JPH105582A - 吸液性樹脂およびその製造方法 - Google Patents

吸液性樹脂およびその製造方法

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JPH105582A
JPH105582A JP16208596A JP16208596A JPH105582A JP H105582 A JPH105582 A JP H105582A JP 16208596 A JP16208596 A JP 16208596A JP 16208596 A JP16208596 A JP 16208596A JP H105582 A JPH105582 A JP H105582A
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weight
aqueous solution
absorbing
monomer component
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JP16208596A
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English (en)
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Koji Miyake
浩司 三宅
Nobuyuki Harada
信幸 原田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度の電解質溶液中での吸液性に優れると
共に、アルコール等の親水性有機溶媒の吸液性に優れた
吸液性樹脂を安定に得る。 【解決手段】 環状ビニルラクタムを少なくとも40モ
ル%以上含有する単量体成分を、該単量体濃度25重量
%以上の水溶液中、架橋剤および水溶性アゾ系重合開始
剤の存在下に重合することにより、塩化ナトリウムの2
0重量%水溶液、塩化カルシウムの20重量%水溶液、
塩化マグネシウムの20重量%水溶液に対するそれぞれ
の吸液倍率の合計が、90以上である吸液性樹脂、およ
びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解質等を含む種
々の溶液に対する吸液性が優れた吸液性樹脂およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、水溶性のポリマーが架橋された構
造を有する水膨潤性ポリマーは、その吸液性や保液性を
利用した種々の分野への適用が考えられている。例え
ば、紙おむつ等の衛生材料、生理用品、コンタクトレン
ズ、化粧品、塗料、接着剤、止水剤、土壌改良剤等の用
途、あるいは薬物徐放制御などの医療分野での利用研究
が行われている。
【0003】これら架橋された重合体である水膨潤性ポ
リマーは、様々な方法で製造されるが、工業的にしばし
ば用いられる方法として、一種類または複数種のビニル
化合物を単量体としてラジカル重合等の方法で付加重合
することにより重合体を得るに際し、当該ビニル化合物
と共重合可能なビニル基等の官能基を複数個有する化合
物(すなわち、架橋剤)とを共重合させることによりポ
リマー鎖中に架橋点を導入する方法が知られている(特
開平4−230250号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来公
報に記載の水膨潤性ポリマーおよびその製造方法では、
吸液性、特に塩等を多く含む電解質の溶液を吸液する吸
液性が不十分であり、さらに吸液性が向上した吸液性樹
脂およびその製造方法が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の吸液性樹脂の製
造方法は、以上の課題を解決するために、環状ビニルラ
クタムを少なくとも40モル%以上含有する単量体成分
を、該単量体濃度25重量%以上の水溶液中、架橋剤お
よび水溶性アゾ系重合開始剤の存在下に重合することを
特徴としている。上記環状ビニルラクタムとしては、N
−ビニル−2−ピロリドンが好ましい。
【0006】上記方法によれば、環状ビニルラクタムを
