JPH1110811A - 多層ストレッチフィルム - Google Patents

多層ストレッチフィルム

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JPH1110811A
JPH1110811A JP18448397A JP18448397A JPH1110811A JP H1110811 A JPH1110811 A JP H1110811A JP 18448397 A JP18448397 A JP 18448397A JP 18448397 A JP18448397 A JP 18448397A JP H1110811 A JPH1110811 A JP H1110811A
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JP
Japan
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octene copolymer
stretch film
ethylene
resin
film
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JP18448397A
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English (en)
Inventor
Junji Yoshii
詢二 吉井
Masahiko Shoji
正彦 庄子
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Kureha Plastics Co Ltd
Original Assignee
Kureha Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非塩素系樹脂のポリオレフィン系樹脂から形
成され、耐突刺性、弾性回復性能、自己粘着性、防曇
性、外観などに優れると共に、加工性、耐熱性、低温衝
撃強度、機械適性などに優れた多層ストレッチフィルム
を提供すること。また、特に、冷蔵下などでの耐久性、
耐ひび割れ性、低温衝撃強度に優れた多層ストレッチフ
ィルムを提供すること。 【解決手段】 拘束幾何触媒を用いて得られた密度が
0.915g/cm3超過0.935g/cm3以下の直
鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(a)よりなる芯
層(A)の両面に、拘束幾何触媒を用いて得られた密度
が0.885g/cm3超過0.915g/cm3以下の
直鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(b)よりなる
表面層(B1及びB2)が積層されてなり、かつ、直鎖状
エチレン−1−オクテン共重合体(a)の融点(T
1)と直鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(b)
の融点(Tm2)との差(Tm1−Tm2)が5℃以上で
あることを特徴とする多層ストレッチフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂からなる多層ストレッチフィルムに関し、さらに詳
しくは、耐突刺性、弾性回復性能、自己粘着性、防曇
性、外観などに優れると共に、加工性、耐熱性、低温衝
撃強度、機械適性などに優れた多層ストレッチフィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】ストレッチ包装は、ストレッチフィルム
を引き伸ばしながら、固体の包装対象品に上包みを施す
包装であり、例えば、食品用トレー包装、家電製品等の
バレットストレッチ包装、建材等の水平横巻き包装、
紙、フィルム、布、金属シート等の大巻き物、農畜産業
用包装などの広範な分野に適用されている。特に、最
近、青果物、鮮魚、精肉、加工食品などの食品類を直接
またはトレーに載せて、ストレッチフィルムによりスト
レッチ包装したものが、スーパーマーケットを中心に広
範に出まわっており、食品の流通、販売の合理化、シス
テム化の要請に対応して、ストレッチ包装に対する需要
が急激に増大している。ストレッチフィルムは、引き伸
ばしながら包装し、内容物の保護、集積、販売促進(透
明性、光沢性)の機能を果たすものであり、一般に、次
のような諸特性を有することが必要である。すなわち、
張力がかけられた状態での耐突刺性に優れているこ
と、緊縛力を持続するのに充分な弾性回復性能を有す
ること、内部応力の経時変化が小さいこと、引張強
さが大きいこと、自己粘着性を有すること、透明性
が良好であることなどである。
【0003】ストレッチフィルムとしては、プリパック
(展示販売用の事前包装)フィルムではポリ塩化ビニル
(PVC)の単層フィルムが主流である。PVCストレ
ッチフィルムは、多量の可塑剤を添加したPVCからな
