JP3358445B2 - 硬化性液状樹脂組成物 - Google Patents

硬化性液状樹脂組成物

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JP3358445B2
JP3358445B2 JP15506996A JP15506996A JP3358445B2 JP 3358445 B2 JP3358445 B2 JP 3358445B2 JP 15506996 A JP15506996 A JP 15506996A JP 15506996 A JP15506996 A JP 15506996A JP 3358445 B2 JP3358445 B2 JP 3358445B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、塗料、インキ等の
被膜形成材料用、接着剤用の樹脂として溶剤を使わずに
造膜し硬化膜を得ることができる液状樹脂組成物に関す
る。また、本発明により得られるアクリル系液状樹脂、
エステル系樹脂、および(メタ)アクリル系単量体から
成る液状樹脂組成物は、放射線硬化型樹脂組成物として
印刷インキ、塗料、接着剤等のビヒクルとして利用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、接着剤、粘着剤、インキ、
充填剤、成形材料には有機溶剤を含有する樹脂溶液が使
われてきた。これらの樹脂溶液は、塗装、充填工程およ
び硬化乾燥工程で大量の有機溶剤を飛散する。地球環境
また作業環境への関心の高まりとともに、この様な樹脂
溶液の使用に対する制限が加えられる様になってきてい
る。その一つの方法として、樹脂の水溶液や粉体、ホッ
トメルト材料の使用が挙げられるが、樹脂の水溶液は塗
装性を向上する意味から若干の有機溶剤を含み、作業環
境における臭気が除かれたとは言いにくい。また、放出
される有機溶剤の焼却処理とともに、排水処理に投資を
必要とする。大規模な排ガス処理設備を備えた塗装、充
填工場では大気への有機溶剤放出は抑えられるが、そう
した設備を持たない小規模工場では、有機溶剤に関して
処理出来ても排水処理が出来ないという問題点を有す
る。また、粉体またはホットメルトの塗装、充填の場合
には、従来の塗装、充填設備と方法が大いに異なるため
に、新規の設備を導入する必要が生まれる。上記の問題
を解決するために、樹脂溶液のハイソリッド化、樹脂の
水溶液の改良等を行われており、こうした努力により、
今後樹脂溶液の使用量は低下の傾向がさらに顕著となる
と考えられる。しかし、根本的な解決策として、公害、
安全衛生、引火、爆発等の問題がなく、広範囲に適用で
き、且つ塗工、充填の容易な無溶剤液状樹脂の開発が強
く要望されている。また、これらの無溶剤液状樹脂は従
来の乾燥装置で硬化した被膜、成形物となる必要があ
る。
【0003】また、従来の放射線硬化型樹脂組成物は、
大量の低分子量成分により組成物の粘度を制御してい
た。そのため臭気等の問題で作業環境上好ましくなかっ
た。また、硬化時の体積収縮が大きく、硬化塗膜が脆く
なることが問題とされていた。この硬化収縮率を改善す
るために比較的分子量の高いモノマー成分を用いたり、
高分子量成分を添加するなどの工夫はなされていたが、
特に後者場合には固体状のものであったため、組成物を
適正な粘度範囲内に納めるためには添加できる量が限ら
れていた。更に、硬化後においても残留モノマーによる
臭気など低分子化合物を大量に含むことによる問題は放
射線硬化型樹脂組成物の使用範囲をかなり狭いものとし
ていた。
【0004】無溶剤樹脂組成物としては、特開昭57−
171号公報に開示されている。この技術は、アクリル
モノマーによる液状樹脂を使用するが、得られた樹脂が
オリゴマーであることから、さらに改善が望まれる。ま
た物性面では、オリゴマー領域の樹脂から構成される塗
料の場合、硬化後の塗膜物性をコントロールすることの
困難さが知られており(室井宗一、「1992年度接着と塗
装研究会講座」講演要旨集、4 ページ、1993年)、低粘
性を保った上での分子量増加が望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶剤を含ま
ない無溶剤の硬化性樹脂組成物において反応性希釈剤と
して利用される単量体の含有率を下げることにより、塗
装工程の作業環境や大気中に低分子量化合物の放出量が
減少しするため特別の排ガス処理設備を要さず、なおか
つ従来より用いられているロールコーター、ナイフコー
ターなどの塗工方法、オフセット印刷、グラビア印刷、
凸版印刷、スクリーン印刷などの印刷方式で造膜でき、
やはり従来ある加熱乾燥や電子線、紫外線、可視光線、
赤外線等の放射線の照射により硬化させることができる
硬化性液状樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題を解
決するために様々な樹脂系の構造と粘度との相関性等に
ついて鋭意研究を行なった結果、高分子量でありながら
従来の造膜方法で造膜できる粘度範囲内にあり、なおか
つ従来からある硬化方法により高速度で硬化させること
ができる硬化性の液状樹脂組成物を見いだした。更に、
