JPH10196536A - 往復動型圧縮機におけるシール部材の劣化防止構造 - Google Patents

往復動型圧縮機におけるシール部材の劣化防止構造

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JPH10196536A
JPH10196536A JP9004025A JP402597A JPH10196536A JP H10196536 A JPH10196536 A JP H10196536A JP 9004025 A JP9004025 A JP 9004025A JP 402597 A JP402597 A JP 402597A JP H10196536 A JPH10196536 A JP H10196536A
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JP
Japan
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suction
seal member
plate
forming plate
suction valve
Prior art date
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Application number
JP9004025A
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English (en)
Inventor
Isato Ikeda
勇人 池田
Masaaki Nishimoto
昌顕 西本
Tomohiro Wakita
朋広 脇田
Motonobu Kawakami
素伸 川上
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮室からシール部材の内側に形成された環
状小空間に侵入するガスによるシール部材の熱及び圧力
による劣化を防止することができる往復動型圧縮機にお
けるシール部材の劣化防止構造を提供する。 【解決手段】 シリンダブロック11とバルブプレート
13との間に介在されたガスケット41の外周シール部
413と吸入弁形成板35の外周面との間に形成される
環状小空間42と吸入通路28とを吸入弁形成板35に
形成した溝状の連通路43により連通する。そして、圧
縮室22内からバルブプレート13と吸入弁形成板35
の接合界面に形成された細隙40から前記小空間42に
侵入するガスを連通溝43により吸入通路28へ逃し、
外周シール部413の熱及び圧力による劣化を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は例えば車両空調装
置に用いられる往復動型圧縮機におけるシール部材の劣
化防止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】往復動ピストン型圧縮機においては、図
11に示すようにシリンダブロック11にシリンダボア
20が形成され、シリンダボア20内にはピストン21
が往復動可能に収容されている。又、シリンダブロック
11の端面にはバルブプレート13を介して吸入室27
と吐出室29を区画形成するハウジング14が接合固定
されている。前記バルブプレート13には吸入口33と
吐出口34がシリンダボア20と対応して形成され、そ
の前後両側には前記吸入口33と吐出口34をそれぞれ
開閉する吸入弁351及び吐出弁361が配設されてい
る。そして、ピストン21の往復動に伴い、吸入弁35
1及び吐出弁361が開閉されて、冷媒ガスの吸入、圧
縮及び吐出が行われる。
【0003】シリンダブロック11の外周寄り端面とリ
ヤハウジング14との接合面間にはハウジングの内外を
シールするOリングよりなるシール部材51が介在され
ている。又、シリンダブロック11とバルブプレート1
3との間には前記シール部材51よりも内側において前
記吸入弁351を一体に形成した吸入弁形成板35が介
在されている。さらに、バルブプレート13とハウジン
グ14との間には前記吐出弁361の開放位置を規制す
るリテーナ371を一体に形成したガスケットを兼用す
るリテーナ形成板37が介在されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記往復動
ピストン型圧縮機のシール構造においては、シリンダボ
