JPH1067847A - 球状高分岐ポリマ−およびこの球状高分岐ポリマ−からなる潤滑剤並びにこの球状高分岐ポリマ−を用いた固体ポリマ−電解質 - Google Patents

球状高分岐ポリマ−およびこの球状高分岐ポリマ−からなる潤滑剤並びにこの球状高分岐ポリマ−を用いた固体ポリマ−電解質

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JPH1067847A
JPH1067847A JP11624297A JP11624297A JPH1067847A JP H1067847 A JPH1067847 A JP H1067847A JP 11624297 A JP11624297 A JP 11624297A JP 11624297 A JP11624297 A JP 11624297A JP H1067847 A JPH1067847 A JP H1067847A
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hyperbranched polymer
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spherical
spherical hyperbranched
polymer
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JP11624297A
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Toshihiro Abe
敏浩 阿部
Takahiro Furuya
隆博 古谷
Ichiji Miyata
一司 宮田
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球状高分岐ポリマ−を核とし、その表面にフ
ッ化炭素基、炭化水素基、反応性二重結合基もしくはア
ルキレンオキサイド基から選ばれる少なくとも1種を結
合させることによって、潤滑剤、化学的センサ−、塗料
の改質剤、分散剤、高分子電解質などに使用できる新規
な球状高分岐ポリマ−を得、この球状高分岐ポリマ−を
使用することによって、潤滑効果に優れた潤滑剤を得、
また高い伝導度および機械的強度を有する固体ポリマ−
電解質を得る。 【解決手段】 球状高分岐ポリマ−を核とし、その表面
にフッ化炭素基、炭化水素基、反応性二重結合基もしく
はアルキレンオキサイド基から選ばれる少なくとも1種
を結合させた球状高分岐ポリマ−、およびこの球状高分
岐ポリマ−からなる潤滑剤並びにこの球状高分岐ポリマ
−を用いた固体ポリマ−電解質

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は新規な球状高分岐
ポリマ−およびこの球状高分岐ポリマ−からなる潤滑剤
並びに固体ポリマ−電解質に関し、さらに詳しくは、フ
ッ化炭素基、炭化水素基、反応性二重結合基もしくはア
ルキレンオキサイド基などを結合させた、潤滑剤、化学
的センサ−、塗料の改質剤、分散剤、高分子電解質など
に使用できる球状高分岐ポリマ−と、この球状高分岐ポ
リマ−からなる潤滑剤並びに固体ポリマ−電解質に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に有機ポリマ−は、構造上、線状あ
るいは分枝状に分類されるが、最近、対称性のよい構造
と高度の分枝のために球状構造をとる密な星形重合体ま
たは星形多分枝重合体(球状高分岐ポリマ−)と呼ぶポ
リマ−が開発されている。これは個々の分枝が核(nu
cleus)から放射状に枝分かれして、1つの核あた
り少なくとも2個の枝を有するスタ−構造となる分枝を
有するものである。球状高分岐ポリマ−の合成は世代と
呼ばれる単位毎に段階的に行われ、これらの大きさ、形
状および性質は特殊化された最終用途に合致するように
分子的に調製可能であることがわかっている。
【0003】これらの球状高分岐ポリマ−を合成するに
は、特開平6−93097などに示されるように、官能
基の保護と脱保護、鎖の伸長を一段階毎に行うため、操
作としてはかなり煩雑であり、工業的に大量合成を行う
ことは困難であったが、最近、E.Malmstrom
らによってAB2型の化合物(AとBが結合を形成す
る)の自己縮合による簡便な方法で合成可能な脂肪族エ
ステル系の星形多分枝ポリマ−が報告されている(ma
cromolecules 28,1698,199
5)。
【0004】このような球状高分岐ポリマ−についてそ
の有用性が種々試みられており、たとえば、特表昭60
−500295号のように、有機溶剤/水型エマルジョ
ンの乳化破壊剤、製紙工業における湿潤強度向上剤、塗
料のような水溶液配合における粘度改質剤などに適した
稠密スタ−ポリマ−などが開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、球状高分岐
ポリマ−のような新規物質の研究や応用は未だ不充分
で、たとえば、潤滑性、機械的強度および伝導度に優れ
た球状高分岐ポリマ−は未だ提案されておらず、潤滑性
に優れた球状高分岐ポリマ−を磁気記録媒体に応用する
ことや、薄膜としても高い機械的強度を有するととも
に、室温においても高い伝導度を有する固体ポリマ−電
解質に応用することなども、未だ行われていない。
【0006】この発明はかかる現状に鑑み、前記球状高
分岐ポリマ−を化学修飾することにより、新規な球状高
分岐ポリマ−を提供することおよびこの球状高分岐ポリ
マ−の新規な工業的用途を提供することを目的として、
種々検討を行った結果なされたもので、潤滑剤、化学的
センサ−、塗料の改質剤、分散剤、固体ポリマ−電解質
などに使用できる応用範囲の広い球状高分岐ポリマ−を
提供し、この種の球状高分岐ポリマ−を潤滑剤もしくは
固体ポリマ−電解質などに使用して、特に優れた潤滑特
性、機械強度、伝導度が達成されるようにしたものであ
り、磁気記録媒体に応用すれば、過酷な使用条件下での
耐久性に優れた磁気記録媒体が得られ、また、ポリマ−
電池用として、薄膜としても高い機械的強度を有すると
ともに、室温においても高い伝導度を有する固体ポリマ
−電解質が得られるようにしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の球状高分岐ポ
リマ−は、球状高分岐ポリマ−を核とし、その表面にフ
ッ化炭素基、炭化水素基、反応性二重結合基もしくはア
ルキレンオキサイド基から選ばれる少なくとも1種を結
合させて構成されており、また、球状高分岐ポリマ−を
核とし、これに芳香環を介してフッ化炭素基もしくは炭
