JP7326907B2 - 液体吸収器 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吸収器に関する。
インクジェットプリンターでは、通常、インクの目詰まりによる印刷品質の低下を防止するためにヘッドクリーニング動作が行われる。このクリーニング動作に際に、廃インクが発生する。また、インクカートリッジ交換後のインク充填動作の際にも、廃インクが発生する。そこで、インクジェットプリンターは、このような廃インクがプリンター内部の機構等に対する不本意な付着が生じないようにするために、廃インクを吸収するインク吸収体としての廃液回収体を備えている。この廃液回収体としては、特許文献1に示すようなものが挙げられる。
特許文献1に開示されている廃液回収体は、インクを吸収するインク吸収材と、インク吸収材を収納する容器部材とを有する。インク吸収材は、複数のインク吸収材が積層され、全体としてブロック状をなしている。また、容器部材には、インク吸収材の移動を規制する移動規制部が設けられている。移動規制部は、容器部材の底部から立設された柱状をなしている。この移動規制部がブロック状のインク吸収材を貫通して保持することにより、インク吸収材の移動を規制し、安定して廃液を吸収することができる。
また、インク吸収材として、吸水性物質を含む小片を複数有する小片集合体を用いることが提案されている。小片集合体を用いることにより、インクの浸透性を高めることができ、全体として吸収特性を高めることができる。
特開2009-269208公報
しかしながら、小片は、従来のようなブロック状のものと比べて収容空間内を移動しやすいため、特許文献1に記載されているの容器部材では、小片の移動を規制するのが難しい。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下のものとして実現することが可能である。
本発明の液体吸収器は、繊維を含有する繊維基材と、吸水性樹脂とを含む小片を複数有する小片集合体で構成された液体吸収体と、
前記液体吸収体を収容する収容空間を画成する壁部と、前記壁部から前記収容空間内に向って突出して設けられた突出部と、を有する容器と、を備え、
前記突出部の先端と、前記突出部とは異なる構造体との最小離間距離をL1とし、前記小片の最遠端間距離の平均値をL2としたとき、
0<L1/L2≦1.80を満足することを特徴とする。
図1は、本発明の液体吸収器の第1実施形態における使用状態の一例を示す部分垂直断面図である。 図2は、図1に示す液体吸収器が備える小片の斜視図である。 図3は、図1に示す液体吸収器が備える小片の斜視図である。 図4は、図1に示す液体吸収器が備える小片の斜視図である。 図5は、図1に示す液体吸収器が備える小片の側面図である。 図6は、図1に示す液体吸収器を蓋体側から見た図である。 図7は、図1に示す突出部の拡大斜視図である。 図8は、本発明の液体吸収器の第2実施形態を蓋体側から見た図である。 図9は、図8に示す突出部の拡大斜視図である。 図10は、本発明の液体吸収器の第3実施形態を蓋体側から見た図である。 図11は、図10中矢印A方向から見た図である。 図12は、図11に示す突出部の変形例を示す斜視図である。 図13は、図11に示す突出部の変形例を示す斜視図である。 図14は、図11に示す突出部の変形例を示す斜視図である。 図15は、試験を行っている状態を示す液体吸収体の写真である。 図16は、試験を行っている状態を示す液体吸収体の写真である。 図17は、試験を行っている状態を示す液体吸収体の写真である。 図18は、試験を行っている状態を示す液体吸収体の写真である。
以下、本発明の液体吸収器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の液体吸収器の第1実施形態における使用状態の一例を示す部分垂直断面図である。図2は、図1に示す液体吸収器が備える小片の斜視図である。図3は、図1に示す液体吸収器が備える小片の斜視図である。図4は、図1に示す液体吸収器が備える小片の斜視図である。図5は、図1に示す液体吸収器が備える小片の側面図である。図6は、図1に示す液体吸収器を蓋体側から見た図である。図7は、図1に示す突出部の拡大斜視図である。
なお、以下では、説明の都合上、図1および図7中(図9、図11~図14についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
本明細書における「吸水」とは、水系溶媒に色材が溶解した水系インク、溶剤にバインダーが溶解した溶剤系インク、UV照射により硬化する液状のモノマー中にバインダーが溶解したUV硬化性インク、分散媒にバインダーが分散したラテックスインク等のインクや、その他の液体、例えば、水、排泄物、産業廃棄液等を吸収することを言う。以下では、液体をインクQとして説明する。
図1に示すように、本発明の液体吸収器100は、容器1と、容器1に収納され、インクQの吸収に用いられる液体吸収体としてのインク吸収体10と、を備えている。液体吸収器100は、例えば、図1に示すような印刷装置200に装填して用いることができる。まず、印刷装置200について簡単に説明する。
図1に示す印刷装置200は、例えば、インクジェット式のカラープリンターである。印刷装置200は、インクQを吐出するインク吐出ヘッド201と、インク吐出ヘッド201のノズル201aの目詰まりを防止するキャッピングユニット202と、キャッピングユニット202と液体吸収器100とを接続するチューブ203と、インクQをキャッピングユニット202から液体吸収器100に送るローラーポンプ204と、回収部205と、を備えている。
インク吐出ヘッド201は、下方に向かってインクQを吐出するノズル201aを複数有している。図1中の二点鎖線で示すように、インク吐出ヘッド201は、図示しない記録媒体に対して移動しつつ、インクQを吐出して、印刷を施すことができる。
キャッピングユニット202は、インク吐出ヘッド201が待機位置にあるときに、ローラーポンプ204の作動により、各ノズル201aを一括して吸引して、ノズル201aの目詰まりを防止するものである。
チューブ203は、キャッピングユニット202を介して吸引されたインクQが液体吸収器100に向かって通過するものである。このチューブ203は、可撓性を有している。
ローラーポンプ204は、チューブ203の途中に配置され、ローラー部204aと、ローラー部204aとの間でチューブ203の途中を挟持する挟持部204bとを有している。ローラー部204aが回転することにより、チューブ203を介して、キャッピングユニット202に吸引力が生じる。そして、ローラー部204aが回転し続けることにより、ノズル201aに付着したインクQを回収部205まで送り込むことができる。この回収部205には、液体吸収器100が配置され、チューブ203から排出されたインクQを吸収する。
また、液体吸収器100は、印刷装置200の回収部205に対し、着脱自在に装着され、その装着状態で、前述したようにインクQの廃液吸収に用いられる。このように、液体吸収器100は、いわゆる「廃液タンク」または「廃インクタンク」として用いられる。そして、液体吸収器100のインクQの吸収量が限界に達したら、この液体吸収器100を、新たな未使用状態の液体吸収器100に交換することができる。なお、液体吸収器100のインクQの吸収量が限界に達したか否かについては、印刷装置200内の図示しない検出部によって検出される。また、液体吸収器100のインクQの吸収量が限界に達した場合には、その旨が、例えば、印刷装置200に内蔵されたモニター等の図示しない報知部により報知される。
