JPH1058514A - 表面平滑性の高い高分子樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

表面平滑性の高い高分子樹脂フィルムの製造方法

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JPH1058514A
JPH1058514A JP8241306A JP24130696A JPH1058514A JP H1058514 A JPH1058514 A JP H1058514A JP 8241306 A JP8241306 A JP 8241306A JP 24130696 A JP24130696 A JP 24130696A JP H1058514 A JPH1058514 A JP H1058514A
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viscosity polymer
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英数 山崎
Toshikazu Nakamura
敏和 中村
Tadahiro Tsujimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平滑性等の面質が良好なフィルムを、支持体
から剥ぎ取る際に支持体上にフィルムの剥離残りをほと
んど発生させることなく高速で製造することができる溶
液製膜法による高分子樹脂フィルムの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 粘度が500〜100000ポイズの範
囲にある高粘度高分子樹脂溶液と、粘度が1〜500ポ
イズの範囲にあり、上記高粘度高分子樹脂溶液の粘度よ
りも50ポイズ以上低い粘度を持つ低粘度高分子樹脂溶
液とを、高粘度高分子樹脂溶液の層を、その層の少なく
とも下表面の両袖部を除く領域と上表面とを低粘度高分
子樹脂溶液の層で被覆した状態でダイスリットから同時
に押し出し、支持体上に流延させた後、乾燥して三層構
成からなる高分子樹脂層を形成し、次いでその高分子樹
脂層を支持体から剥ぎ取ることを特徴とする高分子樹脂
フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液製膜法による
フィルムの製造方法に関し、更に詳細には、フィルムの
流延に際し、高粘度高分子溶液を大きい剪断速度で押し
出すフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、セルロースアセテート、ポリカ
ーボネート、セロファン等のフィルムは、それぞれの高
分子溶液をダイスリットから押し出して、連続的に回転
するドラムまたは移動する平滑なバンド(支持体)上に
流延し、乾燥したのち、得られたフィルムを支持体面か
ら剥離して巻き取ることにより、製造される(溶液製膜
法と呼ばれる)。
【0003】溶液製膜法によりフィルムを効率良く製造
するために、従来から種々の提案がなされている。ダイ
スリットから押し出した高分子樹脂溶液層の乾燥時間を
短縮する方法として、粘度が3000〜100000ポ
イズの高粘度高分子樹脂溶液の層を、粘度が1〜300
0ポイズの低粘度高分子樹脂溶液の層で包むようにダイ
スリットより押し出してメルトフラクチャー(マット・
シャークスキンなどの軽度の異常流動も含む)の発生を
防止する方法が、特公昭62−43846号公報に記載
されている。乾燥時間を短縮するために高分子濃度の高
い高粘度高分子樹脂溶液を用いてダイスリットから押し
出した場合、高粘度のため大きい剪断速度においてはメ
ルトフラクチャー(溶融破壊)が発生してフィルムの平
滑性等の面質が低下する。上記公報の方法は、このよう
な問題を上記のように低粘度高分子樹脂溶液の層で高粘
度高分子樹脂溶液の層を包むようにダイスリットより押
し出すことにより、乾燥時間の短縮を可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような溶融製膜法
により製造されるセルローストリアセテートフィルム等
高分子樹脂フィルムは、写真のネガフィルムの支持体や
液晶表示装置の偏光板の保護膜に使用されているが、近
年、さらに高品質な写真画像や液晶表示画像が要求され
るようになり、これらに使用される上記支持体や保護膜
のフィルムに対しても、特にその表面が高品質であるこ
とが要求されるようになっている。即ち、例えば300
0ポイズ前後の比較的粘度の低い高分子樹脂溶液を、大
きい剪断速度で製膜した際に発生するシャークスキン
(鮫肌)のような表面欠陥も、上記要望に応えるために
は問題となってきている。本発明者の検討によると、こ
のような問題を解決するには、上記公報における高粘度
高分子樹脂溶液層を包む低粘度高分子樹脂溶液を、でき
るだけ低粘度にする必要があることが明らかになった。
しかしながら、低粘度高分子樹脂溶液層の粘度をさらに
低くして大きい剪断速度で製膜した際、フィルムを剥離
した時にフィルムの両側の端部が剥離されないで残る場
合があることが判明した。
【0005】従って、本発明は、平滑性等の面質が良好
なフィルムを、支持体から剥ぎ取る際に支持体上にフィ
ルムの剥離残りをほとんど発生させることなく高速で製
