JP3913818B2 - 袋敷設装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、段ボール紙、合成樹脂等で形成された箱体の各フラップに、合成樹脂製又は紙製の袋体を被覆した状態に敷設する作業に用いられる袋敷設装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、上述例のような装置としては、例えば、図１８に示すように、箱体Ｂの開放側周縁部に起立した各フラップＢａ…の上端に各折曲げ部材８０…を垂直当接して、箱体Ｂの各フラップＢａ…を、各折曲げ部材８０…の下面側に形成した斜面に沿って外側に折曲げる。各折曲げ部材８０…を水平方向に後退させて、箱体Ｂの各フラップＢａ…を略水平に折曲げた後、その箱体Ｂ内部に物品（図示省略）を上方から垂直収納する装置（特開平８−１８３５１７号）がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した装置は、箱体Ｂの各フラップＢａ…を各折曲げ部材８０…により略水平に折曲げて、箱体Ｂ内部と対応する大きさに形成された物品を収納するので、例えば、機械的に箱詰めすることが難しい物品を箱体Ｂ底部に多数個収納するような場合、作業者の手で物品を収納することがあるが、物品を収納するような場合、箱体Ｂの各フラップＢａ…が水平方向に突き出しているため、そのフラップＢａの突出寸法だけ作業者が近寄ることができず、作業位置が遠くなるため、箱体Ｂの底部にまで手を挿入することが困難であり、作業者の手で物品の収納することができないという問題点を有している。
【０００４】
また、合成樹脂製の袋体Ｆを箱体Ｂ内部に敷設する場合、各折曲げ部材８０…を上方又は側方に退避させてから袋体Ｆの敷設作業を行うが、箱体Ｂの各フラップＢａ…を各折曲げ部材８０…により折曲げ状態に保持しているため、各折曲げ部材８０…を退避させると、各フラップＢａ…の保持が解除され、各フラップＢａ…が起立状態に復元するので、袋体Ｆの口部Ｆａを、箱体Ｂの各フラップＢａ…に被覆しても、各フラップＢａ…の復元により袋体Ｆの口部Ｆａが捲れ上がってしまい、箱体Ｂの各フラップＢａ…に対して袋体Ｆの口部Ｆａを被覆セットすることができないという問題点も有している。
【０００５】
この発明は上記問題に鑑み、略垂直に折曲げられた箱体の各フラップに袋体を被覆する作業と、略鉛直に起立された箱体の各フラップに袋体を被覆する作業とを一つの装置で行うことができる袋敷設装置の提供を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の発明は、袋被覆手段により袋体の口部を開口保持し、該手段により開口保持した袋体を上面開放形態に形成された箱体内部に敷設する袋敷設装置であって、上記箱体の開放側周縁部に対して略鉛直状態に起立された各フラップの内壁面と対向する前進位置から、該各フラップを外側に向けて略水平状態に折曲げる後退位置を経て、該各フラップを箱体の外壁面と対向する略垂直状態に折曲げる中間位置へ移動するフラップ折曲げ手段と、上記箱体の各角隅部に対応して、該各角隅部外壁面に対して袋体の口部を折返した状態に被覆する袋折返し手段を設け、上記フラップ折曲げ手段により起立された各フラップを、外側に向けた略水平状態からさらに下方に向けた箱体の外壁面と対向する略垂直状態に折曲げた後、箱体内部に袋体を挿入し、上記袋折返し手段により袋体の口部を各フラップに被覆する袋敷設装置であることを特徴とする。
【０００７】
請求項２記載の発明は、上記請求項１記載の構成と併せて、上記箱体の各角隅部内壁面に対応して、該各角隅部内壁面に対して袋体の外周面を密着した状態に敷設する袋押込み手段を設けた袋敷設装置であることを特徴とする。
【０００８】
請求項３記載の発明は、上記請求項１記載の構成と併せて、上記箱体とフラップ折曲げ手段とを、該箱体のフラップが略垂直状態に折曲げられる方向に相互を相対移動する移動手段を設けた袋敷設装置であることを特徴とする。
【０００９】
【作用】
