JPH1081658A - ニトロベンゼンの還元性カップリング法及びレドックス触媒 - Google Patents

ニトロベンゼンの還元性カップリング法及びレドックス触媒

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JPH1081658A
JPH1081658A JP9147682A JP14768297A JPH1081658A JP H1081658 A JPH1081658 A JP H1081658A JP 9147682 A JP9147682 A JP 9147682A JP 14768297 A JP14768297 A JP 14768297A JP H1081658 A JPH1081658 A JP H1081658A
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azoxybenzene
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ハーゲマイアー アルフレート
Daniel Dr Heineke
ハイネケ ダニエル
Guido Dr Voit
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 ニトロベンゼンを還元性カップリングし
て相応するアゾベンゼン及びアゾオキシベンゼンを製造
するための還元性触媒及び方法において、触媒は、B
i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Pb、Mo、Ce、
U、Sn、Sb、Cu、La、W、Nb、Pd、Pt、
Ni、Inの1種以上を含む。方法は脱酸素のためにニ
トロベンゼンを1種以上の水素を含まない気体還元剤と
一緒に触媒の上に通すか、又は脱酸素のためにニトロベ
ンゼンを遊離で気体還元剤の存在なしで触媒上に通し、
かつ触媒が完全には消費されない量を触媒と接触させ
る。 【効果】 高いニトロベンゼン触媒空間速度に耐え、カ
ルボニル化副生成物がなく、水素化によるアニリンまで
の過還元が著しく少なく、低圧力又は大気圧での操作も
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不均一系触媒作用
によるニトロベンゼン又は核置換ニトロベンゼンを還元
性カップリングし、還元形又は部分還元形のレドックス
触媒によるアニリン誘導体への過還元を実質的に避け、
相当するアゾベンゼン及びアゾキシベンゼンを得る方法
に関し、レドックス触媒は、酸化状態の変化が可能な少
なくとも1種の活性金属成分を含む。本発明の一つの実
施態様においては、上記の方法は水の存在下でで実行さ
れる。本明細書中で、用語ニトロベンゼンは、ニトロベ
ンゼン自身及び核置換ニトロベンゼンの両方を含む。こ
の新規のニトロベンゼンカップリングは、定常状態でも
非定常状態反応でも実行できるアゾベンゼン及びアゾキ
シベンゼンは、化学工業において重要な中間体であり、
なかでも酸化防止剤、染料、活性充填剤、ポリマー変性
剤、接着剤及びシーリングコンパウンド、フォトレジス
ト及び感光システムの合成に使用される。
【0002】
【従来の技術】これに応じて、従来の技術は、通例は液
相で製造するニトロベンゼンからアゾベンゼン及び/又
はアゾキシベンゼンへの還元を開示している〔多数の文
献の中で、なかでもフィンホルトら(Finholt, Jacobse
n, Ogard and Thomsen, J. Am.Chem. Soc.77(1955), 4
163)、マイエルら(Meier and Bohler, Chem. Ber. 89
(1965), 2301) 、オーエら(Ohe, Uemura, Sugita, Mats
uda and Taga, J. Org.Chem, 54(17)(1989), 4169-417
4)参照) 。
【0003】これらの反応の欠点は、再生ができず、か
つ化学的理論量を越える量を用いなければならない著し
く高価な還元剤にある。さらに、これらの方法の大部分
では、多量の塩が得られ、これも不利である。
【0004】気相の最初の還元は、バックレイら(Buckl
ey et al., J. Chem. Soc. (1949)、1146-46)及びクミチ
ェック(Kmiecek, J. Org. Chem. 30(1965)、2014-2020)
により記載されている。バックレイらは、アゾベンゼン
へのニトロベンゼンの還元を触媒なしで24時間250
℃に加熱し、3000気圧のCO圧力下で行ったニトロ
ベンゼンの還元を記載しており、アゾベンゼンは、9
7.5%の収率で得られたことを記載している。200
℃において、又は2500気圧以下では、実際的には還
元が起きなかった。クミチェックは、乾燥ベンゼン中の
ペンタカルボニル鉄触媒の存在下におけるCOを用いる
アゾベンゼンへのニトロベンゼンの還元を記載してい
る。約200℃、CO圧力約3000psig(約20
7バール)及び反応時間約3時間を用いて、80%まで
のアゾベンゼン収率が得られた。
【0005】しかし、これらの2種の方法は、著しく高
いCO圧力及び長い反応時間で実施しなければならない
という欠点を有している。
【0006】気相においてアゾベンゼン及び/又はアゾ
キシベンゼンへのニトロベンゼンの還元のための不均一
系触媒作用による方法も公知である。
【0007】例えば、リンら(Lin et al., Ziran Kexue
ban 25(4) (1986), 449-455)は、CuO、MoO3、V2
5及びPdOから成る群から選択され、いずれもSi
2上に担持された金属酸化物触媒上でのCOとニトロ
ベンゼンとの相互作用を記載している。これらの反応に
おいて、COはCO2に酸化され、一方ニトロベンゼン
は種々のN−含有化合物に還元され、フェナジン及びア
ゾベンゼンも形成される。この反応は、特に、酸性のS
iO2担体及びルイス酸化合物の形の活性金属のため
に、多くの二次反応が起き、かつ、得られたすべてのも
のは複雑な生成物混合物であって、アゾベンゼンの選択
率が低いという欠点を有する。
【0008】コニシら(Konishi et al., Chem. Lett.