造することができる溶液製膜法による高分子樹脂フィル
ムの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、粘度が500
〜100000ポイズの範囲にある高粘度高分子樹脂溶
液と、粘度が1〜500ポイズの範囲にあり、上記高粘
度高分子樹脂溶液の粘度よりも50ポイズ以上低い粘度
を持つ低粘度高分子樹脂溶液とを、高粘度高分子樹脂溶
液の層を、その層の少なくとも下表面の両袖部を除く領
域と上表面とを低粘度高分子樹脂溶液の層で被覆した状
態でダイスリットから同時に押し出し、支持体上に流延
させた後、乾燥して三層構成からなる高分子樹脂層を形
成し、次いでその高分子樹脂層を支持体から剥ぎ取るこ
とを特徴とする高分子樹脂フィルムの製造方法にある。
【0007】上記本発明のフィルムの製造方法の好まし
い態様は下記の通りである。 1)高粘度高分子樹脂溶液層の低粘度高分子樹脂溶液層
による被覆を、高粘度高分子樹脂溶液層の上表面におい
ても、両袖部を除く領域にて行なう。 2)高粘度高分子樹脂溶液層の上下表面を被覆する低粘
度高分子樹脂溶液層の押し出し時の層厚が、いずれも高
粘度高分子樹脂溶液層の1/10以下である。 3)高粘度高分子樹脂溶液の押し出し時の厚さが、10
0〜2000μmの範囲(好ましくは300〜1000
μmの範囲)にあり、そして低粘度高分子樹脂溶液層の
押し出し時の厚さが、1〜60μmの範囲(好ましくは
2〜20μmの範囲)にある。 4)押し出し時の高粘度高分子樹脂溶液の幅が、100
〜9000mmの範囲にある。 5)高粘度高分子樹脂溶液層の上下表面を被覆する低粘
度高分子樹脂溶液層の乾燥後の層厚が、いずれも高粘度
高分子樹脂溶液層の1/10以下である。 6)高粘度高分子樹脂溶液層の乾燥後の厚さが、20〜
400μmの範囲(好ましくは60〜200μmの範
囲)にあり、そして低粘度高分子樹脂溶液層の乾燥後の
厚さが、0.2〜20μmの範囲(好ましくは0.5〜
10μmの範囲)にある。 7)低粘度高分子樹脂溶液層が、高粘度高分子樹脂溶液
層の幅の端部より1〜200mm(好ましくは1〜10
0mm)内側の位置から内側の領域に形成されている。 8)高粘度高分子樹脂溶液層と低粘度高分子樹脂溶液層
との粘度差が、100ポイズ以上である。 9)高粘度高分子溶液層の粘度が、550〜2500ポ
イズである。
【0008】本発明は、粘度が500〜100000ポ
イズの範囲にある第一の高粘度高分子樹脂溶液、粘度が
1〜500ポイズの範囲にあり、上記高粘度高分子樹脂
溶液の粘度よりも50ポイズ以上低い粘度を持つ低粘度
高分子樹脂溶液、そして粘度が500〜100000ポ
イズの範囲にあり、上記低粘度高分子樹脂溶液の粘度よ
りも50ポイズ以上高い粘度を持つ第二の高粘度高分子
樹脂溶液を、第一の高粘度高分子樹脂溶液の層を、その
層の上下表面を低粘度高分子樹脂溶液の層で被覆し、か
つ左右の両側面を第二の高粘度高分子樹脂溶液で被覆し
た状態でダイスリットから同時に押し出し、支持体上に
流延させた後、乾燥して三層構成からなる高分子樹脂層
を形成し、次いでその高分子樹脂層を支持体から剥ぎ取
ることを特徴とする高分子樹脂フィルムの製造方法にあ
る。
【0009】上記本発明のフィルムの製造方法の好まし
い態様は下記の通りである。 1)第一の高粘度樹脂溶液層の上下表面を被覆する低粘
度高分子樹脂溶液層の押し出し時の層厚が、いずれも高
粘度高分子樹脂溶液層の1/10以下である。 2)押し出し時の第一の高粘度高分子樹脂溶液層の押し
出し時の厚さが、100〜2000μmの範囲(好まし
くは300〜1000μmの範囲)にあり、そして低粘
度高分子樹脂溶液層の押し出し時の厚さが、1〜60μ
mの範囲(好ましくは2〜20μmの範囲)にある。 3)第一の高粘度樹脂溶液層の上下表面を被覆する低粘
度高分子樹脂溶液層の乾燥後の層厚が、いずれも高粘度
高分子樹脂溶液層の1/10以下である。 4)第一の高粘度高分子溶液層の乾燥後の厚さが、20
〜400μmの範囲(好ましくは60〜200μmの範
囲)にあり、そして低粘度高分子溶液層の乾燥後の厚さ
が、0.2〜20μmの範囲(好ましくは0.5〜10
μmの範囲)にある。 5)押し出し時の第一の高粘度高分子樹脂溶液層の幅
が、100〜9000mmの範囲にある。 6)押し出し時の第二の高粘度高分子樹脂溶液層の幅
が、1〜200mmの範囲(好ましくは1〜100m
m)にある。 7)乾燥後の第二の高粘度高分子樹脂溶液層の幅が、幅
の端部から1〜200mm(好ましくは1〜100m
m)である。 8)第二の高粘度高分子樹脂溶液層の粘度が、550〜
100000ポイズで且つ第一の高粘度高分子樹脂溶液
層の粘度より100ポイズ以上高い。 9)第一の高粘度高分子樹脂溶液層と低粘度高分子樹脂
溶液層との粘度差が、100ポイズ以上である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法を以下に詳細に
説明する。図1に、本発明の製造方法に使用することが
できる三酢酸セルロースフィルムの製造装置の模式図を
示す。三酢酸セルロースの高粘度溶液を調製する調液タ
ンク1には、高粘度高分子樹脂溶液1dが満たされてお
り、三酢酸セルロースの低粘度溶液を調製する調液タン
ク6には、低粘度高分子樹脂溶液6dが満たされてい
