JPS6330945B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6330945B2
JPS6330945B2 JP56196542A JP19654281A JPS6330945B2 JP S6330945 B2 JPS6330945 B2 JP S6330945B2 JP 56196542 A JP56196542 A JP 56196542A JP 19654281 A JP19654281 A JP 19654281A JP S6330945 B2 JPS6330945 B2 JP S6330945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
polymer
multilayer structure
layer
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56196542A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5898352A (ja
Inventor
Kazuo Kishida
Akira Hasegawa
Masahiro Sugimori
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP19654281A priority Critical patent/JPS5898352A/ja
Publication of JPS5898352A publication Critical patent/JPS5898352A/ja
Publication of JPS6330945B2 publication Critical patent/JPS6330945B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は衝撃強度に優れ、しかも耐候性が著し
く改善された樹脂組成物に関する。さらに詳しく
は(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする特
定のアクリル系多層構造重合体とフツ素系重合体
とをブレンドする事によつて得られる強靭で耐候
性に優れるだけでなく、耐薬品性、耐熱性等も著
しく改善されたフイルム・シート用素材として好
適な樹脂組成物に関する。 アクリル酸エステル或いはメタクリル酸エステ
ル、特にメタクリル酸メチルからの重合物が極め
て美麗なる外観と卓越した耐候性を有する事は広
く知られている。しかし、ポリメタクリル酸メチ
ル(以下PMMAと略記する。)からのフイルムは
あまりにも脆弱であり、フイルム或いはシート用
素材としては全く不適当であることもまた広く知
られている。 さらに、靭性付与を目的として、ある種のゴム
成分を導入する試みが従来から提案されてきてい
るが、そのほとんどは結果的に外観が劣悪となつ
たり、耐候性が大巾に低下してしまつたりしてお
り、強靭で耐候性に優れ、しかも透明性にも優れ
るという組成物は得られていない。 本発明者らはこの様な現状に鑑み、美麗な外観
と卓越した耐候性及び強靭さを兼ね備えたフイル
ム、シート用素材として好適な組成物を得るべく
鋭意検討した結果特定のアクリル系多層構造重合
体〔〕とフツ素系重合体〔〕とを特定の範囲
で配合することにより上記目的に適う樹脂組成物
とし得ることを見出し本発明に到達した。 即ち本発明は下記に示されるアクリル系多層構
造重合体〔〕50〜99部とフツ素系重合体〔〕
1〜50部とから熱可塑性樹脂組成物にある。 ここで多層構造重合体〔〕は 60〜100部の炭素数8以下のアルキル基を有す
るアルキルアクリレート(A1)、 0〜40部の共重合可能な二重結合を有する単量
体(A2)、 0〜10部の多官能性単量体(A3)、 (A1)〜(A3)の合計量100部に対し0.1〜5
部のグラフト交叉剤の組成からなるゲル含有量60
%以上、膨潤度15以下であり、かつ当該重合体
〔〕中に占める量が5〜50%である最内層重合
体(A)と 60〜100部の炭素数4以下のアルキル基を有す
るアルキルメタクリレート(B1)、 0〜40部の共重合可能な二重結合を有する単量
体(B2)、 の組成からなり、かつ当該重合体〔〕中に占め
る量が10〜95%である最外層重合体(B)を基本構造
単位とし、望むならば重合体(A)層と重合体(B)層間
に 10〜90部の炭素数4以下のアルキル基を有する
アルキルメタクリレート(C1)、 10〜90部の炭素数8以下のアルキル基を有する
アルキルアクリレート(C2)、 0〜20部の共重合可能な二重結合を有する単量
