JPH109136A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JPH109136A
JPH109136A JP8163093A JP16309396A JPH109136A JP H109136 A JPH109136 A JP H109136A JP 8163093 A JP8163093 A JP 8163093A JP 16309396 A JP16309396 A JP 16309396A JP H109136 A JPH109136 A JP H109136A
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JP
Japan
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gasket
valve plate
discharge
compressor
housing
Prior art date
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Pending
Application number
JP8163093A
Other languages
English (en)
Inventor
Isato Ikeda
勇人 池田
Tetsuyuki Kamitoku
哲行 神徳
Masaaki Nishimoto
昌顕 西本
Satoru Kuramoto
覚 藏本
Yasuo Takahara
康男 高原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to US08/880,372 priority patent/US6231315B1/en
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Priority to CN97117447A priority patent/CN1118626C/zh
Publication of JPH109136A publication Critical patent/JPH109136A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B39/00Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • Y10T137/7837Direct response valves [i.e., check valve type]
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮運転時に圧力差を有する圧力室間におい
て、ガスケットのシール部の浮き上がりに伴うシール性
の低下が起こりにくく、圧縮性能の低下のほとんどない
圧縮機を提供する。 【解決手段】 2つの部材をガスケット36を介装して
接合配置し、一方の部材内には圧力差を有する複数の圧
力室を隔壁により区画形成する。ガスケット36には、
隔壁の端面と他方の部材との間に位置して、複数の圧力
室間を気密状態に保持するためのシール部36bを形成
する。ガスケット36のシール部36bには、隔壁の端
面よりも側方に突出するはみ出し部36fを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は圧縮機に係り、特
にガスケットの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の圧縮機としては、例えば次のよう
な構成のものが知られている。すなわち、シリンダブロ
ックには複数のシリンダボアが形成され、そのシリンダ
ボア内にはピストンが往復動可能に収容されている。シ
リンダブロックの端面にはバルブプレートを介してハウ
ジングが接合配置され、そのハウジング内には隔壁によ
り吸入室及び吐出室が区画形成されている。バルブプレ
ートの両側には、吸入室及び吐出室に対応して吸入弁機
構及び吐出弁機構が配設されている。
【0003】この種の圧縮機においては、例えば図6に
示すような吐出弁機構が採用されている。バルブプレー
ト41とハウジング42との間には、吐出弁形成板43
及びガスケット44が配設されている。バルブプレート
41の各シリンダボアと対応する部分には吐出ポート4