以下、液体吸収器100の構成について説明する。
図1に示すように、液体吸収器100は、インク吸収体収納容器である容器1と、インクQの吸収に用いられる液体吸収体としてのインク吸収体10と、を備えている。
インク吸収体10は、容器1内でインクQの吸収に用いられるものである。図2に示すように、インク吸収体10は、繊維基材2および吸水性樹脂3を有する、長手形状の小片4を複数備える小片集合体を含む。吸水性樹脂3は、繊維基材2に担持されていてもよく、担持されていない、すなわち、例えば繊維基材2の繊維間に単に挟まっているだけであってもよい。
インク吸収体10が、ブロック状等のように予め所定の形状に成形されたものではなく、小片4の集合体であることにより、インク吸収体10を容器1内に充填する際に、各小片4同士の相対的な位置関係を変化させることができ、容器の収容空間の形状に追従して、インク吸収体10全体としての形状が変化する。このため、容器1内において、不本意な密度のばらつきが生じることを効果的に防止することができる。特に、特定の形状、大きさの容器に対してのみではなく、様々な形状の容器に対して、不本意な密度のばらつきが生じることを効果的に防止しつつ、所望の密度で充填することができる。その結果、容器に収納された状態のインク吸収体10での、インクQの吸収効率を優れたものとすることができる。
また、小片4同士の間に間隙が形成され易いため、インクQは、間隙を通過したり、また、間隙が微小の場合、毛細管現象で濡れ広がったりすることができる、すなわち、通液性を確保することができる。これにより、容器1内で下方に向かって流れるインクQが途中で堰き止められるのが防止され、よって、容器1の底まで浸透することができる。これにより、各小片4で好適にインクQを吸収、保持することができる。
また、各小片4を矯正して平らにした状態における、小片4の長さ、すなわち、長辺の長さは、0.2mm以上5000mm以下であるのが好ましく、0.6mm以上2000mm以下であるのがより好ましく、1.0mm以上100mm以下であるのがさらに好ましい。
同じく、矯正して平らにした状態における、小片4の幅の平均値は、特に限定されないが、0.1mm以上100mm以下であるのが好ましく、0.3mm以上50mm以下であるのがより好ましく、1mm以上20mm以下であるのがさらに好ましい。
各小片4についての幅に対する全長の比率であるアスペクト比の平均値は、2.0以上200以下であるのが好ましく、2.5以上30以下であるのがより好ましい。
小片4の厚さの平均値は、0.05m以上3mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上2mm以下であるのがより好ましい。
以上のような数値範囲により、吸水性樹脂3の担持や、繊維によるインクQの保持・インクQの吸水性樹脂3への送り込みをより好適に行うことができ、小片4全体としてのインクQの吸収特性をより優れたものとすることができる。さらに、インク吸収体10全体として変形させ易く、容器1への形状追従性に優れる。
なお、インク吸収体10には、大きさ、形状が異なる小片4が含まれていてもよい。
また、インク吸収体10には、全長、幅、アスペクト比、厚さのうちの少なくとも1つが同じである小片4が含まれていてもよいし、これらが全て異なる小片4が含まれていてもよい。
また、小片4は、湾曲や屈曲を矯正して平面状にした場合に、不規則な形状をなすものであってもよいが、規則的な形状をなすものであるのが好ましい。具体的には、小片4は、シュレッダー等によって規則的な形状に裁断、すなわち、粗砕されたものであるのが好ましい。これにより、インク吸収体10のかさ密度に不本意なムラが生じにくくなり、容器内において、インクQの吸収特性に不本意なムラが生じるのを防止することができる。また、規則的な形状に裁断または粗砕された小片4は、切断面の面積を可及的に小さくすることができる。よって、適度な吸収特性を確保しつつ、繊維や吸水性樹脂3の飛散等による発塵を抑制することができる。
なお、本明細書において、「規則的な形状」とは、例えば、長方形、正方形、三角形、五角形等の多角形、円形、楕円形等の形状のことを言う。また、各小片4は、同一の寸法であってもよく、相似形状であってもよい。また、例えば、四角形の場合、各辺の長さが異なっていても、四角形の範疇であれば規則的な形状とする。
また、本明細書において、「不規則な形状」とは、粗く裁断したり、手で千切ったような形状等、前述したような「規則な形状」以外の形状のことを言う。
このように湾曲や屈曲を矯正して平面状にした場合に規則的な形状をなす小片4の含有量は、インク吸収体10全体のうちの30質量%以上であるのが好ましく、50質量%以上であるのがより好ましく、70質量%以上であるのがさらに好ましい。
前述したように、各小片4は、長尺状をなす、すなわち、長手方向を有するものである。そして、容器内では、各々の小片4の延在方向が互いに異なるように充填されている。すなわち、小片4の延在方向が互いに揃わずに交差するよう、各小片4が規則性を持たずに、集合体として複数、容器1内に収納されている。さらに換言すれば、各小片4は、容器内において、二次元方向または三次元方向にランダムに収納されている。
このような収納状態では、小片4同士の間に間隙が形成され易い。これにより、インクQは、間隙を通過したり、また、間隙が微小の場合、毛細管現象で濡れ広がったりすることができる。すなわち、通液性を確保することができる。これにより、容器1内で下方に向かって流れるインクQが途中で堰き止められるのが防止され、よって、容器1の底まで浸透することができる。これにより、各小片4で好適にインクQを吸収し、長期間保持することができる。
また、各小片4がランダムに収納されているため、インク吸収体10全体として、インクQと接触する機会が増え、よって、インクQを吸収する吸収特性が向上する。また、インク吸収体10を容器に収納する際、各小片4を無作為に容器1に投入することができ、よって、その収納作業を容易かつ迅速に行うことができる。
また、各小片4は、その長手方向の途中で湾曲または屈曲していてもよく、捩じれていてもよい。また、各小片4の形状がそれぞれ異なっていてもよい。すなわち、各小片4の湾曲または屈曲の程度や、捩じれの程度、位置が異なっていてもよい。
また、後述する小片4の「最遠端間距離」とは、小片4を3次元空間で全方向から投影した投影形状のうち、最も面積が大きい投影形状の輪郭において、最も長い部分の長さのことを言う。例えば、図2に示すように、小片4がほぼ平らな形状の場合、長い方の対角線の長さが最遠端間距離となる。また、例えば、図3に示すように、小片4が捩じれている場合や、図4に示すように、一方向に湾曲している場合、対角線上に位置する角部同士を結ぶ直線のうち、長い方の直線の長さが最遠端間距離となる。また、例えば、図5に示すように、変曲点を複数有する湾曲形状をなしている場合、すなわち、側面視でS字状をなしている場合には、図5中矢印で示すような最も長い部分が最遠端間距離となる。
また、本明細書中では、各小片4の最遠端間距離の平均値を、最遠端間距離の平均値L2とする。また、最遠端間距離の平均値L2を算出するには、容器1に充填された全ての小片4の平均値を測定する必要はなく、無作為に抽出した16枚程度の小片4の最遠端間距離の平均値を算出し、その値を最遠端間距離の平均値L2とみなすことができる。
