JP4410390B2 - アクリル樹脂フィルム状物及び積層体 - Google Patents

アクリル樹脂フィルム状物及び積層体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐溶剤性及び透明性に優れたアクリル樹脂フィルム状物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムを含有するアクリル樹脂からなるフィルム状物は、耐候性、柔軟性に優れているので樹脂成形品、木工製品、金属成形品の表面に貼り合わされ、車輌内装、家具、ドア材、巾木等の建材用途に使用されているが、用途によっては耐溶剤性が要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アクリル樹脂は、一般にイソプロパノール、エタノール、メタノール等に代表される溶剤類に対する耐性は比較的良好である。しかし、アクリル系ゴムがアクリル樹脂に含まれると耐溶剤性は低下する。ゴムの平均粒子径を0.08μm程度以下に小さくする以外には、透明性を低下させることなく、ゴムを含有するアクリル樹脂フィルム状物の耐溶剤性を改善する方法はこれまで知られていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、耐溶剤性及び透明性が良好なアクリル樹脂フィルム状物を得るための検討をした結果、本発明に到達した。
【0005】
すなわち本発明は、アクリル酸アルキルエステル35〜99.9重量%、共重合可能な他のビニル単量体0〜64.9重量%および架橋性単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物を重合して得られる1層又は2層以上の構造を有する弾性共重合体、該弾性共重合体100重量部の存在下に、シアン化ビニル系単量体5〜40重量%、芳香族ビニル系単量体30〜90重量%、共重合可能な他のビニル単量体0〜35重量%および架橋性単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物1〜1000重量部を重合して得られる中間層、並びに弾性共重合体及び中間層からなる重合体100重量部の存在下に、グラフト層としてメタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と共重合可能な他のビニル単量体0〜50重量%からなる単量体又はその混合物10〜2000重量部を重合して得られるグラフト層を有し、透過型電子顕微鏡で観察した平均粒子径が0.01〜0.5μmであるゴム含有重合体(A−1)を含有するアクリル樹脂フィルム状物であって、ゴム含有重合体(A−1)中の有機溶剤への不溶成分であるゲル含量が、アクリル樹脂フィルム状物中において5〜70重量%であり、該不溶成分中にシアン化ビニル系単量体成分が1重量%以上含まれ、且つゴム含有重合体(A−1)の有機溶剤への可溶成分中にシアン化ビニル系単量体成分が5重量%以下含まれるアクリル樹脂フィルム状物である。
【0006】
要に応じて、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル50〜99重量%、アクリル酸アルキルエステル1〜50重量%及び共重合可能な他のビニル単量体0〜49重量%からなり、還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1L/g以下である熱可塑性重合体(A−2)をアクリル樹脂フィルム状物中0.1〜99.9重量%の範囲、並びに/又はメタクリル酸メチル50〜100重量%および共重合可能な他のビニル単量体0〜50重量%からなり、還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1L/gを越える熱可塑性重合体(A−3)をアクリル樹脂フィルム状物中0.1〜20重量%の範囲で使用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のアクリル樹脂フィルム状物について説明する。
【0008】
ゴム含有重合体は本発明において必須の成分である。
【0009】
すなわち、ゴム含有重合体のゲル分である有機溶剤への不溶成分中にシアン化ビニル系単量体成分が1重量%以上含まれることが、耐溶剤性発現に必要である。耐溶剤性発現には10重量%以上含まれることが好ましい。
【0010】
更に、ゴム含有重合体の有機溶剤への可溶成分中にシアン化ビニル系単量体成分が5重量%以下含まれることが透明性に必要である。好ましくは1重量%以下の範囲である。
【0011】
本発明のアクリル樹脂フィルム状物におけるゴム含有重合体は、フィルムへの成形性の観点から、ゴム含有重合体中の遊離重合体を除いた有機溶剤への不溶成分であるゲル含量が、アクリル樹脂フィルム状物中において5〜70重量%となるように使用することが必要となる。
