JP3543849B2 - 袋開口装置 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
この発明は、例えば、段ボール紙や合成樹脂等で形成された上面開放形態の箱体内に、合成樹脂製又は紙製の袋体を適宜大きさに開口して敷設する作業に用いられる袋開口装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例のような箱体内に袋体を開口して敷設する装置としては、例えば、図13に示すように、合成樹脂で形成したフィルム原反fの前後面を各吸着パッド92,92の吸着面に生じる負圧により吸着保持した後、同各吸着パッド92,92で吸着保持したフィルム原反fの上位側に加熱ヘッド93を押圧して幅方向に加熱溶着し、同加熱ヘッド93で加熱溶着したフィルム原反fの下位側を切断カッタ94により幅方向に切断して、一つの包装袋Fを分離形成する。
【0003】
次に、包装袋Fの切断側端部よりも若干離れた部分(例えば、約50mm離れた部分)を各吸着パッド92,92で吸着保持したまま左右に牽引して、同各吸着パッド92,92で吸着保持した包装袋Fの投入口Faを開口する。各吸着パッド92,92で吸着保持した包装袋Fと、同位置下部に供給した段ボール箱Bとを袋挿入方向に相対移動させて、各吸着パッド92,92で吸着保持した包装袋Fを段ボール箱B内に敷設する装置がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように包装袋Fの切断側端部よりも若干離れた部分を各吸着パッド92,92で吸着保持した場合、各吸着パッド92,92で吸着保持した包装袋Fの投入口Faを左右に開口するときに、各吸着パッド92,92で吸着保持した部分を中心として包装袋Fの上位側内面及び下位側内面に剥離抵抗が生じ、包装袋Fの開口作業が妨げられる。つまり、フィルム内面に付着する水分や油分或いはフィルム自体に生じる静電気により、包装袋Fの内面側が隙間無く密着(ブロックキング現象)しているため、包装袋Fの投入口Faを開口するときの剥離抵抗が各吸着パッド92,92の吸着力よりも大きく、包装袋Fの開口側両端部を各吸着パッド92,92により確実に吸着することが困難であり、一方の吸着パッド92側に包装袋Fが吸着保持されたり、吸着パッド92から包装袋Fが脱落したりするため、フィルムによっては吸着ミス及び開口ミスが多発しやすいという問題点を有している。
【0005】
且つ、各吸着パッド92,92の吸着力のみで包装袋Fの投入口Faを開口するため、各吸着パッド92,92の吸着面に生じるエア洩れ或いは包装袋F内面に生じるブロックキング現象により、各吸着パッド92,92で吸着保持した包装袋Fが不測にも脱落することがあるため、ブロッキング現象が起き難いフィルムを使用しなければならず、フィルムの種類が限定されるという問題点を有している。
【0006】
この発明は上記問題に鑑み、袋体の開口側両端部に近接した部分を一対の各吸着ロールで吸着保持し、各吸着ロールで吸着保持した袋体の投入口を開口側両端部から順次剥離して開口することにより、袋体を開口するときの剥離抵抗が小さく、袋体の開口作業が簡単且つ容易に行える袋開口装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、シート状に扁平した袋体の開口側両端部を一対の各吸着ロールにより吸着保持し、該各吸着ロールを離間方向に相対移動させて袋体の投入口を適宜大きさに開口する袋開口装置であって、上記袋体の開口側両端部と対向して断面円形に形成した中空形状の各吸着ロールを配設し、上記各吸着ロールの吸着面に適宜数の各吸気孔を形成し、該各吸着ロールの一側端部に負圧発生手段を連通接続すると共に、上記袋体の開口側両端部を各吸着ロールで押圧したまま、該各吸着ロールの吸着面に形成した各吸気孔を袋体の開口側両端部に近接した部分に密着させて吸着保持し、該各吸着ロールで吸着保持した袋体の投入口が開口側上端部から順次剥離される方向に上記各吸着ロールを回転する吸着ロール回転手段を設け、上記各吸着ロールが袋体