請求項１記載の袋敷設装置は、フラップ折曲げ手段を前進位置に移動して、箱体の開放側周縁部に対して略鉛直状態に起立された各フラップの内壁面に対向させた後、フラップ折曲げ手段を後退位置に移動して、各フラップを外側に向けて略水平状態に折曲げるとともに、フラップ折曲げ手段を後退位置から中間位置へ移動させ、各フラップを外側に向けた略水平状態からさらに下方に向けた箱体の外壁面と対向する略垂直状態に折曲げる。袋被覆手段により開口された袋体の口部を袋折返し手段で保持した後、袋折返し手段により袋体の口部を外側に折返して、箱体の各角隅部外壁面と、フラップ折曲げ手段により折曲げられた箱体の各フラップとに対して被覆するので、フラップを起立した状態のままで物品の収納作業及び回収作業を行うよりも、箱体底部に物品を収納するときの距離が短くなり、作業が容易に行える。また、箱体の各角隅部及び各フラップに対して袋体の口部を折返した状態に被覆する作業が確実に行える。袋体の被覆作業時に於いて、フラップ折曲げ手段により各フラップの折曲げ状態を保持するので、各フラップが元の状態に復元したり、袋体の口部が捲れ上がるのを確実に防止することができる。且つ、フラップ折曲げ手段を後退位置に待機させ、袋被覆手段により開口保持した袋体の口部を略鉛直に起立された箱体の各フラップに被覆することで、略垂直に折曲げられた箱体の各フラップに袋体を被覆する作業と、略鉛直に起立された箱体の各フラップに袋体を被覆する作業とを一つの装置で行うことができる。
【００１０】
請求項２記載の袋敷設装置は、上記請求項１記載の作用と併せて、袋被覆手段により開口保持した袋体内部に袋押込み手段を挿入して、箱体内部と対応する大きさに袋体を内側から押広げると共に、袋押込み手段を箱体の各角隅部内壁面に沿って挿入し、箱体の各角隅部内壁面に袋体の外周面を密着させて、箱体と袋体との間から空気を強制的に抜気するので、箱体内部と対応する大きさに袋体を敷設することができ、箱体内部と同等の収納容積を確保することができる。
【００１１】
請求項３記載の発明は、上記請求項１記載の作用と併せて、箱体とフラップ折曲げ手段とを移動手段により相対移動させて、箱体のフラップを略垂直に折曲げるので、フラップの折曲げに要する動作時間が短縮され、作業能率が向上する。
【００１２】
【発明の効果】
この発明によれば、フラップ折曲げ手段により起立された各フラップを、外側に向けた略水平状態からさらに下方に向けた箱体の外壁面と対向する略垂直状態に折曲げた後、箱体内部に袋体を挿入し、袋折返し手段により袋体の口部を箱体の各フラップに被覆セットするので、フラップにより物品の収納作業及び回収作業が妨げられるのを確実に防止できると共に、フラップを起立した状態のままで物品の収納作業及び回収作業を行うよりも、フラップの寸法分だけ、箱体底部に物品を収納するときの作業距離が短くなり、箱体内部に作業者の手で物品を収納するとき、近寄った状態で作業が行えるため、箱体の底の方にまで手を入れることができ、物品の収納作業及び回収作業が容易に行える。
【００１３】
しかも、フラップ折曲げ手段を待機させ、袋被覆手段により開口保持した袋体の口部を、略鉛直に起立された箱体の各フラップに被覆することにより、略垂直に折曲げられた箱体の各フラップに袋体を被覆する作業と、略鉛直に起立された箱体の各フラップに袋体を被覆する作業とを一つの装置で行うことができ、その目的及び用途に応じて袋体の敷設状態を選択することができる。
【００１４】
さらに、フラップ折曲げ手段により各フラップの折曲げ状態を保持するので、被覆作業時に於いて、各フラップが元の状態に復元したり、袋体の口部が捲れ上がったりするのを確実に防止でき、箱体の各フラップに対して袋体の口部が被覆された状態を維持することができる。
【００１５】
さらにまた、各袋折返し手段により袋体の口部を外側に折返して箱体の各角隅部外面に夫々被覆するので、箱体の各フラップに対して袋体の口部を折返した状態に被覆する作業が確実に行える。箱体とフラップ折曲げ手段とを相対移動させることにより、フラップの折曲げに要する動作時間が短縮され、作業能率の向上を図ることができる。
【００１６】
【実施例】
図面は上面開放形態に組立てられた箱体内部に袋体を被覆する作業に用いられる袋敷設装置を示し、図１及び図２に於いて、この袋敷設装置１の後部には、合成樹脂製のフィルム原反ｆを送り経路Ａ上に供給する供給機構２を配設し、その送り経路Ａ上に、箱体Ｂのサイズと対応してフィルム原反ｆを幅方向に溶着する溶着機構３と、箱体Ｂのサイズと対応する大きさにフィルム原反ｆを分離する分離機構４とを配設し、分離機構４の下方には、袋体Ｆの口部Ｆａを開口するための開口機構５を配設している。装置前部の上方には、袋体Ｆの口部Ｆａを開口保持し、同側下部に搬送された箱体Ｂに被覆する被覆機構６と、その袋体Ｆを箱体Ｂ内部に押込みする押込み機構７とを配設している。被覆機構６により保持された袋体Ｆの下方には、箱体Ｂの各フラップＢａ…を略垂直に折曲げする折曲げ機構８を配設し、その下方には、上面開放形態に組立てられた箱体Ｂを搬送する箱送りコンベア９と、箱送りコンベア９上に停止された箱体Ｂを袋体Ｆが挿入される方向に昇降する昇降機構１０とを配設している。
