JP7327089B2 - 液体吸収システム、液体吸収ユニットおよび画像形成装置 - Google Patents

液体吸収システム、液体吸収ユニットおよび画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体吸収システム、液体吸収ユニットおよび画像形成装置に関するものである。
インクジェットプリンターでは、インクの目詰まりによる印刷品質の低下を防止するために実施されるヘッドクリーニング動作、インクカートリッジ交換後のインク充填動作等の際に、廃インクが発生する。このような廃インクを吸収するため、インクジェットプリンターには液体吸収体を備えた液体吸収器が設けられている。
例えば、特許文献1には、吸水性ポリマーを含むインク廃液吸収体が開示されている。このようなインク廃液吸収体によれば、吸水性ポリマーによってインク廃液が吸収されるとともに、吸収されたインク廃液が保持される。
特開2007-8126号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインク廃液吸収体は、主に顔料インクの使用を想定したものである。このため、特許文献1に記載のインク廃液吸収体に染料インクを吸収させた場合、吸収量が低下するという問題が生じる。この理由について、本発明者は、染料インクに含まれた金属イオンが、インク廃液吸収体の吸収量を低下させていることを見出した。これを踏まえ、吸水性ポリマーによる廃液保持特性を活かしつつ、染料インクのように金属イオンを含む液体にも適応する液体吸収システムまたは液体吸収ユニットを開発することが求められている。
本発明の液体吸収システムは、
金属イオンを含有する液体が送液される配管と、
前記配管で送液された前記液体を排出する排出部と、
前記排出部から排出された前記液体を回収する容器と、
前記容器に収容され、前記液体を吸収する高分子吸収体を有する吸収部と、
前記液体が含有する前記金属イオンの濃度を低下させる金属イオン濃度低下部と、
を備え、
前記金属イオン濃度低下部は、前記液体が前記吸収部に接触するよりも前に前記液体と接触する位置に設けられていることを特徴とする。
本発明の液体吸収ユニットは、
金属イオンを含有する液体を導入する導入部から導入された前記液体を回収する容器と、
前記容器に収容され、前記液体を吸収する高分子吸収体を有する吸収部と、
前記容器に収容され、前記液体が含有する前記金属イオンの濃度を低下させる金属イオン濃度低下部と、
を備え、
前記金属イオン濃度低下部は、前記液体が前記吸収部に接触するよりも前に前記液体と接触する位置に設けられていることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、
本発明の液体吸収システムまたは本発明の液体吸収ユニットを備えることを特徴とする。
第1実施形態に係る画像形成装置および液体吸収システムを示す部分垂直断面図である。 図1の吸収部を構成する小片を説明するための図である。 図1の吸収部を構成する小片を説明するための図である。 図1に示す金属イオン濃度低下部の拡大断面図である。 図1に示す液体吸収システムが有する吸収部の製造方法を説明するための図である。 図1に示す液体吸収システムが有する吸収部の製造方法を説明するための図である。 図1に示す液体吸収システムが有する吸収部の製造方法を説明するための図である。 第2変形例に係る液体吸収システムを示す部分垂直断面図である。 第3変形例に係る液体吸収システムを示す部分垂直断面図である。 第2実施形態に係る液体吸収ユニットを示す部分垂直断面図である。 図10に示す液体吸収ユニットの水平断面図である。 第4変形例に係る液体吸収ユニットを示す部分垂直断面図である。
以下、本発明の液体吸収システム、液体吸収ユニットおよび画像形成装置を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係る画像形成装置および液体吸収システムについて説明する。
1.1 画像形成装置
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置および液体吸収システムを示す部分垂直断面図である。なお、本願の各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定している。そして、各軸を矢印で表し、矢印の先端側を各軸の「プラス側」、基端側を各軸の「マイナス側」という。また、Z軸プラス側を「上」、Z軸マイナス側を「下」という。
図1に示す画像形成装置200は、例えばインクジェット式のカラープリンターである。この画像形成装置200は、液体の一例であるインクQの廃液Q’を回収する液体吸収システム100を備えている。
画像形成装置200は、インクQを吐出するインク吐出ヘッド201と、インク吐出ヘッド201のノズル201aの目詰まりを防止するキャッピングユニット202と、キャッピングユニット202と液体吸収システム100とを接続するチューブ203と、インクQをキャッピングユニット202から送液するローラーポンプ204と、回収部205と、を備えている。
インク吐出ヘッド201は、下方に向かってインクQを吐出するノズル201aを複数有している。このインク吐出ヘッド201は、紙等のような記録媒体に対して移動しつつ、インクQを吐出して、印刷を施すことができる。
キャッピングユニット202は、インク吐出ヘッド201が待機位置にあるときに、ローラーポンプ204の作動により、各ノズル201aを一括して吸引する。これにより、各ノズル201aからインクQが吸引され、ノズル201aの目詰まりが防止される。
チューブ203は、キャッピングユニット202を介して吸引されたインクQを液体吸収システム100まで導く管路である。このチューブ203は、可撓性を有している。
ローラーポンプ204は、チューブ203の途中に配置されており、回転するローラー部204aを有している。ローラー部204aが回転することにより、チューブ203を圧縮し、真空状態を部分的に形成することによって、キャッピングユニット202に吸引力を生じさせる。そして、ローラー部204aが回転し続けることにより、ノズル201aに付着したインクQを回収部205まで送り込むことができる。
回収部205は、容器31と、チューブ203と容器31とを接続する配管36と、容器31に収容された吸収部34と、を備えている。インクQは、回収部205に送り込まれ、廃液Q’として回収される。
インクQとしては、例えば、水系溶媒に色材が溶解した水系インク、溶剤にバインダーが溶解した溶剤系インク、UV(Ultra Violet)照射により硬化する液状のモノマー中にバインダーが溶解したUV硬化性インク、分散媒にバインダーが分散したラテックスインク等が挙げられる。このうち、染料インクは、例えば水を主成分とし、金属イオン、有機溶媒、染料等を含む。
なお、前述したように、本実施形態では、回収部205により、液体吸収システム100が構成されている。本実施形態に係る液体吸収システム100は、インクQの廃液Q’を吸収するが、液体吸収システム100が吸収する液体は、インクQの廃液Q’に限定されず、その他の各種液体であってもよい。
1.2 液体吸収システム
図1に示す液体吸収システム100は、配管36と、廃液Q’を排出する排出部33と、容器31と、吸収部34と、金属イオン濃度低下部35と、を備えている。
1.2.1 配管
配管36は、図1に示す接続部40を介してチューブ203と接続されている。これにより、チューブ203を介して吸引された廃液Q’が、配管36へと送り込まれる。また、配管36は、後述する金属イオン濃度低下部35を介して排出部33と接続されている。このため、配管36に送り込まれた廃液Q’は、さらに金属イオン濃度低下部35を介して、排出部33に送り込まれる。なお、後述する説明では、配管36において排出部33側を「下流」、チューブ203側を「上流」という。
接続部40は、チューブ203と配管36とを接続する継手である。接続部40では、必要に応じて、チューブ203と配管36との接続状態を自在に解除可能になっていてもよい。これにより、液体吸収システム100を画像形成装置200の本体から取り外したり、取り付けたりすることが可能になる。このため、例えば液体吸収システム100において廃液Q’の吸収量が限界に達した場合、新たな液体吸収システム100への交換作業を容易に行うことができる。
1.2.2 容器
容器31は、上方からの平面視で略長方形をなす底部311と、底部311の各辺から上方に向かって立設された4つの側壁部312と、を有する箱状をなしている。そして、底部311と4つの側壁部312とに囲まれた収容空間313内に吸収部34が収容されている。
なお、容器31は、平面視で略長方形をなす底部311を有するものに限定されず、例えば、平面視で円形状をなす底部311を有し、全体が円筒状のものであってもよいし、底部311の平面視形状が多角形やその他の形状であるものでもよい。