の開口側両端部に押圧される位置と、該各吸着ロールで吸着保持した袋体の開口側両端部が開口される位置とに上記各吸着ロールを相対移動する吸着ロール吸着ロール移動手段を設けた袋開口装置であることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の構成と併せて、上記各吸着ロールの吸着面と対接する位置に各袋押圧板を配設すると共に、該各吸着ロールの吸着面側に吸着された袋体の開口側両端部を挾持する方向に各袋押圧板を移動可能に設けた袋開口装置であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の構成と併せて、上記各吸着ロールを、上記袋体の開口側両端部と対接する長さに形成すると共に、該各吸着ロールの吸着面全長に多数個の各吸気孔を所定間隔に隔てて形成した袋開口装置であることを特徴とする。
【0010】
【作用】
請求項1記載の袋開口装置は、吸着ロール移動手段を駆動して、シート状に扁平した袋体の開口側両端部に各吸着ロールを押圧した後、吸着ロール回転手段を駆動して、各吸着ロールの吸着面に形成した各吸気孔を袋体の開口側両端部に対して適宜間隔に近接した部分に密着(図8参照)させ、負圧発生手段を駆動して、各吸着ロールの吸着面側に形成した各吸気孔から外気を吸引し、各吸気孔に生じる負圧により袋体の開口側両端部を吸着保持する。
【0011】
次に、各吸着ロールを、袋体の投入口が開口側から底部側に向けて剥離及び開口される方向に吸着ロール回転手段で逆回転させ、各吸着ロールで吸着保持した袋体を開口側両端部から順次剥離(図9参照)すると共に、吸着ロール移動手段を復帰駆動して、各吸着ロールを離間方向に相対移動させ、各吸着ロールで吸着保持した袋体の開口側両端部を開口方向に牽引して開口するので、袋体の投入口を開口するときの剥離抵抗が小さく、袋体の開口作業が容易に行える。
【0012】
請求項2記載の袋開口装置は、上記請求項1記載の作用と併せて、袋体の開口側両端部を各吸着ロールで吸着保持した後、各吸着ロールの吸着面側に吸着された袋体の開口側両端部を各袋押圧板で挾持固定する。この後、吸着ロール移動手段を駆動して、各吸着ロールと各袋押圧板とで挾持固定した袋体の開口側両端部を開口方向に牽引して開口するので、袋体の投入口を確実に開口することができる。
【0013】
請求項3記載の袋開口装置は、上記請求項1記載の作用と併せて、袋体の開口側両端部を各吸着ロールで吸着保持した後、各吸着ロールを逆回転して、袋体の開口側両端部を捲りながら順次剥離して開口するので、袋体の開口作業が容易に行える。
【0014】
【発明の効果】
この発明によれば、袋体の開口側両端部を各吸着ロールで押圧したまま、袋体の開口側両端部に近接した部分を断面円形の各吸着ロールで吸着保持し、各吸着ロールを袋体の投入口が開口側から底部側に向けて剥離される捲り方向に回転して、各吸着ロールで吸着保持した袋体の投入口を開口側両端部から順次剥離して開口するので、従来装置に比べて袋体の投入口を開口するときの剥離抵抗が小さく、ブロックキング現象による影響が殆ど無いため、袋体の開口作業が簡単且つ容易に行える。且つ、各吸着ロールと各袋押圧板とで袋体の開口側両端部を挾持固定した状態のまま水平方向に牽引して開口するので、各吸着ロールの吸着面側にエア洩れが生じたり、袋体内面にブロックキング現象が生じても、各吸着ロールの吸着面から袋体が脱落したりせず、ブロッキング現象が起きやすい材質の袋体であっても、袋体の投入口を確実に開口することができると共に、袋体の材質及び種類が限定されないため、袋体の開口作業が安定して行え、作業の省力化及び能率アップを図ることができる。
