JP3370510B2 - ラミネート用艶消しフィルムおよびそれを用いた積層物 - Google Patents
ラミネート用艶消しフィルムおよびそれを用いた積層物Info
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Description
改良されたラミネート用艶消しフィルムおよびそれを用
いた積層物に関する。
品は一般に艶があり、それが用途によっては重要な特性
とされている。しかし、一方ではこのような艶を必要と
しなかったり、艶がないほうが好まれる用途も多い。と
りわけ車両内装材、家具や電気機器のハウジング、壁
紙、建材等の用途には艶消し性が好まれる。
して(1)紋つけ加工、艶消し加工による方法、(2)
無機物または有機物の艶消し剤を添加する方法とに分け
られる。
少ないという利点はあるものの生産性は悪く加工費がか
さむ上、艶消し効果も不十分であり、多くの場合二次加
工をほどこす用途には不向きである。一方、上記(2)
の方法は、生産性がそれほど低下せずに、艶消しの程度
のコントロールも可能であり、二次加工をほどこす用途
にも適用できるが、物性の低下という大きな問題を含ん
でいる。特にシリカゲルなどの無機物を艶消し剤として
用いた場合には、耐衝撃性、強伸度、透明性などの物性
の低下が著しい。
方法として、特開昭56−36535号公報に記載され
るように懸濁重合することによって得られる平均粒子粒
径が35〜500μの架橋ポリマーを用いる方法があ
る。この方法では、耐衝撃性や強伸度の物性の低下は小
さいが、艶消し効果は不十分である。また、この方法で
使用するポリマーは、半架橋構造を有する重合体である
ために、フィルム状に賦形した場合、比較的ブツが発生
しやすい。また、アクリル樹脂に使用してフィルム状に
した場合、透明性が劣るため透明性が要求される用途に
は使用できないという問題点があった。
が、ヨーロッパ特許EP−627469号公報に提案さ
れている。この方法では、艶消し性、外観および透明性
が大幅に改良されている。
(2)の方法によって得られた艶消しフィルムは何らか
の艶消し剤を使用するために必然的に耐折り曲げ白化性
が劣り、耐折り曲げ白化性が要求される用途には使用で
きないという問題点があった。
とするものであり、艶消し性、外観および透明性を損な
うことなく耐折り曲げ白化性を改良するものであり、耐
折り曲げ白化性の要求される用途でも使用可能としたも
のである。
を解決するために鋭意検討の結果、アクリル樹脂に、水
酸基を有する直鎖状重合体と特定のポリアルキレングリ
コールを配合することにより、得られるフィルム状物が
艶消し効果を損なわずに耐折り曲げ白化性が改良される
ことを見い出し本発明に到達した。
クリル樹脂(A)100重量部に対して、下記に示す水
酸基を有する直鎖状重合体(B)1〜40重量部および
平均分子量200〜100,000のポリアルキレング
リコール(C)1〜20重量部を配合してなる熱可塑性
樹脂組成物(I)をフィルム化して得られる耐折り曲げ
白化性が改良されたラミネート用艶消しフィルムにあ
り、またそのフィルムを用いた積層物にある。
キルエステルおよび/またはメタクリル酸ヒドロキシア
ルキルエステル(b−1)1〜80重量%、アルキル基
の炭素数1〜13のメタクリル酸アルキルエステル(b
−2)10〜99重量%、アルキル基の炭素数1〜8の
アクリル酸アルキルエステル(b−3)0〜79重量
%、および共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも
1種0〜50重量%(b−4)を重合して得られる、水
酸基を有する直鎖状重合体。
(A)としては公知のものが使用可能である。なお、こ
こで言うアクリル樹脂とは、樹脂組成物中にメタクリル
酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸アルキル
エステルを20重量%以上含有しているものをいう。ア
クリル樹脂の中でも以下に示す多層構造重合体(A−
1)あるいは重合体(A−2)が特に成形性、艶消し性
発現に優れている。
1)は、(i)炭素数1〜8のアルキル基を有するアク
リル酸アルキルエステルまたは炭素数1〜4のアルキル
基を有するメタクリル酸アルキルエステル(A−1−a
1)80〜100重量部、共重合可能な二重結合を有す
る他の単量体(A−1−a2)0〜20重量部および多
官能性単量体(A−1−a3)0〜10重量部の合計量
100重量部に対し、0.1〜5重量部のグラフト交叉
剤(A−1−a4)を重合して得られる最内層重合体
(A−1−a)、(ii)炭素数1〜8のアルキル基を有
するアクリル酸アルキルエステル(A−1−b1)80
〜100重量部、共重合可能な二重結合を有する他の単
量体(A−1−b2)0〜20重量部、多官能性単量体
(A−1−b3)0〜10重量部の合計量100重量部
に対し、0.1〜5重量部のグラフト交叉剤(A−1−
b4)を重合して得られる架橋弾性重合体(A−1−
b)、(iii)炭素数1〜4のメタクリル酸アルキルエ
ステル(A−1−c1)51〜100重量部、および共
重合可能な二重結合を有する他の単量体(A−1−c
2)0〜49重量部を重合して得られるガラス転移温度
が60℃以上である最外層重合体(A−1−c)を基本
構造とし、上記架橋弾性重合体(A−1−b)と上記最
外層重合体(A−1−c)との間に(iv)炭素数1〜8
のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル(A
−1−d1)10〜90重量%、炭素数1〜4のアルキ
ル基を有するメタクリル酸アルキルエステル(A−1−
d2)10〜90重量%、共重合可能な二重結合を有す
る単量体(A−1−d3)0〜20重量部、および多官
能性単量体(A−1−d4)0〜10重量部の合計量1
00重量部に対して、0.1〜5重量部のグラフト交叉
剤(A−1−d5)を重合して得られるアクリル酸アル
キルエステル量が上記架橋弾性重合体(A−1−b)か
ら上記最外層重合体(A−1−c)に向かって単調に減
少するような少なくとも1つの中間層重合体(A−1−
d)の層を有し、ゲル含有量が50重量%以上であるこ
とを特徴とするものである。
1)の最内層重合体(A−1−a)を構成するのに使用
されるアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸
アルキルエステル(A−1−a1)としては、炭素数1
〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステ
ル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸n−オクチル等、および炭素
数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエ
ステル、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙
げられ、アクリル酸アルキルエステルとしてはガラス転
移温度(以下、Tgと略記する。)の低いものの使用が
好ましい。これらのアクリル酸アルキルエステルおよび
メタクリル酸アルキルエステルは、1種または2種以上
を混合して用いられ、その使用量は、単量体(A−1−
a1)〜(A−1−a3)の合計量100重量部中、8
0〜100重量部の範囲で用いられる。また、これらの
アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキ
ルエステルは、その後に続いて重合される各段の重合体
において統一して用いる場合が最も好ましいが、最終目
的によっては2種以上の単量体を混合して用いたり、別
種のアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸ア
ルキルエステルを用いることができる。
(A−1−a2)としては、アクリル酸高級アルキルエ
ステル、アクリル酸低級アルコキシエステル、アクリル
酸シアノエチルエステル、アクリルアミド、アクリル
酸、メタクリル酸等のアクリル系単量体の使用が好まし
く、単量体(A−1−a1)〜(A−1−a3)の合計
量100重量部中、0〜20重量部の範囲で用いられ
る。また、その他の単量体として(A−1−a)成分
中、20重量部を超えない範囲でスチレン、アルキル置
換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
が使用できる。これらの単量体は、1種または2種以上
混合して用いられる。
は、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル
酸1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸1,4
−ブチレングリコール、およびメタクリル酸プロピレン
グリコール等のジメタクリル酸アルキレングリコールエ
ステルの使用が好ましく、ジビニルベンゼン、トリビニ
ルベンゼン等のポリビニルベンゼン、およびジアクリル
酸アルキレングリコールエステル等も使用可能である。
これらの単量体は、それらが含まれる層自体を橋架けす
るのに有効に働き、他層との層間の結合には作用しな
い。多官能性単量体(A−1−a3)は、全く使用しな
くてもグラフト交叉剤が存在する限りかなり安定な多層
構造体を与えるが、熱間強度等が厳しく要求される場合
などその添加目的に応じて任意に用いられる。その使用
量は単量体(A−1−a1)〜(A−1−a3)の合計
量100重量部中、0〜10重量部である。その使用量
が10重量部を超える場合は、多層構造重合体の物性の
低下を招くようになる。
は、共重合性のα,β−不飽和カルボン酸またはジカル
ボン酸のアリル、メタリルまたはクロチルエステル、好
ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸および
フマル酸のアリルエステルが挙げられる。特にメタクリ
ル酸アリルが優れた効果を有する。その他トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレート等も有効であ
る。このようなグラフト交叉剤は、主としてそのエステ
ルの共役不飽和結合がアリル基、メタリル基またはクロ
チル基よりはるかに早く反応し、化学的に結合する。こ
の間アリル基、メタリル基またはクロチル基の実質上か
なりの部分は次層重合体の重合中に有効に働き隣接二層
間にグラフト結合を与えるものである。
り、単量体(A−1−a1)〜(A−1−a3)の合計
量100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは
0.5〜2重量部の範囲で用いられる。0.1重量部未
満では、グラフト結合の有効量が少なく、また、5重量
部を超えると、次の2段目に重合形成される架橋弾性重
合体(A−1−b)との反応量が大となり、本発明の特
徴の1つである2層弾性体構造からなる2層架橋ゴム弾
性体(最内層重合体(A−a)の外側に架橋弾性体(A
−1−b)の層が形成されている)の弾性低下を招くよ
うになる。
重合体(A−1−a)の含有量は5〜35重量%の範囲
が好ましく、より好ましくは5〜15重量%であり、架
橋弾性重合体(A−1−b)の含有量より低いことが好
ましい。
る架橋弾性重合体(A−1−b)は、多層構造重合体
(A−1)にゴム弾性を付与する重要な成分である。
のに使用されるアクリル酸アルキルエステル(A−1−
b1)としては、上記最内層重合体(A−1−a)の
(A−1−a1)で記載した炭素数1〜8のアルキル基
を有するアクリル酸アルキルエステルが用いられる。ア
クリル酸アルキルエステル(A−1−b1)の使用量
は、単量体(A−1−b1)〜(A−1−b3)の合計
量100重量部中、80〜100重量部の範囲である。
特に、架橋弾性重合体(A−1−b)は、弾性体である
ためTgが低い方が好ましく、主成分であるアクリル酸
アルキルエステル(A−1−b1)としてはアクリル酸
n−ブチルの使用が好ましい。
(A−1−b2)としては、上記最内層重合体(A−1
−a)の(A−1−a1)で記載した炭素数1〜4のア
ルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルと、
(A−1−a2)で記載した単量体が用いられる。共重
合可能な二重結合を有する他の単量体(A−1−b2)
の使用量は、単量体(A−1−b1)〜(A−1−b
3)の合計量100重量部中、0〜20重量部の範囲で
ある。使用量が20重量部を超えるとゴム弾性の低下を
招くようになる。
は、上記最内層重合体(A−1−a)の(A−1−a
3)で記載した単量体が用いられる。多官能性単量体
(A−1−b3)の使用量は、単量体(A−1−b1)
〜(A−1−b3)の合計量100重量部中、0〜10
重量部の範囲である。使用量が10重量部を超えると多
層構造重合体の物性低下を招くようになる。
は、上記最内層重合体(A−1−a)の(A−1−a
4)で記載した化合物が用いられる。グラフト交叉剤
(A−1−b4)の使用量は、単量体(A−1−b1)
〜(A−1−b3)の合計量100重量部に対して0.