容器31は、可撓性を有していてもよいが、硬質であるのが好ましい。硬質の容器31とは、内圧または外圧が作用した場合に、容積が10%以上変化しない程度の剛性を有する容器のことをいう。このような容器31は、例えば吸収部34が廃液Q’を吸収した後、膨張することによる力を内側から受けた場合でも、容器31の形状を維持することができる。これにより、画像形成装置200内での容器31の設置状態が安定する。
容器31の構成材料は、インクQを透過しない材料であればよく、特に限定されないが、例えば、環状ポリオレフィンやポリカーボネート等のような各種樹脂材料、アルミニウムやステンレス鋼等のような各種金属材料等が挙げられる。
また、容器31は、透明または半透明であることにより、内部視認性を有するものとなるが、不透明であってもよい。
容器31の収容空間313の容積をV1とし、インクQの廃液Q’を吸収する前の吸収部34の総体積をV2としたとき、V1とV2の比V2/V1は、0.1以上0.7以下であるのが好ましく、0.2以上0.7以下であるのがより好ましい。これにより、容器31内には、空隙315が生じる。吸収部34は、インクQの廃液Q’を吸収した後に膨張することがあるが、空隙315は、吸収部34が膨張した際のバッファーとなる。よって、吸収部34は、十分な膨張を果たすことができ、廃液Q’を十分に吸収することができる。
また、図1に示す液体吸収システム100は、容器31に被せられた蓋体32を備えている。
蓋体32は、板状をなし、容器31の上部開口部314を液密的に封止することができる。これにより、例えば、廃液Q’が吸収部34に衝突した後、跳ね上がった場合でも、外方に飛散するのを防止することができる。なお、蓋体32は、容器31と一体になっていてもよく、容器31との封止部が通気性を有していてもよく、省略されていてもよい。
容器31の側壁部312には、挿入孔316が形成されている。挿入孔316は、側壁部312を厚さ方向に貫通した貫通孔である。そして、この挿入孔316に、配管36が挿入されている。
1.2.3 排出部
排出部33は、配管36に送り込まれた廃液Q’を吸収部34に向けて排出する。図1に示す排出部33は、後述する金属イオン濃度低下部35を介して、配管36の最も下流側に設けられている。また、図1に示す排出部33は、金属イオン濃度低下部35の下面に設けられ、下方(Z軸マイナス側)を向いている。排出部33から排出された廃液Q’は、その直下に滴下される。なお、排出部33の向きは、これに限定されず、下方以外の向きであってもよい。
1.2.4 吸収部
図2および図3は、図1の吸収部34を構成する小片2を説明するための図である。
図1に示す吸収部34は、図2および図3に示す小片2の集合体で構成されている。小片2は、図2および図3に示すように、繊維を有する基材5と、基材5に担持されている高分子吸収体である吸水性樹脂4と、を有している。吸収部34は、インクQの廃液Q’を吸収することにより、液体吸収システム100からの廃液Q’の漏れを抑制する。
小片2は、例えば、吸水性樹脂4を担持したシート状の古紙等をシュレッダー等によってチップ状に細かく裁断したものである。小片2は、可撓性を有する帯状であることが好ましい。これにより、小片2は、変形し易いものとなる。そのため、容器31に収容された際、小片2は、容器31の収容空間313の形状に応じて変形し、無理なく収容される。
小片2の全長、すなわち長辺の長さは、好ましくは0.5mm以上200mm以下であり、より好ましくは1mm以上100mm以下であり、さらに好ましくは2mm以上30mm以下である。
小片2の幅、すなわち短辺の長さは、好ましくは0.1mm以上100mm以下であり、より好ましくは0.3mm以上50mm以下であり、さらに好ましくは1mm以上20mm以下である。
小片2の幅に対する全長の比(アスペクト比)は、好ましくは1以上200以下であり、より好ましくは1以上30以下である。小片2の厚さは、好ましくは0.05mm以上2mm以下であり、より好ましくは0.1mm以上1mm以下である。
以上のような範囲であれば、吸水性樹脂4の担持や、基材5による廃液Q’の保持、廃液Q’の吸水性樹脂4への送り込みを、より好適に行うことができる。また、小片2の集合体で構成された吸収部34がより変形しやすくなり、容器31への形状追従性を向上させることができる。なお、小片2の形状は、チップ状に限定されず、それ以外の形状であってもよい。
吸収部34には、全長、幅、アスペクト比および厚さのうちの少なくとも1つが同じ小片2が含まれていてもよいし、これらが全て異なる小片2が含まれていてもよい。
吸収部34における、最大幅が3mm以下の小片2の含有量は、好ましくは30質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。これにより、吸収部34の廃液Q’の吸収特性にムラが生じることを抑制することができる。
なお、最大幅が3mm以下の小片2の含有量が前記下限値を下回ると、容器31に吸収部34を収容した際に、小片2同士の間に大きな間隙が形成されやすくなり、吸収部34における廃液Q’の吸収特性にムラが生じる場合がある。一方、最大幅が3mm以下の小片2の含有量が前記上限値を上回ると、小片2同士の間に間隙が形成されにくくなり、吸収部34のかさ密度を調整し難くなるおそれがある。
複数の小片2は、不均一な形状であってもよいが、共通の規則的な形状をなしていることが好ましい。これにより、吸収部34のかさ密度にムラが生じ難くなり、廃液Q’の吸収特性にムラが生じることを抑制することができる。吸収部34において、規則的な形状をなす小片2の含有量は、吸収部34全体のうちの30質量%以上であるのが好ましく、50質量%以上であるのがより好ましく、70質量%以上であるのがさらに好ましい。
複数の小片2は、容器31の収容空間313において、長辺が沿う方向に規則性を持たせず、ランダムになるように収容されているのが好ましい。これにより、小片2同士の間に間隙が形成されやすくなる。その結果、吸収部34における廃液Q’の浸透性をより高めることができる。
吸収部34のかさ密度は、好ましくは0.01g/cm以上0.5g/cm以下であり、より好ましくは0.03g/cm以上0.3g/cm以下であり、さらに好ましくは0.05g/cm以上0.2g/cm以下である。これにより、廃液Q’の浸透性とともに、毛細管現象に伴う保持性を確保することができる。
1.2.4.1 繊維
基材5に含まれる繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の合成樹脂繊維;セルロース繊維(パルプ繊維)、ケラチン繊維、フィブロイン繊維等の天然樹脂繊維やその化学修飾物等が挙げられ、これらを単独でまたは適宜混合して用いることができる。
このうち、ポリエステル繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリトリブチレンテレフタレート(PBT)繊維等が挙げられる。
また、ポリアミド繊維としては、例えば、ナイロンのような脂肪族ポリアミド繊維、アラミドのような芳香族ポリアミド繊維等が挙げられる。
セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース、つまり狭義のセルロースを主成分とし繊維状をなすものある。なお、セルロース繊維は、セルロースの他に、ヘミセルロース、リグニン等を含んでいてもよい。
基材5に含まれる繊維は、セルロース繊維であることが好ましい。セルロース繊維は、親水性を有する材料であるため、インクQの廃液Q’が付与された場合に好適に浸透させることができ、かつ、浸透させた廃液Q’を、吸水性樹脂4に効率よく送り込むことができる。また、セルロースは、一般に吸水性樹脂4との親和性が高いため、基材5の表面に吸水性樹脂4をより好適に担持させることができる。また、セルロース繊維は、再生可能な天然素材で、各種繊維の中でも安価で入手が容易である。例えば、古紙由来のセルロース繊維は、比較的低コストであるとともに、環境負荷の低減に寄与する。よって、セルロース繊維は、小片2の生産コストの低減、安定的な生産、環境負荷の低減等の観点からも有利である。
このように、本実施形態に係る吸収部34は、好ましくはセルロース繊維を有する基材5と、この基材5に担持されている高分子吸収体である吸水性樹脂4と、を有する小片2の集合体で構成されている。
このような構成によれば、吸収部34は、容器31に収容された際、収容空間313の形状に応じて変形し、無理なく収容されるという効果と、廃液Q’を効率よく基材5に浸透させ、吸水性樹脂4に効率よく吸収させるという効果と、を両立させることができる。また、このような吸収部34は、セルロースという自然由来の材料を用いることによって、基材5における吸水性樹脂4の担持性に優れ、かつ、環境負荷の低減に寄与するという効果も奏する。
基材5に含まれる繊維の平均長さは、特に限定されないが、0.1mm以上7.0mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上5.0mm以下であるのがより好ましく、0.2mm以上3.0mm以下であるのがさらに好ましい。
繊維の平均径は、特に限定されないが、0.05mm以上2.00mm以下であるのが好ましく、0.10mm以上1.00mm以下であるのがより好ましい。
