JPH08318913A - 袋開口装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】袋体の開口作業が簡単且つ確実に行なえ、作業
の省力化及び能率アップを図ることのできる袋開口装置
を提供する。 【構成】袋開口機構を駆動して、適宜大きさに形成され
た包装袋の開口側周縁部と対向する方向に左右の各挾持
チャックを移動し、包装袋の前面側周縁部に押圧した左
右の各挾持チャックと、包装袋の後面側周縁部に押圧し
た左右の各挾持チャックとを上下互い違いに合致させ
る。同時に、各挾持チャックに貼着した各滑止めゴムの
接触抵抗により包装袋の開口側周縁部を面方向に変位さ
せて強制的に剥離し、各挾持チャックにより挾持した包
装袋の開口側周縁部を水平方向に牽引して、包装袋の投
入口を段ボール箱に対して被覆可能な大きさに開口する
ので、ブロッキング現象が起きやすい材質の袋体であっ
ても確実に開口することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、段ボール紙
や合成樹脂等で形成された上面開放形態の箱体内に、合
成樹脂製又は紙製の袋体を適宜大きさに開口して敷設す
る作業に用いられる袋開口装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような合成樹脂製の包装
袋を段ボール箱内に敷設する装置としては、例えば、図
１６に示すように、合成樹脂で形成したフィルム原反ｆ
の前後面を各吸着パッド９２，９２の吸着面に生じる負
圧により吸着保持した後、同各吸着パッド９２，９２で
吸着保持したフィルム原反ｆの上位側を加熱ヘッド９３
により幅方向に加熱溶着し、同フィルム原反ｆの下位側
を切断カッタ９４により幅方向に切断して、一つの包装
袋Ｆを分離形成する。

【０００３】次に、包装袋Ｆの開口側上縁部を各吸着パ
ッド９２，９２で吸着保持したまま左右方向に牽引し
て、同各吸着パッド９２，９２で吸着保持した包装袋Ｆ
の投入口Ｆａを開口する。各吸着パッド９２，９２で吸
着保持した包装袋Ｆと、同位置下部に供給した段ボール
箱Ｂとを袋挿入方向に相対移動させて、各吸着パッド９
２，９２で吸着保持した包装袋Ｆを段ボール箱Ｂ内に敷
設する装置がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
各吸着パッド９２，９２で吸着保持した包装袋Ｆの投入
口Ｆａを開口する場合、フィルム内面に付着する水分や
油分或いはフィルム自体に生じる静電気により、包装袋
Ｆの内面側が隙間無く密着（ブロックキング現象）して
いるため、包装袋Ｆの投入口Ｆａを開口するときの剥離
抵抗が各吸着パッド９２，９２の負圧よりも大きく、包
装袋Ｆの投入口Ｆａを開口することが困難である。且
つ、各吸着パッド９２，９２の吸着面に生じる負圧のみ
で包装袋Ｆの投入口Ｆａを開口するため、各吸着パッド
９２，９２の吸着面に生じるエア洩れ或いは包装袋Ｆ内
面に生じるブロックキング現象により、各吸着パッド９
２，９２で吸着保持した包装袋Ｆが不測にも脱落するこ
とがあり、吸着ミス及び開口ミスが多発しやすいという
問題点を有している。

【０００５】さらに、各吸着パッド９２，９２の吸着面
に生じる負圧でフィルム原反ｆの前後面及び包装袋Ｆの
開口側両縁部を吸着保持する構成であるため、吸気系統
の切換え制御及び配管が複雑となるだけでなく、吸引用
ブロワや真空ポンプ等の負圧発生手段を備えなければな
らず、装置全体の構成が複雑となり、製作コストが高価
となる。且つ、負圧発生手段に接続された吸気系統を切
換え制御して、各吸着パッド９２，９２により包装袋Ｆ
を吸着保持及び吸着解除するので、包装袋Ｆを吸着及び
開口するときにタイムロスが生じ、作業能率が悪いとい
う問題点も有している。