5が形成され、その吐出ポート45と対向するように吐
出弁形成板43上には吐出弁43aが形成されている。
【0004】図5及び図6に示すように、前記ガスケッ
ト44には、ハウジング42の隔壁42aとほぼ同一幅
の環状シール部44aが形成されている。このシール部
44aが隔壁42aの端面とバルブプレート41との間
に配設されて、ハウジング42内の吸入室46及び吐出
室47間が気密状態に保持される。
【0005】また、前記のガスケット44の環状シール
部44a間に、前記吐出弁43aの開度を規制するため
のリテーナ44bが一体的に形成されたリテーナプレー
ト兼用のガスケット44も知られている。この場合、高
圧の冷媒ガスが吐出弁43aを押し退けて吐出室47に
吐出されるとき、吐出弁43aはリテーナ44bに当接
されることによりその開度が規制される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの従
来構成の圧縮機においては、ガスケット44のシール部
44aが、その全周にわたって隔壁42aとほぼ同一幅
となるように形成されている。ここで、圧縮運転時に吐
出室47内の圧力が高くなると、ハウジング42の吐出
室47と対応する部分がバルブプレート41から離間す
る方向に押圧されることがある。このため、ガスケット
44の環状シール部44aにおいて、バルブプレート4
1及び隔壁42aの端面との接合面圧の低い部分が存在
すると、シール部44aがバルブプレート41から浮き
上がるおそれがある。そして、吸入室46と吐出室47
と間のシール性が低下し、吐出室47内の圧縮された冷
媒ガスが低圧の吸入室46に漏出して、圧縮機の圧縮性
能が低下するおそれがあるという問題があった。
【0007】また、図7に示すように、特にリテーナ4
4bがガスケット44の環状シール部44aに一体的に
形成されている場合には、吐出弁43aが開放される
と、吐出される冷媒ガスの圧力によりその吐出弁43a
がリテーナ44bに強く押し付けられる。そして、リテ
ーナ44bに作用する押圧力f1により、ハウジング4
2の隔壁42aの内周縁とガスケット44の環状シール
部44aの内周縁との当接点A0を中心として回転モー
メントM0が発生する。この回転モーメントM0に応じ
て、バルブプレート41とガスケット44の環状シール
部44aの外周縁との当接点B0において、反力f0が
生じる。そして、前記当接点A0において、ハウジング
42を押し上げようとする力f1+f0が発生する。
【0008】ここで、ガスケット44の環状シール部4
4aがその全周にわたって隔壁42aとほぼ同一幅とな
るように形成されていると、回転モーメントM0の中心
A0と反力f0の作用点B0との距離が短く、反力f0
が大きくなりがちとなる。そして、ハウジング42を押
し上げようとする力f1+f0が大きくなって、ハウジ
ング42がより浮き上がりやすくなるおそれがあった。
【0009】この発明は、前記のような従来の技術に存
在する問題点に着目してなされたものである。その目的
とするところは、圧縮運転時に圧力差を有する圧力室間
において、ガスケットのシール部の浮き上がりに伴うシ
ール性の低下が起こりにくく、圧縮性能の低下のほとん
どない圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の圧縮機の発明では、2つの部材
をガスケットを介装して接合配置し、一方の部材内には
圧力差を有する複数の圧力室を隔壁により区画形成し、
ガスケットには隔壁の端面と他方の部材との間に位置し
て、複数の圧力室間を気密状態に保持するためのシール
部を形成した圧縮機において、前記ガスケットのシール
部には、隔壁の端面よりも側方に突出するはみ出し部を
形成したものである。
【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の圧縮機において、前記はみ出し部を2つの部材のガ
スケットを介した接圧が相対的に低くなる部分に対応す
るように設けたものである。
【0012】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2に記載の圧縮機において、前記2つの部材はハウジ
ング及びバルブプレートであり、ハウジング内の圧力室