11(1980), 1351-1354)は、K2CO3を含浸した炭素触媒
との接触によるアゾベンゼンへのニトロベンゼンの脱酸
素を記載している。この方法は、炭素が段々と酸化によ
り炭素の酸化物に酸化され、触媒が機械的に安定でなく
なるという欠点を有する。このように、この方法では、
炭素は再生できない化学量論的還元試薬である。従っ
て、この反応は、厳密には不均一系触媒作用ではなく、
化学量論的液−固反応である。
【0009】ドイツ特許出願公開第1810828号明
細書(ICI、1969)には、気相中でCOを用い、
重金属Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Ge、Zr、Mo、Ag、Sn、Sb、La、C
e、Nd、Ta、W、Re、Au、Hg、Tl、Pb、
Bi及びThの酸化物、水酸化物、炭酸塩又は燐酸塩の
形の二種類又はそれ以上を含む触媒上での主としてニト
ロソベンゼンだけでなくアゾキシベンゼン及びアゾベン
ゼンへのニトロベンゼンの連続、定常状態での還元も記
載されている。有利な重金属対は、ニトロソ化合物の製
造にはPb−Mn、ニトロソ化合物又はアゾキシベンゼ
ン化合物の製造にはCo−Mn、またアゾ化合物の製造
にはCu−Ceである。
【0010】この特許出願公開明細書によると、セラミ
ック担体(軽石)上のAg−Mn−O及びニトロベンゼ
ンとCOの供給は、アゾベンゼンとニトロベンゼンを
3:7の比率で凝縮物中に与える。
【0011】軽石上のCo−Mn−O及びニトロベンゼ
ンとCOの供給により、3:7の比率のアゾベンゼンと
ニトロベンゼンが凝縮物中に得られる。
【0012】軽石上のCe−Fe−Oを用いると、アゾ
キシベンゼンとアゾベンゼンの混合物及び未変換ニトロ
ベンゼンが、ニトロベンゼン変換率20%で得られる。
【0013】軽石上で種々のCe/Cu比率のCe−C
u−Oを用いると、いずれも導入したニトロベンゼンに
対して、アゾベンゼン55〜72%、アゾキシベンゼン
6.5〜14%が凝縮物中に得られた。
【0014】Ce−Bi−Oを用いると、僅か5〜10
%の変換率で著しく低い活性が認められた。
【0015】軽石上のFe−Cu−Oを用いると、ニト
ロベンゼン変換率56%に達し、多数のその他の生成
物、例えばジフェニル尿素が凝縮物中でアゾベンゼンと
アゾキシベンゼンと一緒に得られた。
【0016】軽石上のMn−Ni−Co−Oを用いる
と、ほとんど50%の変換率で凝縮物中にアゾベンゼン
とアゾキシベンゼンとの混合物が得られた。
【0017】反対に、C上のMn−Co−O、Mn−
O、Fe−Mn−O、Ce−Fe−O、Ce−Mn−O
及びPb−Mn−O及び軽石上のAg−Mn−Oを用い
ると、主生成物としてニトロソベンゼンが生成した。
【0018】軽石上のCu−Ce−Oを用いると、ニト
ロソベンゼンとアゾベンゼンの混合物が、流動層中にお
いてニトロベンゼン変換率20%で得られた。軽石上の
Fe−Mn−Oを用いると、アゾベンゼン、アゾキシベ
ンゼンとニトロソベンゼンの混合物が、ニトロベンゼン
約25%で生成した。
【0019】上記のドイツ特許出願公開第181082
8号明細書の欠点は、不完全で一般に著しく低いニトロ
ベンゼン変換率(実施例によると5〜56%)及びその
結果であるアゾベンゼン及びアゾキシベンゼンの低い収
率であり、これは経費のかかる物質の分離とニトロベン
ゼンの再循環を伴う。その上、このドイツ特許出願公開
明細書によると、非常に低い触媒空間速度が用いられ、
その結果、それに相応する低い空時収量となる〔触媒物
質12gを用いて、1時間あたりニトロベンゼン1g、
これはWHSV(重量毎時空間速度)0.08h-1に相
当する〕。さらに、使用された触媒の活性金属成分は還
元形だけで、ただ少量が表面に存在するか、又は多くの
部分でいかなる予備還元も全く行われていなかった。
【0020】上記の要約から明らかなように、アゾベン
ゼン及び/又はアゾキシベンゼンへのニトロベンゼンの
還元は、これまで、液相中の均一系又は不均一系触媒作
用によるか又は触媒を用いないか、又は定常状態反応に
おいて未還元又は軽く還元した触媒を用いて気相中で不
均一系触媒作用により実施されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、 −容易に制御可能及び監視可能であり、 −反応の間にプロセスエンジニアリングの手段により簡
単な熱伝達ができ、またアゾベンゼン及びアゾキシベン
ゼンへの高い選択率と同時に、高く、できれば定量的な
ニトロベンゼン変換率に達し、 −高いニトロベンゼン触媒空間速度に耐え、 −カルボニル化副生成物、例えばイソシアナート/カル
バマート/ウレタン類を生成せず、またその上、水素化
によるアニリンまでの過還元が著しく少なく、また生成
混合物中に大量のニトロソベンゼンは生産せず、 −また気体状還元剤の100バール未満の比較的低い圧
力下での操作を可能とし、また大気圧での操作までも可
能とする、アゾベンゼン及びアゾキシベンゼンへのニト
ロベンゼンの還元のための触媒及び方法の提供であっ
た。
【0022】
【課題を解決するための手段】定常状態反応 定常状態反応の場合に、高温、気相中において、その還
元形又は部分還元形のレドックス触媒による不均一系触
媒作用によりアゾベンゼン及びアゾキシベンゼンを得る
ためのニトロベンゼンの還元性カップリングのための方
法であって、レドックス触媒は、Bi、V、Cr、M