【０００６】この発明は上記問題に鑑み、袋体の開口側
周縁部に押圧した一対の各挾持体を上下互い違いに合致
し、各挾持体により挾持した袋体の開口側周縁部を面方
向に変位させて強制的に剥離するので、袋体の開口作業
が簡単且つ確実に行えると共に、作業の省力化及び能率
アップを図ることができる袋開口装置の提供を目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
上記開口位置に供給される袋体の開口側周縁部と対向す
る位置に、該袋体の開口側周縁部を挾持する一対の各挾
持体を相対向して設け、上記各挾持体の挾持側端部を相
互の挾持面が互い違いに合致する形状に形成すると共
に、上記袋体の開口側周縁部を挾持する前進位置と、該
袋体の開口側周縁部を適宜大きさに開口する後退位置と
に上記各挾持体を相対移動する袋開口手段を設けた袋開
口装置であることを特徴とする。

【０００８】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記各挾持体の挾持側端部を上記袋体
の開口側周縁部を挾持する閉位置と、該袋体の開口側周
縁部が挾持解除される開位置とに開閉動作する袋挾持手
段を設けた袋開口装置であることを特徴とする。

【０００９】請求項３記載の発明は、上記請求項１又は
２記載の構成と併せて、上記各挾持体の挾持面に上記袋
体の開口側周縁部を剥離するのに必要な接触抵抗を有す
る滑止め部材を付設した袋開口装置であることを特徴と
する。

【００１０】

【作用】請求項１記載の袋開口装置は、シート状に扁平
された袋体を開口位置に供給した後、袋開口手段を駆動
して、袋体の開口側周縁部と対向する方向に、例えば、
チャック、クリップ等で構成した一対の各挾持体を相対
移動し、袋体の前面側周縁部に押圧した挾持体と、袋体
の後面側周縁部に押圧した挾持体との挟持面を互い違い
に合致させると共に、各挾持体により挾持した袋体の開
口側周縁部を面方向に変位させて強制的に剥離すること
で、従来例のように吸着パッドの吸着力で袋体を開口す
る方法に比べて、袋体の開口作業が簡単且つ確実に行え
る。

【００１１】請求項２記載の袋開口装置は、上記請求項
１記載の作用と併せて、袋挾持手段を駆動して、袋体の
開口側周縁部を一対の各挾持体により挾持した状態のま
ま強制的に牽引して適宜大きさに開口した後、一対の各
挾持体により挾持した袋体の開口側周縁部を挾持解除す
ることで、袋体が脱落したり、閉塞したりするのを確実
に防止でき、袋体の開口作業が安定して行える。

【００１２】請求項３記載の袋開口装置は、上記請求項
１又は２記載の作用と併せて、各挾持体に付設した各滑
止め部材の接触抵抗により袋体の開口側周縁部を面方向
に変位させて強制的に剥離するので、袋体の内面側に生
じるブロックキング現象よりも大きな接触抵抗が得ら
れ、袋体の開口作業が確実に行える。

【００１３】

【発明の効果】この発明によれば、適宜大きさに形成さ
れた袋体の開口側周縁部を一対の各挾持体により上下互
い違いに挾持して、各挾持体により挾持した袋体の開口
側周縁部を面方向に変位させて強制的に剥離するので、
従来例のように各吸着パッド９２，９２の吸着面に生じ
る負圧により袋体を開口する方法に比べて、袋体の開口
作業が簡単且つ確実に行え、ブロッキング現象が起きや
すい材質の袋体であっても確実に開口できる。且つ、袋
体の開口側周縁部を各挾持体により挾持した状態のまま
強制的に牽引して開口するので、袋体の内面側にブロッ
クキング現象が生じても、袋体が脱落したり、閉塞した
りするのを確実に防止でき、袋体の開口作業が安定して
行える。

【００１４】しかも、袋体の開口側周縁部を各挾持体に
より挾持して開口するので、従来例のように各吸着パッ
ド９２，９２に接続された負圧発生手段の負圧を遮断又
は停止する切換え動作が省け、一つの袋体を開口すると
きの動作時間を短縮して、作業の省力化及び能率アップ
を図ることができる。且つ、吸引用ブロワや真空ポンプ
等の負圧発生手段を備える必要が無く、装置全体の構成
を簡素化して、製作コストの低減を図ることができる。