【００１７】
上述した供給機構２は、透明又は半透明の合成樹脂フィルムにより形成された筒状のフィルム原反ｆを扁平状態（例えば、ガゼット折り状態又は平折り状態）に折畳むと共に、そのフィルム原反ｆをロール状に巻回して、送り経路Ａの始端側下部に配設したフィルム装填部１１に対して回転可能に装填セットしている。フィルム原反ｆは、送り経路Ａの始端側に配列した送りロール１２と、押えロール１３と、昇降ロール１４（ダンサーロール）と、送り経路Ａの終端側に配列した送りロール１５と押えロール１６とに張架され、例えば、減速機付きモータ（図示省略）により送りロール１２，１５を送り方向に回転駆動して、各ロール１２，１３で押圧したフィルム原反ｆを送り方向に供給し、昇降ロール１４の上下動によりフィルム原反ｆの送り量を調節すると共に、各ロール１５，１６で押圧したフィルム原反ｆを垂直方向に繰出し供給する。
【００１８】
前述した溶着機構３は、送り経路Ａの中間部に取付け枠１７を送り方向に対して前後移動可能に架設し、取付け枠１７の上下対向面に、同経路上に供給されるフィルム原反ｆの上下面と対向して加熱部材１８と受け部材１９とを配設し、同枠上部に配設した押え用シリンダ２０と、同枠下部に配設した受け用シリンダ２１との同期作動により、各部材１８，１９をフィルム原反ｆの上下面に押圧すると共に、加熱部材１８によりフィルム原反ｆの押圧部分を幅方向に加熱溶着する。その直前には、フィルム原反ｆの上下面と対向して押え板２２と受け板２３とが配設され、同押え板２２を加熱部材１８と一緒に上下動させて、各板２２，２３によりフィルム原反ｆの上下面を押圧する。
【００１９】
且つ、取付け枠１７の下端部を送り経路Ａに沿って平行に軸架したネジ軸２４に螺合し、一端側に固定したウォームホイル２５と、同側下部に軸支したウォームギャ２６とを歯合して、ウォームギャ２６の一端側に固定した操作ハンドル２７の回動操作又は駆動モータ（図示省略）の駆動力によりネジ軸２４を送り方向に正逆回転させ、取付け枠１７全体を送り方向に前後移動することで、フィルム原反ｆの溶着位置を箱体Ｂのサイズに対応して可変調節する。
【００２０】
前述した分離機構４は、送り経路Ａの終端部に架設した取付け枠２８の下面側に送りロール１５と押えロール１６とを軸支し、各ロール１５，１６で押圧したフィルム原反ｆの下位前後面と対向して押え部材２９と受け部材３０とを配設し、ロール２０後部に配設した押え用シリンダ３１の作動により押え部材２９を前後動させて、各部材２９，３０でフィルム原反ｆの切断部分を押圧する。ロール１５後部に配設したロッドレス型の切断用シリンダ３２の作動により、切断刃３３を受け部材３０の受け面側に突出した状態のまま幅方向に往復移動させ、各部材２９，３０で押圧保持されたフィルム原反ｆを幅方向に切断して、一つの袋体Ｆを分離形成する。
【００２１】
前述した開口機構５は、分離機構４の下段側に、各部材２９，３０で押圧したフィルム原反ｆの下位前後面と対向して、例えば、吸気用ブロワ、真空ポンプ等の負圧発生手段（図示省略）に接続されたロール型の各吸着子３４，３４を配設し、各吸着子３４，３４を、前後部に配設した各可動枠３５，３５の対向面側に相対向させて夫々軸架している。一側部に配設した開口用シリンダ３６を前側可動枠３５の一端側に連結し、中央部に配設した開口用シリンダ３７を後側可動枠３５の背面側に連結して、各開口用シリンダ３６，３７の同期作動により、各吸着子３４，３４がフィルム原反ｆの前後面に密着される吸着位置と、袋体Ｆの口部Ｆａが開口される開口位置とに各可動枠３５，３５を前後移動する。
【００２２】
上述した吸着子３４は、図３にも示すように、可動枠３５の前面側両端部に固定した各軸受部３５ａ，３５ａ間に軸架され、吸着子３４の一側端部に固定したギャ３８と、可動枠３５の一側端部に配設したラック３９とを歯合すると共に、同側端部に配設した捲り用シリンダ４０の作動により、ギャ３８及びラック３９を介して吸着子３４を捲り方向に回転させ、吸着子３４に形成した各吸気孔３４ａ…がフィルム原反ｆに対向される横向き位置と、各吸気孔３４ａ…が真上となる上向き位置とに正逆回転する。且つ、各軸受部３５ａ，３５ａの後端側に軸架した支軸４１上に複数枚（例えば、２枚、３枚、４枚）の各袋押圧板４２…を所定間隔に隔てて固定し、可動枠３５の背面側中央部に固定した押圧用シリンダ４３の作動により、支軸４１の中央部に固定した可動片４１ａを上下動させ、可動枠３５と可動片４１ａとの間に張架したバネ部材４４の弾性に抗して、各袋押圧板４２…を、吸着子３４の上部周面に対して押圧する閉位置と、同周面に対して適宜間隔に離間した開位置とに上下回動する。
