JP2018043516A - インク用吸収剤 - Google Patents

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結衣 池元
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Abstract

【課題】 従来のインク用吸収剤よりも、インクの吸液能力に優れたインク用吸収剤を提供する。【解決手段】 N−ビニルラクタム系架橋重合体を含むことを特徴とするインク用吸収剤。【選択図】なし

Description

本発明は、インク用吸収剤に関する。より詳しくは、筆記具、インクジェット式記録装置等に有用なインク用吸収剤に関する。
ボールペン等の筆記具や塗布具等には、過剰なインクの吸収や、保留するインクの密度を均一にするためにインク吸収体が用いられている。特許文献1には、先端部にボールペンチップを備えた筆記具本体と、前記筆記具本体とは別体に構成され、前記筆記具本体に対して着脱可能になされると共に、その装着時において前記ボールペンチップを覆うことができるキャップ部材より構成されたキャップ式筆記具であって、前記キャップ部材内には、筆記具本体への装着時において前記ボールペンチップに付着したインクボテによる余剰インクを吸収することができるインク吸収体が配置されていることを特徴とするキャップ式筆記具が開示されている。特許文献2には、塗布芯先端で媒体にインクを塗布する筆記具あるいは塗布具等に用いるインク保溜体において、インクタンクのインクを塗布芯からインク吸収体に導く構造のものであって、インク吸収体の毛細管力を塗布芯先端側よりもインクタンク側が強くなるようにしたことを特徴とするインク保溜体が開示されている。
また、インクジェットプリンタ等のインクジェット式記録装置に用いられるインクタンクにはインクジェット記録ヘッドに対するインク供給性を良好にするために、インクタンク内に貯留されるインクの圧力を調整するためのインク吸収体が用いられ、例えば特許文献3には、インクジェット用インクタンクに充填され注入されるインクを繊維間における毛細管力により保持するインク吸収体において、前記繊維のインク充填前における表面に、前記インク重量に対し0.002〜0.2重量%の範囲内で界面活性剤を付着したことを特徴とするインク吸収体が開示されている。
さらに、インクジェット式記録装置には、通常、廃インクを回収し、保持するタンクが備えられており、このような廃インク用のタンクの内部には、廃インクを吸収・保持する吸収体が備えられている。従来の廃インク吸収体として、例えば、特許文献4には、天然セルロース繊維を主体に形成させた乾式不織布ウエブまたはマットから成る基材層の少なくとも片面に、密度約0.01〜0.1g/cm、厚さ約0.2〜5mmの嵩高性に富んだバルキー性の合成繊維シート層を積層させたことを特徴とするインク吸収体が開示されている。
特許文献5には、ポリイソシアネート化合物、ヒドロキシ化合物、水及び/又は他の発泡剤、触媒、シリコン系整泡剤、特殊添加剤、必要に応じて他のイオン性界面活性剤等によりポリイソシアヌレートフォームを製造する方法が開示され、該フォームの用途として廃インク吸収材が開示されている。
特許文献6には、インクジェット式記録装置の廃インク収納機構に配置される廃インク吸収シートであって、基材に吸水性樹脂が担持されている廃インク吸収シートが開示されている。
特許文献7には、インクジェット式記録装置の廃インクタンク用の廃インク液吸収体であって、少なくとも水難溶性樹脂を含む含浸液を、少なくとも廃インク液との接触表面を含む部分に含むことを特徴とする、前記廃インク液吸収体が開示されている。
特開2005−219482号公報 特開2001−301379号公報 特開平9−183231号公報 特開2000−135797号公報 特開2000−239342号公報 特開2009−274302号公報 特開2006−272734号公報
上述のとおり、種々のインク吸収体やインク用吸収剤が開発されているものの、特許文献1〜6に記載のインク吸収体やインク用吸収剤は、吸収できるインクの量や種類の点で充分とはいえず、吸液能力が充分でなかった。また、特許文献7に記載の発明は、吸収体にエマルション等を含浸、もしくは表面塗布することにより、吸収体にインクを容易に(泡立つことなく)吸収させる発明であり、エマルション等はインクを保持するために用いられるものではなく、吸収体自体の吸液能は低いものであった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来のインク用吸収剤よりも、インクの吸液能力に優れたインク用吸収剤を提供することを目的とする。
本発明者は、インク用吸収剤について種々検討したところ、N−ビニルラクタム系架橋重合体が吸収できるインクの量及び種類の両面において優れた吸液能力を発揮し、インク用吸収剤として好適に用いることができることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、N−ビニルラクタム系架橋重合体を含むインク用吸収剤である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のインク用吸収剤に含まれるN−ビニルラクタム系架橋重合体(環状N−ビニルラクタム系架橋重合体)(以下、本発明の架橋重合体ともいう。)は、N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有する。
上記「N−ビニルラクタムに由来する構造単位」とは、N−ビニルラクタム(N−ビニルラクタム系単量体)が重合して形成される構造単位と同じ構造の構造単位を表す。すなわち、N−ビニルラクタムが重合して形成される構造単位と同じ構造を有すれば、N−ビニルラクタムを重合する方法以外の方法で形成された構造単位も、N−ビニルラクタムに由来する構造単位に含まれる。
本発明のインク用吸収剤は、本発明の架橋重合体が環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有することにより、インクを充分に吸収できるため、インクの残液を充分に抑制することができる。
従来のインク用吸収剤として例えば、ポリアクリル酸系吸液性樹脂やポリエチレンオキサイド架橋重合体は、有機溶剤を、水を過剰に含む水溶液としては吸液できるものの、水が蒸発し有機溶剤成分の濃度が上昇すると、吸液した液を保持しきれず、液の染み出し(はきだし)が生じる。これに対して、本発明のインク用吸収剤は、高濃度の有機溶剤を吸液することができ、吸液した有機溶剤を保持することができるため、液の染み出しを充分に抑制することができる。
上記「N−ビニルラクタム」とは、環状N−ビニルラクタム構造を有する単量体であれば特に制限されないが、下記式(1);
Figure 2018043516
(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。xは、0〜4の整数を表す。yは、1〜3の整数を表す。)で表される構造であることが好ましい。
上記R〜Rにおけるアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましく、より好ましくは1〜4である。上記アルキル基として更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記R〜Rにおける置換基としては、特に制限されないが、エチレン性不飽和炭化水素基;カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等の架橋剤と縮合反応可能な反応性官能基等が挙げられる。
上記式(1)におけるR〜Rの少なくとも1つが、置換基として上述の架橋剤と縮合反応可能な反応性官能基を有する炭素数1〜10のアルキル基であれば、後述する(2)、(3)により架橋構造を形成することができる。
〜Rとしては水素原子であることが好ましい。Rとしては水素原子又はメチル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子である。
xとしては、0〜2の整数であることが好ましく、より好ましくは0〜1の整数であり、最も好ましくは0である。
yとしては、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−(2−プロペニル)−2−ピロリドン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。N−ビニルラクタムとしては、ピロリドン環を有する不飽和単量体が好ましい。より好ましくはN−ビニルピロリドンである。
また、本発明の架橋重合体の架橋構造は、例えば下記(1)〜(5)により形成することができる。
(1)架橋性単量体を含む単量体成分を重合して架橋構造を有する重合体を製造する
(2)反応性官能基を有する単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体に、該反応性官能基と反応する官能基を複数有する架橋剤を反応させて架橋構造を形成する
(3)反応性官能基を有する単量体1と、該単量体1が有する反応性官能基と反応する反応性官能基を有する単量体2とを共に含む単量体成分を重合した後、該単量体1の反応性官能基と単量体2の反応性官能基とを反応させて架橋構造を形成(自己架橋)する
(4)重合体にラジカルを発生させ、ラジカルが発生した重合体間で架橋構造を形成(自己架橋)する
(5)重合体にラジカルを発生させ、ラジカルが発生した重合体と架橋性単量体を反応させて架橋構造を形成する
本発明の架橋重合体の架橋構造は上記(1)〜(5)のいずれによって形成されたものであってもよいが、上記(1)によって形成されたものであることが好ましい。
上記(1)、(5)における架橋性単量体については、後述のとおりである。
本発明の架橋重合体が、上記(2)又は(3)によって形成された架橋構造を有する場合、本発明の架橋重合体は、上記N−ビニルラクタム系単量体又は後述するその他の単量体(E)に由来する構造単位として、反応性官能基を有する単量体に由来する構造単位を有することになる。
上記(2)、(3)における反応性官能基としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基、オキサゾリン基等が挙げられる。
架橋構造が、上記(3)によって形成されたものである場合、互いに反応性を有する反応性官能基の組み合わせとしては、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)と水酸基、スルホン酸基(及びそのエステルや塩)と水酸基、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)とアミノ基、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)とオキサゾリン基、スルホン酸基(及びそのエステルや塩)とアミノ基、イソシアネート基と水酸基、イソシアネート基とアミノ基、オキサゾリン基と水酸基、オキサゾリン基とメルカプト基等が挙げられる。本発明の架橋重合体の架橋構造が上記(2)によって形成されたものである場合の、単量体が有する反応性官能基と、架橋剤が有する該反応性官能基と反応する官能基の組み合わせの例もこれと同様である。
上記(2)における架橋剤としては、上記反応性官能基と反応することができる官能基を複数有するものであれば特に制限されないが、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、オキサゾリン基含有ポリマー(株式会社日本触媒製 エポクロス)、ブタンジオール、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
本発明のインク用吸収剤に含まれる架橋重合体が上記(1)又は(5)により架橋構造が形成される場合の架橋性単量体は、1分子あたりに少なくとも2個の重合性のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物であり、好ましくは1分子あたりに少なくとも2個のラジカル重合性のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物である。
なお、ラクタム構造及び少なくとも2個のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物は、N−ビニルラクタム系単量体にも、架橋性単量体にも含まれるものとする。