繊維の平均アスペクト比、すなわち平均径に対する平均長さの比は、特に限定されないが、10以上1000以下であるのが好ましく、15以上500以下であるのがより好ましい。
なお、繊維の平均長さおよび平均径は、それぞれ100本以上の繊維についての長さの平均値および直径の平均値である。
以上のような範囲内であれば、吸水性樹脂4の担持や、基材5による廃液Q’の保持、廃液Q’の吸水性樹脂4への送り込みを、より好適に行うことができる。
なお、小片2が有する繊維は、基材5を構成するものに限定されず、繊維同士が絡み合った状態のものであってもよい。
1.2.4.2 吸水性樹脂
小片2に含まれる吸水性樹脂4は、図2および図3に示すように、基材5に担持されている。図示の例では、吸水性樹脂4は、基材5の一方の面5aにのみ担持されている。なお、図示はしないが、吸水性樹脂4は、基材5の他方の面5bに担持されていてもよく、双方に担持されていてもよい。このように、小片2は、吸水性樹脂4を担持した基材5によって構成される。
また、吸水性樹脂4は、図3に示すように、基材5の一方の面5aから内側に一部または全部が入り込んでいてもよい。すなわち、吸水性樹脂4は、一部が基材5に含浸していてもよい。これにより、基材5の吸水性樹脂4に対する担持力を高めることができ、吸水性樹脂4が基材5から脱落することを抑制することができる。その結果、小片2の集合体として構成される吸収部34は、廃液Q’に対する優れた吸収特性を長期にわたって発揮することができる。さらに、吸水性樹脂4が収容空間313で偏在するのを抑制することができる。
さらに、小片2は、複数の基材5と、基材5同士の間に挟持された吸水性樹脂4と、を有するものであってもよい。このように吸水性樹脂4を基材5同士の間に挟み込むことにより、小片2から吸水性樹脂4が脱落するのを抑制することができる。
吸水性樹脂4は、吸水性を有するSAP(Super Absorbent Polymer)である。吸水とは、親水性を有し、インクQやその廃液Q’等の液体を保持する機能をいう。吸水性樹脂4は、吸水することによってゲル化してもよい。
本実施形態に係る吸水性樹脂4は、特にアニオン系吸水性樹脂を含むことが好ましい。アニオン系吸水性樹脂は、液体中の水分を吸収することによって親水基が解離し、アニオン基を生じる樹脂である。このようなアニオン系吸水性樹脂は、乾燥下では高分子の長い鎖が密に絡み合っているが、液体中の水分を吸収すると、親水基が水に溶けようとして高分子の鎖が広がり始める。これにより、多くの液体を吸収することができる。
一方、アニオン系吸水性樹脂は、液体に含まれる溶質が電解質か非電解質かによって、異なる吸収特性を示す。例えば液体に含まれる溶質が非電解質である場合には、その非電解質の濃度によらず、液体の吸収量が比較的に高い値を示す。したがって、アニオン系吸水性樹脂は、非電解質を含む液体である顔料インクに対しては、その非電解質の濃度によらず、比較的良好な吸収特性を示す。
これに対し、アニオン系吸水性樹脂は、電解質を含む液体に対しては、その電解質の濃度が高くなるにつれて、液体の吸収量が低下する傾向を示す。したがって、アニオン系吸水性樹脂は、電解質を含む液体である染料インクに対しては、吸収特性が十分ではない傾向がある。
アニオン系吸水性樹脂は、吸水したときにアニオン基を有する樹脂であれば、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、澱粉-アクリル酸グラフト共重合体、澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体、イソブチレンとマレイン酸との共重合体等、アクリロニトリル共重合体やアクリルアミド共重合体の加水分解物、ポリエチレンオキサイド、ポリスルフォン酸系化合物、ポリグルタミン酸や、これらの塩、変性体、架橋体等が挙げられる。
アニオン系吸水性樹脂は、側鎖に官能基を有する樹脂が好ましい。官能基としては、例えば、酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。特に、側鎖に酸基を有する樹脂であることが好ましく、側鎖にカルボキシル基を有する樹脂であることがより好ましい。
側鎖を構成するカルボキシル基含有単位としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、ソルビン酸、ケイ皮酸やこれらの無水物、塩等の単量体から誘導されるもの等が挙げられる。
側鎖に酸基を有するアニオン系吸水性樹脂において、アニオン系吸水性樹脂に含まれる酸基のうち中和されて塩を形成しているものの割合は、好ましくは30mol%以上100mol%以下であり、より好ましくは50mol%以上95mol%以下であり、さらに好ましくは60mol%以上90mol%以下であり、もっとも好ましくは70mol%以上80mol%以下である。これにより、アニオン系吸水性樹脂は、廃液Q’に対して優れた吸収特性を有するものとなる。
中和の塩の種類は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニア等の含窒素塩基性物の塩等が挙げられるが、中でもナトリウム塩が好ましい。これにより、アニオン系吸水性樹脂は、廃液Q’に対して優れた吸収特性を有することができる。
側鎖に酸基を有するアニオン系吸水性樹脂は、廃液Q’吸収時に酸基同士の静電反発が起こり、吸収速度が速くなるため好ましい。また、酸基が中和されていると、浸透圧により廃液がアニオン系吸水性樹脂内部に吸収され易くなる。
アニオン系吸水性樹脂は、側鎖に酸基を含有していない構成単位を有していてもよい。このような構成単位としては、例えば、親水性の構成単位、疎水性の構成単位、重合性架橋剤となる構成単位等が挙げられる。
前記親水性の構成単位としては、例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクレリート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、N-アクリロイルピペジリン、N-アクリロイルピロリジン等のノニオン性化合物から誘導される構成単位等が挙げられる。
前記疎水性の構成単位としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソブテン、エチレン、プロピレン、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の化合物から誘導される構成単位等が挙げられる。
前記重合性架橋剤となる構成単位としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、N,N-メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ビスフェノールジアクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、テトラアリルオキシエタン、ジアリルオキシ酢酸塩等から誘導される構成単位等が挙げられる。
吸水性樹脂4は、ポリアクリル酸塩共重合体またはポリアクリル酸重合架橋体を含有することが好ましい。これにより、例えば、廃液Q’に対する吸収性能を向上させたり、製造コストを抑えたりすることができる。
ポリアクリル酸重合架橋体としては、分子鎖を構成する全構成単位に占めるカルボキシル基を有する構成単位の割合は、好ましくは50mol%以上であり、より好ましくは80mol%以上であり、さらに好ましくは90mol%以上である。カルボキシル基を含有する構成単位の割合が少なすぎると、廃液Q’に対する吸収特性を十分に優れたものにすることが困難になる場合がある。
ポリアクリル酸重合架橋体中のカルボキシル基は、一部が中和されて塩を形成していることが好ましい。ポリアクリル酸重合架橋体中の全カルボキシル基中に占める中和されているものの割合は、好ましくは30mol%以上99mol%以下であり、より好ましくは50mol%以上99mol%以下であり、さらに好ましくは70mol%以上99mol%以下である。
また、吸水性樹脂4は、前述した重合性架橋剤以外の架橋剤で架橋した構造を有していてもよい。
吸水性樹脂4が酸基を有する樹脂である場合、架橋剤としては、例えば、酸基と反応する官能基を複数持った化合物を好ましく用いることができる。吸水性樹脂4が酸基と反応する官能基を有する樹脂である場合には、架橋剤として、分子内に酸基と反応する官能基を複数個有する化合物を好適に用いることができる。
酸基と反応する官能基を複数個有する架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物;(ポリ)グリセリン、(ポリ)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンジアミン等の多価アミン類等が挙げられる。また、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の多価イオン類等も、吸水性樹脂4が有する酸基と反応して架橋剤として機能するため、好適に用いることができる。