【００２３】
且つ、吸着子３４の吸着面全長には、例えば、丸形、長形、楕円形等を有する各吸気孔３４ａ…を長さ方向に対して所定間隔に隔てて多数形成し、各吸気孔３４ａ…を除く外周面を、例えば、合成ゴム、軟質樹脂等の接触抵抗の大きい被覆部材で被覆している。なお、吸気孔３４ａに、例えば、金属製、樹脂製等で形成した網体（図示省略）を張架して袋体Ｆの吸込みを防止する。
【００２４】
前述した被覆機構６は、図４にも示すように、上述した開口機構５の開口動作が許容される高さ位置であって、各吸着子３４，３４により開口された袋体Ｆの開口側周縁部と対向する両側位置に各可動板４５，４５を配設し、後述する各可動枠５９，５９の水平側端部に固定した各昇降用シリンダ４６，４６の作動により、各可動板４５，４５を上下動させ、後述する各折返し爪４８…を、上述した開口機構５により開口した袋体Ｆの口部Ｆａよりも上方に退避させた上昇位置と、後述する箱昇降機構１０により持上げられた箱体Ｂの各フラップＢａ…に対して各折返し爪４８…で開口保持した袋体Ｆの口部Ｆａが被覆される降下位置とに上下動する。且つ、各可動枠５９，５９の移動により箱体Ｂのサイズに対応して拡縮調節される。
【００２５】
上述した可動板４５には、同板の下面側に軸架した支軸４７上に２枚の各折返し爪４８，４８を固定すると共に、各折返し爪４８，４８の間隔を箱体Ｂのサイズに対応して拡縮調節可能に設けている。支軸４７の一側端部に固定したギャ４９と、同側端部に配設したラック５０とを歯合すると共に、同側に配設した開閉用シリンダ５１の作動により、ギャ４９及びラック５０を介して、各折返し爪４８，４８を、上述した開口機構５により開口した袋体Ｆの口部Ｆａに対して挿入される閉位置と、後述する箱体Ｂの各フラップＢａ…に対して被覆される大きさに袋体Ｆの口部Ｆａを開口する開位置とに開閉する。可動板４５の下面側中央部に固定した閉角用シリンダ５２の作動により、支軸４７の中央部に固定した可動片４７ａを上下動させ、各折返し爪４８，４８を袋体Ｆの開口保持が解除される閉角度に回動する。
【００２６】
前述した押込み機構７は、上述した被覆機構６の保持動作が許容される高さ位置であって、各折返し爪４８…で開口保持した袋体Ｆの口部Ｆａと対向して取付け枠５４を上下調節可能に架設すると共に、同取付け枠５４の下面側に、後述する箱送りコンベア９の左側部に幅寄せされた箱体Ｂの内側底面部と対向して押込み部材５３を配設している。押込み部材５３は、最小サイズの箱体Ｂ内部に対して挿入可能な大きさに形成され、その下面側には、箱体Ｂの角隅部内壁面に沿って挿入される間隔に隔てて４本の各押込み棒５３ａ…を垂設している。各押込み棒５３ａ…は、箱体Ｂの底部に到達する長さであって、箱体Ｂのサイズに対応して上下調節可能に取付けられ、箱体Ｂの対角線方向に対して摺動調節可能に取付けられている。且つ、取付け枠５４に立設した押込み用シリンダ５５の作動により、上述した被覆機構６により保持した袋体Ｆの口部Ｆａよりも上方に各押込み棒５３ａ…を退避させた上昇位置と、後述する箱昇降機構１０により持上げられた箱体Ｂの角隅部内壁面に沿って各押込み棒５３ａ…が挿入される下降位置とに押込み部材５３を上下動する。
【００２７】
前述した折曲げ機構８は、箱送りコンベア９の送り方向と平行して装置上部に架設した各ガイドレール５６，５６と、箱送りコンベア９の右側上部に軸架した上下段の各ネジ軸５７，５７及びガイドレール５８とに、上下逆Ｌ字形に形成した各可動枠５９，５９の水平部と垂直部とを送り方向に対して摺動可能に係合し、一方のネジ軸５７に固定した操作ハンドル５７ａの回動操作又は駆動モータ（図示省略）の駆動力により、各スプロケット６０ａ，６０ａ及びチェーン６０ｂを介して各ネジ軸５７，５７を正逆回転させ、各可動枠５９，５９の間隔を、後述する箱昇降機構１０で持上げられる箱体Ｂのサイズに対応して拡縮調節する。
【００２８】