上記架橋性単量体としては、具体的には、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の炭素数1〜4のアルキレン基を有するN,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミド;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜4のアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜4のアルキレン基を有するアルキレンオキサイドで変性されていてもよいトリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート;グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート等のグリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等のジペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ)(メタ)アクリレ−ト;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アリルエーテル等のペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル;トリアリルシアヌレート(シアヌル酸トリアリル)、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン等の炭素数9〜20のトリアリル化合物;炭酸ジアリル、1,3−ビス(アリルオキシ)−2−プロパノール等の炭素数6〜20のジアリル化合物;(ジ、トリ)ビニルエーテル、ジビニルケトン、(ジ、トリ)ビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン等の炭素数4〜20の(ジ、トリ)ビニル化合物;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の炭素数2〜20のジイソシアネート;ポリ(メタ)アリロキシアルカン、N,N’−ジビニル−2−イミダゾリジノン、N,N’−1,4−ブチレンビス(N−ジビニルアセトアミド)、(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ)アリルスクロース等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記架橋性単量体の中でも、残存するN−ビニルラクタム及び可溶分(架橋されない重合体分であって水への溶解分)が低下する傾向にあることから、アリル基を2個以上有する化合物を使用することが好ましい。具体的には、シアヌル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、炭酸ジアリル、1,3−ビス(アリルオキシ)−2−プロパノール、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル、(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ)アリルスクロース等が好ましく、シアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル、(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ)アリルスクロースがより好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、好ましくは1分子あたり2以上、50以下、より好ましくは2以上、20以下、さらに好ましくは2以上、10以下のオキシアルキレン基を有する。上記(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが有するオキシアルキレン基100モル%に対し、オキシエチレン基が50〜100モル%であることが好ましく、80〜100モル%であることがより好ましい。
上記トリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレートが炭素数1〜4のアルキレン基を有するアルキレンオキサイドで変性されたものである場合の、トリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート1分子あたりのアルキレンオキサイドの平均付加数も同様であることが好ましい。
上記架橋性単量体に由来する構造単位とは、上記架橋性単量体が有する重合性の炭素炭素二重結合基の少なくとも1以上が単結合になった構造単位と同じ構造の構造単位である。すなわち、上記架橋性単量体が有する重合性の炭素炭素二重結合基の少なくとも1以上が単結合になった構造単位と同じ構造であれば、例えば架橋性単量体以外の単量体を重合した後に、後架橋により形成された構造単位も架橋性単量体に由来する構造単位に含まれる。
本発明のインク用吸収剤に含まれる架橋重合体は、N−ビニルラクタム系単量体及び架橋性単量体以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。その他の単量体(E)は、N−ビニルラクタム系単量体と共重合でき、ラクタム構造を有さず、エチレン性不飽和炭化水素基を1つ有する化合物であれば、特に制限されないが、例えば、(i)アクリル酸、メタアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩;(ii)フマル酸、マレイン酸、メチレングルタル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩(一塩であっても二塩であっても良い);(iii)3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸及びこれらの塩;(iv)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコール及びこれらの水酸基にアルキレンオキシドを付加したアルキレンオキシド付加物;(v)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(vi)(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換若しくは無置換の(メタ)アクリルアミド;(vii)スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;(viii)エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、オクテン等のアルケン類;(ix)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;(x)N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールおよびこれらの塩またはこれらの4級化物等の不飽和アミン;(xi)ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルオキサゾリドン等のビニルアミド類;(xii)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和無水物類;(xiii)ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;(xiv)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体;(xv)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類等が挙げられる。
これらの中でも、上記(i)〜(x)の単量体が好ましく、より好ましくは、上記(i)(v)(vi)(vii)(ix)(x)の単量体である。
これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記(i)〜(iii)、(x)における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が例示される。上記(iv)におけるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が例示され、炭素数1〜20のアルキレンオキシドが好ましく、炭素数1〜4のアルキレンオキシドがより好ましい。上記(iv)におけるアルキレンオキシドの付加モル数としては、上記(iv)の化合物1モルあたり0〜50モルが好ましく、0〜20モルがより好ましい。
上記その他の単量体(E)としては、炭素数2〜20の単量体が好ましい。より好ましくは、炭素数2〜15の単量体であり、更に好ましくは、炭素数2〜10の単量体である。なお、その他の単量体(E)がアルキレンオキシド付加物である場合は、アルキレンオキシド構造部位以外の構造部位の炭素数がこれらの値であることが好ましい。
上記N−ビニルラクタム系架橋重合体は、環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位の割合が全構造単位(N−ビニルラクタムに由来する構造単位とその他の単量体(E)に由来する構造単位)100モル%に対して、30〜100モル%であることが好ましい。より好ましくは50〜100モル%であり、更に好ましくは70〜100モル%であり、一層好ましくは80〜100モル%であり、特に好ましくは90〜100モル%であり、最も好ましくは100モル%である。
ただし、全構造単位に架橋性単量体に由来する構造は含まれない。
上記N−ビニルラクタム系架橋重合体は、その他の単量体(E)に由来する構造単位の割合が全構造単位100モル%に対して、0〜70モル%であることが好ましい。より好ましくは0〜50モル%であり、更に好ましくは0〜30モル%であり、一層好ましくは0〜20モル%であり、特に好ましくは0〜10モル%であり、最も好ましくは0モル%である。
上記N−ビニルラクタム系架橋重合体は、架橋性単量体及び/又は架橋剤に由来する構造単位を、全構造単位100モル%に対し、0.01〜2モル%有することが好ましく、0.01〜1モル%有することがより好ましく、0.05〜1モル%有することが更に好ましく、0.1〜1モル%有することが最も好ましい。
架橋性単量体及び/又は架橋剤の使用量を調整することで、本発明の架橋重合体の、インクを吸収、保持する能力を調整することができる。また、架橋性単量体及び/又は架橋剤に由来する構造単位が0.01モル%以上であれば、架橋重合体を製造する際の解砕がしやすくなる。
本発明の架橋重合体の平均粒子径は、特に制限はないが、好ましくは0.1μm以上、2000μm以下である。より好ましくは、0.1μm以上、1000μm以下であり、更に好ましくは、1μm以上、1000μm以下であり、一層好ましくは3μm以上、1000μm以下であり、より一層好ましくは5μm以上、1000μm以下であり、特に好ましくは、10μm以上、1000μm以下であり、最も好ましくは50μm以上、850μm以下である。平均粒子径が上記好ましい範囲であることにより、本発明の水等の吸液能力が向上する傾向にあり、また、吸液速度も好適な範囲となる。また、平均粒子径が0.1μm以上であれば、水等を吸液した場合にママコ状態になることを充分に抑制することができる。さらに、インク吸収シートに加工した際に、シート基剤からの粉体の抜け落ちを充分に抑制することができる。
架橋重合体の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の架橋重合体は、インクの吸液能力に優れるものであり、例えば、顔料インクBK(キヤノン株式会社製、BCI−350(PGBK))を用いて吸液能力を測定した場合に、吸液能力が5倍以上であることが好ましい。より好ましくは10倍以上であり、更に好ましくは15倍以上であり、さらにより好ましくは20倍以上である。
本発明の架橋重合体はまた、有機溶剤の吸液能力にも優れ、例えば、エチレングリコールの吸液能力が5倍以上であることが好ましい。より好ましくは10倍以上であり、更に好ましくは15倍以上である。
なお、架橋重合体のインク及び有機溶剤の吸液能力は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の架橋重合体が脱イオン水(導電率10μS/cm以下)を自重の15倍吸液(吸液倍率15倍)するのにかかる時間は、特に制限されるものではないが、0.1〜1500分であることが好ましい。より好ましくは、0.3〜600分、更により好ましくは、0.5〜300分、最も好ましくは1〜60分である。なお、脱イオン水の吸液速度の測定方法は、実施例に記載の通りである。
また、本発明の架橋重合体がプロピレングリコールを自重の4倍吸液(吸液倍率4倍)するのにかかる時間は、特に制限されるものではないが、0.1〜1500分であることが好ましい。より好ましくは、0.3〜600分、更により好ましくは、0.5〜300分、最も好ましくは1〜60分である。なお、プロピレングリコールの吸液速度の測定方法は、実施例に記載の通りである。
<環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の製造方法>
本発明のインク用吸収剤に含まれる環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。また、全単量体(環状N−ビニルラクタム及びその他の単量体(E))成分100モル%に対する環状N−ビニルラクタム、その他の単量体(E)及び架橋性単量体の含有割合は、上述の全構造単位100モル%に対する環状N−ビニルラクタム、その他の単量体(E)及び架橋性単量体由来の構造単位の割合と同様である。
上記重合工程において使用する環状N−ビニルラクタム単量体の純度は90%以上であることが好ましい。より好ましくは95%以上、更により好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。