1〜5重量部の範囲である。
性重合体(A−1−b)の含量は10〜45重量%の範
囲が好ましく、上記最内層重合体(A−1−a)の含量
より高いことがより好ましい。
弾性重合体(A−1−b)とからなる2層の架橋ゴム弾
性体は、下記の測定法で求めたゲル含量が85重量%以
上、および膨潤度が3〜13の範囲に設定されているこ
とが優れた耐溶剤性および耐温水白化性を得るために好
ましい。
を所定量採取し、25℃で、48時間メチルエチルケト
ン(以下、MEKと略記する。)中に浸透し膨潤させた
後引き上げ、付着したMEKを拭き取った後その重量を
測定し、その後減圧乾燥機中でMEKを除去し恒量にな
った絶乾重量を測定し次式により算出した。
100 さらに、多層構造重合体(A−1)を構成する最外層重
合体(A−1−c)は、多層構造重合体(A−1)に成
形性、機械的性質を付与する成分である。
に使用されるメタクリル酸アルキルエステル(A−1−
c1)としては、上記最内層重合体(A−1−a)の
(A−1−a1)で記載した炭素数1〜4のアルキル基
を有するメタクリル酸アルキルエステルが用いられる
が、外観の点からメタクリル酸メチルの使用が好まし
い。メタクリル酸アルキルエステルの使用量は、単量体
(A−1−c1)〜(A−1−c2)の合計量100重
量部中、51〜100重量部(合計100重量部)の範
囲である。使用量が51重量部未満では、Tgが低くな
り、以下に記す通りの物性の低下を招くようになる。
(A−1−c2)としては、上記最内層重合体(A−1
−a)の(A−1−a1)で記載した炭素数が1〜8の
アルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと、
(A−1−a2)で記載した単量体が用いられる。共重
合可能な二重結合を有する他の単量体(A−1−c2)
の使用量は、単量体(A−1−c1)〜(A−1−c
2)の合計量100重量部中、0〜49重量部の範囲で
ある。使用量が49重量部を超えるとTgが低くなり、
以下に記す通りの物性の低下を招くようになる。
量体(A−1−c1)および(A−1−c2)で構成さ
れるが、優れた耐溶剤性、耐温水白化性を得るために
は、最外層重合体(A−1−c)単独のTgが60℃以
上、好ましくは80℃以上となるようにすることが必要
である。最外層重合体(A−1−c)単独のTgが60
℃未満では、多層構造重合体(A−1)のゲル含有量
が、例え50重量%以上であっても、耐溶剤性、耐温水
白化性に優れたものを得ることが困難となる。
外層重合体(A−1−c)の含有量は10〜80重量%
の範囲が好ましく、より好ましくは40〜60重量%で
ある。
最内層重合体(A−1−a)、架橋弾性重合体(A−1
−b)、および最外層重合体(A−1−c)を基本構造
とし、さらに、最内層重合体(A−1−b)と最外層重
合体(A−1−c)との間に、中間層重合体(A−1−
d)の層が設けられている。
〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル
(A−1−d1)、炭素数1〜4のアルキル基を有する
メタクリル酸アルキルエステル(A−1−d2)、共重
合可能な二重結合を有する単量体(A−1−d3)、多
官能性単量体(A−1−d4)、およびグラフト交叉剤
(A−1−d5)から構成される。中間層重合体(A−
1−d)は、架橋弾性重合体(A−1−b)層と最外層
重合体(A−1−c)層とをつなぐ層であり、温水白化
性に影響するため、中間層重合体(A−1−d)を構成
するアクリル酸アルキルエステル(A−1−d1)の量
が架橋弾性重合体(A−1−b)から最外層重合体(A
−1−c)に向って単調に減少するように少なくとも1
つの層が配設されていることが必要である。
に使用されるアクリル酸アルキルエステル(A−1−d
1)としては、上記最内層重合体(A−1−a)の(A
−1−a1)および上記架橋弾性重合体(A−1−b)
の(A−1−b1)で記載した炭素数が1〜8のアルキ
ル基を有するアクリル酸アルキルエステルが用いられ
る。その使用量は単量体(A−1−d1)〜(A−1−
d4)の合計量100重量部中、10〜90重量部の範
囲である。
d2)としては、上記最内層重合体(A−1−a)の
(A−1−a1)および上記最外層重合体(A−1−
c)の(A−1−c1)で記載した炭素数が1〜4のア
ルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルが用い
られる。その使用量は、単量体(A−1−d1)〜(A
−1−d4)の合計量100重量部中、10〜90重量
部の範囲である。
−1−d3)および多官能単量体(A−1−d4)とし
ては、上記最内層重合体(A−1−a)の(A−1−a
2)および(A−1−a3)で記載した単量体を用いる
ことができる。その使用量は、それぞれ単量体(A−1
−d1)〜(A−1−d4)の合計量100重量部中、
0〜20重量部および0〜10重量部の範囲である。
は、上記最内層重合体(A−1−a)の(A−1−a
4)で記載した化合物が用いられる。その使用量は単量