吸水性樹脂4は、例えば、鱗片状、針状、繊維状、粒子状等、いかなる形状をなしていてもよいが、その大半が粒子状をなしていることが好ましい。吸水性樹脂4が粒子状をなしている場合には、廃液Q’の浸透性を容易に確保することができる。また、基材5に吸水性樹脂4を好適に担持させることができる。なお、粒子状とは、アスペクト比、すなわち最大長さに対する最小長さの比が0.3以上1.0以下のもののことをいう。粒子の平均粒径は、50μm以上800μm以下であるのが好ましく、100μm以上600μm以下であるのがより好ましく、200μm以上500μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、粒子の平均粒径としては、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した体積平均の粒度MVD(Mean Volume Diameter)を用いることできる。この粒度MVDは、レーザー回折・散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置、すなわち、レーザー回折式粒度分布測定装置では、体積基準で測定した粒度分布から求めることができる。
吸水性樹脂4の平均粒径をD[μm]、繊維の平均長さをL[μm]としたときに、0.15≦L/D≦467の関係を満足することが好ましく、0.25≦L/D≦333の関係を満足することがより好ましく、2≦L/D≦200の関係を満足することがさらに好ましい。
基材5に対する吸水性樹脂4の質量比は、0.15以上1.75以下であるのが好ましく、0.20以上1.50以下であるのがより好ましく、0.25以上1.20以下であるのがさらに好ましい。これにより、吸収部34における廃液Q’の浸透性と、吸水性樹脂4による廃液Q’の吸収性と、の両立を図ることができる。
なお、吸水性樹脂4の質量比が前記下限値を下回ると、吸水性樹脂4による吸収量が不足するおそれがある。一方、吸水性樹脂4の質量比が前記上限値を上回ると、吸水性樹脂4が相対的に過剰になり、膨潤した吸水性樹脂4によって基材5における廃液Q’の浸透が阻害されるおそれがある。
吸収部34は、基材5および吸水性樹脂4以外の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、フィラー、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等の着色剤、難燃剤、流動性向上剤等が挙げられる。
このうち、難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤等が挙げられる。
1.2.5 金属イオン濃度低下部
金属イオン濃度低下部35は、配管36と排出部33との間に設けられている。金属イオン濃度低下部35は、廃液Q’が含有する金属イオンを捕捉する。前述したように、本発明者は、染料インクに含まれた金属イオンが、吸収部34における吸収量を低下させていることを見出した。そこで、金属イオン濃度低下部35を設けることにより、配管36から排出部33へと送り込まれる廃液Q’中の金属イオン濃度を下げることができる。金属イオンは、顔料インクよりも染料インクに比較的多く含有されている。このような多量の金属イオンが吸収部34に供給されると、吸収部34における廃液Q’の吸収量、特に水の吸収量が減少するという問題がある。
そこで、本実施形態では、廃液Q’が吸収部34に接触するよりも前に、金属イオン濃度低下部35を廃液Q’が通過するように、液体吸収システム100が構成されている。具体的には、本実施形態に係る金属イオン濃度低下部35は、配管36と排出部33との間に設けられている。このような位置に金属イオン濃度低下部35を設けたことにより、廃液Q’が吸収部34に接触するよりも前に、あらかじめ廃液Q’中の金属イオン濃度を低下させることができる。これにより、金属イオン濃度低下部35を通過した廃液Q’が吸収部34に供給されても、吸収部34における吸収量、特に水分の吸収量が、金属イオンに起因して減少してしまうのを抑制することができる。また、金属イオン濃度低下部35を容器31の収容空間313に設けることになるため、例えば金属イオン濃度低下部35を容器31とともに取り扱うことができる。このため、例えば使用限度を過ぎた金属イオン濃度低下部35を画像形成装置200から容易に取り出すことができる。
なお、図示しないものの、金属イオン濃度低下部35が排出部33を兼ねていてもよい。つまり、金属イオン濃度低下部35が、排出部33に設けられ、排出部33の機能を有していてもよい。この場合でも、上記と同様、吸収部34における吸収量が減少してしまうのを抑制することができる。
金属イオン濃度低下部35は、廃液Q’中の金属イオン濃度を低下させ得る媒体を有する部材であれば、いかなるものであってもよい。後述する低濃度化媒体354としては、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂のような陽イオン交換樹脂、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、アルミナゲル、シリカアルミナゲル、活性白土、モレキュラーシーブ、モレキュラーシービングカーボン、芳香族系合成吸着剤、メタクリル酸エステル系合成吸着剤のようなイオン捕捉剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
特に、高分子吸収体である吸水性樹脂4がアニオン系吸水性樹脂を含む場合、金属イオン濃度低下部35は陽イオン交換樹脂またはイオン捕捉剤を含むことが好ましい。
陽イオン交換樹脂を用いることにより、アニオン系吸水性樹脂における廃液Q’の吸収を阻害する金属イオンが、金属イオン濃度低下部35においてイオン交換される。このため、金属イオンを比較的多く含む染料インクが廃液Q’として回収された場合でも、その金属イオンの濃度を金属イオン濃度低下部35において低下させることができる。その結果、吸収部34では、金属イオンによる吸収の阻害が発生しにくくなり、吸収部34に十分な量の廃液Q’を吸収させることができる。
また、イオン捕捉剤を用いることにより、金属イオン濃度低下部35において金属イオンが捕捉される。このため、吸収部34では、金属イオンによる吸収の阻害が発生しにくくなり、吸収部34に十分な量の廃液Q’を吸収させることができる。
金属イオン濃度低下部35において濃度の低下が図られる金属イオンとしては、特に限定されず、あらゆる金属イオンが挙げられるが、例えば、カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられる。また、金属イオン濃度低下部35は、金属イオン以外のイオンの濃度を低下させる機能も有していてもよい。
図4は、図1に示す金属イオン濃度低下部35の拡大断面図である。
図4に示す金属イオン濃度低下部35は、低下部容器352と、低下部容器352に収容されている低濃度化媒体354と、を備えている。
低下部容器352は、配管36が接続されている配管用孔部356と、排出部33が取り付けられている排出用孔部358と、を有している。配管用孔部356は、低下部容器352に対する廃液Q’の流入口であり、排出用孔部358は、廃液Q’の流出口である。低下部容器352は、液密性を有しており、配管36を介して送液された廃液Q’を、一時的に貯留する。その際、低下部容器352に収容されている低濃度化媒体354と廃液Q’とが接触する。排出用孔部358は、低下部容器352において、配管用孔部356とは反対側に位置している。このため、低濃度化媒体354に接触した廃液Q’は、排出用孔部358から排出部33を介して容器31の収容空間313内に滴下される。このような構成によれば、廃液Q’と低濃度化媒体354との接触機会を十分に確保することができ、廃液Q’中の金属イオンを低濃度化媒体354に十分に接触させ、捕捉させることができる。
低濃度化媒体354の形状は、特に限定されないが、図4に示す粒子状の他、例えば、繊維状、塊状、布帛状等が挙げられる。このうち、粒子状または繊維状であれば、形状追従性が高いため、低下部容器352における低濃度化媒体354の充填率を容易に高めることができる。その結果、金属イオン濃度低下部35を通過する廃液Q’の流量が多い場合でも、金属イオン濃度を低下させることができる。また、粒子状または繊維状の低濃度化媒体354とともに、布帛状の低濃度化媒体354を用いることにより、前者が低下部容器352から流出してしまうのを抑制することができる。なお、繊維状の低濃度化媒体354とは、例えば、チョップドファイバーのような形態をなすイオン交換樹脂のことをいう。また、布帛状の低濃度化媒体354とは、例えば、不織布の形態をなすイオン交換樹脂のことをいう。
なお、金属イオン濃度低下部35の構成は、上記のものに限定されない。例えば、低下部容器352が省略され、配管36の一部に低濃度化媒体354が配置された構成であってもよい。また、低下部容器352には、低濃度化媒体354以外の任意の部材、物質等が収容されていてもよい。
