JPH1053221A - 袋折込み式敷設装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】箱体内部と対応する形態に袋体を敷設すること
ができ、箱体内部と同等の収納容積を確保できる袋折込
み式敷設装置を提供する。 【解決手段】各折返し爪で開口保持した袋体内部に押込
み部材を挿入し、袋体の底部側両端部に各折込み部材を
押圧して、袋体の底部側両端部に形成した各角隅部を側
方に突出して箱体内部に挿入するので、袋体の各角隅部
が箱体の各フラップに当接して上方に折曲げられ、箱体
と袋体との対向面間に、袋体の各角隅部を折込んで敷設
するため、箱体内部と対応する形態に袋体を敷設する作
業が簡単且つ容易に行える。箱体の内壁面に袋体全体を
密着させて敷設するので、箱体内部と同等の収納容積を
確保できる。袋自体の成形が容易且つ安価で、コストの
低減が図れると共に、袋体の成形作業が簡単に行え、敷
設能力が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、段ボー
ル紙、合成樹脂等で形成された上面開放形態の箱体内部
に、合成樹脂製又は紙製の袋体を敷設する作業に用いら
れる敷設装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような合成樹脂製の袋体
を箱体内部に敷設する装置としては、例えば、図１８に
示すように、合成樹脂で形成したフィルム原反ｆの前後
面を左右の各吸着パッド１９２…により吸着保持した
後、各吸着パッド１９２…により吸着保持したフィルム
原反ｆを加熱ヘッド１９３により幅方向に熱溶着し、同
フィルム原反ｆを切断カッタ１９４により幅方向に切断
して、一つの袋体Ｆを分離形成する。同時に、袋体Ｆの
口部Ｆａが開口される方向に各吸着パッド１９２…を移
動して、各吸着パッド１９２…により吸着保持した袋体
Ｆの口部Ｆａを左右方向に開口する。この後、各吸着パ
ッド１９２…により吸着保持した袋体Ｆと、同位置下部
に供給した箱体Ｂとを上下方向に相対移動して、各吸着
パッド１９２…により吸着保持した袋体Ｆを箱体Ｂ内に
挿入して敷設する装置がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した装置
は、各吸着パッド１９２…により吸着保持した袋体Ｆを
箱体Ｂ内に挿入するだけであるので、図１９に示すよう
に、袋体Ｆの底部側両端部に形成された各角隅部Ｆｂ，
Ｆｂが折れ曲がったり、袋体Ｆの底部側に折り皺が付い
たりして、箱体Ｂの内壁面に対して袋体Ｆを密着させた
状態に敷設することが困難であり、箱体Ｂと袋体Ｆとの
対向面間に隙間が多数形成されるため、箱体Ｂ内部より
も袋体Ｆの収納容積が若干小さくなり、所定量の収納物
を袋詰めすることができないという問題点を有してい
る。

【０００４】また、上述した袋体Ｆの代わりに、例え
ば、ガゼット折りタイプの袋体Ｆを用いれば、箱体Ｂ内
部と対応する形態に袋体Ｆを敷設することができるが、
筒状に形成された合成樹脂フイルムｆを幅方向に溶着及
び切断して一つの袋体Ｆを分離形成した後、その袋体Ｆ
の底部側四隅部を熱シールしなければならず、袋体Ｆを
分離形成するのに手間及び時間が掛かるだけでなく、袋
体Ｆの敷設能力に限界がある。且つ、袋体Ｆのシール作
業が複雑であるため、袋自体の単価が高価となり、コス
トアップとなる問題点を有している。

【０００５】この発明は上記問題に鑑み、袋開口手段に
より開口した袋体の各角隅部を袋折込み手段で折込みガ
イドし、箱体と袋体との対向面間に、袋体の各角隅部を
折込んで敷設するため、箱体内壁面に袋体全体を密着さ
せて敷設することができ、箱体内部と同等の収納容積が
確保できる袋折込み式敷設装置の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
シート状に扁平された袋体の口部を袋開口手段により開
口して保持し、該袋開口手段により開口した袋体を箱体
内部に挿入して敷設する敷設装置であって、上記袋体が
箱体内部に挿入されるとき、該袋体の底部側両端部に形
成された各角隅部を上記箱体と袋体との対向面間に対し
て折込まれる方向に折込みガイドする袋折込み手段を設
けた袋折込み式敷設装置であることを特徴とする。

【０００７】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記袋折込み手段を、上記袋開口手段
により開口された袋体内部に、上記箱体内部と対応する
大きさに形成した押込み部材を挿入する袋押込み手段を
設け、上記袋体の各角隅部と対応する上記押込み部材の
下端側両側面に各折込み部材を押圧する袋押圧手段とを
設けて構成した袋折込み式敷設装置であることを特徴と
する。

【０００８】請求項３記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記袋開口手段に対して、筒状に形成
された合成樹脂製のフィルム原反を幅方向に溶着及び切
断すると共に、上記箱体内部と対応する大きさに分離形
成された袋体を供給する袋供給手段を設けた袋折込み式
敷設装置であることを特徴とする。