且つ、上述した被覆機構６により保持される袋体Ｆの直下であって、後述する昇降機構１０により持上げられる箱体Ｂの各フラップＢａ…と対向して各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を同一高さに配設している。各折曲げ部材６１，６２，６３は、図１０にも示すように、各フラップＢａ…の平面部に対して押圧される横幅に形成され、その下端側両縁部には各ローラ６１ａ，６２ａ，６３ａを自由回転可能に軸支している。
【００２９】
箱体Ｂの前後フラップＢａ，Ｂａと対向して配設した各折曲げ部材６１，６１は、箱送りコンベア９の搬送面と直交する方向に向けて可動枠５９の垂直側中間部に支持枠５９ａを架設して、支持枠５９ａの中間部に固定した各進退用シリンダ６１ｂ，６１ｃの作動により、箱体ＢのフラップＢａよりも内側に移動された前進位置と、箱体ＢのフラップＢａが略垂直に折曲げられる間隔に近接した中間位置と、箱体ＢのフラップＢａが略水平に折曲げられる後退位置とに前後動する。
【００３０】
箱体Ｂの左側フラップＢａと対向して配設した各折曲げ部材６２，６２は、支持枠５９ａの先端部に固定した各進退用シリンダ６２ｂ，６２ｃの作動により、上述した前進位置、中間位置、後退位置とに前後動され、且つ、進退用シリンダ６２ｄの作動により、箱体Ｂのサイズに対応して左側フラップＢａと対向する位置に水平移動される。
【００３１】
箱体Ｂの右側フラップＢａと対向して配設した折曲げ部材６３は、箱送りコンベア９の右側部に支持枠６４を立設して、支持枠６４に固定した進退用シリンダ６３ｂ，６３ｃの作動により、上述した前進位置、中間位置、後退位置とに前後動され、且つ、箱体Ｂのサイズに対応して右側フラップＢａと対向する位置に進退調節可能に取付けられている。
【００３２】
且つ、各可動枠５９，５９の垂直側端部には、箱送りコンベア９により袋体Ｆの直下に搬送される箱体Ｂの前後面と対向して各箱支持アーム６５，６５を水平回動可能に軸支し、各側端部に固定したロータリ型の各回動用シリンダ６６，６６の作動により、各箱支持アーム６５，６５を、箱体Ｂの前後面に押圧される旋回位置と、箱体Ｂの搬送が許容される退避位置とに水平回動する。なお、各箱支持アーム６５，６５の間隔は、各可動枠５９，５９の移動により箱体Ｂのサイズに対応して拡縮調節される。
【００３３】
前述した箱送りコンベア９は、図５にも示すように、両側部に架設した各取付け枠９ａ，９ａの対向面間に、多数本の各送りロール９ｂ…を送り方向に対して所定間隔に隔てて軸架し、減速機付き送り用モータ（図示省略）の駆動力により各送りロール９ｂ…を回転させて、各送りロール９ｂ…上に載置された箱体Ｂを送り方向に搬送する。且つ、箱送りコンベア９の右側部には、各箱支持アーム６５，６５により停止される箱体Ｂの右側面と対向して幅寄せ板６７を配設し、同側に配設した幅寄せ用シリンダ６８の作動により、幅寄せ板６７を、箱体Ｂの一側面に押圧される前進位置と、同箱体Ｂに対して所定間隔に離間される退避位置とに前後動する。
【００３４】
前述した昇降機構１０は、各箱支持アーム６５，６５により停止される箱体Ｂの左側部に各ガイドレール６９，６９を所定間隔に隔てて鉛直に立設し、各ガイドレール６９，６９上に昇降枠７０の後端部を上下摺動可能に係合し、同昇降枠７０の前端部に各受け爪７１，７１を水平固定すると共に、両側上部に軸支した各スプロケット７２，７２と、両側下部に軸支した各スプロケット７３，７３との間に各昇降チェーン７４，７４を張架し、各昇降チェーン７４，７４の端部を昇降枠７０に連結して、下部一側に配設した減速機付き昇降用モータ７５の駆動力により、各スプロケット７５ａ，７５ａ及びチェーン７５ｂを介して各昇降チェーン７４，７４を上下方向に周回させ、上述した被覆機構６により保持された袋体Ｆの口部Ｂａが箱体Ｂの各フラップＢａ…に被覆される上昇位置と、上述した各折曲げ部材６１，６２，６３が箱体Ｂの各フラップＢａ…間に挿入される中間位置と、箱送りコンベア９の搬送面下に没入される降下位置とに昇降枠７０を上下動する。
【００３５】
且つ、各受け爪７１，７１の間に、箱体Ｂの底面部と対向して負圧発生手段（図示省略）に接続された吸着子７１ａを上向きに取付け、各受け爪７１，７１上に載置された箱体Ｂの底面部に吸着子７１ａを密着させて吸着保持する。また、被覆機構６により保持される袋体Ｆの前後面と対向して各挿入ガイド７６，７６を配設し、前後部に配設した各進退用シリンダ７７，７７の作動により、被覆機構６により保持した袋体Ｆを箱体Ｂ内部に挿入される垂直姿勢に規制する前進位置と、開口機構５及び昇降機構１０の動作が許容される後退位置とに移動する。