少なくとも40モル%以上含有する単量体成分を用い、
かつ、水溶性アゾ系重合開始剤を用いたことにより、高
濃度の電解質溶液に対する吸液性に優れると共に、アル
コール等の親水性有機溶媒に対する吸液性にも優れた吸
液性樹脂を安定に得ることができる。
【0007】また、本発明の吸液性樹脂の製造方法は、
さらに、水溶液中の単量体濃度を、25〜50重量%に
調製することが好ましい。
【0008】本発明の吸液性樹脂は、塩化ナトリウムの
20重量%水溶液、塩化カルシウムの20重量%水溶
液、塩化マグネシウムの20重量%水溶液に対するそれ
ぞれの吸液倍率の合計が、90以上のものである。
【0009】上記構成によれば、塩等を多く含む電解質
溶液を吸液する吸液性が十分であるから、種々の水溶性
物質を含む電解質溶液を吸液して、安定に保持すること
が可能となる。よって、上記構成は、種々な電解質溶液
の保持を制御する必要がある各分野に好適に用いられ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。吸液性樹脂の製造方法は、環状ビニルラク
タムを少なくとも40モル%以上含有する単量体成分
を、該単量体濃度25重量%以上の水溶液中、架橋剤お
よび水溶性アゾ系重合開始剤の存在下に重合することを
特徴としている。
【0011】上記環状ビニルラクタムとしては、N−ビ
ニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニ
ルイミダゾリン等が挙げられ、さらに好ましくはN−ビ
ニル−2−ピロリドンが挙げられる。
【0012】上記単量体成分における、環状ビニルラク
タムと異なる他の単量体としては、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホア
ルキル(メタ)アクリレート、およびそれらのアルカリ
金属塩またはアンモニウム塩;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレートおよびその4級化物;(メタ)ア
クリルアミド、メトキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙
げられる。
【0013】特に好ましい他の単量体としては、(メ
タ)アクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、スルホアルキル(メタ)アク
リレート、およびそれらのアルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート
およびその4級化物、(メタ)アクリルアミド、メトキ
シポリエチレングリコール(メタ)アクリレートからな
る群より選択される少なくとも一種が挙げられる。
【0014】単量体成分における環状ビニルラクタムの
割合は、40モル%以上、好ましくは60モル%以上、
より好ましくは80モル%以上である。40モル%より
も環状ビニルラクタムの割合が少ないと、耐塩性、すな
わち塩濃度の高い溶液に対する吸液性に乏しいものとな
る。また、エタノールや炭酸プロピレン(4-Metyl-1,3-
dioxolan-2-one)等の有機溶媒や高濃度無機塩を含有す
る水溶液を吸収させる場合には、80モル%以上、特に
好ましくは100モル%含有していることが望ましい。
【0015】重合させる水溶液中の単量体成分の濃度
は、25重量%以上、好ましくは25重量%以上で80
重量%以下の範囲内、さらに好ましくは25〜50重量
%の範囲内である。
【0016】単量体成分の濃度が25重量%未満では、
架橋した吸液性樹脂が得られず、得られた樹脂は水など
に溶解してしまうことがある。また、架橋した吸液性樹
脂が得られた場合でも、重合後のゲルを解砕することが
困難となる。さらに、乾燥に長い時間を必要とし、乾燥
中に樹脂が劣化してしまうことがある。一方、単量体成
分の濃度が80重量%を越えると、重合の制御が困難と
なり、吸液性能に優れた吸液性樹脂が得られなくなるお
それがある。
【0017】前記の水溶性アゾ系重合開始剤としては、
水溶性アゾ系化合物、具体的には、2,2'−アゾビス(2-
アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス〔2-(N-
アリルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2'−アゾビス
{2-〔N-(2-ヒドロキシエチル)アミジノ〕プロパン}
2塩酸塩などのアゾアミジン化合物、2,2'−アゾビス
〔2-(2-イミダゾリン−2-イル)プロパン〕2塩酸塩な
どの環状アゾアミジン化合物、2,2'−アゾビス〔2-メチ
ル−N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕など
のアゾアミド化合物が挙げられる。中でも好ましくは2,
2'−アゾビス(2-アミジノプロパン)2塩酸塩である。
【0018】重合開始剤として、過硫酸ナトリウム等の
過硫酸塩を用いた場合、重合が全く起こらなかったり、
あるいは重合時間が非常に長くかかったりするので、好
ましくない。
【0019】水溶性アゾ系化合物の使用量は、単量体成
分の種類やその濃度および重合条件により異なるが、一
般に単量体成分1モルに対し0.01〜5gの範囲内で
あり、好ましくは0.05〜1gの範囲内である。使用
量が0.01gより少ないと重合が開始しなかったり、
未重合の単量体成分が多くなったりするという不都合を
生じることがある。また、開始剤が5gより多いと重合
の制御が困難となり、また、得られる吸液性樹脂の吸液
性能に劣ったものとなることがある。
【0020】前述の架橋剤としては、重合性を示すエチ
レン性不飽和二重結合を分子内に2個以上有する化合
物、例えば、N,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、テトラアリロキシエ
タン、トリアリルアミン、N,N'−ジビニル−2-イミダゾ
リジノン、N,N'−1,4-ブチレンビス(N-ビニルアセトア
ミド)などが挙げられ、これらの化合物を一種または二
種以上用いることができる。
【0021】また、単量体成分が、カルボキシル基やス
ルホン酸基等の酸基を有する単量体を含む場合には、酸
基と反応することのできる官能基を分子内に2個以上有
する化合物を用いることができる。具体的には、(ポ
リ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレ
ンジアミン、ポリエチレンイミン、(ポリ)エチレング
リコール、グリセリン等が挙げられる。
【0022】架橋剤の使用量は、重合条件や単量体成分
の種類などにより適宜設定することができるが、単量体
成分に対し、0.01〜5モル%の範囲内であり、好ま
しくは0.05〜2モル%の範囲内である。架橋剤の使
用量が0.01モル%よりも少ないと、架橋した吸液性
樹脂が得られず、水溶性の樹脂となる。5モル%よりも
多いと水の吸収による膨潤が阻害されて、吸液性能が劣
化した不溶性の樹脂となる。なお、単量体成分が90モ
ル%以上の環状ビニルラクタムを含む場合には、架橋剤
は0.1〜2モル%の範囲内で用いることが好ましい。
【0023】このようにして得られた吸液性樹脂は、塩
化ナトリウムの20重量%水溶液、塩化カルシウムの2
0重量%水溶液、塩化マグネシウムの20重量%水溶液
に対するそれぞれの吸液倍率の合計が、90以上とい
う、高濃度の塩を含む電解質溶液に対する優れた吸液性
を有するものとなる。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の各実施例についてそれぞれ説明す
れば、以下の通りであるが、本発明は以下の各実施例に
限定されるものではない。なお、以下の各実施例中に記
載された「部」および「%」は、格別な記載がないかぎ
り重量基準とする。
【0025】本発明の吸液性樹脂の製造方法は、環状ビ
ニルラクタムを少なくとも40モル%以上含有する単量
体成分を、該単量体濃度25重量%以上の水溶液中、架
橋剤および水溶性アゾ系重合開始剤の存在下に重合する
方法である。
【0026】まず、減圧蒸留により精製したN-ビニル−
2-ピロリドン(mw 111.1)100部、N,N'−メチレンビ