【０００９】

【作用】請求項１記載の袋折込み式敷設装置は、シート
状に扁平された袋体の口部を袋開口手段により開口して
保持し、袋開口手段により開口した袋体を箱体内部に挿
入すると共に、その袋体の底部側両端部に形成された各
角隅部を袋折込み手段により折込みガイドして、袋体と
箱体との対向面間に各角隅部を折込んで敷設するので、
袋体の底部側に折り皺が付いたり、袋体の各角隅部が折
れ曲がったりするのを防止でき、箱体内部と対応する状
態に袋体を敷設することができる。

【００１０】請求項２記載の袋折込み式敷設装置は、上
記請求項１記載の作用と併せて、袋押込み手段の押込み
部材を、袋開口手段により開口された袋体内部に挿入し
て、箱体内部と対応する大きさに袋体を内側から押広げ
た後、袋押圧手段の各折込み部材を、袋体内部に挿入さ
れた押込み部材の下端側両側面に押圧して、袋体の各角
隅部を側方に突出させる。袋体の各角隅部を側方に突出
した状態のまま箱体内部に挿入するので、袋体の各角隅
部が箱体の開口側上縁部に当接して上方に折曲げられ、
箱体と袋体との対向面間に、袋体の各角隅部を折込むこ
とができると共に、箱体の内壁面に対して袋体を密着さ
せて敷設することができる。

【００１１】請求項３記載の袋折込み式敷設装置は、上
記請求項１記載の作用と併せて、筒状に形成された合成
樹脂製のフィルム原反を幅方向に溶着及び切断して一つ
の袋体を分離形成し、その分離された袋体の口部を袋開
口手段により開口して箱体内部に挿入するので、例え
ば、ガセット折りタイプの袋体に比べて、袋体の成形作
業が簡単に行え、本装置の敷設能力が向上する。

【００１２】

【発明の効果】この発明によれば、袋開口手段により開
口された袋体の各角隅部を袋折込み手段で折込みガイド
して、箱体と袋体との対向面間に各角隅部を折込んで敷
設するため、従来例のように袋体の底部側に折り皺が付
いたり、袋体の各角隅部が折れ曲がったりするのを防止
でき、箱体内部と対応する形態に袋体を敷設する作業が
簡単且つ容易に行える。しかも、箱体の内壁面に対して
袋体全体を密着させて敷設するので、袋体の各角隅部
に、例えば、液体、粉体、粒体、或いは、金属部品等の
収納物が流入又は残留するのを確実に防止することがで
き、箱体内部と同等の収納容積を確保して、箱体内部の
空間を有効に活用することができる。

【００１３】さらに、シート状に扁平された平折りタイ
プの袋体を開口して、その袋体の各角隅部を、箱体と袋
体との対向面間に折込んで敷設するので、例えば、ガセ
ット折りタイプの袋体を使用するよりも、袋自体の成形
が容易であり、且つ、袋自体の単価が安価であるため、
コストの低減を図ることができる。また、筒状に形成さ
れたフィルム原反を幅方向に溶着及び切断して一つの袋
体を分離形成するので、ガセット折りタイプの袋体に比
べて、袋体の成形作業が簡単に行え、本装置の敷設能力
が向上する。

【００１４】また、押込み部材を袋体内部に挿入して、
箱体内部と対応する大きさに袋体を押広げた状態のまま
挿入するので、袋体に形成した各角隅部の折込み角度が
変位したり、折込み部分に皺が付いたりせず、箱体と袋
体との対向面間に対して各角隅部を三角形に折込んた状
態のまま敷設することができる。

【００１５】

【実施例】図面は上面開放形態に組立てられた箱体内部
に袋体を敷設する作業に用いられる袋折込み式敷設装置
を示し、図１及び図２に於いて、この袋折込み式敷設装
置１は、ロール状に巻回された合成樹脂製のフィルム原
反ｆを送り経路Ａに沿って供給するフィルム供給機構２
を装置後部に配設し、その送り経路Ａ上に、同経路上に
供給されるフィルム原反ｆを幅方向に溶着するフィルム
溶着機構３と、フィルム原反ｆを箱体Ｂのサイズと対応
する寸法に分離するフィルム分離機構４とを配設してい
る。フィルム分離機構４の下方には、分離された袋体Ｆ
の口部Ｆａを開口するための袋開口機構５を配設し、そ
の前側上部には、袋体Ｆの口部Ｆａを開口した状態に保
持し、同側下部に搬送された箱体Ｂに被覆するための袋
被せ機構６と、その袋体Ｆを箱体Ｂ内部に押込むための
袋押込み機構７とを配設し、箱送りコンベア９上に停止
される箱体Ｂの上方には、袋体Ｆの底部側両端部に形成
された各角隅部Ｆｂ，Ｆｂを折込むための袋折込み機構
８を配設し、袋被せ機構６により保持された袋体Ｆの下
方には、箱体Ｂを搬送するための箱送りコンベア９と、
その袋体Ｆが挿入される方向に、箱送りコンベア９上に
停止された箱体Ｂを昇降する箱昇降機構１０とを配設し
ている。

