JPH06309654A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06309654A
JPH06309654A JP5117721A JP11772193A JPH06309654A JP H06309654 A JPH06309654 A JP H06309654A JP 5117721 A JP5117721 A JP 5117721A JP 11772193 A JP11772193 A JP 11772193A JP H06309654 A JPH06309654 A JP H06309654A
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JP
Japan
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magnetic
recording medium
magnetic recording
compound
thin film
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Application number
JP5117721A
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English (en)
Inventor
Sayaka Sasamoto
さやか 篠本
Ichiji Miyata
一司 宮田
Yuko Uetani
優子 植谷
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Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非磁性支持体の片面もしくは両面に磁性層を
設けた磁気記録媒体において、ポリエ−テル(A)とパ
−フルオロポリエ−テル(B)をエ−テル結合で結合し
たABA型またはAB型ブロック共重合体で、分子末端
にグリシジル基を有する化合物を潤滑剤として使用し
て、スチル耐久性を向上させ、長期にわたる保存安定性
に優れた磁気記録媒体を得る。 【構成】 非磁性支持体の片面もしくは両面に磁性層を
設けた磁気記録媒体において、ポリエ−テル(A)とパ
−フルオロポリエ−テル(B)をエ−テル結合で結合し
たABA型またはAB型ブロック共重合体で、分子末端
にグリシジル基を有する化合物を、潤滑剤として用いた
磁気記録媒体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は磁気記録媒体に関し、
さらに詳しくは、スチル耐久性が良好で、長期にわたる
保存安定性に優れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁性粉末、結合剤樹脂、有機溶
剤およびその他の必要成分からなる磁性塗料を非磁性支
持体上に塗布、乾燥してつくられる磁気記録媒体は、磁
気ヘッド等と接触しながら走行するため磁性層が摩耗さ
れやすく、磁性層の摩擦係数が小さくて、耐久性に優れ
ていることが要求される。
【0003】また、強磁性金属またはそれらの合金を真
空蒸着等によって非磁性支持体上に被着してつくられる
強磁性金属薄膜型磁気記録媒体は、塗布型の磁気記録媒
体に比し磁性層の高抗磁力化や薄膜化が容易で高密度記
録特性に優れる反面、表面平滑性が高く、また靭性のあ
る結合剤樹脂も存在しないため、磁気ヘッドとの摩擦係
数が大きくて摩耗や損傷を受けやすく、耐久性や走行性
に劣る。
【0004】このため、たとえば、磁性層中にテトラフ
ルオロエチレンテロマ−やパラフィンワックス等の潤滑
剤を含有させたり(特開昭54−161909号、特開
昭55−132528号)、また、パ−フルオロポリエ
−テル系潤滑剤、カルボン酸エステル系潤滑剤、部分フ
ッ素化カルボン酸エステル系潤滑剤等の種々の潤滑剤を
強磁性金属薄膜層上に存在させたり(特開昭60−85
427号、特開昭62−236118号、特開平2−2
10615号)して、耐久性および走行性を改善するこ
とが行われている。
【0005】しかしながら、これら従来の潤滑剤を磁性