上記重合は、溶剤の不存在下で行ってもよいし、溶剤を使用してもよい。重合は、従来公知の種々の方法、例えば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、乳化重合法、逆相乳化重合法、沈殿重合法或いは注型重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等を採用することができる。尚、重合反応を行なう際の攪拌方法は、特に限定されるものではないが、ゲル状の架橋重合体が生成する場合には、双腕型ニーダーを攪拌装置として用い、該双腕型ニーダーの剪断力によって細分化しながら攪拌することがより好ましい。また、上記重合の工程は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記重合工程において、N−ビニルラクタムを含む単量体成分の重合を開始する方法としては、重合開始剤を添加する方法、UVを照射する方法、熱を加える方法、光開始剤存在下に光を照射する方法等を採用することができる。
上記重合工程において、溶剤を使用する場合、溶剤としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、ジエチレングリコール等のアルコール類等から選ばれる1種または2種以上が例示される。
上記重合工程において、重合を行なう際には、重合開始剤を用いることが好ましい。上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド等の過酸化物;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、スルホキシル酸ナトリウムとt−ブチルヒドロパーオキシド、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が最も好ましい。中でも、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩水和物、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)がより好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体の使用量(環状Nビニルラクタムと上述したその他の単量体(E)と架橋性単量体との合計の使用量)1モルに対して、0.1g以上、10g以下であることが好ましく、0.1g以上、7g以下であることがより好ましく、0.1g以上、5g以下であることがさらに好ましい。
開始剤の使用量を0.1g以上とすることで、得られる架橋重合体に含まれる未反応の単量体の割合を充分に少なくすることができる。また、開始剤の使用量を10g以下とすることで、得られる架橋重合体に含まれる不純物量の割合を充分に少なくすることができる。また、開始剤の使用量をこのような割合とすることで、得られる架橋重合体の着色も抑制することができる。
上記重合工程において、逆相懸濁重合法を採用する場合に好適な分散剤としては、具体的には、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、エチルセルロースやセルロースアセテート等のセルロースエステル、セルロースエーテル、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等のカルボキシル基含有重合体等が挙げられる。これら分散剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。尚、逆相懸濁重合法を採用する場合に供される疎水性有機溶媒は、特に限定されるものではない。
上記重合工程において、重合時の雰囲気は、特に限定されるものではないが、不活性気体(窒素、アルゴン等)雰囲気下で重合するのが好ましい。不活性気体雰囲気下で重合することで、得られる架橋重合体の粉砕効率を向上し、また、得られる架橋重合体に含まれる未反応の単量体の割合を少なくでき、有機酸を架橋重合体に添加する場合における有機酸と架橋重合体との反応時間を短くできる等の効果が期待できる。
上記重合工程において、重合温度は、特に限定されるものではないが、比較的低温の方が架橋重合体の分子量が大きくなるので好ましく、20℃〜100℃の範囲内が、重合率が向上するのでさらに好ましい。尚、反応時間は、上記重合反応が完結するように、反応温度や、単量体成分、重合開始剤、および溶媒等の種類(性質)や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよい。
上記重合工程を行う反応容器の材質は、重合工程を行うことができるものである限り特に制限されないが、ステンレス等の材質の反応容器を用いることが好ましい。これらの熱が伝わりやすい材質の反応容器を用いて重合反応を行うことで重合反応を充分に進行させ、得られる架橋重合体中に含まれる未反応の単量体(ラクタム構造を有する不飽和単量体等)の含有量を少なくすることができる。
また、ポリプロピレン等の鉄を溶出させない材質の反応容器を用いることも好ましく、これらの材質の反応容器を用いることで、得られる架橋重合体中に含まれる鉄分の含有量を少なくすることができる。
本発明のインク用吸収剤に含まれる架橋重合体は、上記重合工程に加え、任意の工程を含んで製造してもよい。例えば、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、造粒工程、後架橋工程等を含んでいてもよい。
上記架橋重合体は、乾燥工程を含んで製造することが好ましい。
特に、上記架橋重合体が、溶剤を用いた重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち溶剤を含むゲル状架橋重合体である場合、該ゲル状架橋重合体を、乾燥する工程を設けることが好ましい。なお、本発明において、乾燥とは固形分の上昇操作をいい、通常、架橋重合体全体の重量に対する固形分の割合が乾燥前と比較して上昇すればよいが、好ましくは架橋重合体全体の重量100質量%に対して固形分が95質量%以上、より好ましくは96質量%以上程度まで上昇させることである。なお、固形分の上限は99質量%程度であることが好ましい。乾燥は重合と同時に行ってもよく、重合時の乾燥と重合後の乾燥とを併用してもよいが、より好ましくは、重合後に乾燥装置を用いて乾燥する乾燥工程が設けられる。なお、ここで、架橋重合体の固形分は、下記の方法により測定される値をいう。
底面の直径が約5cmの秤量缶(質量W1(g))に、約1gの架橋重合体を量り取り(質量W2(g))、150℃の定温乾燥機中において1時間静置し、乾燥させる。乾燥後の秤量缶+架橋重合体の質量(W3(g))を測定し、以下の式より固形分を求める。
固形分(質量%)=((W3(g)−W1(g))/W2(g))×100
上記乾燥工程は、好ましくは乾燥工程の時間全体の50%以上の時間、より好ましくは実質すべての乾燥工程をとおして80℃〜250℃の範囲で行われる。上記範囲であることにより、架橋重合体の諸物性がより向上する傾向にある。
なお、乾燥温度は熱媒温度で規定するが、マイクロ波等熱媒温度で規定できない場合は材料温度で規定する。乾燥方法としては、乾燥温度が上記範囲内であれば特に限定されるものではなく、熱風乾燥、無風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥等を好適に用いることができる。中でも、熱風乾燥を用いることがより好ましい。熱風乾燥を用いる場合の乾燥風量は、好ましくは0.01〜10m/sec、より好ましくは0.1〜5m/secの範囲である。乾燥温度の範囲はより好ましくは110℃〜220℃、さらに好ましくは120℃〜200℃の温度範囲である。また、乾燥は、一定温度で乾燥してもよく、温度を変化させて乾燥してもよいが、実質、すべての乾燥工程は上記の温度範囲内でなされることが好ましい。
上記粉砕工程は、粉砕機を使用して行うことが好ましい。本発明の製造方法が乾燥工程を含む場合、粉砕は乾燥前、中、後のいずれに行っても良いが、好ましくは乾燥後である。上記粉砕機は特に限定されるものではないが、例えばロールミルのようなロール式粉砕機、ハンマーミルのようなハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、カッターミル、ターボグラインダー、ボールミル、ピンミル、フラッシュミル、ジェットミル等が用いられる。この中でも、粒度分布を制御するためにはハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ピンミル、ジェットミルを用いることがより好ましい。粒度分布を制御するため連続して2回以上粉砕することがより好ましく、連続して3回以上粉砕することがさらに好ましい。
また、2回以上粉砕する場合には、それぞれの粉砕機は同じであっても異なっていてもよい。異なる種類の粉砕機を組み合わせて使うことも可能である。
また、架橋重合体を平均粒子径100μm以下に粉砕する場合は、ジェットミルを用いることが好ましい。
例えば本発明の架橋重合体を特定の粒度分布に制御するために、分級工程や造粒工程を設けてもよい。上記分級は、特定の目開きの篩を使用してもよい。篩で分級するために用いる分級機は特に限定されるものではないが、たとえば振動篩(アンバランスウェイト駆動式、共振式、振動モータ式、電磁式、円型振動式等)、面内運動篩(水平運動式、水平円−直線運動式、3次元円運動式等)、可動網式篩、強制攪拌式篩、網面振動式篩、風力篩、音波篩等が用いられ、好ましくは振動篩、面内運動篩が用いられる。
上記架橋重合体が上記(2)〜(5)によって形成された架橋構造を有するものである場合、該架橋重合体の製造方法では、単量体成分を重合させる重合工程を行った後に当該架橋構造を形成するための後架橋工程を行うことになる。
上記後架橋工程において後架橋させる(重合後に架橋させる)方法としては、例えば、(i)重合工程で得られた重合体にUV、γ線、電子線を照射する方法、(ii)重合工程で得られた重合体に縮合剤のような反応促進剤を加えて自己架橋させる方法、(iii)重合工程で得られた重合体に熱を加えて自己架橋させる方法、(iv)重合工程で得られた重合体にラジカル発生剤を含有させた後、熱を加えて自己架橋させる方法、(v)重合工程で得られた重合体にラジカル重合性架橋剤(架橋性単量体)およびラジカル重合開始剤を含有させた後、加熱および/または光照射する方法等が挙げられる。
なお、後架橋工程に供される重合体としては、単量体成分から製造したものを用いてもよく、市販の重合体を用いてもよい。
本発明の架橋重合体が上記(2)によって形成された架橋構造を有するものである場合、架橋剤の使用量は、重合体が有する反応性官能基(架橋剤と反応する反応性官能基)100モル%に対して、架橋剤が有する官能基が30〜100モル%となる量であることが好ましい。より好ましくは、50〜100モル%である。このような割合で架橋剤を使用することで充分な架橋構造を形成することができるとともに、得られる架橋重合体中に残存する未反応の架橋剤の量も少なくすることができる。
上記(ii)の方法において用いる反応促進剤としては、硫酸、リン酸等の酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記(iv)の方法において用いるラジカル発生剤としては、上述した重合工程において用いる重合開始剤と同様のものを用いることができる。重合開始剤のうち、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、オクタノイルパーオキサイド、サクシニックパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸等の過酸化物が好ましい。
本発明の架橋重合体が上記(5)によって形成された架橋構造を有するものである場合、後架橋の際に使用する架橋性単量体の使用量は、後架橋工程前の重合体100質量%に対して、0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、1〜30質量%である。このような割合で架橋性単量体を使用することにより、充分な架橋構造を形成することにより、顔料がインクに含まれる場合の顔料をより充分に吸収することができるとともに、得られる架橋重合体中に残存する未反応の架橋性単量体の量も少なくすることができる。
上記架橋重合体の製造において、重合反応後、得られた架橋重合体に有機酸を添加する工程を含むことが好ましい。得られた架橋重合体に有機酸を添加することにより、架橋重合体中の残存N−ビニルラクタム系単量体の量を低減することができる。
上記有機酸としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、硫酸基、リン酸基等の酸基を有する有機化合物が挙げられる。このような有機酸としては、例えば、マロン酸、しゅう酸、コハク酸、アスパラギン酸、クエン酸、グルタミン酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、グリコール酸、サリチル酸、乳酸、L−アスコルビン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ラウリルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンホスホン酸、ラウリル硫酸等が挙げられる。