体(A−1−d1)〜(A−1−d4)の合計量100
重量部に対して0.1〜5重量部の範囲である。中間層
重合体(A−1−d)において使用されるグラフト交叉
剤(A−1−d5)は、架橋弾性重合体(A−1−b)
と最外層重合体(A−1−c)とを密に結合させて優れ
た諸性を得るための必須成分である。
重合体(A−1−d)の含有量は5〜35重量%の範囲
が好ましく、より好ましくは7〜25重量%である。5
重量%未満では中間層としての機能を失い、一方、35
重量%を超えると多層構造重合体のバランスが損なわれ
るようになる。
1)は、上記の最内層重合体(A−1−a)、架橋弾性
重合体(A−1−b)、最外層重合体(A−1−c)、
および中間層重合体(A−1−d)の重合体層から構成
されるものであるが、本発明のアクリルフィルムに優れ
た艶消し性を発現させるためには、多層構造重合体(A
−1)のゲル含有量が50重量%以上であることが好ま
しく、さらにこの多層構造重合体(A−1)が優れた耐
溶剤性、耐温水白化性を得るためにも、ゲル含有量が6
0重量%以上であることが好ましい。
橋ゴム弾性体自体と、中間層重合体(A−1−d)、お
よび最外層重合体(A−1−c)の上記2層架橋ゴム弾
性体へのグラフト成分を含むものである。ここでいうゲ
ル含有量は、多層構造重合体の(A−1)の1重量%M
EK溶液を調製し、25℃にて一昼夜放置後、1600
0r.p.mで90分間遠心分離を施した後の不溶分の
重量%である。成分としては2層架橋ゴム弾性体とグラ
フト層との加算重量であり、グラフト率で置き換えるこ
ともできるが、本発明では特殊な構造を有するのでゲル
含有量をもってグラフト量の目安とした。
方法としては、乳化重合法による逐次多段重合法が最も
適した重合法であるが、特にこれに制限されることはな
く、例えば乳化重合後最外層重合体(A−1−c)の重
合時に懸濁重合系に転換させる乳化懸濁重合によって行
うことができる。
して、次の重合体(A−2)を用いることができる。
2−1)0.1〜20重量%、ゴム含有重合体(A−2
−2)55〜99.9重量%、および熱可塑性重合体
(A−2−3)0〜44.9重量%からなり、(A−2
−1)、(A−2−2)および(A−2−3)の各重合
体の合計が100重量%である。また、優れた艶消し
性、耐折曲白化性を発現させるためにゲル含量が50重
量%以上であることが必要である。以下において(A−
2−1)〜(A−2−3)の各重合体について説明す
る。
(A−2−1)は、メタクリル酸メチル50〜100重
量%と共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種
0〜50重量%からなり、重合体の還元粘度(重合体
0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で
測定)が0.1L/gを超える重合体であり、フィルム
成形性に対し重要な役割を示す成分である。熱可塑性重
合体(A−2−1)の還元粘度は重要であり、還元粘度
が0.1L/g以下であれば、厚み精度の良好なフィル
ムとならない。還元粘度は通常0.1L/gを超えて2
L/g以下、好ましくは、0.2〜1.2L/gであ
る。
メタクリル酸メチルと共に重合可能なビニル単量体とし
ては、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステル、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合
物を使用することができる。
化重合法で行うことが好ましく、通常の乳化重合法およ
び後処理法により、粉末状で回収することができる。
(A−2−1)は重合体(A−2)中、0.1〜20重
量%の範囲で使用されるが、良好な艶消し性発現のため
には3重量%以上使用するのが好ましい。
成物に優れた耐衝撃性、伸度を付与する作用を有し、ア
クリル酸アルキルエステルをゴム主成分として含む多層
構造を有するグラフト共重合体である。また、良好な艶
消し性、耐折曲白化性発現のためにも必要な成分であ
る。
ル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、共重合可
能な他のビニル単量体0〜40重量%および共重合性の
架橋性単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物
を重合させて得られた弾性共重合体100重量部の存在
下にメタクリル酸エステル50〜100重量%と、これ
と共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%からなる
単量体またはその混合物10〜2000重量部を少なく
とも1段階以上で重合させることにより得られる。
テルとしては、アルキル基の炭素数1〜8のものが挙げ
られ、そのうちアクリル酸ブチル、アクリル酸―2―エ
チルヘキシル等が好ましい。
%以下の共重合可能な他のビニル単量体を共重合させる
ことができる。ここで用いる共重合可能な他のビニル単