【００１６】上述したフィルム供給機構２は、透明又は
半透明の合成樹脂フィルムにより形成した筒状のフィル
ム原反ｆを扁平状態に折畳むと共に、そのフィルム原反
ｆをロール状に巻回して、送り経路Ａの始端側下部に配
設したフィルム装填部１１に装填している。ロール装填
部１１は、ロール状に巻回されたフィルム原反ｆの中心
部に支軸１２を挿入し、同軸両端部を、両側部に配設し
た各支持ローラ１３，１３で軸受して、支軸１２の回転
を、一側端部に配設したブレーキ機構１４により制動す
る。フィルム原反ｆは、予め適量の空気を注入してから
装填部上方に配設したダンサーロール１５と、送りロー
ル１６と、押えロール１７とに張架され、押えロール１
７は、送りロール１６上部に軸支した可動アーム１８の
揺動側端部に軸支し、枢着側上部に配設した押え用シリ
ンダ１９により可動アーム１８を上下揺動して、各ロー
ル１６，１７をフィルム原反ｆの上下面に押圧する。送
りロール１６は、同側下部に配設した減速機付き送り用
モータ２０の駆動力により、各スプロケット２１，２２
及び駆動チェーン２３を介して送り方向に回転され、各
ロール１６，１７で押圧したフィルム原反ｆを送り方向
に供給する。

【００１７】且つ、図３に示すように、送り経路Ａの終
端部に架設した取付け枠２４の下面側に、同経路上に供
給されるフィルム原反ｆの前後面と対向して送りロール
２５と押えロール２６とを軸支し、送りロール２５は、
装置上部に配設した送り用モータ２７の駆動力により、
各スプロケット２８，２９，３０及び駆動チェーン３１
を介して送り方向に回転され、各ロール２５，２６で押
圧したフィルム原反ｆを送り方向に供給する。押えロー
ル２６は、取付け枠２４上部に軸支した可動アーム３２
の揺動側端部に軸支し、同枠上部に配設した押え用シリ
ンダ３３により可動アーム３２を前後揺動して、各ロー
ル２５，２６をフィルム原反ｆの前後面に押圧する。

【００１８】前述したフィルム溶着機構３は、送り経路
Ａの中間部に取付け枠３４を送り方向に対して前後移動
可能に架設し、取付け枠３４の上下対向面に、同経路上
に供給されるフィルム原反ｆの上下面と対向して加熱ヘ
ッド３５と受けヘッド３６とを配設し、同枠上部に配設
した押え用シリンダ３７を加熱ヘッド３５の上端部に連
結し、同枠下部に配設した受け用シリンダ３８を受けヘ
ッド３６の下端部に連結して、各シリンダ３７，３８の
同期作動により、各ヘッド３５，３６をフィルム原反ｆ
の上下面に押圧すると共に、その加熱ヘッド３６の加熱
作用によりフィルム原反ｆの押圧部分を幅方向に加熱溶
着する。その直前には、フィルム原反ｆの上下面と対向
して押え板３９と受け板４０とが配設され、同枠上部に
配設した押え用シリンダ３７の作動により、押え板３９
を加熱ヘッド３５と一緒に上下動させて、各板３９，４
０をフィルム原反ｆの上下面に押圧する。

【００１９】上述した取付け枠３４は、同枠下部に固定
した螺合部４２を、送り経路Ａに沿って平行に軸架した
ネジ軸４３上に螺合し、一側下部に配設した減速機付き
移動用モータ４４の駆動力により、各スプロケット４
５，４６及び駆動チェーン４７と、ウォームギャ４８及
びウォームホイル４９とを介して、ネジ軸４３を送り方
向に正逆回転させ、取付け枠３４を送り方向に前後移動
する。つまり、機構全体を前後動させて、フィルム分離
機構５に供給されるフィルム原反ｆの全長を可変するの
で、箱体Ｂのサイズ（縦、横、高さ）に対応して袋体Ｆ
の全長を可変調節できる。

【００２０】前述したフィルム分離機構４は、取付け枠
２４の下端部に、各ロール２５，２６で押圧したフィル
ム原反ｆの下位前後面と対向して押え部材５０と受け部
材５１とを配設し、ロール２６後部に配設した押え用シ
リンダ５２の作動により、押え部材５０を前後動させ
て、各部材５０，５１でフィルム原反ｆの切断部分を押
圧する。ロール２５後部に配設したロッドレス型の切断
用シリンダ５３の作動により、切断刃５４の刃先を受け
部材５１の受け面側に突出して、幅方向に往復移動さ
せ、各部材５０，５１で押圧保持されたフィルム原反ｆ
を幅方向に切断して、一つの袋体Ｆを分離形成する。