【００１５】

【実施例】図面は上面開放形態に組立てられた段ボール
箱内に合成樹脂製の包装袋を開口して敷設する作業に用
いられる第１実施例の袋開口敷設装置を示し、図１及び
図２に於いて、この袋開口敷設装置１は、ロール状に巻
回された合成樹脂製のフィルム原反ｆを繰出し経路上に
設定した溶着位置から分離位置に向けて連続供給するフ
ィルム供給機構２と、同溶着位置に供給されたフィルム
原反ｆを幅方向に溶着するフィルム溶着機構３と、同分
離位置に供給されたフィルム原反ｆを幅方向に切断する
フィルム分離機構４と、同分離位置直下の開口位置に繰
出された包装袋Ｆの投入口Ｆａを開口する袋開口機構５
と、同機構により開口された包装袋Ｆの投入口Ｆａを保
持する袋保持機構６と、同機構により保持された包装袋
Ｆを段ボール箱Ｂに挿入する袋押込み機構７と、製函工
程（図示省略）から供給される上面開放形態の段ボール
箱Ｂを袋挿入位置に搬送供給する箱送りコンベア８と、
上述の袋保持機構６により保持された包装袋Ｆが挿入さ
れる方向に、箱送りコンベア８上の袋挿入位置に搬送さ
れた段ボール箱Ｂを垂直昇降する箱昇降機構９とから構
成される。

【００１６】上述したフィルム供給機構２は、例えば、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の合成樹脂フィルムに
より筒状に形成した透明又は半透明のフィルム原反ｆを
扁平状態（例えば、ガゼット折り状態又は平折り状態）
に折畳んだままロール状に巻回し、そのロール状に巻回
してなるフィルム原反ｆを繰出し側始端部に配設したフ
ィルム装填部１０に軸受し、繰出し側始端部から繰出し
側終端部に至る間に軸支した各ガイドロール１１，１
２，１３，１４，１５，１６と、ダンサーロール１７
と、送りロール１８及び押えロール１９とにフィルム原
反ｆの繰出し側始端部に空気を適量注入して張架し、予
め注入した空気によりフィルム原反ｆの内面を薄利しな
がら繰出し供給する。且つ、フィルム装填部１０の上段
側に、同部から繰出されるフィルム原反ｆの上下面と対
向して送りロール１８と押えロール１９とを軸支し、同
送りロール１８の上段側に軸支した可動アーム２０の前
端部に押えロール１９を軸支し、同位置側部に配設した
押え用シリンダ２１を可動アーム２０の後端部に連結し
て、押え用シリンダ２１の作動により、繰出し経路上に
供給されるフィルム原反ｆの上下面を各ロール１８，１
９で押圧すると共に、同位置側部に配設した送り用モー
タ２２の駆動力により、各スプロケット２３，２４及び
駆動チェーン２５を介して送りロール１８を送り方向に
回転させ、各ロール１８，１９により押圧したフィルム
原反ｆを繰出し方向に供給する。

【００１７】且つ、繰出し経路上に設定した分離位置上
部に、同位置に供給されるフィルム原反ｆの前後面と対
向して送りロール２６と押えロール２７とを軸支し、同
押えロール２７の後方側に配設した押え用シリンダ２９
を支持枠２８の背面側中央部に連結し、同支持枠２８の
前端側対向面に押えロール２７を軸支して、押え用シリ
ンダ２９の作動により、繰出し経路上に供給されるフィ
ルム原反ｆの前後面を各ロール２６，２７で押圧すると
共に、同送りロール２６の後方側に配設した送り用モー
タ３０の駆動力により、各スプロケット３１，３２及び
駆動チェーン３３を介して送りロール２６を送り方向に
回転させ、各ロール２６，２７により押圧したフィルム
原反ｆを繰出し方向に供給する。

【００１８】前述したフィルム溶着機構３は、繰出し経
路上に設定した溶着位置に、同位置に供給されるフィル
ム原反ｆの上下面と対向して加熱ヘッド３４と受けヘッ
ド３５とを配設し、同位置上部に配設した押え用シリン
ダ３６を加熱ヘッド３４の上面側に連結し、同位置下部
に配設した受け用シリンダ３７を受けヘッド３５の下面
側に連結して、各シリンダ３６，３７の同期作動によ
り、同位置に供給されたフィルム原反ｆの上下面を各ヘ
ッド３４，３５で押圧すると共に、フィルム原反ｆの押
圧部分を加熱ヘッド３４により幅方向に加熱溶着する。

