JPH108008A - ポリフッ化ビニリデン樹脂の金属材料への接着方法および金属接着性ポリフッ化ビニリデン複合材料 - Google Patents

ポリフッ化ビニリデン樹脂の金属材料への接着方法および金属接着性ポリフッ化ビニリデン複合材料

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JPH108008A
JPH108008A JP16633596A JP16633596A JPH108008A JP H108008 A JPH108008 A JP H108008A JP 16633596 A JP16633596 A JP 16633596A JP 16633596 A JP16633596 A JP 16633596A JP H108008 A JPH108008 A JP H108008A
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polyvinylidene fluoride
metal
fluoride resin
acrylic
bonding
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JP16633596A
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Maie Jerome
マイエ ジェローム
Yoshiyuki Miyaki
義行 宮木
Bussy Philippe
ビュシー フィリップ
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Arkema KK
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Elf Atochem Japan KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、ポリフッ化ビニリデン樹脂
の金属材料への接着性を改善し、金属材料とポリフッ化
ビニリデン樹脂の複合材料を得る方法を提供することで
ある。 【構成】 ポリフッ化ビニリデン樹脂100重量部に対
して、金属に対して結合性あるいは親和性を有する官能
基を持つアクリル系またはメタクリル系重合体を0.5
〜100重量部およびアクリル系またはメタクリル系エ
ラストマーを1〜200重量部添加・混合することを特
徴とするポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着方法
および上記金属接着性樹脂組成物を接着剤として用いる
ポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリフツ化ビニリデン樹
脂とこれと元来非接着性の金属とを接着・積層させる方
法に関し、耐腐食性、耐候性、あるいは耐薬品性が要求
される鋼管ライニング、化学プラント部品、電池等の電
極のバインダー等に応用される。
【0002】
【従来の技術】ポリフツ化ビニリデン(以下、PVDF
と略記する)樹脂は耐候性や耐薬品性等の優れた溶融成
形できるフッ素系樹脂として、塗料や電気・電子部品、
鋼管ライニング、化学プラント部品、耐候防汚フイルム
等に用いられている。しかし他材料との接着性が殆どな
いため、多素材との複合や改質が出来にくい欠点があっ
た。
【0003】そこで、この欠点を改善するためにPVD
Fと他のポリマーとの混合が試みられているが、PVD
Fに対して接着性や相溶性を有するポリマーは少なく、
また、PVDFの物理的性質に悪影響するなどのため応
用範囲は極めて限られていた。
【0004】例えば、PVDFと相溶性のよい材料とし
てポリメタクリル酸メチル樹脂(以下、PMMAと略記
する)が知られているが(特公昭43−12012号公
報、特公昭51−18197号公報他)、PMMAはガ
ラス転移温度がPVDFに比べて極めて高いため、これ
らの混合物は柔軟性に欠け、金属への接着性が悪い。他
にも、ポリカーボネートとの複合(特開昭57−824
4号公報他)、官能基を持った改質ポリオレフィンとの
複合(特開昭62−57448号公報他)、ポリイミド
との複合(特開平2−308856号公報他)等が提案さ
れているが、これらの組合せは相溶性が乏しく、金属と
の接着性に劣る。さらに、アクリル系またはメタクリル
系エラストマーとの複合(特開平4−218552号公
報)も考案されたが、この系で金属への接着性について
は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はPVDF樹脂
の金属材料への接着性を改善し、金属材料とPVDF樹
脂の複合材料を得る方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PVDF