る薄手のフィルムであり、柔軟性で、弾力性を備えた伸
びと、強い粘着性をもっているので、引っ張りながら品
物を包み、フィルムの端部を品物の裏面に圧着すれば、
品物の形状に密着し、光沢のあるきれいな包装が簡単に
できる。しかしながら、PVCストレッチフィルムは、
廃棄後の焼却処理時に有毒な塩素ガスやダイオキシンを
発生する恐れのあることが指摘され、環境問題がクロー
ズアップされるにしたがって、非塩素系樹脂からなるス
トレッチフィルムへの素材代替の要求が高まっている。
【0004】また、ストレッチフィルムには、前述の如
き諸特性に加えて、(1)フィルムに腰があり、加工性
に優れていること、(2)耐熱性に優れていること、
(3)食品などのストレッチ包装品を冷蔵庫に保存する
場合、冷蔵下での耐久性、耐ひび割れ性、低温衝撃強度
などに優れていること、(4)冷蔵庫から取り出した時
に、表面に曇りがないこと、(5)市販のPVCストレ
ッチフィルム用包装機械適性に優れていること、(6)
横型ピロータイプ包装機械などへの適性のあること、
(7)熱板シール性に優れていることなど、高機能化が
求められている。従来、特開平9−39178号公報に
は、透明性、柔軟性、伸展性に優れ、かつ、自己粘着
性、復元性に優れたストレッチ包装用フィルムが開示さ
れ、特開平9−67453号公報には、ラッピング性と
ラッピング保持性に優れたポリオレフィン系ラップスト
レッチフィルムが開示され、特開平9−67483号公
報には、変形回復性、耐熱性に優れたポリオレフィン系
ラップストレッチフィルムが開示されている。
【0005】最近、特開平9−99527号公報には、
低密度ポリエチレン樹脂、結晶性ポリプロピレン系樹脂
及び密度が0.910g/cm3以上の直鎖状エチレン
−α−オレフィン共重合体樹脂の中から選ばれた少なく
とも1種の樹脂からなる基材層の少なくとも片面に、密
度が0.908g/cm3以下、かつ、Q値(Mw/M
n)が4以下の直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合
体樹脂からなる表面層が積層されてなるストレッチ包装
用フィルムが開示されている。この公報の実施例2に
は、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂〔密
度0.917g/cm3、三菱化学(株)製、三菱ポリ
エチ−LL X729〕を基材層とし、直鎖状エチレン
−α−オレフィン共重合体樹脂〔密度0.895g/c
3、ダウ・ケミカルジャパン(株)製、AFFINI
TY PF1140〕を表面層とする3層構成のストレ
ッチ包装用フィルムが開示されている。しかしながら、
これらの先行文献に開示されている積層構成のストレッ
チフィルムは、フィルムの腰が不足する他、冷蔵下など
での耐久性、耐ひび割れ性、低温衝撃強度の点では不満
足なものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非塩
素系樹脂のポリオレフィン系樹脂から形成され、耐突刺
性、弾性回復性能、自己粘着性、防曇性、外観などに優
れると共に、加工性、耐熱性、低温衝撃強度、機械適性
などに優れた多層ストレッチフィルムを提供することに
ある。また、本発明の目的は、特に、冷蔵下などでの耐
久性、耐ひび割れ性、低温衝撃強度に優れた多層ストレ
ッチフィルムを提供することにある。
【0007】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、芯層に、特定のシング
ルサイト触媒(拘束幾何触媒)を使用して製造された高
融点の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂層
を配置し、両外層には、拘束幾何触媒を使用して製造さ
れた、芯層のLLDPEより低融点で柔軟性に富んだ超
低密度ポリエチレン(VLDPE)樹脂層を配置した3
層構成の多層ストレッチフィルムに想到した。本発明の
多層ストレッチフィルムは、従来のストレッチフィルム
に対する要求特性を満足することに加えて、冷蔵下など
での耐久性、耐ひび割れ性、低温衝撃強度に優れてい
る。また、本発明の多層ストレッチフィルムは、市販の
PVCストレッチフィルム用の突き上げ式包装機や横型
ピロータイプ包装機械などへの適性に優れている。本発
明の多層ストレッチフィルムは、非塩素系樹脂のポリオ
レフィン系樹脂から形成されているため、環境破壊の問
題が著しく低減されている。本発明は、これらの知見に
基づいて完成するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、拘束幾
何触媒を用いて得られた密度が0.915g/cm3
過0.935g/cm3以下の直鎖状エチレン−1−オ
クテン共重合体(a)よりなる芯層(A)の両面に、拘
束幾何触媒を用いて得られた密度が0.885g/cm
3超過0.915g/cm3以下の直鎖状エチレン−1−
オクテン共重合体(b)よりなる表面層(B1及びB2