は吸入室及び吐出室からなるものである。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の圧縮機において、前記はみ出し部は隔壁の端面から
吸入室側に向かって突出するように形成したものであ
る。請求項5に記載の発明では、請求項3または4に記
載の圧縮機において、前記バルブプレートのハウジング
とは反対側の側面に複数のシリンダボアを有するシリン
ダブロックを対向させ、前記はみ出し部をシリンダボア
に対応する部分に設けたものである。
【0014】請求項6に記載の発明では、請求項3〜5
のいずれかに記載の圧縮機において、前記はみ出し部を
バルブプレートに形成された吐出ポートの近傍に設けた
ものである。
【0015】請求項7に記載の発明では、請求項5また
は6に記載の圧縮機において、前記ハウジング、バルブ
プレート及びシリンダブロックを複数のボルトにより締
付接合し、前記はみ出し部を配列方向に隣接するボルト
のほぼ中間位置に対応するように設けたものである。
【0016】請求項8に記載の発明では、請求項3〜7
のいずれかに記載の圧縮機において、前記ガスケット
は、前記バルブプレート上の吐出ポートを開閉する吐出
弁の開度を規制するためのリテーナを備えたリテーナプ
レートを兼ねるようにしたものである。
【0017】従って、請求項1及び2に記載の圧縮機に
おいては、圧縮運転時に一方の部材の所定の圧力室に高
圧力が作用すると、その圧力室に対応する部分が他方の
部材から離間する方向に押圧される。そして、2つの部
材間の接圧が相対的に低い部分の隔壁には、特に他方の
部材から離間する方向に力が作用し、ガスケットのシー
ル部が他方の部材から浮き上がろうとする。ここで、シ
ール部上には、はみ出し部が突出形成されており、シー
ル部の剛性が向上されている。このため、シール部全体
が他の部材から浮き上がることなく、はみ出し部は他の
部材に当接した状態に保持される。そして、圧力差を有
する圧力室間において、ガスケットのシール部の浮き上
がりに伴うシール性の低下が、起こりにくいものとな
る。
【0018】請求項3及び4に記載の圧縮機において
は、ハウジングとバルブプレートとの間にガスケットが
介装され、このガスケットのシール部によりハウジング
内の吸入室及び吐出室間が気密状態に保持されるように
なっている。また、ガスケットのシール部には、隔壁の
端面から吸入室側に向かってはみ出し部が突出形成され
ている。このため、ガスケットのシール部がバルブプレ
ートから浮き上がろうとしても、はみ出し部がバルブプ
レートに当接した状態となって、吸入室と吐出室との間
のシール性が確保される。
【0019】請求項5に記載の圧縮機においては、バル
ブプレートのハウジングとは反対側の側面には、複数の
シリンダボアを有するシリンダブロックが対向されてい
る。ここで、シリンダボアは大きな空間を形成してお
り、バルブプレートのシリンダボアに対応する部分に
は、シリンダブロックの接圧が作用しない。特に、シリ
ンダボア内に冷媒ガスが吸入される吸入行程では、バル
ブプレートに対してシリンダボア内の冷媒ガスの圧力に
よるハウジング側への押圧力が作用しない。このような
状態では、シリンダボアに対応する部分のハウジングの
隔壁の端面とバルブプレートとのガスケットを介した接
圧が不足がちになることがある。ここで、シール部のシ
リンダボアに対応する部分にはみ出し部が設けられてい
るため、前記接圧が不足がちになっても、はみ出し部が
バルブプレートに当接して、吸入室と吐出室との間のシ
ール性が確保される。
【0020】請求項6に記載の圧縮機においては、ガス
ケットのはみ出し部がバルブプレートに形成された吐出
ポートの近傍に設けられている。さて、シリンダボア内
で圧縮された高圧の冷媒ガスは、吐出ポートを介して吐
出室に一挙に吐出され、吐出ポートの近傍の吐出室の内
壁に吹き付けられる。このため、吐出ポートの近傍の隔
壁が局部的に弾性変形されて、隔壁の端面とバルブプレ
ートとのガスケットを介した接圧が低下することがあ
る。これに対して、吐出ポートの近傍において、はみ出
し部が設けられているため、前記接圧が不足がちになっ
ても、はみ出し部がバルブプレートに当接して、吸入室
と吐出室との間のシール性が確保される。
【0021】請求項7に記載の圧縮機においては、ハウ
ジング、バルブプレート及びシリンダブロックが、複数
のボルトにより締付接合されている。ハウジングとバル