化水素基を結合させて構成されている。
【0008】さらに、この発明の潤滑剤は、球状高分岐
ポリマ−を核とし、その表面にフッ化炭素基、炭化水素
基、反応性二重結合基もしくはアルキレンオキサイド基
から選ばれる少なくとも1種を結合させた球状高分岐ポ
リマ−や、球状高分岐ポリマ−を核とし、これに芳香環
を介してフッ化炭素基もしくは炭化水素基を結合させた
球状高分岐ポリマ−をそのまま応用して潤滑剤としてお
り、同時に固体ポリマ−電解質としている。
【0009】また、球状高分岐ポリマ−を核とし、反応
性二重結合基とアルキレンオキサイド基を結合した球状
高分岐化合物と、1つのアクリロイル基と極性基を有す
るモノマ−および1つのアクリロイル基とオキシエチレ
ン基を有するモノマ−の共重合によって得られる架橋し
たポリマ−ネットワ−ク中に、塩、可塑剤を混入して固
体ポリマ−電解質としている。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明において、核となる球状
高分岐ポリマ−は、種々開発が行われているもので、個
々の分岐が核から放射状に枝分かれして、1つの核あた
り少なくとも2個の枝を有するスタ−構造を有する分岐
を有し、その合成は世代とよばれる単位毎に段階的に行
われる。これらの大きさ、形状および分布は特殊化され
た最終用途に合致するように分子的に調製可能であるこ
とがわかっている。
【0011】また、この核となる球状高分岐ポリマ−
は、高分子量であっても同様の分子量を有する直鎖状ポ
リマ−に比較して固有粘度が低く、そのため塗料や強化
油回収などの粘度に関する用途に有用性があって、特に
溶液にしたときの粘度の低さが特徴的であり、さらに3
次元的な形状を持つため、同様の構造を持つ直鎖状ポリ
マ−に比較して耐荷重性に優れるなどの特徴を有し、高
濃度の官能基を表面に有することができる。
【0012】このため、フッ化炭素基、炭化水素基さら
には芳香環、また反応性二重結合基とアルキレンオキサ
イド基などを高密度で導入することができ、これらの官
能基を導入すると、球状高分岐ポリマ−同士の会合が極
めて少なくなるため、球状高分岐ポリマ−単分子として
の性質が顕著に現れる。
【0013】すなわち、一般に分岐構造の分子は直鎖構
造の分子に比較して凝集しにくいため、同程度の分子量
を有する一般の直線状ポリマ−に比較し、溶液混合時の
粘度が著しく低く、取扱性に優れる。さらに、結晶性が
低いため、室温付近においてもイオンの運動性が妨げら
れず、特に、反応性二重結合基やアルキレンオキサイド
基などのイオン輸率の高い官能基を高密度で導入する
と、室温においても高いイオン伝導度を有する電解質と
することが可能で、高いイオン伝導性を有する固体ポリ
マ−電解質が得られる。
【0014】また、剛直なフッ化炭素基、炭化水素基さ
らには芳香環を導入することによって、球状高分岐ポリ
マ−が0.5〜100nmの微小で剛直な粒子となるた
め、核となる球状高分岐ポリマ−の特徴の一つである耐
荷重性が増加し、たとえば、最近の磁気記録媒体のよう
に、磁気記録の高密度化の要求に応えるため、磁気記録
媒体と磁気ヘッドとの距離は小さくなり、相対速度はよ
り大きくなるなど、過酷な摺動部位を有する場合、この
ような部位を摺動するための潤滑剤として非常に有用
で、従来の低分子量のものでは満足できない潤滑効果が
達成される。
【0015】このような球状高分岐ポリマ−としては、
たとえば、その核となる球状高分岐ポリマ−が、下記の
化1
【化1】 (但し、結合点はC、折曲点はCH2 、端末はCH3
示し、Rは少なくとも2以上の分岐を有する分子からな
る基核を示す。またB1 およびB2 は少なくとも1以上
の分岐を有する分子であって、ここでの分岐とは外殻に
向かってB1 から次の世代のB2 にAを介して結合して
いる部分をいい、基核Rまたは前世代のB1 とAを介し
て結合している部分は除く。さらにXは−SO3 M基、
−OSO3M基、−COOM基、−PO(OM)2
基、アミノ基、水酸基、エポキシ基、アミド基から選ば
れる極性官能基、またはビニル基、メタクロイル基、ア
クリロイル基、アルキニル基から選ばれる不飽和炭素基
であって、Mは水素原子またはアルカリ金属原子を示
す。またAは基核RとB1 もしくはB1 とB2 の結合基
をいい、官能基Xの反応によって生成する。さらに
1 ,G2 ,G3 ,G4 ,G5は球状高分岐ポリマ−の
世代を示し、世代の数は1以上7以下である。)で表さ
れる構造を有し、その官能基にフッ化炭素基、炭化水素
基、反応性二重結合基もしくはアルキレンオキサイド基
を結合させるか、あるいは芳香環を介してフッ化炭素基
もしくは炭化水素基を結合させている。
【0016】なお、上記の化1からわかるように、核と
なる球状高分岐ポリマ−の最外殻に存在する官能基Xの
数は、世代が大きくなるに従って可及的に増大すること
となる。
【0017】また、合成条件により最外殻以外の官能基
Xが全て反応した場合も可能であるが、反応条件により
上記化1に示すように内部に官能基Xを残すこともでき
る。従って、この発明における核となる球状高分岐ポリ
マ−は、使用条件や用途によって官能基の数を容易に選
択できる。
【0018】ここで、原料となる基核Rに官能基Xが結
合した化合物としては、2以上の分岐を有する化合物で
あればいかなる化合物でもよく、たとえば、化1ではト
リオ−ル化合物を原料として用いた例であるが、その
他、三置換芳香族類、ホスファゼン環、アミン類が挙げ
られる。また、分岐成分B1 に官能基Xが結合した化合
物としては、基核Rに結合した官能基Xと反応して結合
基Aを生成し、次の世代の分岐成分B2 と官能基Xが結
合した化合物と結合基Aを生成する化合物であればいか
なる化合物でもよく、たとえば、カルボン酸類、アルコ
−ル類、アミン類、エポキシ類、不飽和炭化水素類など
が挙げられる。
【0019】また、核となる球状高分岐ポリマ−は、基
核となる化合物に各世代を形成するのに相当する量の枝
成分となる化合物を一段階毎に反応させることで、分子
量の制御が可能となり、このとき各世代の分子量を平均
分子量とする球状高分岐ポリマ−が得られる。この発明
における核となる球状高分岐ポリマ−は、その用途によ
って単独の世代のものであってもよいし、異なる世代の
球状高分岐ポリマ−との混合物であってもよい。
【0020】なお、核となる球状高分岐ポリマ−として
は、Dendrimers(DSM社製;球状高分岐ポ
リマ−)、Starburst Dendrimer
Generation3(Aldrich社製;球状高
分岐ポリマ−)など、市販のものを使用してもよく、ま
た、これら球状高分岐ポリマ−の表面の官能基として
は、カルボン酸、アミノ酸、アミノ基、水酸基などが、