樹脂、金属に対して結合性あるいは親和性を有する官能
基を持つアクリル系またはメタクリル系重合体、および
アクリル系またはメタクリル系エラストマーから構成さ
れる組成物が金属材料に対して接着性を示すことを発見
し、これらの性質がPVDF樹脂と金属からなる複合材
料の製造に有効であることを見出した。
【0007】即ち、本発明は、PVDF樹脂を金属へ接
着するに際して、PVDF樹脂100重量部に対して、
金属に対して結合性あるいは親和性を有する官能基を持
つアクリル系またはメタクリル系重合体0.5〜100
重量部およびアクリル系またはメタクリル系エラストマ
ー1〜200重量部を添加・混合することを特徴とする
ポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着方法に関す
る。
【0008】また、本発明では、上述の方法で金属接着
性が改善されたPVDF樹脂組成物は、PVDF樹脂を
金属へ接着するに際して、その接着剤として用いること
ができる。特に、この接着のプロセスが溶融プロセスで
ある場合、該接着剤を、(a)PVDF樹脂100重量
部に対して、(b)金属に対して結合性あるいは親和性
を有する官能基を持つアクリル系またはメタクリル系重
合体5〜100重量部、(c)アクリル系またはメタク
リル系エラストマー10〜200重量部から構成される
組成物とすることが望ましい。この場合、bおよびcの
成分の含有量が少なすぎると金属材料との良好な接着性
が得ることが難くなる。
【0009】ここでいうPVDF樹脂とは、ポリフツ化
ビニリデン単独重合体およびフツ化ビニリデンと共重合
可能な他のモノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体か
ら選ぶことができ、単独で用いても2種以上の樹脂を混
合して用いてもよい。ここで、共重合体においては、フ
ッ化ビニリデン成分が50重量%以上であればよく、望
ましくは70重量%以上、さらに望ましくは80重量%
以上である。共重合可能な他のモノマーとしては、四フ
ッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化エチレ
ン、三フッ化塩化エチレン、フッ化ビニル等のフッ素系
モノマーが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用い
ることが出来る。
【0010】本発明において、PVDF樹脂を金属に接
着する際に接着剤として用いる金属接着性が改善された
PVDF樹脂組成物は、必ずしも、表面層となる該PV
DF樹脂と同一のPVDF樹脂から構成されなくてもよ
い。接着層に用いるPVDF樹脂としては、接着・加工
プロセスに応じて、適切なメルトフローレイト(MF
R)、共重合組成、融点を持つものを選択できる。
【0011】本発明で用いる(b)成分は、アルキルア
クリレートおよびアルキルメタクリレートを主たる成分
とする重合体であり、主鎖、側鎖、あるいは末端に金属
に対して結合性あるいは親和性を有する官能基を有す
る。このような重合体の例として、アルキルアクリレー
トおよびアルキルメタクリレートから選ばれる少なくと
も1種類のモノマーおよび金属に対して結合性あるいは
親和性を有する官能基を持つモノマーとから、ラジカル
重合、イオン重合、配位重合などの方法により重合され
るランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト重合
体がある。
【0012】金属に対して結合性あるいは親和性を有す
る官能基としては、カルボン酸基あるいはカルボン酸無
水物基、エポキシ基(グリシジル基)、メルカプト基、
スルフィド基、オキサゾリン基、フェノール基、エステ
ル基等が挙げられる。
【0013】(b)成分の重合体の一例として、カルボ
ン酸基あるいはカルボン酸無水物基を有するモノマーと
アルキルアクリレートおよび/あるいはアルキルメタク
リレートとの共重合体がある。この場合、アルキルアク
リレートおよびアルキルメタクリレートとしては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等
が例示される。また、カルボン酸基あるいはカルボン酸
無水物基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、アルケ
ニルコハク酸、アクリルアミドグリコール酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸アリル等の不飽和カルボン
酸、および無水マレイン酸、無水アルケニルコハク酸な
どの不飽和カルボン酸無水物が例示される。