上記有機酸の使用量は、特に制限されないが、反応工程で仕込んだN−ビニルラクタム系単量体100質量%に対して0.01〜5質量%であることが好ましい。有機酸の使用量が上記範囲であれば、得られる重合体中の残存N−ビニルラクタム系単量体の量を低減しつつ、有機酸(塩)の量も低減することができる。有機酸の使用量としてより好ましくは0.05〜3質量%であり、更に好ましくは0.1〜1質量%である。
なお上記有機酸(塩)は、上記有機酸及び有機酸の塩を表し、有機酸の塩は、主に後述する中和工程において添加する塩基と有機酸との中和物である。
上記有機酸を架橋重合体に添加する場合における有機酸と架橋重合体との反応時間としては、特に制限されないが、10分〜3時間であることが好ましい。より好ましくは30分〜2時間である。
上記架橋重合体の製造方法は、重合反応後に、架橋重合体を熟成する工程を含むことが好ましい。上記熟成工程における温度は特に制限されないが、70〜150℃であることが好ましい。熟成温度が上記範囲であれば、残存N−ビニルラクタム系単量体の分解を促進することができる。より好ましくは80〜100℃である。
上記熟成工程における熟成時間は特に制限されないが、10分〜5時間であることが好ましい。より好ましくは30分〜3時間である。
上記架橋重合体の製造方法が有機酸を添加する工程を含む場合、上記熟成工程は、有機酸を添加する工程の前に行うことが好ましい。
上記熟成工程は、架橋重合体を解砕しながら行うことが好ましい。上記有機酸を添加する工程を含む場合、解砕することにより、有機酸が架橋重合体により充分に浸透することから、得られる重合体中の残存N−ビニルラクタム系単量体の量をより充分に低減することができる。上記重合体の解砕は、通常用いられる方法により行うことができ、例えば、ニーダー、ミートチョッパー等のスクリュー押し出し機、カッターミル等のゲル粉砕機等を用いて解砕する方法が挙げられる。
上記架橋重合体の製造方法は、有機酸を添加する場合、上記有機酸の添加工程の後に中和工程を含むことが好ましい。中和の方法は特に制限されないが、有機酸を重合体に反応させた後に、塩基を添加することが好ましい。上記塩基としては特に制限されないが、例えば、アンモニア;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族アミン;アニリン等の芳香族アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもアンモニア、脂肪族アミン、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、より好ましくはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
本発明はまた、本発明のインク用吸収剤を用いて構成される吸収材でもある。
上記吸収材の形態は、シート、棒状(円筒や四角柱)、球状、角錐状、円錐状、フレーク状、塊状等、使用上不適合なものでなければ特に限定されないが、シートや棒状のものが好ましい。
本発明のインク用吸収剤をインクジェット式記録装置等に用いる場合、インク用吸収剤を用いて吸収材を構成することにより、インク用吸収剤の粉体が記録装置内部に漏れ出ることを充分に抑制することができ、例えばインクジェットノズルが詰まる等の不具合が生じることを充分に抑制することができる。
上記吸収材は、基材とインク用吸収剤とを備えるものであることが好ましく、基材にインク用吸収剤が担持されていることがより好ましい。
上記吸収材が備える基材は、特に制限されず、通常用いられる材料を使用することができる。本発明のインク用吸収剤は、インクの保持力に優れるため、基材自体のインクの保持力によらず、吸収材はインクの保持力に優れ、吸収材を傾けた場合にも、液漏れを充分に抑制することができる。
上記基材としては、例えば、紙、布、木材、エラストマー、樹脂フォーム、多孔性基剤等が挙げられる。
上記紙は、JIS P 0001で定義される紙であり、布は、JIS L 0206で定義されるシート状繊維製品の総称である。
上記布としては、例えば、織物、編物、組み物、レース、網、不織布等が挙げられ、好ましくは、織物、編物、不織布であり、より好ましくは不織布である。
上記基材を構成する繊維素材としては、特に制限されないが、ポリエステル等の疎水性の繊維やセルロース等の親水性の繊維が挙げられる。繊維素材の中でも、親水性の繊維が好ましく、セルロース系の基材がより好ましい。上記セルロースとしては、綿、麻等の天然繊維;レーヨン、ポリノジック、リヨセル、キュプラ等の再生繊維が挙げられる。
上記樹脂フォーム、多孔性基剤は、特に制限されないが、例えば発砲ポリウレタン、発砲ポリスチレン、無機多孔質体が挙げられる。
上記吸収剤は、本発明のインク用吸収剤以外のその他のインク用吸収剤を含んでいてもよい。その他のインク用吸収剤としてはインクを吸収できるものであれば特に制限されないが、例えば、酸基を含む高吸水性樹脂、無機系の吸水性粉体(例えばゼオライト、各種粘土等を粉体化したもの)、有機染料や有機顔料と類似構造(例えばフタロシアニン骨格やポルフィリン骨格等)を有する粉体等が挙げられ、これらのインク用吸収剤の少なくとも1種以上と本発明のインク用吸収剤との混合物を、基剤に担持させてもよい。
本発明のインク用吸収剤を基材に担持させる方法は、特に制限されないが、インク用吸収剤を含む樹脂溶液に基材を浸漬させる方法、接合材を用いて基材に担持させる方法、基材とインク用吸収剤とを混合する方法、インク用吸収剤を基材に加熱融着又は圧着させる方法、インク用吸収剤を基材で包み密封する方法(例えば、包装体を形成する方法)等が挙げられる。なお、上記包装体とは、粉体(インク用吸収剤)が漏洩しないように基材で包装された形態をいう。
上記インク用吸収剤を含む樹脂溶液に基材を浸漬させる方法における樹脂溶液は、インク用吸収剤以外の他の成分を含んでいてもよく、他の成分としては例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のモノマーを重合させた重合体、メタノール等の溶剤等が挙げられる。
上記接合材を用いて基材に担持させる方法における接合材の成分としては特に制限されないが、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴム;n−ペンタンやアセトン、トルエン等の有機溶剤;LPGやジメチルエーテル等のガス;ポリビニルピロリドン等の接着性樹脂(バインダー)等が挙げられる。
接合材を用いて基材に担持させる方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、接合剤およびインク用吸収剤を有機溶剤や水等の分散媒に分散してなる分散液を基材表面に、噴霧(スプレー)する方法;上記分散液を刷毛塗り、またはローラを用いて塗布する方法;基材に上記分散液を含浸させる方法;等を採用すればよい。或いは、接合剤を含む溶液または分散液を基材表面に噴霧または塗布した後、該表面にインク用吸収剤を均一に撒布し、さらにこの上に該溶液または分散液を噴霧または塗布する方法;等を採用することもできる。基材に塗布された該分散液等は、必要に応じて乾燥させればよい。これにより、基材表面(外面及び/又は内面)に接合剤を介してインク用吸収剤が付着される。つまり、インク用吸収剤の層が形成される。尚、基材表面に、インク用吸収剤を含む樹脂層を形成する場合には、上記方法においてインク用吸収剤を分散する工程や、インク用吸収剤を撒布する工程を省略すればよい。
上記基材とインク用吸収剤とを混合する方法としては、特に制限されないが、例えば、木材粉砕パルプとインク用吸収剤とを混合し抄造する方法やクロロプレンゴム等のエラストマーとインク用吸収剤とを含む混合物を混錬した後延ばす方法、インク用吸収剤を接着性樹脂等で固める方法、不織布を作る工程内でインク用吸収剤を分散する方法等が挙げられる。
上記インク用吸収剤を基材に加熱融着させる方法としては、特に制限されないが、例えば、基材と基材の間にポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂又は接着剤とインク用吸収剤とをはさみ、熱ロール等により加熱融着又は圧着する方法等が挙げられる。
上記インク用吸収剤を基材で包み密封する方法としては、特に制限されないが、小さい区画で区切る方が、吸収材を傾けた際にインク用吸収剤の偏りが生じないためにも好ましい。
上記吸収材は、基材100質量%に対する本発明のインク用吸収剤の割合が、10〜20000質量%であることが好ましい。より好ましくは20〜10000質量%であり、更に好ましくは30〜500質量%である。
上記吸収材は、シート状や包装体であることが好ましい。
本発明における「シート」は、一般にシートであると認識される平面的な広がりをもった形状を意味するが、該形状の最も広い面の面積をa、その面に対する垂直方向の長さ(該形状の厚み)をbとしたときの〔a(1/2)〕/bが5以上であるような形状であることが好ましい。なお、上記形状の厚みが一定でない場合には、厚みの最大値をbとする。
シート状の基材にインク用吸収剤が担持されている場合、基材及びインク用吸収剤とインクとが接触する面積が大きいため、基材が瞬時にインクを吸収し、基材が吸収したインクをインク用吸収剤が強力に受け取り保持することになり、シート全体としてインクの吸液速度がより向上し、また、インクをシート全体により充分に拡散させることができる。
上記包装体状の吸収材は、粉体(インク用吸収剤)が漏洩しないように平面的、もしくは立体的な袋状の基材で包装された形態をいう。基材や包装方法は、インク用吸収剤の重量の8割以上が漏洩しない素材や形態であれば特に制限されない。包装するインク用吸収剤量は、インク用吸収剤がインクを吸収した状態の体積が包装体容積以下となる量であることが好ましい。
上記包装体状の吸収材に用いられる基材としては、上述のものが挙げられ、中でも繊維素材が好ましい。また、上記繊維素材の網目の大きさ(目開き寸法)としては、本発明のインク用吸収剤の実施例記載の平均粒子径測定でのR=80%に相当する粒子径以下の大きさであることが好ましい。繊維素材の網目の大きさがこのような大きさであれば、インク用吸収剤の漏洩を充分に抑制することができる。
上記吸収シートはまた、基材とインク用吸収剤とを備える吸収層が1層であっても、該吸収層が2層以上積層されていてもよい。
更に、例えばインク用吸収剤を担持したシートと担持していないシートを交互に積層した構成のものや、インク用吸収剤の担持量が少ないものを上部に配置し、下部に行くにしたがって担持量を徐々に増やしたシートを何層にも配置する構成でも構わない。
また、材質の異なる不織布(PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、セルロース、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル等)にインク用吸収剤を固定化し、2種類若しくはそれ以上の不織布を多層に積層したものでも構わない。
上記吸収シートは、厚みが0.01〜50mmであることが好ましい。より好ましくは0.01〜30mmであり、更に好ましくは0.01〜20mmであり、特に好ましくは0.05〜10mmであり、最も好ましくは0.1〜5mmである。
上記吸収シートは、単位面積当たりの重量が0.1〜3000g/mであることが好ましい。より好ましくは0.5〜2500g/mであり、更に好ましくは1〜1500g/mである。
本発明はまた、本発明のインク用吸収剤がインクを吸収しているインク含有組成物でもある。
上記インクの成分としては特に制限されないが、水、水溶性有機溶剤、染料、顔料、その他の添加剤等が挙げられる。
上記水溶性有機溶剤としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及び、tert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類;2−オキサゾリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;1,1,3,3−テトラメチル尿素;ジメチルスルホキシド;及び、スルホラン等が挙げられる。
水溶性有機溶剤として好ましくは、グリセリン、グリコール類である。
上記染料としては、ブラックアゾ化合物、銅フタロシアニン化合物、マゼンタ染料等が挙げられる。
上記顔料としては、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料や、アゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料等が挙げられる。上記顔料の粒子径は特に制限されないが、0.01〜0.50μmであることが好ましい、より好ましくは、0.02〜0.20μmである。
上記顔料をインク用吸収剤に吸収させる方法は、特に制限されないが、顔料を水等に分散させた分散液を吸液させることにより行うことができる。
その他の添加剤としては、保湿剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐・防カビ剤等が挙げられる。
上記インク含有組成物は、水溶性有機溶剤を含む場合、水溶性有機溶剤の割合が、インク用吸収剤100質量%に対して、100〜2000質量%であることが好ましい。より好ましくは200〜1000質量%である。