【００３６】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、袋敷設装置１により箱体Ｂの各フラップＢａ…を略垂直に折曲げて袋体Ｆを敷設する動作を説明する。
先ず、図１、図２に示すように、供給機構２を駆動して、ロール状に巻回されたフィルム原反ｆを溶着機構３及び分離機構４に供給し、溶着機構３に供給されるフィルム原反ｆの上下面を加熱部材１８と受け部材１９とで押圧して幅方向に加熱溶着した後、各部材１８，１９を初期位置に復帰させる。分離機構４に供給されるフィルム原反ｆを、箱体Ｂのサイズと対応する寸法だけ下方に垂下した後、開口機構５の各吸着子３４，３４をフィルム原反ｆの前後面に押圧して吸着保持し、その各吸着子３４，３４により押圧した上位側を、分離機構４の切断刃３３により幅方向に切断して、一つの袋体Ｆを分離形成する。
【００３７】
次に、各吸着子３４，３４を引下げ方向に回転させて袋体Ｆを若干引下げ、吸着子３４に形成した各吸気孔３４ａ…を袋体Ｆの切断側端部（例えば、約１０mm離れた部分）に密着させて、各吸着子３４，３４の各吸気孔３４ａ…に生じる負圧により袋体Ｆの前後面を吸着保持する。各吸着子３４，３４を捲り方向に回転させて、袋体Ｆの口部Ｆａを若干剥離した後、各吸着子３４，３４で吸着保持した袋体Ｆの口部Ｆａを各袋押圧板４２…により押圧固定する。
【００３８】
次に、図６に示すように、前後の各吸着子３４，３４を離間方向に相対移動させ、各吸着子３４，３４で吸着保持した袋体Ｆの口部Ｆａを水平方向に開口すると共に、図７に示すように、被覆機構６の各折返し爪４８…を各吸着子３４，３４により開口した袋体Ｆの口部Ｆａに挿入して、各折返し爪４８…により袋体Ｆの口部Ｆａを開口した状態に保持した後、各吸着子３４，３４による吸着保持を解除して、各袋押圧板４２…による押圧固定を解除する。同時に、各吸着子３４，３４により吸着保持された袋体Ｆの前後面に各挿入ガイド７６，７６を近接して、箱体Ｂ内部に挿入される垂直姿勢に規制する。
【００３９】
一方、上面開放形態に組立てられた箱体Ｂを箱送りコンベア９により搬送し、被覆機構６の下方に箱体Ｂが搬送されたとき、図５に示すように、各箱支持アーム６５，６５を箱体Ｂの前後面に押圧して停止させ、幅寄せ板６７を箱体Ｂの右側面に押圧して箱送りコンベア９の左側搬送面に幅寄せする。
【００４０】
次に、図８に示すように、折曲げ機構８の各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を箱体Ｂの各フラップＢａ…よりも内側に移動させた後、昇降機構１０の各受け爪７１，７１により箱体Ｂを中間位置まで持ち上げ、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を箱体Ｂの各フラップＢａ…間に挿入した状態に上昇停止させる。図９、図１０に示すように、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を四方に後退移動させ、箱体Ｂの各フラップＢａ…を外側に向けて略水平状態となるように折曲げる。
【００４１】
次に、図１１に示すように、各受け爪７１，７１により箱体Ｂを上昇位置まで持ち上げた後、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を中間位置まで前進移動して、各フラップＢａ…を略垂直状態となるように折曲げる。図１２に示すように、各挿入ガイド７６，７６を初期位置に後退復帰させ、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を後退させた後、各折返し爪４８…で保持した袋体Ｆを垂直降下させて箱体Ｂ内部に挿入し、押込み機構７の押込み部材５３を垂直降下させて、各押込み棒５３ａ…を袋体Ｆ内部に挿入する。図１３に示すように、各折返し爪４８…により保持した袋体Ｆの口部Ｆａを外側に折返（例えば、シングル折り状態、ダブル折り状態）すと共に、押込み部材５３の各押込み棒５３ａ…を箱体Ｂの角隅部内壁面に沿って挿入し、箱体Ｂ内部と対応する大きさに袋体Ｆを内側から押広げて、箱体Ｂの角隅部内壁面に袋体Ｆの外周面を密着させ、箱体Ｂと袋体Ｆとの間から空気を強制的に抜気した後、各折返し爪４８…により保持した袋体Ｆの口部Ｆａを箱体Ｂの各フラップＢａ…に被覆する。
【００４２】
