得られた保水剤を使用し、上記紙塗被
剤例1bと全く同様の方法で塗工液を調製した。
【0110】比較紙塗被剤例1b〜8b 比較例1〜8で得られた保水剤を使用し、上記紙塗被剤
例1bと全く同様の方法で塗工液を調製した。
【0111】以上のグラビア印刷用紙塗被剤は、後述す
る紙塗被剤の評価(低速剪断粘度、高速剪断粘度、静的
保水性、動的保水性)、及び塗工紙の評価(インキ受理
性、平滑性、網点再現性)で使用した。
【0112】3.紙塗被剤の性能評価方法 (低速剪断粘度)BM型粘度計(東京計器製作所(株)
製)を使用し、25℃にて60rpmの粘度を測定。
【0113】(高速剪断粘度)ハーキュレス型粘度計
(熊谷理機工業(株)製)を使用し、25℃にて440
0rpm(Eボブ)、8800rpm(Fボブ)の粘度
を測定。この数値が低いほど、高剪断速度下での流動性
が良好であることを示す。
【0114】(静的保水性)S.D.Warrenのリングセル法
により、25℃にて測定。この数値が高いほど、静的保
水性が良好であることを示す。
【0115】(動的保水性)加圧脱水法により、150
kPaの圧力下、15秒、25℃にて測定、5μmのポ
リカーボネート製のフィルターを使用した。この数値
(対ブランク)が低いほど、動的保水性が良好であるこ
とを示す。
【0116】4.塗工紙の作成(紙塗被剤の塗工) 紙塗被剤例1a〜10a、比較紙塗被剤例1a〜8a、
紙塗被剤例1b〜10b、及び比較紙塗被剤例1b〜8
bで得られた塗工液を、フォンテン式ブレードコーター
で坪量84g/mの上質紙の片面に、塗工速度180
0m/minにて塗工量15g/mを塗布した後、エ
アキャップドライヤー(150℃×30sec)にて乾
燥、24時間調湿(20℃、湿度65%)した後、スー
パーカレンダー処理(ニップ圧100kg/cm、60
℃)を2回行い、塗工紙を作成した。
【0117】5.塗工紙の性能評価方法 (白紙光沢度)光沢度計(村上色彩研究所(株)製)に
てJIS:P−8142に基づき、入射角75°で測定
した。数値が高い程、白紙光沢が良好であることを示
す。
【0118】(印刷光沢度)RI型印刷適性試験機(明
製作所(株)製)にてオフセットインキでベタ刷り後、
光沢度計(村上色彩研究所(株)製)を使用してJI
S:P−8142に基づき、入射角60°で測定した。
数値が高い程、印刷光沢が良好であることを示す。
【0119】(ドライピック表面強度)RI型印刷適性
試験機で湿し水を使用せず印刷したときのピッキングの
程度を5段階で評価した。良好な順にAA,A,B,
C,Dとした。
【0120】(ウェットピック表面強度)RI型印刷適
性試験機で湿し水を使用して印刷したときのピッキング
の程度を5段階で評価した。良好な順にAA,A,B,
C,Dとした。
【0121】(耐ブリスター性)耐ブリスター温度をオ
イルバス法(シリコーンオイル)にて測定。数値が高い
程、耐ブリスター性が良好であることを示す。
【0122】(平滑性)王研式平滑度試験機(旭精工
(株)製)にてJIS:P−8119に基づき評価し
た。数値が大きい程、平滑性が良好であることを示す。
【0123】(インキ受理性)K&Nインキ受理性を測
定、反射率の低下率を示した。数値が大きい程、インキ
受理性が良好であることを示す。
【0124】(網点再現性)大蔵省印刷局式グラビア印
刷適性試験機にて、網点グラビア版を使用して印刷、ハ
イライト部分の網点欠落率を画像解析装置を用いて評価
した。数値が低い程、網点欠落率が低くグラビア印刷適
性が良好であることを示す。
【0125】6.紙塗被剤、及び塗工紙の性能評価結果 結果を下記[表3]〜[表6]に記載する。
【0126】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0127】上記[表3]及び[表4]の結果から、各
実施例の共重合体を使用した塗工液は、低剪断速度下で
は適度な増粘性を示し、高濃度固形分にも拘らず高剪断
速度下の粘度は低く、流動性に優れ、かつ、極めて保水
性に優れていることが分かる。また、上記[表5]の結
果から、各実施例の共重合体使用の塗工液を高速塗工し
た塗工紙は、白紙光沢度、及び印刷光沢度が高く、ドラ
イ及びウエットピック表面強度に優れ、耐ブリスター性
が良好であり、さらに上記[表6]の結果から、平滑
性、インキ受理性、網点再現性が著しく良好であり、す
なわち、優れた印刷適性を有する塗工紙が得られること
が明らかである。
【0128】
【発明の効果】本発明の共重合体(保水剤)を用いるこ
とにより、紙塗被剤に低剪断速度下では適度な増粘性
を、高剪断速度下では良好な流動性を与え、極めて優れ
た保水性を付与して塗工適性に優れ、かつ高濃度化によ
る乾燥エネルギーの削減と、塗工速度の向上による生産
性の向上を可能とする。
【0129】本発明の保水剤は、従来の保水剤と比較し
て以上の点で優れ、また塗工液の高濃度化による乾燥エ
ネルギーコストの削減、塗工速度の向上による生産性の
向上のみならず、印刷適性の向上など塗工紙の品質の向
上に対して大きな貢献を果たすものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の単量体(A)〜(C)を共重合させ
    てなる共重合体よりなる紙塗被剤用保水剤。 (A)(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボン
    酸ビニル系単量体、及びスチレン系単量体からなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種類である単量体。 (B)カルボキシル基含有単量体、ヒドロキシル基含有
    単量体、アミド基含有単量体、及びアミノ基含有単量体
    からなる群より選ばれた少なくとも1種類である単量
    体。 (C)長鎖飽和炭化水素基及び/又は長鎖不飽和炭化水
    素基を有する化合物にて末端ヒドロキシル基が封鎖され
    た構造を有する(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレ
    ン誘導体から選ばれた少なくとも1種類である単量体。