なお、小片4が長尺状ではない場合にも、その小片4を3次元空間で全方向から投影した投影形状のうち、最も面積が大きい投影形状の輪郭において、最も長い部分の長さが最遠端間距離となる。
また、小片4の最遠端間距離は、例えば、キーエンス社製VHX-5000等のデジタルマイクロスコープを用いて測定することができる。
このような小片4は、上述した形状の繊維基材2と、繊維基材2の少なくとも一方の面側に担持された吸水性樹脂3とを有している。吸水性樹脂3が繊維基材2の少なくとも一方の面側に担持されていることにより、繊維基材2の吸水性樹脂3が担持されている面に到達したインクQを吸収することができるとともに、その反対の裏側の面に到達したインクQを迅速に伝搬、浸透することができる。
なお、図示の構成では、繊維基材2の一方の面側のみに吸水性樹脂3が担持されているが、吸水性樹脂3は、繊維基材2の両側の面、すなわち、表側の面および裏側の面に、担持されていてもよい。この場合、表側の面と裏側の面とで、吸水性樹脂3の付着量が異なっているのが好ましい。これにより、インクQの吸収および伝搬をより好適に調整することができる。
以下、繊維基材2について説明する。
繊維基材2は、吸水性樹脂3をその表面に担持する支持体である。繊維基材2により、吸水性樹脂3を好適に担持させることができ、繊維基材2から吸水性樹脂3の脱落をより好適に防止することができる。また、小片4にインクQが付与された場合に、インクQを繊維基材2が一旦保持し、その後、吸水性樹脂3により効率よく送り込むことができ、小片4全体としてのインクQの吸収特性を向上させることができる。また、一般に、セルロース繊維等の繊維は、吸水性樹脂3に比べて安価であり、小片4の製造コストの低減の観点からも有利である。特に、古紙由来の繊維を用いた場合、上記のような効果はより顕著に発揮される。また、廃棄物の削減、資源の有効活用等の観点からも有利である。
繊維基材2を構成する繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の合成樹脂繊維;セルロース繊維、ケラチン繊維、フィブロイン繊維等の天然樹脂繊維やその化学修飾物等が挙げられ、これらを単独でまたは適宜混合して用いることができるが、セルロース繊維を主とするのが好ましく、ほぼ全部がセルロース繊維であるのがより好ましい。
セルロースは、好適な親水性を有する材料であるため、小片4にインクQが付与された場合に、インクQを好適に取り込むことができ、流動性が特に高い状態、例えば、粘度が10mPa・s以下の状態を速やかに脱することができるとともに、一旦取り込んだインクQを、好適に吸水性樹脂3に送り込むことができる。その結果、小片4全体としてのインクQの吸収特性を特に優れたものとすることができる。また、セルロースは、一般に吸水性樹脂3との親和性が高いため、繊維の表面に吸水性樹脂3をより好適に担持させることができる。また、セルロース繊維は、再生可能な天然素材で、各種繊維の中でも、安価で入手が容易であるため、小片4の生産コストの低減、安定的な生産、環境負荷の低減等の観点からも有利である。
なお、本明細書において、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロースを主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロースの他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。
繊維の平均長さは、特に限定されないが、0.1mm以上7mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上5mm以下であるのがより好ましく、0.1mm以上3mm以下であるのがさらに好ましい。繊維の平均幅は、特に限定されないが、0.05mm以上2mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上1mm以下であるのがより好ましい。
繊維の平均アスペクト比、すなわち、平均幅に対する平均長さの比率は、特に限定されないが、10以上1000以下であるのが好ましく、15以上500以下であるのがより好ましい。
以上のような数値範囲により、吸水性樹脂3の担持や、繊維によるインクQの保持およびインクQの吸水性樹脂3への送り込みをより好適に行うことができ、小片4全体としてのインクQの吸収特性をより優れたものとすることができる。
次に、吸水性樹脂3について説明する。
インク吸収体10の構成成分である吸水性樹脂3は、吸水性を有する樹脂であればよく、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、澱粉-アクリル酸グラフト共重合体、澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体、イソブチレンとマレイン酸との共重合体等、アクリロニトリル共重合体やアクリルアミド共重合体の加水分解物、ポリエチレンオキサイド、ポリスルフォン酸系化合物、ポリグルタミン酸や、これらの塩、架橋体等が挙げられる。ここで、吸水性とは、親水性を有し、水分を保持する機能を言う。吸水性樹脂3には、吸水するとゲル化するものが多い。
中でも、吸水性樹脂3は、側鎖に官能基を有する樹脂が好ましい。官能基としては、例えば、酸基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。
特に、吸水性樹脂3は、側鎖に酸基を有する樹脂であるのが好ましく、側鎖にカルボキシル基を有する樹脂であるのがより好ましい。
吸水性樹脂3を構成するカルボキシル基含有単位としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、ソルビン酸、ケイ皮酸やこれらの無水物、塩等の単量体から誘導されるものが挙げられる。
インク吸収体10が側鎖に酸基を有する吸水性樹脂3を含む場合、当該吸水性樹脂3中に含まれる酸基のうち中和されて塩を形成しているものの割合は、30mol%以上100mol%以下であるのが好ましく、50mol%以上95mol%以下であるのがより好ましく、60mol%以上90mol%以下であるのがさらに好ましく、70mol%以上80mol%以下であるのがもっとも好ましい。
これにより、インク吸収体10によるインクQの吸収性をより優れたものとすることができる。
中和の塩の種類は、特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニア等の含窒素塩基性物の塩等が挙げられるが、ナトリウム塩が好ましい。
これにより、インク吸収体10によるインクQの吸収性をより優れたものとすることができる。
側鎖に酸基を有する吸水性樹脂3は、インクQの吸収時に酸基同士の静電反発が起こり、吸収速度が速くなるため好ましい。また、酸基が中和されていると、浸透圧によりインクQが吸水性樹脂内部に吸収されやすくなる。
吸水性樹脂3は、酸基を含有していない構成単位を有していてもよく、このような構成単位としては、例えば、親水性の構成単位、疎水性の構成単位、重合性架橋剤となる構成単位等が挙げられる。