層中に含有させても、未だ耐久性を充分に向上させるこ
とができず、また、パ−フルオロポリエ−テル系潤滑
剤、カルボン酸エステル系潤滑剤、部分フッ素化カルボ
ン酸エステル系潤滑剤等を強磁性金属薄膜上に存在させ
ると、優れた潤滑効果を発揮するものの、強磁性金属薄
膜層表面に保持される力が弱いため、同じ個所を連続し
て摺接するビデオテ−プにおける静止画面すなわちスチ
ル状態のような過酷な条件では未だ充分でなく、充分な
信頼性が得られない。
【0006】このため、強磁性金属薄膜層表面に強固に
化学吸着するように、パ−フルオロポリエ−テル分子末
端に水酸基やエステル基等の極性官能基を導入させる
(特公昭60−10368号)ことが行われているが、
これらのパ−フルオロポリエ−テル系潤滑剤は、フレオ
ンやパ−フルオロアルカンのような高価で特殊なフッ素
系溶剤にのみしか溶解せず、経済的に問題がある。ま
た、溶剤回収の際、熱分解によりフッ酸を生じるので、
作業の安全性にも問題があり、さらに、地球環境保護の
面からもハロゲンを多量に含む溶剤を用いる工程は望ま
しくない。
【0007】そこで、近年、フッ素系溶剤のような特殊
な溶剤ではなく、炭化水素系溶剤に溶解するフッ素系潤
滑剤が開発され、たとえば、長鎖炭化水素をアミド結
合、エステル結合などを介してパ−フルオロポリエ−テ
ルの分子末端に結合した化合物が提案されている。(特
開平2−78016号、特開平2−49128号)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この種の長
鎖炭化水素をアミド結合、エステル結合などを介してパ
−フルオロポリエ−テルの分子末端に結合した化合物で
は、エステル結合やアミド結合が、化学的な活性の高い
金属表面で加水分解され易く、加水分解で生じた酸が金
属表面を腐食したり、粘着性の塩を生じて、かえって潤
滑性を低下させるという難点がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明はかかる現状に
鑑み種々検討を行った結果なされてもので、ポリエ−テ
ル(A)とパ−フルオロポリエ−テル(B)をエ−テル
結合で結合したABA型またはAB型ブロック共重合体
で分子末端にグリシジル基を有する化合物を、非磁性支
持体の片面もしくは両面に磁性層を設けた磁気記録媒体
に、潤滑剤として使用することによって、過酷な使用条
件下でのスチル耐久性を充分に向上させ、過酷な使用条
件下でも長期にわたって高信頼性を維持する磁気記録媒
体を、高価なフッ素系溶剤を使用せずに製造できるよう
にしたものである。
【0010】この発明で使用されるポリエ−テルとパ−
フルオロポリエ−テルのブロック共重合体は、ポリエ−
テル部が可溶化剤として作用するため、一般に使用され
ている炭化水素系溶剤にも溶解しやすい。また、ポリエ
−テルは適度の極性を有しているため、磁性粉末との親
和性がよく、強磁性金属薄膜層に使用されると、強磁性
金属薄膜層との間で適度な相互作用が生じ、表面に安定
に保持される。さらに、分子中に化学的な安定性に優れ
たエ−テル結合しか含まないので、活性金属表面に吸着
しても分解することがない。また、パ−フルオロポリエ
−テル部は優れた潤滑効果を有する。
【0011】さらに、分子末端にグリシジル基を有し、
このグリシジル基が一般に磁性粉末の表面および大気中
の金属表面に吸着している水分子と下記の化1
【化1】 のように反応して高分子量化し、強固な潤滑膜をつくる
ため、過酷な条件下でも表面から排除され難くなり、ス
チル耐久性が充分に向上される。
【0012】また、分子末端にグリシジル基を有し、水
酸基、カルボキシル基などの極性の強い官能基を持たな
いため、特にケトン系等の炭化水素系溶媒に対する溶解
性に優れ、親水性が低いため耐蝕効果も損なわれない。
【0013】従って、この種の化合物を磁性層中に含有
させると、磁性層中への均一分散化が容易で、過酷な使
用条件下でもその優れた潤滑効果が充分に発揮されて、
スチル耐久性が充分に向上される。また、この種の化合
物を強磁性金属薄膜層の潤滑剤として存在させると、磁
気ヘッドとの強い摺接に耐え、過酷な使用条件下でもそ