n、Fe、Co、Pb、Mo、Ce、U、Sn、Sb、
Cu、La、W、Nb、Pd、Pt、Ni、In及びこ
れらの2種又はそれ以上の混合物から成る群から選択さ
れている活性金属を含み、かつ脱酸素のために、ニトロ
ベンゼンを少なくとも1種の気体状で水素を含まない還
元剤と場合によれば水と一緒にレドックス触媒の上を通
し、その際、還元剤と一緒のニトロベンゼンの導入の前
のレドックス触媒の活性金属の平均酸化状態は、それぞ
れの反応条件下において安定な活性金属の最高酸化状態
より少なくとも0.5低い方法により、これらの課題が
達成されることを発見した。
【0023】この方法における定常状態反応とは、ニト
ロベンゼン及び少なくとも1種の気体状で水素を含まな
い還元剤、有利には一酸化炭素、一酸化窒素及び二酸化
硫黄及びこれらの混合物から成る群から選択され、有利
にはCOを含む供給物を触媒上に通過させることを意味
する。
【0024】それぞれの反応条件下において安定な活性
金属の最高酸化状態より少なくとも0.5低いという用
語は、ここでは、例えばESCA(化学分析用電子分析
法)、TPR/TPO(昇温還元/昇温酸化)及び湿式
化学滴定法により測定された平均還元度が、それぞれの
反応条件下において安定な活性金属の最高酸化状態より
少なくとも0.5、有利には少なくとも1低いことを意
味する。最高酸化状態が+3であるビスマスについて
は、これは、定常状態反応を含むこの新規の方法中で活
性金属成分として使用する場合に、ニトロベンゼン含有
供給物の導入の前でその酸化状態が2.5以下、有利に
は2以下であることを意味する。
【0025】還元度は、ドイツ特許出願公開第1810
828号明細書により用いられる触媒の還元度より実質
的に低く、これはこの新規の方法では、アゾベンゼンと
アゾキシベンゼンに関する選択率が上記の出願による方
法におけるよりも実質的に高いという事実から容易に推
論できる。
【0026】非定常状態反応 上記の課題は、むしろ非定常状態反応を用いると、すな
わち、高温、気相中において、還元形又は部分還元形の
レドックス触媒による不均一系触媒作用によりアゾベン
ゼン及びアゾキシベンゼンを得るためのニトロベンゼン
の還元性カップリングのための方法であって、レドック
ス触媒は、Bi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Pb、
Mo、Ce、U、Sn、Sb、Cu、La、W、Nb、
Pd、Pt、Ni、In及びこれらの2種又はそれ以上
の混合物から成る群から選択されている少なくとも1種
の活性金属を含み、その際、ニトロベンゼンの導入の前
のレドックス触媒の活性金属の平均酸化状態は、それぞ
れの反応条件において安定な活性金属の最高酸化状態よ
り少なくとも0.5低く、かつ、脱酸素のために、ニト
ロベンゼン及び場合によれば水を遊離で気体状の還元剤
の存在なしでレドックス触媒上に通し、かつレドックス
触媒が完全には消費されない量でレドックス触媒と接触
させる方法により、より有利に達成できることを発見し
た。ニトロベンゼンは酸素除去により還元され、かつ触
媒は酸素取込みにより酸化される。
【0027】上記のように、非定常状態反応とは、この
場合には、ニトロベンゼンの還元が、遊離気体還元剤が
存在しないで再生ができまた酸素受容体として働く固体
の還元剤として、活性金属成分を還元又は部分的に還元
した形で含むレドックス触媒上で実施されることを意味
する。
【0028】ニトロベンゼンの還元相が終了した後に、
消費され部分的に酸化されたレドックス触媒を、異なる
場所又は異なる時点で実行する第二ステップにおいて、
有利には水素、一酸化炭素、炭化水素、例えばメタン、
アンモニア、一酸化窒素、二酸化硫黄及びニトロベンゼ
ン及びこれらの混合物から成る群から選択され、有利に
は一酸化炭素、水素、メタン又はニトロベンゼンである
遊離気体状還元剤を用いる還元によりさらに還元する。
【0029】方法の見地から、この触媒還元ステップ
は、ニトロベンゼンの還元のための実際の方法の中で、
又はこれとは別に実行できるが、有利にはニトロベンゼ
ンの還元の結果としての触媒の酸化及び遊離気体状還元
剤による触媒の還元サイクルは、連続してサイクル的に
繰り返し、全ループが連続し、かつ閉じるようにする。
予備還元されているが再生できるレドックス触媒は、酸
素受容体として働き、最初の反応ステップは、引き続き
アゾベンゼン及びアゾキシベンゼンに二量体化される活
性中間体へのニトロベンゼンの脱酸素から成る。
【0030】上記のように、還元されたレドックス触媒
は、非定常状態反応においては触媒としてもまた酸素受
容体としも働き、その結果、より高い酸化状態に変換さ
れ、異なる時点又は異なる場所で行われる再生において
再び還元されなければならない。従って、少なくとも理
論量のレドックス触媒が、一般に還元のために必要であ
る。
【0031】技術的原理としての非定常状態反応自体
は、従来の技術の一部であり、多くの酸化及び脱水素反
応に関して記載されている。
【0032】酸化/脱水素反応は、遊離酸化剤、すなわ
ち、出発物質の流れ、例えば分子状酸素又は酸素含有気
体に連続的に加えられる酸化剤の存在なしで実行され、
むしろ少なくとも1種の還元可能な担持金属酸化物から
成るレドックス触媒が、唯一の酸素源として働き、従っ
て酸素源の機能を果たす。酸化/脱水素の間の格子酸素
の放出により、酸化物触媒は還元され、従って反応の間