次に、図１４に示すように、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を箱体Ｂの各フラップＢａ…に近接し、各フラップＢａ…が水平に復元及び袋体Ｆの口部Ｆａが捲れ上がるのを防止した状態のままで、各折返し爪４８…を閉方向に回動して初期位置に上昇復帰させ、押込み部材５３の各押込み棒５３ａ…を箱体Ｂ及び袋体Ｆから引き抜いて初期位置に上昇復帰させ、各吸着子３４，３４を初期位置に移動復帰させ後、図１５に示すように、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を初期位置に後退復帰させ、各受け爪７１，７１を降下位置まで垂直降下させて、袋敷設済みの段ボール箱Ｂを箱送りコンベア９に載置して次工程に搬送供給する。上述と同様にして、袋体Ｆの敷設作業を継続して行う。
【００４３】
図１６、図１７は、箱体Ｂの各フラップＢａ…を略鉛直に起立した状態のままで袋体Ｂを敷設する袋敷設装置１の他の動作例を示し、折曲げ機構８の各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を後退位置に待機させ、昇降機構１０の各受け爪７１，７１により箱体Ｂを持ち上げて、被覆機構６の各折返し爪４８…で保持した袋体Ｆを箱体Ｂ内部に挿入し、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を箱体Ｂの各フラップＢａ…に近接した後、被覆機構６の各折返し爪４８…で保持した袋体Ｆを箱体Ｂ内部に挿入すると共に、各折返し爪４８…により保持した袋体Ｆの口部Ｆａを略鉛直に起立された箱体Ｂの各フラップＢａ…に被覆する。その直前に、押込み機構７の押込み部材５３を垂直降下させて、各押込み棒５３ａ…を箱体Ｂの角隅部内壁面に沿って袋体Ｆ内部に挿入する。
【００４４】
次に、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を箱体Ｂの各フラップＢａ…に近接した状態のままで、各折返し爪４８…及び押込み部材５３を上昇復帰させた後、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を後退復帰させ、各受け爪７１，７１を垂直降下させて、袋敷設済みの段ボール箱Ｂを箱送りコンベア９に載置するので、袋体Ｆの口部Ｆａが捲れ上がるのを確実に防止することができ、略鉛直に起立された箱体Ｂの各フラップＢａ…に対して袋体Ｆの口部Ｆａを被覆セットする作業が容易に行える。
【００４５】
以上のように、折曲げ機構８の各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３により箱体Ｂの各フラップＢａ…を略垂直に折曲げた後、被覆機構６の各折返し爪４８…により保持した袋体Ｆの口部Ｆａを箱体Ｂの各フラップＢａ…に被覆セットするので、各フラップＢａ…により物品の収納作業及び回収作業が妨げられるのを確実に防止できると共に、各フラップＢａ…を起立した状態のままで物品の収納作業及び回収作業を行うよりも、フラップＢａの寸法分だけ、箱体Ｂ底部に物品を収納するときの作業距離が短くなり、箱体Ｂに近寄った状態で作業が行えるため、箱体Ｂの底の方にまで手を入れることができ、物品の収納作業及び回収作業が容易に行える。
【００４６】
しかも、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３を後退位置に待機させ、各折返し爪４８…により保持した袋体Ｆの口部Ｆａを略鉛直に起立された箱体Ｂの各フラップＢａ…に被覆セットすることにより、略垂直に折曲げられた箱体Ｂの各フラップＢａ…に袋体Ｆを被覆する作業と、略鉛直に起立された箱体Ｂの各フラップＢａ…に袋体Ｆを被覆する作業とを一つの装置で行うことができ、その目的及び用途に応じて袋体の敷設状態を選択することができる。
【００４７】
さらに、各折曲げ部材６１，６１，６２，６２，６３により箱体Ｂの各フラップＢａ…を折曲げた状態に保持するので、被覆作業時に於いて、各フラップＢａ…が水平状態又は起立状態に復元したり、袋体Ｆの口部Ｆａが捲れ上がったりするのを確実に防止することができ、略垂直に折曲げられた箱体Ｂの各フラップＢａ…に対して袋体Ｆの口部Ｆａを被覆された状態を維持することができる。
【００４８】
さらにまた、各折返し爪４８…により袋体Ｆの口部Ｆａを外側に折返して箱体Ｂの角隅部外壁面に夫々被覆するので、袋体Ｆの口部Ｆａを折返した状態に被覆する作業が確実に行える。加えて、昇降機構１０により箱体Ｂを垂直上昇させて、箱体Ｂの各フラップＢａ…を各折曲げ部材８６…により略垂直状態に折曲げるので、各フラップＢａ…の折曲げに要する動作時間が短縮され、作業能率の向上を図ることができる。
