JPH1087747A - 放射線硬化型液状樹脂 - Google Patents

放射線硬化型液状樹脂

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JPH1087747A
JPH1087747A JP23881396A JP23881396A JPH1087747A JP H1087747 A JPH1087747 A JP H1087747A JP 23881396 A JP23881396 A JP 23881396A JP 23881396 A JP23881396 A JP 23881396A JP H1087747 A JPH1087747 A JP H1087747A
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JP
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liquid resin
meth
radiation
acrylate
resin
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JP23881396A
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English (en)
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Yoshinori Kawashima
美紀 川島
Kunio Horiuchi
都雄 堀内
Hiroaki Tanaka
洋明 田中
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高分子量で液状のポリマーを使用することによ
り、安全性や物性的に問題のある溶剤、反応性希釈剤等
の低分子量化合物を含まない無溶剤の放射線硬化性樹脂
を提供することにより、作業環境の改善に寄与し、なお
かつ従来より用いられているロールコーター、ナイフコ
ーターなどの塗工方法、オフセット印刷、グラビア印
刷、凸版印刷、スクリーン印刷などの印刷方式で造膜で
き、やはり従来ある放射線、特に、電子線、γ線照射等
の場合には触媒や開始剤を使用せずに硬化させることが
できる放射線硬化型液状樹脂を提供することを目的とす
る。 【解決手段】下記式(1)で示されるアルキル(メタ)
アクリレート系モノマー、20〜95重量%、分子中に
脂環式エポキシ基を有するビニルモノマー、1〜60重
量%、および上記以外の重合性ビニルモノマー、0〜7
9重量%からなる数平均分子量が10,000〜20
0,000であって、粘度が1〜10,000ポイズ
(50℃)である放射線硬化型液状樹脂。 CH2 =C(R1 )COO−R2 (1) (式中、R1 は水素原子またはCH3 、R2 は炭素数4
〜22のアルキル基をそれぞれ表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、インキ等の
被膜形成材料用、粘着剤、接着剤用の樹脂として溶剤や
開始剤を使わずに造膜し硬化膜を得ることができる液状
樹脂に関する。また、本発明により得られるアクリル系
液状樹脂は、放射線硬化型樹脂として印刷インキ、塗
料、接着剤等のビヒクルとして利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、接着剤、粘着剤、インキ、
充填剤、成形材料には有機溶剤を含有する樹脂溶液が使
われてきた。これらの樹脂溶液は、塗装、充填工程およ
び硬化乾燥工程で大量の有機溶剤を飛散する。地球環境
また作業環境への関心の高まりとともに、この様な樹脂
溶液の使用に対する制限が加えられる様になってきてい
る。その一つの方法として、樹脂の水溶液や粉体、ホッ
トメルト材料の使用が挙げられるが、樹脂の水溶液は塗
装性を向上する意味から若干の有機溶剤を含み、作業環
境における臭気が除かれたとは言いにくい。また、放出
される有機溶剤の焼却処理とともに、排水処理に投資を
必要とする。大規模な排ガス処理設備を備えた塗装、充
填工場では大気への有機溶剤放出は抑えられるが、そう
した設備を持たない小規模工場では、有機溶剤に関して
処理出来ても排水処理が出来ないという問題点を有す
る。また、粉体またはホットメルトの塗装、充填の場合
には、従来の塗装、充填設備と方法が大いに異なるため
に、新規の設備を導入する必要が生まれる。上記の問題
を解決するために、樹脂溶液のハイソリッド化、樹脂の
水溶液の改良等を行われており、こうした努力により、
今後樹脂溶液の使用量は低下の傾向がさらに顕著となる
と考えられる。しかし、根本的な解決策として、公害、
安全衛生、引火、爆発等の問題がなく、広範囲に適用で
き、且つ塗工、充填の容易な無溶剤液状樹脂の開発が強
く要望されている。また、これらの無溶剤液状樹脂は従
来の乾燥装置で硬化した被膜、成形物となる必要があ
る。
【0003】また、従来の放射線硬化型樹脂組成物は、