【0012】
ゴム含有重合体(A−1)は、アクリル樹脂フィルム状物に必要とされる優れた伸度、柔軟性、耐衝撃性、製膜性等を付与するための成分であり、且つ本発明の解決課題であるゴムを含有するアクリル樹脂フィルム状物に耐溶剤性、透明性を付与するための成分でもある。
【0013】
ゴム含有重合体(A−1)は、アクリル酸アルキルエステル35〜99.9重量%、共重合可能な他のビニル単量体0〜64.9重量%および架橋性単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物を重合して得られる1層又は2層以上の構造を有する弾性共重合体、該弾性共重合体100重量部の存在下に、シアン化ビニル系単量体5〜40重量%、芳香族ビニル系単量体30〜90重量%、共重合可能な他のビニル単量体0〜35重量%および架橋性単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物1〜1000重量部を重合して得られる中間層、並びに弾性共重合体及び中間層からなる重合体100重量部の存在下に、グラフト層としてメタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と共重合可能な他のビニル単量体0〜50重量%とからなる単量体又はその混合物10〜2000重量部を重合して得られるグラフト層を有し、透過型電子顕微鏡で観察した平均粒子径が0.01〜0.5μmである重合体である。
【0014】
弾性共重合体に用いられるアクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜8のものが用いられ、そのうちアクリル酸ブチルおよびアクリル酸―2―エチルヘキシルが好ましい。
【0015】
アクリル酸アルキルエステルは35〜99.9重量%の範囲で使用される。35重量%以上使用することはフィルム状物に十分な伸度をあたえるため、フィルム状に成形するのが容易になる。好ましい使用範囲は50〜90重量%である。
【0016】
弾性共重合体を得るに際しては、64.9重量%以下の範囲で共重合可能な他のビニル単量体を共重合させることができる。ここで用いるビニル単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステル、スチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体などが好ましく、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使うことができる。
【0017】
架橋性単量体としては、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ブタンジオール、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン、マレイン酸ジアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルシンナメート等が挙げられ、これらは単独または組み合わせて用いることができる。
【0018】
架橋性単量体は0.1〜10重量%の範囲で使用される。0.1重量%以上使用することは、耐折曲白化性が低下しないので好ましい。10重量%以下で使用することがコスト対効果の観点から好ましい。好ましい使用範囲は0.3〜7重量%の範囲である。
【0019】
弾性共重合体は1層又は2層以上の構造とすることができる。2層以上の構造とする場合には、弾性共重合体全体としてのアクリル酸アルキルエステルの含有量が35重量%以上であれば良い。例えばハード芯構造にする場合は、1層目のアクリル酸アルキルエステルの含有量を35重量%以下とすることもできる。
【0020】
ゴム含有重合体の中間層には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体が5〜40重量%の範囲で用いられ、またスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体が30〜90重量%の範囲で用いられる。好ましい使用量は、共重合性の観点からシアン化ビニル系単量体10〜30重量%、芳香族ビニル系単量体45〜80重量%である。
【0021】
また、共重合可能な他のビニル単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和ジカルボン酸のイミド化合物などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使うことができる。これら共重合可能な他のビニル単量体は0〜35重量%の範囲で使用できる。35重量%以下の範囲で使用することが耐溶剤性の観点から好ましい。好ましい使用範囲は1〜20重量%である。
【0022】
