JP2019171597A - インク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置 - Google Patents

インク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクの吸収特性を向上することができ、吸収後にインクの漏出を防止することができるインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置を提供すること。【解決手段】繊維を含有する繊維基材と、前記繊維基材に担持された吸水性樹脂と、を有する小片を複数備える小片集合体で構成されることを特徴とするインク吸収材料。また、インク吸収材料では、前記小片集合体を構成する各々の前記小片は、前記吸水性樹脂が前記繊維基材の少なくとも一方の面側に付着されているのが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、インク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置に関する。
インクジェットプリンターでは、通常、インクの目詰まりによる印刷品質の低下を防止するために実施されるヘッドクリーニング動作や、インクカートリッジ交換後のインク充填動作の際に、廃インクが発生する。そこで、このような廃インクがプリンター内部の機構等に対する不本意な付着が生じないようにするために、廃インクを吸収する液体吸収体(インク吸収体)を備えている。
従来、液体吸収体(インク吸収体)としては、天然セルロース繊維および/または合成繊維と、熱融着性物質とを含むものが用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来の液体吸収体(インク吸収体)では、インクの浸透性に劣り、速やかに廃インクを吸収できない。さらに、吸収したインクの量によっては、一旦、インクを吸収した後、インクが不本意に漏出することもある。
特許第3536870号公報
本発明の目的は、インクの吸収特性を向上することができ、吸収後にインクの漏出を防止することができるインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下のものとして実現することが可能である。
本発明のインク吸収材料は、繊維を含有する繊維基材と、前記繊維基材に担持された吸水性樹脂と、を有する小片を複数備える小片集合体で構成されることを特徴とする。
これにより、小片集合体にインクが付与された場合に、当該インクと接触する機会と、インクとの接触面積をできる限り多く確保することができるとともに、インクを繊維(繊維基材)が一旦保持することができる。その後、インクを繊維から吸水性樹脂により効率よく送り込むことができ、小片集合体全体としてのインクの吸収特性を向上させることができる。また、吸収後にもインクを長期的に保持し続けることができ、よって、インクが漏出するのを防止することができる。
本発明のインク吸収材料では、前記小片集合体を構成する各々の前記小片は、前記吸水性樹脂が前記繊維基材の少なくとも一方の面側に付着されているのが好ましい。
これにより、吸水性樹脂が繊維基材に対して露出した状態となるため、この吸水性樹脂でインクを迅速に吸収することができる。
本発明のインク吸収材料では、前記小片集合体を構成する各々の前記小片は、前記吸水性樹脂が前記繊維基材の厚さ方向の途中に存在しているのが好ましい。
これにより、インクをできる限りシートの奥側、すなわち、シートの厚さ方向の中央部側に保持する(吸収する)ことができ、よって、インクの保持状態を長期的に維持することができる。
本発明のインク吸収材料では、各々の前記小片は、長尺状をなすものであるのが好ましい。
これにより、各小片は、変形し易いものとなる。そして、これらの小片(小片集合体)を容器に収納した場合には、各小片は、その容器の内側の形状に関わらず変形して、すなわち、形状追従性が発揮され、よって、小片集合体は、一括して無理なく収納される。
本発明のインク吸収材料では、前記長尺状をなす各々の前記小片の一部同士を連結する連結部を備えるのが好ましい。
これにより、小片集合体を容器に収納する場合、連結部を把持して、その連結部ごと複数の小片を一括して容器に収納することができ、よって、収納作業を容易かつ迅速に行なうことができる。
本発明のインク吸収材料では、前記吸水性樹脂は、ポリアクリル酸重合架橋体を含有するのが好ましい。
これにより、例えば、インクに対する吸収性能が向上したり、製造コストを抑えることができる等の利点がある。
本発明のインク吸収器は、本発明のインク吸収材料と、前記インク吸収材料を収容する容器と、を備えたインク吸収器であって、
各々の前記小片は長尺状をなしており、前記容器内において、各々の前記小片の延在方向が互いに交差するように、前記インク吸収材料が前記容器に収容されていることを特徴とする。
これにより、小片同士の間に間隙が形成される。これにより、インクは、間隙を通過したり、また、間隙が微小の場合、毛細管現象で濡れ広がったりすることができる、すなわち、インクの通液性を確保することができる。そして、インクは、途中で堰き止められるのが防止され、よって、各小片で過不足なく吸収され、長期間保持されることとなる。
本発明のインク吸収器は、本発明のインク吸収材料と、前記インク吸収材料を収容する容器と、を備えたインク吸収器であって、
各々の前記小片は長尺状をなしており、前記容器内において、各々の前記小片の延在方向が揃うように、前記インク吸収材料が前記容器に収容されていることを特徴とする。
これにより、例えば、インクが小片集合体内を流下する際、その流下速度(浸透速度)を遅らせたい場合に有効となる。
本発明のインク吸収器は、本発明のインク吸収材料と、前記インク吸収材料を収容する容器と、を備えたインク吸収器であって、
各々の前記小片は長尺状をなしており、前記容器内において、前記小片が折り曲げられた状態で、前記インク吸収材料が前記容器に収容されていることを特徴とする。
これにより、小片集合体を容器に収納する場合、その容器の内側の形状にもよるが、小片集合体を容器に容易に収納することができる。また、その後の小片集合体の収納状態も安定する。
