JPH1060306A - 被覆剤組成物およびその用途 - Google Patents

被覆剤組成物およびその用途

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JPH1060306A
JPH1060306A JP8213897A JP21389796A JPH1060306A JP H1060306 A JPH1060306 A JP H1060306A JP 8213897 A JP8213897 A JP 8213897A JP 21389796 A JP21389796 A JP 21389796A JP H1060306 A JPH1060306 A JP H1060306A
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JP
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meth
compound
monomer
acrylate
group
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JP8213897A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Higuchi
俊彦 樋口
Satoshi Kondo
聡 近藤
Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
Yukio Sanegiri
幸男 実桐
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来両立が困難であった優れた耐擦傷性と熱曲
げ加工性を有する硬化被膜が表面に形成された芳香族ポ
リカーボネート樹脂成形品、およびその硬化被膜を形成
する被覆剤組成物を提供する。 【解決手段】3個以上のアクリロイル基を有する多官能
性単量体、2個のアクリロイル基を有し融点が0℃以上
のウレタン系2官能性単量体、紫外線吸収剤、および光
重合開始剤を含む芳香族ポリカーボネート樹脂成形品被
覆用の被覆剤組成物、およびその硬化被膜を表面に有す
る芳香族ポリカーボネート樹脂成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐磨耗性、熱曲げ加
工性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を製造
するための被覆剤組成物、その被覆剤組成物から形成さ
れる硬化被膜を表面に有する芳香族ポリカーボネート樹
脂成形品、およびその成形品の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は透明性、
耐衝撃性、曲げ加工性、耐熱性等に優れており、近年ガ
ラスの代替材料として種々の用途に用いられている。し
かし芳香族ポリカーボネート樹脂はガラスと比べた場合
に表面特性に劣るため、耐擦傷性、耐溶剤性等に問題が
あり用途上の制限がある。また他の合成樹脂と比較して
も耐候性に劣り、屋外使用時の黄変着色、表面劣化等が
著しくそのままでは屋外での実用には耐えない。
【0003】このような表面特性と耐候性上の問題点を
改良するために芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の表
面に架橋硬化樹脂被膜を形成する方法が従来より種々提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】架橋硬化樹脂として
は、シリコン系架橋硬化樹脂、メラミン系架橋硬化樹
脂、アクリル系架橋硬化樹脂等が提示されている。しか
し、シリコン系架橋硬化樹脂は表面硬度には優れるが、
芳香族ポリカーボネート樹脂の持つ曲げ加工性を低下さ
せ、特に加熱を伴う熱曲げ加工はクラックが発生するた
めに実用に耐えない。メラミン系架橋硬化樹脂は耐湿熱
性に劣り屋外用途には適切でない。アクリル系架橋硬化
樹脂は比較的優れた熱曲げ加工性を有するが、耐擦傷性
のレベルを上げると著しく熱曲げ加工性能が低下する問
題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはアクリル系
架橋硬化樹脂において耐擦傷性と熱曲げ加工性のバラン
スを改良すべく鋭意検討した結果、下記被覆剤組成物を
見いだすに至った。本発明の被覆剤組成物より形成され
た硬化被膜を表面に有する芳香族ポリカーボネート樹脂
成形品は上述の問題を解決しうる。本発明はまたこの硬
化被膜を表面に有する芳香族ポリカーボネート樹脂成形
品、およびその加工方法に関する下記発明である。
【0006】アクリロイル基またはメタクリロイル基か
ら選ばれた重合性官能基を1分子中に3個以上有する多
官能性単量体(a)とアクリロイル基またはメタクリロ
イル基から選ばれた重合性官能基を1分子中に2個有し
かつウレタン結合を有する融点が0℃以上のウレタン系
2官能性単量体(b)とを含む単量体成分、単量体成分
100重量部に対し0.1〜30重量部の紫外線吸収剤
(c)、および0.1〜20重量部の光重合開始剤
(d)を含むことを特徴とする芳香族ポリカーボネート
樹脂成形品被覆用の被覆剤組成物。
【0007】上記被覆剤組成物から形成された硬化被膜
を表面に有する芳香族ポリカーボネート樹脂成形品。上
記芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を熱曲げ加工する
ことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の
加工方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明被覆剤組成物における多官
能性単量体(a)(以下単量体(a)という)とウレタ
ン系2官能性単量体(b)(以下単量体(b)という)
とはいずれもアクリロイル基またはメタクリロイル基か
ら選ばれた重合性官能基を有する。以下、この両重合性
官能基を意味する用語として(メタ)アクリロイル基を
使用する。(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸
等の用語も同様である。重合性官能基としては、重合性
が高いこと、特に紫外線による重合性が高いこと、より
アクリロイル基が好ましい。したがって、以下の(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物において好ましいも
のはアクリロイル基を有する化合物である。同様に(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等においてもア
クリロイル基を有する化合物が好ましい。2以上の(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物1分子中において、
重合性官能基が異なっていてもよい(すなわち、1個以
上のアクリロイル基と1個以上のメタクリロイル基を含
んでいてもよい)が、好ましくはすべての重合性官能基
がアクリロイル基であるものである。
【0009】単量体(a)は(メタ)アクリロイル基を
3個以上有する化合物である。この単量体(a)はウレ
タン結合を有していても有していなくてもよい。またそ
の融点は0℃以上でも0℃未満でもよい。この単量体
(a)1分子あたり平均の(メタ)アクリロイル基の数
は、特に限定されないが、3〜50個、特に3〜30個
が好ましい。
【0010】単量体(a)としては、(メタ)アクリロ
イル基以外に種々の官能基や結合を有する化合物であっ