る。高粘度高分子樹脂溶液1dは、送液ポンプ2によ
り、低粘度高分子樹脂溶液6dは送液ポンプ7により、
スリットダイ3に送られ、高粘度高分子樹脂溶液1dの
層と低粘度高分子溶液6dの層とが、ダイスリットから
高粘度高分子樹脂溶液層を、その上下表面を低粘度高分
子樹脂溶液層で被覆した状態で押し出され、ドラム4に
より連続的に移動する支持体である流延バンド5上に流
延される。流延された三層からなる高分子樹脂溶液層
は、乾燥された後、得られたフィルム5aはローラ8に
より流延バンドから剥ぎ取られる。高粘度高分子樹脂溶
液1dの層は、幅方向の両端部を帯状に、より高粘度の
高粘度高分子溶液の層と置き換えることもできる。本発
明では、高粘度高分子樹脂溶液の層の上下面を、低粘度
高分子樹脂溶液の層で被覆する際、少なくとも下表面に
おいては、両袖部を除く領域に低粘度高分子樹脂溶液の
層で被覆するようにする。即ち、高粘度高分子樹脂溶液
の層の下表面の両側には、低粘度高分子樹脂溶液の層は
無いため、その両側では高粘度高分子樹脂溶液の層が直
接支持体と接触することから、乾燥後のフィルムの剥ぎ
取りがフィルムの両側が支持体上に残ることなく円滑に
行なうことができる。
【0011】また本発明において、高粘度高分子樹脂溶
液1dの粘度は、500〜100000ポイズであり、
低粘度高分子樹脂溶液6dの粘度は1〜500ポイズで
ある。更に、上記低粘度高分子樹脂溶液は、上記高粘度
高分子樹脂溶液の粘度よりも50ポイズ以上(好ましく
は100ポイス以上)低い粘度を持つことが要求され
る。これらの溶液は、スリットダイ3では、下記のよう
に合流し、これにより、一般に低粘度高分子樹脂溶液層
が高粘度高分子樹脂溶液層の幅の端部より1〜200m
m内側の位置より内側の領域に埋め込まれた高分子溶液
層を形成することができる。
【0012】図2に、上記スリットダイ3に使用するこ
とができる内部合流型流延ダイを示す。図2(A)は、
内部合流型流延ダイの断面図である。高粘度高分子樹脂
溶液1dは主流管24aを通って主流ポケット部24c
に送られ、更に、スリット21に送られる。低粘度高分
子樹脂溶液6dは、外層流管25a,26aを通って外
層流ポケット部25c,26cに送られ、更に、それぞ
れスリット22,23に送られる。スリット22,23
の、この断面図の垂直方向(幅方向)の端部は、スリッ
ト21より中に入り込んでいる。即ち、幅はスリット2
1より短い。スリット21を通って送られる高粘度高分
子樹脂溶液1dの層と、スリット22,23を通って送
られる低粘度高分子樹脂溶液6dの層は、ダイスリット
27で合流して、ここから支持体上に同時に押し出さ
れ、流延される。24b,25b,36bは、それぞれ
の管とポケット部の境界線である。但し、高粘度高分子
樹脂溶液1dの層の上表面に押し出される低粘度高分子
樹脂溶液6dの層の幅を狭くしないように、スリット2
3の幅はスリット21と同じでも良い。図2(B)に内
部合流型流延ダイ内部の配管とスリット部分の斜視図を
示す。図2(A)で説明したスリット22,23の幅の
端部が、スリット21より中に入り込んでいる。即ち、
スリット22,23の幅の端部から少し内側の領域(即
ち得られるフィルムの両袖部に相当)にスペーサ28が
装着され、これによりスペーサの端部付近には低粘度高
分子樹脂溶液6dが送り込まれないようにされている。
従って、低粘度高分子樹脂溶液層が、通常、高粘度高分
子樹脂溶液層の両側にかつその幅の端部より1〜200
mm内側の位置より内側の領域に位置するように、ダイ
から押し出される。これにより低粘度高分子樹脂溶液層
が高粘度高分子樹脂溶液層の幅の端部より1〜200m
m内側の位置より内側の領域に埋め込まれた高分子樹脂
溶液層を、支持体上に形成することができる。
【0013】図3に、上記スリットダイ3に使用するこ
とができる外部合流型流延ダイを示す。図3(A)は、
外部合流型流延ダイの断面図である。高粘度高分子樹脂
溶液1dはダイ上部に取り付けられたフィードブロック
の主流管33aを通って主流ポケット部33bに送ら
れ、低粘度高分子樹脂溶液6dは、ダイ上部に取り付け
られたフィードブロックの外層流管35a,36aを通
って外層流ポケット部35b,36bに送られる。外層
流ポケット部35b,36bの、この断面図の直角方向
(幅方向)の端部は、主流ポケット部33bより中に入
り込んでいる。即ち、幅は主流ポケット部33bより短
い。主流ポケット部33bを通って送られる高粘度高分
子樹脂溶液1dの層と、外層流ポケット部35b,36
bを通って送られる低粘度高分子樹脂溶液6dの層は、
ダイ給液管34aで合流して、ダイ給液ポケット部34
cを通ってダイスリット31より支持体上に押し出さ
れ、流延される。34bは、給液管とポケット部の境界
線である。図3(B)に、外部合流型流延ダイの配管と
スリット部分の斜視図を示す。図3(A)で説明した、
外層流ポケット部35b,36bの幅方向の端部が主流
ポケット部33bより中に入り込んでいる。即ち、外層
流ポケット部35b,36bの幅方向の端部から少し内
側の領域(即ち得られるフィルムの両袖部に相当)にス
ペーサ38が装着され、これにより、スペーサの端部付
近には低粘度高分子樹脂溶液6dが送り込まれないよう
にされている。高粘度高分子樹脂溶液1dの層と、低粘