アの圧縮室22内でピストン21により圧縮された高
温、高圧の冷媒ガスによりシール部材51が劣化すると
いう問題があった。すなわち、圧縮室22内で圧縮され
たガスは、シリンダボア20内のトップクリアランス近
傍における高圧力により、吸入弁形成板35とシリンダ
ブロック11及びバルブプレート13とのそれぞれの接
合界面の細隙40を介してシール部材51を収容した環
状小空間42に導かれ、該環状小空間42内に吐出圧と
吸入圧との中間圧力の冷媒ガスが残留する。このため、
比較的高温の中間圧の冷媒ガスによりシール部材51が
劣化し易く、耐久性が低下するという問題があった。
【0005】この問題を解消するため高圧及び高温に耐
える耐久性の良い高価なシール部材が使用されていた。
この発明の目的は上記従来の技術に存する問題点を解消
して、圧縮室からシール部材の内側に形成された環状小
空間に侵入するガスによるシール部材の熱及び圧力によ
る劣化を防止することができる往復動型圧縮機における
シール部材の劣化防止構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は上
記目的を達成するため、複数のシリンダボアを有するシ
リンダブロックの端面にシール部材及びバルブプレート
を介して吸入室と吐出室を区画形成するハウジングを接
合固定し、前記シリンダボア内に収容されたピストンを
往復動することにより、前記吸入室から吸入弁機構を経
てシリンダボア内の圧縮室へガスを吸入し、該圧縮室内
で圧縮されたガスを吐出弁機構により前記吐出室へ吐出
するようにした往復動型圧縮機において、前記シール部
材の内周側に形成される密閉状の環状小空間と吸入圧領
域とを連通路により連通し、前記圧縮室内からシリンダ
ブロックの端面とバルブプレートとの接合面の細隙を通
して前記環状小空間に侵入するガスを前記連通路により
前記吸入圧領域に逃すように構成している。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、前記吸入弁機構をバルブプレートに形成した吸入口
を開閉する吸入弁を一体に形成した吸入弁形成板により
構成し、前記シリンダブロックとバルブプレートとの外
周寄り接合面間には前記吸入弁形成板の外周部を挟着固
定し、該吸入弁形成板の外周面と前記シール部材の内周
面との間に前記環状小空間を形成している。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項2におい
て、シリンダブロックの端面と吸入弁形成板との間には
ガスケットを介在し、該ガスケットの外周部には段差部
を介してシール部材としての外周シール部を一体に形成
している。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項2又は3に
おいて、前記吸入弁形成板又はバルブプレートの外周寄
り接合面に溝状の連通路を形成している。請求項5記載
の発明は、請求項2又は3において、前記吸入弁形成板
の外周寄り接合部を切り欠いて連通路を形成している。
【0010】請求項6記載の発明は、請求項2におい
て、前記シール部材をシリンダブロックの接合端面に形
成した環状の収容凹部に収容された環状のシールリング
とし、前記バルブプレート及び吸入弁形成板の外周面と
ハウジングの内周面との間に形成され、かつ前記環状小
空間に連通するクリアランスと吸入圧領域とを前記連通
路により連通している。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項6におい
て、前記連通路をシリンダブロック、吸入弁形成板及び
バルブプレートの少なくとも一つの部材の外周寄り接合
面に形成した溝状の連通路としている。
【0012】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれか1項において、前記連通路を圧縮機の周方向に所
定間隔をおいて複数箇所に設けている。請求項9記載の
発明は、請求項1〜7のいずれか1項において、前記連
通路を圧縮機の軸方向に所定間隔をおいて複数箇所に設
けている。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、この発明の第1実施形態を図1
〜図5に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1に示すように、メインハウジングを構