が積層されてなり、かつ、直鎖状エチレン−1−オクテ
ン共重合体(a)の融点(Tm1)と直鎖状エチレン−
1−オクテン共重合体(b)の融点(Tm2)との差
(Tm1−Tm2)が5℃以上であることを特徴とする多
層ストレッチフィルムが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明では、芯層及び表面層の両
方に拘束幾何触媒を用いて得られたエチレン−1−オク
テン共重合体を使用する。拘束幾何触媒(constr
ainedgeometry catalyst;CG
C)は、ダウ・ケミカル社が開発したメタロセン触媒
(シングルサイト触媒ともいう)の一種である。拘束幾
何触媒と、該触媒を用いたエチレン−1−オクテン共重
合体の製造方法は、例えば、米国特許第5,272,2
36号及び米国特許第5,427,807号に記載され
ている。拘束幾何触媒を用いて得られるエチレン−1−
オクテン共重合体は、1000炭素数当たりの長鎖分岐
の数が、通常約0.01〜約3、好ましくは約0.01
〜約1、より好ましくは約0.05〜約1の実質的に直
鎖状のポリマーである。該エチレン−1−オクテン共重
合体は、分子構造中に約6炭素数以上の鎖長の長鎖分岐
が選択的に導入されているため、ポリマーに優れた物性
と良好な成形性が付与されている。
【0010】拘束幾何触媒を用いて得られるエチレン−
1−オクテン共重合体は、DRI(Dow Reolo
gy Index)が、通常0.2〜20、好ましくは
0.4〜10である。Zigler/Natta触媒や
他のメタセロン触媒で得られたVLDPE(例えば、E
XXON社の「EXACT」)では、DRIの値は零で
ある。このDRIが大きいことは、高い長鎖分岐を有
し、加工性に優れていることを示している。なお、DR
Iは、式DRI=(3.65×τ0 /η0 −1)/10
により算出される値である。ここで、τ0は、固有緩和
時間で、η0は、ゼロ剪断粘度である。
【0011】拘束幾何触媒を用いて得られるエチレン−
1−オクテン共重合体には、低密度のものから高密度の
ものまであるが、0.885g/cm3以下のものは、
エラストマーであって、製膜が難しく、耐熱性も不足し
ている。密度が0.935g/cm3を超えて大き過ぎ
るものは、押出加工及び製膜が難しくなり、また、スト
レッチフィルムとしての諸特性のバランスが悪くなる。
したがって、本発明では、密度が0.885g/cm3
超過0.935g/cm3以下の拘束幾何触媒を用いて
得られるエチレン−1−オクテン共重合体から、芯層及
び表面層のそれぞれに適したものを選択する。
【0012】エチレン−1−オクテン共重合体中の1−
オクテンの含有量は、通常、1重量%以上20重量%未
満であり、好ましくは2〜15重量%である。拘束幾何
触媒を用いて得られるエチレン−1−オクテン共重合体
は、ASTM−D1238に従って測定したメルトフロ
ーレイト(MFR)が、通常0.5〜20g/10分、
好ましくは0.5〜7g/10分である。拘束幾何触媒
を用いて得られるエチレン−1−オクテン共重合体は、
示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)
が、通常80〜130℃、好ましくは85〜125℃で
ある。拘束幾何触媒を用いて得られるエチレン−1−オ
クテン共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)
(多分散度)が、通常1.5〜2.5、好ましくは1.
8〜2.3である。
【0013】本発明では、多層ストレッチフィルムの芯
層の樹脂材料として、拘束幾何触媒を用いて得られた密
度が0.915g/cm3超過0.935g/cm3
下、好ましくは0.916〜0.930g/cm3の直
鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(a)を使用す
る。このポリマーは、直鎖状低密度ポリエチレン(LL
DPE)の一種である。このような直鎖状エチレン−1
−オクテン共重合体(a)としては、ダウ・ケミカル社
から製造・販売されている商品名エリート(ELIT
E)樹脂が好ましい。より具体的には、例えば、エリー
ト樹脂5100(MFR=0.85g/10分、密度=
0.920g/cm3)、エリート樹脂5110(MF
R=0.85g/10分、密度=0.926g/c
3)、エリート樹脂5200(MFR=4.0g/1
0分、密度=0.917g/cm3)、エリート樹脂5
400(MFR=1.2g/10分、密度=0.916
g/cm3)などを挙げることができる。
【0014】本発明では、多層ストレッチフィルムの表
面層の樹脂材料として、拘束幾何触媒を用いて得られた
密度が0.885g/cm3超過0.915g/cm3
下、好ましくは0.895〜0.915g/cm3の直
鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(b)を使用す