度高分子樹脂溶液6dの層は、ダイ給液管34aに合流
して、ダイスリット31に送り込まれることによりこれ
ら層の幅が大きく広がるが、高粘度高分子樹脂溶液1d
の層と、低粘度高分子樹脂溶液6dの層は混合されるよ
うなことはなく、端部の低粘度高分子樹脂溶液層を持た
ない高粘度高分子樹脂溶液層の領域は保持される。
【0014】上記図2あるいは図3で示されるダイのス
リットより支持体に押し出された高分子溶液層は、通
常、高粘度高分子樹脂溶液層と、該高粘度高分子樹脂溶
液層の両側の表面上でかつ幅の端部より1〜200mm
内側の位置より内側の領域に埋め込むように形成された
低粘度高分子樹脂溶液層からなる高分子溶液層となる。
上記ダイのスリットより支持体に押し出された高分子樹
脂溶液層の断面形状を、図4に示す。高粘度高分子樹脂
溶液層41の両側の表面(表裏)に、低粘度高分子樹脂
溶液層42a,42bが形成されている。但し、高粘度
高分子樹脂溶液層41の端部近傍には低粘度高分子樹脂
溶液層は形成されていない。端部近傍の高粘度高分子樹
脂溶液層41の表面は、低粘度高分子樹脂溶液層と同一
の表面を形成している。また、支持体に接触しない側の
低粘度高分子樹脂溶液層は、支持体との良好な剥離性が
要求されないので高粘度高分子樹脂溶液層の全面に形成
されていても良い。端部から長さLは、低粘度高分子樹
脂溶液層の形成されていない領域を示す。Lは1〜10
0mmの範囲が好ましく、特に5〜50mmが好まし
い。このLの長さは、乾燥後もほとんど変わることはな
い。
【0015】高粘度高分子樹脂溶液層の上下表面を被覆
する低粘度高分子樹脂溶液層の押し出し時の層厚が、い
ずれも高粘度高分子樹脂溶液層の1/10以下であるこ
とが好ましい。高粘度高分子樹脂溶液41層の幅は、一
般に100〜9000mmの範囲である。高粘度高分子
樹脂溶液層の上下表面を被覆する低粘度高分子樹脂溶液
層の押し出し時の層厚が、いずれも高粘度高分子樹脂溶
液層の1/10以下であることが好ましい。さらに、押
し出された高粘度高分子樹脂溶液層の厚さ(未乾燥状
態)は、100〜2000μmの範囲が一般的であり、
300〜1000μmの範囲が好ましい。また、低粘度
高分子樹脂溶液層の厚さ(未乾燥状態)は、1〜60μ
mの範囲が一般的であり、2〜20μmの範囲が好まし
い。高粘度高分子樹脂溶液41層の乾燥後の幅は、一般
に100〜9000mmの範囲である。また、高粘度高
分子樹脂溶液層の上下表面を被覆する低粘度高分子樹脂
溶液層の乾燥後の層厚が、いずれも高粘度高分子樹脂溶
液層の1/10以下であることが好ましい。さらに、高
粘度高分子溶液層の乾燥後の厚さは、20〜400μm
の範囲が一般的であり、60〜400μmの範囲が好ま
しい。また、低粘度高分子樹脂溶液層の乾燥後の厚さ
が、0.2〜20μmの範囲が一般的であり、0.5〜
10μmの範囲が好ましい。
【0016】ダイのスリットより支持体に押し出された
高分子樹脂溶液層の断面形状の別の例を図5に示す。第
一の高粘度高分子樹脂溶液層51の両側の表面に、低粘
度高分子樹脂溶液層52a,52bが形成されている。
これらの層の両方の端部に、第二の高粘度高分子樹脂溶
液(好ましくは第一の高粘度高分子樹脂溶液層51の高
粘度高分子樹脂溶液より高粘度の高粘度高分子樹脂溶
液)から形成された帯状の高粘度高分子樹脂溶液層53
が、長さLだけ繋がっている。その表面は、低粘度高分
子樹脂溶液層と同一の表面を形成している。端部から長
さLは、上記と同様である。第一と第二の両方からなる
高粘度高分子樹脂溶液層と低粘度高分子樹脂溶液層との
関係においては、上記図4と同じ構成を有する。
【0017】図6に、図5に示す高粘度高分子樹脂溶液
層を形成するために使用することができる合流型流延ダ
イを示す。図6(A)は、合流型流延ダイの断面図であ
る。この合流型流延ダイは、前記図2(A)に示す内部
合流型流延ダイの上部に、高粘度高分子樹脂溶液1dの
代わりに、第一の高粘度高分子樹脂溶液1dとその両側
(押し出し時の溶液層の幅方向の両側)に第一の高粘度
高分子樹脂溶液1dより高粘度の帯状層となる第二の高
粘度高分子樹脂溶液1da,1dbが配置された帯状層
付き層となる高粘度高分子樹脂溶液1ddを送るための
給液装置60が取り付けられている。給液装置60の中
央断面図を図6(B)に示す。第一の高粘度高分子樹脂
溶液1dが、配管68に送られ、同時により別の調液タ
ンク(図1で示されていない)で調整された高粘度の帯
状の第二の高粘度高分子樹脂溶液1daが、配管69
a,69bより送られ、主流管64a(図6(A))で
合流して、帯付き高粘度高分子樹脂溶液1ddとなる。
【0018】合流した帯状層付き高粘度高分子樹脂溶液
1ddは、図6(A)に示すように、主流管64aを通
って主流ポケット部64cに送られ、更に、スリット6
1に送られる。帯状層付き高粘度高分子樹脂溶液1dd
の送液と同時に、低粘度高分子樹脂溶液6dも、外層流
管65a,66aを通って外層流ポケット部65c,6
6cに送られ、更に、それぞれスリット62,63に送
られる。スリット62,63の、この断面図の直角方向
(幅方向)の端部は、スリット61より中に入り込んで
いる。即ち、幅はスリット61より短い。スリット61
を通って送られる高粘度高分子樹脂溶液1ddの層と、
スリット62,63を通って送られる低粘度高分子溶液