また、金属イオン濃度低下部35としては、より好ましくは、以下のような性能を有するものが用いられる。具体的には、金属イオン濃度は、液体の導電率によって定量化することができ、一般的には、導電率が低いほど金属イオン濃度が低いといえる。
金属イオン濃度低下部35を経た後の液体、つまり、金属イオン濃度低下部35を通過した後の廃液Q’は、導電率が1000μS/cm未満であることが好ましく、900μS/cm以下であることがより好ましい。このような導電率であれば、廃液Q’における金属イオン濃度は十分に低いといえる。そして、このような導電率の廃液Q’であれば、吸収部34に接触しても、吸収量の著しい減少を特に抑制することができる。このため、かかる濃度低下能を有している金属イオン濃度低下部35は、特に有用である。
廃液Q’の導電率は、例えば、株式会社堀場製作所製、卓上型pH・水質分析計F-55を用い、液温25℃において測定することができる。
また、別の観点から見ると、金属イオン濃度低下部35を経る前の廃液Q’の導電率をXB[μS/cm]とし、金属イオン濃度低下部35を経た後の廃液Q’の導電率をXA[μS/cm]としたとき、XA/XBは、0.004以上0.95以下であるのが好ましく、0.030以上0.80以下であるのがより好ましい。このような関係を満たす金属イオン濃度低下部35は、金属イオン吸収能において十分な能力を有している。
以上のように、本実施形態に係る液体吸収システム100は、金属イオンを含有する液体である廃液Q’が送液される配管36と、配管36で送液された廃液Q’を排出する排出部33と、排出部33から排出された廃液Q’を回収する容器31と、容器31に収容され、廃液Q’を吸収する高分子吸収体である吸水性樹脂4を有する吸収部34と、廃液Q’が含有する金属イオンの濃度を低下させる金属イオン濃度低下部35と、を備えている。そして、金属イオン濃度低下部35は、廃液Q’が吸収部34に接触するよりも前に廃液Q’と接触する位置に設けられている。
このような構成によれば、金属イオン濃度低下部35により廃液Q’中の金属イオンを捕捉し、濃度を低下させるので、吸収部34が多量の金属イオンに接触するのを防止することができる。これにより、吸収部34における廃液Q’の吸収量が金属イオンに起因して減少してしまうのを防止することができ、廃液Q’の組成によらず、十分な吸収量を確保することができる。その結果、高分子吸収体による廃液Q’の吸収能力に優れた液体吸収システム100を実現することができる。特に染料インクのように、水を主成分として金属イオンを比較的多く含む液体の場合、かかる効果が顕著である。
1.3 液体吸収システムの製造方法
次に、液体吸収システム100の製造方法について説明する。
図5ないし図7は、それぞれ、図1に示す液体吸収システム100が有する吸収部34の製造方法を説明するための図である。
まず、図5に示すように、例えば古紙のようなシート状のシート部材3を、載置台101に載置する。載置されたシート部材3上に水または水溶性樹脂を塗布して塗り広げる。
次に、メッシュ部材102を介して、吸水性樹脂4をシート部材3の一方の面3a上に付与する。メッシュ部材102は、網目102aを有している。吸水性樹脂4のうち、網目102aよりも大きい粒子は、メッシュ部材102に捕捉され、網目102aよりも小さい粒子は、網目102aを通過してシート部材3の面3a上に付与される。したがって、吸水性樹脂4は、吸水によって発現される粘着力または水溶性樹脂による接着力により、シート部材3の面3a上に固定化されて担持される。
このように、メッシュ部材102を用いることにより、吸水性樹脂4の粒径の均一性を高くすることができる。そのため、シート部材3の位置によって吸収特性にムラが生じるのを抑制することができる。
網目102aの最大幅は、好ましくは0.06mm以上0.15mm以下であり、より好ましくは0.08mm以上0.12mm以下である。これにより、シート部材3に付与される吸水性樹脂4の粒径を、上記の数値範囲のものとすることができる。
次に、図6に示すように、吸水性樹脂4が付着されたシート部材3を、一対の加熱ブロック103の間に配置する。そして、一対の加熱ブロック103を加熱するとともに、一対の加熱ブロック103が接近する方向に加圧して、シート部材3を厚さ方向に加圧する。これにより、吸水性樹脂4が軟化し、加圧により吸水性樹脂4がシート部材3の内側に入り込む。
本工程での加圧力は、好ましくは0.1kg/cm以上1.0kg/cm以下であり、より好ましくは0.2kg/cm以上0.8kg/cm以下である。本工程での加熱温度は、好ましくは80℃以上160℃以下であり、より好ましくは100℃以上120℃以下である。
次に、シート部材3を、例えば、はさみ、カッター、ミル、シュレッダー等により、細かく裁断・粗砕・粉砕したり、手で細かく千切ったりして個片化する。これにより、複数の小片2が得られ、小片2の集合体で構成される吸収部34が得られる。
そして、得られた小片2を、所望の量を計りとった後、手でほぐしたりしてかさ密度を調整しつつ、容器31に収容する。これにより、図7に示すように、吸収部34が容器31に収容された状態となる。
2.第1変形例
次に、第1変形例に係る液体吸収システムについて説明する。
前述した第1実施形態に係る液体吸収システム100では、吸収部34が小片2の集合体で構成されている。これに対し、第1変形例に係る液体吸収システム100では、吸収部34が、図示しない樹脂基材と、樹脂基材に担持された吸水性樹脂4と、で構成されている。
樹脂基材の構成材料としては、例えば、ウレタンフォーム、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、ビニルラクタム系架橋重合体のような樹脂材料が挙げられる。
樹脂基材の形状は、特に限定されず、塊状であっても、小片状であっても、粒子状であっても、その他の形状であってもよい。
樹脂基材に対する吸水性樹脂4の質量比は、0.15以上1.75以下であるのが好ましく、0.20以上1.50以下であるのがより好ましく、0.25以上1.20以下であるのがさらに好ましい。これにより、吸収部34における廃液Q’の浸透性と、吸水性樹脂4による廃液Q’の吸収性と、の両立を図ることができる。
なお、吸水性樹脂4の質量比が前記下限値を下回ると、吸水性樹脂4による吸収量が不足するおそれがある。一方、吸水性樹脂4の質量比が前記上限値を上回ると、吸水性樹脂4が相対的に過剰になり、膨潤した吸水性樹脂4によって樹脂基材における廃液Q’の浸透が阻害されるおそれがある。
以上のような第1変形例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
3.第2変形例
図8は、第2変形例に係る液体吸収システム100Aを示す部分垂直断面図である。
以下、第2変形例について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図8において第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第2変形例に係る液体吸収システム100Aは、金属イオン濃度低下部35Aの位置が異なる以外、第1実施形態に係る液体吸収システム100と同様である。
図8に示す液体吸収システム100Aでは、金属イオン濃度低下部35Aが配管36の途中に設けられている。
このような構成によれば、廃液Q’が吸収部34に接触するよりも前に、金属イオン濃度低下部35Aを廃液Q’が通過する。このため、廃液Q’が吸収部34に供給されても、吸収部34における吸収量が減少してしまうのを抑制することができる。
また、図8では、金属イオン濃度低下部35Aが容器31の外側に設けられている。この場合、容器31の容積の制約を受けることなく、金属イオン濃度低下部35Aを容易に大型化することができる。これにより、金属イオン濃度低下部35Aにおける金属イオンの捕捉量を増やすことができ、金属イオン濃度低下部35Aを交換することなく長期にわたって使用することができる。または、金属イオン濃度低下部35Aの交換頻度を減らすことができる。さらに、容器31については、金属イオン濃度低下部35Aを収容する必要がなくなるので、その分、小型化を図ることもできる。
なお、図8に示す金属イオン濃度低下部35Aは、配管36に対して着脱可能になっていてもよい。これにより、金属イオン濃度低下部35Aの交換作業が容易になる。また、図8に示す金属イオン濃度低下部35Aは、配管36の途中に設けられているが、配管36の上流側端部または下流側端部に設けられていてもよい。
以上のような第2変形例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
4.第3変形例
図9は、第3変形例に係る液体吸収システム100Bを示す部分垂直断面図である。