る。このポリマーは、直鎖状の超低密度ポリエチレン
(VLDPE)の一種である。このような直鎖状エチレ
ン−1−オクテン共重合体(b)としては、ダウ・ケミ
カル社から製造・販売されている商品名アフィニティー
(AFFINITY)樹脂から好ましいものを選択すれ
ばよい。本発明で使用することができる代表的なAFF
INITYシリーズの樹脂は、表1に示す通りである。
【0015】
【表1】 (脚注)分子量分布(Mw/Mn)は、1.9〜2.2
の範囲である。
【0016】本発明の多層ストレッチフィルムは、拘束
幾何触媒を用いて得られた密度が0.915g/cm3
超過0.935g/cm3以下の直鎖状エチレン−1−
オクテン共重合体(a)よりなる芯層(A)の両面に、
拘束幾何触媒を用いて得られた密度が0.885g/c
3超過0.915g/cm3以下の直鎖状エチレン−1
−オクテン共重合体(b)よりなる表面層(B1及び
2)が積層されてなる積層構成を有する。直鎖状エチ
レン−1−オクテン共重合体(a)の融点(Tm1)と
直鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(b)の融点
(Tm2)との差(Tm1−Tm2)は、5℃以上であ
る。この差は、好ましくは7℃以上、より好ましくは1
0℃以上である。両者の融点の差は、しばしば15℃以
上になることがある。融点差の上限は、通常50℃、好
ましくは40℃である。
【0017】このように、芯層と表面層のそれぞれに、
特定のLLDPE及びVLDPEを使い分けることによ
り、諸特性に優れた多層ストレッチフィルムを得ること
ができる。芯層に、拘束幾何触媒を用いて製造された、
高融点(Tm1−Tm2≧5℃)で、表面層よりも高い密
度(0.915g/cm3超過)を有する直鎖状エチレ
ン−1−オクテン共重合体(a)からなる樹脂層を配置
することにより、特に、フィルムに腰(高いヤング率)
があり、加工性に優れると共に、耐突刺性、耐熱性、冷
蔵下での耐久性や耐ひび割れ性、低温衝撃性などに優れ
た多層ストレッチフィルムを得ることができる。一方、
表面層に、拘束幾何触媒を用いて製造された、低融点
で、芯層よりも低い密度(0.915g/cm3以下)
を有する直鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(b)
からなる樹脂層を配置することにより、特に、外観、自
己粘着性、熱板シール性、防曇性、滑り性などに優れた
多層ストレッチフィルムを得ることができる。
【0018】芯層及び表面層に、これらの樹脂層を組み
合わせて配置することにより、耐突刺性、弾性回復性
能、自己粘着性、防曇性、外観、加工性、耐熱性、低温
衝撃強度、機械適性などの諸特性のバランスに優れた多
層ストレッチフィルムを得ることができる。本発明の表
面層(B1及びB2)の両方または片方には、防曇剤を含
有させることが好ましい。本発明で使用する防曇剤とし
ては、例えば、モノグリセン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ソルビタン酸エステル、ポリオ
キシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルなどを挙げることができる。防曇剤の
配合割合は、直鎖状エチレン−1−オクテン共重合体
(b)100重量部に対して、通常0.3〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0019】また、本発明の表面層(B1及びB2)の両
方または片方には、滑り性を向上させ、あるいは機械適
性を向上させるために、滑剤を加えることができる。滑
剤としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の高級脂
肪酸;ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミ
チン酸アミド、ステアリン酸アミド、イソステアリン酸
アミド等の高級脂肪酸アミド;流動パラフィン等の脂肪
族炭化水素;グリセリン、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポ
リグリコールなどが挙げられる。滑剤の配合割合は、直
鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(b)100重量
部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.2
〜2重量部である。
【0020】本発明の芯層及び表面層には、必要に応じ
て、安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、無機
フィラーなどの各種添加剤を含ませることができる。ま
た、本発明の芯層及び表面層には、本発明の目的を損な