6dの層は、ダイスリット67で合流して、ここから支
持体上に押し出され、流延される。64b,65b,6
6bは、それぞれの管とポケット部の境界線である。
【0019】流延された高分子樹脂溶液層は、低粘度高
分子樹脂溶液6dからの層が、高粘度高分子樹脂溶液1
dからの層の表裏にのみ設けられ、且つ高粘度高分子樹
脂溶液1dからの層の幅方向の両側にその幅の端部より
1〜200mm外側の領域に高粘度高分子溶液1daか
らの帯状の層が設けられた、上記図5の高分子溶液樹脂
層である。
【0020】図7に、図5に示す高粘度高分子樹脂溶液
層を形成するために使用することができる合流型流延ダ
イの別の例を示す。図7(A)は、合流型流延ダイの断
面図である。この合流型流延ダイは、前記図3(A)に
示す外部合流型流延ダイの上部に、高粘度高分子樹脂溶
液1dの代わりに、第一の高粘度高分子樹脂溶液1dと
その両側(押し出し時の溶液層の幅方向の両側)に高粘
度高分子樹脂溶液1dより高粘度の帯状層となる第二の
高粘度高分子樹脂溶液1da,1dbが配置された帯付
き層となる高粘度高分子樹脂溶液1ddを送るための給
液装置60が取り付けられている。給液装置70の中央
断面図を図7(B)に示す。第一の高粘度高分子溶液1
dが、配管78に送られ、同時により別の調液タンク
(図1で示されていない)で調整された高粘度の帯状の
第二の高粘度高分子樹脂溶液1daが、配管77a,7
7bより送られ、主流管73a(図7(A))で合流し
て、帯付き高粘度高分子樹脂溶液1ddとなる。
【0021】合流した帯付き高粘度高分子樹脂溶液1d
dは、図7(A)に示すように、高粘度高分子樹脂溶液
1ddはダイ上部に取り付けられたフィードブロックの
主流管73aを通って主流ポケット部73bに送られ、
低粘度高分子樹脂溶液6dは、ダイ上部に取り付けられ
たフィードブロックの外層流管75a,76aを通って
外層流ポケット部75b,76bに送られる。外層流ポ
ケット部75b,76bの、この断面図の直角方向(幅
方向)の端部は、主流ポケット部73bより中に入り込
んでいる。即ち、幅は主流ポケット部73bより短い。
主流ポケット部73bを通って送られる高粘度高分子樹
脂溶液1dの層と、外層流ポケット部75b,76bを
通って送られる低粘度高分子樹脂溶液6dの層は、ダイ
給液管74aに合流して、ダイ給液ポケット部74cを
通ってダイスリット71より支持体上に押し出され、流
延される。74bは、給液管とポケット部の境界線であ
る。流延された高分子樹脂溶液層は、上記図5に示され
る構成の高分子溶液層である。
【0022】本発明の方法により、ダイのスリットより
支持体に押し出された高分子樹脂溶液層は、上記図4ま
たは図5に示したように、高粘度高分子樹脂溶液層と低
粘度高分子樹脂溶液層が、混合することなく、積層体を
構成している。このため、高粘度高分子樹脂溶液層の表
面は、低粘度層であり、ダイのスリットより大きい剪断
速度で押し出されても表面にシャークスキンが発生する
こともなく、平滑性等の面質が良好なフィルムを得るこ
とができる。
【0023】乾燥後、得られたフィルムは、支持体より
剥ぎ取られ巻き取られる。このようにして、本発明の方
法により得られるフィルムは、剥離時に支持体上にフィ
ルムの一部が剥離しないで残ることはほとんど起こらな
い。即ち、本発明のフィルムを形成する高分子樹脂溶液
層の側端部は、高粘度高分子樹脂溶液層のみから形成さ
れているため、凝集力が強く、乾燥後支持体からはがれ
易く、上記剥離残りの発生がないと考えられる。
【0024】本発明の高粘度および低粘度高分子樹脂溶
液を調製するために使用することができる高分子材料、
溶媒等の材料について、以下に記載する。高分子の例と
しては、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリカ
ーボネートおよびセロファン等を挙げることができる。
三酢酸セルロースが好ましい。三酢酸セルロースとして
は、アセチル化度58〜62%が好ましく、重合度24
0〜380が好ましい。溶媒の例としては、メチレンク
ロライド(ジクロロメタン)、アセトン、メチルエチル
ケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール及びブタノールを挙げる
ことができる。また、高粘度高分子溶液の高分子濃度
は、19〜30重量%が好ましく、特に20〜25重量
%が好ましい。低粘度高分子溶液の高分子濃度は、10
〜19重量%が好ましく、特に15〜18重量%が好ま
しい。更に、一般に可塑剤が使用される。可塑剤の例と
しては、リン酸トリブチル、リン酸トリ(2−エチルヘ
キシル)、リン酸トリフェニル及びリン酸トリクレジル
等のリン酸エステル系;フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル及びフタ
ル酸ジベンジル等のフタル酸エステル系を挙げることが
できる。リン酸エステル系が好ましく、特にリン酸トリ
フェニルが好ましい。
【0025】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお、実施例中の「部」とは重量部を意味するもの
とする。