本発明の液滴吐出装置は、本発明のインク吸収器を、インクの廃液吸収に用いることを特徴とする。
これにより、インク吸収器を、液滴吐出装置の、いわゆる「廃液タンク(廃インクタンク)」として用いることができる。そして、インク吸収器のインクの吸収量が限界に達したら、このインク吸収器を、新たな(未使用の)インク吸収器に交換することができる。
図1は、本発明のインク吸収器(第1実施形態)の使用状態の一例を示す部分垂直断面図である。 図2は、図1に示すインク吸収器が備える小片集合体を構成する小片の斜視図である。 図3は、図2中のA−A線断面図である。 図4は、本発明のインク吸収器に納められる小片集合体同士の位置関係を示す分解斜視図である。 図5は、本発明のインク吸収器に納められる小片集合体同士の位置関係を示す分解斜視図である。 図6は、本発明のインク吸収器に納められる小片集合体の平面図である。 図7は、図6に示す小片集合体の容器内での状態を示す平面図である。 図8は、図7中のB−B線断面図である。 図9は、図7中のC−C線断面図である。 図10は、本発明のインク吸収器に納められる小片集合体の収納状態の変形例を示す垂直断面図である。 本発明のインク吸収器が備える小片集合体を構成する小片の斜視図である。 図12は、本発明のインク吸収器が備える小片集合体を構成する小片の斜視図である。 図13は、本発明のインク吸収器が備える小片集合体を構成する小片の垂直断面図である。 図14は、本発明のインク吸収器を示す斜視図である。
以下、本発明のインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のインク吸収器(第1実施形態)の使用状態の一例を示す部分垂直断面図である。図2は、図1に示すインク吸収器が備える小片集合体を構成する小片の斜視図である。図3は、図2中のA−A線断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図3中(図8および図9)の上側を「上(または上方)」、下側を「下(下方)」と言う。
図1に示すように、本発明のインク吸収材料は、小片集合体10で構成されている。小片集合体10は、インクQの吸収に用いられる小片1を複数備える。小片1は、繊維を含有する繊維基材2と、繊維基材2に担持された吸水性樹脂3とを有する(図3参照)。
また、本発明のインク吸収器100は、インク吸収材料である小片集合体10と、小片集合体10を収納する容器9と、を備える(図1参照)。
これにより、後述するように、一面(1枚/シート)で構成された繊維基材2、および一面(1枚/シート)で構成された繊維基材2の積層によってインク吸収体を構成するよりも、小片集合体10にインクQが付与された場合に、当該インクQと接触する機会と、インクQとの接触面積をできる限り多く確保することができるとともに、インクQを繊維(繊維基材2)が一旦保持することができる。その後、インクQを繊維から吸水性樹脂3により効率よく送り込むことができ、小片集合体10全体としてのインクQの吸収特性を向上させることができる。また、吸収後にもインクQを長期的に保持し続けることができ、よって、インク吸収器100からインクQが漏出するのを防止することができる。
なお、本明細書における「吸水」とは、水系溶媒に色材が溶解した水系インクを吸収することはもちろん、溶剤にバインダーが溶解した溶剤系インクや、UV照射により硬化する液状のモノマー中にバインダーが溶解したUV硬化性インクや、分散媒にバインダーが分散したラテックスインク等、インク全般を吸収することを言う。
図1に示す印刷装置(液滴吐出装置)200は、例えば、インクジェット式のカラープリンターである。この印刷装置200は、インクQを吐出するインク吐出ヘッド201と、インク吐出ヘッド201のノズル201aの目詰まりを防止するキャッピングユニット202と、キャッピングユニット202とインク吸収器100とを接続するチューブ203と、インクQをキャッピングユニット202からインク吸収器100に送るローラーポンプ204とを備えている。
インク吐出ヘッド201は、下方に向かってインクQを吐出するノズル201aを複数有している。このインク吐出ヘッド201は、PPCシート等のような記録媒体(図示せず)に対して移動しつつ、インクQを吐出して、印刷を施すことができる(図1中の二点鎖線で描かれたインク吐出ヘッド201参照)。
キャッピングユニット202は、インク吐出ヘッド201が待機位置にあるときに、ローラーポンプ204の作動により、各ノズル201aを一括して吸引して、ノズル201aの目詰まりを防止するものである。
チューブ203は、キャッピングユニット202を介して吸引されたインクQをインク吸収器100に向かって通過するものである。このチューブ203は、可撓性を有している。
ローラーポンプ204は、チューブ203の途中に配置され、ローラー部204aと、ローラー部204aとの間でチューブ203の途中を挟持する挟持部204bとを有している。ローラー部204aが回転することにより、チューブ203を介して、キャッピングユニット202に吸引力が生じる。そして、ローラー部204aが回転し続けることにより、ノズル201aに付着したインクQをインク吸収器100まで送り込むことができる。そして、このインクQは、廃液として、インク吸収器100内の小片集合体10(インク吸収材料)で吸収される。なお、インクQには、種々の色のものが含まれている。
図1に示すように、インク吸収器100は、細かく切断された小片1を複数(多数)有する小片集合体10と、小片集合体10を収納する容器9と、容器9を封止する蓋体8とを備えている。
このインク吸収器100は、印刷装置200に対し、着脱自在に装着され、その装着状態で、前述したようにインクQの廃液吸収に用いられる。このように、インク吸収器100を、いわゆる「廃液タンク(廃インクタンク)」として用いることができる。そして、インク吸収器100のインクQの吸収量が限界に達したら、このインク吸収器100を、新たな(未使用の)インク吸収器100に交換することができる。なお、インク吸収器100のインクQの吸収量が限界に達したか否かについては、印刷装置200内の検出部(図示せず)によって検出される。また、インク吸収器100のインクQの吸収量が限界に達した場合には、その旨が、例えば、印刷装置200に内蔵されたモニター等の報知部により報知される。