前記親水性の構成単位としては、例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクレリート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、N-アクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジン等のノニオン性化合物から誘導される構成単位等が挙げられる。
前記疎水性の構成単位としては、例えば、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソブテン、エチレン、プロピレン、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の化合物から誘導される構成単位等が挙げられる。
前記重合性架橋剤となる構成単位としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ビスフェノールジアクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、テトラアリルオキシエタン、ジアリルオキシ酢酸塩等から誘導される構成単位等が挙げられる。
吸水性樹脂3としては、吸収特性、コスト等の観点から、ポリアクリル酸塩共重合体またはポリアクリル酸重合架橋体が好ましい。
ポリアクリル酸重合架橋体としては、分子鎖を構成する全構成単位に占めるカルボキシル基を有する構成単位の割合が、50mol%以上のものが好ましく、80mol%以上のものがより好ましく、90mol%以上のものがさらに好ましい。
カルボキシル基を含有する構成単位の割合が少なすぎると、インクQの吸収特性を十分に優れたものとすることが困難になる可能性がある。
ポリアクリル酸重合架橋体中のカルボキシル基は、一部が中和されて塩を形成していることが好ましい。
ポリアクリル酸重合架橋体中の全カルボキシル基中に占める中和されているものの割合は、30mol%以上99mol%以下であるのが好ましく、50mol%以上99mol%以下であるのがより好ましく、70mol%以上99mol%以下であるのがさらに好ましい。
また、吸水性樹脂3は、前述した重合性架橋剤以外の架橋剤で架橋した構造を有していてもよい。
吸水性樹脂3が酸基を有する樹脂である場合、当該架橋剤としては、例えば、酸基と反応する官能基を複数持った化合物を好ましく用いることができる。
吸水性樹脂3が酸基と反応する官能基を有する樹脂である場合には、当該架橋剤として、分子内に酸基と反応する官能基を複数個有する化合物を好適に用いることができる。
酸基と反応する官能基を複数個有する化合物である架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物;(ポリ)グリセリン、(ポリ)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンジアミン等の多価アミン類等が挙げられる。また、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の多価イオン類等も、吸水性樹脂3が有する酸基と反応して架橋剤として機能するため、好適に用いることができる。
吸水性樹脂3は、例えば、鱗片状、針状、繊維状、粒子状等、いかなる形状をなしていてもよいが、その大半が粒子状をなしているのが好ましい。吸水性樹脂3が粒子状をなしている場合には、インクQの浸透性を容易に確保することができる。また、繊維基材2に吸水性樹脂3を好適に担持させることができる。なお、粒子状とは、最大長さと最少長さとの比が0.7以上1.0以下のもののことを言う。
粒子の平均粒径は、10μm以上800μm以下であるのが好ましく、20μm以上600μm以下であるのがより好ましく、30μm以上500μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果をより確実に発揮させることができる。
これに対し、粒子の平均粒径が小さすぎると、インク吸収体10の内部へのインクQの浸透性が低下しやすくなる。
また、粒子の平均粒径が大きすぎると、吸水性樹脂3の比表面積が小さくなり、インクQの吸収特性が低下し、インクQの吸収速度が低下する。
なお、本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径をいう。平均粒径は、例えば、レーザー回折・散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置、すなわちレーザー回折式粒度分布測定装置による測定で求めることができる。
粒子中には、吸水性樹脂以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、フィラー、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
吸水性樹脂3は、その全体が均一な構成を有するものであってもよいし、各部位で構成が異なるものであってもよい。例えば、吸水性樹脂3は、表面付近の領域、より具体的には、表面から厚さ1μm程度の領域が、他の部位に比べて、架橋度が高いものであってもよい。
これにより、インクQの吸収倍率、吸収速度、吸水性樹脂3の強度等をよりバランスよく向上させることができる。
また、吸水性樹脂3と繊維との密着性をより優れたものとすることができ、繊維が一旦保持したインクQを吸水性樹脂により効率よく送り込むことができ、インク吸収体10全体としての吸収特性をさらに向上させることができる。
また、図3に示すように、吸水性樹脂3は、繊維基材2の一方の面側に担持されている。また、吸水性樹脂3は、繊維基材2の一方の面から内側に一部が入り込んでいる。すなわち、吸水性樹脂3は、一部が繊維基材2に含浸している。これにより、吸水性樹脂3の繊維基材2に対する担持力を高めることができる。よって、容器1内で吸水性樹脂3が脱落するのを防止することができる。その結果、高いインクQの吸収特性を長期にわたって発揮することができるとともに、吸水性樹脂3が容器1内で偏在するのを防止することができ、インクQの吸収特性にムラが生じるのを防止することができる。
なお、本明細書中における「含浸」とは、吸水性樹脂3の粒子の少なくとも一部が繊維基材2の表面から内側に入り込んでいる埋入状態のことを言う。また、全ての粒子が含浸していなくてもよい。また、吸水性樹脂3の粒子が軟化によって繊維基材2内を貫通し、繊維基材2の裏面にまで出ている状態も含んでいる。
小片4における吸水性樹脂3の含有量は、繊維に対して、25質量%以上300質量%以下であるのが好ましく、50質量%以上150質量%以下であるのがより好ましい。これにより、吸水性および浸透性を十分に確保することができる。
小片4における吸水性樹脂3の含有量が少なすぎると、吸水性が不十分になる可能性が有る。一方、小片4における吸水性樹脂3の含有量が多すぎると、小片4の膨張率が大きくなる傾向を示し、浸透性が低下するおそれがある。
また、小片4は、前述した以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、フィラー、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等の着色剤、難燃剤、流動性向上剤等が挙げられる。
小片4中におけるその他の成分の含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以下であるのがより好ましい。
次に、容器1について説明する。