架橋性単量体としては、弾性重合体について例示したのと同様なものが使用でき、0.1〜10重量%の範囲で使用される。0.1重量%以上の添加量で中間層にグラフトされる単量体量が十分となり、フィルム状に成形した場合に、ヘーズが発生し難くなり透明性が良好となる。ゴム含有重合体の中間層は、アクリル樹脂に対する相溶性が良好ではないことから、グラフト量が十分であることが好ましい。10重量%以下で使用することがコスト対効果の観点から好ましい。好ましい使用範囲は0.3〜7重量%の範囲である。
【0023】
中間層は、弾性共重合体100重量部の存在下に、シアン化ビニル系単量体5〜40重量%、芳香族ビニル系単量体30〜90重量%、共重合可能な他のビニル単量体0〜35重量%および架橋性単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物1〜1000重量部を重合して得られる。単量体混合物が1重量部以上であることが耐溶剤性の観点から好ましい。1000重量部以下の範囲で使用することが耐候性、透明性の観点から好ましい。好ましい使用範囲は5〜500重量部である。
【0024】
弾性共重合体及び中間層からなる重合体の外層に形成されるグラフト層を構成する単量体は、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、共重合可能な他のビニル単量体0〜50重量%からなる。メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2―エチルヘキシル、メタクリル酸シクロへキシル等が挙げられ、中でも、耐候性、透明性の観点からメタクリル酸メチルが特に好ましい。
【0025】
共重合可能な他のビニル単量体は、50重量%以下の割合で使用され、その具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;アクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;スチレン、αメチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
ビニル芳香族系単量体及びシアン化ビニル系単量体をグラフト層に使用することは、耐溶剤性の観点からは好ましいが、透明性低下を引き起こすため、ゴム含有重合体(A−1)の有機溶剤への可溶成分中にシアン化ビニル系単量体成分及び芳香族ビニル系単量体成分が30重量%以下となる範囲で使用することが透明性に必要である。好ましくは10重量%以下であり、更に好ましくは1重量%以下の範囲である。
【0027】
グラフト層を形成させるのに用いる単量体又はその混合物は、弾性共重合体及び中間層からなる重合体100重量部に対し10〜2000重量部の範囲で使用される。10重量部以上使用することで、フィルムに成形した際のヘーズを低減することができ透明性の観点から好ましい。2000重量部以下の範囲が生産性の観点から好ましい。好ましくは20〜1000重量部が使用され、少なくとも1段以上で重合することができる。
【0028】
また、以上説明した弾性体、中間層およびグラフト層の3層から構成されるゴム含有重合体の全体中におけるメタクリル酸アルキルエステル量は、20重量%以上にすることが好ましい。メタクリル酸アルキルエステルが20重量%以上であれば、耐候性が良好なアクリル樹脂フィルム状物が得られる。メタクリル酸アルキルエステルが20重量%以上のものの場合には、熱可塑性重合体(A−2)および熱可塑性重合体(A−3)とブレンドした場合だけでなくゴム含有重合体(A−1)を単独で使用する場合の透明性低下防止にも効果的である。
【0029】
本発明に用いるゴム含有重合体(A−1)は、通常の乳化重合で製造することができる。なお、重合時に連鎖移動剤、その他の重合助剤等を使用してもよい。連鎖移動剤は各種のものが使用できるが、メルカプタン類が好ましい。特にグラフト量を調節するために連鎖移動剤を用いることは、フィルムに成形したときの外観向上に対して効果的である。
【0030】
更にゴム含有重合体(A−1)の平均粒子径は、0.01〜0.5μmの範囲にあることが必要である。フィルム状にする際の成形性の観点から0.01μm以上であることが好ましい。生産性の観点から0.5μm以下の範囲にあることが好ましい。なお、本発明にいうゴム含有重合体の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡で観察した平均粒子径のことをいう。ゴム含有重合体(A−1)の好ましい平均粒子径は、耐溶剤性、フィルムへの成形性、生産性の観点より、0.05〜0.35μmの範囲である。
また、本発明のアクリル樹脂フィルム状物は、50μmのフィルムに成形したときの全光線透過率が90%以上、曇価が5%以下であるような透明性を呈するものであることが好ましい。
【0031】