容器9は、小片集合体10を収納するものである。この容器9は、平面視で例えば四角形状をなす底部(底板)91と、底部91の各辺(縁部)から上方に向かって立設した4つの側壁部92とを有する箱状をなすものである。そして、底部91と、4つの側壁部92とに囲まれた収納空間93内に、小片集合体10を収納することができる。
なお、容器9は、平面視で四角形状をなす底部91を有するものに限定されず、例えば、平面視で円形状をなす底部91を有し、全体が円筒状のものであってもよい。
容器9は、硬質のものである、換言すれば、容器9に内圧または外力が作用した場合に、容積V1が10%以上変化しない程度の形状保持性を有するものである。
これにより、容器9は、小片集合体10を構成する各小片1がインクQを吸収した後膨張して、その小片1からの力を内側から受けても、容器9自身の形状を維持することができる。これにより、印刷装置200内での容器9の設置状態が安定し、各小片1がインクQを安定して吸収することができる。
なお、容器9は、インクQを透過しない材料で構成されていれば、その構成材料は、特に限定されない。このような容器9の構成材料としては、例えば、環状ポリオレフィンやポリカーボネート等のような各種樹脂材料を用いることができる。また、容器9の構成材料としては、前記各種樹脂材料の他に、例えば、アルミニウムやステンレス鋼等のような各種金属材料を用いることができる。
また、容器9は、内部視認性を有する透明(半透明を含む)なもの、または、不透明なものいずれでもよい。
前述したように、インク吸収器100は、容器9を封止する蓋体8を備えている。図1に示すように、蓋体8は、板状をなし、容器9の上部開口部94に嵌合することができる。この嵌合により、上部開口部94を液密的に封止することができる。これにより、例えば、インクQがチューブ203から排出されて落下した際に、小片集合体10(小片1)に衝突して跳ね上がった場合でも、そのインクQが外方に飛散するのを防止することができる。よって、インクQがインク吸収器100の周辺に付着して汚れるのを防止することができる。
蓋体8の中央部には、チューブ203が接続される接続口81が形成されている。接続口81は、蓋体8を厚さ方向に貫通した貫通孔で構成されている。そして、この接続口81(貫通孔)に、チューブ203の下流側の端部(下端部)を挿入して接続することができる。また、このとき、チューブ203の排出口(開口部)203aは、下方を向く。
なお、蓋体8の下面(裏面)82の接続口81の周囲には、例えば、放射状のリブや溝が形成されていてもよい。リブや溝は、例えば、容器9内でのインクQの流れの方向を規制する規制部(案内部)として機能することができる。
また、蓋体8は、インクQを吸収する吸収性を有していてもよいし、インクQを弾く撥液性を有していてもよい。
蓋体8の厚さとしては、特に限定されず、例えば、1mm以上20mm以下であるのが好ましく、8mm以上10mm以下であるのがより好ましい。なお、蓋体8は、このような数値範囲の板状をなすものに限定されず、それよりも薄いフィムル状(シート状)ものであってもよい。この場合、蓋体8の厚さとしては、特に限定されず、例えば、10μm以上1mm未満であるのが好ましい。
図1に示すように、小片集合体10は、可撓性を有する複数の小片1を備え、本実施形態では、これらの小片1を一括して容器9に収納して用いられる。これにより、小片集合体10は、インク吸収器100として構成される。前述したように、インク吸収器100は、印刷装置200に装着されて、廃液となったインクQを吸収することができる。
なお、小片集合体10を構成する、すなわち、容器9に収納される小片1の枚数は、特に限定されず、例えばインク吸収器100の用途等の諸条件に応じて、適宜必要枚数選択される。このように、インク吸収器100は、容器9に小片1を必要枚数収納したという簡単な構成のものとなっている。そして、この小片1の収納量の大小によって、小片集合体10(インク吸収器100)でのインクQの最大吸収量が調整される。
各小片1の構成は、同じであるため、以下、1枚の小片1について代表的に説明する。
前述したように、小片1は、繊維を含有する繊維基材2と、繊維基材2に担持された吸水性樹脂3とを有している。なお、本実施形態では、図3に示すように、小片1を構成する繊維基材2は、シート状の古紙等の紙を、例えば、はさみ、カッター、ミル、シュレッダー等により、細かく裁断・粗砕・粉砕した状態のものとしている。そして、吸水性樹脂3は、繊維基材2の少なくとも一方の面側(図3に示す構成では表側の面21および裏側の面22)に付着している。これにより、小片1に対して、表側の面21側、裏側の面22側のどちら側にインクQが到達しても、そのインクQを吸水性樹脂3で吸収することができる。また、吸水性樹脂3が繊維基材2に対して露出した状態となるため、この吸水性樹脂3でインクQを迅速に吸収することができる。
なお、吸水性樹脂3は、表側の面21側と裏側の面22側とで、吸水性樹脂3の付着量が等しいのが好ましいが、異なっていてもよい。
また、吸水性樹脂3は、表側の面21側、裏側の面22側のいずれでも均一に配置分散されているのが好ましいが、それらの分散の程度に疎密があってもよい。
また、表側の面21側での吸水性樹脂3の分散の程度と、裏側の面22側での吸水性樹脂3の分散の程度とは、同じであるのがより好ましいが、異なっていてもよい。
なお、繊維基材2への吸水性樹脂3の担持(付着)方法としては、特に限定されず、例えば、水、PVA、糊を塗布して、これらにより担持させる方法が挙げられる。また、繊維基材2に吸水性樹脂3を担持させる割合としては、特に限定されず、例えば、繊維基材2が0gを超え0.24gの範囲の場合、吸水性樹脂3が0.04g以上0.12g以下の範囲に適宜設定されるのが好ましい。