【0026】 [I]高分子樹脂溶液の調製 <高粘度高分子樹脂溶液(1)> 三酢酸セルロース 20.0重量部 ジクロロメタン 62.0重量部 メタノール 12.0重量部 ブタノール 3.5重量部 リン酸トリフェニル(TPP) 2.5重量部 (粘度:750ポイズ(35℃)) <高粘度高分子樹脂溶液(2)> 三酢酸セルロース 22.0重量部 ジクロロメタン 60.0重量部 メタノール 12.0重量部 ブタノール 3.0重量部 リン酸トリフェニル(TPP) 3.0重量部 (粘度:1000ポイズ(35℃)) <低粘度高分子樹脂溶液(3)> 三酢酸セルロース 18.0重量部 ジクロロメタン 63.0重量部 メタノール 13.0重量部 ブタノール 4.0重量部 リン酸トリフェニル(TPP) 2.0重量部 (粘度:400ポイズ(35℃)) <低粘度高分子樹脂溶液(4)> 三酢酸セルロース 16.0重量部 ジクロロメタン 64.0重量部 メタノール 4.5重量部 ブタノール 4.0重量部 リン酸トリフェニル(TPP) 1.5重量部 (粘度:200ポイズ(35℃)) 上記各溶液の材料を混合して、各溶液を得た。上記粘度
は、落球粘度計を用いて測定した。
【0027】[実施例1]図1に示したフィルム製造装
置及びスリットダイとして図2に示したダイを用いてフ
ィルムを製造した。調液タンク1内に満たされた上記高
粘度高分子樹脂溶液(1)を、送液ポンプ2により、調
液タンク6内に満たされた上記低粘度高分子樹脂溶液
(4)を送液ポンプ7により、スリットダイ3(図2の
ダイ使用)に送り、高粘度高分子樹脂溶液(1)の層と
低粘度高分子溶液(4)の層とを、高粘度高分子溶液層
の上下表面を低粘度高分子溶液層を被覆した状態で、ダ
イスリットからドラム4により連続的に移動する支持体
である流延バンド5上に流延した。ダイスリットから押
し出す際の樹脂溶液の温度は、35℃であった。流延バ
ンドの移動速度は、60m/分であった。図2のスリッ
トダイにおける、上記高分子低粘度溶液(4)の流量
(22,23における)は、30.6L/分(L:リッ
トル)、上記高分子高粘度溶液(1)の流量(21にお
ける)は、6.6L/分であった。ダイスリット27の
間隙は1mmであった。さらに、流延時の高分子樹脂溶
液層の高粘度高分子樹脂溶液層の幅は2000mm、高
粘度高分子樹脂溶液層の層厚は255μm、流延された
高粘度高分子樹脂溶液層の表裏の低粘度高分子樹脂溶液
層の幅は1900mm(図4のLは50mm)、層厚は
55μmであった。また、流延、乾燥により得られたフ
ィルムの、高粘度高分子樹脂溶液層に当たる部分の幅は
1800mm、高粘度高分子樹脂溶液層に当たる部分の
層厚は57μm、流延された高粘度高分子樹脂溶液層の
表裏の高分子低粘度溶液層に当たる部分の幅は1710
mm(図4のLは45mm)、層厚は10μmであっ
た。
【0028】[比較例1]実施例1において、スリット
ダイとして、図2のスリットダイのスペーサを外したも
のを使用した以外は同様にしてフィルムを製造した。流
延時の高分子溶液層の高粘度高分子溶液層の幅は200
0mm、高粘度高分子溶液層の層厚は255μm、流延
された高粘度高分子溶液層の表裏の低粘度高分子溶液層
の幅は2000mm(図4のLは0mm)、層厚は55
μmであった。また、流延、乾燥により得られたフィル
ムの、高粘度高分子溶液層に当たる部分の幅は1800
mm、高粘度高分子溶液層に当たる部分の層厚は57μ
m、流延された高分子高粘度溶液層の表裏の高分子低粘
度溶液層に当たる部分の幅は、1800mm(図4のL
は0mm)、層厚は10μmであった。
【0029】[実施例2]実施例1と同様にしてフィル
ムを製造した。但し、製造条件を下記のようにして行な
った。流延バンドの移動速度は、60m/分であった。
図2のスリットダイにおける、上記低粘度高分子樹脂溶
液(4)の流量(22,23における)は、0.6L/
分、上記高粘度高分子樹脂溶液(1)の流量(21にお
ける)は、41.3L/分であった。ダイスリット27
の間隙は1mmであった。流延時の高分子溶液層の高粘
度高分子樹脂溶液層の幅は2000mm、高粘度高分子
樹脂溶液層の層厚は344μm、流延された高分子高粘
度溶液層の表裏の低粘度高分子樹脂溶液層の幅は190
0mm(図4のLは50mm)、層厚は5μmであっ
た。また、流延、乾燥により得られたフィルムの、高粘
度高分子樹脂溶液層に当たる部分の幅は1800mm、
高粘度高分子樹脂溶液層に当たる部分の層厚は77μ
m、流延された高粘度高分子樹脂溶液層の表裏の低粘度
高分子樹脂溶液層に当たる部分の幅は1710mm(図
4のLは45mm)、層厚は0.9μmであった。
【0030】[比較例2]実施例2において、スリット
ダイとして、図2のスリットダイのスペーサを外したも
のを使用した以外は同様にしてフィルムを製造した。流
延時の高分子溶液層の高粘度高分子樹脂溶液層の幅は2
000mm、高粘度高分子樹脂溶液層の層厚は344μ
m、流延された高粘度高分子樹脂溶液層の表裏の低粘度
高分子樹脂溶液層の幅は2000mm(図4のLは0m
m)、層厚は5μmであった。また、流延、乾燥により
得られたフィルムの、高粘度高分子樹脂溶液層に当たる
部分の幅は1900mm、高粘度高分子樹脂溶液層に当
たる部分の層厚は77μm、流延された高粘度高分子樹
脂溶液層の表裏の低粘度高分子樹脂溶液層に当たる部分
の幅は1900mm(図4のLは0mm)、層厚は0.