  2. 【請求項2】前記単量体(A)が下記一般式(A−1)
    〜(A−3)で表される単量体からなる群より選ばれた
    1種類以上から構成され、 前記単量体(B)が下記一般式(B−1)〜(B−4)
    で表される単量体からなる群より選ばれる1種類以上か
    ら構成され、かつ前記単量体(C)が下記一般式(C−
    1)〜(C−4)で表される単量体からなる群より選ば
    れる1種類以上から構成される請求項1記載の紙塗被剤
    用保水剤。 【化1】 (式中、Rは水素又はメチル基を、Rは炭素数1〜
    22のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、
    シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基、又は
    アラルケニル基を、Rは炭素数1〜17のアルキル
    基、クロロメチル基、又はフェニル基を、Rは水素又
    は炭素数1〜4のアルキル基を示す。) 【化2】 (式中、Rは水素又はメチル基を、Mは水素、アルカ
    リ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、又は有機塩基
    類のカチオンもしくはオニウムを、Rは炭素数2〜3
    0のアルキレン基を、nは1〜100の整数を、R
    びRは水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
    ル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒド
    ロキシプロピル基、メトキシメチル基、エトキシメチル
    基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基を、Aは−
    O−、または−NH−を、Rは−(CH−、−
    (CH−、−CHC(CHCH−、又
    は−CHCH(OH)CH−を、RおよびR10
    は水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
    ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル
    基、ジヒドロキシプロピル基、グリシジル基を示す。R
    のアルキレン基は同一化合物中に1種類又は2種類以
    上あってもよく、これらに対応するアルキレンオキシド
    はそれぞれ単独付加、ブロック付加、ブロックランダム
    付加、又はランダム付加のいずれでもよい。) 【化3】 (式中、Rは水素又はメチル基を、Rは炭素数2〜
    30のアルキレン基を、nは1〜100の整数を、R
    11は炭素数8〜40の飽和炭化水素基、不飽和炭化水
    素基を、R12は炭素数7〜39の飽和炭化水素基、不
    飽和炭化水素基を、R13は水素又は炭素数1〜4のア
    ルキル基、R14は炭素数8〜30の飽和炭化水素基、
    不飽和炭化水素基を、R15は水素又は炭素数1〜30
    の飽和炭化水素、不飽和炭化水素基を示す。Rのアル
    キレン基は同一化合物中に1種類又は2種類以上あって
    もよく、これらに対応するアルキレンオキシドはそれぞ
    れ単独付加、ブロック付加、ブロックランダム付加、又
    はランダム付加のいずれでもよい。)
  3. 【請求項3】前記単量体(C)が、下記一般式(C−1
    a)〜(C−1b)で表される単量体からなる群より選
    ばれた1種類以上から構成される請求項1又は2に記載
    の紙塗被剤用保水剤。 【化4】 (式中、Rは水素又はメチル基を、R11は炭素数8
    〜40の飽和炭化水素、不飽和炭化水素を、aは0〜2
    0の整数を、bは5〜50の整数を、cは1〜30の整
    数を、Rは炭素数2〜30のアルキレン基を、nは1
    〜100の整数を、mは1〜3の整数を示す。)
  4. 【請求項4】全単量体における前記単量体(A)の含有
    割合が25〜75重量%であり、前記単量体(B)の含
    有割合が20〜70重量%であり、前記単量体(C)の
    含有割合が0.1〜30重量%である請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の紙塗被剤用保水剤。
  5. 【請求項5】連鎖移動剤2,4−ジフェニル−4−メチ
    ル−1−ペンテンを、全単量体量に対して0〜2重量%
    使用した共重合体からなる請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の紙塗被剤用保水剤。
  6. 【請求項6】ラジカル重合性の二重結合を2つ以上持つ
    架橋剤を、全単量体に対して0〜2重量%使用した共重
    合体からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙塗
    被剤用保水剤。
  7. 【請求項7】前記共重合体が、乳化重合法によって重合
    され、かつ下記一般式(D−1)、(D−2)、(D−
    3)で表される反応性界面活性剤から選ばれる1種類以
    上を、全単量体に対して0.1〜10重量%使用して重
    合される共重合体からなる請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の紙塗被剤用保水剤。 【化5】 (式中、dは1〜100の整数を、R16は炭素数10
    〜30のアルキル基、アルキルフェニル基、アラルキル
    フェニル基を、R17は炭素数12〜30のアルキル基
    を示す。)
  8. 【請求項8】少なくとも顔料、結合剤、分散剤、水から
    なる紙塗被剤に使用される請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の紙塗被剤用保水剤。
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