繊維基材2により、吸水性樹脂3を好適に担持させることができ、繊維基材2から吸水性樹脂3の脱落をより好適に防止することができる。また、小片1にインクQが付与された場合に、当該インクQを繊維(繊維基材2)が一旦保持し、その後、吸水性樹脂3により効率よく送り込むことができ、小片1全体としてのインクQの吸収特性を向上させることができる。また、一般に、セルロース繊維等の繊維(特に、古紙由来の繊維)は、吸水性樹脂3に比べて安価であり、小片1の製造コストの低減の観点からも有利である。また、繊維としては、古紙由来のものを好適に用いることができるため、廃棄物の削減、資源の有効活用等の観点からも有利である。
繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の合成樹脂繊維;セルロース繊維、ケラチン繊維、フィブロイン繊維等の天然樹脂繊維やその化学修飾物等が挙げられ、これらを単独でまたは適宜混合して用いることができるが、セルロース繊維を主とするのが好ましく、ほぼ全部がセルロース繊維であるのがより好ましい。
セルロースは、好適な親水性を有する材料であるため、小片1にインクQが付与された場合に、当該インクQを好適に取り込むことができ、流動性が特に高い状態(例えば、粘度が10mPa・s以下の状態)を速やかに脱することができるとともに、一旦取り込んだインクQを、好適に吸水性樹脂3に送り込むことができる。その結果、小片1全体としてのインクQの吸収特性を特に優れたものとすることができる。また、セルロースは、一般に吸水性樹脂3との親和性が高いため、繊維の表面に吸水性樹脂3をより好適に担持させることができる。また、セルロース繊維は、再生可能な天然素材で、各種繊維の中でも、安価で入手が容易であるため、小片1の生産コストの低減、安定的な生産、環境負荷の低減等の観点からも有利である。
なお、本明細書において、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース(狭義のセルロース)を主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロース(狭義のセルロース)の他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。
また、繊維基材2(小片1)においては、例えば、複数本の繊維が独立して存在していてもよい。また、繊維基材2中において、繊維は、例えば、綿状で含まれていてもよい。また、繊維は、例えば、短冊状、小片状等に成形されたものであってもよい。
繊維の原料としては、例えば、古紙を用いてもよい。これにより、前述したような効果が得られるとともに、省資源の観点からも好ましい。また、繊維の原料として古紙を用いる場合、当該古紙を例えば、はさみ、カッター、ミル、シュレッダー等により、細かく裁断・粗砕・粉砕したものを用いる。
繊維の平均長さは、特に限定されないが、0.1mm以上7mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上5mm以下であるのがより好ましく、0.1mm以上3mm以下であることがさらに好ましい。
繊維の平均幅(径)は、特に限定されないが、0.5μm以上200μm以下であるのが好ましく、1.0μm以上100μm以下であるのがより好ましい。
繊維の平均アスペクト比(平均幅に対する平均長さの比率)は、特に限定されないが、10以上1000以下であるのが好ましく、15以上500以下であるのがより好ましい。
以上のような数値範囲により、吸水性樹脂3の担持や、繊維によるインクQの保持・当該インクQの吸水性樹脂3への送り込みをより好適に行うことができ、小片1全体としてのインクの吸収特性をより優れたものとすることができる。
吸水性樹脂3は、吸水性を有する樹脂であればよく、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、イソブチレンとマレイン酸との共重合体等、アクリロニトリル共重合体やアクリルアミド共重合体の加水分解物、ポリエチレンオキサイド、ポリスルフォン酸系化合物、ポリグルタミン酸や、これらの塩(中和物)、架橋体等が挙げられる。ここで、吸水性とは、親水性を有し、水分を保持する機能を言う。吸水性樹脂3には、吸水するとゲル化するものが多い。
中でも、吸水性樹脂3は、側鎖に官能基を有する樹脂が好ましい。官能基としては、例えば、酸基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。
特に、吸水性樹脂3は、側鎖に酸基を有する樹脂であるのが好ましく、側鎖にカルボキシル基を有する樹脂であるのがより好ましい。
吸水性樹脂3を構成するカルボキシル基含有単位としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、ソルビン酸、ケイ皮酸やこれらの無水物、塩等の単量体から誘導されるものが挙げられる。
側鎖に酸基を有する吸水性樹脂3を含む場合、当該吸水性樹脂3中に含まれる酸基のうち中和されて塩を形成しているものの割合は、30mol%以上100mol%以下であるのが好ましく、50mol%以上95mol%以下であるのがより好ましく、60mol%以上90mol%以下であるのがさらに好ましく、70mol%以上80mol%以下であるのがもっとも好ましい。これにより、吸水性樹脂3(小片1)によるインクQの吸収性をより優れたものとすることができる。
中和の塩の種類は、特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニア等の含窒素塩基性物の塩等が挙げられるが、ナトリウム塩が好ましい。これにより、吸水性樹脂3(小片1)によるインクQの吸収性をより優れたものとすることができる。
側鎖に酸基を有する吸水性樹脂3は、インク吸収時に酸基同士の静電反発が起こり、吸収速度が速くなるため好ましい。また、酸基が中和されていると、浸透圧によりインクQが吸水性樹脂3内部に吸収され易くなる。
吸水性樹脂3は、酸基を含有していない構成単位を有していてもよく、このような構成単位としては、例えば、親水性の構成単位、疎水性の構成単位、重合性架橋剤となる構成単位等が挙げられる。
前記親水性の構成単位としては、例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクレリート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等のノニオン性化合物から誘導される構成単位等が挙げられる。