ブプレートとは、ボルトの近傍ほど強固に締め付けられ
ている。一方、ボルトから遠ざかるにつれてハウジング
は弾性変形しやすくなる。このため、配列方向に隣接す
るボルトの中間位置付近において、隔壁の端面とバルブ
プレートとの間が吐出室の高圧力により最も離間しやす
いものとなる。これに対して、ガスケットのはみ出し部
が配列方向に隣接するボルトのほぼ中間位置に対応する
ように設けられている。このため、隔壁の端面とバルブ
プレートとが離間されても、はみ出し部がバルブプレー
トに当接されて、最も離間しやすい部分の吸入室と吐出
室との間のシール性が確保される。
【0022】請求項8に記載の圧縮機では、吐出弁の開
度を規制するためのリテーナが一体的に形成されたリテ
ーナプレート兼用のガスケットにおいて、そのシール部
にはみ出し部が形成されている。さて、このようなリテ
ーナプレート兼用のガスケットでは、リテーナに作用す
る押圧力に基づいてハウジングの隔壁の内周縁を中心と
した回転モーメントが発生することがある。ここで、ガ
スケットのシール部にはみ出し部が形成されているた
め、回転モーメントの中心とシール部の外周縁との間の
距離を長くすることができて、その回転モーメントに伴
ってシール部の外周縁で生じる反力を小さくすることが
できる。そして、ハウジングを押し上げようとする力を
低減することができて、吸入室と吐出室との間のシール
性が確保される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の両頭ピストンタ
イプの斜板式圧縮機に具体化した一実施形態を、図1〜
図4に基づいて詳細に説明する。
【0024】図2に示すように、一対のシリンダブロッ
ク11は、対向端縁において互いに接合されている。フ
ロントハウジング12は、シリンダブロック11の前端
面にバルブプレート13を介して接合されている。リヤ
ハウジング14は、シリンダブロック11の後端面にバ
ルブプレート13を介して接合されている。そして、前
記シリンダブロック11、フロントハウジング12及び
リヤハウジング14は、アルミニウムまたはアルミニウ
ム合金により形成されている。
【0025】複数のボルト15は、前記フロントハウジ
ング12から両シリンダブロック11及びバルブプレー
ト13を通してリヤハウジング14のネジ孔16に螺合
されている。そして、これらのボルト15によりフロン
トハウジング12及びリアハウジング14がシリンダブ
ロック11の両端面に締結固定されている。
【0026】駆動シャフト17は、前記シリンダブロッ
ク11及びフロントハウジング12の中央に一対のラジ
アルベアリング18を介して回転可能に支持されてい
る。その駆動シャフト17の前端外周とフロントハウジ
ング12との間には、リップシール19が介装されてい
る。そして、この駆動シャフト17は、図示しない車両
エンジン等の外部駆動源に作動連結されて、その外部駆
動源により回転駆動される。
【0027】複数のシリンダボア20は、前記駆動シャ
フト17と平行に延びるように、各シリンダブロック1
1の両端部間に同一円周上で所定間隔おきに貫通形成さ
れている。両頭型のピストン21は、各シリンダボア2
0内に往復動可能に嵌挿支持され、それらの両端面とバ
ルブプレート13との間において、各シリンダボア20
内には圧縮室22が形成される。
【0028】クランク室23は、前記両シリンダブロッ
ク11の中間内部に区画形成されている。斜板24は、
クランク室23内において駆動シャフト17に嵌合固定
され、その外周部が一対の半球状のシュー25を介して
ピストン21の中間部に係留されている。そして、駆動
シャフト17が回転されるとき、この斜板24を介して
ピストン21が往復動される。一対のスラストベアリン
グ26は、斜板24の両端面と各シリンダブロック11
の内端面との間に介装され、このスラストベアリング2
6を介して、斜板24が両シリンダブロック11間に挟
着保持されている。
【0029】圧力差を有する圧力室としての吸入室27
及び吐出室28は、隔壁12a,14aにより前記両ハ
ウジング12,14内の外周部及び内周部にそれぞれ環
状に区画形成されている。吸入室27は、シリンダブロ
ック11及びバルブプレート13に形成された吸入通路
11aを介してクランク室に23に連通されている。ク
ランク室23は、図示しない吸入口を介して外部冷媒回