量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アル
キルエステル、スチレン、アクリロニトリルなどが好ま
しい。
る。用いる架橋性単量体としては特に限定する必要は無
いが、好ましくは、ジメタクリル酸エチレングリコー
ル、ジメタクリル酸ブタンジオール、アクリル酸アリ
ル、メタクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニ
ルベンゼン、マレイン酸ジアリル、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、アリルシンナメート等が挙げら
れ、これからを単独または組み合わせて用いることがで
きる。
ては、メタクリル酸アルキルエステル50重量%以上が
使用され、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2―エ
チルヘキシル、メタクリル酸シクロへキシル等が挙げら
れる。さらに共重合可能な他のビニル単量体50重量%
以下が使用され、特に限定されていないが具体的には、
アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シク
ロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル、スチレ
ン、アクリルニトリルなどが挙げられる。
体100重量部に対し10〜2000重量部、好ましく
は20〜200重量部が使用され、少なくとも1段以上
で重合することができる。
は、通常の乳化重合で得られる。なお、重合時に連鎖移
動剤、その他の重合助剤等を使用してもよい。連鎖移動
剤は公知のものが使用できるが好ましくはメルカプタン
類である。
2−2)は、優れた艶消し性、耐折曲白化性を発現させ
るために、ゲル含量が50重量%以上であることが必要
である。なお、ゲル含有量とは、弾性共重合体と該弾性
共重合体へのグラフト成分を含むものであり、ゴム含有
重合体(A−2−2)の1重量%MEK溶液を調製し2
5℃にて一昼夜放置後、16000r.p.m.で90
分間遠心分離を施した後の不溶分の重量%である。
重合体(A−2)中、55〜99.9重量%の範囲で使
用されるが、良好な艶消し性、耐折曲白化性発現のため
に60重量%以上使用することが好ましい。
2−3)は、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸エステル50〜99重量%と、アクリル酸エステ
ル1〜50重量%と、これと共重合可能な他のビニル単
量体の少なくとも1種0〜50重量%とからなり、重合
体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100m
lに溶解し、25℃で測定)が0.1L/g以下である
重合体である。
るメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が使用
できるが、メタクリル酸メチルが最も好ましい。アクリ
ル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル等が使用できる。アクリル酸
エステルは0.1〜50重量%の範囲で使用され、好ま
しくは0.5〜40重量%の範囲である。共重合可能な
他のビニル単量体としては公知の単量体が使用できる。
は、特に限定されないが、通常の懸濁重合、乳化重合、
塊状重合等の方法で重合できる。なお、重合時に連鎖移
動剤、その他の重合助剤などを使用してもよい。連鎖移
動剤は公知のものが使用できるが好ましくはメルカプタ
ン類である。
重合体(A−2)中、0〜44.9重量%の範囲で使用
される。
重合体(B)は、アルキル基の炭素数1〜8のアクリル
酸ヒドロキシアルキルエステルおよび/またはメタクリ
ル酸ヒドロキシアルキルエステル(b−1)1〜80重
量%、アルキル基の炭素数1〜13のメタクリル酸アル
キルエステル(b−2)10〜99重量%、アルキル基
の炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b−
3)0〜79重量%、および共重合可能な他のビニル単
量体の少なくとも1種0〜50重量%(b−4)を重合
して得られるものである。
基の炭素数1〜8のアクリル酸ヒドロキシアルキルエス
テル、および/またはメタアクリル酸ヒドロキシアルキ
ルエステル(b−1)としては、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸2、3−ジヒドロキシプロピル、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブ
チル等が挙げられる。これらの中で、特にメタクリル酸
2−ヒドロキシエチルが好ましい。
および/またはメタアクリル酸ヒドロキシアルキルエス
テル(b−1)の使用量は1〜80重量%の範囲であ
る。1重量%未満では艶消し効果は不十分である。一