上記インク含有組成物は、顔料を含む場合、顔料の割合が、インク用吸収剤100質量%に対して、1〜200質量%であることが好ましい。
上記インク含有組成物は、染料を含む場合、染料の割合が、インク用吸収剤100質量%に対して、1〜200質量%であることが好ましい。
本発明のインク用吸収剤は、上述の構成よりなり、インクの吸液能力に優れるため、インクジェット式記録装置、筆記具等に好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<架橋重合体の平均粒子径の測定>
篩を上から目開きの大きい順に組み合わせ、最上の篩に架橋重合体を入れ、ミクロ形電磁振動ふるい器(筒井理化学器械株式会社製、M−2型)にて60Hzで10分間振とうした。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。各篩に残留した混合物の質量を測定してから、各篩の目開きのサイズと該篩を通過できなかった粒子(該篩上に残留した粒子と、より大きな目開きの篩に残留した粒子を合わせたものの全体に対する質量比(残留百分率)Rを片対数グラフ(横軸:粒子径(対数目盛)、縦軸:残留百分率)にプロットし、R=50%に相当する粒子径を求めて平均粒子径とした。
<製造例1>
N−ビニルピロリドン(株式会社日本触媒製、以下、VPとも称する)130.0部、架橋剤としてシアヌル酸トリアリル(以下、CTAとも称する)0.52部(VPに対し0.18モル%)、脱イオン水304.6部を卓上型ニーダー(株式会社中央理化製 PNV−1H型)に仕込んだ。次いで、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、窒素導入を30ml/分にし、56℃まで昇温した。液温を56℃に安定させた後、開始剤として2、2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(以下、「VA−044」とも称する)の15質量%水溶液を1.96部(VPとCTAの合計の使用量1モルに対し0.25g)添加し重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、ニーダーのブレードを回転させてゲルを解砕しながら、90℃で60分間熟成を行い、重合を終了した。次いで、マロン酸の1質量%水溶液を65.0部、3分かけて添加し、90℃で60分間撹拌した。さらに、ジエタノールアミンの2質量%水溶液を32.5部、3分かけて添加し、30分間撹拌した。次いで、得られたゲルを120℃で2時間乾燥(ヤマト科学製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ232×297×50H(mm)ステンレスバット2枚使用)を行うことにより、VP架橋重合体乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕し、目開き250μm及び500μmのJIS標準篩を使用して分級し、500μmの篩を通過し、250μmの篩上に残留した粉体を粒子状のVP架橋重合体(本発明のVP架橋重合体(1))とした。得られたVP架橋重合体(1)の平均粒子径を上記の方法で測定すると、340μmであった。
また、乾式の粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製 型式:MT3100II 乾式)により測定した累積50%値は、347μmであった。測定条件は以下に示す。
<測定条件>
乾式レーザー回折散乱法
測定時間:10秒
分散圧力:なし
粒子透過性:透過
粒子屈折率:1.60
粒子形状:非球形
溶媒名:空気(AIR)
溶媒屈折率:1.00
測定範囲:0.7〜1000μm
<製造例2>
VPを1000.0部、架橋性単量体としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー株式会社製、商品名:ネオアリルP−30M、ジエタノールアミンでpH6以上にして使用)を15.0部(VPに対し0.65モル%)、脱イオン水を2368.33部、卓上型ニーダー(株式会社中央理化製 PNV-5H型)に仕込んだ。次いで、400ml/分で40分間窒素置換を行った。次いで、窒素導入を30ml/分にし、56℃まで昇温した。液温を56℃に安定させた後、開始剤として2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(以下、「V−50」とも称する)の15質量%水溶液を47.37部(VPとペンタエリスリトールトリアリルエーテルの合計の使用量1モルに対し0.78g)添加し、重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、ニーダーのブレードを回転させてゲルを解砕しながら、90℃で60分間熟成を行い、重合を終了した。次いで、マロン酸の1.4質量%水溶液を500.0部、3分かけて添加し、90℃で60分間撹拌した。さらに、ジエタノールアミンの2.8質量%水溶液を250.0部、3分かけて添加し、30分間撹拌した。次いで、得られたゲルを120℃で3時間乾燥(ヤマト科学製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ232×297×50H(mm)ステンレスバット2枚、外形サイズ206×267×40H(mm)ステンレスバット8枚使用)を行うことにより、VP架橋重合体乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕し、目開き250μm及び500μmのJIS標準篩を使用して分級し、500μmの篩を通過し、250μmの篩上に残留した粉体を粒子状のVP架橋重合体(本発明のVP架橋重合体(2))とした。
得られたVP架橋重合体(2)の平均粒子径を上記の方法で測定すると、324μmであった。
<製造例3>
得られたゲルを120℃で2時間乾燥を行うまでは、製造例1の通り行った。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕し、目開き500μm及び1180μmのJIS標準篩を使用して分級し、1180μmの篩を通過し、500μmの篩上に残留した粉体を粒子状のVP架橋重合体(本発明のVP架橋重合体(3))とした。得られたVP架橋重合体(3)の平均粒子径を上記の方法で測定すると、680μmであった。
また、乾式の粒子径分布測定装置(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製 型式:マスターサイザー3000 乾式)により3回測定した累積50%値の平均値は、729μmであった。測定条件は以下に示す。
<測定条件>
乾式レーザー回折散乱法
分散圧力:3bar
粒子屈折率:1.52
粒子吸収率:0.01
粒子形状:非球形
溶媒名:空気(AIR)
溶媒屈折率:1.00
測定範囲:0.1〜3500μm
<製造例4>
得られたゲルを120℃で2時間乾燥を行うまでは、製造例1の通り行った。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕し、目開き106μm及び250μmのJIS標準篩を使用して分級し、250μmの篩を通過し、106μmの篩上に残留した粉体を粒子状のVP架橋重合体(本発明のVP架橋重合体(4))とした。得られたVP架橋重合体(4)の平均粒子径を上記の方法で測定すると、170μmであった。
また、乾式の粒子径分布測定装置(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製 型式:マスターサイザー3000 乾式)により3回測定した累積50%値の平均値は、171μmであった。測定条件は以下に示す。
<測定条件>
乾式レーザー回折散乱法
分散圧力:3bar
粒子屈折率:1.52
粒子吸収率:0.01
粒子形状:非球形
溶媒名:空気(AIR)
溶媒屈折率:1.00
測定範囲:0.1〜3500μm
<比較製造例1>
ポリエチレングリコール20000を50部、50mlガラスセパラブルフラスコに入れ、128℃で撹拌しながら溶解させた。なお、撹拌は一貫して50rpmで行った。溶解を確認後、架橋剤としてCTA2.5部を添加し、5分撹拌した。次いで、開始剤としてパーブチルI−75(日本油脂株式会社製)を0.12部添加し、128℃で3時間撹拌を継続した。得られたゲルを80℃まで放冷後、卓上ニーダー(株式会社中央理化製PNV-1H型)で解砕し、ポリエチレンオキサイド架橋重合体を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕し、目開き250μm及び500μmのJIS標準篩を使用して分級し、500μmの篩を通過し、250μmの篩上に残留した粉体を粒子状のポリエチレンオキサイド架橋重合体(本発明の比較架橋重合体(1))を得た。
<比較製造例2>
アクリル酸(日本触媒製、80質量%水溶液)(以下、AAとも称する)30.0部、水酸化ナトリウム(48質量%水溶液)12.14部、架橋性単量体としてポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業製NKエステルA−400、EO付加モル数9モル)(以下、A−400とも称する)0.021部(AAに対し0.01モル%)、脱イオン水42.2部を250mlポリプロピレン製容器に仕込んだ。(AAと水酸化ナトリウムを混合した後に、A−400と脱イオン水を添加した。)次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで窒素導入を30ml/分にし、撹拌を継続しながら、開始剤として過硫酸ナトリウムの15質量%水溶液を0.33部(AAとA−400の合計の使用量1モルに対し0.12g)およびL−アスコルビン酸の0.5質量%水溶液を0.04部添加し、重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化製PNV−1H型)で解砕した後に、120℃で2時間乾燥(ヤマト科学製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ206×267×40H(mm)ステンレスバット1枚使用)を行うことにより、AA系架橋重合体(比較架橋重合体(2))乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕して、粒子状の比較架橋重合体(2)を得た。
得られた比較架橋重合体(2)の平均粒子径は52.1μmであった。平均粒子径は、乾式の粒子径分布測定装置(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製 型式:マスターサイザー3000 乾式)により測定した累積50%値を、平均粒子径とした。測定条件は以下に示す。
<測定条件>
乾式レーザー回折散乱法
分散圧力:1bar
粒子屈折率:1.52
粒子吸収率:0.01
粒子形状:非球形
溶媒名:空気(AIR)
測定範囲:0.1〜3500μm
<実施例1、2及び比較例1>
実施例1、2として製造例1、2で得られたVP架橋重合体(1)、(2)及び比較例1として比較製造例2で得られた比較架橋重合体(2)に対し、下記の評価を行った。
(評価法)
架橋重合体0.1gを4cm×5cmの不織布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封入した。このティーバッグを、ガラス製で規定容量が50mLのスクリュー管に入れた。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。ティーバッグが入ったスクリュー管に、各種インク(キヤノン株式会社製、BCI−351(染料BK、C、M、Y)、BCI−350(PGBK(顔料BK))を2g室温(温度23±2℃)で添加した。室温(温度23±2℃)、常圧下で静置し、8時間後にスクリュー管内部の様子を観察し、残液(流動性の液体)の有無を評価した。結果を表1に示す。また、インクの成分を表2に示す。なお、表1中○は残液なし、×は残液ありを示す。下記の結果より、本発明のVP架橋重合体(1)、(2)は、より多くの種類のインクに対して残液なしで吸液できる点で、比較架橋重合体(2)よりも優位性があることが分かる。
Figure 2018043516
Figure 2018043516
<実施例3、4及び比較例2、3>
実施例3として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)、実施例4としてVP架橋重合体(1)と比較製造例2で得られた比較架橋重合体(2)の混合物(重量比1:1)、及び、比較例2、3として比較架橋重合体(2)、比較製造例1で得られた比較架橋重合体(1)に対し、各種溶液の吸液能力を下記の測定方法に従って測定した。測定結果を表3に示す。インクは実施例1と同じものを用いた。
上記インクの吸液能力測定では、インク成分の顔料や染料がインク用吸収剤のゲルの内部に入っていることを確認でき、本発明のインク用吸収剤が水以外のインク成分も吸収できることが明らかとなった。
(評価法)