9μmであった。
【0031】[実施例3]実施例1において、スリット
ダイとして、図3のスリットダイを使用し、高分子樹脂
溶液として下記のものを使用した以外は実施例1と同様
にしてフィルムを製造した。流延バンドの移動速度は、
70m/分であった。図3のスリットダイにおける、上
記低粘度高分子樹脂溶液(3)の流量(35a,36a
における)は0.7L/分、上記高粘度高分子樹脂溶液
(1)の流量(33aにおける)は75.6L/分であ
った。ダイスリット31の間隙は1.5mmであった。
流延時の高分子溶液層の高粘度高分子樹脂溶液層の幅は
2000mm、高粘度高分子樹脂溶液層の層厚は540
μm、流延された高粘度高分子樹脂溶液層の表裏の低粘
度高分子樹脂溶液層の幅は1950mm(図4のLは2
5mm)、層厚は5μmであった。また、流延、乾燥に
より得られたフィルムの、高粘度高分子樹脂溶液層に当
たる部分の幅は1800mm、高粘度高分子樹脂溶液層
に当たる部分の層厚は122μm、流延された高粘度高
分子樹脂溶液層の表裏の低粘度高分子樹脂溶液層に当た
る部分の幅は1755mm(図4のLは22.5m
m)、層厚は1.0μmであった。
【0032】[比較例3]実施例3において、スリット
ダイとして、図3のスリットダイのスペーサを外したも
のを使用した以外は同様にしてフィルムを製造した。流
延時の高分子溶液層の高粘度高分子樹脂溶液層の幅は2
000mm、高粘度高分子樹脂溶液層の層厚は540μ
m、流延された高粘度高分子樹脂溶液層の表裏の低粘度
高分子樹脂溶液層の幅は2000mm(図4のLは0m
m)、層厚は20μmであった。また、流延、乾燥によ
り得られたフィルムの、高粘度高分子樹脂溶液層に当た
る部分の幅は1800mm、高粘度高分子樹脂溶液層に
当たる部分の層厚は122μm、流延された高粘度高分
子樹脂溶液層の表裏の低粘度高分子樹脂溶液層に当たる
部分の幅は1800mm(図4のLは0mm)、層厚は
1μmであった。
【0033】[実施例4]図1に示したフィルム製造装
置に帯状の高分子溶液層となる溶液の送り装置を加え、
そしてスリットダイとして図6に示したダイを用いてフ
ィルムを製造した。調液タンク1内に満たされた上記高
粘度高分子樹脂溶液(1)[第一の高粘度高分子樹脂溶
液]を、送液ポンプ2により、上記高粘度高分子樹脂溶
液(2)[第二の高粘度高分子樹脂溶液]を、別の送液
ポンプにより、調液タンク6内に満たされた上記低粘度
高分子樹脂溶液(3)を送液ポンプ7により、スリット
ダイ3(図6のダイ使用)に送り、高粘度高分子溶液
(2)の層付き高粘度高分子溶液(1)の層と低粘度高
分子溶液(3)の層を、高粘度高分子溶液層の上下面を
低粘度高分子溶液層が被覆した状態で、ダイスリットか
らドラム4により連続的に移動する支持体である流延バ
ンド5上に流延した。ダイスリットから押し出す際の樹
脂溶液の温度は、35℃であった。流延バンドの移動速
度は、75m/分であった。図6のスリットダイにおけ
る、上記低粘度高分子樹脂溶液(3)の流量(62,6
3における)は、0.7L/分、上記高粘度高分子樹脂
溶液(1)及び(2)(1dd)の流量(61におけ
る)は、81.2L/分であった。ダイスリット67の
間隙は1.5mmであった。流延時の高分子溶液層の高
粘度高分子樹脂溶液層の幅は2000mm(ダイリップ
幅に相当)、高粘度高分子樹脂溶液層の層厚は540μ
m、流延された高粘度高分子樹脂溶液層の表裏の低粘度
高分子樹脂溶液層の幅は1950mm(図5のLは25
mm)、層厚は5μmであった。また、流延、乾燥によ
り得られたフィルムの、高粘度高分子樹脂溶液層に当た
る部分の幅は1800mm、高粘度高分子樹脂溶液層に
当たる部分の層厚は122μm、流延された高粘度高分
子樹脂溶液層の表裏の低粘度高分子樹脂溶液層に当たる
部分の幅は1755mm(図5のLは22.5mm)、
層厚は1μmであった。
【0034】得られたフィルムを下記のように評価し
た。 [フィルムの評価] (1)シャークスキン 得られたフィルムの表面を目視で観察し、シャークスキ
ンの発生の有無を調べた。 (2)剥ぎ取り性 支持体上に形成されたフィルムを、剥ぎ取り速度として
30〜75m/分の範囲で、30m/分から5m/分毎
に順次増加させた各速度で剥離して、支持体上にフィル
ムの残留した際の剥離速度を観察した。
【0035】上記評価結果を下記の表1に示す。
【0036】
【表1】 表1 ────────────────────────── シャークスキン 剥ぎ取り性 ────────────────────────── 実施例1 無し 65m/分で不可 比較例1 無し 30m/分で不可 ────────────────────────── 実施例2 無し 65m/分で不可 比較例2 無し 50m/分で不可 ────────────────────────── 実施例3 無し 75m/分で不可 比較例3 無し 55m/分で不可 ────────────────────────── 実施例4 無し 75m/分で良好 ──────────────────────────
【0037】
【発明の効果】本発明の製造方法により、シャークスキ
ン(鮫肌)の表面欠陥がないフィルムを容易に得ること
ができる。即ち、表面欠陥のないフィルムは、高粘度高
分子溶液層を挟む低粘度高分子溶液層の粘度を極めて低
くすることにより得ることができるが、その場合、フィ
ルムを支持体から剥ぎ取る際に支持体上に剥離しないで
フィルムの一部が残ることがある。本発明により、この
ような剥離残りの発生なしに、表面欠陥のないフィルム