大量の低分子量成分により組成物の粘度を制御してい
た。そのため臭気等の問題で作業環境上好ましくなかっ
た。また、硬化時の体積収縮が大きく、硬化塗膜が脆く
なることが問題とされていた。この硬化収縮率を改善す
るために比較的分子量の高いモノマー成分を用いたり、
高分子量成分を添加するなどの工夫はなされていたが、
特に後者の場合には固体状のものであったため、組成物
を適正な粘度範囲内に納めるためには添加できる量が限
られていた。更に、硬化後においても残留モノマーによ
る臭気など低分子化合物を大量に含むことによる問題は
放射線硬化型樹脂組成物の使用範囲をかなり狭いものと
していた。無溶剤樹脂組成物としては、特開昭57−1
71号公報に開示されている。この技術は、アクリルモ
ノマーによる液状樹脂を使用するが、得られた樹脂がオ
リゴマーであることから、さらに改善が望まれる。また
物性面では、オリゴマー領域の樹脂から構成される塗料
の場合、硬化後の塗膜物性をコントロールすることの困
難さが知られており(室井宗一、「1992年度接着と塗装
研究会講座」講演要旨集、4 ページ、1993年)、低粘性
を保った上での分子量増加が望まれる。
【0004】また、各種放射線をトリガーとする樹脂の
硬化反応において、ラジカル系架橋反応とカチオン系架
橋反応など良く知られているが、ラジカル系のものは硬
化収縮が激しく、一方脂環式エポキシ化合物を用いたカ
チオン硬化系の組成物は、硬化収縮に関してある程度改
良されるものの、特に希釈効果の高い低分子量の脂環式
エポキシ化合物を用いた場合には、やはり硬化時の体積
収縮があったり変異原生の高いものが多い上、紫外線に
よる硬化反応の場合、大量な開始剤を添加する必要があ
り、安全性にも問題を残しているといえる。更に従来、
脂環式エポキシ基のカチオン硬化反応には開始剤が必須
であり、開始剤不要という電子線硬化系の優位性を逸脱
しているのが現状であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶剤を含ま
ない無溶剤の硬化型樹脂組成物において高分子量で液状
のポリマーを使用することにより、安全性や物性的に問
題のある低分子量化合物の配合率を低減もくしは不要と
せしめることにより作業環境の改善に寄与し、なおかつ
従来より用いられているロールコーター、ナイフコータ
ーなどの塗工方法、オフセット印刷、グラビア印刷、凸
版印刷、スクリーン印刷などの印刷方式で造膜でき、や
はり従来ある紫外線、赤外線、電子線、γ線照射等の放
射線、特に、電子線、γ線照射等の場合には触媒や開始
剤を使用せずに硬化させることができる放射線硬化型液
状樹脂を提供するものである。
【0006】本発明者は上記問題を解決するために様々
な樹脂系の構造と粘度との相関性等について鋭意研究を
行なった結果、高分子量の樹脂でありながら従来の造膜
方法で造膜できる粘度範囲内にあり、なおかつ従来から
ある放射線をトリガーとして用いる硬化方法により高速
度で硬化させることができる無溶剤の放射線硬化型の液
状樹脂を見いだした。また、液状樹脂の側鎖成分として
脂環式エポキシ基を導入することにより、低分子量の脂
環式エポキシ化合物や溶媒を含まない液状の脂環式エポ
キシ基含有ポリマーを得ることができた。更に、電子線
やγ線などの電離放射線をトリガーとした場合、開始剤
を全く使用しなくても脂環式エポキシ基が反応すること
を見いだし、硬化物からのマイグレーションやフレーバ
ー等の問題を解決しうる上記放射線硬化型樹脂を得るこ
とが可能となり本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、下記式で
示されるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(a
−1)20〜95重量%、分子中に脂環式エポキシ基を
有するビニルモノマー(a−2)1〜60重量%、およ
び上記以外の重合性ビニルモノマー(a−3)0〜80
重量%からなる、数平均分子量が10,000〜20
0,000であって、粘度が1〜10,000ポイズ
(50℃)である放射線硬化型液状樹脂に関する。 CH2 =C(R1 )COO−R2 (1) (式中、R1 は水素原子またはCH3 、R2 は炭素数4
〜22のアルキル基をそれぞれ表す。)
【0008】また、本発明は、上記式(1)で示される
アルキル(メタ)アクリレート系モノマーの平均分子量
が、150以上である上記の放射線硬化型液状樹脂組成
物に関する。更に、本発明は、上記式(1)においてR
1 が水素原子である上記の放射線硬化型液状樹脂に関す
る。更に本発明は、電子線硬化型である上記の放射線硬
化型液状樹脂に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において放射線硬化型液状
樹脂は、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(a