路に接続される。吐出室28は、図示しない吐出マフラ
ー及び吐出口を介して外部冷媒回路に接続される。
【0030】吸入弁機構29は、前記各バルブプレート
13のシリンダブロック11側の側面に配設されてい
る。この吸入弁機構29により、ピストン21の往復動
時に、両吸入室27から各シリンダボア20の圧縮室2
2内に冷媒ガスが吸入される。吐出弁機構30は、各バ
ルブプレート13のシリンダブロック11と反対側の側
面に配設されている。この吐出弁機構30により、ピス
トン21の往復動時に、各シリンダボア20の圧縮室2
2内で圧縮された冷媒ガスが両吐出室28に吐出され
る。
【0031】そこで、前記吸入弁機構29及び吐出弁機
構30の構成について、詳述する。図1〜図3に示すよ
うに、前記両バルブプレート13は金属板により形成さ
れ、各シリンダボア20と対応する部分には吸入ポート
31及び吐出ポート32が形成されている。金属板より
なる吸入弁形成板33及び金属板の両側面にゴムをコー
ティングしてなるガスケット34は、両バルブプレート
13とシリンダブロック11との間に配設されている。
各吸入弁形成板33には、吸入ポート31と対向するよ
うに、吸入弁33aが形成されている。
【0032】金属板よりなる吐出弁形成板35及び金属
板の両側面にゴムをコーティングしてなるリテーナプレ
ート兼用のガスケット36は、両バルブプレート13と
フロントハウジング12またはリヤハウジング14との
間に配設されている。各吐出弁形成板35には、吐出ポ
ート32と対向するように吐出弁35aがそれぞれ形成
されている。
【0033】前記リテーナプレート兼用のガスケット3
6には、環状の外側シール部36aと、同じく環状のシ
ール部としての内側シール部36bとが形成されてい
る。内側シール部36b間には、各吐出弁35aの開度
を規制するための複数のリテーナ36cが一体的に形成
されている。外側シール部36aの内周には、前記ボル
ト15のための複数のボルト挿通部36dが形成されて
いる。各ボルト挿通部36dと内側シール部36bとは
連結片36eにより連結されており、外側シール部36
aと内側シール部36bとの相対移動が規制されてい
る。
【0034】また、前記リテーナプレート兼用のガスケ
ット36の内側シール部36bは、一方の部材としての
各ハウジング12,14の隔壁12a,14aとほぼ同
一幅となるように形成されている。この内側シール部3
6bが、前記ボルト15の締め付けにより、隔壁12
a,14aの端面と他方の部材としてのバルブプレート
13との間に挟着配置される。そして、各ハウジング1
2,14内の吸入室27及び吐出室28間が気密状態に
保持されている。
【0035】前記ガスケット36の内側シール部36b
の外周には、各シリンダボア20と対応し、かつ配列方
向に隣接する前記ボルト15のほぼ中間位置に対応する
ように、複数のはみ出し部36fが形成されている。こ
のはみ出し部36fは、隔壁12a,14aの端面から
吸入室27側に向かって突出されている。この実施形態
においては、ガスケット36の板厚が例えば0.8m
m、内側シール部36bの幅W1が例えば4mmとなっ
ている。そして、このようなガスケット36において
は、はみ出し部36fの突出幅W2が0.5mm以上で
あることが望ましく、この実施形態では例えば2mmに
設定されている。
【0036】次に、前記のように構成された圧縮機につ
いて動作を説明する。この圧縮機において、図示しない
車両エンジン等の外部駆動源により駆動シャフト17が
回転されると、斜板24を介して各ピストン21がシリ
ンダボア20内で往復動される。それにより、図示しな
い外部冷媒回路から同じく図示しない吸入口を介してク
ランク室23に冷媒ガスが供給される。クランク室23
内の冷媒ガスは、吸入通路11aを経て両吸入室27に
導入される。前記ピストン21の上死点位置から下死点
位置への復動動作に伴う吸引圧力によって吸入弁機構2
9の吸入弁33aが開かれ、両吸入室27内の冷媒ガス
が各シリンダボア20の圧縮室22内に吸入される。そ
して、冷媒ガスは、前記ピストン21の下死点位置から
上死点位置への往動動作に伴って、圧縮室22内で所定
の圧力に達するまで圧縮される。圧縮された冷媒ガス
は、各シリンダボア20の圧縮室22内から吐出弁機構
30の吐出弁35aを押し退けて、両吐出室28に吐出
される。両吐出室28内の圧縮冷媒ガスは、図示しない