に消費されて、酸化剤、有利には純酸素を含む酸素含有
気体により第二のステップにおいて再酸化により再生さ
れなければならない。真の反応関与物としての還元可能
な触媒の使用による酸化反応の2ステップへの分離のた
めの一般反応概念は、以前から知られており、例えば、
アクロレイン及びアクリル酸又はアクリロニトリルへの
プロピレンの酸化又はアンモ酸化について記載されてお
り〔英国特許(GB)第885442号明細書、英国特
許(GB)第999629号明細書、エイカンら(K. Ay
kan, J. Catal., 12(1968)、281-290)〕、ヒ酸塩及びモ
リブデン酸塩触媒が使用されている。
【0033】非定常状態反応を含む別の酸化/脱水素の
方法は、例えば下記の公開文献中に記載されている。米
国特許(US)第3440299号、ドイツ特許(D
E)第2118344号、ドイツ特許(DE)第179
3499号、米国特許(US)第3118007号、英
国特許(GB)第840082号、米国特許(US)第
4795849号、ドイツ特許(DE)第358676
9号、米国特許(US)第4568789号、欧州特許
(EP)第254423号及び英国特許(GB)第21
56845号の各明細書。
【0034】非定常状態反応を含むこれらのすべての方
法は、例外なく酸化又は脱水素反応に関係している。レ
ドックス触媒は酸素源の役を果たしている。
【0035】P4443360.3において、ホスフィ
ンへの酸化ホスフィンの、またアニリンへのニトロベン
ゼンの非定常状態還元性脱酸素を特許請求したのは、本
出願人自身だけである。
【0036】非定常状態反応概念の技術的実現のために
2種類のことなる方法、すなわち、2段のステップを
a)空間的又はb)時間に関して分離するものがある。
【0037】a)空間的分離 例えば、ライザー反応器を用いる移動層又は循環流動層
は、空間的分離を達成するために使用され、生成した反
応生成物を分離除去した後に、脱酸素ゾーンからの触媒
粒子を別に離れた再生反応器に送り、その中で触媒の還
元を実行する。再生された触媒は、脱酸素ゾーンに再循
環される。
【0038】この有利な実施態様においては、触媒が連
続的に循環されるので、この方法は連続かつサイクル式
である。触媒には高い機械的ストレスがかかり、従っ
て、十分な強さを有していなければならない。
【0039】非定常状態反応を用いる新規の方法のこの
実施態様を図式的に図1に示す。この中で、(1)はラ
イザー、(2)は還元された生成物(4)を消費された
触媒から分離するための分離装置、また(3)は、還元
剤(5)を用いる処理により消費した触媒を再還元する
再生器である。
【0040】還元しようとする出発原料(この場合には
ニトロベンゼン)は、供給手段(6)を通って入る。排
ガスは、オリフィス(7)を通って系から出る。入口
(8)は、不活性気体の必要なあらゆる供給をする。
【0041】b)時間に関する分離 時間に関する分離は、例えば固定触媒床、有利にはその
中で逆混合が実質的に起きない管式反応器中で、反応器
が周期的に脱酸素しようとする化合物及び再生気体を、
切替えにより周期的に装入し、不活性気体による中間の
フラッシングも可能である手順により達成できる。複数
の反応器を用いる場合には、切替え又はオンワード切替
えが殊に簡単な方法で実行され、ニトロベンゼンの還元
及び再生が連続的に平行して起きてもよい。
【0042】この実施態様を図2で説明する。管束式反
応器の形の固定床反応器がここに示されている。反応器
(1)内で実際の還元反応が起き、生成物が反応器内で
生成する一方、気体状の遊離還元剤を用いる使用後のレ
ドックス触媒の再生は、反応器(2)の中で起きる。
(3)は熱交換器を表す。この実施態様において、還元
されるべきニトロベンゼンは、(4)から供給される。
この場合にはアゾベンゼンとアゾキシベンゼンとの混合
物である生成物は、出口(5)から反応器を出る。再生
反応器(2)中で、還元剤(還元用気体)が入口(6)
から入り、排ガスとして出口(7)から反応器を出る。
(8)は総合加熱システムを表す。
【0043】非定常状態反応、すなわち、反応勾配を維
持することによる平衡の回避−この場合には、逆混合を
防いだレドックス触媒の還元活性の勾配−は、パイプ
(プラグ)流れを維持し、かつ未使用の触媒、すなわち
未酸化でまだ還元活性を有する触媒が、還元ゾーンの出
口にまだ存在することにより有利に達成される。
【0044】触媒 この新規の方法において、定常状態及び非定常状態反応
の双方で使用されるレドックス触媒は、酸化状態の変化
が可能な少なくとも1種の活性成分、有利には還元可能
な活性金属酸化物を含み、その活性金属は、Bi、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Pb、Mo、Ce、U、S
n、Sb、Cu、La、W、Nb、Pd、Pt、Ni、
In及びこれらの2種又はそれ以上の混合物から成る群
から選択されている。
【0045】還元可能な活性金属酸化物は、純粋の酸化
物又は金属又は担体上の形のいずれかで使用できる。
【0046】担体のタイプは、これが不活性であり、必
要な機械的強さを有する限り、一般にいかなる制限の対
象ともならない。これは、有利には粘土、PILC(ピ
ラードクレー(pillared clay) )、ゼオライト、燐酸ア
ルミニウム類(AlPO)、SiC、Si34、Bn、
C及び/又は金属Ti、Zr、Zn、Th、Mg、C