てもよい。たとえば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲ
ン原子、ウレタン結合、エーテル結合、エステル結合、
チオエーテル結合、アミド結合などを有していてもよ
い。特に、ウレタン結合を有する(メタ)アクリロイル
基含有化合物(以下アクリルウレタンという)とウレタ
ン結合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化合物が
好ましい。同様に単量体(b)としては、2個の(メ
タ)アクリロイル基と1個以上のウレタン結合以外に種
々の官能基や結合を有する化合物であってもよい。たと
えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、エーテ
ル結合、エステル結合、チオエーテル結合、アミド結合
などを有していてもよい。
【0011】単量体(a)がウレタン結合を有する(メ
タ)アクリロイル基含有化合物である場合以下アクリル
ウレタン(a)という。このアクリルウレタン(a)
は、(メタ)アクリロイル基の数の相違とその融点が限
定されない点を除いて単量体(b)と同様の化合物であ
る。単量体(b)はその融点の条件を満足するために特
定の原料を使用して得られる化合物が好ましい。以下、
アクリルウレタン一般について説明し、その後にそのう
ちのアクリルウレタン(a)と単量体(b)をそれぞれ
説明する。なお、アクリルウレタン(a)以外の単量体
(a)についてはこの説明の後に説明する。
【0012】アクリルウレタンは、(メタ)アクリロイ
ル基と水酸基を有する化合物およびイソシアネート基を
有する化合物の反応、(メタ)アクリロイル基とイソシ
アネート基を有する化合物および(メタ)アクリロイル
基を有しない水酸基を有する化合物(以下水酸基含有化
合物という)の反応、または、(メタ)アクリロイル基
と水酸基を有する化合物、2個以上のイソシアネート基
を有する化合物、および水酸基含有化合物の反応、など
により得られる。これら化合物における(メタ)アクリ
ロイル基、水酸基およびイソシアネート基はそれぞれ1
分子中に2以上存在していてもよい。これら化合物の1
分子中の官能基の数を選択しまたは反応分子数を調整し
て反応させることなどにより、(メタ)アクリロイル基
を2個以上有するアクリルウレタンが得られる。これら
の反応により得られるアクリルウレタンにおいては、イ
ソシアネート基が存在しないことが好ましい。しかし、
水酸基は存在してもよい。したがって、これらのアクリ
ルウレタンの製造においては、全反応原料の水酸基の合
計数はイソシアネート基の数と等しいかそれより多いこ
とが好ましい。
【0013】(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する
化合物(x)としては、1個の(メタ)アクリロイル基
と1個の水酸基を有する化合物(x1)、2個以上の
(メタ)アクリロイル基と1個の水酸基を有する化合物
(x2)、1個の(メタ)アクリロイル基と2個以上の
水酸基を有する化合物(x3)、2個以上の(メタ)ア
クリロイル基と2個以上の水酸基を有する化合物(x
4)、などがある。イソシアネート基を有する化合物と
しては1個のイソシアネート基を有する化合物と2個以
上のイソシアネート基を有する化合物がある。
【0014】アクリルウレタンの原料としては2個以上
のイソシアネート基を有する化合物(以下ポリイソシア
ネートという)が好ましい。(メタ)アクリロイル基と
イソシアネート基を有する化合物としては、1個の(メ
タ)アクリロイル基と1個のイソシアネート基を有する
化合物が好ましい。水酸基含有化合物としては、1個の
水酸基を有する化合物と2個以上の水酸基を有する化合
物がある。アクリルウレタンの原料としては2個以上の
水酸基を有する化合物が好ましい。以下特に言及しない
かぎり、水酸基含有化合物((メタ)アクリロイル基を
有しないもの)とは2個以上の水酸基を有する化合物を
いう。
【0015】アクリルウレタンは、化合物(x)とポリ
イソシアネートとの反応により、また化合物(x)とポ
リイソシアネートと水酸基含有化合物との反応により得
られるものが好ましい。後者の場合、化合物(x)と水
酸基含有化合物は同時にポリイソシアネートと反応させ
てもよく、いずれか一方とまず反応させてイソシアネー
ト基を有する反応生成物を製造しその後に他方と反応さ
せててもよい。たとえば、水酸基含有化合物とポリイソ
シアネートとをあらかじめ反応させて得られるイソシア
ネート基含有反応生成物はポリイソシアネートの1種と
みなすことができ、これと化合物(x)を反応させてア
クリルウレタンが得られる。また、化合物(x)とそれ
に対して過剰当量のポリイソシアネートをあらかじめ反
応させて得られる1個以上のイソシアネート基を有する
化合物と水酸基含有化合物とを反応させてもアクリルウ
レタンが得られる。
【0016】アクリルウレタンは、また前記のように
(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化
合物と水酸基含有化合物との反応により得られる。この
(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化
合物は、上記の化合物(x)とそれに対して過剰当量の
ポリイソシアネートをあらかじめ反応させて得られる1
個以上のイソシアネート基を有する化合物であってもよ
い。それ以外の化合物としては、2−イソシアネートエ
チル(メタ)アクリレートやメタクリロイルイソシアネ
ートなどがある。
【0017】化合物(x3)や化合物(x4)は2個以
上の水酸基を有することより、それとポリイソシアネー
トを反応させると重合体が生成し、高分子量の反応生成
物が生成しやすい。しかし、あまりに高い分子量の反応
生成物は、粘度が高すぎる、溶解性が低い、などの問題
が生じるおそれがあり、このため、水酸基を残した反応
生成物としたり過剰のイソシアネート基を1価アルコー
ルでブロックするなどの方法で所望の分子量や所望の
(メタ)アクリロイル基数の反応生成物とすることが好
ましい。
【0018】化合物(x1)〜化合物(x4)の具体例
としては、順に、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ートなどがある。これらは2以上の水酸基を有する化合
物と(メタ)アクリル酸とのモノエステルまたは1個以
上の水酸基を残したポリエステルである。
【0019】さらに化合物(x)としては、エポキシ基
を1個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との開環
反応生成物でもよい。エポキシ基と(メタ)アクリル酸
との反応によりエポキシ基が開環してエステル結合が生
じるとともに水酸基が生じ、(メタ)アクリロイル基と
水酸基を有する化合物となる。またエポキシ基を1個以
上有する化合物のエポキシ基を開環させて水酸基含有化
合物としそれを(メタ)アクリル酸エステルに変換する
こともできる。エポキシ基を1個以上有する化合物とし
ては、いわゆるエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキ
シドが好ましい。ポリエポキシドとしては、たとえば多
価フェノール類−ポリグリシジルエーテル(たとえばビ
スフェノールA−ジグリシジルエーテル)などのグリシ
ジル基を2個以上有する化合物や脂環式エポキシ化合物
が好ましい。さらに、エポキシ基を有する(メタ)アク
リレートと水酸基やカルボキシル基を有する化合物との
反応生成物も化合物(x)として使用できる。エポキシ