図1に示すように、容器1は、インク吸収体10を収納する収容空間93を有する容器本体9と、容器本体9に着脱自在に装着される蓋体8と、を備えている。
容器本体9は、平面視で例えば四角形状をなす底部91と、底部91の縁部から上方に向かって立設した4つの側壁部92とを有する箱状をなすものである。そして、4つの側壁部92の上端側、すなわち、底部91と反対側を蓋体8が塞いでおり、底部91と、4つの側壁部92と、蓋体8に囲まれた収容空間93内に、インク吸収体10を収納することができる。換言すれば、底部91、4つの側壁部92および蓋体8は、収容空間93を画成する壁部である。
なお、以下では、底部91の収容空間93に臨む面を底面910と言い、側壁部92の収容空間93に臨む面を内側面920と言う。
なお、容器本体9は、平面視で四角形状をなす底部91を有するものに限定されず、例えば、平面視で円形状をなす底部91を有し、全体が円筒状のものであってもよい。
また、容器本体9の容積、すなわち、収容空間93の容積をV1とし、インクQを吸収する前、すなわち、吸水前のインク吸収体10の総体積をV2としたとき、V1とV2の比V2/V1は、0.1以上1.0以下であるのが好ましく、0.4以上0.9以下であるのがより好ましい。これにより、容器本体9内には、インク吸収体10の上側に空隙95が生じる。インク吸収体10は、インクQを吸収した後に一旦膨張する(膨潤する)。空隙95は、インク吸収体10が膨張した際のバッファーとなり、よって、インク吸収体10は、インクQを十分に吸収することができる。
本実施形態では、容器本体9は、硬質のもの、すなわち、容器本体9に内圧または外力が作用した場合に、容積V1が例えば10%以上変化しない程度の形状保持性を有するものである。これにより、容器本体9は、インク吸収体10がインクQを吸収した後膨張して、そのインク吸収体10からの力を内側から受けても、容器本体9自身の形状を維持することができる。よって、印刷装置200内での容器本体9の設置状態が安定し、インク吸収体10がインクQを安定して吸収することができる。
容器本体9は、インクQを透過しない材料で構成されていれば、その構成材料は、特に限定されない。このような容器本体9の構成材料としては、例えば、環状ポリオレフィンやポリカーボネート等のような各種樹脂材料を用いることができる。また、容器本体9の構成材料としては、前記各種樹脂材料の他に、例えば、アルミニウムやステンレス鋼等のような各種金属材料を用いることができる。
なお、容器本体9は、硬質のものに限定されず、可撓性を有するもの、すなわち、容器本体9に内圧または外力が作用した場合に、容積V1が10%以上変化するものであってもよい。
また、容器本体9は、内部視認性を有する透明または半透明なもの、または、不透明なもののいずれでもよいが、容器本体9および後述する蓋体8の少なくとも一部が内部視認性を有するものが好ましい。
前述したように、液体吸収器100は、蓋体8を備えている。図1に示すように、蓋体8は、板状をなし、容器本体9の上部開口部94に嵌合することができる。この嵌合により、上部開口部94を液密的に封止することができる。これにより、例えば、インクQがチューブ203から排出されて落下した際に、インク吸収体10に衝突して跳ね上がった場合でも、そのインクQが外方に飛散するのを防止することができる。よって、インクQが液体吸収器100の周辺に付着して汚れるのを防止することができる。
蓋体8の中央部には、チューブ203が接続され、収容空間93内にインクQを供給する供給部としての供給口81が形成されている。供給口81は、蓋体8を厚さ方向に貫通した貫通孔で構成されている。そして、この供給口81に、チューブ203の下流側の端部を挿入して接続することができる。また、このとき、チューブ203の排出口203aは、下方を向く。なお、供給口81は、蓋体8の中央部からズレた位置に形成されていてもよい。
また、蓋体8は、インクQを吸収する吸収性を有していてもよいし、インクQを弾く撥液性を有していてもよい。
蓋体8の厚さとしては、特に限定されず、例えば、1mm以上20mm以下であるのが好ましく、8mm以上10mm以下であるのがより好ましい。なお、蓋体8は、このような数値範囲の板状をなすものに限定されず、それよりも薄いフィムル状(シート状)のものであってもよい。この場合、蓋体8の厚さとしては、特に限定されず、例えば、10μm以上1mm未満であるのが好ましい。
また、蓋体8は、水蒸気透過性を有するのが好ましい。これにより、吸収したインクQから蒸発した水分を外側に透過させることができる。よって、インク吸収体10がインクQを吸収可能な量をより多く確保することができる。
また、蓋体8の水蒸気透過度は、1.0g/m・日(40℃・90%RH)以上5000g/m・日(40℃・90%RH)以下であるのが好ましく、2.0g/m・日(40℃・90%RH)以上2000g/m・日(40℃・90%RH)以下であるのがより好ましい。これにより、上記効果をより確実に発揮することができる。
このような容器本体9および蓋体8の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料を好適に用いることができる。樹脂材料としては、各種熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の各種硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような容器1は、収容空間93を第1収容空間931および第2収容空間932に仕切る仕切り部7を有する。仕切り部7は、複数、図示の構成では、8つの突出部71を有する。以下では、8つの突出部71を、突出部71A、突出部71B、突出部71C、突出部71D、突出部71E、突出部71F、突出部71Gおよび突出部71Hとする。突出部71A~突出部71Hは、底部91の底面910から上方に向かって、すなわち、収容空間93に向かって突出して設けられている。また、突出部71A~突出部71Hは、蓋体8側から見たとき、円形をなすように互いに離間して等間隔で配置されている。
突出部71A~突出部71Hは、それぞれ、丸棒状をなしている。突出部71A~突出部71Hの外径、すなわち、最大幅は、0.1mm以上10mm以下であるのが好ましく、0.5mm以上5mm以下であるのがより好ましい。なお、突出部71A~突出部71Hは、図示のような丸棒状のものに限定されず、例えば、角柱状のものであってもよい。また、材質は、樹脂等の材料に限定されるものでは無く、パルプを含有した多孔質吸収体等であったり、また、この表面に凹凸を付けてより引っ掛かりを付ける等の形状で構成されていても良い。
このように突出部71は、容器本体9の収容空間93に臨む底面910、すなわち、底部91の内面から突出して設けられている。容器本体9の底部91付近は、重力の影響で小片4が密集しやすい部分である。上記構成により、突出部71は、その突出長さによらず底部91の付近に存在することとなり、本発明の効果をより確実に得ることができる。
また、突出部71の先端711の底面からの高さは、容器本体の深さの50%以上100%以下であるのが好ましく、60%以上90%以下であるのがより好ましい。これにより、突出部71の長さを十分に確保することができ、底部91から遠い位置、すなわち、収容空間93のうち比較的高い位置でも本発明の効果を発揮することができる。また、突出部71の表面積を十分に大きくすることができ、小片4との接触面積を十分に確保することができる。その結果、小片4の不本意な移動をより効果的に防止または抑制することができる。さらに、インク吸収体10の充填量も比較的多くすることができる。