【0015】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は箱体及び袋体の一例として上面開放形態に組立てられた段ボール箱内に合成樹脂製の包装袋を開口して敷設する作業に用いられる袋開口敷設機を示し、図1及び図2に於いて、この袋開口敷設機1は、繰出し経路上に設定した溶着位置から分離位置に向けて合成樹脂製のフィルム原反fを供給するフィルム供給機構2と、同経路上の溶着位置に供給されたフィルム原反fを幅方向に溶着するフィルム溶着機構3と、同経路上の分離位置に供給されたフィルム原反fを適宜大きさに分離するフィルム分離機構4と、同機構により分離された包装袋Fの投入口Faを上向けた状態に開口する袋開口機構5と、同機構により開口された包装袋Fの投入口Faを保持する袋保持機構6と、同機構により保持された包装袋Fを段ボール箱Bに挿入する袋押込み機構7と、上述の袋保持機構6により保持された包装袋Fが挿入される方向に、箱送りコンベア8上の昇降位置に搬送された段ボール箱Bを垂直昇降する箱昇降機構9とから構成される。
【0016】
上述のフィルム供給機構2は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の合成樹脂フィルムで形成した筒状のフィルム原反fを折畳んだ状態(例えば、ガゼット折り状態又は平折り状態)のままロール状に巻回すると共に、そのロール状に巻回してなるフィルム原反fを繰出し側始端部に配設したフィルム装填部10に軸受している。且つ、繰出し側始端部に配設したフィルム装填部10の後段側に各ガイドロール11,12を軸支し、繰出し経路上に設定した溶着位置前段に各ガイドロール13,14,15,16及びダンサーロール17を軸支し、フィルム原反fの繰出し側始端部に空気を適量注入してから各ロール11,12,13,14,15,16,17に張架することで、予め注入した空気によりフィルム原反fの内面が剥離され、後述する袋開口機構5により包装袋Fの投入口Faを容易に開口することができる。
【0017】
さらに、ダンサーロール17の上段側に送りロール18と押えロール19とを軸支し、同送りロール18の上段側に軸支した可動アーム20の前端部に押えロール19を軸支し、同位置側部に配設した押え用シリンダ21を可動アーム20の後端部に連結して、押え用シリンダ21の作動により、繰出し経路上に供給されるフィルム原反fの上下面を各ロール18,19で挾持すると共に、同位置側部に配設した送り用モータ22の駆動力により、各スプロケット23,24及び駆動チェーン25を介して送りロール18を送り方向に回転させ、各ロール18,19により挾持したフィルム原反fを繰出し供給する。
【0018】
且つ、繰出し経路上に設定した分離位置上段に、同位置に供給されるフィルム原反fの前後面と対向して送りロール26と押えロール27とを軸支し、同送りロール26の上段側に軸支した可動アーム28の下端部に押えロール27を軸支し、同位置上部に配設した押え用シリンダ29を可動アーム28の上端部に連結して、押え用シリンダ29の作動により、繰出し経路上に供給されるフィルム原反fの前後面を各ロール26,27で挾持すると共に、同位置側部に配設した送り用モータ30の駆動力により、各スプロケット31,32及び駆動チェーン33を介して送りロール26を送り方向に回転させ、各ロール26,27により挾持したフィルム原反fを繰出し供給する。
【0019】
前述のフィルム溶着機構3は、繰出し経路上に設定した溶着位置に、同位置に供給されるフィルム原反fの上下面と対向して加熱ヘッド34と受けヘッド35とを配設し、同位置上部に配設した押え用シリンダ36を加熱ヘッド34の上面側に連結し、同位置下部に配設した受け用シリンダ37を受けヘッド35の下面側に連結して、各シリンダ36,37の同期作動により、同位置に供給されたフィルム原反fの上下面を各ヘッド34,35で挾持すると共に、フィルム原反fの挾持部分を加熱ヘッド34により幅方向に加熱溶着する。且つ、溶着位置直前に供給されるフィルム原反fの上下面と対向して押え板38と受け板39とを配設し、同位置上部に配設した押え用シリンダ40を押え板38の上面側に連結して、押え用シリンダ40の作動により、溶着位置直前に供給されたフィルム原反fの上下面を各板38,39で挾持する。
【0020】