【0014】また、上記の(b)成分のアクリル系また
はメタクリル系重合体においては、該重合体の50重量
%以上がアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステ
ルから選ばれる少なくとも1種類のモノマーから構成さ
れることが望ましく、さらに望ましくは70重量%以上
である。含有される金属に対して結合性あるいは親和性
を有する官能基の量は、該アクリル系またはメタクリル
系重合体1kgあたり0.01〜2モルであることが望
ましい。(b)成分がアクリル酸エステルおよびメタク
リル酸エステルから選ばれる少なくとも1種類のモノマ
ーおよびカルボン酸基あるいはカルボン酸無水物基を有
するモノマーとの共重合体である場合、カルボン酸基あ
るいはカルボン酸無水物基を有するモノマーの比率は当
該共重合体の0.2〜30重量%であることが望まし
く、さらに望ましくは1〜20重量%である。また、
(b)の構成成分として、分子鎖中に、上記以外に、ス
チレンなどのビニル系モノマーあるいはイミド化等の変
成体を含んでもよいが、これらの含量は該アクリル系重
合体の50重量%以下であり、望ましくは30重量%以
下である。
【0015】本発明の(c)成分であるアクリル系また
はメタクリル系エラストマーは、グラフト化されたアク
リル系またはメタクリル系エラストマーあるいはアルキ
ルアクリレートおよびアルキルメタクリレートから選ば
れるモノマーの単独重合体あるいは共重合体がグラフト
された共役ジエン系のエラストマーである。ただし、こ
れらは100%グラフト体でなくともよく、一部グラフ
ト体を含む単独重合体や共重合体の混合物であってもよ
い。多くの場合、このようなエラストマーはコア−シェ
ル構造を有している。ただし、これらのアクリル系また
はメタクリル系エラストマーは、適当な弾性特性を与え
るために、−10℃以下のガラス転移温度を有する必要
がある。
【0016】アルキルアクリレートおよびアルキルメタ
クリレートから選ばれるモノマーの単独重合体あるいは
共重合体がグラフトされた共役ジエン系のエラストマー
は、多くの場合、骨格(コア部分)がジエン系ポリマー
あるいは芳香族ビニル化合物、アルキルアクリレートお
よびアルキルメタクリレートから選ばれるモノマーとジ
エン系モノマーとの共重合体(例えば、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−ブチ
ルアクリレート共重合体など)となっており、これにア
ルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートから
選ばれるモノマーの単独重合体あるいは共重合体がグラ
フトされシェルを形成している。望ましいエラストマー
の例として、アルキル(C1〜C5)メタクリレート−
ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、アルキル
(C1〜C12)アクリレート−ブタジエン−スチレン
共重合体、アルキル(C1〜C5)メタクリレート−ア
ルキル(C1〜C12)アクリレート−ブタジエン共重
合体を挙げることができる。
【0017】上記のグラフト化されたアクリル系または
メタクリル系エラストマーの代表的例としては、コアが
アルキル(C1〜C8)アクリレートおよびアルキル
(C1〜C8)メタクリレートから選ばれるモノマーか
らなる単独重合体あるいは共重合体、あるいはアルキル
(C1〜C8)アクリレートおよびアルキル(C1〜C
8)メタクリレートから選ばれるモノマーからなる単独
重合体あるいは共重合体とシリコーンとのブロック共重
合体で、−10℃以下のガラス転移温度を有するもので
あり、これにコアとは異なるアルキル(C1〜C5)メ
タクリレートおよびアルキル(C1〜C5)アクリレー
トから選ばれるモノマーの単独重合体あるいは共重合体
がグラフトされシェルを形成してなるコア−シェル重合
体がある。
【0018】(c)成分として用いるアクリル系または
メタクリル系エラストマーの他の例として、特公平8−
30102号公報等で知られているポリオルガノシロキ
サン成分とアクリル系またはメタクリル系エラストマー
成分とが相互に絡み合った構造を有する複合体(コア)
にビニル系重合体がグラフト重合されたコア−シェル重
合体がある。
【0019】このようなエラストマー(c)は塊状重
合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、乳化重合、または溶液
重合のような公知の方法により製造できる。例えば、第
一段階でブタジエンを重合してゴム質のコアを得て、第
二段階でスチレンを重合し、第三段階でメチルメタクリ
レートを重合しシェルを形成させる三段重合法がある。
【0020】本発明で用いる(c)成分はゴム的性質を