成する一対のシリンダブロック11は、対向端縁におい
て互いに接合されている。フロントハウジング12は、
シリンダブロック11の前端面に鉄系金属よりなるバル
ブプレート13を介して接合されている。リヤハウジン
グ14は、シリンダブロック11の後端面にバルブプレ
ート13を介して接合されている。そして、前記シリン
ダブロック11、フロントハウジング12及びリヤハウ
ジング14は、アルミニウム又はアルミニウム合金によ
り形成されている。
【0015】複数の締付ボルト15は、前記フロントハ
ウジング12から両シリンダブロック11及びバルブプ
レート13を通してリヤハウジング14のネジ孔16に
螺合されている。そして、これらの締付ボルト15によ
り、フロントハウジング12及びリヤハウジング14
が、シリンダブロック11の両端面に締め付け固定され
ている。
【0016】駆動シャフト17は、前記シリンダブロッ
ク11及びフロントハウジング12の中央に、一対のラ
ジアルベアリング18を介して回転可能に支持されてい
る。その駆動シャフト17の前端外周とフロントハウジ
ング12との間には、シャフトシール19が介装されて
いる。そして、この駆動シャフト17は、図示しない車
両エンジン等の外部駆動源に作動連結されて、その外部
駆動源により回転駆動される。
【0017】複数のシリンダボア20は、前記駆動シャ
フト17と平行に延びるように、各シリンダブロック1
1の両端部間に同一円周上で所定間隔おきに貫通形成さ
れている。両頭型のピストン21は各シリンダボア20
内に往復動可能に嵌挿支持され、それらの両端面とバル
ブプレート13との間において、各シリンダボア20内
には圧縮室22が形成されている。
【0018】クランク室23は、前記両シリンダブロッ
ク11の中間内部に区画形成され、図示しない吸入フラ
ンジを介して外部冷媒回路に接続される。斜板24は、
クランク室23内において駆動シャフト17に嵌合固定
され、その外周部が一対の半球状のシュー25を介して
両頭ピストン21の中間部に係留されている。そして、
駆動シャフト17が回転されるとき、この斜板24を介
して両頭ピストン21が往復動される。一対のスラスト
ベアリング26は、斜板24のボス部両端面と両シリン
ダブロック11の内側端面との間に介装され、このスラ
ストベアリング26を介して、斜板24が両シリンダブ
ロック11間に挟着保持されている。
【0019】吸入室27は、図1,4に示すように前記
フロントハウジング12及びリヤハウジング14内の外
周部に隔壁121,141により環状に区画形成され、
シリンダブロック11及びバルブプレート13に形成し
た前記締付ボルト15の挿通孔を兼用する吸入通路28
を介して前記クランク室23に連通されている。吐出室
29は、フロントハウジング12及びリヤハウジング1
4内の内周部に環状に区画形成され、シリンダブロック
11及びバルブプレート13に形成した吐出通路30及
び図示しない吐出フランジを介して外部冷媒回路に接続
される。
【0020】吸入弁機構31は、前記各バルブプレート
13に形成され、ピストン21の往復動に伴って、この
吸入弁機構により、両吸入室27から各シリンダボア2
0の圧縮室22内に冷媒ガスが吸入される。吐出弁機構
32は、各バルブプレート13に形成され、ピストン2
1の往復動に伴って、この吐出弁機構32により、各シ
リンダボア20の圧縮室22内で圧縮された冷媒ガスが
両吐出室29に吐出される。
【0021】ここで、前記吸入弁機構31及び吐出弁機
構32の構成について説明する。図1,図2に示すよう
に、前記両バルブプレート13は、各シリンダボア20
と対応する部分に吸入口33及び吐出口34を有してい
る。鉄系の金属板よりなる吸入弁形成板35は、両バル
ブプレート13のシリンダブロック11側の側面に配設
され、各吸入口33と対向する部分には吸入弁351が
形成されている。
【0022】鉄系の金属板よりなる吐出弁形成板36
は、前記両バルブプレート13のシリンダブロック11
と反対側の側面に接合配置され、各吐出口34と対向す
る部分には吐出弁361が形成されている。リテーナ形
成板37は、吐出弁形成板36とフロントハウジング1
2及びリヤハウジング14との間にそれぞれ配設され、
それらには各吐出弁361に対応するリテーナ371が
形成されている。このリテーナ371により吐出弁36
1の開放位置が規制される。リテーナ形成板37はガス