前述のフィルム分離機構4は、繰出し経路上に設定した分離位置に、同位置に供給されるフィルム原反fの前後面と対向して切断カッタ41と受けヘッド42とを配設し、同位置下部に配設した切断用シリンダ43を切断カッタ41に連結して、切断用シリンダ43の作動により、分離位置に供給されたフィルム原反fを切断カッタ41で幅方向に切断して、一つの包装袋Fを分離形成する。
【0021】
前述の袋開口機構5は、図3、図4、図5にも示すように、繰出し経路上に設定した分離位置下段に、同位置直下に供給されるフィルム原反fの前後面と対向して、例えば、断面円形に形成した中空形状の各吸着ロール44,44を配設し、同位置の下部前後に配設した各可動枠45,45の長手側対向面に各吸着ロール44,44を回転可能に軸架すると共に、同位置一側部に配設した開口用シリンダ46を前側可動枠45の一端側に連結し、同位置中央部に配設した開口用シリンダ47を後述する支持枠49を介して後側可動枠45の背面側中央部に連結し、同各可動枠45,45の他端側に連結した各ガイド軸48,48を前後摺動可能に軸受して、各開口用シリンダ46,47の同期作動により、分離位置直下に供給されたフィルム原反fの前後面を押圧する前進位置と、後述するフィルム分離機構4により分離された包装袋Fの投入口Faを適宜大きさに開口する位置とに各吸着ロール44,44を前後移動する。なお、上述の実施例では、各吸着ロール44,44を断面円形に形成しているが、例えば、断面半円、断面扇形等の任意形状に各吸着ロール44,44を形成するもよい、
且つ、下部中央に配設した支持枠49の両側端部に各ガイド軸50,50を前後摺動可能に軸受し、同各ガイド軸50,50の先端部を後側可動枠45の背面側両端部に連結し、同各ガイド軸50,50上に各コイルスプリング51,51を圧縮装填して、各コイルスプリング51,51の弾性により、後側可動枠45に軸架した吸着ロール44をフィルム原反fの後面側を押圧する方向に常時付勢している。
【0022】
上述の各吸着ロール44,44は、各可動枠45,45の長手側両端部に固定した各軸受部52…の前側上端部間に各吸着ロール44,44を軸架し、同各吸着ロール44,44の一側端部に固定した各ギャ53,53と、同側端部に配設した各ラック54,54とを互いに歯合すると共に、同側に配設した各捲り用シリンダ55,55を各ラック54,54に連結して、各捲り用シリンダ55,55の同期作動により、各ギャ53…及び各ラック54…を介して各吸着ロール44,44を捲り方向に回転させ、分離位置直下に供給されたフィルム原反fの前後面と対向する方向に後述する各吸気孔44a…を回転停止した横向き位置と、後述する各押圧板57…と対向する方向に各吸気孔44a…を回転停止した上向き位置とに各吸着ロール44,44を正逆回転する。
【0023】
且つ、各軸受部52,52の後側上端部に軸架した各支軸56,56上に3枚の各袋押圧板57…を長さ方向に対して所定間隔に隔てて固定し、各可動枠45,45の背面側中央部に固定した各押圧用シリンダ58,58のロッド端部と、各支軸56,56の中央部に固定した各可動片59,59とを当接し、各可動枠45,45の背面側下端部と各可動片59,59の揺動側端部との間に各コイルスプリング60…を張架して、各コイルスプリング60…の弾性により、各吸着ロール44,44の吸着面に対して各袋押圧板57…が押圧される方向に回動付勢すると共に、各押圧用シリンダ58,58の同期作動により、各吸着ロール44,44の吸着面に吸着された包装袋Fの投入口Faを挾持する閉位置と、各吸着ロール44,44の吸着面に対して適宜間隔に離間した開位置とに各袋押圧板57…を上下回動する。
【0024】
且つ、各吸着ロール44,44の吸着面全長に丸形状を有する多数個の各吸気孔44a…を長さ方向に対して所定間隔に隔てて形成し、同各吸気孔44a…を除く各吸着ロール44,44の外周面全体又は吸着面を、例えば、合成ゴム、軟質樹脂等で形成した各カバー61,61により被覆すると共に、同各吸着ロール44,44の他側端部に形成した各接続ポート62,62と、下部一側に配設した真空ポンプ64とを各フレキシブル管63,63で接続している。つまり、分離位置直下に供給されたフィルム原反fの前後面に各吸着ロール44,44の吸着面を密着したとき、同各吸着ロール44,44に接続した真空ポンプ64の負圧によりフィルム原反fを吸着保持し、後述する袋保持機構6により包装袋Fの投入口Faを保持したとき、同各吸着ロール44,44に接続した真空ポンプ64の負圧を遮断又は停止して吸着保持を解除する。なお、真空ポンプ64の代わりに、例えば、吸気用ブロワ(図示省略)を用いるもよく、同等の吸着作用が得られる。