−1)20〜95重量%、分子中に脂環式エポキシ基を
有するビニルモノマー(a−2)1〜60重量%、およ
び上記以外の重合性ビニルモノマー(a−3)0〜79
重量%からなる。本発明において、一般式(1)で示さ
れるアルキル(メタ)アクリレート系モノマーは、放射
線硬化型樹脂を液状とするために使用される。
【0010】一般式(1)で示されるアルキル基誘導体
として、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)
アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アク
リレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
ト、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル
(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレ
ート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレ
ート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル
(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート
等の炭素数4〜22のアルキル(メタ)アクリレートが
あり、好ましくは炭素数8〜20、更に好ましくは炭素
数10〜18のアルキル基を有するアクリレートまたは
対応するメタクリレートが好ましい粘度の液状樹脂を与
える。炭素数が3以下では液状の樹脂が得られにくく、
また炭素数が23以上になると重合度が上がりにくい
上、結晶化が進むことから得られる液状樹脂の粘度が高
く、造膜の際に専用の加熱システムが必要となるため好
ましくない。
【0011】また、本発明において(メタ)アクリル系
液状樹脂(A)の構成成分として用いるられる上記式
(1)で示されるアルキル(メタ)アクリレート系モノ
マーの平均分子量は、150以上、好ましくは、160
〜350の範囲である。この範囲以外では場合には、好
ましい粘度範囲の液状樹脂が得られないため好ましくな
い。更に、本発明で得られる硬化型樹脂を電子線照射に
より硬化せしめる場合や、より低粘性の液状樹脂を得た
い場合には、一般式(1)で示されるR1 は水素である
ことが好ましい。
【0012】なお、本発明における造膜とは、印刷およ
び塗装などの方法により、紙、金属、プラスチック、セ
ラミックス等よりなる基材上に、樹脂を厚さ0.1〜5
00μmの膜を形成せしめることをいう。斯るアルキル
(メタ)アクリレート系モノマー(a−1)は、モノマ
ー成分中に20〜95重量%、好ましくは、60〜90
重量%含まれる。アルキル(メタ)アクリレート系モノ
マー(a−1)が60重量%、特に20重量%より少な
くなると、好ましい粘度が保ち得なくなるため好ましく
ない。
【0013】本発明において、分子中に脂環式エポキシ
基を有するビニルモノマー(a−2)は、(メタ)アク
リル系液状樹脂の放射線架橋性を促進するために用いら
れる。 斯る脂環式エポキシ基含有ビニルモノマー(a
−2)としては、分子中にラジカル重合性を有するビニ
ル基と、脂環式エポキシ基を有する化合物であれば特に
限定はしないが、中でも下記一般式で表される化合物を
用いると、アルキル(メタ)アクリレート系モノマーと
の共重合反応時や脱溶剤時にゲル化等のトラブルが生じ
にくいため好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】(各一般式中R1 は、水素原子またはメチ
ル基を示す。Yは−{R2 COO}n 3 −で示される
2価の基であり、R2 は炭素数1〜10、R3 は炭素数
1〜6の2価の脂肪族炭化水素基、nは0または1〜5
の整数を示す。)
【0016】斯る脂環式エポキシ基含有ビニルモノマー
(a−2)として例えば、3,4−エポキシシクロへキ
シルメチル(メタ)アクリレート、1−ビニル−3,4
−エポキシシクロへキサン、(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル−5−ヒドロキシヘキサノイックカルボキシレ
ート)(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0017】本発明において使用される脂環式エポキシ
基を有するビニルモノマー(a−2)の配合量としては
1〜60重量%、好ましくは、5〜50重量%である。
これより少ないと、架橋性が不十分であり、耐溶剤性に
劣るため好ましくなく、またこれより多いと、粘度が高
くなるため無溶剤の液状樹脂として取り出しにくく、ま
た組成物を造膜に適した低粘性とするために低分子量化
合物を大量に配合することが必要となるため好ましくな
い。
【0018】また本発明において、樹脂の液状と低粘性