ケットを兼用し、吸入室27と吐出室29とのシール、
吸入室27と外部とのシールを行う。
【0023】ガスケット41は前記シリンダブロック1
1の端面と吸入弁形成板35及びバルブプレート13と
の間に介在され、各圧縮室22相互間、圧縮室22と吸
入通路28、圧縮室22及び吸入通路28と外部とのそ
れぞれのシールを行う。このガスケット41は吸入弁形
成板35とほぼ同じ外径の本体411と、本体411の
外周部に対し段差部412を介して一体に形成されたシ
ール部材としの外周シール部413とにより構成されて
いる。前記外周シール部413はシリンダブロック11
の外周寄りに一体形成した段差部111の接合端面とバ
ルブプレート13との間に挟着されていて、前記吸入弁
形成板35の外周面を覆うようにしている。
【0024】前記バルブプレート13、吸入弁形成板3
5、リテーナ形成板37及びガスケット41は、前記締
付ボルト15の締め付けによりシリンダブロック11
と、フロントハウジング12及びリヤハウジング14と
の間にそれぞれ重合状態で圧着固定されている。
【0025】環状小空間42は、図2に示すようにガス
ケット41の外周シール部413の内側において、バル
ブプレート13の側面、吸入弁形成板35の外周面及び
ガスケット41の段差部412の側面により形成されて
いる。バルブプレート13、吸入弁形成板35及びガス
ケット41には図5に示すように吸入通路28が形成さ
れている。連通路43は前記吸入通路28と前記環状小
空間42を連通するように、吸入弁形成板35の外周寄
りの接合面に形成される溝にて構成されている。前記連
通路43は各吸入通路28と対応してそれぞれ設けら
れ、前記環状小空間42の冷媒ガスを各吸入通路28に
逃がすことができる。
【0026】図2の拡大断面に示すように、前記ガスケ
ット41は、鉄系の金属板よりなる剛性を有した基板4
4と、その基板44の両側面にコーティングされたゴム
あるいは樹脂等のシール性を有する弾性層45とから構
成されている。又、前記ガスケット41の形状は図5に
示すように吸入弁351を除いた吸入弁形成板35の形
状とほぼ同形状に形成されている。ガスケット41の複
数の透孔414は、前記各シリンダボア20の開口縁と
対応するように、ガスケット41に形成されている。そ
して、これらの透孔414を通して、各吸入弁351が
バルブプレート13上の吸入口33の周縁に接合される
ようになっている。
【0027】次に、前記のように構成された往復動型圧
縮機について動作を説明する。さて、この往復動型圧縮
機において、図示しない車両エンジン等の外部駆動源に
より駆動シャフト17が回転されると、シュー25及び
斜板24を介して各ピストン21がシリンダボア20内
で往復動される。それにより、冷媒ガスがクランク室2
3から吸入通路28を通して両吸入室27へ吸入され、
両吸入室27から吸入口33を介して吸入弁351を押
し開けながら、各シリンダボア20の圧縮室22内に吸
入され、その圧縮室22内で圧縮される。又、圧縮され
た冷媒ガスは、各圧縮室22内から吐出口32を介して
吐出弁361を押し開けながら両吐出室28に吐出さ
れ、このガスは吐出通路30及び吐出フランジを通して
外部冷媒回路に送られて、車両空調に用いられる。
【0028】各シリンダボア20の圧縮室22内ではピ
ストン21により冷媒ガスが圧縮される際、高温高圧と
なる。このガスは微量ではあるが図2においてバルブプ
レート13と吸入弁形成板35との接合部の細隙40を
通って吸入圧相当の前記環状小空間42に侵入する。し
かし、この環状小空間42に侵入した中間圧の冷媒ガス
は、該空間42が連通路43を介して吸入通路28と連
通されているので、吸入通路28側に逃される。このた
め、環状小空間42の内部が高温高圧になることはな
く、従って、ガスケット41の段差部412及び外周シ
ール部413が高温高圧により劣化して耐久性が低下す
ることはない。又、高圧によりシール部413のシール
性が損なわれることもない。
【0029】次に、前記のように構成した第1実施形態
の作用効果を説明する。 ○ 前記第1実施形態では、吸入弁形成板35の外周寄
り側面に連通路43を形成したので、連通路43の形成
を吸入弁形成板35のプレス加工作業時に同時に行い加
工作業を容易に行うことができる。 ○ 前記第1実施形態では、吸入通路28〜28と対応
してそれぞれ4箇所に連通路43を形成したので、圧縮
