JPH1086205A - チューブの成形体 - Google Patents

チューブの成形体

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JPH1086205A
JPH1086205A JP8240815A JP24081596A JPH1086205A JP H1086205 A JPH1086205 A JP H1086205A JP 8240815 A JP8240815 A JP 8240815A JP 24081596 A JP24081596 A JP 24081596A JP H1086205 A JPH1086205 A JP H1086205A
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pfa
perfluoro
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輝夫 高倉
Atsushi Funaki
篤 船木
Naoko Sakai
直子 酒井
Eiichi Nishi
栄一 西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】球晶サイズの小さい結晶化特性を有するテトラ
フルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエー
テル)共重合体(PFA)を成形し、表面平滑性、耐ス
トレスクラック性に優れたチューブを提供する。 【解決手段】パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
に基づく重合単位を2.5〜10モル%含み、容量流速
が0.5〜100mm3 /秒であるPFAを溶融成形す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面平滑性、耐ス
トレスクラック性に優れたテトラフルオロエチレン/パ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(以
下、PFAという)を溶融成形して得られるチューブに
関する。
【0002】
【従来の技術】PFAは、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性
等が優れ、しかも熱可塑性で容易に成形加工できる高分
子材料であることから、近年その特徴を生かしてウエハ
ーキャリアやきわめて高いクリーン度を要求される流体
移送のチューブ等の半導体製造装置の部品、容器の内面
コーティングの素材、電線被覆材等種々の用途に用いら
れている。
【0003】PFAは結晶性樹脂であり、溶融成形後の
冷却され固化する際に、PFAが再結晶することにより
溶融体内に多数の結晶核が生じ、この結晶核を中心に等
方向に結晶が生長するが、互いの結晶が境を接すること
により生長が止まり、いわゆる球晶が生成する。PFA
チューブの表面平滑性はこの球晶の大きさに依存するこ
とが知られている。
【0004】従来のPFAは、一般的に球晶が大きく成
長し、その結果として成形体の表面に多数の凹凸が発生
する。このようなPFAから成形されたチューブでは、
内周面に沿って流動する流体の流れが乱れ、このときの
輸送抵抗により流体の円滑な輸送が妨げられる。
【0005】例えば、流体の流速が遅いときには表面凹
凸部に流れの生じない箇所が発生し、超純水の場合には
該部分に流体が長く滞留することにより、バクテリア等
が発生して、流体のクリーン度が損なわれるという問題
があった。また、大きな球晶を生じたチューブはストレ
スクラックを生じやすく耐久性が低下するという問題も
あった。
【0006】球晶の大きさは溶融成形後の冷却速度に依
存することが知られており、急冷するほど微細な球晶が
生成する。しかし、成形方法によっては急冷が不可能な
場合がある。例えば、押出成形法により厚肉チューブを
得る場合、押出されたチューブを外面から冷却するとチ
ューブ内面は急冷されないため、大きな球晶が生成しチ
ューブ内面の平滑性が劣るという問題がある。
【0007】パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
に基づく重合単位が1.0〜3.0モル%であるPFA
にパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重
合単位が0.5モル%と少ないPFAを添加することが
特開平8−41267に提案されている。
【0008】また、パーフルオロ(アルキルビニルエー
テル)に基づく重合単位が1〜10重量%であるPFA
に低分子量のテトラフルオロエチレン重合体(以下、P
TFEという)を添加することが特開平7−70394
に提案されている。
【0009】添加することにより結晶化特性を改良し、
微細な結晶を得る方法は、添加物が結晶核となり、この
結晶核が多数存在するために結晶が大きく成長する前に
隣接の結晶と接するために生長が止まり、球晶サイズが
小さくなると考えられる。
【0010】しかし、この方法はPFAと添加物を混練
する操作条件により効果が変化し、混練が弱すぎると混
合性が悪くチューブに成形した場合に添加物が塊となっ
て、いわゆるフィッシュアイとなる。また混練が強すぎ
るとPFAと添加物が均一に混合し、添加物が結晶核の
役割をし得なくなり球晶サイズを小さくする効果が著し
く低下する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、添加物を使
用せず球晶サイズの小さい結晶化特性を有し、表面平滑
性、耐ストレスクラック性に優れたPFAのチューブを
提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、テトラフルオ
ロエチレン(以下、TFEという)とパーフルオロ(ア
ルキルビニルエーテル)[ただし、パーフルオロアルキ
ル基の炭素数は1〜7]との共重合体で、パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位の含有量
が2.5〜10モル%であり、容量流速が0.5〜10
0mm3 /秒である共重合体を成形して得られるチュー
ブを提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、PFAの容量流
速は0.5〜100mm3 /秒である。ただし、容量流
速は、高化式フローテスターを使用して、温度380
℃、荷重7kgで、直径2.1mm、長さ8mmのノズ
ルからPFAを溶融流出させ、単位時間に流出するPF