の優れた潤滑効果が充分に発揮されて、スチル耐久性が
充分に向上され、耐蝕性も良好で、高信頼性を長期にわ
たって維持することができる。
【0014】これに対し、従来のパ−フルオロポリエ−
テル系潤滑剤は、一般に使用されている有機溶剤に溶解
しないため磁性層中に含有させて使用することができ
ず、また末端のみに極性官能基を有するものであるた
め、強磁性金属薄膜層表面に安定に保持されず、過酷な
使用条件下では充分なスチル耐久性が得られない。さら
にカルボキシル基やエステル基のように金属表面との反
応性の高い官能基の場合は金属表面を腐食したり、粘着
性の塩を生じて潤滑性を低下させることがある。
【0015】このような分子末端にグリシジル基を有す
るポリエ−テルとパ−フルオロポリエ−テルのブロック
共重合体は、パ−フルオロポリエ−テル鎖の少なくとも
1個の分子末端に、下記の一般式、化2、化3、化4
【化2】
【化3】
【化4】 (但し、nおよびmは整数で6≦2m+3n≦30、l
は0または1である。)で表される化合物をエ−テル結
合させたものである。
【0016】この種のブロック共重合体は、フッ化炭素
部分と炭化水素部分の分子量のバランスが重要であり、
潤滑性、溶解性、粘性等の点からパ−フルオロポリエ−
テル部分は分子量が500以上10000以下のもの、
特に分子量が800〜3000のものが好適に使用され
る。また、ポリエ−テルの炭素数は、上記一般式におい
て2m+3nが6以上30以下が好ましく、2m+3n
が6より小さい場合はポリエ−テルによる溶解性および
吸着性向上の効果が得られず、また、2m+3nが30
より大きくなると、フッ素元素の優れた潤滑特性が充分
に発揮され難くなる。
【0017】また、パ−フルオロポリエ−テル鎖は、た
とえば、一般式 (但し、式中のpおよびqは10〜500の自然数であ
る。)で表される基本骨格を有し、極性基を含まないパ
−フルオロポリエ−テル類が好適に利用される。
【0018】このようなパ−フルオロポリエ−テルとポ
リエ−テルのブロック共重合体は、いかなる合成法を用
いて合成してもよく、工業的に有効な合成法を例示すれ
ば、たとえば、プロピレンオキシドと、末端官能基が水
酸基であるパ−フルオロポリエ−テル化合物(たとえ
ば、モンテジソン社製 フォンブリンZ DOL)とを
用い、オ−トクレ−ブ中で反応させて合成される。
【0019】また、末端にグリシジル基を導入する方法
はどのようなものでもよく、たとえば、上記のようにし
てブロック共重合体を合成すると、分子末端はアルコ−
ル性水酸基になるので、エピクロロヒドリンとルイス酸
触媒を用いてこれをグリシジル化することができる。
【0020】また、このようなパ−フルオロポリエ−テ
ルとポリエ−テルのブロック共重合体は、単独で使用さ
れる他、二種以上混合しても使用され、さらに種々の潤
滑剤、たとえば、脂肪酸またはその金属塩、脂肪族エス
テル、脂肪族アミド、脂肪族アルコ−ル、モノサルファ
イド、パラフィン類、シリコ−ン化合物、脂肪族とフッ
化物のエステル、他のパ−フルオロポリエ−テル、ポリ
テトラフルオロエチレン等の樹脂微粉末等と相溶性よく
併用される。
【0021】このようなパ−フルオロポリエ−テルとポ
リエ−テルのブロック共重合体を、磁気記録媒体の潤滑
剤として使用するには、この種の化合物をフレオン等の
フッ素系溶剤、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、イソプロピルアルコ−ル等の炭化水素系溶剤等に溶
解させ、これを予めポリエチレンテレフタレ−トフィル
ム等の非磁性支持体上に形成した磁性層上に、塗布ある
いは噴霧して、乾燥するか、もしくは逆にこの溶液中に
前記の磁性層を浸漬して、乾燥するなどの方法で行われ
る。さらに、この溶液を表面に磁性層を形成した非磁性
支持体の裏面に塗布あるいは噴霧したり、表面に磁性層
を形成した非磁性支持体の裏面にバックコ−ト層を設け
て、このバックコ−ト層中に塗布あるいは噴霧してもよ
く、またバックコ−ト層中に予めこの種の化合物を含有
させてもよい。
【0022】また、この他、この種の化合物を、磁性粉