架橋重合体約0.1gを正確に秤量し(質量W5(g))、4cm×5cmの不織布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封入した。このティーバッグを、ガラス製で規定容量が50mLのスクリュー管に入れた。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。ティーバッグが入ったスクリュー管に、各種インクを3g室温(温度23±2℃)で添加した。室温(温度23±2℃)、常圧下で静置し、24時間後にティーバッグの端をピンセットでつかんでティーバッグを引き上げ、ティーバッグの一面を下にしてキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて5秒間静置した。次いで、反対の面を下にしてキムタオルの上に乗せて5秒間静置することにより液切りを行った後、上記ティーバッグの質量(W6(g))を測定した。別途、同様の操作を、架橋重合体を用いないで行い、そのときのティーバッグの質量(W4(g))をブランクとして求めた。次式に従って算出した吸液倍率を各種溶液の吸液能力とした。
吸液倍率(g/g)=(W6(g)−W4(g))/W5(g)
下記の結果より、本発明のVP架橋重合体(1)は、より多くの種類のインクについて平均して吸液能力が高いことが確認された。VP架橋重合体(1)と比較架橋重合体(2)の混合物(重量比1:1)についても、顔料インクBK及び染料インクBKについての比較から、比較架橋重合体(2)、比較架橋重合体(1)よりも優位性があることが分かる。
また、比較例1の結果も合わせて、比較架橋重合体(2)はインク成分を均一に吸液していないことが分かる。
Figure 2018043516
<実施例5、6、7>
実施例5、6、7として製造例1、3、4で得られたVP架橋重合体(1)、(3)、(4)に対し、インクの混合液の吸液能力を下記の測定方法に従って測定した。測定した結果、吸液倍率は、22(VP架橋重合体(1))、23(VP架橋重合体(3))、22(VP架橋重合体(4))(g/g)であった。インクは実施例1と同じものを用いた。
上記インクの吸液能力測定では、インク成分の顔料や染料がインク用吸収剤のゲルの内部に入っていることを確認でき、本発明のインク用吸収剤が水以外のインク成分も吸収できることが明らかとなった。また、上記の結果より、本発明のVP架橋重合体(1)はインク(染料、顔料)の混合液を単独のインクと同程度吸液できることが分かる。
(評価法)
架橋重合体約0.1gを正確に秤量し(質量W8(g))、4cm×5cmの不織布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封入した。このティーバッグを、ガラス製で規定容量が50mLのスクリュー管に入れた。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。ティーバッグが入ったスクリュー管に、各種インクの混合液(BCI−351(BK、C、M、Y)、BCI−350(PGBK)を等量混合した溶液)を3g室温(温度23±2℃)で添加した。室温(温度23±2℃)、常圧下で静置し、24時間後にティーバッグの端をピンセットでつかんでティーバッグを引き上げ、ティーバッグの一面を下にしてキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて5秒間静置した。次いで、反対の面を下にしてキムタオルの上に乗せて5秒間静置することにより液切りを行った後、上記ティーバッグの質量(W9(g))を測定した。別途、同様の操作を、架橋重合体を用いないで行い、そのときのティーバッグの質量(W7(g))をブランクとして求めた。次式に従って算出した吸液倍率を各種インクの混合液の吸液能力とした。
吸液倍率(g/g)=(W9(g)−W7(g))/W8(g)
<実施例8、9、10、11及び比較例4>
実施例8、9、10、11として製造例1、2、3、4で得られたVP架橋重合体(1)、(2)、(3)、(4)及び比較例4として比較製造例2で得られた比較架橋重合体(2)に対し、下記の評価を行った。
(評価法)
架橋重合体0.2gと各種インク(キヤノン株式会社製、BCI−351(染料BK、C、M、Y)、BCI−350(PGBK(顔料BK)))2.8gを20mLのスクリュー管に入れ蓋をした。室温(温度23±2℃)、常圧下で静置し、24時間後にスクリュー管内部の様子を観察し、残液(流動性の液体)の有無を評価した。結果を表4に示す。なお、表4中、○は残液なし、×は残液ありを示す。
その後、スクリュー管の蓋を外し、50℃の乾燥機でインク中の水分を蒸発させ、吸液ゲルからの液の吐き出しの有無を評価した。結果を表5に示す。なお、表5中、○は液の吐き出しなし、×は液の吐き出しありを示す。
下記の結果より、本発明のVP架橋重合体(1)、(2)、(3)、(4)は、より多くの種類のインクに対して残液なしで吸液でき、また、インク中の水分が蒸発して、インク成分が濃縮されてもインクを保持できる点で、比較架橋重合体(2)よりも優位性があることが分かる。
Figure 2018043516
Figure 2018043516
<実施例12及び比較例5、6>
実施例12として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)、比較例5、6として比較製造例2で得られた比較架橋重合体(2)、比較製造例1で得られた比較架橋重合体(1)に対し、インクの一成分である、グリコール系溶剤の吸液能力を下記の測定方法に従って測定した。測定した結果を表6に示す。
本発明のインク用吸収剤がインク成分であるグリコール系溶剤の吸液性に優れることが明らかとなった。一方、比較架橋重合体(2)や比較架橋重合体(1)はグリコール系溶剤の吸液能力が低かった。比較例2、3の結果から、比較架橋重合体(2)や比較架橋重合体(1)は、水の含有量が多いインクを比較的多く吸液できることが分かるが、比較例5、6の結果より、インク用吸収剤からある程度の水が蒸発した際には、水に溶解するグリコール系溶剤の濃度が高くなるために、吸収剤が溶液を保持しきれなくなり、溶液の染み出しがあると考えられる。これに対し、本発明のVP架橋重合体(1)はグリコール系溶剤のみであっても保持することができるため、水が蒸発した際にも、高濃度グリコール溶剤を保持することができ、液の染み出しはないと考えられる。
(評価法)
架橋重合体約0.1gを正確に秤量し(質量W11(g))、4cm×5cmの不織布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封入した。このティーバッグを、ガラス製で規定容量が50mLのスクリュー管に入れた。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5、常圧%の室内で行った。ティーバッグが入ったスクリュー管に、グリコール系溶剤を添加し、室温(温度23±2℃)で浸漬させた。室温(温度23±2℃)、常圧下で静置し、24時間後にティーバッグの端をピンセットでつかんでティーバッグを引き上げ、ティーバッグの一面を下にしてキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて5秒間静置した。次いで、反対の面を下にしてキムタオルの上に乗せて5秒間静置することにより液切りを行った後、上記ティーバッグの質量(W12(g))を測定した。別途、同様の操作を、架橋重合体を用いないで行い、そのときのティーバッグの質量(W10(g))をブランクとして求めた。次式に従って算出した吸液倍率をグリコール系溶剤の吸液能力とした。
吸液倍率(g/g)=(W12(g)−W10(g))/W11(g)
Figure 2018043516
<実施例13>
実施例13として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(1)を作成した。
アルカリ水可溶性樹脂の12.5重量%メチルアルコール溶液(以下、ASP溶液と記す)を製造した。該アルカリ水可溶性樹脂は、アクリル酸メチルを18重量%、アクリル酸エチルを34重量%、アクリル酸を15重量%、および、メタクリル酸メチルを33重量%の割合で含む単量体成分を所定の条件下で共重合させることにより得た。
上記のASP溶液とVP架橋重合体(1)とを、重量比10:1で混合することにより、樹脂層となるべき樹脂溶液を得た。そして、A4版の大きさに裁断したセルロース系不織布(シート状基材)を該樹脂溶液に浸漬し、余分な樹脂溶液を搾り取った後、乾燥機を用いて100℃で3分間乾燥させた。つまり、不織布の両面に樹脂層を形成した。該不織布には、アルカリ水可溶性樹脂が80g/m、VP架橋重合体(1)が64g/mの割合で付着していた。
上記吸収シート(1)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例14>
実施例14として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(2)を作成した。
合成ゴム系接合剤(住友スリーエム株式会社製;商品名「3M スプレーのり99」)を用いて、被覆材を製造した。該接合剤の成分は、スチレンブタジエンゴム等の合成ゴム10重量%、n−ペンタンやアセトン、トルエン等の有機溶剤40重量%、LPGやジメチルエーテル等のガス(スプレー用)50重量%である。
A4版の大きさに裁断した不織布(シート状基材、ポリエステル:綿/50:50(重量比)、坪量200g、厚さ0.5mm)の表面(片面)に、合成ゴム(固形分)の付着量が0.5gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。その上に、2.5gのVP架橋重合体(1)を均一に撒布し、さらにこの上に、合成ゴムの付着量が1.5gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。そして、該不織布の裏面にも、上記操作と同様の操作を行って、VP架橋重合体(1)を合成ゴムにて付着させた。次いで、VP架橋重合体(1)が付着された該不織布を、乾燥機を用いて100℃で5分間乾燥させた。該不織布には、合成ゴムが64g/m、VP架橋重合体(1)が80g/mの割合で付着していた。
上記吸収シート(2)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例15>
実施例15として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(3)を作成した。
A4版の大きさに裁断した不織布(シート状基材、ポリエステル:綿/50:50(重量比)、坪量200g、厚さ0.5mm)の表面(片面)に、2.5gのVP架橋重合体(1)を均一に撒布した。この上に、合成ゴム(固形分)の付着量が1.5gとなるように合成ゴム系接合剤(住友スリーエム株式会社製;商品名「3M スプレーのり99」)を均一にスプレー撒布した。付着量が0.5gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。次いで、VP架橋重合体(1)が付着された該不織布を、乾燥機を用いて100℃で5分間乾燥させた。該不織布には、合成ゴムが32g/m、VP架橋重合体(1)が80g/mの割合で付着していた。
上記吸収シート(3)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例16>
実施例16として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(4)を作成した。
VP架橋重合体(1)50重量部と、木材粉砕パルプ50重量部とを、ミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブに成形した。さらに、このウェブを圧力196.14kPaで5秒間プレスすることにより、坪量が約0.047g/cmの吸収シート(4)を得た。
上記吸収シート(4)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例17>
実施例17として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(5)を作成した。
VP架橋重合体(1)を用い、実施例16の吸収シートを作成した。続いて、液不透過性のポリプロピレンからなる、いわゆる背面シート(液不透過性シート)、上記吸収体、および、液透過性のポリプロピレンからなる不織布の表面シート(液透過性シート)を、両面テープを用いてこの順に互いに貼着することにより、吸収シート(5)を得た。
上記吸収シート(5)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例18>
実施例18として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収(吸水性)シート(6)を作成した。
坪量20g/mの薄葉紙の上にポリプロピレン製の網状体をおき、VP架橋重合体(1)30g/mを均一に散布し、もう一枚の薄葉紙をかぶせた後、170℃の熱ロールを通すことによって加熱融着し一体化された吸水性シート(6)を作成した。
上記吸収シート(6)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例19>
実施例19として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収(吸水性)シート(7)を作成した。