【００２１】前述した袋開口機構５は、図４にも示すよ
うに、フィルム分離機構４の下段側に、各部材５０，５
１で押圧したフィルム原反ｆの下位前後面と対向して、
例えば、吸気用ブロワ、真空ポンプ等の負圧発生手段
（図示省略）に接続された各吸着ロール５５，５５を配
設し、各吸着ロール５５，５５を、前後部に配設した各
可動枠５６，５６の前面側に相対向して軸架すると共
に、一側部に配設した開口用シリンダ５７を前側可動枠
５６の一端側に連結し、中央部に配設した開口用シリン
ダ５８を後述する支持枠５９を介して後側可動枠５６の
背面側に連結して、各開口用シリンダ５７，５８の同期
作動により、各吸着ロール５５，５５をフィルム原反ｆ
の前後面を押圧する前進位置と、袋体Ｆの口部Ｆａを開
口する後退位置とに前後移動する。なお、実施例では、
各吸着ロール５５，５５を中空円筒形状に形成している
が、例えば、角形、半円、扇形、角形等の中空形状に形
成してもよい。且つ、後側可動枠５６は、同枠の背面側
両端部に固定した各ガイド軸６０，６０を、支持枠５９
の両側端部に対して前後摺動可能に軸受し、各軸上に圧
縮装填した各バネ部材６１，６１の弾性により、吸着ロ
ール５５をフイルム原反ｆの後面側に対して押圧される
方向に常時付勢している。

【００２２】上述した吸着ロール５５は、図５に示すよ
うに、可動枠５６の前面側両端部に固定した各軸受部５
６ａ，５６ａの前端側に軸架され、吸着ロール５５の一
側端部に固定したギャ６２と、可動枠５６の一側端部に
配設したラック６３とを歯合すると共に、同側端部に配
設した捲り用シリンダ６４の作動により、ギャ６２及び
ラック６３を介して吸着ロール５５を捲り方向に回転さ
せ、吸着ロール５５に形成した各吸気孔５５ａ…がフィ
ルム原反ｆに対向される横向き位置と、各吸気孔５５ａ
…が真上となる上向き位置とに正逆回転する。且つ、各
軸受部５６ａ，５６ａの後端側に軸架した支軸６５上に
複数枚（例えば、３枚）の各袋押圧板６６…を所定間隔
に隔てて固定し、可動枠５６の背面側中央部に固定した
押圧用シリンダ６７の作動により、支軸６５の中央部に
固定した可動片６８を上下動させ、可動枠５６と可動片
６８との間に張架した各バネ部材６９…の弾性に抗し
て、各袋押圧板６６…を、吸着ロール５５の上部周面に
対して押圧する閉位置と、同周面に対して適宜間隔に離
間した開位置とに上下回動する。

【００２３】且つ、吸着ロール５５の吸着面全長には、
例えば、丸形、長形、楕円形等を有する各吸気孔５５ａ
…を長さ方向に対して所定間隔に隔てて多数形成し、各
吸気孔５５ａ…を除く外周面を、例えば、合成ゴム、軟
質樹脂等の接触抵抗の大きい被覆部材６１により被覆し
ている。なお、吸気孔５５ａの孔径を大きくした場合、
吸気孔５５ａに、例えば、金属製、樹脂製等で形成した
網体（図示省略）を張架して、袋体Ｆが孔内に吸込まれ
るのを防止する。

【００２４】前述した袋被せ機構６は、図６にも示すよ
うに、上述した袋開口機構５の開口動作が許容される高
さ位置であって、各吸着ロール５５，５５により開口さ
れた袋体Ｆの開口側周縁部と対向する両側位置に各可動
板７０，７０を配設し、両側上部に配設した各昇降用シ
リンダ７１，７１の作動により、各可動板７０，７０を
上下動させ、各板下面に取付けた各折返し爪７３…を、
上述した袋開口機構５により開口した袋体Ｆの口部Ｆａ
よりも上方に退避させた上昇位置と、各折返し爪７３…
で開口保持した袋体Ｆの口部Ｆａが後述する箱昇降機構
１０により持上げた箱体Ｂの各フラップＢａ…に対して
被覆される降下位置とに上下動する。

【００２５】且つ、可動板７０の下面側に軸架した支軸
７２上に２枚の各折返し爪７３，７３を固定し、支軸７
２の一側端部に固定したギャ７４と、同側端部に配設し
たラック７５とを歯合すると共に、同側に配設した開閉
用シリンダ７６の作動により、ラック７５を前後動さ
せ、支軸７２上の各折返し爪７３，７３を、上述した袋
開口機構５により開口した袋体Ｆの口部Ｆａに対して挿
入される閉位置と、後述する箱体Ｂの各フラップＢａ…
に対して被覆される大きさに袋体Ｆの口部Ｆａを開口す
る開位置とに開閉する。可動板７０の下面側中央部に固
定した解除用シリンダ７７の作動により、支軸７２の中
央部に固定した可動片７２ａを上下動させ、各折返し爪
７３，７３を袋体Ｆの開口保持が解除される角度に回動
する。