を保てる範囲で、硬化後の塗膜の耐水性や硬度の向上の
ためにその他の重合性ビニルモノマー(a−3)が使用
できる。具体的には、スチレン、ビニルトルエン等の芳
香族モノマー、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート等のアルコキシ基、フェノキシ基を含
む(メタ)アクリレートモノマーなどがあり、これらの
群から複数用いても良い。
【0019】その他の重合性ビニルモノマー(a−3)
の使用量は、共重合体である液状樹脂に対して0〜80
重量%、好ましくは5〜40重量%であり、40重量
%、特に80重量%より多くなると液状樹脂の粘度が高
くなり好ましくない。また、水酸基、カルボキシル基、
アミノ基など合成中に脂環式エポキシ基と反応しやすい
官能基を有するビニル系モノマーは、ゲル化等を引き起
こす原因となり易いため好ましくない。
【0020】また、本発明において、好ましい粘度範囲
の液状樹脂を得るためには、放射線硬化型液状樹脂の構
成成分として用いるモノマーの好ましい平均分子量範囲
は100〜1500、更に好ましくは150〜1100
の範囲である。本発明の放射線硬化型液状樹脂は、数平
均分子量が10,000〜200,000、好ましく
は、11,000〜100,000である。数平均分子
量は上記数値より小さくなると、重合溶液中から樹脂分
を単離するのが困難である他、可撓性など機械特性が低
下したり、耐溶剤性、耐沸水等の塗膜物性が低下するの
で好ましくなく、また上記数値より大きくなると樹脂が
造膜可能な粘度範囲を保ち得ないため好ましくない。
【0021】本発明の放射線硬化型液状樹脂は、上記モ
ノマーの混合物をラジカル重合開始剤の存在下、溶媒中
に溶解するか、モノマーの混合物を滴下する方法により
ラジカル重合により製造することができる。ラジカル重
合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペル
オキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ラウロイ
ル、また有機過酸化物(大成社、「架橋剤ハンドブッ
ク」、p520〜535、第2刷)に記載の過酸化物、
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサン
ニトリルなどのアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウムなどの過硫酸系開始剤など既知の化合物を使
用することができる。
【0022】使用する溶剤としては、酢酸エチル、トル
エン、メチルエチルケトン、ベンゼン、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、あるいはこれらの混合溶媒などを挙
げることができる。
【0023】本発明において、合成時に用いた溶剤は合
成後に沈澱精製、留去等の方法により除くことにより無
溶剤の液状樹脂とする。得られた樹脂は、50℃での粘
度が1〜10,000ポイズ、好ましくは5〜7000
ポイズの液状である。粘度が低いとフィルム塗工時には
じきの原因になりやすく、また紙への印刷の際にしみこ
み過ぎるため好ましくない。粘度がこの範囲より高い場
合には造膜に適した粘度まで低下させるために加温する
か多くの低分子量化合物を加えることになるため好まし
くない。
【0024】本発明において、硬化型液状樹脂の造膜
性、硬化特性、被膜性能を向上させるため、公知のポリ
アミド樹脂、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリオ
レフィン、天然ゴム誘導体、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタンなどの
汎用ポリマー、アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹
脂、アマニ油変性アルキド樹脂などの不飽和変性アルキ
ド樹脂、アマニ油、桐油、大豆油などの乾性油等を配合
してもよい。ただし、これらの配合量は何れも、液状樹
脂100重量部に対して20重量部以下さらに好ましく
は10重量部以下である。さらに、必要に応じて溶剤、
相溶化剤、界面活性剤または、滑剤等を添加してもよ
い。これらの配合量は、液状樹脂100重量部に対して
20重量部好ましくは10重量部以下である。
【0025】本発明により得られる硬化型液状樹脂に染
料やカーボンブラック、チタンホワイト、フタロシアニ
ン、アゾ色素、キナクリドン等の顔料からなる着色剤や
Si系微粒子、雲母など無機充填剤等を適当量添加する
ことにより各種印刷インキや着色塗料等として使用する
ことができる。
【0026】また、電子線、γ線等の照射により硬化せ
しめる場合には開始剤、触媒等の添加は特に必要ない
が、硬化性を促進せしめるため、またはカチオン反応系
の架橋反応を必要とする場合には、公知の光重合増感剤
や開始剤を添加することができる。斯る目的で使用され