有する熱可塑性エラストマーであり、室温で800MP
a以下の曲げ弾性率を有し、20%以上の破断伸びを示
すことが望ましい。
【0021】本発明の金属接着性組成物は、スクリュー
混練機を用いて、(a)、(b)、(c)の3成分を所
定比率で加熱混練するという従来の方法で製造すること
ができる。ここで、溶融混練の方法としては従来公知の
方法を用いることができ、例えば、バンバリーミキサ
ー、ゴムロール機、一軸もしくは二軸の押し出し機等を
用い、通常100〜300℃、好ましくは組成にもよる
が150〜260℃の温度で溶融混練して樹脂組成物が
得られる。
【0022】本発明で用いる金属材料の例としては、
鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、ニッケル、チタ
ン、鉛、銀、クロム、各種合金などが挙げられ、それら
の形は特に限定されない。
【0023】
【作用】以上説明したように、本発明により、PVDF
樹脂と金属材料との接着を容易に行うことが可能とな
る。本発明で言う金属接着性ポリフッ化ビニリデン複合
材料とは、押出成形品(フィルム、シート、板、パイ
プ、棒、異形押出品、ストランド、モノフィラメント、
繊維など)、射出成形品、プレス成形品など、PVDF
樹脂からなり、その一部あるいは全体の面が上述の金属
接着性組成物の層からなるものであり、特に限定されな
い。これらの作製手法としては、カレンダ加工、共押出
し、押出ラミネーション、多層射出、流動浸漬塗装、デ
ッピング、スプレイ塗装、成形体表面へのコーテイング
などがある。ここで、金属接着性組成物に用いるポリフ
ッ化ビニリデン樹脂と基材として用いるポリフッ化ビニ
リデン樹脂は、同一であってもよく、異なっていてもよ
い。
【0024】本発明において、PVDF樹脂としてフツ
化ビニリデンと共重合可能な他のモノマーとフッ化ビニ
リデンとの共重合体を使用することにより、得られる金
属接着性組成物の溶融温度域を下げることができ、これ
により成形後のPVDF樹脂を接着性樹脂層で被覆する
ことが容易になる。成形条件に応じて最適な融点を持つ
フッ化ビニリデン共重合体を選び、接着剤に用いればよ
い。
【0025】また、本発明の方法は、PVDF樹脂を溶
媒に溶解あるいは分散して用いるフッ素系塗料、リチウ
ム電池の電極用バインダー等にも利用可能であり、金属
基材(電池の場合は集電体)とPVDF樹脂との接着性
の改善に役立つ。
【0026】以下、実施例により本発明を説明するが、
本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【0027】
【実施例】接着性の評価は次の方法で行った。金属接着
性組成物から作製した厚さ約0.2mmのフィルム、別
途PVDF樹脂から作製した厚さ約0.3mmのフィル
ム、および脱脂を行った金属板を用い、PVDFフィル
ム/接着性組成物フィルム/金属板の順に重ね、180
℃で10分間、最大圧力約10kg/cm2でプレスを
行った。室温に冷却後、引張試験器を用いて、23℃、
200mm/分で、幅1cmのPVDF/接着性組成物
の層を金属板から引き剥がし、その力を測定した。
【0028】
【実施例1】PVDF樹脂のペレット(エルフ・アトケ
ム社製、カイナー710、融点が170℃、230℃、
2.16kg荷重下でのメルトフローレート(MFR)
が12g/10分)100重量部、無水マレイン酸とメ
タクリル酸メチルの共重合体(住友化学工業(株)製、
スミペックスTR)30重量部、ポリメタクリル酸メチ
ルがグラフト化されたアクリル系エラストマー(呉羽化
学工業(株)製、パラロイドEXL2315)70重量
部をブレンダーに入れて混合後、シリンダー温度170
〜240℃に設定した二軸押出機を用いて、これら3種
類の成分からなる組成物のペレットを作製した。この組
成物のビカット軟化点は113℃であった。
【0029】得られたペレットを用いて、一軸押出機に
より作製した厚さ約0.2mmのフィルムと別途作製した
カイナー710のフィルム(厚さ0.3mm)を用い、
上記の方法でスチール板との接着強度を測,定したとこ
ろ、6.0kg/cmであった。
【0030】
【実施例2】実施例1において、カイナー710をフッ
化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体であるカ
イナー2820(エルフ・アトケム社製、融点142
℃、230℃、2.16kg荷重下でのメルトフローレ
ート(MFR)が1g/10分)とした他は、実施例1
と同様に金属接着性組成物を作製した。この組成物のビ
カット軟化点は70℃であった。
【0031】この組成物から作製した0.2mm厚のフ
ィルムと別途作製したカイナー710から作製した0.