体(C3)、 0〜10部の多官能性単量体(C4)、 (C1)〜(C4)の合計量100部に対し0.1〜5部
のグラフト交叉剤からなる中間層(C)を一層以上有
することが可能なアクリル系多層構造重合体であ
る。 またフツ素重合体〔〕は一般式CF2=CXY
を有する単量体の単独重合体もしくはこれら単量
体の2種以上からなる共重合体、又はこれらの単
量体が80%以上であるような他の単量体との共重
合体である。但し前記一般式中XはF又はHであ
り、YはF、Cl、H、CF3のいずれかである。 本発明における上記アクリル系多層構造重合体
〔〕は、その適度に架橋したネツトワーク構造
からなる架橋弾性体を芯とするため適度の強度と
柔軟性を有すると共に耐ストレス白化性や加工特
性にも優れるなどPMMAやその他の通常のリニ
アポリマーでは見られない優れた特性を示すの
で、本発明においてはかかる多層構造重合体を用
いることは最も重要な要件である。 例えばアクリル系多層構造重合体〔〕のかわ
りにPMMAを用いた場合には十分に強靭なフイ
ルムは得られない。さらに架橋弾性体成分を有す
るものでも架橋弾性体層と樹脂層の結合が不十分
なものや逆に強すぎるものを用いた場合には、外
観が劣悪なものか、或いは極めて強靭さに乏しい
フイルムしか得られない。 例えば特公昭49−37574号公報には、アクリル
系樹脂組成物とフツ化ビニリデン重合体の混合組
成物が示されているが、特公昭49−37574号公報
におけるアクリル系樹脂組成物では架橋弾性体層
と最外樹脂層の間の中間層にグラフト交叉剤を用
いていない為に架橋弾性体層と最外樹脂層の結合
が不十分であり、従つてストレスを受けたときに
容易に白化するという欠点を有しており、この欠
点はフツ素系重合体を混合しても十分には改善さ
れない。 以下に本発明で使用されるアクリル系多層構造
重合体〔〕について説明する。 アクリル系多層構造重合体〔〕を構成する最
内層重合体(A)は該重合体〔〕に柔軟性と強靭さ
を付与するものである。該重合体(A)を形成する炭
素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリ
レート(A1)としてはメチルアクリレート、エ
チルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、2―エチルヘキシルアクリレー
ト等の少なくとも一種が60〜100部の範囲で用い
られる。これらは単独重合体のガラス転移温度
(以下Tgと略記する。)が低いもの程有利である。 共重合可能な二重結合を有する単量体(A2
としては前記アルキルアクリレート(A1)と共
重合可能なもので低級アルキルメタクリレート、
低級アルコキシアクリレート、シアノエチルアク
リレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタク
リル酸等の(メタ)アクリル酸誘導体が好まし
く、またその他スチレン、アルキル置換スチレ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が
挙げられ0〜40部の範囲で用いられる。 多官能性単量体(A3)は0〜10部の範囲で用
いられ、具体的にはエチレングリコールジメタク
リレート、プロピレングリコールジメタクリレー
ト、1.3―ブチレングリコールジメタクリレート、
1.3―ブチレングリコールジメタクリレート等が
好ましく、さらにはジビニルベンゼン、アルキレ
ングリコールジアクリレート等も挙げられる。 グラフト交叉剤は前記(A1)〜(A3)の合計
量100部に対し0.1〜5部、好ましくは0.5〜2部
の範囲で用いられ、具体例としては共重合性の
α,β―不飽和モノカルボン酸又はジカルボン酸
のアリルエステル、メタアリルエステル、クロチ
ルエステル及びトリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルエ
ステルとしてはアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フマル酸及びイタコン酸等のアリルエス
テルが挙げられ、特にアリルメタクリレートが優
れた効果を示す。グラフト交叉剤の使用量が0.1
部未満のものではグラフト結合の有効量が少なす
ぎる為最終的に得られる重合体を成形する時に容
易に層破壊が生じ透明性等が大巾に低下してしま
う。また5部を超えるものでは特に弾性が低下
し、柔軟性、強靭さを充分付与することができな
い。 最内層重合体(A)のアクリル系多層構造重合体
〔〕中に占める量は5〜50%である。5%未満
の量ではアクリル系多層構造重合体〔〕に目的
とする柔軟性や強靭さを付与することができな
い。また50%を超える量ではアクリル系多層構造