方、80重量%を超えると伸度の低下あるいは表面状態
が不良となる場合がある。艶消し性発現のために好まし
い使用範囲は、5〜50重量%である。さらに好ましく
は20〜50重量%の範囲で使用することが好ましい。
基の炭素数1〜13のメタクリル酸アルキルエステル
(b−2)としては、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル等の低級メタクリル酸ア
ルキルエステルが好適で、中でもメタクリル酸メチルが
好ましい。メタクリル酸アルキルエステルの使用量は1
0〜99重量%の範囲である。好ましくは30〜85重
量%の範囲で使用することが好ましい。
基の炭素数1〜8アクリル酸アルキルエステル(b−
3)は79重量%までの範囲で使用でき、具体的にはア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の低級アクリル酸
アルキルエステルが挙げられる。アクリル酸アルキルエ
ステル(b−3)は0.5〜40重量%の範囲で使用す
ることが好ましい。さらに好ましくは5〜25重量%で
ある。
50重量%までの範囲でその他のビニル単量体(b−
4)の少なくとも1種を使用できる。具体的には、公知
のモノマーが使用可能で例えば、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等のビ
ニル芳香族モノマー、メタクリル酸、フマール酸、マレ
イン酸および共重合可能なカルボン酸とそのエステル類
のうちアルキル基の炭素数1〜13メタクリル酸アルキ
ルエステル 、アルキル基の炭素数1〜8のアクリル酸
アルキルエステルを除いたもの、塩化ビニル、臭化ビニ
ル等のハロゲン化ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステ
ル類、アクリロニトリル等が含まれる。
上、アクリル樹脂(A)の種類によっては使用した方が
艶消し性が良好になる場合がある。また、透明性を維持
するために、その他のビニル単量体の添加量を調節して
アクリル樹脂(A)の屈折率に合わせる。
体は、良好な艶消し性発現のために固有粘度が0.05
〜0.3L/gの範囲にあることが好ましい。さらに好
ましい範囲は0.06〜0.2L/gである。
使用しない場合と比較して艶消し性は悪化する。しか
し、直鎖状重合体(B)の固有粘度を0.05L/g以
上に設定することにより、艶消し性の低下を防ぐことが
できる。ただし、固有粘度が0.3L/gを超えると艶
消し剤が分散性不良を起こし、ブツが発生して外観不良
が発生する。
を調節するために、メルカプタン等の重合度調節剤を用
いる。メルカプタンとしてはn−オクチルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプ
タン等が使用されるが、特にこれらのものに限定されず
公知のものが使用可能である。
特に限定されないが、コスト面から懸濁重合による方法
が好ましい。
に使用されるものが用いられ、有機過酸化物、アゾ化合
物を挙げることができる。
用いられ、有機コロイド性高分子物質、無機コロイド性
高分子物質、無機微粒子およびこれらと界面活性剤との
組み合わせを挙げることができる。
マー類を重合開始剤とともに水性懸濁して行われる。そ
れ以外にもモノマーに可溶な重合物をモノマーに溶かし
込んで使用して行うこともできる。
配合量はアクリル樹脂(A)100重量部に対して1〜
40重量部の範囲が好ましい。良好な艶消し性を得るた
めには2重量部以上を使用するのが好ましい。
ル(C)は、公知のポリアルキレングリコールが使用可
能であるが、例えばポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリブチレングリコール、およびこ
れらの分岐を有するもの等が挙げられるが、ポリエチレ
ングリコールが最も好ましい。ポリアルキレングリコー
ルの数平均分子量は200〜100,000のものが使
用され、好ましくは1,000〜20,000である。
リル樹脂(A)100重量部に対して、1〜20重量部
の範囲で使用されるが、さらに好ましい使用範囲は2〜
10重量部である。1重量部未満の配合量では耐折り曲
げ白化性の改善効果は小さく、逆に20重量部を超えて
使用すると艶消し効果の低下、艶消し剤の分散性低下に
よる外観不良、耐熱性の低下等が発生して好ましくな
い。
(A)、水酸基を有する直鎖重合体(B)およびポリア
ルキレングリコール(C)からなる熱可塑性樹脂組成物
(I)の混合方法としては、混合物が同時にせん断圧縮
される様なスクリュー型押出機を通すとか、加熱ロール
間での混練、バーバリー型ミキサーの如き、加熱高せん
断混合装置中での混合等の適当な方法が一般に用いられ
る。
(I)は必要に応じて一般の配合剤、例えば安定剤、滑
剤、加工助剤、耐衝撃助剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、
着色剤などを含むことができる。このようにして得られ
る熱可塑性樹脂組成物(I)は、通常の方法、例えばT