室22から前記細隙40を通して前記環状小空間42に
侵入した冷媒ガスは、連通路43を通して各吸入通路2
8に速やかに還元される。このため、前記環状小空間4
2の圧力上昇を抑制して、ガスケット41の段差部41
2及び外周シール部413の圧力及び熱による劣化を防
止することができる。 ○ 前記第1実施形態では、ガスケット41に段差部4
12及び外周シール部413を一体に形成したので、ガ
スケット41とシール部材とを分離する構造と比較し
て、部品点数を減少し、組み付け作業を容易に行うこと
ができる。 (第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図6に
基づいて説明する。
【0030】この第2実施形態では、前述した第1実施
形態の圧縮機においてガスケット41の段差部412及
び外周シール部413を省略している。又、バルブプレ
ート13及びリテーナ形成板37の外径を吸入弁形成板
35の外径と同一にするとともに、ハウジング14の外
周部をシリンダブロック11の端面まで膨出し、この膨
出部142の端面をシリンダブロック11の端面に接合
している。さらに、シリンダブロック11の端面に形成
した環状の凹部112にOリングよりなるシール部材5
1を収容し、このシール部材51を膨出部142の端面
に圧接している。
【0031】前記バルブプレート13、吸入弁形成板3
5、リテーナ形成板37及びガスケット41の外周面と
前記膨出部142の内周面との間には、組み付け上の寸
法公差に基づくクリアランス46が形成されている。前
記吸入弁形成板35とガスケット41との接合面に連通
路43を設けて吸入通路28とクリアランス46とを連
通している。連通路43は吸入弁形成板35に形成され
溝により構成される。その他の構成は前述した第1実施
形態の圧縮機と同様である。
【0032】従って、第2実施形態においては、圧縮室
22から吸入弁形成板35とバルブプレート13との接
合部の細隙40を通してクリアランス46に侵入した高
温高圧の冷媒ガスは、該クリアランス46から連通路4
3を介して吸入通路28に導かれる。このためシール部
材51の内側に形成された環状小空間42には高温高圧
のガスが作用しないので、シール部材51の劣化を防止
して、その耐久性を高め、シール性を安定的に保持する
ことができる。 (第3実施形態)図7に示す第3実施形態は、図6に示
す第2実施形態において、連通路43をシリンダブロッ
ク11の端面に形成したものである。この連通路43は
シリンダブロック11の端面に形成され溝により構成さ
れる。その他の構成は前述した第2実施形態の圧縮機と
同様である。
【0033】この第3実施形態においても第2実施形態
と同様の作用効果を奏するが、環状小空間42に直接連
通路43が連通されているので、シール部材51の劣化
防止を確実に行うことができる。 (第4実施形態)図8に示す第4実施形態は、図6に示
す第2実施形態において、吸入弁形成板35に対し溝で
はなく図9に示すような切欠部352を設けて連通路4
3を構成している。その他の構成は前述した第2実施形
態の圧縮機と同様である。
【0034】この第4実施形態においても第1実施形態
の作用効果と同様に、吸入弁形成板のプレス加工時に同
時に連通路が形成でき、生産性に優れるとともに、第1
実施形態よりも連通路43の通過断面積を大きく設定し
易い。
【0035】この第4実施形態の切欠部352よりなる
連通路43は、第1実施形態の圧縮機の吸入弁形成板3
5に適用することもできる。 (第5実施形態)図10に示す第4実施形態は、吸入弁
形成板35を持たない、ロータリー吸入バルブ方式の揺
動斜板式圧縮機に具体化したものである。
【0036】この第5実施形態ではフロントハウジング
12内にクランク室23を設け、該クランク室23内に
おいて駆動シャフト17により揺動斜板24を前後方向
の揺動可能に装着している。この揺動斜板24の傾斜角
はピストン21の前後面に作用する吸入室27とクラン
ク室23との圧力の差圧により発生するモーメントによ
り変化し、冷房負荷に応じて斜板24の傾斜角が変化
し、吐出容量を調整するようになっている。リヤハウジ
ング14の中央部に位置する吸入室27と対応して駆動
シャフト17により駆動されるロータリー吸入バルブ5
5を設け、吸入行程中の各圧縮室22内にガスを供給可
能である。
【0037】シリンダブロック11に形成した締付ボル