坪量30g/mのクレープ紙と厚み25μmのポリエステル系フィルムの間に、VP架橋重合体(1)を40g/mと、ポリエステル系繊維の表層部に熱溶融性のポリエチレンがコーティングされた網状体をはさみ込み、180℃の熱ロールを通して加熱融着し吸水性シート(7)を作成した。
上記吸収シート(7)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例20>
実施例20として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収(吸水性)シート(8)を作成した。
坪量220g/mの段ボール板紙と坪量25g/mのポリエステル系不織布を用いて実施例18と同様にして吸水性シート(8)を作成した。
上記吸収シート(8)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例21>
実施例21として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収(吸水性)シート(9)を作成した。
2枚の坪量30g/mのポリエステル系不織布を用いて実施例18と同様にして吸水性シート(9)を作成した。
上記吸収シート(9)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例22>
実施例22として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収(吸水性)シート(10)を作成した。
坪量20g/mのレーヨン系不織布と坪量50g/mのアクリル系編物の間にVP架橋重合体(1)(20g/m)と接着剤を塗布したポリエステル系撚糸製の網状体をはさみ込み圧着して一体化し、吸水性シート(10)を作成した。
上記吸収シート(10)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例23>
実施例23として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収(吸水性)シート(11)を作成した。
坪量25g/mのレーヨン系不織布と厚さ20μmのナイロン系フィルムを用いて実施例18と同様にして吸水性シート(11)を作成した。
上記吸収シート(11)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例24>
実施例24として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収(吸水性)シート(12)を作成した。
坪量40g/mの和紙上にポリプロピレン製網状体をおき、VP架橋重合体(1)(30g/m)を均一に散布した後、坪量20g/mのポリエステル系不織布をかぶせた。さらにこの不織布の上に、上記の網とVP架橋重合体(1)(30g/m)をおき前記の和紙をかぶせた後、実施例18と同様にして5層構造の吸水性シート(12)を作成した。
上記吸収シート(12)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例25>
実施例25として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(13)を作成した。
エラストマーとしてのクロロプレンゴム100部に、VP架橋重合体(1)50部、加硫剤および加硫助剤としての酸化マグネシウム4部、加硫剤としての酸化亜鉛5部、加硫促進剤1部、滑剤1部、老化防止剤2部、無機充填剤としての炭酸カルシウム20部、および、軟化剤15部を混合した。そして、該混合物を10インチ試験ロール機を用いて20分間混練した後、厚さ3.5mmに延ばすことにより、コンパウンドを得た。次いで、上記のコンパウンドを電熱プレス機を用いて170℃で10分間加硫することにより、厚さ2mmの吸収シート(13)(膨潤性ゴム)を得た。
上記吸収シート(13)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例26>
実施例26として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(14)を作成した。
エラストマーとしてのクロロプレンゴム100部に、VP架橋重合体(1)50部、加硫剤としての酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、加硫促進剤3部、および、架橋剤1部を混合した。そして、該混合物を10インチ試験ロール機を用いて20分間混練した後、厚さ3.5mmに延ばすことにより、コンパウンドを得た。次いで、上記のコンパウンドを電熱プレス機を用いて170℃で10分間加硫することにより、厚さ2mmの吸収シート(14)(膨潤性ゴム)を得た。
上記吸収シート(14)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例27>
実施例27として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(15)を作成した。
100mm×100mmの大きさのポリエステル系不織布を使用して、VP架橋重合体(1)1部を分包し、四方を熱圧着シールし、吸収シート(15)を得た。吸収シート(15)はVP架橋重合体(1)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記吸収シート(15)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例28>
実施例28として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(16)を作成した。
100mm×100mmの大きさのレーヨン系不織布を使用して、VP架橋重合体(1)1部を分包し、四方を熱圧着シールし、吸収シート(16)を得た。吸収シート(16)はVP架橋重合体(1)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記吸収シート(16)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例29>
実施例29として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(17)を作成した。
VP架橋重合体(1)が漏れ出さない細孔を有する2枚のポリエステル系不織布の間にVP架橋重合体(1)を散布した後に、ヒートシーラーで小さな区画に編み込み、吸収シート(17)を得た。各区画に同程度の重量のVP架橋重合体(1)が含まれており、吸収シート(17)はVP架橋重合体(1)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記吸収シート(17)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例30>
実施例30として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(18)を作成した。
実施例14で用いた合成ゴム系接合剤(住友スリーエム株式会社製;商品名「3M スプレーのり99」)を用いて、被覆材を製造した。
5cm×10cmの大きさに裁断した不織布(シート状不織布ウエス、パルプ・ポリプロピレン系不織布、坪量0.3g、厚さ0.5mm)の表面(片面)に、合成ゴム(固形分)の付着量が0.17gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。その上に、0.5gのVP架橋重合体(1)を均一に撒布し、さらにこの上に、合成ゴムの付着量が0.17gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した不織布(秤量0.3g)を重ねて圧着した。次いで、VP架橋重合体(1)が付着された該不織布を、乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥させた。
上記吸収シート(18)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例31>
実施例31として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(19)を作成した。
実施例14で用いた合成ゴム系接合剤(住友スリーエム株式会社製;商品名「3M スプレーのり99」)を用いて、被覆材を製造した。
5cm×10cmの大きさに裁断した不織布(ペーパーウエス、パルプ系、坪量0.25g、厚さ0.5mm)の表面(片面)に、合成ゴム(固形分)の付着量が0.08gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。その上に、0.5gのVP架橋重合体(1)を均一に撒布し、さらにこの上に、合成ゴムの付着量が0.08gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した不織布(秤量0.25g)を重ねて圧着した。次いで、VP架橋重合体(1)が付着された該不織布を、乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥させた。
上記吸収シート(19)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例32>
実施例32として製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記の吸収シート(20)を作成した。
実施例14で用いた合成ゴム系接合剤(住友スリーエム株式会社製;商品名「3M スプレーのり99」)を用いて、被覆材を製造した。
5cm×10cmの大きさに裁断した不織布(アドバンテック製不織布濾紙、T−250、レーヨン系、坪量0.26g、厚さ0.3mm)の表面(片面)に、合成ゴム(固形分)の付着量が0.08gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。その上に、0.5gのVP架橋重合体(2)を均一に撒布し、さらにこの上に、合成ゴムの付着量が0.08gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した不織布(秤量0.26g)を重ねて圧着した。次いで、VP架橋重合体(2)が付着された該不織布を、乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥させた。
上記吸収シート(20)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例33>
実施例33として製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記の吸収シート(21)を作成した。
実施例14で用いた合成ゴム系接合剤(住友スリーエム株式会社製;商品名「3M スプレーのり99」)を用いて、被覆材を製造した。
5cm×10cmの大きさに裁断した不織布(アドバンテック製不織布濾紙、T−811、ポリエステル系、坪量0.52g、厚さ1.15mm)の表面(片面)に、合成ゴム(固形分)の付着量が0.1gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。その上に、0.5gのVP架橋重合体(2)を均一に撒布し、さらにこの上に、合成ゴムの付着量が0.1gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した不織布(秤量0.52g)を重ねて圧着した。次いで、VP架橋重合体(2)が付着された該不織布を、乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥させた。
上記吸収シート(21)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例34>
実施例34として製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記の吸収シート(22)を作成した。
実施例14で用いた合成ゴム系接合剤(住友スリーエム株式会社製;商品名「3M スプレーのり99」)を用いて、被覆材を製造した。
5cm×10cmの大きさに裁断した不織布(三菱アルミニウム製難燃性不織布、坪量0.65g、厚さ7mm)の表面(片面)に、合成ゴム(固形分)の付着量が0.21gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。その上に、0.5gのVP架橋重合体(2)を均一に撒布し、さらにこの上に、合成ゴムの付着量が0.21gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した不織布(秤量0.65g)を重ねて圧着した。次いで、VP架橋重合体(2)が付着された該不織布を、乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥させた。
上記吸収シート(22)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例35>