る開始剤としては、ヘテロポリ酸の芳香族ヨードニウム
塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、ピ
リジニウム塩などの芳香族オニウム塩などの錯体を挙げ
ることができる。斯る開始剤の好ましい添加量としては
放射線硬化型液状樹脂(A)中に含まれる脂環式エポキ
シ基1molに対して0.0005〜0.1mol、更
に好ましくは0.001〜0.05molである。これ
より多いと塗膜からの抽出物となることから好ましくな
い。
【0027】本発明の液状樹脂を用いた被膜形成材料用
組成物は、各種鋼板、アルミニウム板等の金属板、プラ
スチックフィルム、紙、プラスチックフィルムラミネー
ト紙等の基材にロールコーター、ナイフコーターなどの
塗工方法、またはオフセット印刷、グラビア印刷、凸版
印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方式など従来か
らある方法で、0.1〜500μmの膜厚で造膜でき、
加熱または電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の放射
線を照射することにより硬化せしめることができる。
【0028】電子線照射により硬化せしめる場合には、
好ましくは10〜1000keV、さらに好ましくは3
0〜300keVの範囲のエネルギーを持つ電子線照射
装置が用いられる。照射線量(DOSE)は、好ましく
は0.1〜100Mrad、更に好ましくは0.5〜2
0Mradの範囲である。これより少ないと充分な硬化
物が得られにくく、またこれより大きいと塗膜や基材に
対するダメージが大きいため好ましくない。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 ◎本実施例における数平均分子量、および粘度の測定方
法を以下に示す。 1)数平均分子量:ゲル透過クロマトグラフィー(東ソ
ー SC−8020)におけるスチレン換算値を採用し
た。また、分子量分布(Mw/Mn)は、同測定機器に
おいて得られる値を採用した。
【0030】2)粘度:レオメータ(レオメトリクス社
製:RDS−II、RFS−II)定常粘度測定法によ
る、ズリ速度1〜10/secの値を採用した。
【0031】◎電子線照射装置と照射条件を以下に示
す。 1)エリアビーム型電子線照射装置 Curetron EBC-200
-20-30(日新ハイホ ゛ルテーシ゛) 電子線加速度:200keV DOSEは0.5〜8Mradの範囲で電流量により調
節した。 2)MIN−EB(AIT社製) 電子線加速度: 60keV DOSEは0.5〜8Mradの範囲でベルトコンベア
速度で調節した。
【0032】◎実施例で使用した以下の化合物の略号を
記す。 1)液状樹脂の合成に使用した化合物 SA:ステアリルアクリレート LA:ラウリルアクリレート EHA:2−エチルヘキシルアクリレート M−100:3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメ
タアクリレート
【0033】(実施例1〜10)放射線硬化型液状樹脂
の合成と物性測定 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及びコンデンサ
ーを備えた500ミリリットル四つ口丸底フラスコに、
表1に示した組成で化合物を配合し、アゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)を開始剤(全モノマー仕込み量
に対し1重量%)とし、酢酸エチル溶媒中(モノマー仕
込み時の濃度:33重量%)で、85℃に設定した湯浴
にて6時間還流させた後AIBNをさらに0.1重量%
添加し、さらに2時間加熱撹拌を継続した。反応終了
後、反応器とコンデンサーの間に分流管をセットし、湯
浴温度を85℃、常圧で撹拌を続けながら溶媒を留去し
た、さらに60℃で40mmHg以下まで減圧すること
により溶媒を完全に留去し粘稠な液状樹脂を得た。得ら
れた樹脂の数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/
Mn)、および粘度(50℃)の測定結果を表1に示
す。
【0034】 表1 放射線硬化型液状樹脂の組成と物性測定結果 ───────────────────────────────── Mn 粘度 実施例 組成( 重量比) ():Mw/Mn (50 ゜C) [P(ホ゜イス゛)] ───────────────────────────────── 1 LA:EHA:M-100=50:10:40 1.20E4 (3.1) 3563 2 LA:M-100=60:40 1.31E4 (2.5) 2552 3 EHA:M-100=60:40 1.02E4 (3.8) 4830 4 LA:EHA:M-100=40:40:20 1.51E4 (3.4) 700 5 LA:EHA:M-100=60:20:20 1.53E4 (2.2) 790 6 SA:M-100=80:20 1.12E4 (4.5) 847 7 LA:M-100=80:20 1.30E4 (4.6) 605 8 EHA:M-100=80:20 1.80E4 (3.2) 2606 ────────────────────────────────