基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえばグ
リシジル(メタ)アクリレートがある。
【0020】化合物(x)の上記以外の具体例として
は、たとえば以下の化合物がある。2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオール
モノ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモ
ノ(メタ)アクリレート、2−ブテン−1,4−ジオー
ルモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
モノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールモノ(ないしペンタ)(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルの(メ
タ)アクリル酸2分子付加物。
【0021】ポリイソシアネートとしては、通常の単量
体状のポリイソシアネートでもよく、ポリイソシアネー
トの多量体や変性体またはイソシアネート基含有ウレタ
ンプレポリマーなどのプレポリマー状の化合物でもよ
い。多量体としては3量体(イソシアヌレート変性
体)、2量体、カルボジイミド変性体などがあり、変性
体としてはトリメチロールプロパン等の多価アルコール
で変性して得られるウレタン変性体、ビュレット変性
体、アロハネート変性体、ウレア変性体などがある。プ
レポリマー状のものの例としては、後述ポリエーテルポ
リオールやポリエステルポリオールなどのポリオールと
ポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネ
ート基含有ウレタンプレポリマーなどがある。このうち
3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネー
トとしては、3量体(イソシアヌレート変性体)や3価
以上の多価アルコールやポリオールで変性して得られる
ウレタン変性体などがある。これらポリイソシアネート
は2種以上併用して使用できる。
【0022】具体的な単量体状のポリイソシアネートと
しては、たとえば、以下のポリイソシアネートがある
([ ]内は略称)。2,6−トリレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、メチレンビス
(4−フェニルイソシアネート)[MDI]、1,5−
ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トラ
ンスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート[XDI]、水添XDI、水添
MDI、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレ
ンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,
6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジ
イソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシ
クロヘプタントリイソシアネートなど。
【0023】ポリイソシアネートとしては特に無黄変性
ポリイソシアネート(芳香核に直接結合したイソシアネ
ート基を有しないポリイソシアネート)が好ましい。具
体的にはヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族
ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど
の脂環族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ートなどの芳香族ポリイソシアネートがある。上記のよ
うにこれらポリイソシアネートの多量体や変性体等も好
ましい。
【0024】2以上の水酸基を有する水酸基含有化合物
としては、多価アルコールや多価アルコールに比較して
高分子量のポリオール、水酸基含有ビニルポリマーなど
がある。これら水酸基含有化合物は2種以上併用でき
る。
【0025】多価アルコールとしては、2〜8個の水酸
基を有する多価アルコール、特に2〜6個の水酸基を有
する多価アルコール、が好ましい。多価アルコールは脂
肪族の多価アルコールでもよく、脂環族多価アルコール
や芳香核を有する多価アルコールでもよい。芳香核を有
する多価アルコールとしてはたとえば多価フェノール類
のアルキレンオキシド付加物や多価フェノール類−ポリ
グリシジルエーテルなどの芳香核を有するポリエポキシ
ドの開環物などがある。
【0026】高分子量のポリオールとしてはポリエーテ
ルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテル
エステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなど
がある。
【0027】また、水酸基含有ビニルポリマーとして
は、たとえばアリルアルコール、ビニルアルコール、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体とオレフ
ィンなどの水酸基不含単量体との共重合体がある。
【0028】多価アルコールの具体例としてはたとえば
以下の多価アルコールがある。エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、2,2,4ートリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキ
サン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエ
リスリトール、3,9−ビス(ヒドロキシメチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、ビスフェノールA−エチレンオ
キシド2分子付加物、ビスフェノールA−プロピレンオ
キシド2分子付加物、ビスフェノールA−ジグリシジル
エーテルの開環物、ビニルシクロヘキセンジオキシドの
開環物。
【0029】高分子量のポリオールの具体例としてはた
とえば以下のポリオールがある。ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、上記のような多価アル
コールにプロピレンオキシドやエチレンオキシドなどの
アルキレンオキシドを付加して得られる高分子量のポリ
エーテルポリオール、ビスフェノールA−アルキレンオ
キシド付加物などの多価フェノール類にアルキレンオキ
シドを付加して得られる高分子量のポリエーテルポリオ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル
ポリオール。ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジ
エンジオール等の脂肪族ポリオール。ポリε−カプロラ
クトンポリオール。アジピン酸、セバシン酸、フタル
酸、マレイン酸、フマル酸、アゼライン酸、グルタル酸
等の多塩基酸と上記多価アルコールとの反応で得られる
ポリエステルポリオール。1,6−ヘキサンジオールと
ホスゲンの反応で得られるポリカーボネートジオール。
【0030】(メタ)アクリロイル基を3個以上有する
アクリルウレタン(a)は、たとえば、下記の化合物を