−ダイ法、インフレーション法、カレンダー法、押出成
形法などで容易にフィルム、シート等の成形ができる。
有する積層物を製造することができる。熱可塑性樹脂組
成物(I)が積層される基材としては、公知の熱可塑性
樹脂が使用できるが、アクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂が好ましい。
の基材等でも接着剤を使用して貼り合わせることは可能
である。
の製造法としては、一方のフィルムを形成した後他の重
合体を含む溶液を流延して溶剤を除去する方法など、特
に制限なく公知の積層方法が採用できるが、押出機を用
いての共押出法、押出ラミネーション法、および加熱ロ
ールを使用しての熱ラミネーション法が好ましい。
性樹脂組成物(I)と基材との間に中間層を設けること
もできる。
組成物(I)から得られるフィルムおよび積層物は容易
に印刷を施すことが可能でその意匠効果を著しく高める
ことができる。
明する。なお、下記実施例における部数はすべて重量基
準である。
通りである。
3に準拠して村上色彩技術研究所製光沢計GM−26D
を使用して60度表面光沢度の測定をした。
3に準拠して村上色彩技術研究所製反射・透過率計HR
−100を使用して曇り価の測定を行った。なお、測定
の際は石鹸水溶液をサンプル表面に塗布して測定した。
て表面状態(粗さ、均一性)を目視評価した。
業製AVL−2C 自動粘度計を使用して溶媒にクロロ
ホルムを用いて測定した。なお、還元粘度の測定ではク
ロロホルム100mlにサンプルを0.1gを溶かした
ものを使用した。
性の評価は、押し出し時に得られたストランドを、急激
に90度の角度に折り曲げたときの白化の度合いを目視
で評価した。なお、積層物の耐折り曲げ白化性の評価
は、積層物を急激に90度の角度に折り曲げたときの白
化の度合いを目視で評価した。
器に次の混合物を仕込んだ。
合物を攪拌しながら75℃まで加熱し、窒素ガス気流中
で重合を進めた。2時間後に90℃に昇温してさらに4
5分保持して重合を完了し、脱水、乾燥して直鎖状重合
体(B)を得た。
果、0.076L/gであった。
ホコハク酸のエステルソーダ塩 2部、ソジウムホルム
アルデヒドスルホキシレート 0.05部を仕込、窒素
下で攪拌後メタクリル酸メチル 1.6部、アクリル酸
n−ブチル 8部、ジメタクリル酸1,3ブチレングリ
コール 0.4部、メタクリル酸アリル0.1部、およ
びクメンハイドロパーオキサイド0.04部からなる混
合物を仕込む。70℃に昇温後60分間反応を継続させ
最内層重合体(A−1−a)の重合を完結する。続いて
架橋弾性重合体(A−1−b)を形成するメタクリル酸
メチル 1.5部、アクリル酸ブチル 22.5部、ジ
メタクリル酸1,3ブチレングリコール 1.0部、メ
タクリル酸アリル 0.25部、およびクメンハイドロ
パーオキサイド0.05部からなる混合物を60分間で
添加し重合して2層架橋ゴム弾性体を得た。
ル含量を前述した方法により求めたところそれぞれ、1
0%、90%であった。
リル酸メチル 5部、アクリル酸ブチル 5部、メタク
リル酸アリル 0.1部の混合物を反応させ、最後に最
外層重合体(A−1−c)としてメタクリル酸メチル
52.25部、アクリル酸ブチル 2.75部の組成か
らなる混合物を反応させ重合を完了した。得られた重合
体エマルジョンを重合体100部に対して5部の塩化カ
ルシウムをもちいて塩析し洗浄後、乾燥し多層構造重合
体(A−1)を得た。
実施例1(1)で得られた直鎖状重合体(B)10部
と、分子量が2万のポリエチレングリコール5部をヘン
シェルミキサーで混合し、この混合物を2軸押出機を用
いて、温度設定条件を240℃として押し出し切断して
ペレット化した。得られたペレットをT−ダイ法で24
0℃で製膜し50μ程度の厚みのフィルムとし評価し
た。結果を表1に示す。
合量を2部に変更した以外は実施例1(3)と同様に実
験を行った。結果を表1に併記する。
合量を10部に変更した以外は実施例1(3)と同様に
実験を行った。結果を表1に併記する。
オクチルメルカプタンをt−ドデシルメルカプタンにし
て配合量を0.5部に変更し、重合時間を3時間に変更
する以外は実施例1(3)と同様に実験を行った。結果
を表1に併記する。なお、本実施例で得られた直鎖状重
合体(B)の固有粘度は0.04L/gであった。
オクチルメルカプタンの配合量を0.03部に変更し、
重合温度を70℃に変更する以外は実施例1(3)と同
様に実験を行った。結果を表1に併記する。なお、本実
施例で得られた直鎖状重合体(B)の固有粘度は0.3
1L/gであった。
み、乳化剤オレイン酸カリウム1部、過硫酸カリウム
0.3部を仕込んだ。続いてメタクリル酸メチル40
部、アクリル酸n−ブチル10部,nーオクチルメルカ
プタン0.005部を仕込み,窒素雰囲気下65℃にて
3時間攪拌し重合を完結させた。ひき続いてメタクリル
酸メチル48部、アクリル酸nーブチル2部からなる単
量体混合物を2時間わたり滴下して滴下終了後2時間保
持を行い重合を完結させた。得られたラテックスを0.