実施例35として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の吸収シート(23)を作成した。
実施例14で用いた合成ゴム系接合剤(住友スリーエム株式会社製;商品名「3M スプレーのり99」)を用いて、被覆材を製造した。
5cm×10cmの大きさに裁断したキッチンタオル(王子ネピア株式会社製、パルプ系、坪量0.24g、厚さ0.3mm)の表面(片面)に、合成ゴム(固形分)の付着量が0.1gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。その上に、0.5gのVP架橋重合体(1)を均一に撒布し、さらにこの上に、合成ゴムの付着量が0.1gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布したキッチンタオル(秤量0.24g)を重ねて圧着した。次いで、VP架橋重合体(1)が付着された該不織布を、乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥させた。
上記吸収シート(23)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例36>
実施例36として製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記の吸収シート(24)を作成した。
実施例14で用いた合成ゴム系接合剤(住友スリーエム株式会社製;商品名「3M スプレーのり99」)を用いて、被覆材を製造した。
5cm×10cmの大きさに裁断したオイルパック(カクイ株式会社製、カポック繊維、油分を除去し半分に割って使用、坪量0.92g、厚さ8mm)の表面(片面)に、合成ゴム(固形分)の付着量が0.15gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布した。その上に、0.5gのVP架橋重合体(2)を均一に撒布し、さらにこの上に、合成ゴムの付着量が0.15gとなるように該接合剤を均一にスプレー撒布したオイルパック(秤量0.92g)を重ねて圧着した。次いで、VP架橋重合体(2)が付着された該オイルパックを、乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥させた。
上記吸収シート(24)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れるシートであった。
<実施例37>
実施例37として製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記の包装体状吸収材(25)を作成した。
VP架橋重合体(2)が漏れ出さない細孔を有するレーヨン系不織布の袋(8.5cm×6cm)にVP架橋重合体(2)0.2gを入れ、ヒートシーラーで密封し、包装体状吸収材(25)を得た。包装体状吸収材(25)はVP架橋重合体(2)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記包装体状吸収材(25)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れる吸収材であった。
<実施例38>
実施例38として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の包装体状吸収材(26)を作成した。
VP架橋重合体(1)が漏れ出さない細孔を有するポリエチレン・ポリプロピレン系不織布の4つに区切られた袋(8.5cm×6cmを4つに区切った)全ての区画にVP架橋重合体(1)を各0.05g、全体で0.2g入れ、ヒートシーラーで密封し、4区画に区切られた包装体状吸収材(26)を得た。包装体状吸収材(26)はVP架橋重合体(1)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記包装体状吸収材(26)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れる吸収材であった。
<実施例39>
実施例39として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記の包装体状吸収材(27)を作成した。
VP架橋重合体(1)が漏れ出さない細孔を有するポリエチレン・ポリエステル系不織布の袋(8.5cm×6cm)にVP架橋重合体(1)0.2gを入れ、ヒートシーラーで密封し、包装体状吸収材(27)を得た。包装体状吸収材(27)はVP架橋重合体(1)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記包装体状吸収材(27)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れる吸収材であった。
<実施例40>
実施例40として製造例3で得られたVP架橋重合体(3)を用いて、下記の包装体状吸収材(28)を作成した。
VP架橋重合体(3)が漏れ出さない細孔を有するナイロンメッシュの袋(5.2×4.4cm)にVP架橋重合体(3)0.75gを入れ、ヒートシーラーで密封し、テトラ(三角錐)型の包装体状吸収材(28)を得た。包装体状吸収材(28)はVP架橋重合体(3)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記包装体状吸収材(28)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れる吸収材であった。
<実施例41>
実施例41として製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記の包装体状吸収材(29)を作成した。
VP架橋重合体(2)が漏れ出さない細孔を有するポリエステル系不織布の袋(5.2×4.4cm)にVP架橋重合体(2)0.75gを入れ、ヒートシーラーで密封し、テトラ(三角錐)型の包装体状吸収材(29)を得た。包装体状吸収材(29)はVP架橋重合体(2)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記包装体状吸収材(29)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れる吸収材であった。
<実施例42>
実施例42として製造例4で得られたVP架橋重合体(4)を用いて、下記の包装体状吸収材(30)を作成した。
VP架橋重合体(4)が漏れ出さない細孔を有するパルプ系不織布の袋(5.2×4.4cm)にVP架橋重合体(4)0.75gを入れ、ヒートシーラーで密封し、テトラ(三角錐)型の包装体状吸収材(30)を得た。包装体状吸収材(30)はVP架橋重合体(4)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記包装体状吸収材(30)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れる吸収材であった。
<実施例43>
実施例43として製造例3で得られたVP架橋重合体(3)を用いて、下記の包装体状吸収材(31)を作成した。
小窓があいたプラスチック製の型(8×3×1cm、直方体状)の内部にVP架橋重合体(3)が漏れ出さない細孔を有するパルプ系不織布を貼り付けた後に、型の内部にVP架橋重合体(3)0.75gを入れ、VP架橋重合体(3)が漏れ出さないようにパルプ系不織布を貼り付けて密封し、直方体状の包装体状吸収材(31)を得た。包装体状吸収材(31)はVP架橋重合体(3)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記包装体状吸収材(31)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れる吸収材であった。
<実施例44>
実施例44として製造例3で得られたVP架橋重合体(3)を用いて、下記の包装体状吸収材(32)を作成した。
側面がフィルターになっている円筒(プラスチック製、直径3cm、高さ3cmで中心に直径1cmの穴が開いている活性炭カートリッジ(水作株式会社製)の活性炭を取り出して使用)の内部にVP架橋重合体(3)0.9gを入れ、ふたをして密封し、円筒状の包装体状吸収材(32)を得た。包装体状吸収材(32)はVP架橋重合体(3)粉末の飛散はほとんどなく10%未満であった。
上記包装体状吸収材(32)は、インク(染料、顔料)吸液能に優れる吸収材であった。
なお、実施例13−29の吸収シートは2枚以上積層しても、インク(染料、顔料)吸液能に優れていた。実施例30−44の吸収材(吸収シート)も同様であった。
<比較例7>
比較例7として不織布(アドバンテック東洋株式会社製、不織布濾紙T−811、厚さ:1.15mm、質量:110g/m、材質:ポリエステル)に対し、インクの混合液の吸液能力を下記の測定方法に従って測定した。測定した結果、吸液倍率は6(g/g)であった。また、加圧による液の染み出しも確認された。インクは実施例1と同じものを用いた。
上記の結果より、不織布はインク吸液能が低く、また加圧による液の染み出しも確認されたことから、液を強力に保持していないと考えられる。この結果から本発明のインク用吸収剤と基剤としてポリエステル系不織布とを用いて作成した吸収シートの吸液能(例えば実施例21、27及び29)は、本発明のVP架橋重合体による寄与が大きいことが明らかである。
(評価法)
ガラス製で規定容量が50mLのスクリュー管に、各種インクの混合液(BCI−351(BK、C、M、Y)、BCI−350(PGBK)を等量混合した溶液)を3g室温で量り取った。
4cm×5cmに切り取った不織布を正確に秤量し(質量W13(g))、インクの混合液が入ったスクリュー管に入れた。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。室温(温度23±2℃)、常圧下で静置し、この不織布を、24時間後に端をピンセットでつかんで引き上げ、不織布の一面を下にしてキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて5秒間静置した。次いで、反対の面を下にしてキムタオルの上に乗せて5秒間静置することにより液切りを行った後、上記不織布の質量(W14(g))を測定した。次式に従って算出した吸液倍率を各種インクの混合液の吸液能力とした。
吸液倍率(g/g)=W14(g)/W13(g)
<実施例45>
実施例45として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)に対し、下記の評価を行った。
(吸液速度評価法)
VP架橋重合体約0.1gを正確に秤量し(質量W15(g))、4cm×5cmの不織布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封入した。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。このティーバッグを、脱イオン水(導電率10μS/cm以下)中に室温(温度23±2℃)、常圧で浸漬した。浸漬開始後5分、30分、60分の3点において、ティーバッグの端をピンセットでつかんでティーバッグを引き上げ、ティーバッグの一面を下にしてキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて5秒間静置した。次いで、反対の面を下にしてキムタオルの上に乗せて5秒間静置することにより液切りを行った後、上記ティーバッグの質量(W16(g))を測定した。別途、同様の操作を、架橋重合体を用いないで行い、そのときのティーバッグの質量(W17(g))をブランクとして求めた。次式に従って算出した吸液倍率を脱イオン水の吸液能力とした。
吸液倍率(g/g)=(W16(g)−W17(g))/W15(g)
経過時間と脱イオン水吸液倍率の結果を表7に示す。
Figure 2018043516
<実施例46>
実施例46として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)に対し、プロピレングリコールの吸液速度を下記の評価方法に従って測定した。測定した結果、残液がなくなる時間は231秒であった。
(吸液速度評価法)
VP架橋重合体をシャーレ(直径100mm)にのせ、シャーレ上で均一に分散させた。VP架橋重合体の上から、VP架橋重合体重量の4倍の重量のプロピレングリコールを添加し、残液がなくなる時間(吸液速度)を測定した。

Claims (4)

  1. N−ビニルラクタム系架橋重合体を含むことを特徴とするインク用吸収剤。
  2. 前記N−ビニルラクタム系架橋重合体は、架橋性単量体及び/又は架橋剤に由来する構造単位を全構造単位100モル%に対して、0.01〜2モル%であることを特徴とする請求項1に記載のインク用吸収剤。
  3. 請求項1又は2に記載のインク用吸収剤を用いて構成されることを特徴とする吸収材。
  4. 請求項1又は2に記載のインク用吸収剤がインクを吸収していることを特徴とするインク含有組成物。
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