【００２６】前述した袋押込み機構７は、上述した袋被
せ機構６の保持動作が許容される高さ位置であって、各
折返し爪７３…で開口保持した袋体Ｆの口部Ｆａと対向
する上方位置に、箱体Ｂの内側底面部と対応する大きさ
及び形状に形成した直方形状の押込み部材７８を配設
し、同板上部に配設した押込み用シリンダ７９の作動に
より、押込み部材７８を上下動させて、上述した袋被せ
機構６で保持した袋体Ｆの口部Ｆａよりも上方に退避さ
せた上昇位置と、後述する箱昇降機構１０で持上げた箱
体Ｂの内側底面部と対応する大きさに袋体Ｆを拡張する
下降位置とに上下動する。

【００２７】前述した袋折込み機構８は、図３、図７、
図１５にも示すように、上述した各機構５，６，７の動
作が許容される左右間隔を隔てて、装置の前側両側部に
各ガイドレール８０，８０を鉛直方向に架設し、各ガイ
ドレール８０，８０上に、門形状を有する昇降枠８１の
両側枠部８１ａ，８１ａを上下摺動可能に係合すると共
に、各ガイドレール８０，８０に平行して、装置の両側
上部に軸架した各ネジ軸８２，８２上に、昇降枠８１の
上側枠部８１ｂに固定した各螺合部８３，８３を螺合し
て、一側上部に配設した減速機付き昇降用モータ８４の
駆動力により、各スプロケット８５，８６，８７及び駆
動チェーン８８を介して、各ネジ軸８２，８２を正逆回
転させ、昇降枠８０を、後述する箱昇降機構１０で持上
げられる箱体Ｂのサイズに対応して上下動する。

【００２８】且つ、両側枠部８１ａ，８１ａの対向側下
端部には、各アーム８９，８９の基端部が回動可能に軸
支され、各アーム８９，８９の旋回側端部には、上述し
た押込み部材７８が挿入された袋体Ｆと、箱体Ｂの内壁
面との対向隙間に差込み可能な厚さ及び形状に形成した
Ｌ字形の各折込み部材９０，９０が固定され、各枠部８
１ａ，８１ａの下端部に固定したロータリ型の各折込み
用シリンダ９１，９１の同期作動により、各アーム８
９，８９を内側と外側とに正逆旋回させて、各折込み部
材９０，９０を、上述した袋被せ機構６により保持した
袋体Ｆの底部側両端部に押圧する旋回位置と、袋体Ｆに
対して所定間隔に離間される退避位置とに回動する。

【００２９】前述した箱送りコンベア９は、図８にも示
すように、多数本の各送りロール９ｂ…を送り方向に対
して所定間隔に隔てて軸架し、減速機付き送り用モータ
（図示省略）の駆動力により各送りロール９ｂ…を回転
して、各送りロール９ｂ…上に載置された箱体Ｂを送り
方向に搬送する。上述した袋被せ機構６により保持した
袋体Ｆの下部であって、同袋下部に搬送される箱体Ｂの
右側部には縦長形状の各箱支持アーム９２，９２が配設
され、同側に配設した各旋回用シリンダ９３，９３の作
動により、各箱支持アーム９２，９２を水平旋回させ
て、箱体Ｂの前後面に押圧される旋回位置と、箱体Ｂの
搬送が許容される退避位置とに回動する。且つ、箱体Ｂ
の一側面と対向して縦長形状の幅寄せ板９４を配設し、
同側に配設した幅寄せ用シリンダ９５の作動により、幅
寄せ板９４を、箱体Ｂの一側面に押圧される前進位置
と、同箱体Ｂに対して所定間隔に離間される退避位置と
に前後動する。

【００３０】前述した箱昇降機構１０は、図３にも示す
ように、各箱支持アーム９２，９２により停止される箱
体Ｂの左側部に各ガイドレール９６，９６を所定間隔に
隔てて鉛直に立設し、各ガイドレール９６，９６上に昇
降枠９７の背面側両端部を上下摺動可能に係合し、同昇
降枠９７の前面側中央部に箱載せ爪９８を水平固定する
と共に、両側上部に軸支した各スプロケット９９ａ，９
９ａと、両側下部に軸支した各スプロケット９９ｂ，９
９ｂとの間に各昇降チェーン１００，１００を張架し、
各昇降チェーン１００，１００の端部を昇降枠９７の背
面側に連結して、下部一側に配設した減速機付き昇降用
モータ１０１の駆動力により、各スプロケット１０２，
１０３及び駆動チェーン１０４を介して各昇降チェーン
１００，１００を上下方向に周回させ、箱載せ爪９８
を、上述した袋被せ機構６により保持された袋体Ｆの底
部側が箱体Ｂ内に挿入される上昇位置と、箱送りコンベ
ア９の搬送面下に没入される降下位置とに上下動する。