吐出マフラー及び吐出口を介して外部冷媒回路に供給さ
れる。
【0037】この圧縮運転時には、吐出室28内の圧力
が高くなって、フロントハウジング12またはリヤハウ
ジング14の吐出室28と対応する部分が、図3に矢印
で示すように、バルブプレート13から離間する方向に
押圧される。ここで、図2に示すように、バルブプレー
ト13の一側面に接合されているシリンダブロック11
のシリンダボア20は、大きな空間を形成している。つ
まり、バルブプレート13のシリンダボア20に対応す
る部分は、シリンダブロック11の肉部に支持されてお
らず、シリンダブロック11の接圧がバルブプレート1
3に作用しない。特に、シリンダボア20内に冷媒ガス
が吸入される吸入行程では、バルブプレート13に対し
てシリンダボア20内の冷媒ガスの圧力によるハウジン
グ12、14側への押圧力も作用しない。
【0038】また、シリンダボア20内で圧縮された高
圧の冷媒ガスは、吐出弁35aが開かれると、吐出室2
8内に吐出ポート32を介して一挙に吐出され、吐出ポ
ート32の近傍の吐出室28の内壁に吹き付けられる。
この状態では、吐出ポート32の近傍の両ハウジング1
2、14の隔壁12a,14aが局部的に弾性変形され
ることがある。
【0039】さらに、図1に示すように、内側シール部
36aのシリンダボア20に対応する部分は、配列方向
に隣接するボルト15の中間位置付近を中心に配置され
る。この中間位置においては、両ハウジング12、14
は最も弾性変形しやすい状態となっている。
【0040】これらの要因により、吐出室28が高圧状
態になると、隔壁12a,14aの端面とバルブプレー
ト13との間において、ガスケット36を介した接圧の
相対的に低い部分が生じる。そして、その部分の内側シ
ール部36bがバルブプレート13から浮き上がって、
吸入室27及び吐出室28間のシール性が低下するおそ
れがある。
【0041】ところが、前記ガスケット36の内側シー
ル部36bのシリンダボア20に対応する部分の外周に
は、隔壁12a,14aの端面から突出するように、複
数のはみ出し部36fが形成されている。つまり、内側
シール部36bのシリンダボア20に対応する部分の剛
性が向上されている。このため、隔壁12a,14aの
端面とバルブプレート13との間に離間しようとする力
が作用しても、内側シール部36b全体がバルブプレー
ト13から浮き上がることがない。そして、内側シール
部36bのはみ出し部36fが、バルブプレート13に
当接した状態で保持されて、吸入室27と吐出室28と
の間のシール性が確保される。
【0042】また、図4に示すように、吐出弁35aが
開放されると、吐出される冷媒ガスの圧力により、リテ
ーナ36cに押圧力f1が作用する。ここで、リテーナ
36cと内側シール部36bとが一体的に形成されてい
ると、両ハウジング12、14の隔壁12a、14aの
内周縁とガスケット36の内側シール部36bの内周縁
との当接点A1を中心として回転モーメントM1が発生
する。この回転モーメントM1に応じて、バルブプレー
ト13とガスケット36の内側シール部36bの外周縁
との当接点B1において、反力f2が生じる。そして、
前記当接点A1において、隔壁12a、14aを押し上
げようとする力f1+f2が発生する。つまり、この状
態では、隔壁12a、14aの端面のリテーナ36cに
対応する部分がバルブプレート13から浮き上がりやす
いものとなって、吸入室27及び吐出室28間のシール
性がさらに低下するおそれがある。
【0043】これに対して、前記ガスケット36の内側
シール部36bには、はみ出し部36fが形成されてい
る。このため、はみ出し部36fの突出幅W2に応じ
て、前記回転モーメントM1の中心A1と、その回転モ
ーメントM1に伴って生じる反力f2の作用点B1との
距離が延長される。そして、反力f2を小さくすること
ができ、隔壁12a、14aを押し上げようとする力f
1+f2が低減されて、吸入室27と吐出室28との間
のシール性が確保される。
【0044】次に、この実施形態において期待される効
果について述べる。 (a) ガスケット36の内側シール部36bのシリン
ダボア20に対応する部分の外周には、隔壁12a,1
4aの端面から突出するように、複数のはみ出し部36
fが形成されている。このため、隔壁12a,14aの