反応させることにより得られる反応生成物がある。この
場合、特に言及しないかぎり、全反応原料の水酸基の合
計数はイソシアネート基の合計数と等しいとする。
【0031】(1)化合物(x1)と3個以上のイソシ
アネート基を有するポリイソシアネートとの反応生成
物。 (2)化合物(x1)と2個のイソシアネート基を有す
るポリイソシアネートと3個以上の水酸基を有する水酸
基含有化合物との反応生成物。 (3)化合物(x2)と2個のイソシアネート基を有す
るポリイソシアネートとの反応生成物。 (4)化合物(x2)と2個のイソシアネート基を有す
るポリイソシアネートと2個以上の水酸基を有する水酸
基含有化合物との反応生成物。 (5)化合物(x3)3分子以上と2個のイソシアネー
ト基を有するポリイソシアネート1分子以上との反応生
成物(水酸基が残ってもよい)。 (6)化合物(x3)3分子以上と2個のイソシアネー
ト基を有するポリイソシアネート1分子以上と1個以上
の水酸基を有する水酸基含有化合物との反応生成物(水
酸基が残ってもよい)。 (7)化合物(x4)2分子以上と2個のイソシアネー
ト基を有するポリイソシアネート1分子以上との反応生
成物(水酸基が残ってもよい)。 (8)化合物(x4)2分子以上と2個のイソシアネー
ト基を有するポリイソシアネート1分子以上と1個以上
の水酸基を有する水酸基含有化合物との反応生成物(水
酸基が残ってもよい)。
【0032】化合物(x)は実際上は種々の化合物の混
合物である場合がある。たとえば、ジペンタエリスリト
ールのポリ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロ
イル基を0〜6個有する化合物の混合物である場合が多
い。1分子あたり平均の(メタ)アクリロイル基の数が
比較的多い(たとえば3〜5)このポリ(メタ)アクリ
レートをそれに対して等当量以下のポリイソシアネート
と反応させてアクリルウレタン(a)を主成分とする混
合物を得ることができる。(メタ)アクリロイル基を0
個有する化合物(すなわち、ジペンタエリスリトール)
は上記水酸基含有化合物であり、また(メタ)アクリロ
イル基を6個有する化合物はそれ自身単量体(a)の1
種である。
【0033】本発明におけるアクリルウレタン(a)と
しては、水酸基含有(ポリ)ペンタエリスリトールポリ
(メタ)アクリレートとポリイソシアネートの反応生成
物が好ましい。(ポリ)ペンタエリスリトールとは、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールのような
ペンタエリスリトール多量体、またはそれらを主成分と
する混合物をいい、その平均の多量化度は約1〜4、特
に約1.5〜3が好ましい。そのポリ(メタ)アクリレ
ートとしては2個以上の(メタ)アクリロイル基を有す
るエステルであり、1分子あたり平均約3〜6個有する
化合物が好ましい。ただし、この(ポリ)ペンタエリス
リトールポリ(メタ)アクリレートは1分子あたり平均
して約1個以上の水酸基を有する。また、反応生成物で
あるこのアクリルウレタンにおける1分子あたり平均の
(メタ)アクリロイル基の数は4個以上、特に8〜20
個が好ましい。
【0034】アクリルウレタン(a)以外の単量体
(a)としては、3個以上の水酸基を有する水酸基含有
化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステル(3個以
上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するもの)が好
ましい。3個以上の水酸基を有する化合物としては前記
多価アルコールや高分子量のポリオールなどのうち3個
以上の水酸基を有するものが好ましい。この(メタ)ア
クリル酸ポリエステルはさらに水酸基を有していてもよ
い。さらに、3個以上のエポキシ基を有する化合物と
(メタ)アクリル酸との反応生成物である(メタ)アク
リル酸エステル化合物も好ましい。
【0035】3個以上のエポキシ基を有する化合物とし
てはエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシドがあ
る。たとえば、グリシジルエーテル型ポリエポキシド、
脂環型ポリエポキシドなどのエポキシ樹脂として市販さ
れているものを使用できる。具体的には、たとえばグリ
セリントリグリシジルエーテルや3個以上のグリシジル
基を有するノボラックポリグリシジルエーテルのような
ポリエポキシドがある。
【0036】ウレタン結合を含まず3個以上の(メタ)
アクリロイルオキシ基を有するポリエステルの具体例と
しては、たとえば以下のような化合物がある。
【0037】以下の3価以上の脂肪族多価アルコールの
ポリ(メタ)アクリレート。グリセロールトリ(メタ)
アクリレート、ジグリセロールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジグリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリ
グリセロールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロ
ールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート。
【0038】以下の水酸基含有化合物(水酸基3以上)
−アルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、
水酸基含有化合物−カプロラクトン付加物の(メタ)ア
クリレートの(メタ)アクリレート。ただし、EOはエ
チレンオキシド、POはプロピレンオキシドを表す。ま
たこれら付加物の分子量は5000以下が好ましい。ト
リメチロールプロパン−EO付加物のトリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパン−PO付加物のトリ
(メタ)アクリレート、グリセロール−PO付加物トリ
(メタ)アクリレート、グリセロール−PO・EO付加
物トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
−カプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレー
ト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート
−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレート。
【0039】さらに以下の(メタ)アクリロイル基を3
個以上有する化合物。トリス(2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチル)イソシアヌレートなどの芳香核または
トリアジン環を有する多価アルコールや多価フェノール
の(メタ)アクリレート。トリス(2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチル)ホスフェートなどのリン酸エステ
ル。グリセリントリグリシジルエーテルと(メタ)アク
リル酸との反応生成物などのポリエポキシドの(メタ)
アクリル酸付加物。グリシジル(メタ)アクリレートと
グリセロールの反応生成物、グリシジル(メタ)アクリ
レートとトリメチロールプロパンの反応生成物などのグ
リシジル(メタ)アクリレートと3価以上の多価アルコ
ール、高分子量ポリオールまたはポリカルボン酸との反
応生成物。
【0040】上記のような(メタ)アクリレート類でか
つ未反応の水酸基を有する化合物のアルキルエーテル化