わない範囲内において、所望により、従来技術で製造さ
れたLLDPE、VLDPE、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ア
クリル酸メチル共重合体、無水マレイン酸変性ポリオレ
フィン、拘束幾何触媒を用いて得られたエチレン−1−
オクテン共重合体エラストマー(例えば、ダウ・ケミカ
ル社製のENGAGEシリーズ)などの他のポリマー
を、40重量%以下、好ましくは30重量%以下の少量
成分として含有させることができる。
【0021】本発明の多層ストレッチフィルムは、芯層
(A)を形成する直鎖状エチレン−1−オクテン共重合
体(a)と、表面層(B1及びB2)を形成する直鎖状エ
チレン−1−オクテン共重合体(b)を、複数の押出機
を用いて、インフレーション成形による共押出法、Tダ
イを用いた共押出法、または押出ラミネート法などによ
り積層することにより得ることができる。各種成形法の
中でも、インフレーション成形による共押出法が特に好
ましい。インフレーション成形の際のブロー比は、通常
2〜15倍、好ましくは4〜10倍程度である。2つの
表面層(B1)及び表面層(B2)は、直鎖状エチレン−
1−オクテン共重合体(b)を使用する限り、樹脂の種
類や組成が同じであっても、互いに異なっていてもよ
い。
【0022】本発明の多層ストレッチフィルムの厚み
は、全層で、通常8〜30μm、好ましくは、10〜2
0μmである。芯層の厚みは、通常3〜15μm、好ま
しくは5〜13μmであり、各表面層の厚みは、通常1
〜10μm、好ましくは2〜5μmである。芯層の厚み
を両表面層の合計厚みよりも大きくすると、腰のある、
機械適性に優れた多層ストレッチフィルムが得られ易
い。その場合の好ましい厚みは、表面層(B1)/芯層
(A)/表面層(B2)=2〜5μm/5〜13μm/
2〜5μmであり(ただし、芯層の厚みは、両表面層の
合計厚みよりも大きい)、代表的には、3/9/3μm
が挙げられる。本発明の多層ストレッチフィルムは、市
販のPVCストレッチフィルム用包装機械(突き上げ式
ストレッチラッパー)、及び連続式の横型ピロータイプ
包装機械での機械適性を満足するものである。
【0023】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてより具体的に説明する。なお、物性の測定法
は、次のとおりである。 (1)弾性回復率(100%)(mm) 図1に示すように、東洋精機(株)製ストログラフM1
(1)にて、展張した径44.45mmφのフィルム
(2)面に対して、垂直に、先端がR=6.35mmの
半球状のピン(3)を50mm/分の速度で押し付けた
とき、100%回復可能な最大変形量L(mm)を求め
た。 (2)ダートドロップインパクト(kg・cm/mm) ASTM D−1709−75 (3)腰(ヤング率)(MP) ASTM D882に準じて測定した。 (4)光学特性 発泡ポリスチレン製トレー上にソーセージを載せ、市販
の突き上げ式ストレッチラッパーにてストレッチ包装を
行い、得られた包装品を7℃の冷蔵庫に24時間保存し
た後、取り出して、フィルム表面の曇り性を以下の基準
で評価した。 ◎:表面曇りなしか、少し曇る程度。 ○:表面曇りあるが、内容物が見える。 ×:表面曇があって、内容物がみにくい。
【0024】(5)横ピロー機械適性 発泡ポリスチレン製トレー上にソーセージを載せ、市販
の連続式の横型ピロータイプ包装機械〔大森機械(OK
K)製、横ピロー包装機ST−C〕(トレーラッパー)
にて包装を行い、その際の機械適性を以下の基準で評価
した。 ◎:横ピロー機にかけて、市販のPVCストレッチフィ
ルム並みの機械適性を有する。 ○:横ピロー機にはかかるが、市販のPVCストレッチ
フィルム並みの機械適性はない。 ×:横ピロー機械適性なし。 (6)熱板シール性〔大森機械(OKK)製、横ピロー
包装機ST−Cでの熱板シール性〕 シール設定温度135℃の熱板上に、フィルムを4枚重
ねた部分を押し付け、溶着状態を観察して、以下の基準
で評価した。 ◎:完全に溶着した。 ○:一部溶着した。 ×:未溶着(自己粘着のみ)
【0025】[実施例1]芯層及び表面層に、それぞれ
以下に示す拘束幾何触媒を用いて得られた直鎖状エチレ
ン−1−オクテン共重合体を使用した。 芯層(A):エリート樹脂5200(ダウ・ケミカル
社製、MFR=4.0g/10分、密度=0.317g
/cm3、融点=122℃) 表面層(B1及びB2):アフィニティーPL1845
(ダウ・ケミカル社製、MFR=3.5g/10分、密
度=0.910g/cm3、融点=103℃、DRI=
1.4) 表面層を形成するアフィニティーPL1845には、防
曇剤(ジグリセリンラウレートとポリオキシエチレンア
ルキルエーテルの重量比9:7の混合物)を含有するマ
スターバッチを加えて、樹脂100重量部に対して1重
量部の防曇剤を含有させた。上記各樹脂を用い、複数の
50mm径の押出機と多層ダイを使用して、インフレー