前記疎水性の構成単位としては、例えば、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソブテン、エチレン、プロピレン、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の化合物から誘導される構成単位等が挙げられる。
前記重合性架橋剤となる構成単位としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ビスフェノールジアクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、テトラアリルオキシエタン、ジアリルオキシ酢酸塩等から誘導される構成単位等が挙げられる。
吸水性樹脂3は、ポリアクリル酸塩共重合体またはポリアクリル酸重合架橋体を含有するのが好ましい。これにより、例えば、インクQに対する吸収性能が向上したり、製造コストを抑えることができる等の利点がある。
ポリアクリル酸重合架橋体としては、分子鎖を構成する全構成単位に占めるカルボキシル基を有する構成単位の割合が、50mol%以上のものが好ましく、80mol%以上のものがより好ましく、90mol%以上のものがさらに好ましい。
カルボキシル基を含有する構成単位の割合が少なすぎると、インクQの吸収性能を十分に優れたものとすることが困難になる可能性がある。
ポリアクリル酸重合架橋体中のカルボキシル基は、一部が中和(部分中和)されて塩を形成していることが好ましい。
ポリアクリル酸重合架橋体中の全カルボキシル基中に占める中和されているものの割合は、30mol%以上99mol%以下であるのが好ましく、50mol%以上99mol%以下であるのがより好ましく、70mol%以上99mol%以下であるのがさらに好ましい。
また、吸水性樹脂3は、前述した重合性架橋剤以外の架橋剤で架橋した構造を有していてもよい。
吸水性樹脂3が酸基を有する樹脂である場合、当該架橋剤としては、例えば、酸基と反応する官能基を複数持った化合物を好ましく用いることができる。
吸水性樹脂3が酸基と反応する官能基を有する樹脂である場合には、当該架橋剤として、分子内に酸基と反応する官能基を複数個有する化合物を好適に用いることができる。
酸基と反応する官能基を複数個有する化合物(架橋剤)としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物;(ポリ)グリセリン、(ポリ)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンジアミン等の多価アミン類等が挙げられる。また、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の多価イオン類等も、吸水性樹脂3が有する酸基と反応して架橋剤として機能するため、好適に用いることができる。
吸水性樹脂3は、例えば、鱗片状、針状、繊維状、粒子状等、いかなる形状をなしていてもよいが、粒子状をなしているのが好ましい。吸水性樹脂3が粒子状をなしている場合には、インクQの浸透性を容易に確保することができる。また、繊維基材2(繊維)に吸水性樹脂3を好適に担持させることができる。なお、この粒子の平均粒径は、15μm以上800μm以下であるのが好ましく、15μm以上400μm以下であるのがより好ましく、15μm以上50μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、粒子の平均粒径としては、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した体積平均の粒度MVD(Mean Volume Diameter)を用いることできる。レーザー回折・散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置、すなわち、レーザー回折式粒度分布測定装置では、粒度分布を体積基準で測定することができる。
また、繊維基材2に対する吸水性樹脂3は、5重量%よりも多く90%重量以下であるのが好ましく、20重量%以上70重量%以下であるのがより好ましく、40重量%以上55重量%以下であるのがさらに好ましい。
また、吸水性樹脂3の平均粒径をD[μm]、前記繊維の平均長さをL[μm]としたときに、0.15≦L/D≦467の関係を満足するのが好ましく、0.25≦L/D≦333の関係を満足するのがより好ましく、2≦L/D≦200の関係を満足するのがさらに好ましい。
また、小片1は、前述した以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、フィラー、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等の着色剤、難燃剤、流動性向上剤等が挙げられる。
なお、吸水性樹脂3は、図3に示す構成では繊維基材2の表側の面21および裏側の面22に付着しているが、これに限定されず、例えば、表側の面21および裏側の面22のうちの片方の面の吸水性樹脂3を省略してもよい。
また、小片1は、繊維基材2と吸水性樹脂3との間に中間層が設けられたものであってもよい。この中間層としては、特に限定されず、例えば、繊維基材2と吸水性樹脂3との接合を促進する層等が挙げられる。
図1および図2に示すように、各小片1は、長尺状(帯状)をなすものであるのが好ましい。これにより、各小片1は、変形し易いものとなる。これらの小片1(小片集合体10)を容器9に収納した際、各小片1は、容器9の内側の形状に関わらず変形して、すなわち、形状追従性が発揮され、よって、小片集合体10は、一括して無理なく収納される。また、小片集合体10全体としてのインクQとの接触面積をできる限り確保することができ、よって、インクQを吸収する吸収性能(吸収特性)が向上する。また、小片1(小片集合体10)が無理なく収納されるため、過剰な変形が防止され、よって、繊維基材2から吸水性樹脂3が剥離するのも防止することができる。
なお、小片1を使用済みの古紙から得る場合には、例えば、古紙をシュレッダーに投入して、そこで切断されたシュレッダー片(切断片)を繊維基材2として、小片1に用いることができる。