a、Ba、Si、Alの酸化物、及びこれらの2種又は
それ以上の混合物から成る群から選択されている金属酸
化物から成る群から、さらに、有利には、TiO2、S
iO2、Al23、MgO、SiC及びSi34から成
る群から選択されている。
【0047】担体への適用は、表面積及び活性相の表面
積及び分散を増加し、高い触媒の空間速度が可能とな
る。
【0048】レドックス触媒は、さらに促進剤、殊には
アルカリ金属、アルカリ土類金属及び/又は希土類金属
を含んでいてもよい。殊には、触媒の塩基度は、Na、
K、Cs又はLaを加えて確立できる。
【0049】担持された触媒がこの新規の方法に有利に
使用されるが、それというのも、これらは、活性成分の
連続相変態及び構造的変態に対して高い機械的安定性の
長所を有するからである。活性成分の含有量は特に限定
されず、重量基準で一般に約95%まで、有利には5〜
約50重量%であり、これはいずれの場合も活性金属酸
化物として、かつ触媒の全重量を基準として計算したも
のである。殊に有利には、活性金属酸化物含有量は、約
10〜約30重量%である。
【0050】有利な活性金属はBiであり、有利な担体
はTiO2、SiO2及びZrO2である。
【0051】以上のように、この新規の方法は、活性金
属としてBiを含むレドックス触媒を用いて有利に実施
される。さらに、Bi含有担持触媒がレドックス触媒と
して使用され、その担体は、TiO2、SiO2、Al2
3、MgO、SiC及びSi34から成る群から選択
されている。
【0052】TiO2上のBiを含むレドックス触媒が
殊に有利に使用され、Bi23として計算したBi含有
量は、約5〜約50重量%である。
【0053】Biは塩基性であるために、触媒はコーキ
ング及びクラッキングした生成物の形成の僅かな傾向を
有するに過ぎない。酸性の系の場合には、反対にコーキ
ング及びクラッキング反応の結果、損失が起きる。
【0054】ビスマスの酸化物はH2又はCOと一緒に
すると、約300℃の低い温度及び1x105Paの比
較的低い圧力でもかなりの量の元素金属が生成して容易
に還元でき、すなわち、簡単な方法で、この新規方法の
実施に必要な還元又は部分的に還元された状態に還元で
きるので、Biは殊に好適である。このように、脱酸素
及び再生は、実質的に等温的に有利に操作でき、これは
経済的な運転のために重要な前提条件となるであろう。
【0055】この新規方法では、大気圧で遊離の気体状
還元剤を用いる触媒の予備還元を実行でき、すなわち大
気圧以上の圧力における経費のかかる操作の必要がな
い。
【0056】新規のレドックス触媒触媒は低い状態、す
なわちニトロベンゼンの導入の前に、活性金属はそれぞ
れの反応条件において安定である活性金属の最高酸化状
態より少なくとも0.5低い平均酸化状態を有し、例え
ばここに記載する反応条件下における有利なBi含有触
媒の場合に、かなりの量のBiが酸化状態0、すなわち
元素状の微細に分割された金属として存在するように予
備還元されるので、COx及びH2Oへの全酸化によるニ
トロベンゼンの損失は無視でき、それというのもこれら
の(実質的に)最低の酸化状態にあるレドックス金属の
酸化ポテンシャルが著しく小さいからである。
【0057】触媒はあらゆる公知の方法、例えば乾式混
合、含浸、浸漬、沈降、共沈、噴霧乾燥、噴霧含浸、懸
濁、蒸着又はコーティングにより調製できる。好適な触
媒前駆物質は、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、無
機又は有機キレート剤との錯化合物、無機及び有機酸の
塩及び有機金属化合物である。その他の添加剤、例えば
細孔形成剤を加えてもよい。これらの触媒前駆物質は、
好適な熱処理により、一般に還元性活性化を伴って活性
触媒の形に変換される。
【0058】レドックス触媒は、活性金属がその最高酸
化状態ではなく、反対に上記に定義したように少なくと
も部分的に還元された形で存在する場合にのみ、脱酸素
活性を有することは明らかである。活性金属としてBi
の場合に、酸素取り入れによる脱酸素の間に形成される
ビスマス酸化物は、H2を用い、250〜500℃にお
いて、有利には実質的に金属Biに還元される。この場
合に、反応の開始時における活性相は、微細に分割され
た金属Biから成り、これを有利には大きい表面積を有
する担体に適用する。脱酸素の間の反応時間の進行に伴
い、触媒は酸素取り入れにより段々と酸化され、従っ
て、その活性は低下し、転換率は低下する。この失活挙
動の結果、希望する生成物の収率は、一般に平らな極大
又は台状部分を経過し、次いで、実験の期間の関数とし
て単調に低下する。工業的には、この操作は、触媒の完
全な失活までは続けないで、収率又は変換率がある値ま
で低下した時、有利には収率が最高値より10〜20%
低下、又は選択率が低下した時点の前に再生を開始す
る。
【0059】従って、それぞれの反応温度(例えば、そ
れぞれ約400℃及び500℃におけるBi(0)←→
Bi(III)又はV(III)←→V(V))におい
て熱力学的に可能な活性金属の酸化状態の最大変化を完
全には通過せず、反対に反応は触媒利用率1未満で操作
される。
【0060】触媒は、固定床内で小片の形、例えば約
0.5〜約20mmの寸法を有する押出物、リング、中
空ペレット、顆粒又はチップ、球、充実ペレット又はネ
ットの形で使用される。
【0061】反対に、高い機械的強さ及び大きさ約0.