3mm厚のフィルムを用い、上記の方法でスチール板と
の接着強度を測定したところ、5.8kg/cmであっ
た。
【0032】
【実施例3】実施例1において、カイナー710を10
0重量部、スミペックスTRを60重量部、パラロイド
EXL2315を40重量部とした他は、実施例と同様
に金属接着性組成物を作製した。
【0033】この組成物から作製した0.2mm厚のフ
ィルムと別途作製したカイナー710から作製した0.
3mm厚のフィルムを用い、上記の方法でアルミニウム
板との接着強度を測定したところ、6.5kg/cmで
あった。
【0034】
【実施例4】実施例1において、カルボン酸無水物基を
有するアクリル系重合体として、無水マレイン酸11重
量%、メタクリル酸メチル74重量%、およびスチレン
15重量%からなる共重合体(デグサ社製、PLEXI
GLASS HW55)を、ポリメタクリル酸メチルが
グラフト化されたアクリル系エラストマーとして、MB
S樹脂(ローム・アンド・ハース社製、PARALOI
D EXL3647)を用いた他は、実施例1と同様に
金属接着性組成物を作製した。
【0035】この組成物から作製した0.2mm厚のフ
ィルムと別途作製したカイナー710から作製した0.
3mm厚のフィルムを用い、上記の方法でスチール板と
の接着強度を測定したところ、7.5kg/cmであっ
た。
【0036】
【実施例5】実施例1において、PVDF樹脂として、
六フッ化プロピレンとフッ化ビニリデンからなる共重合
体(エルフ・アトケム社製、カイナー2850、230
℃、12.5kg荷重下でのMFRが5g/10分、融
点が157℃)100重量部、カルボン酸無水物基を有
するアクリル系重合体として、無水マレイン酸、N−メ
チルジメチルグルタルイミド、カルボン酸含有モノマ
ー、およびメタクリル酸メチルからなる共重合体(ロー
ム・アンド・ハース社製、PARALOID EXL4
151)30重量部、ポリメタクリル酸メチルがグラフ
ト化されたアクリル系エラストマーとして、MBS樹脂
(ローム・アンド・ハース社製、PARALOID E
XL3647)70重量部を用い、実施例1と同様に金
属接着性組成物を作製した。
【0037】この組成物から作製した0.2mm厚のフ
ィルムと別途作製したカイナー710から作製した0.