一種類で単独で存在していてもよく、数種類が混在して
いてもよい。
【0021】これらの核となる球状高分岐ポリマ−表面
への結合は、フッ化炭素基と結合させる場合、球状高分
岐ポリマ−の官能基Xと炭素数が1以上のフッ化アルコ
−ル、フッ化カルボン酸、フッ化アミン、フッ化エポキ
シまたはこれらの誘導体との反応によって行われ、核と
なる球状高分岐ポリマ−にフッ化炭素を導入することが
できる。このとき、フッ化炭素基と球状高分岐ポリマ−
は、エステル結合の他、エ−テル結合、アミド結合、ウ
レタン結合、ウレア結合などで結合される。
【0022】また、炭化水素基、反応性二重結合基もし
くはアルキレンオキサイド基と結合させる場合は、球状
高分岐ポリマ−の官能基Xと炭素数が1以上のアルコ−
ル、カルボン酸、アミンの他、エポキシ等の複素環化合
物またはこれらの誘導体との反応によって行われ、核と
なる球状高分岐ポリマ−に炭化水素基、反応性二重結合
基もしくはアルキレンオキサイド基を導入することがで
きる。なお、アルキレンオキサイド基はオリゴマ−とし
てもよい。このとき、炭化水素基等の有機基と球状高分
岐ポリマ−は、エステル結合の他、エ−テル結合、アミ
ド結合、ウレタン結合、ウレア結合などで結合される。
【0023】このような球状高分岐ポリマ−の合成例と
しては、例えば、トリメチロ−ルプロパンとビスメチロ
−ルプロピオン酸とを、アルゴンガス等の不活性ガス雰
囲気下で加熱し、水を除去しながら反応させ、一段階毎
に鎖長を延長して下記の化2
【化2】 (但し、結合点はC、折曲点はCH2 、端末はCH3
示す。)で示されるような表面にOH基を有する球状高
分岐ポリマ−Aを合成し、これをコハク酸無水物等の無
水物、あるいはホモフタル酸などのジカルボン酸と加熱
反応させて、表面にカルボン酸を有する球状高分岐ポリ
マ−とし、これにフッ化炭素基などの有機基を有する化
合物を加熱反応させて製造される。また、フッ化炭素基
などの有機基を有する酸クロライド化合物を合成し、こ
れと球状高分岐ポリマ−Aを反応させるなどの方法でも
製造される。
【0024】このとき、球状高分岐ポリマ−Aの合成中
に反応しなかった官能基は分子内に残るため、球状高分
岐ポリマ−Aには表面だけでなく内部にも官能基が若干
存在することになるが、フッ化炭素基等の有機基はこれ
らの官能基を置き換える形で導入すればよく、また、官
能基の有機基への置換の割合は、置換する有機基を有す
る化合物の添加量を適時変えて合成することができ、こ
の発明の球状高分岐ポリマ−を利用する用途によって異
なる置換率のものが使用できる。
【0025】このようなこの発明の球状高分岐ポリマ−
は、潤滑剤、化学的センサ−、塗料の改質剤、分散剤、
高分子電解質などに使用できると考えられ、特に、フッ
化炭素基もしくは炭化水素基を結合させた球状高分岐ポ
リマ−、または芳香環を介してこれら有機基を結合させ
た球状高分岐ポリマ−は、充分な潤滑効果を有するとと
もに、粒子径が小さい球状の潤滑剤として使用できる。
【0026】また、これらの球状高分岐ポリマ−は、潤
滑剤として使用するときは、高温、高荷重等の過酷な条
件下でも直鎖状の分子に比較して耐荷重性に優れ、摺動
時に転がるため、高速、低速、高負荷、低負荷にかかわ
らず、接触する固体間を低摩擦、低磨耗で摺動させるこ
とができ、精密機器において、起動不良や摺動時に偶発
的に摩擦力が急増する問題を回避することができる。
【0027】たとえば、工業製品の中で磁気記録媒体
は、テ−プ型では高回転のシリンダ−ヘッドと移動する
磁気記録媒体の相対速度が6m/sec以上、ディスク
型では1000rpm以上が一般となっており、この過
酷な使用状態でも良好な潤滑性が必要とされるため、潤
滑剤にはより高度な摺動特性が必要とされ、さらに、将
来的な記録密度の向上に対応するため、磁気記録媒体の
走行速度がさらに大きくなり、磁気ヘッドと激しく接触
するようになると考えられ、既存の低分子量の潤滑剤で
は膜切れを起こすなどして対応しきれなくなる可能性が
あることから、過酷な条件においても潤滑性を発現する
には、潤滑剤分子に耐荷重性を与える必要がある。
【0028】このような背景から、本発明者らは、様々
な形状の分子に加重をかけたときの分子の変形をコンピ
ュ−タシュミレ−ションにより調査した結果、球状高分
岐ポリマ−のような多数の分枝構造を有するポリマ−が
耐荷重性に優れていることが明らかとなった。そして、
磁気記録媒体に、多数の分岐構造を有し耐荷重性に優れ
るこの発明の球状高分岐ポリマ−を、潤滑剤として磁性
層上に存在させるなどの方法で使用した場合、磁気ヘッ
ドとの強い摺接に耐え、過酷な使用条件下でもその優れ
た潤滑効果が充分に発揮されて、磁気記録媒体のスチル
耐久性が充分に向上され、粒子径が小さいため、スペ−
シングロスもなくて、貼り付きなども生じないことがわ
かった。
【0029】このようにして球状高分岐ポリマ−を核と
し、その表面にフッ化炭素基もしくは炭化水素基または
芳香環を介してこれらの有機基を結合させた球状高分岐
ポリマ−は、潤滑剤として使用するとき、平均粒子径が
0.5nmより小さいと潤滑効果が充分に発現されず、1
00nmより大きいと磁気記録媒体の潤滑剤として使用
したときスペ−シングロスが増大して記録再生特性に支
障をきたすため、平均粒子径0.5〜100nmのものが
好ましく使用される。
【0030】なお、この発明のフッ化炭素基を結合させ
た球状高分岐ポリマ−を潤滑剤として利用する場合に
は、炭素数が1以上のパ−フルオロアルキル、パ−フル
オロエ−テル鎖などを有する化合物を用いることが好ま
しく、炭素数が2以上30以下、さらには5以上20以
下のものを用いることがより好ましい。これらの構造は
直線状でも枝別れ構造を有してしてもよい。また、炭化
水素基を結合させた球状高分岐ポリマ−を潤滑剤として
利用する場合には、炭化水素基が飽和炭化水素基である
ことが好ましく、炭素数5以上50以下のものを用いる
のが好ましい。
【0031】また、このような球状高分岐ポリマ−は、
単独で使用される他、二種以上混合しても使用され、さ
らに種々の潤滑剤、たとえば、脂肪酸またはその金属
塩、脂肪族エステル、脂肪族アミド、脂肪族アルコ−
ル、モノサルファイド、パラフィン類、シリコ−ン化合
物、脂肪族とフッ化物のエステル、他のパ−フルオロポ
リエ−テル、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂微粉
末等と相溶性よく併用される。このときの粘度は他の添
加剤を加えることにより、温度−10℃〜50℃で10
0cp以下の低粘度となる。これは球状高分岐ポリマ−
単独では、分子間の枝成分の絡み合い等の相互作用が大