【0025】
前述の袋保持機構6は、図1、図2に示すように、上述した袋開口機構5の開口動作が許容される高さ位置であって、同機構により開口された包装袋Fの開口側周縁部と対向する両側位置に各可動板65,65を配設し、同側上部に配設した各昇降用シリンダ66,66を各可動板65,65の上面側に連結して、各昇降用シリンダ66,66の作動により、後述する箱昇降機構9により持上げられた段ボール箱Bの各フラップBa…に対して包装袋Fの投入口Faが被覆される降下位置と、上述の袋開口機構5により開口される包装袋Fの投入口Faよりも上方に退避させた上昇位置とに後述する各折返し爪67…を上下動する。
【0026】
且つ、各可動板65,65の下面側に軸架した各支軸68,68上に2枚の各折返し爪67…を固定し、同各支軸68,68の一側端部に固定した各ギャ69,69と、同側端部に配設した各ラック70,70とを互いに歯合すると共に、同側に配設した各開閉用シリンダ71,71を各ラック70,70に連結して、各開閉用シリンダ71,71の同期作動により、上述の袋開口機構5により開口された包装袋Fの投入口Faに対して挿入される閉位置と、後述する段ボール箱Bの各フラップBa…に対して被覆される大きさに包装袋Fの投入口Faを開口する開位置とに左右の各折返し爪67…を開閉する。
【0027】
前述の袋押込み機構7は、上述した袋保持機構6の保持動作が許容される高さ位置であって、同機構により開口保持された包装袋Fの投入口Faと対向する上方位置に、段ボール箱Bの内側底面部と対応する大きさ及び形状に形成した袋挿入板72を配設し、同位置上部に配設した挿入用シリンダ73を袋挿入板72の上面側に連結して、挿入用シリンダ73の作動により、後述する箱昇降機構9により持上げられた段ボール箱Bの内側底面部と対応する大きさに包装袋Fを拡張する下降位置と、上述の袋保持機構6により保持された包装袋Fの投入口Faよりも上方に退避させた上昇位置とに袋挿入板72を上下動する。
【0028】
前述の箱送りコンベア8は、図6にも示すように、箱送りコンベア8上に設定した昇降位置の一側部に、同位置に停止される段ボール箱Bの前後幅と対応する間隔に隔てて各箱支持アーム74,75を旋回可能に軸支し、同位置側部に配設した各回動用シリンダ76,77を各箱支持アーム74,75の基端部に連結して、各回動用シリンダ76,77の作動により、昇降位置に搬送された段ボール箱Bの前後面を保持する旋回位置と、同段ボール箱Bの搬送が許容される退避位置とに各箱支持アーム74,75を回動する。且つ、昇降位置に搬送停止される段ボール箱Bの一側面と対向して幅寄せ板78を配設し、同位置側部に配設した幅寄せ用シリンダ79を幅寄せ板78の背面側に連結して、幅寄せ用シリンダ79の作動により、箱送りコンベア8上の昇降位置に搬送停止された段ボール箱Bを幅寄せ板78で後述する箱昇降機構9の箱載せ爪82側に幅寄せする。
【0029】
前述の箱昇降機構9は、箱送りコンベア8上に設定した昇降位置の他側部に各ガイドレール80,80を適宜間隔に隔てて垂直方向に平行架設し、同各ガイドレール80,80上に昇降枠81の背面側両端部を上下摺動可能に係合し、同昇降枠81の前面側中央部に箱載せ爪82を水平固定すると共に、同側上部に軸支した各スプロケット83,83と、同側下部に軸支した各スプロケット84,84との間に各昇降チェーン85,85を張架し、同各昇降チェーン85,85の端部を昇降枠81の背面側に連結して、同位置の下部一側に配設した昇降用モータ86の駆動力により、各スプロケット87,88及び駆動チェーン89を介して各昇降チェーン85,85を上下方向に周回させ、上述の袋保持機構6により保持された包装袋Fの底部側が段ボール箱B内に挿入される上昇位置と、箱送りコンベア8の搬送面よりも下方に降下した降下位置とに箱載せ爪82を上下動する。