本発明で使用される熱可塑性重合体(A−2)は、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル50〜99重量%、アクリル酸アルキルエステル1〜50重量%およびこれらと共重合可能な他のビニル単量体0〜49重量%からなり、還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1L/g以下である重合体である。
【0032】
熱可塑性重合体(A−2)で使用される共重合可能な他のメタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられるが、メタクリル酸メチルが最も好ましい。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が使用できる。アクリル酸アルキルエステルは1〜50重量%の範囲で使用される。また、49重量%以下の範囲で共重合可能な他のビニル単量体を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。共重合可能な他のビニル単量体としては、スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が使用できる。
【0033】
熱可塑性重合体(A−2)の製造方法は、特に限定されないが、通常の懸濁重合、乳化重合、塊状重合等の方法で重合できる。なお、重合時に連鎖移動剤、その他の重合助剤などを使用してもよい。連鎖移動剤は各種のものが使用できるがメルカプタン類が好ましい。
【0034】
熱可塑性重合体(A−3)は、メタクリル酸メチル50〜100重量%および共重合可能な他のビニル単量体0〜50重量%からなり、還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1L/gを越える重合体であり、アクリル樹脂フィルム状物の成形性に対し重要な役割を示す成分である。還元粘度は重要であり、還元粘度が0.1L/g以下であれば、厚み精度の良好なフィルムとならない。還元粘度は通常0.1L/gを越えて2L/g以下、好ましくは0.2〜1.2L/gである。
【0035】
熱可塑性重合体(A−3)において、共重合可能な他のビニル単量体としては、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル系単量体が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0036】
熱可塑性重合体(A−3)は乳化重合法により製造することが好ましく、乳化重合後、通常の後処理法により粉末状で回収することができる。
【0037】
ゴム含有重合体(A−1)は、本発明のアクリル樹脂フィルム状物中で、単体或いは熱可塑性重合体(A−2)、熱可塑性重合体(A−3)と組み合わせて使用される。
【0038】
本発明のアクリル樹脂フィルム状物中において、ゴム含有重合体(A−1)および熱可塑性重合体(A−2)を用いる場合には、ゴム含有重合体(A−1)0.1〜99.9重量%および熱可塑性重合体(A−2)0.1〜99.9重量%の範囲で使用されるのが好ましく、さらにはゴム含有重合体(A−1)10〜99.9重量%および熱可塑性重合体(A−2)0.1〜90重量%の範囲で使用されるのが好ましい。
【0039】
本発明のアクリル樹脂フィルム状物中において、ゴム含有重合体(A−1)および熱可塑性重合体(A−3)を用いる場合には、ゴム含有重合体(A−1)80〜99.9重量%および熱可塑性重合体(A−3)0.1〜20重量%の範囲で使用されるのが好ましく、さらにはゴム含有重合体(A−1)95〜99.9重量%および熱可塑性重合体(A−3)0.1〜5重量%の範囲で使用されるのが好ましい。
【0040】
さらに本発明のアクリル樹脂フィルム状物中において、ゴム含有重合体(A−1)、熱可塑性重合体(A−2)および熱可塑性重合体(A−3)を用いる場合には、ゴム含有重合体(A−1)0.1〜99.8重量%、熱可塑性重合体(A−2)0.1〜99.8重量%および熱可塑性重合体(A−3)0.1〜20重量%の範囲で使用されるのが好ましい。
【0041】
このような本発明のアクリル樹脂フィルム状物は、耐溶剤性に優れ、フィルムに成形したものに対して、メタノール、エタノールあるいはイソプロパノールを室温で滴下しても、殆ど外観変化を呈さない。
【0042】
本発明のアクリル樹脂フィルム状物には、必要に応じて各種の配合剤、例えば安定剤、滑剤、加工助剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充鎮剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤、艶消し剤等を含むことができる。
【0043】
本発明のアクリル樹脂フィルム状物は、Tダイ法、インフレーション法などの溶融押出法、カレンダー法など種々の方法によりフィルムを製造することができる。フィルムの厚みとしては、500μm以下が好ましく、10〜300μmがより好ましい。