以下、第3変形例について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図9において第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第3変形例に係る液体吸収システム100Bは、金属イオン濃度低下部35や排出部33等の位置が異なる以外、第1実施形態に係る液体吸収システム100と同様である。
前述した第1実施形態に係る液体吸収システム100では、金属イオン濃度低下部35が容器31の収容空間313に位置している。これに対し、本第3変形例に係る液体吸収システム100Bでは、容器31の外部に金属イオン濃度低下部35が設けられている。また、それとともに、配管36や排出部33も、容器31の外部に設けられている。
一方、図9に示す蓋体32は、Z軸に沿って貫通する廃液通過用開口部322を備えている。そして、排出部33から滴下する廃液Q’が廃液通過用開口部322を通過するように、排出部33および廃液通過用開口部322の位置が設定されている。
このような構成によれば、容器31と配管36とを互いに分離することができるので、吸収部34が収容された容器31を交換する作業を、特に容易に行うことができる。また、前述した第2変形例と同様、金属イオン濃度低下部35を容器31の外側に設けることができるので、容器31の容積の制約を受けることなく、金属イオン濃度低下部35を容易に大型化することができる。これにより、金属イオン濃度低下部35における金属イオンの捕捉量を増やすことができる。
以上のような第3変形例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
5.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る液体吸収ユニットについて説明する。
図10は、第2実施形態に係る液体吸収ユニットを示す部分垂直断面図である。図11は、図10に示す液体吸収ユニットの水平断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図10および図11において第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第2実施形態に係る液体吸収ユニット1000は、下記の構成が異なる以外、第1実施形態に係る液体吸収システム100と同様である。
前述した第1実施形態およびその変形例に係る液体吸収システムでは、金属イオン濃度低下部が、配管36、排出部33、または、配管36と排出部33との間に設けられている。これに対し、本実施形態に係る液体吸収ユニット1000では、金属イオン濃度低下部35Cが、配管36や排出部33から離れており、かつ、容器31の収容空間313に配置されている。具体的には、図10に示す金属イオン濃度低下部35Cは、吸収部34とともに収容空間313に配置されている。
そして、金属イオン濃度低下部35Cは、図10に示すように、導入部37の直下に設けられている。なお、導入部37の構成は、第1実施形態に係る排出部33と同様である。また、図11の水平断面図において、吸収部34は、金属イオン濃度低下部35Cを取り囲むように環状に設けられている。さらに、図10に示すように、吸収部34は、金属イオン濃度低下部35Cの下方にも配置されている。
すなわち、本実施形態に係る液体吸収ユニット1000は、金属イオンを含有する液体である廃液Q’が導入される導入部37により導入された廃液Q’を回収する容器31と、容器31に収容され、廃液Q’を吸収する高分子吸収体である吸水性樹脂4を有する吸収部34と、容器31に収容され、廃液Q’が含有する金属イオンの濃度を低下させる金属イオン濃度低下部35Cと、を備えている。そして、金属イオン濃度低下部35Cは、廃液Q’が吸収部34に接触するよりも前に廃液Q’と接触する位置に設けられている。
このような構成によれば、導入部37から導入された廃液Q’は、まず、導入部37の直下に位置する金属イオン濃度低下部35Cに接触し、その後、吸収部34に接触することになる。つまり、廃液Q’は、吸収部34に接触するよりも前に、金属イオン濃度低下部35Cに接触する。これにより、金属イオン濃度低下部35Cにおいて廃液Q’中の金属イオン濃度を低下させることができる。その結果、金属イオン濃度低下部35Cを通過した廃液Q’が吸収部34に供給されても、吸収部34における廃液Q’の吸収量、特に水分の吸収量が減少してしまうのを抑制することができる。
また、液体吸収ユニット1000によれば、吸収部34および金属イオン濃度低下部35Cの双方が容器31に収容されており、かつ、構造が比較的簡単である。このため、液体吸収ユニット1000は、製造容易性および製造コストの観点でも有用である。
導入部37は、廃液Q’を容器31の収容空間313に導入する。このような導入部37は、第1実施形態に係る排出部33と同様、容器31の側壁部312に設けられた挿入孔316を介して、容器31の外部から収容空間313に延在している配管36の下流側端部に設けられている。
図10に示す金属イオン濃度低下部35Cの下方には、前述したように、吸収部34が設けられている。つまり、図10に示す金属イオン濃度低下部35Cは、吸収部34よりも鉛直上方に配置されている。
このような構成によれば、導入部37から導入された廃液Q’が自然落下したとき、まず、廃液Q’は金属イオン濃度低下部35Cに接触し、その後、吸収部34へ移行しやすくなる。このため、次々に導入されてくる廃液Q’が金属イオン濃度低下部35Cを通過して吸収部34へ移行する、という流れが形成されやすくなる。その結果、導入されてくる廃液Q’が金属イオン濃度低下部35に滞留してしまうのを抑制することができる。
ここで、金属イオン濃度低下部35Cは、図11に示すように、導入部37から液体である廃液Q’が導入される導入位置374に設けられている。具体的には、導入位置374とは、導入部37から導入された廃液Q’が金属イオン濃度低下部35Cに当たって飛び散ったり、隙間に入り込んだりするとき、その瞬間で廃液Q’が到達する範囲とされる。したがって、導入位置374は、例えば図10および図11に示すように、導入部37の直下においてX-Y平面内に広がる所定の範囲であり、かつ、その範囲から鉛直下方に延びる所定の深さ範囲のことをいう。
このような導入位置374に金属イオン濃度低下部35Cを配置することにより、導入部37から導入された廃液Q’を、吸収部34に接触させるよりも先に、金属イオン濃度低下部35Cに接触させる確率を特に高めることができる。
また、吸収部34は、図11に示すように、導入位置374よりも容器31の側壁部312側に設けられている。さらに、吸収部34は、図10に示すように、導入位置374よりも容器31の底部311側に設けられている。
このような構成によれば、金属イオン濃度低下部35Cに接触した廃液Q’が、例えば毛細管現象等を駆動力として四方に拡散したとき、その廃液Q’を吸収部34によって受け止めることができる。これにより、金属イオン濃度低下部35Cから吸収部34へと向かう廃液Q’の流れを、より確実に形成することができる。その結果、吸収部34における吸収量を最大限に引き出すことができる。
なお、金属イオン濃度低下部35Cと吸収部34との位置関係は、上記に限定されない。例えば、金属イオン濃度低下部35Cは、鉛直軸に沿って吸収部34を貫通していてもよい。また、金属イオン濃度低下部35Cの一部が側壁部312まで達していてもよい。
また、上方からの平面視における金属イオン濃度低下部35Cの形状は、図11に示す四角形に限定されず、円形であっても、多角形であっても、その他の異形状であってもよい。
さらに、金属イオン濃度低下部35CのX軸に沿った長さおよびY軸に沿った長さは、それぞれZ軸に沿った位置によらず一定であってもよく、Z軸に沿った位置に応じて変化していてもよい。
また、容器31に収容されている金属イオン濃度低下部35Cの個数は、図示した1つに限定されず、複数であってもよい。
さらに、金属イオン濃度低下部35Cの上面の高さ、および、吸収部34の上面の高さは、図10に示すような互いに同一の高さである必要はなく、互いに異なっていてもよい。
また、導入部37と金属イオン濃度低下部35Cとの間は、図10に示すように離間している他、接していてもよい。後者の場合、X-Y平面内における金属イオン濃度低下部35Cの範囲を、前者に比べて狭めることができる。これにより、その分、吸収部34の体積を増やすことができる。
金属イオン濃度低下部35Cは、例えば、第1実施形態に係る金属イオン濃度低下部35と同様、低濃度化媒体を有している。この低濃度化媒体は、第1実施形態における低濃度化媒体354と同様である。また、金属イオン濃度低下部35Cが有する低濃度化媒体の形状も、第1実施形態と同様、例えば粒子状、繊維状、塊状、布帛状等とされる。
本実施形態においても、吸収部34は、図2および図3に示す小片2の集合体で構成されている。小片2は、図2および図3に示すように、好ましくはセルロース繊維を有する基材5と、この基材5に担持されている高分子吸収体である吸水性樹脂4と、を有している。