【0030】
且つ、箱載せ爪82により持上げられた段ボール箱Bの前後上端部と対向して各箱保持板90,90を配設し、同位置両側部に配設した各保持用シリンダ91,91を各箱保持板90,90の背面側に連結して、各保持用シリンダ91,91の同期作動により、箱載せ爪82による段ボール箱Bの昇降動作が許容される後退位置と、同箱載せ爪82により持上げられた段ボール箱Bの各フラップBa…を起立姿勢に保持する前進位置とに各箱保持板90,90を前後動する。
【0031】
図示実施例は上記の如く構成するものとして、以下、袋開口敷設機1による包装袋Fの開口動作及び敷設動作を説明する。
先ず、図1、図2、図6に示すように、各回動用モータ76,77を駆動して、箱送りコンベア8上の昇降位置に搬送された段ボール箱Bの前後面を各箱支持アーム74,75で保持し、幅寄せ用シリンダ79を作動して、箱送りコンベア8上の昇降位置に搬送停止された段ボール箱Bを幅寄せ板78により箱昇降機構9の箱載せ爪82側に幅寄せする。
【0032】
一方、フィルム供給機構2の各送りロール18,26を駆動して、ロール状に巻回されたフィルム原反fを繰出し経路上の溶着位置に供給すると共に、フィルム溶着機構3の押え用シリンダ40を作動して、フィルム原反fの上下面を押え板38と受け板39とで幅方向に挾持固定する。同時に、各シリンダ36,37を同期作動して、フィルム原反fの上下面を加熱ヘッド34と受けヘッド35とで挾持し、同フィルム原反fの挾持部分を加熱ヘッド34により幅方向に加熱溶着する。この後、各シリンダ36,37,40を復帰作動して、各ヘッド34,35及び押え板38を初期位置に復帰させる。
【0033】
次に、繰出し経路上の分離位置直下にフィルム原反fの溶着側端部を適宜長さ垂下すると共に、図7に示すように、袋開口機構5の各開口用シリンダ46,47を作動して、分離位置直下に垂下されたフィルム原反fの前後面に各吸着ロール44,44の一側周面を押圧する。押圧直後、フィルム分離機構4の切断用シリンダ43を作動して、各吸着ロール44,44により吸着保持したフィルム原反fの上位側を切断カッタ41により幅方向に切断し、一つの包装袋Fを分離形成する。
【0034】
分離直後、図8に示すように、袋開口機構5の各捲り用シリンダ55,55を同期作動して、各吸着ロール44,44を引下げ方向に回転させ、同各吸着ロール44,44で押圧した包装袋Fを若干引下げると共に、同各吸着ロール44,44の吸着面に形成した各吸気孔44a…を包装袋Fの切断側端部に対して適宜間隔に近接した部分(例えば、約10mm離れた部分)に密着させる。同時に、真空ポンプ64の負圧により各吸着ロール44,44に形成した各吸気孔44a…から外気を吸引し、各吸着ロール44,44の各吸気孔44a…に生じる負圧により包装袋Fの前後面を吸着保持する。
【0035】
次に、図9に示すように、袋開口機構5の各捲り用シリンダ55,55を同期作動して、各吸着ロール44,44を捲り方向に逆回転させ、同各吸着ロール44,44に形成した各吸気孔44a…が上向きとなる方向に回転して、同各吸着ロール44,44で吸着保持した包装袋Fの投入口Faを開口側上端部から順次剥離し、包装袋Fの投入口Faを開口側から底部側に向けて捲りながら開口する。包装袋Fの投入口Faを若干捲り開口した後、図10に示すように、各押圧用シリンダ58,58を作動して、各吸着ロール44,44上に吸着された包装袋Fの投入口Faに各袋押圧板57…を押圧して挾持固定する。
【0036】
次に、図11に示すように、袋開口機構5の各開口用シリンダ46,47を復帰作動して、各吸着ロール44,44を離間方向に相対移動させ、同各吸着ロール44,44上に吸着された包装袋Fの投入口Faを各袋押圧板57…で押圧した状態のまま水平方向に開口する。袋保持機構6の各昇降用シリンダ66,66及び各開閉用シリンダ71,71を作動して、各吸着ロール44,44により開口した包装袋Fの投入口Faに4本の各折返し爪67…を挿入して開口保持する。この後、真空ポンプ64の負圧を遮断又は停止して、各吸着ロール44,44による吸着保持を解除し、各押圧用シリンダ58,58を復帰作動して、各袋押圧板57…を初期位置に復帰させ、各袋押圧板57…による包装袋Fの挾持固定を解除する。