重合体〔〕自体がゴム的になり取扱いが困難に
なるばかりでなく、透明性等の諸物性も大巾に低
下してしまう。なおこのアクリル系ゴムの架橋弾
性体からなる最内層重合体(A)は必要に応じて2段
構造、3段構造にすることも可能である。 さらに最内層重合体(A)は上記の他にゲル含有
量、膨潤度、粒子径等についても好ましい領域が
存在し、特にゲル含有量、膨潤度に関しては下記
の測定法で求めたゲル含有量が60%以上、好まし
くは80%以上、膨潤度が15以下、好ましくは3〜
15の範囲であることが必要である。 (ゲル含有量、膨潤度の測定法) JIS K―6388に準じ当該重合体を所定量採取
し、25℃、48時間メチルエチルケトン(以下
MEKと略記する。)中に浸漬膨潤度引き上げ、付
着したMEKを拭い取つた後その重量を測定し、
その後減圧乾燥機中でMEKを乾燥除去し恒量に
なつた絶乾重量を読みとり次式によつて算出す
る。 膨潤度=MEK膨潤後の重量―絶乾重量/絶乾重量 ゲル含有量(%)=絶乾重量/採取サンプルの重量×
100 最内層重合体(A)の粒子径については500〜5000
Åの範囲であれば最終の多層構造重合体〔〕の
透明性や耐ストレス白化性をそれほど低下させる
ことがない。 次にアクリル系多層構造重合体〔〕を構成す
る最外層重合体(B)を形成する炭素数4以下のアル
キル基を有するアルキルメタクリレート(B1
としてはメチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、ブチルメタク
リレート等の少なくとも一種が60〜100部の範囲
で用いられ、特にメチルメタクリレートが好まし
いものである。 共重合可能な二重結合を有する単量体(B2
としては炭素数8以下のアルキル基を有するアル
キルアクリレートの他前記(A2)成分に示した
ものが挙げられる。これら(B2)成分は0〜40
部の範囲で用いられる。 最外層重合体(B)のアクリル系多層構造重合体
〔〕中に占める量は10〜95%である。10%未満
の量では重合、凝固操作等の観点から安定な重合
体が得られない。また95%を超える量では最内層
重合体(A)の含有量が小さくなり目的とする弾性が
得られなくなる。 なお最外層重合体(B)の重合時には連鎖移動剤等
を用いて重合度を調節することも可能であり、む
しろ好ましい場合も多い。 本発明で使用するアクリル系多層構造重合体
〔〕は上記最内層重合体(A)及び最外層重合体(B)
を基本構造単位とするものであるが、さらに必要
に応じ該重合体(A)層と該重合体(B)層間に10〜90部
の炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメ
タクリレート(C1)、90〜10部の炭素数8以下の
アルキル基を有するアルキルアクリレート
(C2)、0〜20部の共重合可能な二重結合を有す
る単量体(C3)、0〜10部の多官能性単量体
(C4)、(C1)〜(C4)の合計量100部に対し0.1〜
5部のグラフト交叉剤の組成からなる中間層(C)が
少なくとも一層配設されていることが可能であ
る。ここで(C1)〜(C4)の成分及びグラフト
交叉剤は前記重合体(A)及び重合体(B)で使用される
各成分と同様のものが使用される。 なお中間層(C)においてもグラフト交叉剤は必須
であり、これを用いない場合には多層構造重合体
が応力をうけた時に容易に白化しやすいものとな
り望ましい物性のものは得られない。好ましいグ
ラフト交叉剤の使用量は中間層(C)を構成する他の
単量体の合計量100部に対し0.5〜2部である。 アクリル系多層構造重合体〔〕中の中間層(C)
の占める量は70%以下が適当であり、70%を超え
ると最終重合体全体のバランスをくずすので好ま
しくない。 最外層重合体(B)及び中間層重合体(C)は最内層重
合体(A)にある程度グラフトしている事が必要であ
り、下記の測定法で求めたグラフト率の値が25%
以上であることが好ましい。 (グラフト率の測定法) 100mlの三角フラスコに試料0.5gを秤量し
MEK50mlを加えて一昼夜放置後、これを遠心分
離機にて可溶分と不溶分を分離する。不溶分は減
圧乾燥して恒量にして重量を測定しこれをグラフ
トゴム分とする。 グラフト率(%) =グラフトゴム分―架橋弾性体成分量/架橋弾性体
成分量×100 アクリル系多層構造重合体〔〕は通常の乳化
重合法による逐次多段重合法によつて容易に得ら
れる。即ち最内層重合体(A)をまず乳化重合法によ
つて得た後該重合体(A)の存在下で次層を重合す
る。この場合新たな重合体粒子を形成させるよう
な乳化剤の追加を行なわない。以後これをくり返
して当該多層構造重合体〔〕の重合を完了す
る。重合に際して使用する乳化剤、触媒、凝固剤