このような構成によれば、吸収部34は、容器31に収容された際、収容空間313の形状に応じて変形し、無理なく収容されるという効果と、廃液Q’を効率よく基材5に浸透させ、吸水性樹脂4に効率よく吸収させるという効果と、を両立させることができる。また、このような吸収部34は、セルロースという自然由来の材料を用いることによって、基材5における吸水性樹脂4の担持性に優れ、環境負荷の低減に寄与するという効果も奏する。
本実施形態においても、高分子吸収体である吸水性樹脂4がアニオン系吸水性樹脂を含む場合、金属イオン濃度低下部35Cは陽イオン交換樹脂またはイオン捕捉剤を含むことが好ましい。
陽イオン交換樹脂を用いることにより、アニオン系吸水性樹脂における廃液Q’の吸収を阻害する金属イオンが、金属イオン濃度低下部35Cにおいてイオン交換される。このため、金属イオンを比較的多く含む染料インクが廃液Q’として回収された場合でも、その金属イオンの濃度を金属イオン濃度低下部35Cにおいて低下させることができる。その結果、吸収部34では、金属イオンによる吸収の阻害が発生しにくくなり、吸収部34に十分な量の廃液Q’を吸収させることができる。
また、イオン捕捉剤を用いることにより、金属イオン濃度低下部35Cにおいて金属イオンが捕捉される。このため、吸収部34では、金属イオンによる吸収の阻害が発生しにくくなり、吸収部34に十分な量の廃液Q’を吸収させることができる。
さらに、金属イオン濃度低下部35Cとしては、より好ましくは、以下のような性能を有するものが用いられる。具体的には、金属イオン濃度は、液体の導電率によって定量化することができ、一般的には、導電率が低いほど金属イオン濃度が低いといえる。
金属イオン濃度低下部35Cに接触した後の液体、つまり、金属イオン濃度低下部35Cを通過した後の廃液Q’は、導電率が1000μS/cm未満であることが好ましく、900μS/cm以下であることがより好ましい。このような導電率であれば、廃液Q’における金属イオン濃度は十分に低いといえる。そして、このような導電率の廃液Q’であれば、吸収部34に接触しても、吸収量の著しい減少を特に抑制することができる。このため、かかる濃度低下能を有している金属イオン濃度低下部35Cは、特に有用である。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態またはその変形例と同様の効果が得られる。
6.第4変形例
図12は、第4変形例に係る液体吸収ユニット1000Aを示す部分垂直断面図である。
以下、第4変形例について説明するが、以下の説明では、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図12において第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第4変形例に係る液体吸収ユニット1000Aは、導入部37の位置が異なる以外、第2実施形態に係る液体吸収ユニット1000と同様である。
前述した第2実施形態に係る液体吸収ユニット1000では、導入部37が容器31の収容空間313に位置している。これに対し、本第4変形例に係る液体吸収ユニット1000Aでは、容器31の外部に導入部37が設けられている。
一方、図12に示す蓋体32は、Z軸に沿って貫通する廃液通過用開口部322を備えている。そして、導入部37から滴下する廃液Q’が廃液通過用開口部322を通過するように、導入部37および蓋体32の位置が設定されている。
このような構成によれば、容器31と導入部37とを互いに分離することができるので、吸収部34が収容された容器31を交換する作業を、特に容易に行うことができる。
以上のような第4変形例においても、第2実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態に係る画像形成装置200は、前述した液体吸収システム100、100Aもしくは100B、または、前述した液体吸収ユニット1000もしくは1000Aを備えている。
このような画像形成装置200によれば、例えば金属イオンを比較的多く含む染料インクを用いた場合でも、吸収部34における吸収量が減少しにくくなり、十分な量の廃液Q’を吸収することができる。このため、吸収部34の実質的な吸収量を増やすことができるので、メンテナンス間隔を伸ばすことができ、使い勝手の良好な画像形成装置200を実現することができる。
以上、本発明の液体吸収システム、液体吸収ユニットおよび画像形成装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、液体吸収システム、液体吸収ユニットおよび画像形成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の液体吸収システムおよび液体吸収ユニットは、インクの廃液以外の、あらゆる液体を吸収する用途に用いられる。
さらに、前記各実施形態における液体吸収システムおよび液体吸収ユニットの用途は、例えば、画像形成装置のインクの流路から不本意に漏れ出たインクを吸収する「インク漏れ受容器」であってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
7.評価液の導電率と吸収性能との関係
まず、予備試験として、液体吸収システムや液体吸収システムに用いる吸収部に吸収させる液体の導電率と、吸収部における吸収性能と、の関係を評価した。
具体的には、まず、表1に示すように、導電率の異なる5種類の評価液a~eを用意した。なお、評価液a~eは、塩化ナトリウム水溶液であり、表1に示す導電率になるように塩化ナトリウム濃度を調整したものである。また、塩化ナトリウムを溶解する水には、温度25℃における導電率が1.0μS/cmの純水を使用した。
次に、容積100ccのプラスチックビーカーを5つ用意し、各ビーカー内に高分子吸収体である吸水性樹脂を1g入れた。吸水性樹脂には、三洋化成工業株式会社製、アニオン系吸水性樹脂、サンフレッシュST-500Dを使用した。なお、吸水性樹脂は、粒径が350μmの粒子状をなしていた。
次に、5つのビーカーに各評価液a~eを入れた。そして、ビーカー内の評価液a~eおよび吸水性樹脂をスプーンで60秒間撹拌した。なお、撹拌の速度は20Hzとした。
撹拌終了後、ビーカーを不織布メッシュ上に天地倒置し、30秒間放置した。その際、不織布メッシュを透過して得られた未吸収の評価液a~eを、別のビーカーに収集し、計量した。
未吸収の評価液a~eの量を表1に示す。また、未吸収の評価液a~eの量を、以下の評価基準に照らしてランク付けした。なお、以下の評価基準における「全体」とは、ビーカーに入れた評価液a~eの全量のことをいう。
(評価基準)
A:未吸収の評価液の量がゼロである
B:未吸収の評価液の量が、全体の25%未満である
C:未吸収の評価液の量が、全体の25%以上50%未満である
D:未吸収の評価液の量が、全体の50%以上である
評価結果を表1に示す。
Figure 0007327089000001
表1に示すように、評価液の導電率と、未吸収の評価液の量と、の間には、一定の相関関係があることが認められた。特に、導電率が1000μS/cm(1mS/cm)以上になると、未吸収となる評価液の量が多くなり、とりわけ3000μS/cm(3mS/cm)以上では、全体の半分以上が吸収されないことがわかった。
8.第1評価用モデルの作製
(実施例1)
実施例1では、図9に示す金属イオン濃度低下部35を模した評価用モデルを以下のようにして作製した。
まず、最下部に多孔質ポリエチレン製の目皿を取り付けたカラムを用意した。カラムには、室町ケミカル株式会社製、ミニカラムMを使用し、目皿には、室町ケミカル株式会社製、目皿M用を使用した。次に、カラム内にイオン交換樹脂を入れ、加振した。これにより、金属イオン濃度低下部35を模した評価用モデルを得た。なお、イオン交換樹脂には、室町ケミカル株式会社製、強酸性陽イオン交換樹脂、Muromac XSM-N525を使用した。また、イオン交換樹脂の使用量は、表2に示すとおりである。
続いて、図9に示す吸収部34および容器31を模した評価用モデルを以下のようにして作製した。
まず、容積100ccのプラスチックビーカーを用意した。次に、ビーカー内に高分子吸収体である吸水性樹脂を1g入れた。吸水性樹脂には、三洋化成工業株式会社製、アニオン系吸水性樹脂、サンフレッシュST-500Dを使用した。なお、吸水性樹脂は、粒径が350μmの粒子状をなしていた。これにより、吸収部34および容器31を模した評価用モデルを得た。
続いて、廃液Q’を模した評価液を以下のようにして作製した。
まず、温度25℃における導電率が1.0μS/cmの純水を用意した。次に、塩化ナトリウムの試薬を純水に溶解し、塩化ナトリウム水溶液とした。これにより、廃液Q’を模した評価液を得た。なお、塩化ナトリウム水溶液の導電率は、表2に示すとおりである。
(実施例2)
塩化ナトリウムの濃度がより高い水溶液を評価液として用いるようにした以外は、実施例1と同様にして評価用モデルを得た。
(実施例3)
金属イオン濃度低下部に使用するイオン交換樹脂として、実施例2の評価用モデルにおいて後述する評価試験を行った後のイオン交換樹脂を用いるようにした以外は、実施例2と同様にして評価用モデルを得た。