端面とバルブプレート13との間に離間しようとする力
が作用しても、内側シール部36b全体がバルブプレー
ト13から浮き上がることがない。従って、ガスケット
36の内側シール部36bの浮き上がりに伴う、吸入室
27と吐出室28との間のシール性の低下が起こりにく
いものとなる。そして、圧縮機の圧縮性能の低下を抑制
することができる。
【0045】(b) ガスケット36の内側シール部3
6bのはみ出し部36fは、シリンダボア20と対応す
る部分に設けられている。このシリンダボア20と対応
する部分は、吐出ポート32の近傍であり、配列方向に
隣接するボルト15の中間位置にほぼ対応する部分とも
なっている。つまり、前記はみ出し部36fは、隔壁1
2a,14aの端面とバルブプレート13との間に離間
しようとする力が最も作用しやすい部分に配置されてい
ることになる。従って、ガスケット36の内側シール部
36bの浮き上がりやすい部分において、吸入室27と
吐出室28との間のシール性を確実に保持することがで
きる。
【0046】(c) 吐出弁35aの開度を規制するた
めのリテーナ36cが一体的に形成されたリテーナプレ
ート兼用のガスケット36において、その内側シール部
36bにはみ出し部36fが形成されている。このた
め、リテーナ36cに作用する押圧力f1に基づく回転
モーメントM1に伴って内側シール部36bの外周縁で
生じる反力f2を小さくすることができる。そして、両
ハウジング12、14を押し上げようとする力f1+f
2が低減される。従って、両ハウジング12、14の隔
壁12a,14aの端面のバルブプレート13に対する
浮き上がりが抑制されて、吸入室27と吐出室28との
間のシール性が確保される。
【0047】なお、この発明は、次のように変更して具
体化することも可能である。 (1) 前記実施形態のリテーナプレート兼用のガスケ
ット36において、はみ出し部36fを内側シール部3
6bの外周のほぼ全長に亘って突出形成すること。
【0048】このように構成すれば、吸入室27と吐出
室28との間のシール性を一層確実に行うことができ
る。 (2) 前記実施形態のリテーナプレート兼用のガスケ
ット36を、はみ出し部36fを予めバルブプレート1
3側にたわませた形状に形成し、ボルト15の締め付け
により、隔壁12a,14aの端面とバルブプレート1
3との間に挟着保持するとともに、はみ出し部36fを
バルブプレート13に添わせるように構成すること。
【0049】このように構成すれば、隔壁12a,14
aの端面とバルブプレート13との間に離間しようとす
る力が生じても、ガスケット36が元の形状に戻ること
により、はみ出し部36fとバルブプレート13との間
の当接が保持されて、吸入室27と吐出室28との間の
シール性が確保される。
【0050】(3) 前記実施形態のガスケット36に
おいて、リテーナプレートを別体で構成し、はみ出し部
36fを内側シール部36bの内周に、隔壁12a,1
4aの端面から吐出室28側へ向かって突出形成するこ
と。
【0051】(4) 前記実施形態とは逆に、フロント
ハウジング12またはリヤハウジング14内の内周部に
吸入室27を区画形成し、外周部に吐出室28を区画形
成した圧縮機において、この発明を具体化すること。
【0052】(5) 前記実施形態に記載の圧縮機とは
異なる種類の圧縮機、例えばウェーブカムプレートタイ
プの両頭ピストン式圧縮機、片頭ピストン式圧縮機、ス
クロール式圧縮機、ベーン式圧縮機等において、この発
明を具体化すること。
【0053】これらのように構成しても、前記実施形態
と同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1及び2に記
載の発明によれば、圧縮運転時に圧力差を有する圧力室
間において、ガスケットのシール部の浮き上がりに伴う
シール性の低下が起こりにくいものとなる。従って、前
記圧力室間のシール性の低下による圧縮機の圧縮性能の
低下を抑制できる。
【0055】請求項3〜7に記載の発明によれば、ガス
ケットのシール部がバルブプレートから浮き上がろうと
しても、はみ出し部とバルブプレートとの当接状態が確
保される。従って、吸入室及び吐出室の気密状態を確実
に保持することができて、圧縮機の圧縮性能の低下がほ
とんどない。
【0056】請求項8に記載の発明によれば、リテーナ