きく現れるのに対し、他の潤滑剤等を添加することによ
りこの相互作用を低減できるためと考えられる。
【0032】このような球状高分岐ポリマ−を、磁気記
録媒体の潤滑剤として使用するには、この種の球状高分
岐ポリマ−をフレオン等のフッ素系溶媒、ヘキサン、ヘ
プタン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、イ
ソプロピルアルコ−ル等の炭化水素系溶媒、クロロホル
ム等に溶解させ、これを予めポリエチレンテレフタレ−
トフィルム等の非磁性支持体上に形成した磁性層上に、
塗布あるいは噴霧して乾燥するか、もしくは逆にこの溶
液中に前記の磁性層を浸漬して、乾燥するなどの方法で
行われる。
【0033】また、この他、この種の球状高分岐ポリマ
−を、磁性粉末、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の
必要成分とともに混合分散して磁性塗料を調製し、この
磁性塗料をポリエチレンテレフタレ−トフィルム等の非
磁性支持体上に、吹きつけもしくはロ−ル塗りなどの任
意の手段で塗布し、乾燥して磁性層を形成するなどの方
法でも使用される。
【0034】なお、このときこの種の球状高分岐ポリマ
−を存在させる磁性層が強磁性金属薄膜層である場合
は、表面に微量の水分が付着した強磁性金属薄膜層であ
ってもよく、さらに、ベンゾトリアゾ−ル系等の防錆材
を塗布したものや、真空蒸着、スパッタリング、プラス
マ等で有機化合物や炭素や酸化珪素さらに酸化クロム等
からなる保護膜層を強磁性金属薄膜層上に設けたもので
あってもよい。
【0035】このように磁気記録媒体に使用するこの種
の球状高分岐ポリマ−の使用量は、磁性層上に被着する
場合、1m2 当たり0.1〜20mgの範囲にするのが好
ましく、この被着量が少なすぎるとときとして均一に存
在させることができず、スチル耐久性を充分に向上させ
ることができない。また、反対に多すぎると磁気ヘッド
と磁性層が張り付いたりするため好ましくない。
【0036】また、磁性層中に含有させる場合は、磁性
粉末に対して0.1重量%より少なくては所期の効果が得
られず、5.0重量%より多いと磁性層の強度が低下した
り、磁気ヘッド汚れが生じやすくなるため、0.1〜5.0
重量%の範囲内にするのが好ましい。
【0037】磁性層の形成は、強磁性金属薄膜層の場
合、Co、Ni、Fe、Co−Ni、Co−Cr、Co
−P、Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe−Co−
Ni、Co−Ni−Fe−B、Fe−Ni、Fe−C
o、Co−Pt、Co−Ni−Ptおよびこれらに酸素
を加えたもの等、一般に強磁性金属薄膜層の形成に使用
される強磁性材を、真空蒸着、イオンプレ−ティング、
スパッタリング、メッキ等の手段によって非磁性支持体
の片面もしくは両面に被着するなどの方法で形成され
る。
【0038】この他、磁性層は、磁性粉末を結合剤樹
脂、有機溶剤およびその他の必要成分とともに混合分散
して磁性塗料を調製し、この磁性塗料をポリエチレンテ
レフタレ−トフィルムなどの非磁性支持体上に塗布、乾
燥してつくられる。
【0039】この場合、使用される磁性粉末としては、
γ−Fe2 3 粉末、Fe3 4 粉末、γ−Fe2 3
粉末とFe3 4 粉末との中間酸化状態の酸化鉄粉末、
Co含有γ−Fe2 3 粉末、Co含有Fe3 4
末、CrO2 粉末の他、Fe粉末、Co粉末、Fe−N
i−Cr合金粉末などの金属粉末およびバリウムフェラ
イト粉末など、従来公知の各種磁性粉末が広く使用され
る。
【0040】また、結合剤樹脂としては、塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体、繊維素系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラ−ル系樹
脂、ポリアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル
系樹脂、ポリイソシアネ−ト化合物など、通常、磁気記
録媒体の結合剤樹脂として使用されるものがいずれも好
適に使用される。
【0041】さらに、有機溶剤としては、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、
トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメチルホルムアミドなど、一般に磁気記録媒体に
使用されるものが単独もしくは二種以上混合して使用さ
れる。
【0042】なお、磁性塗料中には、通常使用されてい
る各種添加剤、たとえば、研磨剤、帯電防止剤、分散剤
などを任意に添加使用してもよい。
【0043】また、表面に磁性層を形成した非磁性支持
体の裏面にバックコ−ト層を設けてもよく、このバック
コ−ト層は、カ−ボンブラック、炭酸カルシウム等の非
磁性粉末を、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ウレ
タン系共重合体、ポリウレタン系樹脂、繊維素系樹脂等
の結合剤樹脂および有機溶剤等とともに混合分散してバ
ックコ−ト層用塗料を調製し、このバックコ−ト層用塗
料を、表面に磁性層を形成した非磁性支持体の裏面に、
塗布、乾燥して形成される。
【0044】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリカ−ボネ
−ト、ポリイミド、ポリ塩化ビニル等のプラスチックや
アルミニウム合金、チタン合金等が好適に使用される。
また、この非磁性支持体の形状はテ−プ、シ−ト、ディ
スク、カ−ド等のいずれであってもよく、表面に突起を
形成してもよい。
【0045】また、反応性二重結合基もしくはアルキレ
ンオキサイド基を結合させた球状高分岐ポリマ−は、表
面にイオン伝導性の高い有機基を有するため、優れた伝
導度が得られる。また、3次元的な球形状を持つため、
同様の構造を持つ直鎖状ポリマ−に比較して耐荷重性等
の機械特性に優れ、固体ポリマ−電解質として特に有用
である。
【0046】このようなこの発明の球状高分岐ポリマ−
を固体ポリマ−電解質として利用する場合、分子中に導
入する反応性二重結合基は、核となる球状高分岐ポリマ
−の官能基の5%以上70%以下と置き換えるのがよ
く、5%より少なくては重合したときの固体ポリマ−電
解質の機械的強度が低下し、70%を超えると重合後の
ポリマ−鎖の自由運動が阻害されるためイオン伝導度が
低下する。
【0047】ここで、核となる球状高分岐ポリマ−に結
合させる反応性二重結合基としては、アクリロイル基も