物、アルケニルエーテル化物、カルボン酸エステル化物
など(以下、変性ともいう)で、下記のような化合物。
アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア
クリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート。
【0041】ウレタン結合を含まず3個以上の(メタ)
アクリロイルオキシ基を有するポリエステルである単量
体(a)として好ましいものは、前記したような(ポ
リ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートで
ある。この(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)
アクリレートは1分子あたり平均3個以上の(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有する化合物であり、また水酸基
は有していても有していなくてもよい。この(ポリ)ペ
ンタエリスリトール部分の多量化度は約1〜4、特に
1.5〜3が好ましい。さらに好ましい(ポリ)ペンタ
エリスリトールポリ(メタ)アクリレートは、(ポリ)
ペンタエリスリトールの実質的にすべての水酸基が(メ
タ)アクリロイルオキシ基に変換された(ポリ)ペンタ
エリスリトールポリ(メタ)アクリレートである。
【0042】単量体(b)は、(メタ)アクリロイル基
を2個有する融点が0℃以上のアクリルウレタン(以下
アクリルウレタン(b)ともいう)である。アクリルウ
レタン(b)は、前記したアクリルウレタン(a)と同
様の原料化合物と製造方法を使用して製造できる。原料
化合物として特定のものを選択して使用することにより
(メタ)アクリロイル基を2個有するアクリルウレタン
を製造できる。好ましいアクリルウレタン(b)は、前
記化合物(x1)とジイソシアネートとの反応生成物、
および前記化合物(x1)とジイソシアネートと水酸基
含有化合物との反応生成物である。このような反応生成
物であるアクリルウレタンの融点が0℃以上とするため
に、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオー
ル、芳香核または脂環を含有するジオールなどの特定の
水酸基含有化合物を原料として使用することが好まし
い。すなわち、これらジオールのモノ(メタ)アクリレ
ートである化合物(x1)を用いて、または前記したよ
うな通常の化合物(x1)とこれらジオールを用いて、
アクリルウレタン(b)が得られる。
【0043】上記のポリエステルジオールやポリカーボ
ネートジオールとしては、前記ポリオールとして説明し
たもののうち2個の水酸基を有する化合物、すなわちポ
リエステルジオールやポリカーボネートジオールが好ま
しい。特に、ポリエステルジオールとしては、アジピン
酸やセバシン酸などの炭素数4〜12の脂肪族ジカルボ
ン酸の残基と炭素数2〜8の2価アルコールの残基を有
する脂肪族ポリエステルジオール、またはそれら残基に
加えて少数の芳香族ジカルボン酸の残基や芳香族2価ア
ルコール残基を有する脂肪族ポリエステルジオール、お
よび2価アルコールのε−カプロラクトン付加物が好ま
しい。ポリカーボネートジオールとしては、ポリ(1,
6−ヘキシレンカーボネート)ジオールなどの脂肪族ポ
リカーボネートジオールや1,4−シクロヘキサンジメ
タノールの残基をさらに有するこのような脂肪族ポリカ
ーボネートジオールが好ましい。これらポリエステルジ
オールやポリカーボネートジオールの分子量は、特に限
定されないが、800以上、特に1000〜5000が
適当である。
【0044】上記の芳香核または脂環を含有する多価ア
ルコールや高分子量ジオールとしては、ジフェノール類
のアルキレンオキシド付加物やキシリレングリコールな
どの芳香核含有ジオール、および水素添加したジフェノ
ール類やシクロヘキサンジメタノールなどの脂環含有ジ
オールがある。好ましいものはジフェノール類のアルキ
レンオキシド付加物である。ジフェノール類としてはビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS
などが好ましく、アルキレンオキシドとしてはプロピレ
ンオキシド、エチレンオキシド、1,2−ブチレンオキ
シドが好ましい。ジフェノール類1モルに対するアルキ
レンオキシドの付加モル数は2〜20モル、特に2〜6
モルが好ましい。
【0045】このような特定のジオールを2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートなどの化合物(x1)と
ともにジイソシアネートに反応させてアクリルウレタン
(b)が得られる。反応はこれら3成分を同時に反応さ
せてもよく、ジイソシアネートと他のいずれかとを反応
させてイソシアネート基含有化合物を製造した後残りの
化合物を反応させる方法を用いてもよい。この反応にお
ける特定のジオール1モルに対するジイソシアネートの
モル数は1モル超2モル以下であり、ジイソシアネート
のモル数が1モルに近いほど高分子量のアクリルウレタ
ン(b)が得られる。また、特定のジオールと化合物
(x1)の合計の水酸基数に対するイソシアネート基の
数は1以下であり、通常は1である。ジイソシアネート
としては前記ポリイソシアネートのうちイソシアネート
基を2個有する化合物であり、前記と同様に無黄変性の
ジイソシアネートが好ましい。
【0046】本発明被覆剤組成物において、単量体成分
は単量体(a)と単量体(b)以外にさらに他の単量体
を含んでいてもよい。他の単量体としては(メタ)アク
リロイル基を有する化合物が好ましい。そのような単量
体としては、(メタ)アクリロイル基を2個有しかつウ
レタン結合を有しない化合物、単量体(b)以外(融点
が0℃未満)のウレタン系2官能性単量体、(メタ)ア
クリロイル基を1個有する化合物(単官能性化合物)な
どがある。(メタ)アクリロイル基を2個有しかつウレ
タン結合を有しない化合物としては前記のような多価ア
ルコールやポリオールのジ(メタ)アクリレートがあ
り、単量体(b)以外のウレタン系2官能性単量体とし
ては前記特定のジオール以外の2価アルコールやジポリ
オールを使用して得られる融点が0℃未満の2官能性ア
クリルウレタンがある。
【0047】また具体的な単官能性化合物としては、た
とえば以下の化合物がある。メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデ
シル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル
グリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸1分子付加
物。
【0048】本発明被覆剤組成物において、単量体成分
全量に対する単量体(a)と単量体(b)の合計の割合
は50〜100重量%、特に80〜100重量%が好ま
しい。また、単量体成分全量に対する単量体(a)の割
合は特に限定されないが5〜95重量%が好ましく、単
量体成分全量に対する単量体(b)の割合も同じく95
〜5重量%が好ましい。単量体(a)の割合がこれより
多いと熱曲げ加工性が低下しやすく、単量体(b)の割
合がこれより多いと耐擦傷性が不充分となるおそれがあ
る。逆に、単量体(a)の割合がこれより少ないと耐擦
傷性が不充分となるおそれがあり、単量体(b)の割合
がこれより少ないと熱曲げ加工性が低下しやすい。より
好ましい単量体成分全量に対する単量体(a)の割合は
20〜80重量%(特に30〜70重量%)であり、単