プレート兼用ガスケットにおいて、吐出弁の開放に伴っ
て生じるハウジングを押し上げようとする力を低減する
ことができる。従って、ハウジングのバルブプレートに
対する浮き上がりが抑制されて、吸入室と吐出室との間
のシール性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のリテーナプレート兼用のガスケッ
トを示す正面図。
【図2】 実施形態の圧縮機の全体を示す断面図。
【図3】 図2の圧縮機の要部を拡大して示す部分断面
図。
【図4】 図3の動作を説明するための部分断面図。
【図5】 従来の圧縮機におけるガスケットを示す正面
図。
【図6】 従来の圧縮機の要部を拡大して示す部分断面
図。
【図7】 図6の動作を説明するための部分断面図。
【符号の説明】
11…シリンダブロック、12…一方の部材としてのフ
ロントハウジング、12a…隔壁、13…他方の部材と
してのバルブプレート、14…一方の部材としてのリヤ
ハウジング、14a…隔壁、15…ボルト、20…シリ
ンダボア、27…圧力室としての吸入室、28…圧力室
としての吐出室、32…吐出ポート、36…リテーナプ
レート兼用のガスケット、36b…シール部としての内
側シール部、36c…リテーナ、36f…はみ出し部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 昌顕 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 藏本 覚 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 高原 康男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの部材をガスケットを介装して接合
    配置し、一方の部材内には圧力差を有する複数の圧力室
    を隔壁により区画形成し、ガスケットには隔壁の端面と
    他方の部材との間に位置して、複数の圧力室間を気密状
    態に保持するためのシール部を形成した圧縮機におい
    て、 前記ガスケットのシール部には、隔壁の端面よりも側方
    に突出するはみ出し部を形成した圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記はみ出し部を2つの部材のガスケッ
    トを介した接圧が相対的に低くなる部分に対応するよう
    に設けた請求項1に記載の圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記2つの部材はハウジング及びバルブ
    プレートであり、ハウジング内の圧力室は吸入室及び吐
    出室である請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記はみ出し部は隔壁の端面から吸入室
    側に向かって突出するように形成した請求項3に記載の
    圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記バルブプレートのハウジングとは反
    対側の側面に複数のシリンダボアを有するシリンダブロ
    ックを対向させ、前記はみ出し部をシリンダボアに対応
    する部分に設けた請求項3または4に記載の圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記はみ出し部をバルブプレートに形成
    された吐出ポートの近傍に設けた請求項3〜5のいずれ
    かに記載の圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記ハウジング、バルブプレート及びシ
    リンダブロックを複数のボルトにより締付接合し、前記
    はみ出し部を配列方向に隣接するボルトのほぼ中間位置
    に対応するように設けた請求項5または6に記載の圧縮
    機。
  8. 【請求項8】 前記ガスケットは、前記バルブプレート
    上の吐出ポートを開閉する吐出弁の開度を規制するため
    のリテーナを備えたリテーナプレートを兼ねるようにし
    た請求項3〜7のいずれかに記載の圧縮機。
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