01〜約0.9mm、有利には約0.05〜約0.5m
mの微粒子は、移動床又は流動床中への触媒の使用に好
適である。
【0062】脱酸素及び再生 この新規方法による脱酸素は、反応温度50〜500
℃、有利には100〜400℃、滞留時間約0.01〜
100秒、有利には約0.1〜50秒の間、圧力約10
4〜107Pa、有利には5x104〜2x106Pa、及
びWHSV(重量毎時空間速度)0.01〜20、有利
には0.05〜10kg(ニトロベンゼン)/kg(触
媒)・時間において実施される。
【0063】脱酸素すべき出発原料の外に、希釈剤、例
えばCO2、N2、希ガス又は水素を含まない再生用気体
(還元剤)又はこれらの混合物が供給物中に存在してい
てもよい。
【0064】消費され、完全又は部分的に酸化された触
媒の再生(還元)は、100〜1000℃、有利には1
50〜700℃、殊に有利には150〜600℃におい
て、遊離の気体状還元剤、有利にはH2、CO、炭化水
素、NH3、NO、SO2又はニトロベンゼン自体(自己
レドックスモード)又はこれらの2種又はそれ以上の混
合物、殊に有利にはCO、H2又はCH4を用いて実施さ
れる。この場合にも、反応器供給物は希釈剤を含んでい
てもよい。再生は、減圧、大気圧又は大気圧以上で操作
できる。約100ミリバール〜約20バールの圧力が有
利である。
【0065】化学反応により反応器中でのみ実際の還元
剤を遊離する反応性気体混合物も、再生用気体として好
適である。例えば、触媒を追加してCuによりドープ
し、かつCO/H2Oを再生用気体として使用してもよ
い。その際、水素がCu中心においてインシトゥ変換反
応(水性ガスシフト反応)により形成され、金属酸化物
の還元の能力を有する。
【0066】ニトロベンゼンの代わりに、核に置換さ
れ、5個まで、有利には3個までのその他の置換基を有
していてもよいニトロベンゼン類もこの新規の方法に使
用でき、置換基の特定の例は、ハロゲン、有利には塩
素、フッ素又は臭素、ニトリル基、アミノ、アルキル、
有利にはC1〜C8−アルキル、シクロアルキル、アルケ
ニル、有利にはC1〜C8−アルケニル、シクロアルケニ
ル、アルコキシ、有利にはC1〜C6−アルコキシ、又は
非置換又は置換フェニルであり、これらは上記のように
さらに置換されていてもよい。縮合芳香族ニトロ化合
物、例えばニトロナフタレン及びニトロヘテロ環式化合
物も使用できる。
【0067】核に置換されており、本発明に殊に有利に
使用できるニトロベンゼン類の例は下記である: −o−ニトロトルエン、m−ニトロトルエン及びp−ニ
トロトルエン; −1,2−ジメチル−3−ニトロベンゼン、1,2−ジ
メチル−4−ニトロベンゼン、1,3−ジメチル−2−
ニトロベンゼン、1,3−ジメチル−4−ニトロベンゼ
ン、1,3−ジメチル−5−ニトロベンゼン及び1,4
−ジメチル−2−ニトロベンゼン; −2−ニトロアニソール、3−ニトロアニソール、及び
4−ニトロアニソール; −o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン及びp−ニ
トロアニリン、2,4−ジニトロアニリン及び2,6−
ジニトロアニリン; −2−メチル−3−ニトロアニリン、2−メチル−4−
ニトロアニリン、2−メチル−5−ニトロアニリン、2
−メチル−6−ニトロアニリン、3−メチル−2−ニト
ロアニリン、3−メチル−4−ニトロアニリン、3−メ
チル−5−ニトロアニリン、3−メチル−6−ニトロア
ニリン、4−メチル−2−ニトロアニリン及び4−メチ
ル−3−ニトロアニリン; −1,2−ジニトロトルエン、1,3−ジニトロトルエ
ン及び1,4−ジニトロトルエン; −ニトロナフタレン類、例えば1−ニトロナフタレン及
び2−ニトロナフタレン、及びジニトロナフタレン類、
例えば1,5−ジニトロナフタレン及び1,8−ジニト
ロナフタレン; −o−ジニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン及びm
−ジニトロベンゼン、2,4−ジニトロトルエン及び
3,5−ジニトロトルエン、1,3−ジメチル−2,4
−ジニトロベンゼン、1,3−ジメチル−2,5−ジニ
トロベンゼン及び1,3−ジメチル−2,6−ジニトロ
ベンゼン; −塩素化ニトロベンゼン類、例えばo−クロロニトロベ
ンゼン、m−クロロニトロベンゼン及びp−クロロニト
ロベンゼン、1,4−ジクロロ−2−ニトロベンゼン、
1,2−ジクロロ−3−ニトロベンゼン、1,2−ジク
ロロ−4−ニトロベンゼン、1−クロロ−2,4−ジニ
トロベンゼン、2−クロロ−1,3−ジニトロベンゼ
ン、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン及び2,
4,5−トリクロロ−1−ニトロベンゼン; −クロロニトロトルエン類、例えば2−クロロ−4−ニ
トロトルエン、4−クロロ−2−ニトロトルエン、2−
クロロ−6−ニトロトルエン、3−クロロ−4−ニトロ
トルエン及び4−クロロ−3−ニトロトルエン;及び −3−クロロ−2−ニトロアニリン、4−クロロ−2−
ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2
−クロロ−6−ニトロアニリン、2−クロロ−3−ニト
ロアニリン、4−クロロ−3−ニトロアニリン、3−ク
ロロ−5−ニトロアニリン、2−クロロ−5−ニトロア
ニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン及び3−クロ
ロ−4−ニトロアニリン。