小片1の全長(長辺方向の長さ)Lは、容器9の形状や大きさにもよるが、例えば、50mm以上500mm以下であるのが好ましく、100mm以上300mm以下であるのがより好ましい(図2参照)。
また、小片1の幅(短辺方向の長さ)Wも、容器9の形状や大きさにもよるが、例えば、50mm以上500mm以下であるのが好ましく、100mm以上300mm以下であるのがより好ましい(図2参照)。
また、全長Lと幅Wとのアスペクト比L/Wは、1.1以上200以下であるのが好ましく、2以上50以下であるのがより好ましい。小片1の厚さtについても、例えば、50μm以上2mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上1mm以下であるのがより好ましい(図2参照)。
また、小片集合体10には、全長L、幅W、アスペクト比L/W、厚さtのうちの少なくとも1つが同じ小片1が含まれていてもよいし、これらが全て異なる小片1が含まれていてもよい。
また、小片1の形状は、本実施形態では長尺状であるが、これに限定されず、例えば、正方形、三角形、六角形等の多角形、円形、楕円形等の形状、あるいは、手で千切ったような不規則な形状であってもよい。さらには、異なる形状やサイズのものが混在していてもよい。
前述したように、各小片1は、長尺状をなす(長手方向を有する)ものである。そして、図1に示すように、容器9内では、各々の小片1の延在方向が互いに異なるように充填されている。つまり、小片1の延在方向が互いに揃わずに(平行とならないように)交差するよう、各小片1が規則性を持たずに、集合体として複数、容器9内に納められている。すなわち、各小片1は、容器9内において、2次元方向(例えば底部91(下面82)方向)または3次元的方向(収納空間93内の3方向)にランダム(規則性を問わずの意;以下同じ)に収納されている。このような収納状態では、小片1同士の間に間隙20が形成され易い。これにより、インクQは、間隙20を通過したり、また、間隙20が微小の場合、毛細管現象で濡れ広がったりすることができる、すなわち、インクQの通液性を確保することができる。これにより、容器9内で下方に向かって流れるインクQが途中で堰き止められるのが防止され、よって、容器9の奥(底部91)まで浸透することができる。これにより、各小片1で過不足なくインクQを吸収し、長期間保持することができる。また、各小片1がランダムに収納されているため、小片集合体10全体として、インクQと接触する機会が増え、よって、インクQを吸収する吸収性能が向上する。また、小片集合体10を容器9に収納する際、各小片1を無作為に容器9に投入することができ、よって、その収納作業を容易かつ迅速に行なうことができる。
また、容器9(収納空間93)の容積をV1とし、インクQを吸収する前(吸水前)の小片集合体10の総体積をV2としたとき、V1とV2の比V2/V1は、0.1以上0.7以下であるのが好ましく、0.2以上0.7以下であるのがより好ましい(図1参照)。これにより、容器9内には、空隙95が生じる。各小片1は、インクQを吸収した後に膨張する(膨潤する)。空隙95は、各小片1が膨張した際のバッファーとなり、よって、各小片1は、インクQを十分に吸収することができる。
<第2実施形態>
図4は、本発明のインク吸収器に納められる小片集合体同士の位置関係を示す分解斜視図である。
以下、この図を参照して本発明のインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、容器内での小片の収納状態が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図4に示すように、各小片1は、長尺状をなすもの(長手方向を有するもの)である。そして、容器9内では、これらの小片1の延在方向が、図4中の左右方向(所定の一方向)に揃っている状態で複数の小片1が納められている。すなわち、各小片1は、容器9内に規則的に並べられている。また、小片1同士が重なったものも含まれている。このような小片1の収納状態は、例えば、容器9内でインクQが底部91に向かって流下する際、その流下速度(浸透速度)を遅らせたい場合に有効な構成となる。
なお、小片集合体10には、規則的に配置された複数の小片1が含まれているが、この他に、例えば、前記第1実施形態で述べたようなランダムに配置された複数の小片1が含まれていてもよい。
<第3実施形態>
図5は、本発明のインク吸収器に納められる小片集合体同士の位置関係を示す分解斜視図である。
以下、この図を参照して本発明のインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、容器内での小片の収納状態が異なること以外は前記第2実施形態と同様である。
図5に示すように、容器9内では、小片集合体10の中に、延在方向が図5中の左右方向に揃っているもの(以下「第1小片群1A」と言う)と、延在方向が図5中の斜め右上から斜め左下の方向に揃っているもの(以下「第2小片群1B」と言う)とが含まれている。すなわち、第1小片群1Aの小片1の延在方向と、第2小片群1Bの小片1の延在方向とは、直交している。また、第1小片群1Aと第2小片群1Bとは、交互に重ねられている。このような小片1の収納状態は、例えば、第2実施形態よりもインクQの流下速度をさらに遅らせたい場合に有効な構成となる。
<第4実施形態>
図6は、本発明のインク吸収器に納められる小片集合体の平面図である。図7は、図6に示す小片集合体の容器内での状態を示す平面図である。図8は、図7中のB−B線断面図である。図9は、図7中のC−C線断面図である。図10は、本発明のインク吸収器に納められる小片集合体の収納状態の変形例を示す垂直断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明のインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、小片集合体の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図6に示すように、本実施形態では、小片集合体10は、複数の小片1同士(特に端部同士)を連結する連結部4を備えている。これにより、小片集合体10を容器9に収納する際、連結部4を把持して、その連結部4ごと複数の小片1を一括して容器9に収納することができる。よって、小片集合体10の容器9への収納作業を容易かつ迅速に行なうことができる。