スアクリルアミド(mw 154.2)0.69部、および水2
33部を互いに混合して単量体成分の水溶液を調製し
た。上記水溶液中では、単量体成分がN-ビニル−2-ピロ
リドンを100モル%含むものあり、単量体成分の濃度
が30重量%となっており、架橋剤を0.5モル%含む
ものとなっていた。
【0027】この水溶液に対し、窒素を吹き込み、水溶
液中の溶存酸素を除去した。ついで、2,2'−アゾビス
(2-アミジノプロパン)2塩酸塩0.23部を添加し、
50℃の湯浴に2時間、浸した。2時間後、透明なゲル
が得られた。
【0028】このゲルを細かく裁断し、80℃で3時間
真空乾燥した。乾燥後、白色の樹脂が得られ、このもの
を粉砕し、メッシュの大きさが 850μmおよび 150μm
の各ふるいでふるって、 850μmのふるいを通過し、 1
50μmのふるい上に残る粒径を有する本実施例1の吸液
性樹脂(1)を得た。
【0029】次に、上記吸液性樹脂(1)に対し、表1
に示す種々な試験溶液中での吸液倍率を下記の測定方法
にしたがってそれぞれ測定した。また、比較例1〜2と
して、市販の各吸液性樹脂について、同様に表1に示す
種々な溶液中での吸液倍率を下記の測定方法にしたがっ
てそれぞれ測定した。市販の各吸液性樹脂についても、
実施例1と同様に各ふるいでふるって、実施例1の吸液
性樹脂(1)と粒径を揃えた。
【0030】試験溶液として、表1の上段から下段に順
に示すように、純水、生理食塩水(0.9重量%食塩
水)、人工尿、人工海水(商品名:アクアマリンS、八
洲薬品株式会社製)、塩化ナトリウムの20重量%水溶
液、塩化カルシウムの20重量%水溶液、塩化マグネシ
ウムの20重量%水溶液、メタノール(MeOH)、エ
タノール(EtOH)、エチレングリコール(EG)、
炭酸プロピレンをそれぞれ用いた。
【0031】上記の人工尿の組成およびそれらの配合量
は、以下の通りである。 人工尿の組成 各組成の配合量 硫酸ナトリウム 0.200 % 塩化カリウム 0.200 % 塩化マグネシウム6水和物 0.050 % 塩化カルシウム2水和物 0.025 % リン酸2水素アンモニウム 0.035 % リン酸水素2アンモニウム 0.015 % 市販の吸液性樹脂としては、ポリアクリル酸系吸液性樹
脂(商品名:アクアリックCA、株式会社日本触媒製、
以下、比較吸液性樹脂(1)と称す)、および、特開平
4−230250号公報に記載に相当するものとしてN-
ビニルアセトアミド系吸液性樹脂(商品名:NA−01
0、昭和電工株式会社製、以下、比較吸液性樹脂(2)
と称す)を用いた。
【0032】吸液倍率の測定方法について、以下に説明
すると、まず、吸液性樹脂0.2gを5cm四方の不織
布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封
入した。このティーバッグを、試験溶液の中に24時間
浸した後、取り出して遠心分離器で1300rpm、3
分間液切りを行った後、上記ティーバッグの重量を測定
した。別途、吸液性樹脂を入れずに同様に液切りを行い
ブランクのティーバッグの重量を求めた。吸液倍率は次
式(A)により求めた。
【0033】 吸液倍率(g/g)=(遠心分離後の重量−ブランク−0.2)/0.2 …(A)
【0034】
【表1】
【0035】〔実施例2〕減圧蒸留により精製したN-ビ
ニル−2-ピロリドン100部、アクリル酸16部、37
重量%のアクリル酸ナトリウム水溶液172部、N,N'−
メチレンビスアクリルアミド1.4部、および水311
部を互いに混合し、単量体成分中にN-ビニル−2-ピロリ
ドンを50モル%含む単量体成分の濃度が30重量%、
架橋剤が0.5モル%となる、単量体成分の水溶液を調
製した。
【0036】この水溶液に対し、窒素を吹き込み、水溶
液中の溶存酸素を除去した。ついで、2,2'−アゾビス
(2-アミジノプロパン)2塩酸塩0.47部を添加し、
50℃の湯浴に2時間、浸した。2時間後、透明なゲル
が得られた。
【0037】このゲルを細かく裁断し、80℃で窒素雰
囲気下3時間乾燥した。乾燥後、白色の樹脂が得られ、
このものを粉砕し、実施例1と同様に各ふるいでふるっ
て、本実施例2の吸液性樹脂(2)を得た。上記吸液性