【0037】
次に、箱昇降機構9の昇降用モータ86を駆動して、箱送りコンベア8上の昇降位置に搬送停止された段ボール箱Bを箱載せ爪82で適宜高さに持上げ、各折返し爪67…により保持した包装袋Fの底部側を段ボール箱B内に挿入すると共に、各保持用シリンダ91,91を作動して、箱載せ爪82により持上げられた段ボール箱Bの各フラップBa…を各箱保持板90,90で鉛直姿勢に保持する。且つ、袋押込み機構7の挿入用シリンダ73を作動して、各折返し爪67…により保持した包装袋F内に袋挿入板72を垂直挿入し、段ボール箱Bの内側底面部に包装袋Fの底部側が接触するまで袋挿入板72を押込み、各折返し爪67…により保持した包装袋Fと、箱載せ爪82に載置された段ボール箱Bとの相対移動により、各折返し爪67…により保持した包装袋Fの投入口Faを外側に折返して段ボール箱Bの各フラップBa…に被覆する。
【0038】
なお、袋開口機構5により開口された包装袋Fを段ボール箱B内に押込むとき、各折返し爪67…の近傍又は袋挿入板72の下面側に垂設した噴射ノズル(図示省略)から加圧エアを吐出して、各折返し爪67…により保持した包装袋Fを適宜大きさに拡張する。
【0039】
次に、袋押込み機構7の挿入用シリンダ73を復帰作動し、袋保持機構6の各昇降用シリンダ66,66及び各開閉用シリンダ71,71を復帰作動して、袋挿入板72及び各折返し爪67…を初期位置に復帰させる。同時に、各保持用シリンダ91,91を復帰作動して、各箱保持板90,90を初期位置に復帰させる。この後、箱昇降機構9の昇降用モータ86を逆転して、袋敷設済みの段ボール箱Bを箱送りコンベア8上に載置して次工程(例えば、袋詰め工程)に搬送供給する。以下、上述と同様にして、各要素2,3,4,5,6,7,8,9を駆動して、包装袋Fの開口作業及び敷設作業を継続して行う。
【0040】
以上のように、包装袋Fの開口側両端部を各吸着ロール44,44で押圧したまま、包装袋Fの切断側端部に近接した部分を各吸着ロール44,44で吸着保持し、各吸着ロール44,44を包装袋Fの投入口Faが開口側から底部側に向けて剥離される捲り方向に回転して、各吸着ロール44,44で吸着保持した包装袋Fの投入口Faを開口側上端部から順次剥離して開口するので、従来装置に比べて包装袋Fの投入口Faを開口するときの剥離抵抗が小さく、ブロックキング現象による影響が殆ど無いため、包装袋Fの開口作業が簡単且つ容易に行える。且つ、各吸着ロール44,44と各袋押圧板57…とで包装袋Fの開口側両端部を挾持固定した状態のまま水平方向に牽引して開口するので、各吸着ロール44,44の各吸気口44a…にエア洩れが生じたり、包装袋Fの内面にブロックキング現象が生じても、各吸着ロール44,44の吸着面から包装袋Fが脱落したりせず、ブロッキング現象が起きやすいフィルム原反fであっても、包装袋Fの投入口Faを確実に開口することができると共に、フィルム原反fの種類が限定されないため、包装袋Fの開口作業が安定して行え、作業の省力化及び能率アップを図ることができる。
【0041】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の袋開口装置は、実施例の袋開口敷設機1に対応し、
以下同様に、
箱体は、段ボール箱Bに対応し、
袋体は、包装袋Fに対応し、
吸着ロールは、吸着ロール44に対応し、
負圧発生手段は、真空ポンプ64に対応し、
吸着ロール回転手段は、ギャ53と、ラック54と、捲り用シリンダ55とに対応し、
吸着ロール移動手段は、各開口用シリンダ46,47に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0042】