等については特に規制されないものである。なお
乳化重合後最外層重合体(B)のみを懸濁重合に転換
させる乳化懸濁重合法も有利な方法である。 また本発明で用いられるフツ素系重合体〔〕
は一般式CF2=CXY(但しX=F又はH、Yは
F、Cl、H、CF4のいずれかである。)の構造式
で示される単量体の単独重合体、もしくはこれら
単量体の2種以上からなる共重合体、又はこれら
の単量体が80重量%以上であるような他の単量体
との共重合体であり、その代表例としては弗化ビ
ニリデン重合体、四弗化エチレン重合体、三弗化
塩化エチレン重合体、四弗化エチレンと六弗化プ
ロピレンの共重合体、四弗化エチレンと弗化ビニ
リデンの共重合体などを挙げることが出来る。 本発明においてアクリル系多層構造重合体
〔〕にフツ素系重合体〔〕をブレンドするこ
とにより得られる樹脂組成物を成形して得られる
フイルムはフツ素系重合体〔〕をブレンドしな
いアクリル系多層構造重合体〔〕のみからなる
フイルムに比較してフイルムとしての強靭さが著
るしく向上するだけでなく耐候性、耐薬品性、熱
安定性等の諸特性も著るしく改善される。 アクリル系多層構造重合体〔〕とフツ素系重
合体〔〕との配合割合はアクリル系多層構造重
合体〔〕99〜50部、フツ素系重合体〔〕1〜
50部であり非常に望ましい性質の組成物を得る為
には両者の配合割合は上記範囲内にあることが必
要である。 すなわちフツ素系重合体〔〕の量が1部未満
では強靭さや耐候性はほとんど改善されず、逆に
50部を超えると成形性が低下して外観が粗悪にな
るばかりか成形物の接着加工性が大幅に低下する
などの欠点が生じてくる。 アクリル系多層構造重合体〔〕とフツ素系重
合体〔〕との混合は固体状の2種の重合体をそ
れらの軟化点以上の温度に加熱し、そして機械的
に混合するという手法が好ましく、混合物が同時
にせん断圧縮されるようなスクリユー型押出機を
通すとか、加熱ロール間での混練り、バンバリー
型ミキサーの如き加熱高せん断混合装置中での混
合等の適当な混合方法を用いる事が出来る。 このようにして得られる本発明の樹脂組成物は
通常の方法、例えばT―ダイ法、インフレーシヨ
ン法、或いはカレンダー法等により容易に耐候
性、耐衝撃性及び外観等の優れた透明なフイルム
或いはシートに成形することが出来る。 また本発明の樹脂組成物には必要に応じて酸化
防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、加工性改
良のための助剤等の通常の添加剤を添加する事が
可能なだけでなく、物性を低下させない範囲内で
他の重合体をも含むことが可能である。更にまた
フイルム又はシートとした後、例えば木目などの
印刷を施し、装置効果を向上させることも出来
る。 本発明の樹脂組成物からのフイルム或いはシー
トは強靭で耐候性に優れ、しかも極めて美麗な外
観を有しているので金属、プラスチツク、木など
に貼り合わせることにより装飾効果を付与するだ
けでなく耐候性を著るしく改善することが出来
る。 以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明は必ずしもそれらに限定されるもので
はない。実施例における部数はいずれも重量部数
である。 また実施例、比較例中で用いる略語は下記の通
りである。 MMA :メチルメタクリレート BuA :ブチルアクリレート AMA :アリルメタクリレート n―C8SH:n―オクチルメルカプタン CHP :クメンハイドロパーオキサイド SFS :ソデウムホルムアルデヒドスルフオキ
シレート また実施例、比較例中の物理特性の測定法は下
記の方法によつて求めたものである。 引張強度:JIS Z―170―2に準拠して測定し
たものである。 引張伸度:同上 曇 価 :積分球式ヘイズメーターにより
ASTM D―1003―61に基いて測定
したものである。 デユポン衝撃試験:R=1/2インチの先端を用 い20℃にて荷重1Kg、高さ50cmから落下して試験
した。 引張伸度保持率:サンシヤインウエザオメータ
ーによる3000時間加速曝露試験後の
引張伸度保持率を求めたもの(耐候
性の尺度を表わす)。 実施例 1 撹拌機、窒素ガス導入管、冷却器のついた反応
容器内に蒸留水200部、スルフオコハク酸エステ
ルソーダ塩1.0部、SFS0.03部を仕込み窒素気流下
で撹拌し容器内を充分に窒素置換を行なう。その
後反応容器を50℃に昇温し、撹拌下でBuA25.5
部、MMA4.5部、AMA0.15部及びこれらにあら
かじめ溶解させたCHP(0.1%対単量体混合物)の
混合物を60分にわたつて容器内に添加し、さらに
2時間保持して最内層(A)の重合を完了させた。こ
の最内層重合体(A)のゲル含有量は90.5%、膨潤度