樹脂(2)の吸液性能を、試験溶液として純水、前記の
人工海水、20%CaCl2 水溶液についてそれぞれ測
定し、それらの結果を表2に合わせて示した。
【0038】
【表2】
【0039】〔実施例3〕まず、減圧蒸留により精製し
たN-ビニル−2-ピロリドン100部、アクリル酸6.9
部、37重量%のアクリル酸ナトリウム水溶液74部、
N,N'−メチレンビスアクリルアミド1.4部、および水
267部を互いに混合し、単量体成分中にN-ビニル−2-
ピロリドンを70モル%含む単量体成分の濃度が30重
量%、架橋剤が0.5モル%となる単量体成分の水溶液
を調製した。
【0040】この水溶液に対し、窒素を吹き込み、水溶
液中の溶存酸素を除去した。ついで、2,2'−アゾビス
(2-アミジノプロパン)2塩酸塩0.32部を添加し、
50℃の湯浴に2時間、浸した。2時間後、透明なゲル
が得られた。
【0041】このゲルを細かく裁断し、80℃で窒素雰
囲気下3時間乾燥した。乾燥後、白色の樹脂が得られ、
このものを粉砕し、実施例1と同様に各ふるいでふるっ
て、本実施例3の吸液性樹脂(3)を得た。上記吸液性
樹脂(3)の吸液性能を実施例2と同様にそれぞれ測定
し、それらの結果を表2に合わせて示した。
【0042】〔実施例4〕まず、減圧蒸留により精製し
たN-ビニル−2-ピロリドン100部、アクリル酸1.8
部、37重量%のアクリル酸ナトリウム水溶液19部、
N,N'−メチレンビスアクリルアミド0.76部、および
水242部を互いに混合し、単量体成分中にN-ビニル−
2-ピロリドンを90モル%含む単量体成分の濃度が30
重量%、架橋剤が0.5モル%となる単量体成分の水溶
液を調製した。
【0043】この水溶液に対し、窒素を吹き込み、水溶
液中の溶存酸素を除去した。ついで、2,2'−アゾビス
(2-アミジノプロパン)2塩酸塩0.24部を添加し、
50℃の湯浴に2時間、浸した。2時間後、透明なゲル
が得られた。
【0044】このゲルを細かく裁断し、80℃で窒素雰
囲気下3時間乾燥した。乾燥後、白色の樹脂が得られ、
このものを粉砕し、実施例1と同様に各ふるいでふるっ
て、本実施例4の吸液性樹脂(4)を得た。上記吸液性
樹脂(4)の吸液性能を実施例2と同様にそれぞれ測定
し、それらの結果を表2に合わせて示した。
【0045】〔実施例5〕実施例1において、単量体成
分の濃度を25重量%とした他は実施例1と同様にして
本実施例5の吸液性樹脂(5)を得た。上記吸液性樹脂
(5)の吸液性能を測定し、その結果を表3に示した。
【0046】〔実施例6〕実施例1において、単量体成
分の濃度を40重量%とした他は実施例1と同様にして
本実施例6の吸液性樹脂(6)を得た。上記吸液性樹脂
(6)の吸液性能を測定し、その結果を表3に合わせて
示した。
【0047】〔実施例7〕実施例1において、単量体成
分の濃度を50重量%とした他は実施例1と同様にして
本実施例7の吸液性樹脂(7)を得た。上記吸液性樹脂
(7)の吸液性能を測定し、その結果を表3に合わせて
示した。
【0048】〔比較例3〕減圧蒸留により精製したN-ビ
ニル−2-ピロリドン100部、アクリル酸38部、37
重量%のアクリル酸ナトリウム水溶液401部、N,N'−
メチレンビスアクリルアミド2.3部、および水415
部を互いに混合し、単量体成分中にN-ビニル−2-ピロリ
ドンを30モル%含む単量体成分の濃度が30重量%、
架橋剤が0.5モル%となる単量体成分の水溶液を調製
した。
【0049】この水溶液に対し、窒素を吹き込み、水溶
液中の溶存酸素を除去した。ついで、2,2'−アゾビス
(2-アミジノプロパン)2塩酸塩0.24部を添加し、
50℃の湯浴に2時間、浸した。2時間後、透明なゲル
が得られた。
【0050】このゲルを細かく裁断し、80℃で窒素雰
囲気下3時間乾燥した。乾燥後、白色の樹脂が得られ、
このものを粉砕し、実施例1と同様に各ふるいでふるっ
て、比較吸液性樹脂(3)を得た。得られた比較吸液性
樹脂(3)の吸液倍率を表2に示した。
【0051】〔比較例4〕特開平4−230250号公
報に記載の方法に基づき、本実施例に対応するように調
製した樹脂を、比較吸液性樹脂(4)として以下に説明