しくはメタクロイル基等の熱あるいは光重合可能な有機
基等が挙げられる。
【0048】また、核となる球状高分岐ポリマ−に導入
するアルキレンオキサイド基は、球状高分岐ポリマ−の
全官能基数をA、反応性二重結合基数をB、アルキレン
オキサイド基数をCとしたとき、下記の式 0.05<(B/A)<0.7 C≦A−B を満足させる関係とすることが好ましく、核となる球状
高分岐ポリマ−の残った官能基の全てをアルキレンオキ
サイド基と置き換えるかたちで導入するのが好ましい。
これは、分子内に活性水素基を有する官能基が残存する
と、塩が分解し、イオン伝導度の低下の原因となるため
である。なお、導入するアルキレンオキサイド基の炭素
数は2以上10以下が好ましい。2以上とすることで高
いイオン伝導度を得ることができる。
【0049】この他、球状高分岐ポリマ−と可塑剤とし
て用いるエチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−
トなどとのさらなる均一性を得るために、分子内にカ−
ボネ−ト基などを一部導入してもよい。
【0050】この発明における固体ポリマ−電解質の作
製方法としては、まず、前記の球状高分岐ポリマ−を核
とし、反応性二重結合基とアルキレンオキサイド基を導
入した球状高分岐ポリマ−とアクリル系モノマ−、塩、
可塑剤の混合溶液を電極上にキャストし、数分の加熱あ
るいは光によりin situ重合するか、あるいは溶
液を固体表面上にキャストし、重合して高い機械的強度
を有する薄膜を得るなどの方法で作製される。
【0051】また、この他の方法としては、溶液を適す
る支持体に含浸し、電極表面上あるいはフラットな面に
て熱あるいは光にて重合し、補強された薄膜を得るなど
の方法でも作製され、この場合の支持体としては、ポリ
エチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン
等の不織布などが挙げられる。
【0052】さらに、この発明の典型的な固体ポリマ−
電解質は、前記の球状高分岐ポリマ−とモノマ−、塩、
可塑剤を含有する溶液の薄膜を重合することによって得
られ、モノマ−としては、分子内に1つのアクリロイル
基、1つの極性基、たとえば、カ−ボネ−ト基やシアノ
基を有するもの、あるいは、分子内に1つのアクリレ−
ト基とアルキレンオキサイド基(−CH2 CH2 O−)
を有するものが使用される。
【0053】可塑剤としては、エチレンカ−ボネ−ト、
プロピレンカ−ボネ−トなどのカ−ボネ−ト系有機溶
剤、またはリン酸トリメチル等のリン酸エステル系有機
溶剤などを用いることができる。
【0054】また、球状高分岐ポリマ−と重合させるモ
ノマ−の代表例としては、2−エトキシエチルアクリレ
−ト(EA)、アクリロニトリル(AN)、トリエチレ
ングリコ−ルジメチルアクリレ−ト(TEDM)などを
挙げることができる。
【0055】この発明において、球状高分岐ポリマ−を
重合した重合ポリマ−とともに、イオン伝導性の固体ポ
リマ−電解質を構成させる金属塩としては、従来のポリ
マ−電解質に用いられるものがいずれも使用可能であ
り、その具体例を挙げると、たとえば、LiBr、Li
I、LiSCN、LiBF4 、LiAsF6 、LiCl
4 、LiCF3 SO3 、LiC6 FI2 SO3 、Li
CF3 SO2 、LiHgI3 などが挙げられる。これら
の金属塩の使用量は、前記重合ポリマ−に対して、通常
1〜30重量%の範囲であり、特に3〜20重量%の範
囲内にするのが好ましい。
【0056】上記の重合ポリマ−を金属塩溶液に浸漬す
ることにより、金属塩が重合ポリマ−中のエ−テル酸素
に錯体を形成して結合し、溶媒除去後も上記結合が保た
れて、重合ポリマ−を金属塩との複合体が得られる。
【0057】固体ポリマ−電解質の形態は、その用途目
的などによって適宜決められ、たとえば、固体ポリマ−
電解質をリチウム電池用の電解質として用い、かつ正負
両極間のセパレ−タとしての機能を兼ねさせる場合は、
固体ポリマ−電解質をシ−ト状に形成すればよい。この
シ−ト状の固体ポリマ−電解質を得るには、前記重合ポ
リマ−をシ−ト状に形成し、該シ−ト状の重合ポリマ−
を金属塩の有機溶媒溶液に浸漬後、有機溶媒を蒸発除去
すればよい。上記シ−トとしては、一般にフィルムと呼
ばれているようなミクロンオ−ダ−の極めて薄いものも
作製することができる。
【0058】また、この発明の固体ポリマ−電解質をリ
チウム電池の正負両極に適用する場合は、球状高分岐ポ
リマ−、重合モノマ−、正極活物質などを所定の割合で
加え、重合させた後成形し、得られた成形体を金属塩の
有機溶媒溶液に浸漬し、浸漬後、有機溶媒を蒸発除去す
ればよい。そうすることによって固体ポリマ−電解質と
正極活物質などとが混在一体化したものが得られる。
【0059】固体ポリマ−電解質を得るにあたって、金
属塩を溶解する有機溶媒としては、金属塩を充分に溶解
し、かつポリマ−と反応しない有機溶媒、たとえば、ア
セトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオ
キソラン、プロピレンカ−ボネ−ト、アセトニトリル、
ジメチルフォルムアミドなどが用いられる。
【0060】なお、上記正極は、場合により正極活物質
とポリテトラフルオロエチレン粉末などの結着剤や電子
伝導助剤とを混合してシ−ト状に成形したものであって
もよい。正極に用いる正極活物質としては、たとえば、
TiS2 、MoS2 、V6 13、V2 5 、VSe、N
iPS3 、ポリアニン、ポリピロ−ル、ポリチオフェン
の他、LiCoO2 、LiNiO2 、LiMn2 4
どのリチウム金属酸化物などの1種もしくは2種以上が
用いられる。
【0061】このように構成されるリチウム電池は、固
体ポリマ−電解質がシ−ト状物であることによって、電
池の薄型化や電池作製のための作業性、封止の信頼性な
どの向上に寄与させることができ、また液体電解質のよ
うな漏液の心配が本質的にないといった種々の利点を有
する上に、上記固体ポリマ−電解質がそのリチウムイオ
ン伝導性に優れていることにより、一次電池としての放
電特性や二次電池としての充放電サイクル特性に非常に
優れたものとなる。
【0062】
【実施例】次に、この発明の実施例について説明する。 合成例1 Aldrich社製;ビスメチロ−ルプロピオン酸6.7
1gと、Aldrich社製;トリメチロ−ルプロパン
0.745gと、Aldrich社製;パラトルエンスル
ホン酸33.6mgとをフラスコに仕込み、Arガスで置
換した後、発生する水を除去しながら140℃で2時間
反応させ、さらに12ミリバ−ルに減圧しながら1時間
反応させた。続いて、ビスメチロ−ルプロピオン酸を8.