は7.2であり、平均粒子径は約0.12μであつた。 次いで反応容器の温度を80℃まで昇温し、0.14
部のSFSを少量の水に溶解したものを添加した
後、MMA63部、BuA7部及びCHP(0.3%対単量
体混合物)の混合物を約4時間にわたつて徐々に
添加し、さらに1時間保持して最外層(B)の重合を
行なつた。 このようにして得られたラテツクスは塩化カル
シウムを用いて凝析、凝集、固化反応を行ない、
過、洗浄、脱水後乾燥してパウダー状の多層構
造重合体〔―1)を得た。多層構造重合体〔
―1〕のグラフト率は107%であつた。 多層構造重合体〔―1〕90部とポリフツ化ビ
ニリデン(商品名 カイナー500、ベンウオルト
社製)10部をヘンシエルミキサーでブレンド後ス
クリユー型押出機によりペレツト化した。このペ
レツトをインフレーシヨン法で厚さ80μのフイル
ムに成形した。フイルムの性質は引張強度310Kg/
cm2、引張伸度150%、曇価5.5%であつた。このフ
イルムを亜鉛メツキ0.5m/m冷延鋼板に接着剤を
用いて貼合せ、この貼合せ試料についてデユポン
衝撃試験を行なつたがフイルムの破損及び打撃面
の白化現象はみられなかつた。 更にこのフイルムの引張伸度保持率は91%であ
つた。 比較例 1 実施例1で得た多層構造重合体〔―1〕のみ
を用いインフレーシヨン法で得られたフイルム
(75μ厚)の引張強度は250Kg/cm2、引張伸度は90
%、曇価は5.7であつた。ポリフツ化ビニリデン
を混和した場合に比べ引張強伸度が小さく外観も
劣つた。 またこのフイルムの引張伸度保持率は78%であ
つた。ポリフツ化ビニリデンを混和した場合に比
べ耐候性も劣つている。 比較例 2 多層構造重合体の最内層(A)の重合時にグラフト
交叉剤を全く用いない他は実施例1と同一の手順
で得られたフイルム(75μ厚)の引張強度は240
Kg/cm2、引張伸度は50%、曇価は75%であり、実
施例1で得られたフイルムに比べ引張強伸度の値
が小さく、曇価が著しく大きい。またこのフイル
ムを亜鉛メツキ0.5m/m冷延鋼板に貼り合せ、デ
ユポン衝撃試験を行なつたところクラツクの発生
及び衝撃部分の白化が認められた。 比較例 3 PMMA90部とポリフツ化ビニリデン(商品名
カイナー500、ペンウオルト社製)10部とを混
和して得られるフイルムは透明性が極めて良好で
あるが引張伸度は10%以下であり極めてもろい。 実施例 2 実施例1で用いたのと同じ反応容器に蒸留水
200部、スルフオコハク酸のエステルソーダ塩1.5
部、SFS0.1部を仕込み、窒素気流下で撹拌する
ことによつて容器内を充分に窒素置換する。 次いで反応容器を50℃に昇温し、撹拌下で
BuA85部、MMA15部、AMA0.75部及びCHP0.1
部からなる単量体混合物を1時間にわたつて容器
内に添加しさらに2時間保持して最内層(A)の重合
を完了させた。この最内層(A)のゲル含量は96.5
%、膨潤度は6.5であり、平均粒子径は0.14μであ
つた。 この最内層重合体のラテツクス90部(固形分換
算で30部)に蒸留水140部、スルフオコハク酸エ
ステルソーダ塩0.5部を加え容器内を再び充分に
窒素置換したのち80℃に昇温し、少量の水に溶解
したSFS0.04部を添加した後にMMA10部、
BuA10部、AMA0.15部及びCHP0.06部からなる
単量体混合物を2時間にわたつて滴下し、さらに
1時間保持して中間層(C)の重合を完了した。 次いでMMA40部、BuA10部及びCHP0.15部か
らなる単量体混合物を4時間にわたつて添加し、
さらに1時間保持して最外層(B)の重合を完了させ
た。 このようにして得られたラテツクスを実施例1
と同様に処理して多層構造重合体〔―2〕を得
た。多層構造重合体〔―2〕のグラフト率は
118%であつた。 多層構造重合体〔―2〕とポリフツ化ビニリ
デン(商品名 カイナー500、ペンウオルト社製)
とを表1に示した比率でブレンドした混合物から
製造したフイルム(75μ厚)の物性値を表1に示
した。 またこれらのフイルムについても亜鉛メツキ
0.5m/m冷延鋼板に貼合せデユポン衝撃試験を行
なつたがいずれのフイルムにおいてもフイルムの
破損及び打撃面の白化現象はみられなかつた。
【表】 実施例 3 実施例1と同じ反応容器に蒸留水200部、
SFS0.1部を仕込み、窒素気流下で撹拌すること
によつて容器内を充分に窒素置換する。 次いで反応容器を70℃に昇温し、撹拌下で
BuA90部、MMA10部、AMA1.0部、CHP0.1部
及びスルフオコハク酸エステルソーダ塩3部の混
合物を2時間にわたつて添加し、さらに30分保持
して最内層(A)の重合を完了させた。この最内層(A)