すると、まず、実施例1において、混合する水の量を調
整して単量体成分の濃度を21重量%とした他は実施例
1と同様にして比較吸液性樹脂(4)を得た。重合後の
ゲルは粘ちょうで糸を引くようなものであった。得られ
た比較吸液性樹脂(4)の吸液倍率を表3に示した。
【0052】
【表3】
【0053】前記の表1の結果から明らかなように、吸
液性樹脂(1)は、比較吸液性樹脂(1)と比べて、試
験溶液としての純水および人工尿においてのみ、比較吸
液性樹脂(1)より吸液性能が劣っていたが、他の試験
溶液、特に、高濃度の各塩溶液や、アルコール類や不凍
液に用いられるエチレングリコール、炭酸プロピレンな
どの有機溶媒については、極めて大きな吸液性能を有し
ており、それらの吸液による回収のためや、人体に有害
性を有する有機溶媒の吸引の防止のために好適に用いら
れることが判る。
【0054】また、吸液性樹脂(1)は、比較吸液性樹
脂(2)と比べて、例えば、塩化ナトリウムの20重量
%水溶液、塩化カルシウムの20重量%水溶液、塩化マ
グネシウムの20重量%水溶液に対するそれぞれの吸液
倍率の合計が、90以上というように、試験された各溶
液の全てに対して、優れた吸液性能をそれぞれ示してお
り、種々な試験溶液に対して、従来より好適に用いられ
るものであることが判る。
【0055】さらに、表2の結果から、高濃度の塩溶液
等に対しては、単量体成分においてN-ビニル−2-ピロリ
ドンを40モル%含むことが好ましいことが判る。その
上、表3の結果から、得られた吸液性樹脂において、優
れた吸液倍率を発揮するためには、水溶液中での単量体
成分の濃度が、25重量%以上であることが、特に好ま
しくは25〜50重量%であることが判る。
【0056】その上、本発明の吸液性樹脂は、各比較吸
液性樹脂(1)〜(4)と比べて、本願の吸液倍率の測
定方法のように、遠心分離器にて1300rpm、3分
間の液切りといった、大きな脱水圧力下においても、良
好な保液性能を有するものであり、通常の使用条件下に
おいては、一度、保液したものが外部に漏出することが
防止されている。よって、本発明の吸液性樹脂は、保液
したものが外部に漏出することによる弊害が回避された
ものとなっている。
【0057】ところで、特公昭46−16890号公報
には、架橋結合したポリビニルピロリドン生成物につい
ての記載が見られるが、吸液性について何ら考慮されて
おらず、上記ポリビニルピロリドン生成物は吸液性を有
していないものと考えられ、本願と無関係なものと思料
される。
【0058】また、特公昭51−16958号公報に
は、実質的にビニルピロリドンモノマー水溶液からなる
媒質に酵素を溶解させ、この混合物にイオン化放射線を
照射してゲル化して不溶性酵素を得る方法が開示されて
いる。ところが、上記公報では、吸液性について何ら考
慮されておらず、本願と無関係なものと思料される。
【0059】特公昭58−42201号公報には、わず
かに膨潤可能な不溶性のポリ−N−−ビニルピロリドン
の共重合体の製法が開示されている。しかしながら、上
記公報では、膨潤性について何ら考慮されておらず、よ
って、上記共重合体は、本願のような大きな吸液倍率を
示す吸液性を有していないものと考えられ、本願と無関
係なものと思料される。
【0060】特公平5−81263号公報には、主成分
としてのアクリル酸と、ビニルピロリドンとを含む単量
体成分を光化学重合させて、血液および漿液性体液のた
めの吸収体としてのポリマーゲルを得ることが開示され
ている。ところが、上記公報では、本願のような大きな
吸液倍率を発現する吸液性について何ら考慮されておら
ず、本願と無関係なものと思料される。
【0061】特公平7−64897号公報には、アクリ
ル酸塩とビニルピロリドンとを含む単量体成分を減圧下
重合する方法が開示されているが、ビニルピロリドンを
用いた実施例は記載されておらず、また、本願のような
大きな吸液倍率を発現する吸液性について何ら考慮され
ておらず、本願と無関係なものと思料される。
【0062】特公平4−71926号公報には、2-アク
リルアミド−2-メチルプロパンスルホン酸を必須とし、