【００３１】且つ、箱載せ爪９８により持上げられた箱
体Ｂの四隅部と対向して各箱保持板１０５，１０５を配
設し、その両側部に配設した各保持用シリンダ１０６，
１０６の作動により、各箱保持板１０５，１０５を前後
移動させ、箱載せ爪９８による箱体Ｂの昇降動作が許容
される後退位置と、箱載せ爪９８により持上げられた箱
体Ｂの各フラップＢａ…を起立姿勢に保持する前進位置
とに各箱保持板１０５，１０５を前後動する。且つ、袋
被せ機構６により開口保持される袋体Ｆの両側縁部と対
向して各袋ガイド１０７，１０７を配設し、その両側部
に配設した各進退用シリンダ１０８，１０８と、両側上
部に配設した各昇降用シリンダ１０９，１０９との作動
により、各袋ガイド１０７，１０７を前後動及び上下動
させ、袋開口機構５による袋体Ａの開口動作をガイドす
る位置と、箱昇降機構１０による箱体Ｂの昇降動作を許
容する退避位置とに移動する。

【００３２】図示実施例は上記の如く構成するものとし
て、以下、袋折込み式敷設装置１による袋体Ｆの敷設動
作を説明する。先ず、図１、図８に示すように、上面解
放形態に組立てられた箱体Ｂを箱送りコンベア９により
搬送し、袋被せ機構６の下方に箱体Ｂが搬送されたと
き、各箱支持アーム９２，９２を箱体Ｂの前後面に押圧
して一旦停止させ、幅寄せ板９４を、箱体Ｂの右側面に
押圧して箱昇降機構１０の箱載せ爪９８側に幅寄せす
る。

【００３３】次に、フィルム供給機構２を駆動して、ロ
ール状に巻回されたフィルム原反ｆを送り経路Ａ上のフ
ィルム溶着機構３及びフィルム分離機構４に供給し、フ
ィルム溶着機構３に供給されるフィルム原反ｆの上下面
を加熱ヘッド３５と受けヘッド３６とで押圧して幅方向
に加熱溶着する。この後、押え板３９及び各ヘッド３
５，３６を初期位置に復帰させる。

【００３４】次に、フィルム分離機構４に供給されるフ
ィルム原反ｆを、箱体Ｂのサイズと対応する寸法だけ下
方に垂下した後、図９に示すように、袋開口機構５の各
吸着ロール５５，５５をフィルム原反ｆの前後面に押圧
し、その各吸着ロール５５，５５により押圧した上位側
を、フィルム分離機構４の切断刃４５により幅方向に切
断して、一つの袋体Ｆを分離形成する。

【００３５】次に、図１０に示すように、袋開口機構５
の各吸着ロール５５，５５を引下げ方向に回転させて袋
体Ｆを若干引下げると共に、各吸着ロール５５，５５に
形成した各吸気孔５５ａ…を袋体Ｆの切断側端部（例え
ば、約１０mm離れた部分）に密着させ、各吸着ロール５
５，５５の各吸気孔５５ａ…に生じる負圧により袋体Ｆ
の前後面を吸着保持する。

【００３６】次に、図１１に示すように、各吸着ロール
５５，５５を捲り方向に回転させ、各吸着ロール５５，
５５に形成した各吸気孔５５ａ…を上向けて、各吸着ロ
ール５５，５５で吸着保持した袋体Ｆの口部Ｆａを上端
側から順次剥離して開口する。袋体Ｆの口部Ｆａを若干
開口した後、各吸着ロール５５，５５で吸着保持した袋
体Ｆの口部Ｆａに各袋押圧板６６…を押圧して押圧固定
する。

【００３７】次に、図１２に示すように、各吸着ロール
５５，５５を離間方向に相対移動させ、各吸着ロール５
５，５５で吸着保持した袋体Ｆの口部Ｆａを各袋押圧板
６６…で押圧した状態のまま水平方向に開口する。図１
３に示すように、袋被せ機構６の各折返し爪７３…を、
各吸着ロール５５，５５により開口した袋体Ｆの口部Ｆ
ａに挿入し、各折返し爪７３…により袋体Ｆの口部Ｆａ
を開口した状態に保持する。この後、各吸着ロール５
５，５５による吸着保持を解除し、各袋押圧板６６…に
よる押圧固定を解除する。続いて、袋押込み機構７の押
込み部材７８を垂直降下させて、各折返し爪７３…によ
り保持した袋体Ｆ内に挿入し、箱体Ｂ内部と対応する大
きさに袋体Ｆ全体を内側から押広げた後、袋折込み機構
８の各折込み部材９０，９０を回動させて、袋体Ｆの底
部側両端部と対向する押込み部材７８の下端側両側面に
各折込み部材９０，９０を押圧し、袋体Ｆの底部側両端
部に形成された三角形の各角隅部Ｆｂ，Ｆｂを外側に突
出させる。