このような仕切り部7によって仕切られている第2収容空間932は、蓋体8側から見たとき、供給口81と重なっている。このため、供給口81から供給されたインクQは、まず、第2収容空間932内に供給される。そして、第2収容空間932内のインクQは、突出部71A~突出部71Hのうちの隣り合う突出部との間に形成されている間隙Gを介して、第1収容空間931に流出し、収容空間93の全体に浸透していく。すなわち、間隙Gは、インクQが通過する連通部として機能する。
このように、仕切り部7は、第1収容空間931と第2収容空間932との間を液体であるインクQが通過する連通部としての間隙Gを有する。これにより、インクQを間隙Gを介して収容空間93の全体に浸透させることができる。
ここで、本実施形態では、第1収容空間931には、インク吸収体10が充填されており、第2収容空間932には、インク吸収体10が充填されていない。なお、第2収容空間932にもインク吸収体10が収容されていてもよい。
このように、仕切り部7によって仕切られた第1収容空間931および第2収容空間932では、インク吸収体10の充填密度、すなわち、かさ密度が異なっており、第2収容空間932におけるインク吸収体10のかさ密度は、第1収容空間931におけるインク吸収体10のかさ密度よりも低い。
また、第1収容空間931におけるインク吸収体10のかさ密度は、0.01g/cm以上0.50g/cm以下であるのが好ましく、0.05g/cm以上0.30g/cm以下であるのがより好ましく、0.08g/cm以上0.25g/cm以下であるのが特に好ましい。これにより、通液性および吸収容量を高い水準で両立することができる。
また、第2収容空間932におけるインク吸収体10のかさ密度は、0g/cm以上0.40g/cm以下であるのが好ましく、0.04g/cm以上0.25g/cm以下であるのがより好ましく、これらの中でも0.05g/cm以上0.20g/cm以下であるのが特に好ましい。これにより、通液性および吸収容量を高い水準で両立することができる。
また、容器1は、収容空間93を、第1収容空間931と、第1収容空間931よりも小片4の充填密度が低い第2収容空間とに仕切る仕切り部7を有し、突出部71は、仕切り部7に属する。このように、インクQが先に供給される第2収容空間932は、インク吸収体10が充填されていないか、または、インク吸収体10のかさ密度が第1収容空間931よりも低い。これにより、インク吸収体10がインクQを吸収することによって生じるインク吸収体10の膨潤が原因で、第2収容空間932にて目詰まりが生じるのを防止または抑制することができる。すなわち、第2収容空間932に供給されたインクQは、各間隙Gを介して速やかに第1収容空間931に流出し、第1収容空間931のインク吸収体10に浸透、吸収される。
容器1は、第2収容空間932に液体としてのインクQを供給する供給部としての供給口81を有する。これにより、インクQを先に第2収容空間932に供給することができ、上述したような効果が得られる。
さて、このような液体吸収器100では、インク吸収体10が複数の小片4を有する小片集合体であるがゆえに、インクQの吸収特性に優れるが、容器1に外力が加わったり、容器1の向きが変わったりすると変形しやすい。すなわち、小片4は、吸収特性に優れるが、容器1内で移動しやすい。この移動の程度によっては、インク吸収体10全体で見たとき、吸収特性にムラが生じたり、所望のかさ密度分布が得られない可能性がある。これに対し、本発明では、以下のような構成とすることにより、小片4の移動を防止または抑制することが可能であることを見出した。以下、このことについて説明する。
前述したように、突出部71A~突出部71Hにおいて、隣り合う突出部同士の間隔は同じであるため、以下、突出部71Aに着目して説明する。
本発明では、突出部71Aの先端711と、突出部71Aとは異なる構造体との最小離間距離をL1としたとき、0<L1/L2≦1.80を満足する。
ここで、「突出部71Aとは異なる構造体」は、突出部71B~突出部71Hや、容器1の壁部、すなわち、底部91、4つの側壁部92および蓋体8が挙げられる。そして、「突出部71Aとは異なる構造体との最小離間距離」は、図示の構成では、隣り合う突出部71Bまたは突出部71Hとの離間距離のことを言う。
なお、本実施形態では、突出部71A~突出部71Hのどの突出部に着目しても、最も近い構造体は、隣り合う突出部であるが、容器1の壁部、すなわち、底部91、4つの側壁部92および蓋体8が最も近い構造体である場合には、その部位との距離が最小離間距離となる。
また、突出部71A~突出部71Hのように、先端711に面を有している場合には、その先端面を「先端」とする。例えば、図7に示すように、突出部71Aの先端711と、突出部71Bの先端711との最小離間距離L1は、先端711の縁部のうちの最も突出部71Bに近い点と、突出部71Bの先端711の縁部のうちの最も突出部71Aに近い点とを結んだ直線の長さとなる。
このように、容器1は、複数の突出部71A~突出部71Hを備え、最小離間距離L1は、隣接する突出部の先端711同士の距離である。これにより、以下で述べるような本発明の効果をより確実に発揮することができる。
このような最小離間距離L1と、前述した小片4の最遠端間距離の平均値L2とが、0<L1/L2≦1.80を満足することにより、突出部71A~突出部71Hのうち隣接する突出部同士の間に形成された間隙Gを、インクQが通過することは許容するが、小片4が通過、すなわち、移動するのを効果的に防止または抑制することができる。その結果、インク吸収体10全体として、インクQの浸透性を十分に確保しつつ、ムラなく優れた吸収特性を発揮することができる。
L1/L2が1.80である場合、図7に示すように、小片4が突出部71に対して傾斜した状態であっても、間隙Gを通過することはできないため、上記効果を発揮することができる。なお、この場合、当然、インクQは間隙Gを通過することができる。
L1/L2>1.80であると、図7に示すような傾斜した状態の小片4が通過してしまう確率が高くなり、小片4の移動防止という効果を顕著に発揮できない。
一方、0<L1/L2であるため、間隙GをインクQが通過することができる。なお、L1/L2が0であると、間隙Gが実質的に形成されていないこととなるので、インクQが第1収容空間931に流出することができない。
以上より、インクQの通過を許容しつつ、間隙Gを介した小片4の移動を防止または抑制することができる。これにより、第1収容空間931内の小片4が第2収容空間932内に不本意に入り込んでしまうのを効果的に防止または抑制することができ、上述したような第1収容空間931および第2収容空間932でのインク吸収体10のかさ密度の関係を効果的に維持することができる。さらに、第1収容空間931にまでインクQが良好に浸透し、第1収容空間931内のインク吸収体10がインクQを良好に吸収することができる。また、突出部71が設けられている分、小片4と容器1との接触面積を増大させることができ、容器1に外力が加わったとしてもインク吸収体10の全体形状を所望の形状に保ちやすい。