ト15の挿通孔113は吸入圧よりもある程度高いクラ
ンク室23と連通されている。この挿通孔113と環状
小空間42は、シリンダブロック11の端面に形成した
連通路43により連通されている。この連通路43はシ
リンダブロック11の端面に形成した溝にて構成されて
いる。
【0038】従って、この第5実施形態では圧縮室22
内のガスがシリンダブロック11とバルブプレート13
との間の接合面及びバルブプレート13と吐出弁形成板
36との間の接合面の細隙40から環状小空間42に侵
入すると、このガスは連通路43から挿通孔113を通
ってクランク室23に逃される。このため、シール部材
51の圧力と熱による劣化が防止される。 (その他の実施形態)前記各実施形態はさらに次のよう
に具体化することができる。
【0039】・ 前記各実施形態において、連通路43
をバルブプレート13のみに1箇所あるいは複数箇所に
形成したり、ガスケット41のみに1箇所あるいは複数
箇所に形成したり、バルブプレート13及びガスケット
41の両方にそれぞれ1箇所あるいは複数箇所に形成し
たりすること。後者の場合、前記連通路43が圧縮機の
軸方向に所定間隔をおいて複数箇所に設けられることに
なる。
【0040】・ 前記各実施形態では両頭ピストン型圧
縮機に具体化したが、これ以外に片頭ピストン型圧縮機
に具体化したり、吸入弁形成板を備えた揺動斜板式の可
変容量ピストン型圧縮機に具体化したりすること。 (定義)この明細書において、シール部材とは前記ガス
ケット41の外周シール部413、シール部材51の他
に、細隙40からのガスにより影響を受けるシール部材
を全て含むものとする。又、環状小空間とはシール部材
の内周に形成され、上記のガスにより影響を受ける空間
であって、絶対的な体積の大小は問わない。
【0041】
【発明の効果】この発明は特許請求の範囲のように構成
したので、次のような効果がある。請求項1記載の発明
は圧縮室からシール部材の内側に形成された環状小空間
に侵入するガスの熱及び圧力によるシール部材の劣化を
防止することができる。
【0042】請求項2記載の発明は圧縮室から吸入弁形
成板とシール部材との間に形成された環状小空間に侵入
するガスの熱及び圧力によるシール部材の劣化を防止す
ることができる。
【0043】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明の効果に加えて、部品点数を低減することができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明の効
果に加えて、連通路の加工を容易に行うことができる。
【0044】請求項5記載の発明は、請求項2又は3記
載の発明の効果に加えて、連通路の加工を容易に行うこ
とができるとともに、吸入弁形成板に溝を形成した場合
と比較して連通路の通過断面積を大きく設定することが
できる。
【0045】請求項6記載の発明は、請求項2記載の発
明の効果に加えて、シリンダブロックの端面の凹部に収
容されたシールリングの熱及び圧力による劣化を防止す
ることができる。
【0046】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明の効果に加えて、連通路の加工を容易に行うことがで
きる。請求項8又は9記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれかに記載の発明の効果に加えて、環状小空間でのガ
スの吸入通路への排出を確実に行いシール部材の劣化防
止を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を具体化した第1実施形態のピスト
ン型圧縮機の中央部縦断面図。
【図2】 圧縮機のリヤハウシング側の拡大断面図。
【図3】 図2の1−1線断面図。
【図4】 図2の2−2線断面図。
【図5】 シリンダブロック、弁機構及びリヤハウジン
グの分解斜視図。
【図6】 この発明の第2実施形態の要部断面図。
【図7】 この発明の第3実施形態の要部断面図。
【図8】 この発明の第4実施形態の要部断面図。
【図9】 第4実施形態の吸入弁形成板の斜視図。
【図10】 この発明の第5実施形態の圧縮機の中央部
縦断面図。
【図11】 従来例を示す部分断面図。
【符号の説明】
11…シリンダブロック、13…バルブプレート、14
…リヤハウシング、20…シリンダボア、21…ピスト