【００３８】次に、図１４、図１５に示すように、箱昇
降機構１０の箱載せ爪９８により箱送りコンベア９上に
停止された箱体Ｂを持ち上げ、その箱体Ｂの各フラップ
Ｂａ…を各箱保持板１０５，１０５で鉛直姿勢に保持す
ると共に、各折返し爪７３…で保持した袋体Ｆの底部側
を箱体Ｂ内に挿入して、袋体Ｆの底部側両端部に形成し
た三角形の各角隅部Ｆｂ，Ｆｂを突出した状態のまま挿
入するので、袋体Ｆの各角隅部Ｆｂ，Ｆｂが箱体Ｂの各
フラップＢａ，Ｂａに当接して上方に折り曲げ、図１６
に示すように、袋体Ｆの各角隅部Ｆｂ，Ｆｂを折り曲げ
ながら箱体Ｂの各フラップＢａ…内に挿入することがで
き、袋体Ｆの各角隅部Ｆｂ，Ｆｂが箱体Ｂの各フラップ
Ｂａ，Ｂａよりも内側に折込まれたとき、各折込み部材
９０，９０を退避位置に回動復帰させて抜取る。

【００３９】次に、袋体Ｆの各角隅部Ｆｂ，Ｆｂを折込
んだ状態のまま、袋体Ｆ内に挿入された押込み部材７８
を箱体Ｂの内側底面部に押付け、箱体Ｂ内部に袋体Ｆを
押込んだ後、各折返し爪７３…により保持した袋体Ｆ
と、箱載せ爪９８に載置された箱体Ｂとの相対移動によ
り、各折返し爪７３…により保持した袋体Ｆの口部Ｆａ
を外側に、例えば、シングル折り状態、ダブル折り状態
に折返して箱体Ｂの各フラップＢａ…に被覆（図１７参
照）する。なお、袋開口機構５により開口された袋体Ｆ
を箱体Ｂ内に押込むとき、各折返し爪７３…の近傍又は
押込み部材７８に垂設した噴射ノズル（図示省略）から
加圧エアを吐出して、各折返し爪７３…により保持した
袋体Ｆを適宜大きさに拡張してもよい。

【００４０】次に、押込み部材７８を箱体Ｂ内部に敷設
した袋体Ｆから引き抜いて初期位置に上昇復帰させ、各
折返し爪７３…を閉方向に回動して初期位置に上昇復帰
させ、各箱保持板１０５，１０５を初期位置に後退復帰
させた後、箱載せ爪９８を垂直降下させて、袋敷設済み
の段ボール箱Ｂを箱送りコンベア９上に載置して次工程
程）に搬送供給する。上述と同様にして、袋体Ｆの敷設
作業を継続して行う。

【００４１】以上のように、袋被せ機構６の各折返し爪
７３…により開口保持された袋体Ｆの各角隅部Ｆｂ，Ｆ
ｂを、袋折込み機構８の各折込み部材９０，９０により
折込みガイドして、箱体Ｂと袋体Ｆとの対向面間に、袋
体Ｆの各角隅部Ｆｂ，Ｆｂを折込んで敷設するため、従
来例のように袋体Ｆの底部側に折り皺が付いたり、袋体
Ｆの各角隅部Ｆｂ，Ｆｂが折れ曲がったりするのを防止
でき、箱体Ｂ内部と対応する形態に袋体Ｆを敷設する作
業が簡単且つ容易に行える。しかも、箱体Ｂの内壁面に
対して袋体Ｆ全体を密着させて敷設するので、袋体Ｆの
各角隅部Ｆｂ，Ｆｂに、例えば、液体、粉体、粒体、或
いは、金属部品等の収納物が流入又は残留するのを確実
に防止することができ、箱体Ｂ内部と同等の収納容積を
確保して、箱体Ｂ内部の空間を有効に活用することがで
きる。

【００４２】さらに、シート状に扁平された平折りタイ
プの袋体Ｆを開口して、その袋体Ｆの各角隅部Ｆｂ，Ｆ
ｂを、箱体Ｂと袋体Ｆとの対向面間に折込んで敷設する
ので、例えば、ガセット折りタイプの袋体Ｆを使用する
よりも、袋自体の成形が容易であり、且つ、袋自体の単
価が安価であるため、コストの低減を図ることができ
る。また、筒状に形成されたフィルム原反ｆを幅方向に
溶着及び切断して一つの袋体Ｆを分離形成するので、ガ
セット折りタイプの袋体Ｆに比べて、袋体Ｆの成形作業
が簡単に行え、本装置の敷設能力が向上する。

【００４３】また、袋押込み機構７の押込み部材７８を
袋体Ｆ内部に挿入して、箱体Ｂ内部と対応する大きさに
袋体Ｆを押広げた状態のまま挿入するので、袋体Ｆに形
成した各角隅部Ｆｂ，Ｆｂの折込み角度が変位したり、
折込み部分に皺が付いたりせず、箱体Ｂと袋体Ｆとの対
向面間に対して各角隅部Ｆｂ，Ｆｂを三角形に折込んた
状態のまま敷設することができる。