量体(b)の割合は80〜20重量%(特に70〜30
重量%)である。
【0049】本発明被覆剤組成物において、紫外線吸収
剤(c)としては、組成物への溶解性や耐候性に問題が
なければ特に限定されず、種々の紫外線吸収剤を使用で
きる。また紫外線吸収剤は2種以上を併用できる。紫外
線吸収剤(c)の使用量は、単量体成分100重量部に
対して0.1〜30重量部の範囲である。紫外線吸収剤
の使用量は、被膜の厚さによっても変化するが、0.1
重量部未満ではポリカーボネート樹脂の耐候性のみなら
ず硬化被膜自身の耐候性も低下し、30重量部超では硬
化被膜表面へのブリードや硬化被膜の硬化性の低下がお
こりやすい。
【0050】紫外線吸収剤(c)としては、市販されて
いるような公知〜周知の紫外線吸収剤を使用できる。そ
のような紫外線吸収剤としては、たとえばベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、フェニルトリアジン系
紫外線吸収剤などがある。具体的化合物としてはたとえ
ば以下のような化合物がある。
【0051】オクチル 3−{3−(2H−ベンゾトリ
アゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル}プロピオネート、2−(3,5−ジーt−
ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−
t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ
−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、p−t−ブチルフェニルサリシレート。
【0052】光重合開始剤(d)としては、公知〜周知
のものを使用できる。特に入手容易な市販のものが好ま
しい。光重合開始剤(d)の使用量は、単量体成分10
0重量部に対して0.1〜20重量部の範囲である。好
ましくは0.1〜10重量部である。
【0053】光重合開始剤(d)としては、アリールケ
トン系光重合開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベ
ンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベ
ンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベン
ジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、
α−アシロキシムエステル類など)、含イオウ系光重合
開始剤(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類な
ど)、その他の光重合開始剤がある。光重合開始剤は2
種以上併用できる。また、光重合開始剤はアミン類など
の光増感剤と組み合わせても使用できる。具体的な光重
合開始剤としては、たとえば以下のような化合物があ
る。
【0054】4−フェノキシジクロロアセトフェノン、
4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブ
チル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)
−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1
−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1
−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−
{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロ
パン−1−オン。
【0055】ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル
安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベ
ンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化
ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベ
ンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−
ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、9,1
0−フェナントレンキノン、カンファーキノン、ジベン
ゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4”−
ジエチルイソフタロフェノン、α−アシロキシムエステ
ル、メチルフェニルグリオキシレート。
【0056】4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル
スルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジ
クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アシルホ
スフィンオキシド。
【0057】本発明の被覆剤組成物には、必要に応じて
酸化防止剤、光安定剤、熱重合防止剤などの安定剤、レ
ベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料分散
剤、帯電防止剤、防曇剤などの界面活性剤類等を適宜配
合して用いてもよい。
【0058】さらに、硬化被膜の耐擦傷性をさらに向上
させる目的で被覆剤組成物にコロイダルシリカ(e)を
配合してもよい。コロイダルシリカ(e)は、無水ケイ
酸の超微粒子をコロイド分散液としたものであり、分散
媒は特に限定されないが、通常、水;メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、nーブタノール、エチレン
グリコールのような低級アルコール類;メチルセロソル
ブエチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ
類;ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレン、酢酸
メチル、酢酸エチル、アセトン等が使用される。コロイ
ダルシリカ(e)の平均粒径は通常1nm〜1000n
m程度であり特に限定されないが、好ましくは平均粒径
1〜200nm、特に好ましくは平均粒径1〜50nm
である。
【0059】またコロイダルシリカ(e)は分散安定性
を向上させるために粒子表面を加水分解性シラン化合物
の加水分解物で修飾しても使用できる。ここで「加水分
解物で表面が修飾された」とは、コロイダルシリカ粒子
の表面の一部または全部のシラノール基にシラン化合物
の加水分解物が保持された状態にあり、これにより表面
特性が改質されていることを意味する。なお、加水分解
物の縮合反応が進んだものが同時に保持されているシリ
カ粒子も含まれる。この表面修飾はシリカ粒子存在下に
シラン化合物の加水分解性基の一部または全部の加水分
解、または加水分解と縮合反応を生じせしめることによ
り容易に行いうる。
【0060】加水分解性シラン化合物としては、アミノ
基、エポキシ基、メルカプト基などの官能性基を有する
有機基とアルコキシ基などの加水分解性基とがケイ素原