3mm厚のフィルムを用い、上記の方法でスチール板と
の接着強度を測定したところ、8.0kg/cmであっ
た。
【0038】
【実施例6】2層の熱可塑性構造物を得るために共押出
しヘッドとこれに溶融樹脂を供給する2台の押出機(L
/D=15で圧縮比3.5のスクリューを有する押出機
AおよびL/D=20で圧縮比4のスクリューを有する
押出機B)からなる共押出機を用い、押出機AからPV
DF樹脂(エルフ・アトケム社製、カイナー740)、
押出機Bから実施例1で得られた接着性組成物を押出
し、0.3mmのPVDF樹脂層と0.1mmの接着層
からなる複合フィルムを作製した。この時、押出機Aお
よびBのシリンダー温度は、それぞれ、170〜240
℃および150〜220℃とした。
【0039】上記と同様の方法で、得られたフィルムと
銅板との接着強度を測定したところ、5.6kg/cm
であった。
【0040】
【実施例7】PVDF樹脂のパウダー(エルフ・アトケ
ム社製、カイナー461、融点が170℃、230℃、
2.16kg荷重下でのMFRが12g/10分)10
0g、無水マレイン酸とメタクリル酸メチルの共重合体
(住友化学工業(株)製、スミペックスTR)2g、お
よびポリメタクリル酸メチルがグラフト化されたアクリ
ル系エラストマー(呉羽化学工業(株)製、パラロイド
EXL2315)2gを1000mlのN−メチルピロ
リドンに溶解し溶液とした。
【0041】この溶液を厚さ1mmのアルミニウム板上
に塗布し、120℃で1時間乾燥し、約0.1mmのP
VDF樹脂で被覆されたアルミニウム板を得た。PVD
F樹脂層を1mm間隔でカットし碁盤目試験(JIS
K5400 6・15に準ずる)さらにテープ剥離試験
を行ったところ、いずれにおいても、PVDF樹脂層の
剥がれは全く認められなかった。
【0042】
【比較例1】PVDF樹脂のペレット(エルフ・アトケ
ム社製、カイナー710、230℃、2.16kg荷重
下でのMFRが12g/10分)100重量部と無水マ
レイン酸とメタクリル酸メチルの共重合体(住友化学工
業(株)製、スミペックスTR)30重量とをブレンダ
ーに入れて混合後、シリンダー温度170〜240℃に
設定した二軸押出機を用いて、厚さ約0.2mmのフイル
ムを作成した。
【0043】このフィルムと別途作製したカイナー71
0のフィルム(厚さ0.3mm)を用い、上記の方法で
スチール板との接着強度を測定したところ、1kg/c
m以下であった。
【0044】
【比較例2】PVDF樹脂のパウダー(エルフ・アトケ
ム社製、カイナー461)100重量部と無水マレイン
酸とメタクリル酸メチルの共重合体(住友化学工業
(株)製、スミペックスTR)2重量部とを1000m
lのN−メチルピロリドンに溶解し溶液とした。この溶
液を厚さ1mmのアルミニウム板上に塗布し、120℃
で1時間乾燥し、約0.1mmのPVDF樹脂で被覆さ
れたアルミニウム板を得た。PVDF樹脂層を1mm間
隔でカットし碁盤目試験さらにテープ剥離試験を行った
ところ、テープ剥離試験において、PVDF樹脂層は全
て剥がれてしまった。
【0045】
【発明の効果】本発明のポリフッ化ビニリデン樹脂の金
属への接着方法は、て化学的不活性が要求される装置を
構成する部品、長期に渡る耐候性が必要とされる屋外建
築材料や工業材料、さらにリチウム電池の電極用のバイ
ンダーなど多くの分野で有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フィリップ ビュシー フランス国 27300 ベルネー 4 シュ マン ドゥ ラ プランケット イムーブ ル サフィール レジダンス クレルヴァ ル

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフッ化ビニリデン樹脂を金属へ接着
    するに際して、ポリフッ化ビニリデン樹脂100重量部
    に対して、金属に対して結合性あるいは親和性を有する
    官能基を持つアクリル系またはメタクリル系重合体を
    0.5〜100重量部およびアクリル系またはメタクリ
    ル系エラストマーを1〜200重量部添加・混合するこ
    とを特徴とするポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接
    着方法。
  2. 【請求項2】 ポリフッ化ビニリデン樹脂を金属へ接着
    するに際して、接着剤として、(a)該ポリフッ化ビニ
    リデン樹脂と同一または異なるポリフッ化ビニリデン樹
    脂100重量部に対して、(b)金属に対して結合性あ
    るいは親和性を有する官能基を持つアクリル系またはメ
    タクリル系重合体が0.5〜100重量部、(c)アク
    リル系またはメタクリル系エラストマーが1〜200重
    量部から構成される組成物を使用することを特徴とする
    ポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着方法。
  3. 【請求項3】 金属に対して結合性あるいは親和性を有
    する官能基が、カルボン酸基および/あるいはカルボン
    酸無水物基である請求項1および2記載のポリフッ化ビ
    ニリデン樹脂の金属への接着方法。
  4. 【請求項4】 金属に対して結合性あるいは親和性を有