0<L1/L2≦1.80を満足すれば、本発明の効果を十分に発揮することができるが、0.01<L1/L2≦1.75を満足するのがより好ましく、0.1<L1/L2≦1.70を満足するのが特に好ましい。これにより、間隙Gを介した小片4の移動をより効果的に防止または抑制することができる
また、L1は、0.5mm以上100mm以下であるのが好ましく、1.0mm以上70mm以下であるのがより好ましい。また、L2は、0.3mm以上50mm以下であるのが好ましく、0.5mm以上40mm以下であるのがより好ましい。
以上説明したように、本発明の液体吸収器100は、繊維を含有する繊維基材2と、吸水性樹脂3とを含む小片4を複数有する小片集合体で構成された液体吸収体としてのインク吸収体10と、インク吸収体10を収容する収容空間93を画成する壁部である底部91、4つの側壁部92および蓋体8と、壁部から収容空間93内に向って突出して設けられた突出部71と、を有する容器1と、を備える。また、突出部71の先端711と、突出部71とは異なる構造体、本実施形態では、隣接する突出部との最小離間距離をL1とし、小片4の最遠端間距離の平均値をL2としたとき、0<L1/L2≦1.80を満足する。このような本発明によれば、液体、すなわち、インクQを全体に浸透させることができるとともに、小片4の容器1内での不本意な移動を効果的に防止または抑制することができる。その結果、インク吸収体10全体として、インクQの浸透性を十分に確保しつつ、ムラなく優れた吸収特性を発揮することができる。
<第2実施形態>
図8は、本発明の液体吸収器の第2実施形態を蓋体側から見た図である。図9は、図8に示す突出部の拡大斜視図である。
以下、この図を参照して本発明の液体吸収器の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、突出部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態では、仕切り部7は、4つの突出部72、すなわち、突出部72A、突出部72B、突出部72Cおよび突出部72Dを有する。突出部72A~突出部72Dは、それぞれ板状をなしており、底部91の収容空間93に臨む面、すなわち、底面910から突出して設けられている。突出部72A~突出部72Dは、互いに離間して設けられており、隣り合う突出部同士の間に間隙Gが形成されている。
突出部72Aと突出部72Cとは平行に設けられており、突出部72Bと突出部72Dとは、突出部72Aおよび突出部72Cが対向する方向と90°ずれて平行に設けられている。
このような仕切り部7では、図9に示すように、隣り合う突出部72の先端、すなわち、先端面721同士の離間距離が最小離間距離となる。
このような本実施形態においても、隣接する突出部72との最小離間距離をL1とし、小片4の最遠端間距離の平均値をL2としたとき、0<L1/L2≦1.80を満足する。これにより、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第1実施形態よりも間隙Gの合計の幅が小さいため、小片4の不本意な移動をさらに効果的に防止または抑制することができる。
<第3実施形態>
図10は、本発明の液体吸収器の第3実施形態を蓋体側から見た図である。図11は、図10中矢印A方向から見た図である。
以下、この図を参照して本発明の液体吸収器の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、突出部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図10に示すように、本実施形態では、仕切り部7は、1つの突出部73を有する。突出部73は、板状をなし、底部91の収容空間93に臨む面、すなわち、底面910から突出して設けられている。また、図10に示すように、突出部73は、その辺方向が、隣接する側壁部92に対して傾斜して設けられている。このため、突出部73および側壁部92との間の空間が、上方から見たとき略三角形の空間である第2収容空間932が形成される。また、突出部73と、近接する側壁部92との間には2つの間隙Gが形成されている。本実施形態では、2つの間隙Gの幅は同じである。
また、本実施形態では、供給口81は、蓋体8側から見たとき、側壁部92の角部の近傍側に位置している。すなわち、供給口81は、蓋体8側から見たとき、第2収容空間932と重なっている。これにより、供給口81から供給されたインクQは、先に第2収容空間932に供給され、間隙Gを介して第2収容空間932の外側、すなわち、第1収容空間931に供給される。
このような仕切り部7では、図11に示すように、突出部73の先端、すなわち、先端面731と側壁部92の内側面920との離間距離が最小離間距離L1となる。
このように、L1は、突出部73の先端と、側壁部92との距離である。これにより、図示のような構成であっても、上述した本発明の効果をより確実に発揮することができる。
このような本実施形態においても、突出部73と隣接する構造体である側壁部92との最小離間距離をL1とし、小片4の最遠端間距離の平均値をL2としたとき、0<L1/L2≦1.80を満足する。これにより、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第1実施形態よりも間隙Gの合計の幅が小さいため、小片4の不本意な移動をさらに効果的に防止または抑制することができる。
<変形例1>
図12は、図11に示す突出部の変形例を示す斜視図である。
図12に示すように、突出部73は、底部91側の縁部の一部が切り欠かれた切欠き732を有する。図示の構成では、切欠き732は、突出部73の付け根、すなわち、基端部の辺の中央部に形成された貫通孔で構成されている。このような変形例1では、切欠き732が形成されている分、インクQが第2収容空間932から第1収容空間931に流出しやすくなる。なお、切欠き732の形状は、図示の構成に限定されない。
<変形例2>
図13は、図11に示す突出部の変形例を示す斜視図である。
図13に示すように、突出部73は、底部91側の一方の角部が切り欠かれた切欠き733を有する。このような変形例2では、切欠き733が形成されている分、インクQが第2収容空間932から第1収容空間931に流出しやすくなる。
なお、図示の構成に限定されず、底部91側の双方の角部が切り欠かれていてもよい。すなわち、切欠き733は、2つ設けられていてもよい。
<変形例3>
図14は、図11に示す突出部の変形例を示す斜視図である。
図14に示すように、突出部73は、側壁部92から隣接する側壁部92に向かって突出して設けられている。換言すれば、突出部73は、側壁部92から隣り合う側壁部92に架設されていると言うことができる。また、突出部73は、底部91から離間して設けられている。変形例3では、突出部73の先端は、突出部73と側壁部92との境界のことを言う。
また、変形例3では、突出部73の先端731と底部91との離間距離が最小離間距離となる。
このような変形例3においても、突出部73と隣接する構造体である底部91との最小離間距離をL1とし、小片4の最遠端間距離の平均値をL2としたとき、0<L1/L2≦1.80を満足する。これにより、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、変形例3では、突出部73の全域が底部91と離間しているため、底部91を伝ってインクQが第2収容空間932から第1収容空間931に流出しやすい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記のものに限定されるものではない。