Aの容量である。
【0014】容量流速が小さすぎるとPFAの成形加工
性が充分でなく、また大きすぎるとPFAの強度が低下
する。より好ましいPFAの容量流速は、1〜50mm
3 /秒である。
【0015】PFAの容量流速は分子量が小さいと大き
くなることから、PFAの分子量を制御することにより
容量流速を調整できる。具体的には、TFEとパーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)との共重合において、
分子量調節剤、例えばメチルアルコールなどのアルコー
ル類、n−ヘプタンなどの炭化水素類の添加量を変える
ことにより、PFAの容量流速を目標値にすることがで
きる。
【0016】パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
は、一般式CF2 =CFO(CF2n CF3 で表さ
れ、PFAの高温での機械的強度の点から、nは0〜6
であることが好ましい。nが2であるパーフルオロ(プ
ロピルビニルエーテル)が特に好ましい。
【0017】PFA中のパーフルオロ(アルキルビニル
エーテル)に基づく重合単位の含有量は2.5〜10モ
ル%である。2.5モル%未満では球晶サイズが大きく
表面平滑性が得られない。また、10モル%超ではPF
Aの融点が低下して、高温での物性が低下する。特に、
3〜5モル%であることが好ましい。
【0018】本発明におけるPFAに添加物を加えるこ
とができる。加える添加物としては、パーフルオロ(プ
ロピルビニルエーテル)に基づく重合単位が1.3〜
2.0モル%、容量流速が1.0〜15mm3 /秒であ
る通常市販されているPFA、TFE−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、TFE系重合体、その他のフッ素
樹脂、熱可塑性樹脂、無機物あるいは有機物の充填剤な
どが挙げられる。これらの添加物を配合した組成物中の
本発明におけるPFAの含有量は50重量%以上である
ことが好ましい。
【0019】本発明におけるPFAを単軸または2軸押
出機により溶融成形して、内面粗度0.1μm以下の押
出成形チューブが得られる。また、本発明におけるPF
Aは、比較的遅い冷却速度でも微細な球晶を生成しやす
い結晶化特性を有するので、押出成形法により厚肉チュ
ーブを成形する場合にも、内面平滑性に優れたチューブ
が円滑有利に得られる。
【0020】PFAに上記の添加物を配合した組成物に
ついても同様に押出成形してチューブを得ることができ
る。
【0021】本発明において、内面粗度、および融点の
測定法は、以下のとおりである。
【0022】内面粗度:単軸押出機を用いて、組成物の
試料を380℃で内径8mm、外径10mmのチューブ
に押出成形し、続いてチューブの外側から水冷して試験
チューブを作成する。試験チューブの内面粗度を粗さ計
(小坂研究所製、商品名:サーフコーダSE−30H)
にて測定する。
【0023】融点:走査型示差熱量計(DSC)により
10℃/分で昇温したときの発熱ピークを求め、そのと
きの温度を融点とする。
【0024】
【実施例】
[実施例1]10リットルのオートクレーブを脱気し、
水470重量部、メタノール20重量部、トリクロロト
リフルオロエチレン292重量部、パーフルオロ(n−
プロピルビニルエーテル)72重量部、TFE80重量
部を仕込み、50℃に保持して、重合開始剤としてジ
(パーフルオロブチリル)パーオキシドの1%トリクロ
ロトリフルオロエチレン溶液を5重量部添加し、反応を
開始させた。
【0025】反応圧力を13.5kg/cm2 に保持
し、反応中に消費されたTFEに見合う量のTFEを反
応器に連続的に導入した。TFE120重量部を導入し
た時点で反応を止め、125重量部のポリマーを得た。
このポリマーの融点は275℃、容量流速は1.5mm
3 /秒、パーフルオロ(n−プロピルビニルエーテル)
に基づく重合単位の含有量は3.2モル%であった。こ
のポリマーを単軸の押出機で、シリンダの3区部(C
1、C2、C3)およびダイ部Hの温度C1/C2/C
3/H=300℃/350℃/380℃/380℃、フ
ィード量20kg/時間、スクリュ回転数50rpmの
条件でペレットを得た。
【0026】このペレットを単軸の押出成形機でシリン
ダ温度C1/C2/C3/H=300℃/350℃/3
80℃/380℃、フィード量20kg/時間、スクリ
ュ回転数50rpmの条件で成形したチューブ(内径8
mm、外径10mm)の内面粗度は0.06μmであっ
た。
【0027】[比較例]融点が305℃、容量流速が
1.5mm3 /秒、パーフルオロ(n−プロピルビニル
エーテル)に基づく重合単位の含有量が1.3モル%の
ポリマーを実施例1と同様の方法でチューブを成形し
た。内面粗度は0.22μmであった。
【0028】
【発明の効果】パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)に基づく重合単位の含有量が2.5〜10モル%
で、容量流速が0.5〜100mm3 /秒のPFAは、
球晶サイズの小さい結晶化特性を有し、成形加工性、機
械的強度に優れ、また、比較的遅い冷却速度でも微細な
球晶を生成しやすい結晶化特性を有する。このPFAを
溶融押出成形して得られるチューブは、内面平滑性に優
れ、また、内面平滑性に優れた厚肉チューブが円滑有利
に得られる。
フロントページの続き (72)発明者 西 栄一 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地2 旭硝子株式会社玉川分室内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラフルオロエチレンとパーフルオロ
    (アルキルビニルエーテル)[ただし、パーフルオロア
    ルキル基の炭素数は1〜7]との共重合体で、パーフル
    オロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位の含
    有量が2.5〜10モル%であり、容量流速が0.5〜
    100mm3 /秒である共重合体を成形して得られるチ
    ューブ。ただし、容量流速は、高化式フローテスターを
    使用して、温度380℃、荷重7kgで、直径2.1m
    m、長さ8mmのノズルから共重合体を溶融流出させ、
    単位時間(秒)に流出する共重合体の容量(mm3 )で
    ある。
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