25%硫酸水溶液に添加し、重合体を酸析後脱水、水
洗、乾燥し、粉体状で重合体を回収した。得られた重合
体の還元粘度は0.38L/gであった。
造 反応容器に下記のような割合の原料を仕込み、窒素雰囲
気下50℃で4時間攪拌を行いながら重合を完結させ、
弾性体ラテックスを得た。
容器に取り、攪拌しながら充分窒素置換した後、80℃
に昇温し、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレー
ト0.125部、脱イオン水2部からなる水溶液を添加
後、温度を80℃に保ちながらメタクリル酸メチル60
部、n−オクチルメルカプタン0.05部、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド0.125部からなる混合物を
2時間にわたり滴下後2時間保持し重合を完結させた。
得られた共重合体ラテックスを塩析後脱水し、水洗、洗
浄を行い粉体状でゴム含有重合体を得た。
重合体(A−2−1)5重量%、実施例6(2)で得ら
れたゴム含有重合体(A−2−2)65重量%、メタク
リル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体(メタクリル
酸メチル/アクリル酸メチル=90/10、還元粘度=
0.051L/g)である熱可塑性重合体(A−2−
3)30重量%から成る重合体(A−2)100部に、
実施例1(1)で得られた直鎖状重合体(B)10部
と、分子量が2万のポリエチレングリコール5部をヘン
シェルミキサーで混合した。この混合物を2軸押出機を
用いて温度設定条件240℃で押し出し切断してペレッ
ト化した。得られたペレットは乾燥した後、Tダイ法で
240℃で製膜して50μmのフイルムを得た。評価結
果を表1に示す。なお、重合体(A−2)のゲル含量は
52%であった。
合量を2部に変更した以外は実施例6(3)と同様に実
験を行った。結果を表1に併記する。
合量を10部に変更した以外は実施例6(3)と同様に
実験を行った。結果を表1に併記する。
オクチルメルカプタンをt−ドデシルメルカプタンにし
て配合量を0.5部に変更し、重合時間を3時間に変更
する以外は実施例6(3)と同様に実験を行った。結果
を表1に併記する。なお、本実施例で得られた直鎖状重
合体(B)の固有粘度は0.04L/gであった。
−オクチルメルカプタンの配合量を0.03部に変更
し、重合温度を70℃に変更する以外は実施例6(3)
と同様に実験を行った。結果を表1に併記する。なお、
本実施例で得られた直鎖状重合体(B)の固有粘度は
0.31L/gであった。
ム含有重合体(A−2−2)の配合量を50%、熱可塑
性重合体(A−2−3)の配合量を45%に変更する以
外は、実施例6(3)と同様に実験を行った。なお、本
実施例で得られた重合体(A−2’)のゲル含量は40
%であった。
(3)で得られたフィルムをエンボス付きラミネートロ
ールを用い、厚み100μの軟質塩化ビニルフィルムと
150℃、30kg/cm2の条件で熱ラミネーション
を行い積層物を得た。結果を表1に併記する。
(3)で得られた2軸押出機で押し出し切断しペレット
化した熱可塑性樹脂(I)を乾燥後、塩化ビニル樹脂
(P=720)100部、安定剤(ジブチルスズマレエ
ート)3部、耐衝撃助剤(三菱レイヨン、メタブレンC
−102)10部、加工助剤(三菱レイヨン、メタブレ
ンP−551)1部、滑剤(ブチルステアレート)1部
から成る硬質塩化ビニル樹脂と共に、共押出成形法で熱
可塑性樹脂(I)層が100μ、塩化ビニル樹脂層が2
mmとなるように、200℃で成形し積層物を得た。結
果を表1に示す。
エチレングリコールを使用しない以外は実施例1(3)
と同様に実験を行った。結果を表1に併記する。
用しないと耐折り曲げ白化性は良くない。
エチレングリコールの配合量を0.5部に変更する以外
は実施例1(3)と同様に実験を行った。結果を表1に
併記する。
エチレングリコールの配合量を25部に変更する以外は
実施例1(3)と同様に実験を行った。結果を表1に併
記する。
加量が多すぎると、耐折り曲げ白化性は良好であるが艶
消し性、外観が悪くなる。
エチレングリコールを使用しない以外は実施例6(3)
と同様に実験を行った。結果を表1に併記する。
エチレングリコールの配合量を0.5部に変更する以外
は実施例6(3)と同様に実験を行った。結果を表1に
併記する。
エチレングリコールの配合量を25部に変更する以外は
実施例6(3)と同様に実験を行った。結果を表1に併
記する。
トするフィルムを比較例1で得られたフィルムに変更す
る以外は実施例12と同様に実験を行った。結果を表1
に示す。
(3)で得られた熱可塑性樹脂(I)のかわりに比較例
4で得られた熱可塑性樹脂(I)を使用する以外は実施
例13と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
は、艶消し性を損なわずに、従来の艶消剤を用いた場合
には不十分であった耐折り曲げ白化性が大きく改善され
るので、工業上優れた効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】 アクリル樹脂(A)100重量部に対し
て、下記に示す水酸基を有する直鎖状重合体(B)1〜
40重量部および平均分子量200〜100000のポ
リアルキレングリコール(C)1〜20重量部を配合し
てなる熱可塑性樹脂組成物(I)をフィルム化して得ら
れる耐折り曲げ白化性が改良されたラミネート用艶消し
フィルム。 (B)水酸基を有する直鎖状重合体 アルキル基の炭素数1〜8のアクリル酸ヒドロキシアル
キルエステルおよび/またはメタクリル酸ヒドロキシア
ルキルエステル(b−1)1〜80重量%、アルキル基
の炭素数1〜13のメタクリル酸アルキルエステル(b
−2)10〜99重量%、アルキル基の炭素数1〜8の
アクリル酸アルキルエステル(b−3)0〜79重量
%、および共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも
1種0〜50重量%(b−4)を重合して得られる、水
酸基を有する直鎖状重合体。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物
(I)を表面層に有することを特徴とする積層物 - 【請求項3】 共押出法で積層されたことを特徴とする
請求項2記載の積層物。 - 【請求項4】 押出ラミネーション法で積層されたこと
を特徴とする請求項2記載の積層物。 - 【請求項5】 熱ラミネーション法で積層されたこを特
徴とする請求項2記載の積層物。
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