94g、パラトルエンスルホン酸を44.8mg添加し、
Arガスで置換した後、発生する水を除去しながら14
0℃で2時間反応させ、さらに12ミリバ−ルに減圧し
ながら1時間反応させた。続いて、ビスメチロ−ルプロ
ピオン酸を19.1g、パラトルエンスルホン酸を96.0
mg添加し、Arガスで置換した後、発生する水を除去
しながら140℃で2時間反応させ、さらに12ミリバ
−ルに減圧しながら1時間反応させて下記の化2
【化2】で表される球状の球状高分岐ポリマ−Aを得
た。図1はこのようにして得られた球状高分岐ポリマ−
AのIRスペクトルである。なお、IRの測定は、Ma
ttson社製;FTIR(KBr法)にて、粘度測定
は東京計器社製;E型粘度計を使用し、測定温度50℃
にて行った。
【0063】次いで、得られた球状高分岐ポリマ−A1
gをジオキサン10mlに溶解し、ピリジン0.8gとコ
ハク酸無水物0.9gとを加えて、110℃で3時間反応
させた後、溶媒を減圧除去により取り除き、表面にCO
OHを有する下記の化学式で示される球状の球状高分岐
ポリマ−Bを得た。なお、下記の化学式でA1 は前記の
化2で表される球状高分岐ポリマ−AのOH基を除いた
骨格を示したものである。 図2はこのようにして得られた球状高分岐ポリマ−のI
Rスペクトルで、IRは合成例1と同じ方法で測定し
た。
【0064】このようにして得られた球状高分岐ポリマ
−B2gに、Fluowet EA600(ヘキスト社
製;フッ化アルコ−ル)10gと、SnOを触媒量加
え、発生する水を除去しながら140℃で8時間反応さ
せた。しかる後、未反応のFluowet EA600
を減圧除去して、表面にフッ化炭素基を結合した下記の
化学式で示される球状高分岐ポリマ−Cを得た。なお、
下記の化学式でA1 は前記の化2で表される球状高分岐
ポリマ−AのOH基を除いた骨格を示したものである。 このようにして得られたフッ化炭素基を結合した球状高
分岐ポリマ−Cについて、粘度を測定したところ650
cpであった。また、図3はこのようにして得られたフ
ッ化炭素基を結合した球状高分岐ポリマ−CのIRスペ
クトルで、IRは合成例1と同じ方法で測定した。
【0065】合成例2 Fluowet EA600(ヘキスト社製;フッ化ア
ルコ−ル)10gとフタル酸無水物4gをジオキサン2
0gに溶解し、さらにピリジン2gを加えて140℃で
5時間反応させた。次いで、ピリジン、ジオキサン、未
反応のFluowet EA600を減圧除去し、トル
エンにて再結晶を行ってベンゼン環を有するフッ化カル
ボン酸を得た。続いて、ベンゼン環を有するフッ化カル
ボン酸50gに塩化チオニル25gを加え、80℃で2
時間反応させた後、未反応の塩化チオニルを除去して酸
クロリドを得た。
【0066】次に、合成例1と同様にして得た球状の球
状高分岐ポリマ−A10gと上記のようにして得られた
酸クロリド47gをジオキサン20gに溶解し、さらに
ピリジン7gを加えて80℃で5時間反応させ、表面に
ベンゼン環を介してフッ化炭素基を結合した下記の化学
式で示される球状高分岐ポリマ−Dを得た。なお、下記
の化学式でA1 は前記の化2で表される球状高分岐ポリ
マ−AのOH基を除いた骨格を示したものである。 このようにして得られたベンゼン環を介してフッ化炭素
基を結合した球状高分岐ポリマ−Dについて、粘度を測
定したところ850cpであった。また、図4はこのよ
うにして得られたベンゼン環を介してフッ化炭素基を結
合した球状高分岐ポリマ−のIRスペクトルで、IRは
合成例1と同じ方法で測定した。
【0067】合成例3 Fluowet EA600(ヘキスト社製;フッ化ア
ルコ−ル)10gとホモフタル酸4gを140℃で5時
間発生する水を除去しながら反応させた。次いで、未反
応のFluowet EA600を減圧除去し、トルエ
ンにて再結晶を行ってベンゼン環を有するフッ化カルボ
ン酸を得た。続いて、ベンゼン環を有するフッ化カルボ
ン酸50gに塩化チオニル25gを加え、80℃で2時
間反応させた後、未反応の塩化チオニルを除去して酸ク
ロリドを得た。
【0068】次に、合成例1と同様にして得た球状の球
状高分岐ポリマ−A10gと上記のようにして得られた
酸クロリド47gをジオキサン20gに溶解し、さらに
ピリジン7gを加えて80℃で5時間反応させ、表面に
ベンゼン環を介してフッ化炭素基を結合した下記の化学
式で示される球状高分岐ポリマ−Eを得た。なお、下記
の化学式でA1 は前記の化2で表される球状高分岐ポリ
マ−AのOH基を除いた骨格を示したものである。 このようにして得られたベンゼン環を介してフッ化炭素
基を結合した球状高分岐ポリマ−Eについて、粘度を測
定したところ750cpであった。また、図5はこのよ
うにして得られたベンゼン環を介してフッ化炭素基を結
合した球状高分岐ポリマ−EのIRスペクトルで、IR
は合成例1と同じ方法で測定した。
【0069】合成例4 合成例1と同様にして得た球状の球状高分岐ポリマ−A
10gと酸クロリド47gをジオキサン20gに溶解
し、さらにピリジン7gを加えて80℃で5時間反応さ
せ、表面にベンゼン環を介してフッ化炭素基を結合した
下記の化学式で示される球状高分岐ポリマ−Fを得た。
なお、下記の化学式でA1 は前記の化2で表される球状
高分岐ポリマ−AのOH基を除いた骨格を示したもので
ある。 このようにして得られたベンゼン環を介してフッ化炭素
基を結合した球状高分岐ポリマ−Fについて、粘度を測
定したところ540cpであった。また、図6はこのよ
うにして得られたベンゼン環を介してフッ化炭素基を結
合した球状高分岐ポリマ−FのIRスペクトルで、IR
は合成例1と同じ方法で測定した。
【0070】合成例5 合成例1と同様にして得られた球状高分岐ポリマ−A1
gをジオキサン10mlに溶解し、ラウリン酸0.8gを
加え、発生する水を除去しながら140℃で2時間反応
させた。しかる後、ジオキサンおよび水を除去し、炭化
水素基を結合した下記の化学式で示される球状高分岐ポ
リマ−Gを得た。なお、下記の化学式でA1 は前記の化
2で表される球状高分岐ポリマ−AのOH基を除いた骨
格を示したものである。 このようにして得られた炭化水素基を結合した球状高分
岐ポリマ−Gについて、粘度を測定したところ650c
pであった。また、図7はこのようにして得られた炭化
水素基を結合した球状高分岐ポリマ−GのIRスペクト
ルで、IRは合成例1と同じ方法で測定した。
【0071】合成例6 4−Octyloxybenzoic acid250
gに塩化チオニル120gを加え、80℃で塩化水素ガ
スの発生がなくなるまで加熱した。その後、未反応の塩
化チオニルを除去し、減圧蒸留にて塩化物を得た。この
塩化物333gを、合成例1と同様にして得られた球状
高分岐ポリマ−A330gに加え、100℃で5時間加
熱し、表面にベンゼン環を介して炭化水素基を結合した
下記の化学式で示される球状高分岐ポリマ−Hを得た。
なお、下記の化学式でA1 は前記の化2で表される球状
高分岐ポリマ−AのOH基を除いた骨格を示したもので
ある。 このようにして得られた炭化水素基を結合した球状高分
岐ポリマ−Hについて、粘度を測定したところ600c
pであった。また、図8はこのようにして得られた炭化
水素基を結合した球状高分岐ポリマ−HのIRスペクト
ルで、IRは合成例1と同じ方法で測定した。
【0072】合成例7 4−Dodecyloxybenzoic acid3
06gに塩化チオニル120gを加え、80℃で塩化水
素ガスの発生がなくなるまで加熱した。その後、未反応
の塩化チオニルを除去し、減圧蒸留にて塩化物を得た。