上述の実施例では、吸着ロール44の吸着面に対して丸形状の各吸気孔44a…を形成しているが、例えば、図12に示すように、吸着ロール44の吸着面に沿って横長形状を有する複数個の各吸気孔44a…を長さ方向に対して所定間隔に隔てて形成し、同各吸気孔44a…の裏面側周縁部に樹脂製又は金属製の各防護ネット44b…を張架することで、上述の実施例と同様に、包装袋Fの投入口Faを開口する作業が容易に行えると共に、吸着ロール44の各吸気口44a…に張架した各防護ネット44b…により包装袋Fの吸着部分が吸い込まれるのを防止する。
【0043】
また、袋開口機構5を構成する各吸着ロール44,44を上下位置に相対向して配設し、水平方向に供給されるフィルム原反f或いは定形に形成された包装袋Fの開口側上下面を各吸着ロール44,44で吸着保持して上下方向に開口するもよく、実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】袋開口敷設機による包装袋の開口動作及び敷設動作を示す側面図。
【図2】袋保持機構及び箱昇降機構の動作を示す側面図。
【図3】袋開口機構を構成する各吸着ロールの取付け構造を示す平面図。
【図4】各吸着ロールの吸着構造及び挾持構造を示す側面図。
【図5】丸形状の吸気孔を吸着ロールの吸着面に形成した例を示す斜視図。
【図6】箱送りコンベアによる段ボール箱の搬送動作及び停止動作を示す平面図。
【図7】各吸着ロールによる包装袋の押圧動作を示す側面図。
【図8】各吸着ロールによる包装袋の吸着動作を示す側面図。
【図9】各吸着ロールによる包装袋の捲り動作を示す側面図。
【図10】各吸着ロールによる包装袋の挾持動作を示す側面図。
【図11】各吸着ロールによる包装袋の開口動作を示す側面図。
【図12】横長形状の吸気孔を吸着ロールの吸着面に形成した例を示す斜視図。
【図13】従来装置による包装袋の開口動作を示す側面図。
【符号の説明】
f…フィルム原反
F…包装袋
Fa…投入口
B…段ボール箱
1…袋開口敷設機
2…フィルム供給機構
3…フィルム溶着機構
4…フィルム分離機構
5…袋開口機構
6…袋保持機構
7…袋押込み機構
8…箱送りコンベア
9…箱昇降機構
44…吸着ロール
44a…吸気孔
46,47…開口用シリンダ
53…ギャ
54…ラック
55…捲り用シリンダ
57…袋押圧板
58…押圧用シリンダ
62…接続ポート
63…フレキシブル管
64…真空ポンプ
Claims (3)
- シート状に扁平した袋体の開口側両端部を一対の各吸着ロールにより吸着保持し、該各吸着ロールを離間方向に相対移動させて袋体の投入口を適宜大きさに開口する袋開口装置であって、
上記袋体の開口側両端部と対向して断面円形に形成した中空形状の各吸着ロールを配設し、
上記各吸着ロールの吸着面に適宜数の各吸気孔を形成し、該各吸着ロールの一側端部に負圧発生手段を連通接続すると共に、
上記袋体の開口側両端部を各吸着ロールで押圧したまま、該各吸着ロールの吸着面に形成した各吸気孔を袋体の開口側両端部に近接した部分に密着させて吸着保持し、該各吸着ロールで吸着保持した袋体の投入口が開口側上端部から順次剥離される方向に上記各吸着ロールを回転する吸着ロール回転手段を設け、
上記各吸着ロールが袋体の開口側両端部に押圧される位置と、該各吸着ロールで吸着保持した袋体の開口側両端部が開口される位置とに上記各吸着ロールを相対移動する吸着ロール移動手段を設けた
袋開口装置。 - 上記各吸着ロールの吸着面と対接する位置に各袋押圧板を配設すると共に、該各吸着ロールの吸着面側に吸着された袋体の開口側両端部を挾持する方向に各袋押圧板を移動可能に設けた
請求項1記載の袋開口装置。 - 上記各吸着ロールを、上記袋体の開口側両端部と対接する長さに形成すると共に、該各吸着ロールの吸着面全長に多数個の各吸気孔を所定間隔に隔てて形成した
請求項1記載の袋開口装置。
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JP27441994A JP3543849B2 (ja) | 1994-10-12 | 1994-10-12 | 袋開口装置 |
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