ビニルピロリドンを含んでもよい単量体成分を重合して
なる体液用の吸収剤が開示されているが、本願のように
アルコール類も含む種々な溶液について、大きな吸液倍
率を示すものではなく、本願と無関係なものと思料され
る。
【0063】米国特許第 5,073,614号公報には、ビニル
ピロリドンを有機溶媒中にて沈澱重合してなる重合体が
開示されているが、上記重合体は、水をゲル化するもの
であって、上記水に対する保水性について何ら考慮され
ておらず、本願のようにアルコール類も含む種々な溶液
について、大きな吸液倍率を示すものではなく、本願と
無関係なものと思料される。
【0064】
【発明の効果】本発明の吸液性樹脂の製造方法は、以上
のように、N−ビニル−2−ピロリドン等の環状ビニル
ラクタムを少なくとも40モル%以上含有する単量体成
分を、該単量体濃度25重量%以上の水溶液中、架橋剤
および水溶性アゾ系重合開始剤の存在下に重合する方法
である。
【0065】それゆえ、上記方法は、環状ビニルラクタ
ムを少なくとも40モル%以上含有する単量体成分を用
いたことと共に、該単量体成分の濃度を水溶液中にて2
5重量%以上としたことにより、高濃度の塩を含む電解
質溶液中での吸液性に優れると共に、アルコール等の親
水性有機溶媒の吸液性に優れた吸液性樹脂を安定に得る
ことができるという効果を奏する。
【0066】本発明の吸液性樹脂は、塩化ナトリウムの
20重量%水溶液、塩化カルシウムの20重量%水溶
液、塩化マグネシウムの20重量%水溶液に対するそれ
ぞれの吸液倍率の合計が、90以上である構成である。
【0067】それゆえ、上記構成では、塩等を多く含む
電解質の溶液を吸液する吸液性が十分であるから、種々
の水溶性物質を含む電解質溶液を吸液して保持すること
が可能となる。よって、上記構成は、種々な電解質溶液
の保持を制御する必要がある、衛生材料、生理用品、コ
ンタクトレンズ、化粧品、塗料、接着剤、止水剤、土壌
改良剤等の用途、および、薬物徐放制御などの医療分野
などに好適に用いられるという効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状ビニルラクタムを少なくとも40モル
    %以上含有する単量体成分を、該単量体濃度25重量%
    以上の水溶液中、架橋剤および水溶性アゾ系重合開始剤
    の存在下に重合することを特徴とする吸液性樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】水溶液中の単量体濃度を、25〜50重量
    %に調製することを特徴とする請求項1記載の吸液性樹
    脂の製造方法。
  3. 【請求項3】環状ビニルラクタムがN−ビニル−2−ピ
    ロリドンであることを特徴とする請求項1または2記載
    の吸液性樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】塩化ナトリウムの20重量%水溶液、塩化
    カルシウムの20重量%水溶液、塩化マグネシウムの2
    0重量%水溶液に対するそれぞれの吸液倍率の合計が、
    90以上であることを特徴とする吸液性樹脂。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6489063B1 (en) 1997-12-23 2002-12-03 Centre National D'etudes Spatiales Additives for improving the reversibility of a carbon electrode of a lithium ion secondary electrochemical generator
WO2018008759A1 (ja) 2016-07-08 2018-01-11 株式会社日本触媒 N-ビニルラクタム系架橋重合体、化粧料、インク用吸収剤及び吸収性複合体
JP2018043516A (ja) * 2016-07-26 2018-03-22 株式会社日本触媒 インク用吸収剤

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