末、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要成分とと
もに混合分散して磁性塗料を調製し、この磁性塗料をポ
リエチレンテレフタレ−トフィルム等の非磁性支持体上
に、吹きつけもしくはロ−ル塗りなどの任意の手段で塗
布し、乾燥して磁性層を形成するなどの方法でも使用さ
れる。そして、さらに磁性層と非磁性支持体との間に下
塗り層を設け、この下塗り層中にこの種の化合物を含有
させてもよい。
【0023】なお、このときこの種の化合物を存在させ
る磁性層が強磁性金属薄膜層である場合は、表面に微量
の水分が付着した強磁性金属薄膜層であってもよく、さ
らに、ベンゾトリアゾ−ル系等の防錆材を塗布したもの
や、真空蒸着、スパッタリング、プラスマ等で有機化合
物や炭素や酸化珪素等からなる保護膜層を強磁性金属薄
膜層上に設けたものであってもよい。
【0024】このように磁気記録媒体の潤滑剤として使
用するこの種の化合物の使用量は、磁性層上に被着する
場合、1m2 当たり 0.5〜20mgの範囲にするのが好
ましく、この被着量が少なすぎるとときとして均一に存
在させることができず、スチル耐久性を充分に向上させ
ることができない。また、反対に多すぎると磁気ヘッド
と磁性層が張り付いたりするため好ましくない。
【0025】また、磁性層中に含有させる場合は、磁性
粉末に対して 0.1重量%より少なくては所期の効果が得
られず、5重量%より多いと磁性層の強度が低下した
り、磁気ヘッド汚れが生じやすくなるため、 0.1〜5重
量%の範囲内にするのが好ましい。
【0026】磁性層の形成は、強磁性金属薄膜層の場
合、Co、Ni、Fe、Co−Ni、Co−Cr、Co
−P、Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe−Co−
Ni、Co−Ni−Fe−B、Fe−Ni、Fe−C
o、Co−Pt、Co−Ni−Ptおよびこれらに酸素
を加えたもの等、一般に強磁性金属薄膜層の形成に使用
される強磁性材を、真空蒸着、イオンプレ−ティング、
スパッタリング、メッキ等の手段によって非磁性支持体
の片面もしくは両面に被着するなどの方法で形成され
る。このようにして形成される強磁性金属薄膜層は、厚
さを0.03〜1μmの範囲内にするのが好ましい。
【0027】なお、この発明においては、特に、Co−
Ni−O強磁性金属薄膜層に用いると優れた効果が発揮
されるため、Co,Ni,Oを主成分とする強磁性金属
薄膜層に用いるのが好ましく、さらに、CoとNiの重
量比が97/3〜60/40であるCo,Ni,Oを主
成分とする強磁性金属薄膜層に用いるのがより好まし
い。
【0028】この他、磁性層は、磁性粉末を結合剤樹
脂、有機溶剤およびその他の必要成分とともに混合分散
して磁性塗料を調製し、この磁性塗料をポリエチレンテ
レフタレ−トフィルムなどの非磁性支持体上に塗布、乾
燥してつくられる。
【0029】この場合、使用される磁性粉末としては、
γ−Fe2 3 粉末、Fe3 4 粉末、γ−Fe2 3
粉末とFe3 4 粉末との中間酸化状態の酸化鉄粉末、
Co含有γ−Fe2 3 粉末、Co含有Fe3 4
末、CrO2 粉末の他、Fe粉末、Co粉末、Fe−N
i−Cr合金粉末などの金属粉末およびバリウムフェラ
イト粉末など、従来公知の各種磁性粉末が広く使用され
る。
【0030】また、結合剤樹脂としては、塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体、繊維素系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラ−ル系樹
脂、ポリアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル
系樹脂、ポリイソシアネ−ト化合物など、通常、磁気記
録媒体の結合剤樹脂として使用されるものがいずれも好
適に使用される。
【0031】さらに、有機溶剤としては、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、
トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメチルホルムアミドなど、一般に磁気記録媒体に