この塩化物433gを、合成例1と同様にして得られた
球状高分岐ポリマ−A330gに加え、100℃で5時
間加熱し、表面にベンゼン環を介して炭化水素基を結合
した下記の化学式で示される球状高分岐ポリマ−Iを得
た。なお、下記の化学式でA1 は前記の化2で表される
球状高分岐ポリマ−AのOH基を除いた骨格を示したも
のである。 このようにして得られたベンゼン環を介して炭化水素基
を結合した球状高分岐ポリマ−Iについて、粘度を測定
したところ580cpであった。また、図9はこのよう
にして得られたベンゼン環を介して炭化水素基を結合し
た球状高分岐ポリマ−IのIRスペクトルで、IRは合
成例1と同じ方法で測定した。
【0073】合成例8 合成例1と同様にして得られた球状高分岐ポリマ−A2
0gとAldrich社製;2−〔2−(2−meth
oxyethoxy)ethoxy〕acetic a
cid9.6gをフラスコ内で発生する水を除去しなが
ら、140℃で2時間反応させた。次いで、トリエチル
アミン13gをアセトン50gに溶解したアクリロイル
クロライド11.5gを滴下した。混合物を1夜放置した
後、アセトンを留去し、反応物を50gの塩化メチレン
に溶解し、これを10%塩化アンモニウム水溶液、水酸
化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した
後、硫酸マグネシウムで乾燥し、液状の反応性二重結合
基およびアルキレンオキサイド基を結合した球状高分岐
ポリマ−Jを得た。
【0074】このようにして得られた球状高分岐ポリマ
−Jに対する反応性二重結合基数およびアルキレンオキ
サイド基数は、球状高分岐ポリマ−Jの官能基数に対し
てそれぞれ30%と70%であった。また、このように
して得られた反応性二重結合基およびアルキレンオキサ
イド基を結合した球状高分岐ポリマ−Jについて、粘度
を測定したところ650cpであった。さらに、図10
はこのようにして得られた球状高分岐ポリマ−JのIR
スペクトルで、IRは合成例1と同じ方法で測定した。
【0075】合成例9 合成例1と同様にして得られた球状高分岐ポリマ−A2
0gとAldrich社製;2−(2−methoxy
ethoxy)acetic acid7.2gを、フラ
スコ内で発生する水を除去しながら、140℃で2時間
反応させ、さらに12mbarにて減圧しながら、1時
間反応させた。次いで、トリエチルアミン13gをアセ
トン50gに溶解したアクリロイルクロライド11.5g
を滴下した。混合物を1夜放置した後、アセトンを留去
し、反応物を50gの塩化メチレンに溶解し、これを1
0%塩化アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶
液、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、液状の反応性二重結合基およびアルキレ
ンオキサイド基を結合した球状高分岐ポリマ−Kを得
た。
【0076】このようにして得られた球状高分岐ポリマ
−Kに対する反応性二重結合基数およびアルキレンオキ
サイド基数は、球状高分岐ポリマ−Kの官能基数に対し
てそれぞれ30%と70%であった。また、このように
して得られた反応性二重結合基およびアルキレンオキサ
イド基を結合した球状高分岐ポリマ−Kについて、粘度
を測定したところ500cpであった。
【0077】実施例1 α−Fe磁性粉末 280 重量部 MR−110(日本ゼオン社製;塩化ビニル系樹脂) 50 〃 N−2309(日本ポリウレタン工業社製;ポリウレタン 25 〃 樹脂) カ−ボンブラック 3 〃 α−Al2 3 7.5 〃 シクロヘキサノン 400 〃 トルエン 400 〃 この組成物をニ−ダで5時間混練し、さらにサンドミル
中で6時間混合分散した後、これにさらにコロネ−トL
(日本ポリウレタン工業社製;三官能性低分子量イソシ
アネ−ト化合物)を30重量部添加し、15分間混合分
散して磁性塗料を調製した。この磁性塗料を厚さ62μ
mのポリエチレンテレフタレ−トフィルムの両面に、乾
燥後の厚さが3μmとなるように塗布、乾燥して磁性層
を形成した。しかる後、直径85mmの円板状に打ち抜
いた。
【0078】次に、円板状に打ち抜いたものを、合成例
4で得られたフッ化炭素基を結合した球状高分岐ポリマ
−0.6重量部とオレイルオレ−ト2.4重量部とを、イソ
プロピルアルコ−ル30重量部とヘキサン70重量部と
を混合した溶剤に溶解して得た溶液中に、浸漬し、乾燥
して、フッ化炭素基を結合した球状高分岐ポリマ−を被
着させ、フロッピ−デイスクを作製した。
【0079】実施例1におけるフロッピ−デイスクの作
製において、合成例4で得られたフッ化炭素基を結合し
た球状高分岐ポリマ−0.6重量部とオレイルオレ−ト2.
4重量部とを、イソプロピルアルコ−ル30重量部とヘ
キサン70重量部とを混合した溶剤に溶解して得た溶液
に代えて、合成例6で得られた炭化水素基を結合した球
状高分岐ポリマ−0.6重量部とオレイルオレ−ト2.4重
量部とを、イソプロピルアルコ−ル30重量部とヘキサ
ン70重量部とを混合した溶剤に溶解して得た溶液を使
用した以外は、実施例1と同様にしてフロッピ−デイス
クを作製した。
【0080】比較例1 実施例1におけるフロッピ−デイスクの作製において、
合成例4で得られたフッ化炭素基を結合した球状高分岐
ポリマ−0.6重量部とオレイルオレ−ト2.4重量部と
を、イソプロピルアルコ−ル30重量部とヘキサン70
重量部とを混合した溶剤に溶解して得た溶液に代えて、
オレイルオレ−ト3.0重量部を、イソプロピルアルコ−
ル30重量部とヘキサン70重量部とを混合した溶剤に
溶解して得た溶液を使用した以外は、実施例1と同様に
して、フロッピ−デイスクを作製した。
【0081】実施例1、2および比較例1で得られたフ
ロッピ−デイスクについて、20℃、50%RHの条件
下で、フロッピ−ドライブ(YE DATA社製;YD
−686C)を用い、ランニングトルクを測定した。下
記表1はその結果である。
【0082】
【0083】実施例3 合成例8で合成した反応性二重結合基およびアルキレン
オキサイド基を結合した球状高分岐ポリマ−Jと、Et
hoxy ethyl acrylate、Ethyl
ene glycol ethyl carbonat
e matacrylate、過酸化ベンゾイルをエチ
レンカ−ボネ−ト/プロピレンカ−ボネ−トに溶解し溶
液を調製した。調製した重合溶液を4×4cmの不織布
(Hollytex fabricby Ahlstr
on Filtration Inc.)上にキャスト
し、PETフィルムにはさんで広げた。
【0084】これを85℃で5分間熱重合して、厚さ7
5μmの固体フィルムを得、補強されたフィルムを室温
に冷却し、PETフィルムからはがして、高い機械的強
度を有するフィルムを得た。得られたフィルムを0.22
mol/lのLiPF6 溶液(エチレンカ−ボネ−ト/
プロピレンカ−ボネ−ト)に浸漬した後、溶媒を乾燥
し、固体ポリマ−電解質を作製した。これを銅板(2.6
5cm×2.65cm、厚み50μm)にはさみ半電池を
作製した。
【0085】実施例4 合成例9で合成した反応性二重結合基およびアルキレン
オキサイド基を結合した球状高分岐ポリマ−Kと、Et
hoxy ethyl acrylate、過酸化ベン
ゾイルをエチレンカ−ボネ−ト/プロピレンカ−ボネ−
トに溶解し溶液を調製した。調製した重合溶液を4×4
cmの不織布(Hollytex fabricby
Ahlstron Filtration Inc.)