【0068】これらの中で、アルキルニトロベンゼン類
及びトルイジン類(メチルニトロアニリン類)が、殊に
有利に用いられる。
【0069】水の存在下での本発明の方法の実施は、さ
らに改善されたニトロベンゼン変換率と共にアゾベンゼ
ン及びアゾキシベンゼンの生成の高い選択率となること
を発見した。プロトン供与体として水を加えるにもかか
わらず、実質的にアニリンは形成されないことを意外に
も発見した。
【0070】本方法のさらに一層の改善の理由は、まだ
解明されていないが、しかし、水の添加が触媒表面から
高沸点生成物を連続的に洗い去り、これがニトロベンゼ
ンの活性化のために順次利用されることに帰することが
できるであろう。
【0071】ニトロベンゼン供給物に水を加えて本発明
に従って本方法を実施する場合に、ニトロベンゼンと水
(液状)の体積流量比は、有利には約10:1〜約1:
10、さらに有利には約1:1〜約1:7の範囲内にあ
る。
【0072】本発明は、上記のようにさらにレドックス
触媒自体にも関し、この触媒は、同様に新規触媒の有利
な態様として本方法の記載中に有利に使用できると分類
された。
【0073】
【実施例】以下の実施例中に記載する切断硬度は、下記
のようにして測定した。
【0074】切断硬度は、フランク(Frank) からの装
置、タイプ81557 号を用いて測定した。測定範囲は0〜
200Nであった。試験速度は、8mm/分であった。
切断ナイフは、長さ15mm、高さ10mmを有してい
た。それぞれ20回の個別測定から成る各測定シリーズ
の前に、零点を調整又は検査した。
【0075】実際の測定のために、それぞれの場合に、
この目的で設置した台の上で押出物をナイフを横切って
置き(中心点)、切断硬度は、メーカーの指定通りにし
て測定し、切断強度は装置に直接N(単位N/押出物)
で表示された。
【0076】実施例1 触媒調製 Bi(NO33・5H2O14.6gを濃HNO310m
lを加えて蒸留水中に溶かし、溶液を全体積65mlと
した。この溶液を分割した。4mm押出物の形のタイプ
DT−51(ローンプーラン(Rhone-Poulenc) )のTi
2担体を浸漬ステップごとに上記の溶液32.5ml
に2回浸漬した。焼成は、160℃、16時間及び55
0℃、2時間で行った。淡いベージュ色の押出物が得ら
れた。触媒は、式量組成がBi236.7重量%、Ti
293.3重量%であった。
【0077】BET表面積=65.7m2 /g 切断硬度 =31N/押出物 押出物をチップに転換し、0.5〜0.71mmのチッ
プ画分をふるい分けにより分離した。
【0078】引き続き、非定常状態反応を利用する反応
器実験をこのようにして調製した触媒を用いて行った。
この目的で、ニトロベンゼンの還元性カップリングの実
験は、触媒20mlを収容し、実際的に等温条件が存在
するように液状塩溶融物により外部から加熱するらせん
管反応器中で行った。
【0079】触媒の0.5〜0.71mmチップ画分を
先ず取った(重量18.4g)。
【0080】固定触媒床は、先ずH2を用いて1時間反
応温度で予備還元し、次いでN2ガスを用いてフラッシ
ングした。その後、あらかじめ蒸発器中で気相に転換さ
せ、N2キャリヤーガスを用いて希釈したニトロベンゼ
ンを、遊離の還元剤の存在なしで床上を通した。滞留時
間は、N2キャリヤーガスの制御された流れにより確定
させた。さらにN2キャリヤーガスを用いるフラッシン
グが続いた。このサイクルを連続して繰り返した。脱酸
素相と再生相とは、各サイクルとも同じ反応器温度で実
行した。
【0081】一緒にした凝縮可能な反応器排出物をコー
ルドトラップに集めた。各サイクルの後に、触媒床及び
反応器出口側のラインをエタノール/アセトンを用いて
フラッシングし、フラッシング溶液をコールドトラップ
の内容物と一緒にし、このようにして得た全溶液をGC
−MS(ガスクロマトグラフィー−質量分析法)で分析
した。まだ触媒に付着している生成物及びライン中に沈
積している固体排出物もこの方法で分析した。
【0082】反応の結果を表1に示す。
【0083】高いニトロベンゼン変化率と同時にアゾベ
ンゼンとアゾキシベンゼンの良い収率が得られたことが
分かるであろう。
【0084】触媒は、全36サイクルの間に、認められ
るほどの失活現象もなく作業した。
【0085】表1 略号: NB=ニトロベンゼン、AB=アゾベンゼン、
AOB=アゾキシベンゼン、NOB=ニトロソベンゼ
ン、RET=滞留時間。
【0086】サイクル毎の一緒にした反応器の液体及び
固体排出物、及び触媒デポジット(各サイクルの後にラ
イン及びコンデンサー及び反応器/触媒床をエタノール
を用いてフラッシングアウトし、その溶液を液体排出物
と一緒にした)のGC−MS分析、ただしガス化とコー
キングは除く。
【0087】
【表1】
【0088】実施例2 触媒調製 塩基性重炭酸塩Bi2CO583.1g及びTiO2粉末
(タイプDT−51、ローンプーランより入手)225
gを1時間乾式混合し、次いで水及び押出助剤を加えて
2.5時間混練機中で圧密した。混練した材料を押出機
で成形し、3mmの固体押出物とした。押出物を16時
間、120℃で乾燥させ、次いで2時間、550℃で焼
成した。ベージュ〜淡黄色の押出物が得られた。式量組
成がBi2325重量%、TiO275重量%を有する
触媒が得られた。
【0089】BET表面積=42.5m2/g 切断硬度 =28N/押出物 押出物をチップに転換し、0.6〜0.71mmのチッ
プ画分をふるい分けにより分離した。
【0090】アゾベンゼンとアゾキシベンゼンへのニト