【００４９】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の袋被覆手段は、実施例の被覆機構６に対応し、
以下同様に、
フラップ折曲げ手段は、折曲げ機構８及び折曲げ部材６１，６２，６３に対応し、
袋折返し手段は、折返し爪４８に対応し、
袋押込み手段は、押込み機構７及び押込み部材５３及び押込み棒５３ａに対応し、
移動手段は、昇降機構１０及び昇降枠７０、受け爪７１に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【００５０】
上述した実施例では、ロール型の各吸着子３４，３４により袋体Ｆの口部Ｆａを捲り開口するが、例えば、パッド型の吸着子（図示省略）により袋体Ｆの口部Ｆａを吸着保持して開口するもよく、或いは、粘着剤や粘着テープ等の粘着部材、チャック等の挾持部材により袋体Ｆの口部Ｆａを開口してもよい。
【００５１】
また、水平方向に繰出される袋体Ｆの口部Ｆａを各吸着子３４，３４により吸着保持して上下方向に開口するもよく、実施例の開口方向のみに限定されるものではない。さらにまた、各折返し爪４８…の近傍又は押込み部材５３に垂設した噴射ノズル（図示省略）から加圧エアを吐出して、各折返し爪４８…により保持した袋体Ｆを適宜大きさに拡張してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 箱体のフラップを折曲げて袋敷設する袋敷設装置を示す側面図。
【図２】 袋敷設装置による敷設動作を示す正面図。
【図３】 開口機構を構成する吸着子の取付け状態を示す側面図。
【図４】 被覆機構を構成する折返し爪の取付け状態を示す側面図。
【図５】 箱送りコンベア及び昇降機構の配置状態を示す平面図。
【図６】 開口機構による開口動作を示す側面図。
【図７】 被覆機構による保持動作を示す側面図。
【図８】 折曲げ部材の前進動作及び箱体の上昇動作を示す側面図。
【図９】 箱体のフラップ折曲げ動作を示す側面図。
【図１０】 箱体のフラップ折曲げ動作を示す平面図。
【図１１】 折曲げ部材の近接動作及び箱体の上昇動作を示す側面図。
【図１２】 袋体の挿入動作を示す側面図。
【図１３】 袋体の折返し動作及び被覆動作を示す側面図。
【図１４】 折返し爪及び押込み部材の抜取り動作を示す側面図。
【図１５】 袋敷設済みの箱体を示す側面図。
【図１６】 箱体のフラップを起立したまま袋敷設する他の例を示す側面図。
【図１７】 袋体の折返し動作及び被覆動作を示す側面図。
【図１８】 従来装置による袋体の敷設動作を示す側面図。
【符号の説明】
Ｆ…袋体
Ｆａ…口部
Ｂ…箱体
Ｂａ…フラップ
１…袋敷設装置
２…供給機構
３…溶着機構
４…分離機構
５…開口機構
６…被覆機構
７…押込み機構
８…折曲げ機構
９…箱送りコンベア
１０…昇降機構
３４…吸着子
４８…折返し爪
５３…押込み部材
５３ａ…押込み棒
６１，６２，６３…折曲げ部材
７０…昇降枠
７１…受け爪

Claims (3)

1. 袋被覆手段により袋体の口部を開口保持し、該手段により開口保持した袋体を上面開放形態に形成された箱体内部に敷設する袋敷設装置であって、
   上記箱体の開放側周縁部に対して略鉛直状態に起立された各フラップの内壁面と対向する前進位置から、該各フラップを外側に向けて略水平状態に折曲げる後退位置を経て、該各フラップを箱体の外壁面と対向する略垂直状態に折曲げる中間位置へ移動するフラップ折曲げ手段と、
   上記箱体の各角隅部に対応して、該各角隅部外壁面に対して袋体の口部を折返した状態に被覆する袋折返し手段を設け、
   上記フラップ折曲げ手段により起立された各フラップを、外側に向けた略水平状態からさらに下方に向けた箱体の外壁面と対向する略垂直状態に折曲げた後、箱体内部に袋体を挿入し、上記袋折返し手段により袋体の口部を各フラップに被覆する
   袋敷設装置。
2. 上記箱体の各角隅部内壁面に対応して、該各角隅部内壁面に対して袋体の外周面を密着した状態に敷設する袋押込み手段を設けた
   請求項１記載の袋敷設装置。
3. 上記箱体とフラップ折曲げ手段とを、該箱体のフラップが略垂直に折曲げられる方向に相対移動する移動手段を設けた
   請求項１記載の袋敷設装置。

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