【0035】(実施例9〜27)実施例1〜8で得られ
た液状樹脂を0.5ミルのアプリケータでPETフィル
ム上に塗布し、様々な照射条件下に電子線を照射した。
電子線照射により得られた塗膜のゲル分率( 硬化物のTH
F 抽出率により決定) を表2に示す。尚、実施例25〜
27で用いたUVI6970 は、ユニオンカーバイド製の光重
合開始剤(CYRACURE UVI6970)である。
【0036】 表2 放射線硬化型液状樹脂の硬化特性 ──────────────────────────── 実 放射線硬化型樹脂 照射量 ゲル分率 施 ───────── D0SE 例 実施例 No. [Mrad] [wt%] ──────────────────────────── 9 実施例2 2 68.9 10 実施例2 4 77.7 11 実施例2 8 90.5 12 実施例3 2 64.3 13 実施例3 4 81.2 14 実施例3 8 97.4 15 実施例7 2 43.5 16 実施例7 4 62.3 17 実施例7 8 84.2 18 実施例8 2 54.0 19 実施例8 4 73.9 20 実施例8 8 84.8 21 実施例1 4 93.9 22 実施例4 4 85.9 23 実施例5 4 85.1 24 実施例6 4 81.2 25 実施例8 +UVI6970(0.1mol%) 2 48.2 26 実施例8 +UVI6970(0.1mol%) 4 68.6 27 実施例8 +UVI6970(0.1mol%) 8 77.7 ────────────────────────────
【0037】
【発明の効果】本発明により、塗装工程の作業環境を飛
散する低分子量化合物で汚染することがなく、また大気
中に有機溶剤、モノマー等の低分子量化合物を放出しな
いため特別の排ガス処理設備を要さず、なおかつ従来よ
り用いられているロールコーター、ナイフコーターなど
の塗工方法、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷
などの印刷方式で造膜でき、やはり従来ある電子線、γ
線、紫外線、可視光線、赤外線等の放射線の照射により
硬化させることができる放射線硬化型液状樹脂を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 163/00 C09D 163/00 (C08F 220/32 220:18) (C08F 220/18 220:32)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式で示されるアルキル(メタ)アク
    リレート系モノマー(a−1)20〜95重量%、分子
    中に脂環式エポキシ基を有するビニルモノマー(a−
    2)1〜60重量%、および上記以外の重合性ビニルモ
    ノマー(a−3)0〜79重量%からなる、数平均分子
    量が10,000〜200,000であって、粘度が1
    〜10,000ポイズ(50℃)である放射線硬化型液
    状樹脂。 CH2 =C(R1 )COO−R2 (1) (式中、R1 は水素原子またはCH3 、R2 は炭素数4
    〜22のアルキル基をそれぞれ表す。)
  2. 【請求項2】 上記式(1)で示されるアルキル(メ
    タ)アクリレート系モノマーの平均分子量が、150以
    上である請求項1記載の放射線硬化型液状樹脂。
  3. 【請求項3】 上記式(1)においてR1 が水素原子で
    ある請求項1または2記載の放射線硬化型液状樹脂。
  4. 【請求項4】 電子線硬化型である請求項1ないし3い
    ずれか記載の放射線硬化型液状樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001022075A (ja) * 1999-07-12 2001-01-26 Mitsubishi Rayon Co Ltd レジスト用樹脂、化学増幅型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法

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JP4544550B2 (ja) * 1999-07-12 2010-09-15 三菱レイヨン株式会社 レジスト用樹脂、化学増幅型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法

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