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に使用することができる三酢
酸セルロースフィルムの製造装置の模式図である。
【図2】図1のスリットダイ3に使用することができる
内部合流型流延ダイの一例の断面図(A)及び内部の斜
視図(B)である。
【図3】図1のスリットダイ3に使用することができる
外部合流型流延ダイの一例の断面図(A)及び内部の斜
視図(B)である。
【図4】ダイのスリットより支持体に押し出された本発
明の高分子樹脂溶液層の構成を示す断面である。
【図5】ダイのスリットより支持体に押し出された本発
明の高分子樹脂溶液層の別の構成を示す断面である。
【図6】本発明の製造方法に使用することができる合流
型流延ダイの一例の断面図(A)及びその給液装置の中
央断面図(B)である。
【図7】本発明の製造方法に使用することができる合流
型流延ダイの別の例の断面図(A)及びその給液装置の
中央断面図(B)である。
【符号の説明】
1、6 調液タンク 1d、1da、1dd 高粘度高分子樹脂溶液 6d 低粘度高分子樹脂溶液 2、7 送液ポンプ 3 スリットダイ 4 ドラム 5 流延バンド 8 ローラ 21、22、23 スリット 24a、33a 主流管 24b、25b、36b 管とポケット部の境界線 24c 主流ポケット部 25a、26a 外層流管 25c、26c 外層流ポケット部 27 ダイスリット 31 ダイスリット 33a フィードブロックの主流管 33b 主流ポケット部 34a ダイ給液管 34b 給液管とポケット部の境界線 34c ダイ給液ポケット部 35a、36a フィードブロックの外層流管 35b、36b 外層流ポケット部 41、51 高粘度高分子溶液層 42a、42b、52a、52b 低粘度高分子溶液層 53 帯状の高粘度高分子溶液層 60、70 給液装置 61、62、63 スリット 64a 主流管 64c 主流ポケット部 64b、65b、66b 管とポケット部の境界線 65a、66a 外層流管 65c,66c 外層流ポケット部 67 ダイスリット 68、69a、69b 配管 71 ダイスリット 73a フィードブロックの主流管 73b 主流ポケット部 74a ダイ給液管 74b 給液管とポケット部の境界線 74c ダイ給液ポケット部 75a、76a フィードブロックの外層流管 75b、76b 外層流ポケット部 77a、77b、78 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 9:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度が500〜100000ポイズの範
    囲にある高粘度高分子樹脂溶液と、粘度が1〜500ポ
    イズの範囲にあり、上記高粘度高分子樹脂溶液の粘度よ
    りも50ポイズ以上低い粘度を持つ低粘度高分子樹脂溶
    液とを、高粘度高分子樹脂溶液の層を、その層の少なく
    とも下表面の両袖部を除く領域と上表面とを低粘度高分
    子樹脂溶液の層で被覆した状態でダイスリットから同時
    に押し出し、支持体上に流延させた後、乾燥して三層構
    成からなる高分子樹脂層を形成し、次いでその高分子樹
    脂層を支持体から剥ぎ取ることを特徴とする高分子樹脂
    フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 高粘度高分子樹脂溶液層の低粘度高分子
    樹脂溶液層による被覆を、高粘度高分子樹脂溶液層の上
    表面においても、両袖部を除く領域にて行なう請求項1
    に記載の高分子樹脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 押し出し時の高粘度高分子樹脂溶液層の
    上下表面を被覆する低粘度高分子樹脂溶液層の層厚が、
    いずれも高粘度高分子樹脂溶液層の1/10以下である
    請求項1に記載の高分子樹脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 粘度が500〜100000ポイズの範
    囲にある第一の高粘度高分子樹脂溶液、粘度が1〜50
    0ポイズの範囲にあり、上記高粘度高分子樹脂溶液の粘
    度よりも50ポイズ以上低い粘度を持つ低粘度高分子樹
    脂溶液、そして粘度が500〜100000ポイズの範
    囲にあり、上記低粘度高分子樹脂溶液の粘度よりも50
    ポイズ以上高い粘度を持つ第二の高粘度高分子樹脂溶液
    を、第一の高粘度高分子樹脂溶液の層を、その層の上下
    表面を低粘度高分子樹脂溶液の層で被覆し、かつ左右の
    両側面を第二の高粘度高分子樹脂溶液で被覆した状態で
    ダイスリットから同時に押し出し、支持体上に流延させ
    た後、乾燥して三層構成からなる高分子樹脂層を形成
    し、次いでその高分子樹脂層を支持体から剥ぎ取ること
    を特徴とする高分子樹脂フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 押し出し時の高粘度高分子樹脂溶液層の
    上下表面を被覆する低粘度高分子樹脂溶液層の層厚が、
    いずれも高粘度高分子樹脂溶液層の1/10以下である
    請求項4に記載の高分子樹脂フィルムの製造方法。
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