【0044】
また、本発明のアクリル樹脂フィルム状物を用い、これからなるフィルムを表層に有する積層物を製造することができる。アクリル樹脂フィルム状物からなるフィルムが積層される基材としては、各種の熱可塑性樹脂が使用できる。また、熱融着しない熱硬化性樹脂、鋼板、木材、紙等の基材でも、接着剤を使用して貼り合わせることは可能である。
【0045】
アクリル樹脂フィルム状物のフィルムを表層に有する積層物の製造法としては、インサート成形、インモールド成形、熱ラミネーション、押出ラミネーション等、特に制限なく種々の積層方法が採用できる。また、このような積層物には、アクリル樹脂フィルム状物のフィルムと基材との間に必要に応じて中間層を設けることもできる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお実施例中「部」とあるのは「重量部」を表す。
【0047】
また、実施例中で用いた評価方法は下記の通りである。
(1)還元粘度
還元粘度の測定は、三電子工業(株)製、AVL−2C自動粘度計を使用して溶媒にクロロホルムを使用して測定した。なお、還元粘度はクロロホルム100mlにサンプルを0.1g溶かしたもので測定した。
(2)ゴム含有重合体平均粒子径
得られたフィルム状物を適当な大きさに切り出し、切片を0.5重量%四酸化ルテニウム水溶液に、室温で15時間浸漬して弾性共重合体及び中間層を染色した。更に、ミクロトームを用いて約70nmの厚みにサンプルを切断し、透過型電子顕微鏡で写真撮影した。この写真から無作為に50個の染色されている弾性共重合体及び中間層部分を選び、その各々の粒子径を算出し、その平均値を平均粒子径とした。
(3)アクリル樹脂フィルム状物中のゲル含量
アクリル樹脂フィルム状物中の弾性共重合体、中間層、グラフト層からなるゲル分は製膜前ペレットの1重量%MEK溶液を調製し25℃にて一昼夜放置後16000rpmで90分間遠心分離を施し、上澄み液を除き乾燥後の不溶分の重量%をゲル含量とした。
(4)耐溶剤性の評価
アクリル樹脂フィルム状物に成形したものを、140℃、5MPa、約5分条件下でプレス成形機でポリカーボネート板にラミネートして得たサンプル上に、1cm2の濾紙を載せ、濾紙が乾かない程度にイソプロパノール、エタノール又はメタノールを23℃の雰囲気下で30分にわたって滴下した。その後濾紙を取り除き風乾し、中性洗剤等で洗浄したときの外観変化を観察した。
○−外観変化なし。
△−軽微な汚れ、蒸発痕が見られる。
×−白化、荒れが発生した。
(5)全光線透過率、曇価
ASTM−D1003に準拠して村上色彩技術研究所製、反射・透過率計HR100を使用して全光線透過率、曇価の測定をした。
(6)分析方法
ゴム含有重合体の1重量%MEK溶液を調製し25℃にて、一昼夜放置後16000rpmで90分間遠心分離を行い、上澄み液を除いた乾燥後の不溶分を、熱分解ガスクロマトグラフィでシアン化ビニル単量体量を測定した。可溶成分の分析は、上記の上澄み液からMEKを蒸発させた後の乾燥成分を用いて、熱分解ガスクロマトグラフィでシアン化ビニル単量体量を測定した。
(実施例1)
ゴム含有重合体(A−1−1)の製造
反応容器に下記のような割合の原料を仕込み、窒素雰囲気下50℃で4時間撹拌を行いながら重合を完結させ、弾性共重合体を得た。
アクリル酸ブチル 77部
スチレン 22.7部
メタクリル酸アリル 0.3部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.9部
脱イオン水 400部
過硫酸カリ 0.3部
燐酸二ナトリウム12水塩 0.5部
燐酸水素ナトリウム2水塩 0.3部
引き続き、撹拌しながら充分窒素置換した後、80℃に昇温し、硫酸第二鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0002部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.125部および脱イオン水2部からなる水溶液を添加後、温度を80℃に保ちながら中間層としてアクリロニトリル14.6部、スチレン44.4部、メタクリル酸アリル1部およびt−ブチルハイドロパーオキサイド0.24部からなる単量体混合物を2時間にわたり滴下後2時間保持し重合を完結させた。その後弾性共重合体及び中間層からなる重合体100部(固形分として)に対して、硫酸第二鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0002部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.125部および脱イオン水2部を追加した後、温度を80℃に保ちながらグラフト層としてメタクリル酸メチル60部、n−オクチルメルカプタン0.05部およびt−ブチルハイドロパーオキサイド0.125部からなる単量体混合物を2時間にわたり滴下後2時間保持し重合を完結させた。得られた共重合体ラテックスを塩析後脱水し、水洗、洗浄を行い粉体状でゴム含有重合体(A−1−1)を得た。なお、平均粒子径は0.26μmであった。