子に結合しているシラン化合物が好ましい。たとえば、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどがあ
る。
【0061】コロイダルシリカ(e)を配合する場合、
その配合量(固形分)は単量体成分100重量部に対し
500重量部以下、特に300重量部以下が好ましい。
【0062】また、紫外線吸収剤(c)以外に光に対す
る安定性を向上させるために光安定剤を配合することも
好ましい。光安定剤としてはヒンダードアミン系光安定
剤、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン残基
を有するヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。具体
的にはたとえば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケートやビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートな
どがある。光安定剤を配合する場合、その配合量(固形
分)は単量体成分100重量部に対し10重量部以下、
特に5重量部以下が好ましい。
【0063】さらに本発明においては、被膜の塗工性や
芳香族ポリカーボネート樹脂との密着性を向上させる目
的で被覆剤組成物に有機溶剤を配合してもよい。有機溶
剤としては、単量体成分や他の添加剤の溶解性に問題が
なければ特に限定されず、上記性能を満足させるもので
あればよい。また2種以上の有機溶剤を併用できる。有
機溶剤の使用量は、単量体成分に対して100倍重量以
下、特に50倍重量以下が適当である。
【0064】有機溶剤としてはたとえば低級アルコール
類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類などの有機溶
剤がある。そのほか、n−ブチルアセテート、ジエチレ
ングリコールモノアセテートなどのエステル類、ハロゲ
ン化炭化水素類、炭化水素類なども使用できる。本発明
の被覆剤組成物は耐溶剤性の低い芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の被覆用に用いることより、芳香族ポリカーボネ
ート樹脂に対する溶解性の低い溶剤を用いることが好ま
しく、この意味では低級アルコール類、セロソルブ類、
エステル類、それらの混合物などが適当である。
【0065】本発明の被覆用組成物は、芳香族ポリカー
ボネート樹脂成形品にディッピング法、フローコート
法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロ
ールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート
法等の方法で塗布し、有機溶剤を含む組成物の場合は乾
燥した後、紫外線を照射して硬化させる。紫外線源とし
てはキセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧
水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タ
ングステンランプ等が使用できる。照射時間は、単量体
成分の種類、紫外線吸収剤(c)の種類、光重合開始剤
(d)の種類、被膜厚、紫外線源等の条件により適宜変
えうる。通常は1〜60秒照射することにより目的が達
成される。さらに硬化反応を完結させる目的で、紫外線
照射後加熱処理することもできる。
【0066】硬化被膜の厚さは、所望により種々の厚さ
を採用できる。通常は1〜50μmの厚さの硬化被膜、
好ましくは2〜20μmの厚さの硬化被膜を形成するこ
とが好ましい。硬化被膜の厚さが1μm未満では耐摩耗
性や耐候性が不充分となりやすい。厚さが50μm超で
は被膜深部の硬化が不充分となるおそれがあり、熱曲げ
加工性も低下する。最も好ましい硬化被膜の厚さは3〜
10μmである。
【0067】
【実施例】以下、本発明を合成例(例1〜4)、実施例
(例5〜8)および比較例(例9〜10)に基づき説明
するが、本発明はこれらに限定されない。実施例、比較
例についての各種物性の測定および評価は以下に示す方
法で行った。
【0068】[初期曇価、耐擦傷性]テーバー磨耗試験
法により、2つのCS−10F磨耗輪にそれぞれ500
gの重りを組み合わせ100回転と500回転させたと
きの曇価をヘーズメータにて測定した。なお、曇価(ヘ
ーズ)の測定は磨耗サイクル軌道の4カ所で行い、平均
値を算出した。初期曇価は磨耗試験前の曇価の値(%)
を、耐擦傷性は(磨耗試験後曇価)−(磨耗試験前曇
価)の値(%)を示す。
【0069】[熱曲げ加工性]50mm×300mmの
短冊状のサンプルを170℃のオーブンに10分間水平
に保持した後、コート面を外側に向くようにして、あら
かじめ用意した凸型64mmRのガイドにすばやく押し
つける。そして、サンプルが冷えた後凸面におけるクラ
ックの有無を目視で観察した。クラック無しを○、クラ
ック有りを×で表示する。
【0070】[耐候性]サンシャインウエザーメータを
用いてブラックパネル温度63℃で、降雨12分、乾燥
48分のサイクルで2000時間暴露後、外観の評価を
行った。
【0071】[例1]ビスフェノールA−エチレンオキ
シド2分子付加物1モルとヘキサメチレンジイソシアネ
ート2モルと2−ヒドロキシエチルアクリレート2モル
を反応させて、1分子あたりのアクリロイル基数が2で
あり、融点が28℃である分子量1000の2官能ウレ
タンアクリレート(以下アクリルウレタンAという)を
得た。
【0072】[例2]平均分子量1800のポリ(1,
6−ヘキシレンアジペート)ジオール1モルとイソホロ
ンジイソシアネート2モルと2−ヒドロキシエチルアク
リレート2モルを反応させて、1分子あたりのアクリロ
イル基数が2であり、融点が25℃である分子量250
0の2官能ウレタンアクリレート(以下アクリルウレタ
ンBという)を得た。
【0073】[例3]平均分子量1400のポリプロピ
レングリコール1モルとヘキサメチレンジイソシアネー
ト2モルと2−ヒドロキシエチルアクリレート2モルを
反応させて、1分子あたりのアクリロイル基数が2であ
り、融点が0℃未満である分子量2000の2官能ウレ
タンアクリレート(以下アクリルウレタンCという)を
得た。
【0074】[例4]エチルセロソルブ分散型コロイダ
ルシリカ(シリカ含量30重量%、シリカの平均粒径1
1nm)50重量部に、3ーメルカプトプロピルトリメ
トキシシラン5重量部と0. 01N塩酸1. 5重量部を
加え40℃にて4時間加熱撹拌した後、12時間室温下
で熟成することで表面にメルカプトシランが縮合したコ
ロイダルシリカを得た。
【0075】[例5]撹拌機および冷却管を装着した3
00mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール60
g、n−ブチルアセテート60g、エチルセロソルブ3
0g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5
g、オクチル 3−{3−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル}プロピオネート3g、およびビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート1
gを加え溶解させた。続いてジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート50gとアクリルウレタンA50gを
加えて被覆剤組成物を得た。
【0076】[例6]撹拌機および冷却管を装着した3
00mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール60
g、n−ブチルアセテート60g、エチルセロソルブ3
0g、および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン5g、3gを加え溶解させた。続いてジペンタエリ
スリトールポリアクリレートとヘキサメチレンジイソシ
アネートを反応させて得られた1分子あたりの平均アク
リロイル基数が15で分子量2300のアクリルウレタ
ン(以下アクリルウレタンXという)60gとアクリル
ウレタンA40gを加えて被覆剤組成物を得た。
【0077】[例7]撹拌機および冷却管を装着した3
00mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール60
g、n−ブチルアセテート60g、エチルセロソルブ3
0g、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニ
ル}−2−モルホリノプロパン−1−オン5g、オクチ
ル 3−{3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル}プロ
ピオネート3g、およびビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)セバケート1g加えて溶
解させた。続いてジトリメチロールプロパンテトラアク
リレート60gとアクリルウレタンB40gを加えて被
覆剤組成物を得た。
【0078】[例8]撹拌機および冷却管を装着した3
00mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール60
g、n−ブチルアセテート60g、エチルセロソルブ3
0g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5
g、および2−(3,5−ジーt−アミル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール3gを加えて溶解さ
せた。続いてアクリルウレタンX50gとアクリルウレ
タンA50gを加え、常温で1時間撹拌した。次に、こ
の反応容器に例4で調製した表面修飾されたコロイダル
シリカ150gを加えさらに0. 5時間常温で撹拌し、
被覆剤組成物を得た。
【0079】[例9]撹拌機および冷却管を装着した3
00mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール60
g、n−ブチルアセテート60g、エチルセロソルブ3
0g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5
g、オクチル 3−{3−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル}プロピオネート3g、およびビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート1
gを加えて溶解させた。続いてジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート100gを加えて被覆剤組成物を得
た。
【0080】[例10]撹拌機および冷却管を装着した
300mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール60
g、n−ブチルアセテート60g、エチルセロソルブ3
0g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5
g、オクチル 3−{3−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル}プロピオネート3g、およびビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート1
gを加えて溶解させた。続いてジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート50gとアクリルウレタンC50g
を加えて被覆剤組成物を得た。
【0081】[評価]例5〜10の被覆剤組成物を用い
て厚さ3mmの透明芳香族ポリカーボネート樹脂板(1
50mm×300mm)に16μm用バーコーターを用
いてコート液を塗工し、被膜を形成させ、80℃の熱風
循環オーブン中で5分間放置した。そして、これを空気
雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2
(波長300nm〜390nm領域の紫外線積算エネル
ギー量)の紫外線を照射し膜厚7μmの硬化被膜を形成
させ、先に挙げた耐擦傷性、熱曲げ加工性、耐候性の項
目について評価した。結果を表1に記載する。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】以上に示した通り、本発明の被覆剤組成
物より得られる硬化被膜が表面に形成された芳香族ポリ
カーボネート樹脂成形品は、従来両立が困難であった優
れた耐擦傷性と熱曲げ加工性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 実桐 幸男 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロイル基またはメタクリロイル基か
    ら選ばれた重合性官能基を1分子中に3個以上有する多
    官能性単量体(a)とアクリロイル基またはメタクリロ
    イル基から選ばれた重合性官能基を1分子中に2個有し
    かつウレタン結合を有する融点が0℃以上のウレタン系
    2官能性単量体(b)とを含む単量体成分、単量体成分
    100重量部に対し0.1〜30重量部の紫外線吸収剤
    (c)、および0.1〜20重量部の光重合開始剤
    (d)を含むことを特徴とする芳香族ポリカーボネート
    樹脂成形品被覆用の被覆剤組成物。
  2. 【請求項2】多官能性単量体(a)が、1分子中に平均
    1個以上の水酸基と平均2個以上の重合性官能基を有す
    る水酸基含有ポリペンタエリスリトールエステル系化合
    物とポリイソシアネート化合物との反応生成物、また
    は、1分子中に平均3個以上の重合性官能基を有するポ
    リペンタエリスリトールエステル系化合物である、請求
    項1の被覆剤組成物。
  3. 【請求項3】ウレタン系2官能性単量体(b)が、脂肪
    族ポリエステルジオール、脂肪族ポリカーボネートジオ
    ール、芳香核含有ジオールおよび脂環含有ジオールから
    選ばれた1種以上のジオールを原料として得られるウレ
    タン系2官能性単量体である請求項1または2の被覆剤
    組成物。
  4. 【請求項4】単量体成分100重量部に対し500重量
    部以下のコロイダルシリカをさらに含む請求項1、2ま
    たは3の被覆剤組成物。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4の被覆剤組成物
    から形成された硬化被膜を表面に有する芳香族ポリカー
    ボネート樹脂成形品。
  6. 【請求項6】請求項5の芳香族ポリカーボネート樹脂成
    形品を熱曲げ加工することを特徴とする芳香族ポリカー
    ボネート樹脂成形品の加工方法。
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