のゲル含量は93.5%、膨潤度は9.5であり、平均
粒子径は0.11μであつた。 この最内層(A)重合体のラテツクス75部(固形分
換算で25部)に充分に窒素置換した蒸留水150部
を加え、反応系の温度を85℃まで昇温する。 次いで少量の水に溶解したSFS0.075部を添加
した後、MMA15部、BuA10部、AMA0.25部及
びCHP0.1部からなる単量体混合物を1時間にわ
たつて添加し、さらに30分保持して中間層(C)の重
合を完了した。 さらにSFS0.025部を少量の水にとかして加え
た後、MMA95部、BuA5部、n―C8SH0.2部及
びCHP0.1部からなる単量体混合物を2時間にわ
たつて滴下し、その後85℃で1時間反応を続け最
外層(B)の重合を完了させた。 このようにして得られたラテツクスを実施例1
と同様の手順で処理し、粉体状の多層構造重合体
〔―3〕を得た。この多層構造重合体〔―3〕
のグラフト率は84%であつた。 多層構造重合体〔―3〕90部と四弗化エチレ
ンと二弗化ビニリデンとの共重合体(商品名 カ
イナーSL、ペンウオルト社製)10部をブレンド
し実施例1と同様にして75μ厚のフイルムを得
た。 得られたフイルムの引張強度は317Kg/cm2、引張
伸度は165%、曇価は62%であり、引張伸度保持
率は93%であつた。 またこのフイルムを亜鉛メツキ0.5m/m冷延鋼
板に貼り合わせ、デユポン衝撃試験を行なつたが
フイルムの破損及び打撃面の白化現象はみられな
かつた。 比較例 4 中間層(C)の重合時にグラフト交叉剤を用いない
他は実施例3と全く同様にして多層構造重合体を
製造した。 この多層構造重合体90部と四弗化エチレンと二
弗化ビニリデンとの共重合体(商品名 カイナー
SL、ペンウオルト社製)10部をブレンドし実施
例1と同様にして75μ厚のフイルムを得た。 得られたフイルムの引張強度は280Kg/cm2、引張
伸度は110%、曇価は13.2%であり、いずれも実
施例3で示した値より劣つていた。 さらに実施例3と同様にデユポン衝撃試験を行
なつたところ、フイルムの破損は認められなかつ
たが打撃面は部分的にではあるが明らかに白化現
象を呈しており耐衝撃性が本発明品に比べ劣つて
いた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記に示されるアクリル系多層構造重合体
    〔〕50〜99重量部(以下部と略記する。)とフツ
    素系重合体〔〕1〜50部とからなる熱可塑性樹
    脂組成物。 アクリル系多層構造重合体〔〕: 60〜100部の炭素数8以下のアルキル基を有す
    るアルキルアクリレート(A1)、 0〜40部の共重合可能な二重結合を有する単量
    体(A2)、 0〜10部の多官能性単量体(A3)、 (A1)〜(A3)の合計量100部に対し0.1〜5
    部のグラフト交叉剤の組成からなるゲル含有量60
    重量%(以下%と略記する。)以上、膨潤度15以
    下であり、かつ当該重合体〔〕中に占める量が
    5〜50%である最内層重合体(A)と 60〜100部の炭素数4以下のアルキル基を有す
    るアルキルメタクリレート(B1)、 0〜40部の共重合可能な二重結合を有する単量
    体(B2)、 の組成からなり、かつ当該重合体〔〕中に占め
    る量が10〜95%である最外層重合体(B)を基本構造
    単位とし、望むならば重合体(A)層と重合体(B)層間
    に 10〜90部の炭素数4以下のアルキル基を有する
    アルキルメタクリレート(C1)、 10〜90部の炭素数8以下のアルキル基を有する
    アルキルアクリレート(C2)、 0〜20部の共重合可能な二重結合を有する単量
    体(C3)、 0〜10部の多官能性単量体(C4)、 (C1)〜(C4)の合計量100部に対し0.1〜5部
    のグラフト交叉剤からなる中間層(C)を一層以上有
    することが可能なアクリル系多層構造重合体
    〔〕。 フツ素系重合体〔〕: 一般式CF2=CXYを有する単量体の単独重合
    体もしくはこれら単量体の2種以上からなる共重
    合体、又はこれらの単量体が80%以上であるよう
    な他の単量体との共重合体。 但し前記一般式中XはF又はHであり、Yは
    F、Cl、H、CF3のいずれかである。