熱可塑性重合体(A−3)の製造
反応容器に窒素置換したイオン交換水200部を仕込み、乳化剤オレイン酸カリ1部、過硫酸カリ0.3部を仕込んだ。続いてメタクリル酸メチル40部、アクリル酸n−ブチル10部およびn−オクチルメルカプタン0.005部を仕込み、窒素雰囲気下65℃にて3時間撹拌し重合を完結させた。ひき続いてメタクリル酸メチル48部およびアクリル酸n−ブチル2部からなる単量体混合物を2時間わたり滴下して滴下終了後2時間保持を行い重合を完結させた。得られたラテックスを0.25%硫酸水溶液に添加し、重合体を酸析後脱水、水洗、乾燥し、粉体状で重合体を回収した。得られた重合体の還元粘度ηsp/cは0.38L/gであった。
【0048】
上記のようにして得られたゴム含有重合体(A−1−1)60部、熱可塑性重合体(A−2)であるメタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=90/10、ηsp/c=0.051L/g)38部および熱可塑性重合体(A−3)2部からなるアクリル樹脂組成物100部をヘンシェルミキサーで混合した。次いで40mmφのスクリュー型押出機(L/D=26)を用いてシリンダー温度200〜260℃、ダイ温度250℃で溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを乾燥した後、Tダイを用いて押出成形し、50μmのフイルムを得た。評価結果を表1にまとめた。
(実施例2)
熱可塑性重合体(A−2)およびゴム含有重合体(A−1−1)の添加量を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様の手順でフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1にまとめた。
(実施例3)
実施例1において、ゴム含有共重合体(A−1−1)を下記のゴム含有共重合体(A−1−2)に変更した以外は、実施例1と同様の手順でフィルムを得た。
ゴム含有重合体(A−1−2)の製造
弾性共重合体の製造段階で用いたジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの量を0.9部から2.0部へ変更したことを除き、ゴム含有共重合体(A−1−1)の製造の場合と全く同様にしてゴム含有重合体(A−1−2)を得た。なお、その平均粒子径は0.15μmであった。
(実施例4)
熱可塑性重合体(A−2)およびゴム含有重合体(A−1−2)の添加量を表1に示したように変更した以外は、実施例3と同様の手順でフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1にまとめた。
(実施例5)
実施例1において、ゴム含有共重合体(A−1−1)を下記のゴム含有共重合体(A−1−3)に変更した以外は、実施例1と同様の手順でフィルムを得た。
ゴム含有重合体(A−1−3)の製造
中間層の形成に用いる単量体混合物としてアクリロニトリル14.2部、スチレン43.8部、メタクリル酸アリル2部、およびt−ブチルハイドロパーオキサイド0.24部からなる混合物を用いたこと、並びにグラフト層の形成に用いるn−オクチルメルカプタンの量を0.05部から0.02部へ変更したことを除き、ゴム含有共重合体(A−1−1)の製造の場合と全く同様にしてゴム含有重合体(A−1−3)を得た。なお、その平均粒子径は0.26μmであった。
(実施例6)
実施例1において、ゴム含有共重合体(A−1−1)を以下に示す(A−1−4)に変更する以外は、実施例1と同様の手順でフィルムを得た。
ゴム含有重合体(A−1−4)の製造
反応容器に下記のような割合の原料を仕込み、窒素雰囲気下50℃で4時間撹拌を行いながら重合を完結させ、弾性共重合体を得た。
メタクリル酸メチル 38.9部
スチレン 1 部
メタクリル酸アリル 0.1部
ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム 2.0部
脱イオン水 400部
過硫酸カリ 0.3部
燐酸二ナトリウム12水塩 0.5部
燐酸水素ナトリウム2水塩 0.3部