なお、連結部4も、小片1と同様に、繊維を含有する繊維基材2と、繊維基材2に担持された吸水性樹脂3とを有するのが好ましい。すなわち、1枚の紙材(シート)に対し、一端側から他端側に向かって複数の平行な切れ込み(カット)を入れて、その途中で(他端に到達する前に)カットを停止するようにして得ることができる。つまり、複数の小片1は他端側の端部同士が、各小片の短手方向において連続して連結されていることによって小片集合体10を構成している。また、連結部4は、例えば、紙テープ、ステープラ、その他の結束部材等のような別部材で構成されていてもよい。
また、連結部4を介して連結される小片1の枚数は、本実施形態では8枚であるが、2枚以上であれば、これに限定されない。
また、連結部4は、各小片1の他端側の端部同士を連結するものに限定されない。例えば、連結部4は、各小片1の長手方向の途中(各小片1の一部同士)を連結するものであってもよい。この場合も、小片集合体10の容器9への収納作業を容易かつ迅速に行なうことができる。
また、容器9内には、連結部4を介して連結されたもの(小片集合体10)が、1枚収納されていてもよいし、複数枚重ねられて収納されていてもよい。
また、容器9内には、複数の小片1がそれぞれ単独で(独立して)収納されていてもよい。この場合、前記第1実施形態で述べたようなランダムに配置された複数の小片1が含まれていてもよいし、前記第2実施形態で述べたような規則的に配置された複数の小片1が含まれていてもよい。
図7に示すように、本実施形態では、容器9は、4つの側壁部92のうちの1つの側壁部92に、内側に向かって突出した(張り出した)突出部921が形成されている。この突出部921の反対側は、凹没しており、例えば、印刷装置200内にインク吸収器100を設置した際の周辺の部材との干渉を防止する逃げ部となっている。
なお、突出部921は、本実施形態では4つの側壁部92のうちの1つの側壁部92に形成されているが、これに限定されず、例えば、2つ、3つまたは4つ(全て)の側壁部92に形成されていてもよい。
前述したように、各小片1は、長尺状をなすものである。そして、容器9内では、これらの小片1の中に、折り曲げられたものが含まれている。すなわち、複数の小片1の中には、連結部4と反対側の端部が折り曲げられた折り曲げ部12を有するものがある(図7、図9参照)。この折り曲げ部12により、小片1は、容器9内での長さが調整されて、突出部921との干渉が防止される。これにより、小片集合体10を容器9に容易に収納することができる。また、その後の小片集合体10の収納状態も安定する。また、折り曲げ部12を有する小片1は、その折り曲げ分だけ、容器9内での厚さも増加する(調整される)。
なお、折り曲げ部12を有する小片1以外の小片1は、連結部4と反対側の端部が伸びたものとなっている(図8参照)。
また、変形例としての図10に示す容器9内では、複数の小片1同士を連結する連結部4を備えた小片集合体10は、複数収納されており、これらが2次元方向または3次元的方向にランダムに収納されている。また、各小片集合体10では、小片1は、折り曲げられたり、捩れたりしていてもよい、すなわち、所望も形状に変形していてもよい。このような収納状態によっても、インクQを迅速に吸収することができる。
<第5実施形態>
図11は、本発明のインク吸収器が備える小片集合体を構成する小片の斜視図である。
以下、この図を参照して本発明のインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、小片の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図11に示すように、本実施形態では、小片1は、その長手方向に沿って交互に複数回、反対方向に屈曲(または湾曲)させる屈曲部(折り目)11を有している。すなわち、小片1は、波形をなしている。このように変形した小片1は、例えばバルキー加工によって得られる。これにより、小片1は、かさ高なものとなり、よって、1枚当たりの小片1がインクQと接触する機会が増加する。その結果、インクQをできる限り多く吸収することができる。
なお、屈曲部11は、小片1の幅方向に沿って交互に反対方向に屈曲した部分となっていてもよい。
また、屈曲部11の形成数は、複数に限定されず、1つでもよい。
<第6実施形態>
図12は、本発明のインク吸収器が備える小片集合体を構成する小片の斜視図である。
以下、この図を参照して本発明のインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、小片の形状が異なること以外は前記第5実施形態と同様である。
図12に示すように、本実施形態では、小片1は、その長手方向の途中で少なくとも1回捩れたものとなっている。これにより、小片1は、かさ高なものとなり、よって、1枚当たりの小片1がインクQと接触する機会が増加する。その結果、インクQをできる限り多く吸収することができる。
また、1つの小片1に、捩れと、前述した屈曲部11とが混在していてもよく、あるいは、図2、図11、図12の形状の小片1のうちの少なくとも2種が適宜含まれる小片集合体10であってもよい。
<第7実施形態>
図13は、本発明のインク吸収器が備える小片集合体を構成する小片の垂直断面図である。
以下、この図を参照して本発明のインク吸収器について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、繊維基材と吸水性樹脂との位置関係が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図13に示すように、本実施形態では、繊維基材2における吸水性樹脂3は、繊維基材2の厚さ方向の途中に存在している。つまり、繊維基材2の厚み方向の内部に吸収性樹脂が含浸されている。これにより、インクQをできる限りシート1の厚さ方向の中央部側に保持する(吸収する)ことができ、よって、インクQの保持状態を長期的に維持することができる。また、繊維基材2からの吸水性樹脂3の脱落も防止することができる。