以上、本発明の液体吸収器を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
なお、以下の説明において、温度条件、湿度条件を示していない処理は、温度25℃、相対湿度35%の環境下で行ったものである。また、各種測定についても、温度条件、湿度条件を示していないものは、温度25℃、相対湿度35%で行った。
[1]試験用液体吸収器の製造
(実施例1)
まず、シート状の繊維基材として、縦30cm、横22cm、厚さ0.5mmの古紙であるトッパン・フォームズ社製、G80A4Wを用意した。また、紙の重さは4g/1枚であった。
次いで、この古紙に一方の面側から純水2gをスプレーで古紙の全面に塗布した。
次いで、側鎖に酸基としてのカルボキシル基を有する吸水性樹脂であるポリアクリル酸重合架橋体としてのサンフレッシュ 500MPSA(三洋化成工業社製)を、古紙の純水を塗布した面側から付与した。この際、吸水性樹脂を、目開き寸法が0.106mmの網目を有するふるい(JTS-200-45-106 東京スクリーン社製)にかけながら付与した。古紙1枚当たりの吸水性樹脂の塗布量は、3gであった。
そして、吸水性樹脂が付着した面に谷が形成されるようにして、古紙を半分に折り曲げた。この折り曲げた状態で、一対の加熱ブロックを用いて、シート状の繊維基材をその厚さ方向に加圧するとともに加熱した。加圧は、0.15kg/cmで行い、加熱温度は、100℃であった。また、加熱、加圧を行った時間は、120秒間であった。
そして、加熱、加圧を解除して、室温で12時間放置し、シート状の繊維基材が常温になったら、シート状の繊維基材を、基本シュレッドサイズが2mm×15mmのシュレッダー(石澤製作所社製、SeCuretシリーズ F403S)を用いて、幅2mm、長さ15mmの短冊形状に切断することにより、複数の小片の集合体を得た。
小片における吸水性樹脂の含有量は、繊維に対して75質量%であり、吸水性樹脂の平均粒径は、35~50μmであった。また、各小片では、吸水性樹脂は、繊維基材中に含浸していた。
この様にマルチカットシュレッダで裁断小片化する事で、切断時のせん断力の差や、材料個片内の応力ひずみにより不定形に変形した小片の集合体で構成された液体吸収体を製造した。
なお、無作為に抽出した16枚の小片の最遠端間距離の平均値L2は、9.5mmであった。
次に、図15~図18中の写真に示すようなブロック状の構造体を2つ用意し、平面上に配置した。この際、2つの構造体が互いに一定距離離間した状態になるように平行に配置した。そして、各構造体の間隙を跨ぐように、1枚の板部材を各造体の上面に配置した。すなわち、各構造体の上面に1枚の板部材が架設されるように板部材を配置した。
各構造体の離間距離を、前記実施形態で述べた「最小離間距離L1」とみなすこととした。実施例1では、L1=14.25mmであった。
そして、作成した液体吸収体をそれぞれ、表1に示す重量、かさ密度で配置した。なお、この配置の際、液体吸収体が各構造体の間隙よりも大きい塊状になるように板部材上に配置し、試験用液体吸収器を得た。
(実施例2~6、比較例1~3)
小片の構成、重量、かさ密度およびL1、L2を表1に示す通りとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2~6、比較例1~3の試験用液体吸収器を得た。
[2]評価
次いで、液体吸収体がその位置に残るように板部材を引き抜いた。この際、一方の手で液体吸収体を軽く抑えつつ、他方の手で板部材を引き抜いた。そして、板部材が引き抜かれた後の液体吸収体を目視で確認し、以下のように評価を行った。
A:小片の落下なし(図15参照)
B:小片の落下が少なく、小片集合体が間隙にかけ渡された状態(図16参照)
C:小片の落下がやや多く、小片集合体が水平方向に垂れつつも間隙にかけ渡された状態(図17参照)
D:小片の落下が多く、小片集合体が間隙にかけ渡されていない状態(図18参照)
これらの結果を表1に示す。
Figure 0007326907000001
表1および図15~図17に示すように、0<L1/L2≦1.80を満足する各実施例1~6に関しては、満足のいく結果が得られた。特に、L1/L2が1.5である実施例1、3、5に関しては、特に優れた評価が得られた。また、0<L1/L2≦1.80を満足しない比較例1~3に関しては、図18に示すように、小片集合体が崩落してしまい、小片の移動を防止または抑制することができない。
また、市販の各種インクを含んだ状態において上記と同様の評価を行ったが、この場合も同じ結果であった。
100…液体吸収器、10…インク吸収体、1…容器、2…繊維基材、3…吸水性樹脂、4…小片、7…仕切り部、71…突出部、71A…突出部、71B…突出部、71C…突出部、71D…突出部、71E…突出部、71F…突出部、71G…突出部、71H…突出部、711…先端、72…突出部、72A…突出部、72B…突出部、72C…突出部、72D…突出部、721…先端面、73…突出部、731…先端、732…切欠き、733…切欠き、81…供給口、8…蓋体、9…容器本体、91…底部、910…底面、92…側壁部、920…内側面、93…収容空間、931…第1収容空間、932…第2収容空間、94…上部開口部、95…空隙、200…印刷装置、201…インク吐出ヘッド、201a…ノズル、202…キャッピングユニット、203…チューブ、203a…排出口、204…ローラーポンプ、204a…ローラー部、204b…挟持部、205…回収部、G…間隙、L1…最小離間距離、L2…平均値、Q…インク

Claims (7)

  1. 繊維を含有する繊維基材と、吸水性樹脂とを含む小片を複数有する小片集合体で構成さ
    れた液体吸収体と、
    前記液体吸収体を収容する収容空間を画成する壁部と、前記壁部から前記収容空間内に
    向って突出して設けられた突出部と、を有する容器と、を備え、
    前記突出部の先端と、前記突出部とは異なる構造体との最小離間距離をL1とし、前記
    小片の最遠端間距離の平均値をL2としたとき、
    0<L1/L2≦1.80を満足することを特徴とする液体吸収器。
  2. 前記突出部は、前記容器本体の前記収容空間に臨む底面から突出して設けられている請
    求項1に記載の液体吸収器。
  3. 前記突出部の前記先端の前記底面からの高さは、前記容器本体の深さの50%以上であ
    る請求項2に記載の液体吸収器。
  4. 前記突出部は、前記容器本体の前記収容空間に臨む側面から突出して設けられている請
    求項1に記載の液体吸収器。
  5. 前記容器は、前記収容空間を、第1収容空間と、前記第1収容空間よりも前記小片の充
    填密度が低い第2収容空間とに仕切る仕切り部を有し、
    前記突出部は、前記仕切り部に属する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体吸
    収器。
  6. 前記容器は、複数の前記突出部を備え、
    前記L1は、隣接する前記突出部の先端同士の距離である請求項1に記載の液体吸収器
  7. 前記L1は、前記突出部の先端と、前記壁部との距離である請求項1に記載の液体吸収
    器。
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