引き続いて、撹拌しながら充分窒素置換した後、80℃に昇温し、硫酸第二鉄0.0005部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0015部、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート0.125部、純水2部からなる水溶液を添加後、温度を80℃に保ちながらアクリル酸n−ブチル54.7部、メタクリル酸メチル3部、スチレン2部、メタクリル酸アリル0.3部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.05部、を3時間で滴下し1時間保持した。引き続いて、硫酸第二鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0002部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.125部、脱イオン水2部からなる水溶液を添加後、温度を80℃に保ちながら中間層としてアクリロニトリル14.6部、スチレン44.4部、メタクリル酸アリル1部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.24部からなる混合物を2時間にわたり滴下後2時間保持し重合を完結させ、その後弾性共重合体及び中間層からなる重合体100部(固形分として)に対して、メタクリル酸メチル60部、n−オクチルメルカプタン0.05部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.125部からなる混合物を2時間に渡り滴下後2時間保持し重合を完結させた。得られた共重合体ラテックスを塩析後脱水し、水洗、洗浄を行い粉体状でゴム含有重合体(A−1−4)を得た。なお、平均粒子径は0.27μmであった。
(実施例7)
実施例2で得られたフィルムを以下の手順で積層体に成形した。積層体の評価結果を表1にまとめた。
【0049】
投影面積100cm2,深さ1cmの蓋型成形品形状のキャビティを持つ、真空成形可能な金型を、型締め力100tonの成形機に取り付け、同時に非接触型フイルム加熱装置も同成形機にセットし、成形準備を終了した。成形作業では、まず型開き時に実施例2で作製したフイルムを、キャビテイを覆う形でクランプにより金型に固定し、フイルムをヒーター温度250℃で加熱後、真空成形を行い、アクリルフイルムを金型キャビティ面に追従させる。次に型閉じ後、ホッパーに投入しておいた成形材料(PC/ABS樹脂・TC−1、三菱レイヨン(株)製)により射出成形(CT:250℃)を行うことにより、アクリルフイルム積層品を得た。
(実施例8)
240℃でアクリル樹脂(アクリペットVH、商品名、三菱レイヨン(株)製)を押し出して2mmシート状に成形する際に、溶融アクリル樹脂と冷却ロールの間に実施例3で得られたフィルムを導入することにより押し出しラミネーションし積層体を得た。積層体の評価結果を表1にまとめた。
(比較例1)
熱可塑性重合体(A−2)、ゴム含有重合体(A−1−1)の添加量を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様の手順でフィルムを得た。フィルムが極度に脆く製膜が困難であった。
(比較例2)
熱可塑性重合体(A−2)、ゴム含有重合体(A−1−1)の添加量を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様の手順で実験した。フィルムの厚みムラがひどく、またフィルム切れも多発し製膜が困難であった。
(比較例3)
実施例1においてゴム含有重合体(A−1−1)の代わりに以下に示すゴム含有重合体(B−1)を使用した以外は実施例1と同様の手順でフィルムを得た。評価結果を表1にまとめた。
(B−1)ゴム含有重合体の製造
反応容器に下記のような割合の原料を仕込み、窒素雰囲気下50℃で4時間撹拌を行いながら重合を完結させ、弾性共重合体を得た。
アクリル酸ブチル 77部
スチレン 22.7部
メタクリル酸アリル 0.3部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.9部
脱イオン水 300部
過硫酸カリ 0.3部
燐酸二ナトリウム12水塩 0.5部
燐酸水素ナトリウム2水塩 0.3部
引き続いて、撹拌しながら充分窒素置換した後、80℃に昇温し、硫酸第二鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0002部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.125部、脱イオン水2部からなる水溶液を添加後、温度を80℃に保ちながらメタクリル酸メチル60部、n−オクチルメルカプタン0.05部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.125部からなる混合物を2時間にわたり滴下後2時間保持し重合を完結させた。得られた共重合体ラテックスを塩析後脱水し、水洗、洗浄を行い粉体状でゴム含有重合体(B−1)を得た。なお、平均粒子径は0.21μmであった。
(比較例4)