これを用いることにより反応性希釈剤としての単量体の
使用量を飛躍的に減少させることが可能となり本発明に
至った。
【0007】即ち本発明は、下記(メタ)アクリル系液
状樹脂(A)100重量部と、分子中に不飽和二重結合
を有する分子量1000以下の(メタ)アクリル系単量
体(B)1〜1000重量部とからなり、粘度が0.1
〜500ポイズ(50℃)である放射線硬化性液状樹脂
組成物を用いてなる硬化性印刷インキに関する。 (A) 下記式(1)で示されるアルキル(メタ)アク
リレート系単量体10〜100重量%、およびその他の
単量体0〜90重量%からなり、全単量体の平均分子量
が100〜1500である単量体を重合してなる数平均
分子量が10,000〜200,000であって、粘度
が1〜10,000ポイズ(50℃)である液状樹脂。 CH2 =C(R1 )COO−R2 (1) (式中、R1は水素原子またはCH3 、R2 は炭素数4
〜22のアルキル基をそれぞれ表す。)
【0008】
【0009】本発明において、一般式(1)で示される
アルキル(メタ)アクリレート系単量体は、(メタ)ア
クリル系樹脂を液状とするために使用される。一般式
(1)で示されるアルキル基誘導体として、例えば、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘ
プチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリ
レート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウン
デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリ
レート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシ
ル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリ
レート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデ
シル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アク
リレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル
(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレ
ート、ドコシル(メタ)アクリレート等の炭素数4〜2
2のアルキル(メタ)アクリレートがあり、中でも炭素
数8〜20のアルキル基を有するアクリレートまたは対
応するメタクリレートが好ましい。炭素数が3以下では
液状の樹脂が得られにくく、また炭素数が23以上にな
ると重合度が上がりにくい上、結晶化が進むことから得
られる液状樹脂の粘度が高く、造膜の際に専用の加熱シ
ステムが必要となるため好ましくない。なお、本発明に
おける造膜とは、印刷および塗装などの方法により、
紙、金属、プラスチック、セラミックス等よりなる基材
上に、樹脂を厚さ0.1〜500μmの膜を形成せしめ
ることをいう。
【0010】また本発明において、樹脂の液状を保てる
範囲で、硬化後の塗膜の耐水性や硬度の向上のためにそ
の他のビニル系化合物が使用できる。具体的には、スチ
レン、ビニルトルエン等の芳香族単量体、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート等の炭素数3以下のア
ルキル基を有する(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ジプロピレングリコールモノメタアクリレート、メ
トキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メ
トシキトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト等のアルコキシ基、フェノキシ基または水酸基を含む
(メタ)アクリレートモノマー、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアル
キルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−
(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル
酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレ
フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステ
ル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエス
テル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮
酸等のカルボン酸を含む単量体などがあり、これらの群
から複数用いても良い。その他のビニル化合物の使用量
は、共重合体である液状樹脂に対して0〜90重量%、
好ましくは10〜60重量%であり、60重量%、特に