    する官能基が、エポキシ基である請求項1および2記載
    のポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着方法。
  5. 【請求項5】 ポリフッ化ビニリデン樹脂が、ポリフツ
    化ビニリデン単独重合体である請求項1および2記載の
    ポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着方法。
  6. 【請求項6】 ポリフッ化ビニリデン樹脂が、四フッ化
    エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化エチレン、お
    よび三フッ化塩化エチレンから選ばれる少なくとも1種
    類のモノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体であり、
    該共重合体中のフッ化ビニリデン成分の比率が50重量
    %以上である請求項1および2記載のポリフッ化ビニリ
    デン樹脂の金属への接着方法。
  7. 【請求項7】 カルボン酸基あるいはカルボン酸無水物
    基を持つアクリル系またはメタクリル系重合体が、カル
    ボン酸基あるいはカルボン酸無水物基を有するモノマー
    0.2〜30重量部とアルキルアクリレートおよびアル
    キルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種類のモ
    ノマー100重量部からなる共重合体である請求項1お
    よび2記載のポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着
    方法。
  8. 【請求項8】 アクリル系またはメタクリル系エラスト
    マーが−10℃以下のガラス転移温度を有するグラフト
    化されたエラストマーである請求項1〜7のいずれか一
    項に記載のポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着方
    法。
  9. 【請求項9】 アクリル系またはメタクリル系エラスト
    マーが、グラフト化されたアクリル系またはメタクリル
    系エラストマー、あるいはアルキルアクリレートおよび
    アルキルメタクリレートから選ばれるモノマーの単独重
    合体あるいは共重合体がグラフトされた共役ジエン系の
    エラストマーである請求項1〜8のいずれか一項に記載
    のポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着方法。
  10. 【請求項10】 共役ジエン系のエラストマーがポリブ
    タジエンあるいはスチレンとブタジエンとの共重合体で
    ある請求項9記載のポリフッ化ビニリデン樹脂の金属へ
    の接着方法。
  11. 【請求項11】 アクリル系またはメタクリル系エラス
    トマーが、ブタジエン−スチレン共重合体の骨格を有
    し、この骨格上にC1〜C4のアルキルメタクリレート
    およびC1〜C4のアルキルアクリレートから選ばれる
    モノマーの重合体がグラフト化されているエラストマ
    ー、あるいは共役ジエンとC2〜C12のアルキルアク
    リレートとの共重合体から選択される骨格を有し、この
    骨格上にC1〜C4のアルキルアクリレートおよびC1
    〜C4のアルキルメタクリレートから選ばれるモノマー
    の重合体がグラフト化されているエラストマーである請
    求項9記載のポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着
    方法。
  12. 【請求項12】 アクリル系またはメタクリル系エラス
    トマーが、アルキルアクリレートおよびアルキルメタク
    リレートから選ばれるモノマーの単独重合体あるいは共
    重合体の骨格を有するグラフト共重合体であり、この骨
    格上に、この骨格とは異なるアルキルアクリレートおよ
    びアルキルメタクリレートから選ばれるモノマーの単独
    重合体あるいは共重合体がグラフト化されている請求項
    9記載のポリフッ化ビニリデン樹脂の金属への接着方
    法。
  13. 【請求項13】 アクリル系またはメタクリル系エラス
    トマーがの室温での曲げ弾性率が800MPa以下であ
    る請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリフッ化ビ
    ニリデン樹脂の金属への接着方法。
  14. 【請求項14】 (a)ポリフッ化ビニリデン樹脂10
    0重量部に対して、(b)カルボン酸基あるいはカルボ
    ン酸無水物基を有するアクリル系またはメタクリル系重
    合体0.5〜100重量部、(c)アクリル系またはメ
    タクリル系エラストマー1〜200重量部から構成され
    る組成物の層で被覆されたポリフッ化ビニリデン樹脂か
    らなる金属接着性ポリフッ化ビニリデン複合材料。
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