ロベンゼンの変換は、実施例1と同じ方法により実施
し、反応器には、反応開始の時点で上記の画分のチップ
20mlを充填した。
【0091】反応の結果は表2に示してある。
【0092】表2 略号: NB=ニトロベンゼン、AB=アゾベンゼン、
AOB=アゾキシベンゼン、NOB=ニトロソベンゼ
ン、RET=滞留時間。
【0093】サイクル毎の一緒にした反応器の液体及び
固体排出物、及び触媒デポジット(各サイクルの後にラ
イン及びコンデンサー及び反応器/触媒床をエタノール
を用いてフラッシングアウトし、その溶液を液体排出物
と一緒にした)のGC−MS分析、ただしガス化とコー
キングは除く。
【0094】
【表2】
【0095】実施例3 実施例2の触媒を用いて実施例1と同様に変換を行い、
その際、ニトロベンゼンの代わりに、ニトロベンゼンと
水との混合物を用い、これは予め蒸発器内で気相に転換
し、かつN2キャリヤーガスを用いて希釈し、遊離の還
元剤の存在なしで床上を通した。
【0096】これら以外は、変換は実施例1と同様に行
った。
【0097】反応の結果を表3に示す。
【0098】著しく高いニトロベンゼン変換率、アゾベ
ンゼンとアゾキシベンゼンの良い収率が得られ、かつ、
ニトロベンゼン供給物への水の添加は、活性と選択率に
有利に影響していたことは明らかである。
【0099】触媒は全体で48サイクル運転し、失活現
象は観察されなかった。
【0100】表3 略号: NB=ニトロベンゼン、AB=アゾベンゼン、
AOB=アゾキシベンゼン、NOB=ニトロソベンゼン サイクル毎の一緒にした反応器の液体及び固体排出物、
及び触媒デポジット(各サイクルの後にライン及びコン
デンサー及び反応器/触媒床をエタノールを用いてフラ
ッシングアウトし、その溶液を液体排出物と一緒にし
た)のGC−MS分析、ただしガス化とコーキングは除
く。
【0101】生成物分布の中で抜けている部分は、表示
した生成物よりも高沸点の成分から実質的に成ってい
る。
【0102】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】非定常状態反応を用いる本新規方法の実施態様
を略図で示す。
【図2】固定床反応器が管束式反応器の形である別の実
施態様を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギド フォイト ドイツ連邦共和国 シュリースハイム ツ ェントグラーフェンシュトラーセ 41 (72)発明者 トム ヴィッツェル ドイツ連邦共和国 ルートヴィッヒスハー フェン クリームヒルトシュトラーセ 34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温、気相中において、その還元形又は
    部分還元形のレドックス触媒による不均一系触媒作用に
    よりアゾベンゼン及びアゾキシベンゼンを得るためのニ
    トロベンゼンの還元性カップリング法において、還元性
    触媒は、Bi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Pb、M
    o、Ce、U、Sn、Sb、Cu、La、W、Nb、P
    d、Pt、Ni、In及びこれらの2種又はそれ以上の
    混合物から成る群から選択されている少なくとも1種の
    活性金属を含み、かつ脱酸素のために、ニトロベンゼン
    を少なくとも1種の気体状で水素を含まない還元剤と一
    緒にレドックス触媒の上に通し、その際、還元剤と一緒
    のニトロベンゼンの導入の前のレドックス触媒の活性金
    属の平均酸化状態は、それぞれの反応条件下において安
    定な活性金属の最高酸化状態より少なくとも0.5低い
    ことを特徴とする、ニトロベンゼンの還元性カップリン
    グ法。
  2. 【請求項2】 高温、気相中において、その還元形又は
    部分還元形のレドックス触媒による不均一系触媒作用に
    よりアゾベンゼン及びアゾキシベンゼンを得るためのニ
    トロベンゼンの還元性カップリング法において、還元性
    触媒は、Bi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Pb、M
    o、Ce、U、Sn、Sb、Cu、La、W、Nb、P
    d、Pt、Ni、In及びこれらの2種又はそれ以上の
    混合物から成る群から選択されている少なくとも1種の
    活性金属を含み、その際、ニトロベンゼンの導入の前の
    レドックス触媒の活性金属の平均酸化状態は、それぞれ
    の反応条件下において安定な活性金属の最高酸化状態よ
    り少なくとも0.5低く、かつ、脱酸素のために、ニト
    ロベンゼンを遊離で気体状の還元剤の存在なしでレドッ
    クス触媒上に通し、かつレドックス触媒が完全には消費
    されない量をレドックス触媒と接触させることを特徴と
    する、ニトロベンゼンの還元性カップリング法。
  3. 【請求項3】 ニトロベンゼンと水との混合物を脱酸素
    に通す、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のレドックス触媒。
JP9147682A 1996-06-05 1997-06-05 ニトロベンゼンの還元性カップリング法及びレドックス触媒 Withdrawn JPH1081658A (ja)

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