90重量%より多くなると液状樹脂の粘度が高くなり好
ましくない。また、本発明において(メタ)アクリル系
液状樹脂の構成成分として用いる単量体全体の分子量の
平均値は、100〜1500、好ましくは130〜11
00更に好ましくは、150〜1000の範囲である。
この範囲以外では場合には、好ましい粘度範囲の液状樹
脂が得られないため好ましくない。
【0011】本発明において(メタ)アクリル系液状樹
脂(A)は、硬化性樹脂組成物の液状化させるための組
成物であり、また、硬化後の塗膜に強靭性と柔軟性を付
与するための役割を果たす。斯る(メタ)アクリル系液
状樹脂(A)は、アルキル(メタ)アクリレート系単量
体(1)を単量体成分中に10〜100重量%、好まし
くは、40〜100重量%含んで成る重合体または共重
合体であり、重合体中のアルキル(メタ)アクリレート
系単量体(1)が40重量%、特に10重量%より少な
くなると、好ましい粘度が保ち得なくなる。
【0012】本発明で得られる硬化性樹脂組成物を電子
線照射により硬化せしめる場合には一般式(1)で示さ
れるR1は水素であることが好ましい。また、この場合
に使用できるその他のビニル系化合物は、アクリル系単
量体、スチレンなど共重合せしめたとき主鎖に4級炭素
を持たないものが好ましい。
【0013】本発明の(メタ)アクリル系液状樹脂は、
数平均分子量が10,000〜200,000、好まし
くは、11,000〜100,000である。数平均分
子量は上記数値より小さくなると、重合溶液中から樹脂
分を単離するのが困難である他、可撓性など機械特性が
低下したり、耐溶剤性、耐沸水等の塗膜物性が低下する
ので好ましくなく、また上記数値より大きくなると樹脂
が造膜可能な粘度とするために多量の低分子量化合物を
添加する必要が生じるため好ましくない。
【0014】本発明のアクリル系液状樹脂(A)は、上
記単量体の混合物をラジカル重合開始剤の存在下、溶媒
中に溶解するか、単量体の混合物を滴下する方法により
ラジカル重合により製造することができる。ラジカル重
合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペル
オキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ラウロイ
ル、また有機過酸化物(大成社、「架橋剤ハンドブッ
ク」、p520〜535、第2刷)に記載の過酸化物、
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサン
ニトリルなどのアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウムなどの過硫酸系開始剤など既知の化合物を使
用することができる。
【0015】使用する溶剤としては、酢酸エチル、トル
エン、メチルエチルケトン、ベンゼン、ジオキサン、n
−プロパノール、メタノール、イソプロパノール、テト
ラヒドロフラン、n−ブタノール、sec−ブタノー
ル、tert−ブタノール、イソブタノール、メチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エ
チルカルビトール、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテート、ダイアセトンアルコールなど
をあげることができる。
【0016】本発明において、合成時に用いた溶剤は合
成後に沈澱精製、留去等の方法により除くことにより液
状樹脂とする。得られた樹脂は、50℃での粘度が5〜
10,000ポイズ、好ましくは8〜1000ポイズの
液状である。粘度が低いとフィルム塗工時にはじきの原
因になりやすく、また紙への印刷の際にしみこみ過ぎる
ため好ましくない。粘度がこの範囲より高い場合には低
粘度化させるために多くのアクリル系単量体(B)を加
えることになるため好ましくない。
【0017】本発明において分子中に1個以上の不飽和
二重結合を有する数平均分子量1000以下の(メタ)
アクリル系単量体(B)とは、無溶剤液状樹脂組成物の
粘度や硬化性を調節するために使用されるものである。
斯る(メタ)アクリル系単量体(B)としては、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メチルフェノ
キシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ートなどの単官能(メタ)アクリル系単量体、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,9ノナンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、2,2ビス[4−{(メタ)アクリロキシ・ジエト
キシ}フェニル]プロパン、2,2ビス[4−{(メ
タ)アクリロキシエトキシ}フェニル]プロパン、2,
2ビス[4−{(メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ}
フェニル]プロパン、2,2ビス[4−{(メタ)アク
リロキシ・ジプロポキシ}フェニル]プロパン、2,2