ション成形による共押出法により、「エリート樹脂52
00(3μm)/アフィニティーPL1845(9μ
m)/エリート樹脂5200(3μm)」の構成の多層
ストレッチフィルムを作製した。このようにして得られ
た多層ストレッチフィルムを用いて、発泡ポリスチレン
製トレー上にソーセージを載せたものを、市販の突き上
げ式ストレッチラッパーにてストレッチ包装を行った。
100個のストレッチ包装を行ったが、いずれもフィル
ムがほぼ均一に伸びており、しわの発生がなく、フィル
ム破れも観察されなかった。フィルムの端は、トレーの
裏面に密着しており、フィルムの光沢も良好であった。
すなわち、本発明の多層ストレッチフィルムは、耐突刺
性、弾性回復性能、自己粘着性、外観などに優れてい
る。この多層ストレッチフィルムについて、弾性回復
率、ダートドロップインパクト、腰(ヤング率)、及び
光学特性を測定し、その結果を表2に示した。また、大
森機械(OKK)製の横ピロー包装機ST−C(トレー
ラッパー)を用いて、市販の発泡ポリスチレン製トレー
上にソーセージを載せ、この多層ストレッチフィルムに
て連続100個のストレッチ包装を行い、横ピロー機械
適性及び熱板シール性を測定した。その結果を表2に示
す。
【0026】[比較例1]市販のPVCストレッチフィ
ルムについて、弾性回復率、ダートドロップインパク
ト、腰(ヤング率)、光学特性、横ピロー機械適性、及
び熱板シール性の測定を行い、結果を表2に示した。
【0027】[比較例2]市販のポリオレフィン系スト
レッチフィルムについて、弾性回復率、ダートドロップ
インパクト、腰(ヤング率)、光学特性、横ピロー機械
適性、及び熱板シール性の測定を行い、結果を表2に示
した。
【0028】[比較例3]芯層の樹脂として、従来のチ
グラーナッタ触媒による直鎖状エチレン−α−オレフィ
ン共重合体(三菱化学社製、三菱ポリエチレン−LL
X729;MFR=1.8g/10分、密度=0.91
7g/cm3)を使用し、表面層の樹脂には、アフィニ
ティーPL1140(ダウ・ケミカル社製、MFR=
1.6g/10分、密度=0.895g/cm3、融点
=89℃、DRI=4.4)をそれぞれ使用したこと以
外は、実施例1と同様にして多層ストレッチフィルムを
作成した。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2の結果から明らかなように、本発明の
多層ストレッチフィルム(実施例1)は、従来品(比較
例1〜2)に比べて、諸特性が高度にバランスしてい
る。また、本発明の多層ストレッチフィルムは、比較例
3の多層ストレッチフィルムに比べて、腰があり、横ピ
ロー機械適性に優れている。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、芯層及び表面層に、い
ずれも拘束幾何触媒を用いて得られた直鎖状エチレン−
1−オクテン共重合体を使用し、かつ、各層で使用する
直鎖状エチレン−1−オクテン共重合体の密度及び融点
を選択することにより、諸特性に優れた多層ストレッチ
フィルムが提供される。本発明の多層ストレッチフィル
ムは、非塩素系樹脂のポリオレフィン系樹脂から形成さ
れており、公害の問題が著しく低減されている。本発明
の多層ストレッチフィルムは、耐突刺性、弾性回復性
能、自己粘着性、防曇性、外観などに優れると共に、加
工性、耐熱性、低温衝撃強度、機械適性などに優れてい
る。特に、本発明の多層ストレッチフィルムは、冷蔵下
などでの耐久性、耐ひび割れ性、低温衝撃強度に優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの弾性回復率の測定法を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1:測定機 2:フィルム 3:先端が半球状のピン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拘束幾何触媒を用いて得られた密度が
    0.915g/cm3超過0.935g/cm3以下の直
    鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(a)よりなる芯
    層(A)の両面に、拘束幾何触媒を用いて得られた密度
    が0.885g/cm3超過0.915g/cm3以下の
    直鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(b)よりなる
    表面層(B1及びB2)が積層されてなり、かつ、直鎖状
    エチレン−1−オクテン共重合体(a)の融点(T
    1)と直鎖状エチレン−1−オクテン共重合体(b)
    の融点(Tm2)との差(Tm1−Tm2)が5℃以上で
    あることを特徴とする多層ストレッチフィルム。
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