ン、22…圧縮室、27…吸入室、28…吸入通路、3
1…吸入弁機構、35…吸入弁形成板、40…細隙、4
1…ガスケット、412…段差部、413…シール部材
としての外周シール部、42…環状小空間、43…連通
路、46…クリアランス、51…シール部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 素伸 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダボアを有するシリンダブ
    ロックの端面にシール部材及びバルブプレートを介して
    吸入室と吐出室を区画形成するハウジングを接合固定
    し、前記シリンダボア内に収容されたピストンを往復動
    することにより、前記吸入室から吸入弁機構を経てシリ
    ンダボア内の圧縮室へガスを吸入し、該圧縮室内で圧縮
    されたガスを吐出弁機構により前記吐出室へ吐出するよ
    うにした往復動型圧縮機において、 前記シール部材の内周側に形成される密閉状の環状小空
    間と吸入圧領域とを連通路により連通し、前記圧縮室内
    からシリンダブロックの端面とバルブプレートとの接合
    面の細隙を通して前記環状小空間に侵入するガスを前記
    連通路により前記吸入圧領域に逃すように構成した往復
    動型圧縮機におけるシール部材の劣化防止構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記吸入弁機構はバ
    ルブプレートに形成した吸入口を開閉する吸入弁を一体
    に形成した吸入弁形成板により構成され、前記シリンダ
    ブロックとバルブプレートとの外周寄り接合面間には前
    記吸入弁形成板の外周部が挟着固定され、該吸入弁形成
    板の外周面と前記シール部材の内周面との間に前記環状
    小空間を形成した往復動型圧縮機におけるシール部材の
    劣化防止構造。
  3. 【請求項3】 請求項2において、シリンダブロックの
    端面と吸入弁形成板との間にはガスケットを介在し、該
    ガスケットの外周部には段差部を介してシール部材とし
    ての外周シール部を一体に形成した往復動型圧縮機にお
    けるシール部材の劣化防止構造。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、前記吸入弁形
    成板又はバルブプレートの外周寄り接合面に溝状の連通
    路を形成した往復動型圧縮機におけるシール部材の劣化
    防止構造。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3において、前記吸入弁形
    成板の外周寄り接合部を切り欠いて連通路を形成した往
    復動型圧縮機におけるシール部材の劣化防止構造。
  6. 【請求項6】 請求項2において、前記シール部材はシ
    リンダブロックの接合端面に形成した環状の収容凹部に
    収容された環状のシールリングであって、前記バルブプ
    レート及び吸入弁形成板の外周面とハウジングの内周面
    との間に形成され、かつ前記環状小空間に連通するクリ
    アランスと吸入圧領域とを前記連通路により連通した往
    復動型圧縮機におけるシール部材の劣化防止構造。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記連通路はシリン
    ダブロック、吸入弁形成板及びバルブプレートの少なく
    とも一つの部材の外周寄り接合面に形成した溝状の連通
    路である往復動型圧縮機におけるシール部材の劣化防止
    構造。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項において、
    前記連通路は圧縮機の周方向に所定間隔をおいて複数箇
    所に設けられている往復動型圧縮機におけるシール部材
    の劣化防止構造。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項において、
    前記連通路は圧縮機の軸方向に所定間隔をおいて複数箇
    所に設けられている往復動型圧縮機におけるシール部材
    の劣化防止構造。
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