ビス[4−{(メタ)アクリロキシプロポキシ}フェニ
ル]プロパン、2,2ビス[4−{(メタ)アクリロキ
シ・ポリプロポキシ}フェニル]プロパンなどの2官能
の(メタ)アクリル系単量体、
【0018】トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリ
レート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレ
ート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレ
ート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレートなどの3官能以上の(メタ)アクリル系単量
体などを挙げることができる。斯る(メタ)アクリル系
単量体(B)の粘度は0.01〜50ポイズ(50℃)
好ましくは0.1〜20ポイズ(50℃)であり、これ
より低いものは低分子量のものが多く、これより高いも
のは粘度調節剤としての寄与が乏しくなるため好ましく
ない。
【0019】また、本発明において(メタ)アクリル系
液状樹脂(A)と(メタ)アクリル系単量体(B)との
配合率としては、(メタ)アクリル系液状樹脂(A)1
00重量部に対して(メタ)アクリル系単量体(B)を
1〜1000重量部好ましくは2〜500重量部であ
る。これより少ないと粘度の変化が乏しく、またこれよ
り多く配合すると硬化後の残留モノマー量が多くなるこ
と、硬化時の体積収縮が見られること、硬化物が脆くな
ることなどの理由で好ましくない。本発明において得ら
れる組成物の粘度は0.1〜500ポイズ(50℃)で
あるこれより低い粘度の組成物を得るにはさらに多くの
(メタ)アクリル系単量体を配合する必要があり好まし
くない。またこれより高い粘度の組成物は、加工性に乏
しいため好ましくない。
【0020】本発明において、硬化性液状樹脂組成物の
造膜性、硬化特性を高めるために、アミノ樹脂、フェノ
ール樹脂等の硬化剤樹脂を配合しても差し支えない。ま
た、被膜性能を向上させるため、公知のポリアミド樹
脂、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリオレフィ
ン、天然ゴム誘導体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リエステル、ポリスチレンなどの汎用ポリマー、アルキ
ド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、アマニ油変性アルキ
ド樹脂などの不飽和変性アルキド樹脂、アマニ油、桐
油、大豆油などの乾性油等を配合してもよい。ただし、
これらの配合量は何れも好ましくは40重量部さらに好
ましくは20重量部以下である。さらに、必要に応じて
溶剤、相溶化剤、界面活性剤または、滑剤等を添加して
もよい。これらの配合量は、20重量部好ましくは10
重量部以下である。本発明により得られる硬化性液状樹
脂に染料やカーボンブラック、チタンホワイト、フタロ
シアニン、アゾ色素、キナクリドン等の顔料からなる着
色剤やSi系微粒子、雲母など無機充填剤等を適当量添
加することにより各種印刷インキや着色塗料等として使
用することができる。また、放射線照射により硬化せし
める場合には、公知の光重合増感剤や開始剤を添加する
ことができる。
【0021】本発明の液状樹脂を用いた被膜形成材料用
組成物は、各種鋼板、アルミニウム板等の金属板、プラ
スチックフィルム、紙、プラスチックフィルムラミネー
ト紙等の基材にロールコーター、ナイフコーターなどの
塗工方法、またはオフセット印刷、グラビア印刷、凸版
印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方式など従来か
らある方法で、0.1〜500μmの膜厚で造膜でき、
加熱または電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の放射
線を照射することにより硬化せしめることができる。電
子線照射により硬化せしめる場合には、好ましくは10
〜1000keV、さらに好ましくは30〜300ke
Vの範囲のエネルギーを持つ電子線照射装置が用いられ
る。照射線量(DOSE)は、好ましくは0.1〜10
0Mrad、更に好ましくは0.5〜20Mradの範
囲である。これより少ないと充分な硬化物が得られにく
く、またこれより大きいと塗膜や基材に対するダメージ
が大きいため好ましくない。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。例中w
t%とあるのは重量%を示す。
【0023】◎本実施例における数平均分子量、および
粘度の測定方法を以下に示す。 1)数平均分子量:ゲル透過クロマトグラフィー(東ソ
ー SC−8020)におけるスチレン換算値を採用し
た。また、分子量分布(Mw/Mn)は、同測定機器に
おいて得られる値を採用した。 2)粘度:レオメータ(レオメトリクス社製:RDS−
II、RFS−II)定常粘度測定法による、ズリ速度
1〜10/secの値を採用した。 ◎電子線照射装置と照射条件を以下に示す。 1)エリアビーム型電子線照射装置 Curetron EBC-200