【００４４】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の袋開口手段は、実施例の袋開口機
構５の各吸着ロール５５，５５と、袋被せ機構６の各折
返し爪７３…とに対応し、以下同様に、袋折込み手段
は、袋押込み機構７の押込み板７８と、袋折込み機構８
の折込み部材９０と、袋押込み手段は、袋押込み機構７
の押込み部材７８を上下動する押込み用シリンダ７９に
対応し、袋押圧手段は、袋折込み機構８の折込み部材９
０を回動する折込み用シリンダ９１に対応し、袋供給手
段は、フィルム供給機構２と、フィルム溶着機構３と、
フィルム分離機構４とに対応するも、この発明は、上述
の実施例の構成のみに限定されるものではない。

【００４５】上述した実施例では、各吸着ロール５５，
５５の吸着面に生じる負圧により袋体Ｆの口部Ｆａを開
口するが、例えば、粘着剤や粘着テープ等の粘着部材、
或いは、チャックやパッド等の挾持部材により袋体Ｆの
口部Ｆａを粘着又は挾持して開口するもよく、且つ、垂
直方向に繰出される袋体Ｆの口部Ｆａを各吸着ロール５
５，５５により水平方向に開口するが、例えば、水平方
向に繰出される袋体Ｆの口部Ｆａを各吸着ロール５５，
５５により上下方向に開口するもよく、実施例の開口方
向のみに限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 袋折込み式敷設装置による袋体の敷設動作を
示す右側面図。

【図２】 袋折込み式敷設装置による袋体の敷設動作を
示す正面図。

【図３】 袋体の敷設動作を示す左側面図。

【図４】 袋開口機構を構成する各吸着ロールの取付け
状態を示す平面図。

【図５】 吸着ロールの取付け状態を示す縦断側面図。

【図６】 袋被せ機構及び袋押込み機構の取付け状態を
示す正面図。

【図７】 袋折込み機構の取付け状態を示す正面図。

【図８】 箱送りコンベアによる箱体の搬送状態を示す
平面図。

【図９】 吸着ロールによる袋体の押圧動作を示す側面
図。

【図１０】 吸着ロールによる袋体の吸着動作を示す側
面図。

【図１１】 吸着ロールによる袋体の捲り動作を示す側
面図。

【図１２】 吸着ロールによる袋体の開口動作を示す側
面図。

【図１３】 折込み部材による袋体の折込み動作を示す
正面図。

【図１４】 袋体の折込み動作を示す正面図。

【図１５】 袋体の折込み動作を示す平面図。

【図１６】 袋体の折込み動作を示す縦断正面図。

【図１７】 箱体内部に袋体を敷設した状態を示す斜視
図。

【図１８】 従来装置による袋体の敷設動作を示す正面
図。

【図１９】 箱体内部に袋体を敷設した状態を示す斜視
図。

【符号の説明】

ｆ…フィルム原反 Ｆ…袋体 Ｆａ…口部 Ｆｂ…角隅部 Ｂ…箱体 Ｂａ…フラップ １…袋折込み式敷設装置 ２…フィルム供給機構 ３…フィルム溶着機構 ４…フィルム分離機構 ５…袋開口機構 ６…袋被せ機構 ７…袋押込み機構 ８…袋折込み機構 ９…箱送りコンベア １０…箱昇降機構 ３５…加熱ヘッド ５４…切断刃 ５５…吸着ロール ５５ａ…吸気孔 ６６…袋押圧板 ７３…折返し爪 ７８…押込み部材 ９０…折込み部材 ９８…箱載せ爪

フロントページの続き (72)発明者 青木 誠 愛媛県松山市高岡町66番地 石井工業株式 会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シート状に扁平された袋体の口部を袋開口
   手段により開口して保持し、該袋開口手段により開口し
   た袋体を箱体内部に挿入して敷設する敷設装置であっ
   て、上記袋体が箱体内部に挿入されるとき、該袋体の底
   部側両端部に形成された各角隅部を上記箱体と袋体との
   対向面間に対して折込まれる方向に折込みガイドする袋
   折込み手段を設けた袋折込み式敷設装置。
2. 【請求項２】上記袋折込み手段を、上記袋開口手段によ
   り開口された袋体内部に、上記箱体内部と対応する大き
   さに形成した押込み部材を挿入する袋押込み手段を設
   け、上記袋体の各角隅部と対応する上記押込み部材の下
   端側両側面に各折込み部材を押圧する袋押圧手段とを設
   けて構成した請求項１記載の袋折込み式敷設装置。
3. 【請求項３】上記袋開口手段に対して、筒状に形成され
   た合成樹脂製のフィルム原反を幅方向に溶着及び切断す
   ると共に、上記箱体内部と対応する大きさに分離形成さ
   れた袋体を供給する袋供給手段を設けた請求項１記載の
   袋折込み式敷設装置。