JP19654281A 1981-12-07 1981-12-07 熱可塑性樹脂組成物 Granted JPS5898352A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19654281A JPS5898352A (ja) 1981-12-07 1981-12-07 熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19654281A JPS5898352A (ja) 1981-12-07 1981-12-07 熱可塑性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5898352A JPS5898352A (ja) 1983-06-11
JPS6330945B2 true JPS6330945B2 (ja) 1988-06-21

Family

ID=16359466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19654281A Granted JPS5898352A (ja) 1981-12-07 1981-12-07 熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5898352A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3907019A1 (de) * 1989-03-04 1990-09-06 Roehm Gmbh Thermoplastisch verarbeitbare loesungsmittelbestaendige kunststoffmischungen

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50153058A (ja) * 1974-05-07 1975-12-09
JPS51129449A (en) * 1975-05-06 1976-11-11 Mitsubishi Rayon Co Ltd Multi-layered polymeric composition
JPS5257250A (en) * 1975-10-31 1977-05-11 Labofina Sa High impact polystylene composition

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50153058A (ja) * 1974-05-07 1975-12-09
JPS51129449A (en) * 1975-05-06 1976-11-11 Mitsubishi Rayon Co Ltd Multi-layered polymeric composition
JPS5257250A (en) * 1975-10-31 1977-05-11 Labofina Sa High impact polystylene composition

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5898352A (ja) 1983-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0060042B1 (en) Multi-layer structure polymer composition
JPS638983B2 (ja)
JP4818914B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2942524B2 (ja) 耐衝撃性アクリル系樹脂組成物
JPH0315648B2 (ja)
JPS6377963A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0315650B2 (ja)
JPS6330945B2 (ja)
JPH03124754A (ja) 耐衝撃性フイルム
JP3307989B2 (ja) ラミネート用艶消フィルム
JPH037704B2 (ja)
JPS648665B2 (ja)
JP3370510B2 (ja) ラミネート用艶消しフィルムおよびそれを用いた積層物
JPS6334898B2 (ja)
JPH09272777A (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた積層物
JPH0314069B2 (ja)
JPH0466903B2 (ja)
JPS5938056A (ja) ポリカ−ボネ−ト積層板
JPS59127754A (ja) 耐候性を有する積層構造物
JPH0242382B2 (ja)
JPS6320459B2 (ja)
JP2000327874A (ja) ラミネートアクリル樹脂フイルムおよび積層体
JPH0583578B2 (ja)
JPH0422937B2 (ja)
JP2000072895A (ja) ラミネ―ト用アクリル樹脂フィルムおよび積層体