-20-30(日新ハイホ ゛ルテーシ゛) 電子線加速度:200keV DOSEは0.5〜8Mradの範囲で電流量により調
節した。 2)MIN−EB(AIT社製) 電子線加速度: 60keV DOSEは0.5〜8Mradの範囲でベルトコンベア
速度で調節した。
【0024】◎実施例、比較例で使用した以下の化合物
の略号を記す。 1)アクリル系液状樹脂の合成に使用した化合物 BA:ブチルアクリレート LA:ラウリルアクリレート EHA:2−エチルヘキシルアクリレート AMP−20G:フェノキシジエチレングリコールモノ
アクリレート 2)(メタ)アクリル系単量体(B)として使用した化
合物 POA:フェニキシエチルアクリレート(Mn=192、η=0.1
0 P) BzA:ベンジルアクリレート(Mn=162、η=0.03 P) EGDA:エチレングリコールジアクリレート(Mn=170、
η=0.06 P) NODA:1, 9ノナンジオールジアクリレート(Mn=26
8、η=0.073 P) BP4EA:2, 2ビス[ 4- {アクリロキシポリエト
キシ}フェニル] プロパン(Mn=512、η=7.5 P) BP4PA:2, 2ビス[ 4- {アクリロキシポリプロ
ポキシ}フェニル] プロパン(Mn=560、17 P) TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
(Mn=296、η=0.95 P)) DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(Mn=578、η=50 P)
【0025】(実施例1〜9)(メタ)アクリル系液状
樹脂(A)の合成と物性測定 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及びコンデンサ
ーを備えた500ミリリットル四つ口丸底フラスコに、
表1に示した組成で化合物を配合し、アゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)を開始剤(全モノマー仕込み量
に対し1重量%)とし、酢酸エチル溶媒中(モノマー仕
込み時の濃度:33重量%)で、85℃に設定した湯浴
にて6時間還流させた後AIBNをさらに0.1重量%
添加し、さらに2時間加熱撹拌を継続した。反応終了
後、反応器とコンデンサーの間に分流管をセットし、湯
浴温度を95℃に上げ常圧で撹拌を続けながら溶媒を留
去した、さらに同温度条件下に40mmHg以下まで減
圧することにより溶媒を完全に留去し粘稠な液状樹脂を
得た。得られた樹脂の数平均分子量(Mn)、分子量分
布(Mw/Mn)、および粘度(50℃)の測定結果を
表1に示す。
【0026】 表1 (メタ)アクリル系液状樹脂の組成と物性測定結果 ──────────────────────────────── Mn 粘度 実施例 組成( 重量比) ():Mw/Mn (50 ゜C)/P(ホ゜イス゛) ──────────────────────────────── 1 LA 1.27E4 (3.79) 35.3 2 LA:AMP20G = 80:20 1.68E4 (3.79) 100.0 3 LA:ST = 90:10 1.20E4 (3.17) 230.2 4 EHA 1.69E4 (4.17) 122.0 5 EHA:LA = 50:50 1.36E4 (3.24) 75.4 6 EHA:AMP20G = 80:20 1.58E4 (3.58) 348.6 7 EHA:ST = 95: 5 1.25E4 (3.17) 753.6 8 LA:EHA:ST:AMP20G=30:45:5:20 1.33E4 (3.98) 247.5 9 BA:EHA = 20:80 1.59E4 (2.97) 142.3 ─────────────────────────────────
【0027】(実施例10〜38)実施例1〜9で得ら
れたアクリル系液状樹脂(A)、およびアクリル系単量
体(B)を用いて調製した硬化性樹脂組成物を0.5ミ
ルのアプリケータでPETフィルム上に塗布し、2Mr
adの電子線を照射した。使用した硬化性樹脂組成物の
組成、電子線照射により得られた塗膜の硬化性および、
MEK ラビング試験50回前後の重量変化より求めた残存
率を表2に示す。
【0028】 表2 硬化性液状樹脂組成物の組成と硬化特性 ───────────────────────────────── 実 硬化性樹脂組成物 (実施例No.) 