上にキャストし、PETフィルムにはさんで広げた。
【0086】これを85℃で5分間熱重合して、厚さ7
5μmの固体フィルムを得、補強されたフィルムを室温
に冷却し、PETフィルムからはがして、高い機械的強
度を有するフィルムを得た。得られたフィルムを0.22
mol/lのLiPF6 溶液(エチレンカ−ボネ−ト/
プロピレンカ−ボネ−ト)に浸漬した後、溶媒を乾燥
し、固体ポリマ−電解質を作製した。これを銅板(2.6
5cm×2.65cm、厚み50μm)にはさみ半電池を
作製した。
【0087】比較例2 合成例8で合成した反応性二重結合基およびアルキレン
オキサイド基を結合した球状高分岐ポリマ−Jに代え
て、アクリロニトリルを使用した以外は、実施例3と同
様にして固体フィルムを作製し、さらに固体ポリマ−電
解質および半電池を作製した。
【0088】実施例3,4および比較例2で得られた半
電池の交流インピ−ダンス測定(10kHz、25℃)
を行い、イオン伝導度を算出した。下記表2はその結果
である。
【0089】
【0090】
【発明の効果】上記表1から明らかなように、この発明
で得られたフロッピ−デイスク(実施例1および2)
は、比較例1で得られたフロッピ−デイスクに比し、ラ
ンニングトルクが低く、このことからこの発明のフッ化
炭素基を結合した球状高分岐ポリマ−および炭化水素基
を結合した球状高分岐ポリマ−は、潤滑性に優れている
ことがわかる。
【0091】また、上記表2から明らかなように、この
発明で得られた半電池(実施例3および4)は、比較例
2で得られた半電池に比し、イオン伝導度が高く、この
ことからこの発明の反応性二重結合基およびアルキレン
オキサイド基を結合した球状高分岐ポリマ−を固体ポリ
マ−電解質に用いると、高いイオン伝導度が得られるこ
とがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の合成例1で得られた、球状高分岐ポ
リマ−AのIRスペクトルである。
【図2】この発明の合成例1で得られた、球状高分岐ポ
リマ−BのIRスペクトルである。
【図3】この発明の合成例1で得られたフッ化炭素基を
結合した球状高分岐ポリマ−CのIRスペクトルであ
る。
【図4】この発明の合成例2で得られたフッ化炭素基を
結合した球状高分岐ポリマ−DのIRスペクトルであ
る。
【図5】この発明の合成例3で得られたフッ化炭素基を
結合した球状高分岐ポリマ−EのIRスペクトルであ
る。
【図6】この発明の合成例4で得られたフッ化炭素基を
結合した球状高分岐ポリマ−FのIRスペクトルであ
る。
【図7】この発明の合成例5で得られた炭化水素基を結
合した球状高分岐ポリマ−GのIRスペクトルである。
【図8】この発明の合成例6で得られた炭化水素基を結
合した球状高分岐ポリマ−HのIRスペクトルである。
【図9】この発明の合成例7で得られたベンゼン環を介
して炭化水素基を結合した球状高分岐ポリマ−IのIR
スペクトルである。
【図10】この発明の合成例8で得られた反応性二重結
合基およびアルキレンオキサイド基を結合した球状高分
岐ポリマ−JのIRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:18

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状高分岐ポリマ−を核とし、その表面
    にフッ化炭素基、炭化水素基、反応性二重結合基もしく
    はアルキレンオキサイド基から選ばれる少なくとも1種
    を結合させた球状高分岐ポリマ−
  2. 【請求項2】 球状高分岐ポリマ−を核とし、これに芳
    香環を介してフッ化炭素基もしくは炭化水素基を結合さ
    せた球状高分岐ポリマ−
  3. 【請求項3】 核となる球状高分岐ポリマ−に結合する
    フッ化炭素基が、炭素数1以上のパ−フルオロアルキル
    鎖あるいはパ−フルオロエ−テル鎖を有するフッ化炭素
    基である請求項1または請求項2記載の球状高分岐ポリ
    マ−
  4. 【請求項4】 フッ化炭素基もしくは炭化水素基を結合
    させた球状高分岐ポリマ−が、平均粒子径が0.5〜10
    0nmの球状高分岐ポリマ−である請求項1または請求
    項2記載の球状高分岐ポリマ−
  5. 【請求項5】 球状高分岐ポリマ−を核とし、反応性二
    重結合基とアルキレンオキサイド基を下記の割合で導入
    させた請求項1記載の球状高分岐ポリマ− 0.05<(B/A)<0.7 C≦A−B (但し、Aは球状高分岐ポリマ−の全官能基数、Bは反
    応性二重結合基数、Cはアルキレンオキサイド基数であ
    る。)
  6. 【請求項6】 核となる球状高分岐ポリマ−に結合する
    反応性二重結合基が、アクリロイル基もしくはメタクリ
    ロイル基から選ばれる1種以上である請求項1記載の球
    状高分岐ポリマ−
  7. 【請求項7】 核となる球状高分岐ポリマ−が、2個以
    上の規則性樹枝状分岐に結合している多価の基核を中心
    とし、その多価の基核が水酸基を少なくとも2以上有す
    る化合物であり、カルボキシル基が1以上と水酸基が少
    なくとも2以上有する化合物によって延長された構造を
    有する球状高分岐ポリマ−である請求項1または請求項
    2記載の球状高分岐ポリマ−
  8. 【請求項8】 核となる球状高分岐ポリマ−が、トリメ
    チロ−ルプロパンを中心とし、ビスメチロ−ルプロピオ
    ン酸によって延長された構造を有する球状高分岐ポリマ
    −である請求項1または請求項2記載の球状高分岐ポリ
    マ−
  9. 【請求項9】 球状高分岐ポリマ−を核とし、その表面
    にフッ化炭素基もしくは炭化水素基を結合させた球状高
    分岐ポリマ−からなる潤滑剤
  10. 【請求項10】 球状高分岐ポリマ−を核とし、その表
    面に芳香環を介してフッ化炭素基もしくは炭化水素基を
    結合させた球状高分岐ポリマ−からなる潤滑剤
  11. 【請求項11】 球状高分岐ポリマ−を核とし、その表
    面に反応性二重結合基およびアルキレンオキサイド基を
    結合させた球状高分岐ポリマ−からなる固体ポリマ−電
    解質
  12. 【請求項12】 球状高分岐ポリマ−を核とし、反応性
    二重結合基とアルキレンオキサイド基を結合した球状高
    分岐化合物と、下記のDおよびEのモノマ−との共重合
    によって得られる架橋したポリマ−ネットワ−ク中に、
    塩、可塑剤を混入してなる固体ポリマ−電解質 D 1つのアクリロイル基と極性基を有するモノマ− E 1つのアクリロイル基とオキシエチレン基を有する
    モノマ−
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