使用されるものが単独もしくは二種以上混合して使用さ
れる。
【0032】なお、磁性塗料中には、通常使用されてい
る各種添加剤、たとえば、研磨剤、帯電防止剤、分散剤
などを任意に添加使用してもよい。
【0033】また、表面に磁性層を形成した非磁性支持
体の裏面にバックコ−ト層を設けてもよく、このバック
コ−ト層は、カ−ボンブラック、炭酸カルシウム等の非
磁性粉末を、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ウレ
タン系共重合体、繊維素系樹脂等の結合剤樹脂および有
機溶剤等とともに混合分散してバックコ−ト層用塗料を
調製し、このバックコ−ト層用塗料を、表面に磁性層を
形成した非磁性支持体の裏面に、塗布、乾燥して形成さ
れる。
【0034】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリカ−ボネ
−ト、ポリイミド、ポリ塩化ビニル等のプラスチックや
アルミニウム合金、チタン合金等が好適に使用される。
また、この非磁性支持体の形状はテ−プ、シ−ト、ディ
スク、カ−ド等のいずれであってもよく、表面に突起を
形成してもよい。
【0035】
【実施例】次に、この発明の実施例について説明する。 実施例1 厚さ10μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルムを
真空蒸着装置に装填し、酸素ガス圧5×10-5ト−ルの
残留ガス圧の下で、Co−Ni合金を加熱蒸発させ、連
続的に斜め入射蒸着して、ポリエチレンテレフタレ−ト
フィルム上に、Co−Ni−O(Co:Ni=80:2
0)からなる厚さ 0.2μmの強磁性金属薄膜層を形成し
た。
【0036】一方、末端部が であるパ−フルオロポリエ−テル(モンテジソン社製;
フォンブリンZ DOL−TX、分子量2200)22
0重量部と、プロピレンオキシド35重量部とをオ−ト
クレ−ブ中で重合させ、パ−フルオロポリエ−テルの両
末端に、下記の化学式
【0037】 で表されるポリエ−テル鎖を有する化合物Aを得た。こ
の化合物AをNMRで分析し、mは2、nは3であるこ
とを確認した。
【0038】次いで、このようにして得られた化合物A
1000重量部と、エピクロルヒドリン72重量部を仕
込み、かきまぜながら 4.5重量%三フッ化ホウ素ジエチ
ルエ−テル溶液5重量部を添加し、冷却して50〜75
℃に保ちながら3時間反応させた。この反応で得られた
生成物100重量部を、300重量部のジオキサンに溶
解し、アルミン酸ナトリウム100重量部を加えて9時
間反応させた後、室温まで冷却し不溶性の塩を濾過で除
去し、加熱減圧して、溶液中の低沸点化合物を蒸発除去
し、化合物Bを得た。化合物Bのポリエ−テル部分は下
記の化学式、化5で表される。
【化5】
【0039】このようにして得られた化合物Bをテトラ
ヒドロフランに溶解して、この化合物Bの 0.2重量%テ
トラヒドロフラン溶液を得、この溶液中に前記のポリエ
チレンテレフタレ−トフィルム上に形成されたCo−N
i−Oからなる強磁性金属薄膜層を浸漬し、乾燥して、
潤滑剤として存在させた。しかる後、8mm幅にスリッ
トしてビデオテ−プを作製した。
【0040】実施例2 実施例1で得られた化合物Bを使用し、 α−Fe磁性粉末 100 重量部 MR−110(日本ゼオン社製;塩化ビニル系樹脂) 15 〃 N−2309(日本ポリウレタン工業社製;ポリウレタン 10 〃 樹脂) カ−ボンブラック 1 〃 α−Al2 3 0.5 〃 化合物B 3 〃 シクロヘキサノン 150 〃 トルエン 150 〃
【0041】の組成物をボ−ルミル中で72時間混合分
散した後、これにさらにコロネ−トL(日本ポリウレタ
ン工業社製;三官能性低分子量イソシアネ−ト化合物)
を6重量部添加し、 0.5時間混合分散して磁性塗料を調
製した。この磁性塗料を厚さ10μmのポリエチレンテ
レフタレ−トフィルム上に、乾燥後の厚さが3μmとな
るように塗布、乾燥して磁性層を形成した。しかる後、
8mm幅にスリットしてビデオテ−プを作製した。