粘度 硬化性 MEK ラヒ゛ンク゛ 施 ────────────── (10/s) ○: 硬化 (50 回後) 例 (A): (B) [P] △:タック有 残存率 No ( 重量比) ×: 未硬化 [%] ───────────────────────────────── 10実施例1:NODA =2:8 0.15 ○ 95 11実施例4:NODA =2:8 0.32 ○ 100 12実施例4:(NODA:TMPTA)=2:(7:1) 0.41 ○ 100 13実施例5:NODA =2:8 0.29 ○ 100 14実施例9:NODA =2:8 0.33 ○ 95 15実施例2:NODA =2:8 0.31 ○ 100 16実施例2:BP4EA=2:8 12.59 ○ 95 17実施例2:BP4PA=2:8 24.23 ○ 100 18実施例2:BP4PA=4:6 34.54 ○ 90 19実施例2:(NODA:TMPTA)=3:(6:1) 0.82 ○ 95 20実施例6:NODA =2:8 0.40 ○ 100 21実施例6:BP4EA=2:8 16.16 ○ 95 22実施例6:BP4PA=2:8 31.09 ○ 100 23実施例6:BP4PA=3:7 42.05 ○ 95 24実施例6:EGDA=2:8 0.34 ○ 100 25実施例6:TMPTA=2:8 3.09 ○ 100 26実施例6:DPHA=3:7 89.53 ○ 100 27実施例6:(BP4PA:POA)=2:(7:1) 15.09 ○ 95 28実施例3:(BP4PA:POA)=2:(7:1) 5.77 ○ 95 29実施例3:(BP4EA:BzA)=2:(7:1) 8.56 ○ 95 30実施例3:BP4PA=2:8 18.62 ○ 100 31実施例7:(BP4PA:POA)=2:(7:1) 21.71 ○ 95 32実施例7:(BP4EA:BzA)=2:(7:1) 10.86 ○ 95 33実施例7:BP4EA=2:8 18.86 ○ 100 34実施例9:NODA=3:8 0.33 ○ 95 35実施例8:BP4EA=2:8 15.09 ○ 100 36実施例8:BP4PA=2:8 29.03 ○ 100 37実施例8:(BP4EA:DPHA)=2:(7:1) 18.23 ○ 100 38実施例8:(BP4PA:TMPTA)=2:(6:2) 16.39 ○ 100 ─────────────────────────────────
【0029】(実施例39〜43)実施例12、17、
22、27、および38で得られた硬化性樹脂組成物7
0重量部にチタンホワイト30重量部を添加混合し、サ
ンドミルで分散し白インキを得た。このインキを0.5
ミルのアプリケータでコート紙上に塗布し、2Mrad
照射したところ、光沢の優れた硬化塗膜が得られた。得
られた硬化塗膜のMEKラビングテスト、折曲げ試験の
結果(1mmの金属試験棒を用い、塗膜が割れるまでの
角度と回数を測定:◎:180度, 5回以上、○:18
0度, 1〜4回、△:90〜180度、×:<90度)
を30、50℃におけるインキの粘度と共に表4に示
す。
【0030】 表4 電子線硬化性インキの粘度と硬化特性 ─────────────────────────────── 実 使用した 粘度[P] MEK ラヒ゛ンク゛ 折曲げ試験 施 硬化性樹脂組成物 (10/s) (50 回) 例 実施例 No. 30゜C 50 ゜C 残存率[%] ─────────────────────────────── 39 実施例12: 17.2 12.2 100 ○ 40 実施例17: 152 126.8 100 ○ 41 実施例22: 354 223.9 100 ◎ 42 実施例27: 110 78.3 90 ◎ 43 実施例38: 124 90.6 100 ◎ ────────────────────────────────
【発明の効果】本発明により、塗装工程の作業環境を飛
散する低分子量化合物で汚染することがなく、また大気
中に有機溶剤、モノマー等の低分子量化合物を放出しな
いため特別の排ガス処理設備を要さず、なおかつ従来よ
り用いられているロールコーター、ナイフコーターなど
の塗工方法、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷
などの印刷方式で造膜でき、やはり従来ある加熱乾燥や
電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の放射線の照射に
より硬化させることができる硬化性液状樹脂組成物を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 265/06 C09D 4/02 C09D 11/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(メタ)アクリル系液状樹脂(A)1
    00重量部と、分子中に不飽和二重結合を有する分子量
    1000以下の(メタ)アクリル系単量体(B)1〜1
    000重量部とからなり、粘度が0.1〜500ポイズ
    (50℃)である放射線硬化型液状樹脂組成物を用いて
    なる硬化性印刷インキ。 (A) 下記式(1)で示されるアルキル(メタ)アク
    リレート系単量体10〜100重量%、およびその他の
    単量体0〜90重量%からなり、全単量体の平均分子量
    が100〜1500である単量体を重合してなる数平均
    分子量が10,000〜200,000であって、粘度
    が1〜10,000ポイズ(50℃)である液状樹脂。 CH2 =C(R1 )COO−R2 (1) (式中、R1は水素原子またはCH3 、R2 は炭素数4
    〜22のアルキル基をそれぞれ表す。)
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