なお、吸水性樹脂3は、厚さ方向に均一に分散されていてもよいし、繊維基材2の表側の面21または裏側の面22に偏在していてもよい。
また、図3に示す構成との組み合わせ、すなわち、吸水性樹脂3が、繊維基材2の少なくとも一方の面側(表側の面21や裏側の面22)にも存在して(付着して)いてもよい。
<第8実施形態>
図14は、本発明のインク吸収器を示す斜視図である。
以下、この図を参照して本発明のインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、容器の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図14に示すように、本実施形態では、容器9は、可撓性を有する、すなわち、軟質の袋状のものとなっている。換言すれば、容器9は、容器9に内圧または外力が作用した場合に、容積V1が10%以上変化する程度の形状保持性を有するものである。図14では、一例として、インク吸収器100は、「ピロー包装」のものとなっている。このような容器9は、インク吸収器100の設置箇所に応じて、適宜に変形することができる。これにより、インク吸収器100の設置状態が安定し、各小片1(小片集合体10)がインクQを安定して吸収することができる。また、容器9は、各小片1がインクQを吸収して膨張しても、その膨張に追従して変形することができる。また、インク吸収器100(容器9)の軽量化にも寄与する。
また、容器9の上面96側の中央部には、チューブ203が接続される接続ポート97が設けられている。この接続ポート97は、管状をなし、上方に向かって突出して形成されている。
容器9の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリウレタン等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
以上、本発明のインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、インク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のインク吸収材料、インク吸収器および液滴吐出装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明のインク吸収器の用途としては、前記各実施形態では「廃液タンク(廃インクタンク)」であったが、これに限定されず、例えば、印刷装置のインクの流路から不本意に漏れ出たインクを吸収する「インク漏れ受容器」であってもよい。
10…小片集合体、1…小片、1A…第1小片群、1B…第2小片群、11…屈曲部(折り目)、12…折り曲げ部、2…繊維基材、21…表側の面、22…裏側の面、3…吸水性樹脂、4…連結部、8…蓋体、81…接続口、82…下面(裏面)、9…容器、91…底部(底板)、92…側壁部、921…突出部、93…収納空間、94…上部開口部、95…空隙、96…上面、97…接続ポート、20…間隙、100…インク吸収器、200…印刷装置、201…インク吐出ヘッド、201a…ノズル、202…キャッピングユニット、203…チューブ、203a…排出口(開口部)、204…ローラーポンプ、204a…ローラー部、204b…挟持部、L…全長(長辺方向の長さ)、Q…インク、t…厚さ、W…幅(短辺方向の長さ)、V1…容積、V2…総体積

Claims (10)

  1. 繊維を含有する繊維基材と、前記繊維基材に担持された吸水性樹脂と、を有する小片を複数備える小片集合体で構成されることを特徴とするインク吸収材料。
  2. 前記小片集合体を構成する各々の前記小片は、前記吸水性樹脂が前記繊維基材の少なくとも一方の面側に付着されている請求項1に記載のインク吸収材料。
  3. 前記小片集合体を構成する各々の前記小片は、前記吸水性樹脂が前記繊維基材の厚さ方向の途中に存在している請求項1に記載のインク吸収材料。
  4. 各々の前記小片は、長尺状をなすものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインク吸収材料。
  5. 前記長尺状をなす各々の前記小片の一部同士を連結する連結部を備える請求項4に記載のインク吸収材料。
  6. 前記吸水性樹脂は、ポリアクリル酸重合架橋体を含有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインク吸収材料。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインク吸収材料と、前記インク吸収材料を収容する容器と、を備えたインク吸収器であって、
    各々の前記小片は長尺状をなしており、前記容器内において、各々の前記小片の延在方向が互いに交差するように、前記インク吸収材料が前記容器に収容されていることを特徴とするインク吸収器。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインク吸収材料と、前記インク吸収材料を収容する容器と、を備えたインク吸収器であって、
    各々の前記小片は長尺状をなしており、前記容器内において、各々の前記小片の延在方向が揃うように、前記インク吸収材料が前記容器に収容されていることを特徴とするインク吸収器。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインク吸収材料と、前記インク吸収材料を収容する容器と、を備えたインク吸収器であって、
    各々の前記小片は長尺状をなしており、前記容器内において、前記小片が折り曲げられた状態で、前記インク吸収材料が前記容器に収容されていることを特徴とするインク吸収器。
  10. 請求項7ないし9のいずれか1項に記載のインク吸収器を、インクの廃液吸収に用いることを特徴とする液滴吐出装置。
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