実施例1においてゴム含有重合体(A−1−1)の代わりに以下に示すゴム含有重合体(B−2)を使用した以外は実施例1と同様の手順でフィルムを得た。評価結果は表1にまとめた。
ゴム含有重合体(B−2)の製造
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの量を0.9部から2.0部へ変更したことを除き、ゴム含有重合体(B−1)の製造の場合と全く同様にしてゴム含有重合体(B−2)を得た。なお、その平均粒子径は0.11μmであった。
(比較例5)
実施例1においてゴム含有重合体(A−1−1)の代わりに以下に示すゴム含有重合体(B−3)を使用した以外は実施例1と同様の手順でフィルムを得た。評価結果を表1にまとめた。
ゴム含有重合体(B−3)の製造
弾性体ラテックスに添加した単量体混合物を、アクリロニトリル15部、スチレン45部、n−オクチルメルカプタン0.05部およびt−ブチルハイドロパーオキサイド0.25部からなる混合物に変更したことを除き、ゴム含有重合体(B−1)の製造の場合と全く同様にしてゴム含有重合体(B−3)を得た。なお、その平均粒子径は0.23μmであった。
【0050】
【表1】
Figure 0004410390
【0051】
【発明の効果】
本発明により、耐溶剤性及び透明性が良好なゴム成分を含むアクリル樹脂フィルム状物が得られた。

Claims (7)

  1. アクリル酸アルキルエステル35〜99.9重量%、共重合可能な他のビニル単量体0〜64.9重量%および架橋性単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物を重合して得られる1層又は2層以上の構造を有する弾性共重合体、該弾性共重合体100重量部の存在下に、シアン化ビニル系単量体5〜40重量%、芳香族ビニル系単量体30〜90重量%、共重合可能な他のビニル単量体0〜35重量%および架橋性単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物1〜1000重量部を重合して得られる中間層、並びに弾性共重合体及び中間層からなる重合体100重量部の存在下に、グラフト層としてメタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と共重合可能な他のビニル単量体0〜50重量%からなる単量体又はその混合物10〜2000重量部を重合して得られるグラフト層を有し、透過型電子顕微鏡で観察した平均粒子径が0.01〜0.5μmであるゴム含有重合体(A−1)を含有するアクリル樹脂フィルム状物であって、ゴム含有重合体(A−1)中の有機溶剤への不溶成分であるゲル含量が、アクリル樹脂フィルム状物中において5〜70重量%であり、該不溶成分中にシアン化ビニル系単量体成分が1重量%以上含まれ、且つゴム含有重合体(A−1)の有機溶剤への可溶成分中にシアン化ビニル系単量体成分が5重量%以下含まれるアクリル樹脂フィルム状物。
  2. ゴム含有重合体(A−1)0.1〜99.9重量%及び下記熱可塑性重合体(A−2)0.1〜99.9重量%の合計100重量%からなる請求項記載のアクリル樹脂フィルム状物。
    (A−2)熱可塑性重合体炭素数1〜4のアルキル酸を有するメタクリル酸アルキルエステル50〜99重量%、アクリル酸アルキルエステル1〜50重量%及び共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜49重量%とからなり、重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1L/g以下である熱可塑性重合体
  3. ゴム含有重合体(A−1)80〜99.9重量%及び下記熱可塑性重合体(A−3)0.1〜20重量%の合計100重量%からなる請求項記載のアクリル樹脂フィルム状物。
    (A−3)熱可塑性重合体メタクリル酸メチル50〜100重量%及び共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜50重量%とからなり、重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1L/gを越える熱可塑性重合体
  4. ゴム含有重合体(A−1)0.1〜99.8重量%、熱可塑性重合体(A−2)0.1〜99.8重量%及び熱可塑性重合体(A−3)0.1〜20重量%の合計100重量%からなる請求項記載のアクリル樹脂フィルム状物。
  5. ゴム含有重合体(A−1)中のメタクリル酸アルキルエステル量が20重量%以上である請求項記載のアクリル樹脂フィルム状物。
  6. 50μmに成形したときの全光線透過率が90%以上、曇価が5%以下である請求項記載のアクリル樹脂フィルム状物。
  7. 請求項1のアクリル樹脂フィルム状物を表面に有する積層体。
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