(実施例4)
金属イオン濃度低下部に使用するイオン交換樹脂として、実施例3の評価用モデルにおいて後述する評価試験を行った後のイオン交換樹脂を用いるようにした以外は、実施例2と同様にして評価用モデルを得た。
(実施例5)
金属イオン濃度低下部に使用するイオン交換樹脂として、実施例4の評価用モデルにおいて後述する評価試験を行った後のイオン交換樹脂を用いるようにした以外は、実施例2と同様にして評価用モデルを得た。
(実施例6)
金属イオン濃度低下部に使用するイオン交換樹脂として、実施例5の評価用モデルにおいて後述する評価試験を行った後のイオン交換樹脂を用いるようにした以外は、実施例2と同様にして評価用モデルを得た。
(実施例7)
金属イオン濃度低下部に使用するイオン交換樹脂の使用量を減らし、かつ、カラムに対する評価液の通液速度を大きくした以外は、実施例2と同様にして評価用モデルを得た。
(実施例8)
金属イオン濃度低下部に使用するイオン交換樹脂として、実施例7の評価用モデルにおいて後述する評価試験を行った後のイオン交換樹脂を用いるようにした以外は、実施例7と同様にして評価用モデルを得た。
(比較例1)
イオン交換樹脂を省略し、空のカラムを用いるようにした以外は、実施例2と同様にして評価用モデルを得た。
9.第1評価用モデルの評価
9.1 カラム通液後の導電率の測定
まず、カラム通液後の導電率を測定するため、各評価用モデルのカラムの下に空のビーカーを配置した。
次に、カラムの上端から評価液を通液した。通液には送液用チューブポンプを使用し、カラムから滴下する評価液の滴下速度が20cc/3分となるように送液量を調整した。
次に、ビーカーに溜まった評価液の導電率を測定した。測定結果を表2に示す。
9.2 吸収部の吸収性能の評価
次に、9.1でビーカーに溜まった評価液を、前述した吸水性樹脂を入れたビーカーに移した。そして、ビーカー内の評価液および吸水性樹脂をスプーンで60秒間撹拌した。なお、撹拌の速度は20Hzとした。
撹拌終了後、ビーカーを不織布メッシュ上に天地倒置し、30秒間放置した。その際、不織布メッシュを透過して得られた未吸収の評価液を、別のビーカーに収集し、計量した。
未吸収の評価液の量を表2に示す。また、未吸収の評価液がゼロである場合、完全に吸収されるまでに要した時間を測定し、これを表2に示している。
また、未吸収の評価液の量を、前述した予備試験に基づく評価基準に照らしてランク付けした。評価結果を表2に示す。
Figure 0007327089000002
表2に示すように、各実施例では、金属イオン濃度低下部を備えたことにより、カラム通液後の評価液の導電率が、カラム通液前に比べて減少していることが認められた。そして、カラム通液後の評価液を吸収部に吸収させた場合、比較例に比べて、未吸収の評価液の量を減らすことができた。
10.第2評価用モデルの作製
(実施例9)
評価液として、セイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンター用インクICBK-01を使用し、表3に示す条件とした以外は、実施例1と同様にして評価用モデルを得た。
(比較例2)
イオン交換樹脂を省略し、空のカラムを用いるようにした以外は、実施例9と同様にして評価用モデルを得た。
11.第2評価用モデルの評価
11.1 カラム通液後の導電率の測定
まず、カラム通液後の導電率を測定するため、各評価用モデルのカラムの下に空のビーカーを配置した。
次に、カラムの上端から評価液を通液した。通液には送液用チューブポンプを使用し、カラムから滴下する評価液の滴下速度が20cc/3分となるように送液量を調整した。
次に、ビーカーに溜まった評価液の導電率を測定した。測定結果を表3に示す。
11.2 吸収部の吸収性能の評価
次に、11.1でビーカーに溜まった評価液を、前述した吸水性樹脂を入れたビーカーに移した。そして、ビーカー内の評価液および吸水性樹脂をスプーンで60秒間撹拌した。なお、撹拌の速度は20Hzとした。
撹拌終了後、ビーカーを不織布メッシュ上に天地倒置し、30秒間放置した。その際、不織布メッシュを透過して得られた未吸収の評価液を、別のビーカーに収集し、計量した。
未吸収の評価液の量を表3に示す。また、未吸収の評価液の量を、前述した予備試験に基づく評価基準に照らしてランク付けした。評価結果を表3に示す。
Figure 0007327089000003
表3に示すように、塩化ナトリウム水溶液に代えてインクジェットプリンター用のインクを使用した場合でも、実施例の評価用モデルでは、吸収部において良好な吸収性能を得ることができた。
2…小片、3…シート部材、3a…面、4…吸水性樹脂、5…基材、5a…一方の面、5b…他方の面、31…容器、32…蓋体、33…排出部、34…吸収部、35…金属イオン濃度低下部、35A…金属イオン濃度低下部、35C…金属イオン濃度低下部、36…配管、37…導入部、40…接続部、100…液体吸収システム、100A…液体吸収システム、100B…液体吸収システム、101…載置台、102…メッシュ部材、102a…網目、103…加熱ブロック、200…画像形成装置、201…インク吐出ヘッド、201a…ノズル、202…キャッピングユニット、203…チューブ、204…ローラーポンプ、204a…ローラー部、205…回収部、311…底部、312…側壁部、313…収容空間、314…上部開口部、315…空隙、316…挿入孔、322…廃液通過用開口部、352…低下部容器、354…低濃度化媒体、356…配管用孔部、358…排出用孔部、374…導入位置、1000…液体吸収ユニット、1000A…液体吸収ユニット、Q…インク、Q’…廃液

Claims (12)

  1. 金属イオンを含有する液体が送液される配管と、
    前記配管で送液された前記液体を排出する排出部と、
    前記排出部から排出された前記液体を回収する容器と、
    前記容器に収容され、前記液体を吸収する高分子吸収体を有する吸収部と、
    前記液体が含有する前記金属イオンの濃度を低下させる金属イオン濃度低下部と、
    を備え、
    前記金属イオン濃度低下部は、前記液体が前記吸収部に接触するよりも前に前記液体と接触する位置に設けられていることを特徴とする液体吸収システム。
  2. 前記金属イオン濃度低下部は、前記配管、前記排出部、または、前記配管と前記排出部との間に設けられている請求項1に記載の液体吸収システム。
  3. 前記吸収部は、セルロース繊維を有する基材と、前記基材に担持されている前記高分子吸収体と、を有する小片の集合体で構成されている請求項1または2に記載の液体吸収システム。
  4. 前記高分子吸収体は、アニオン系吸水性樹脂を含み、
    前記金属イオン濃度低下部は、陽イオン交換樹脂またはイオン捕捉剤を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体吸収システム。
  5. 前記金属イオン濃度低下部を経た後の前記液体は、導電率が1000μS/cm未満である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体吸収システム。
  6. 金属イオンを含有する液体を導入する導入部から導入された前記液体を回収する容器と、
    前記容器に収容され、前記液体を吸収する高分子吸収体を有する吸収部と、
    前記容器に収容され、前記液体が含有する前記金属イオンの濃度を低下させる金属イオン濃度低下部と、
    を備え、
    前記金属イオン濃度低下部は、前記液体が前記吸収部に接触するよりも前に前記液体と接触する位置に設けられていることを特徴とする液体吸収ユニット。
  7. 前記金属イオン濃度低下部は、前記吸収部よりも鉛直上方に配置されている請求項6に記載の液体吸収ユニット。
  8. 前記金属イオン濃度低下部は、前記導入部から前記液体が導入される導入位置に設けられ、
    前記吸収部は、前記導入位置よりも前記容器の側壁側または前記容器の底面側に設けられている請求項6に記載の液体吸収ユニット。
  9. 前記吸収部は、セルロース繊維を有する基材と、前記基材に担持されている前記高分子吸収体と、を有する小片の集合体で構成されている請求項6ないし8のいずれか1項に記載の液体吸収ユニット。
  10. 前記高分子吸収体は、アニオン系吸水性樹脂を含み、
    前記金属イオン濃度低下部は、陽イオン交換樹脂またはイオン捕捉剤を含む請求項6ないし9のいずれか1項に記載の液体吸収ユニット。
  11. 前記金属イオン濃度低下部に接触した後の前記液体は、導電率が1000μS/cm未満である請求項6ないし10のいずれか1項に記載の液体吸収ユニット。
  12. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体吸収システムまたは請求項6ないし11のいずれか1項に記載の液体吸収ユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。
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