【0042】比較例1 実施例1の強磁性金属薄膜層上への化合物の被着処理に
おいて、実施例1で使用した化合物Bの 0.2重量%テト
ラヒドロフラン溶液に代えて、実施例1の化合物Aの
0.2重量%メタノ−ル溶液を使用した以外は、実施例1
と同様にして化合物Aの強磁性金属薄膜層上への被着処
理を行い、ビデオテ−プを作製した。
【0043】比較例2 実施例1の強磁性金属薄膜層上への化合物の被着処理に
おいて、実施例1で使用した化合物Bの 0.2重量%テト
ラヒドロフラン溶液に代えて、分子両末端にメチルエス
テルを有するパ−フルオロポリエ−テル(モンテジソン
社製フォンブリンZ DEAL分子量約2200)の
0.2重量%フレオン溶液を使用した以外は、実施例1と
同様にしてパ−フルオロポリエ−テルの強磁性金属薄膜
層上への被着処理を行い、ビデオテ−プを作製した。
【0044】比較例3 実施例2における磁性塗料の組成において、実施例2で
使用した化合物Bに代えて、分子両末端にメチルエステ
ルを有するパ−フルオロポリエ−テル(モンテジソン社
製フォンブリンZ DEAL分子量約2200)を同量
使用した以外は、実施例2と同様にしてビデオテ−プを
作製した。
【0045】各実施例および比較例で得られた磁気テ−
プについて、スチル耐久性と耐蝕性および保存安定性を
下記の方法で調べた。
【0046】<スチル耐久性>スチル耐久性は、20
℃、50%RHの条件下で、8mmVTR(ソニ−社
製;EV−S900)を用い、再生出力が初期に比べて
6dB低下するまでのスチル時間を測定して調べた。
【0047】<耐触性>耐蝕性は、80℃、90%RH
で96時間保存した後の再生出力劣化の割合を調べた。
【0048】<保存安定性>保存安定性は、被着処理直
後と80℃、90%RHで96時間保存した後の摩擦係
数の変化で評価した。摩擦係数は、磁気テ−プを直径5
mmのSUS製円柱に巻き付け10gの荷重をかけて1
0cm/sの速度で往復摺動して測定し、20パス目の
測定値を用いた。下記表1はその結果である。
【0049】
【0050】
【発明の効果】表1から明らかなように、この発明で得
られた磁気テ−プ(実施例1および2)は、比較例1な
いし3で得られたビデオテ−プに比し、いずれもスチル
時間が長くて、耐蝕性がよく、また摩擦係数が小さく、
このことからこの発明によって得られる磁気記録媒体
は、スチル耐久性が良好で、耐蝕性、保存安定性に優れ
ていることがわかる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の片面もしくは両面に磁性
    層を設けた磁気記録媒体において、ポリエ−テル(A)
    とパ−フルオロポリエ−テル(B)をエ−テル結合で結
    合したABA型またはAB型ブロック共重合体で分子末
    端にグリシジル基を有する化合物を、潤滑剤として用い
    たことを特徴とする磁気記録媒体
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体のパ−フルオロポリエ
    −テル鎖の分子量が500〜10000である請求項1
    記載の磁気記録媒体
  3. 【請求項3】 磁性層が、Co,Ni,Oを主成分とす
    る強磁性金属薄膜層である請求項1および2記載の磁気
    記録媒体
JP5117721A 1993-04-20 1993-04-20 磁気記録媒体 Pending JPH06309654A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006070173A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Fujitsu Ltd 潤滑剤、磁気記録媒体およびヘッドスライダ
KR20210119967A (ko) 2019-01-25 2021-10-06 산텐 세이야꾸 가부시키가이샤 광 프로브

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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