【００１９】前述したフィルム分離機構４は、繰出し経
路上に設定した分離位置に、同位置に供給されるフィル
ム原反ｆの前後面と対向して切断カッタ４１と受けヘッ
ド４２とを配設し、同位置下部に配設したロッドレス型
の切断用シリンダ４３上に切断カッタ４１を連結して、
切断用シリンダ４３の作動により、上述の加熱ヘッド３
４により熱溶着したフィルム原反ｆの閉塞部分と、後述
する各挾持チャック４４，４４により挾持したフィルム
原反ｆの挾持部分との間を切断カッタ４１で幅方向に切
断して、一つの包装袋Ｆを分離形成する。

【００２０】前述した袋開口機構５は、図３、図４に示
すように、繰出し経路上に設定した分離位置下部に、同
位置直下の開口位置に繰出されるフィルム原反ｆの前後
面と対向して各可動枠４５，４５を配設し、同各可動枠
４５，４５の対向面側にフィルム原反ｆの両側縁部と対
向する左右間隔に隔てて嘴形状を有する一対の各挾持チ
ャック４４，４４を夫々取付け、各可動枠４５，４５の
対向面側に取付けた各挾持チャック４４，４４を上下互
い違いに合致する形状に形成し、同開口位置の一側部に
配設した開口用シリンダ４６を前側可動枠４５の一端側
に連結し、同開口位置の後側中央部に配設した開口用シ
リンダ４７を後述する支持枠４９を介して後側可動枠４
５の後面側中央部に連結し、同各可動枠４５，４５の他
端側に連結した各ガイド軸４８，４８を前後摺動可能に
軸受して、各開口用シリンダ４６，４７の同期作動によ
り、分離位置直下の開口位置に繰出されたフィルム原反
ｆの両側縁部を各挾持チャック４４…により挾持する前
進位置と、各挾持チャック４４…により挾持した包装袋
Ｆの投入口Ｆａが段ボール箱Ｂの各フラップＢａ…に対
して被覆可能な大きさに開放される後退位置とに各可動
枠４５，４５を前後移動する。

【００２１】且つ、後側可動枠４５の後面側両端部に連
結した各ガイド軸５０，５０を、同枠後部に配設した支
持枠４９の両側端部に前後摺動可能に軸受し、同各ガイ
ド軸５０，５０上に圧縮装填した各コイルスプリング５
１，５１の弾性により、後側可動枠４５に取付けた左右
の各挾持チャック４４，４４をフイルム原反ｆの後面側
と対向する方向に常時付勢している。

【００２２】上述した各挾持チャック４４…は、可動枠
４５の両側端部に固定した各軸受部５２，５２間にフィ
ルム原反ｆの一側面と平行して２本の各支軸５３，５３
を上下段に夫々軸架し、可動枠４５の上段側に軸架した
支軸５３の両端側軸周面にフィルム原反ｆの両側縁部と
対向して挾持チャック４４を構成する挾持爪４４ａを固
定し、同可動枠４５の下段側に軸架した支軸５３の両端
側軸周面にフィルム原反ｆの両側縁部と対向して挾持チ
ャック４４を構成する挾持爪４４ｂを固定している。且
つ、挾持チャック４４を構成する各挾持爪４４ａ，４４
ｂの挾持側端部を先細形状に形成すると共に、同各挾持
爪４４ａ，４４ｂの挾持面に、例えば、シリコンゴム、
ウレタンゴム等の接触抵抗の大きい弾性部材で形成した
各滑止めゴム５８…を貼着固定又は焼付け固定し、各滑
止めゴム５８…の表面全体に多数本の各突起５８ａ…を
所定等間隔に隔てて形成している。また、各挾持爪４４
ａ，４４ｂの挾持面に、例えば、フィルム原反ｆの前後
面を剥離するのに必要な粘着力を有する粘着剤（図示省
略）を付設してもよい。

【００２３】且つ、各支軸５３，５３の両軸端部に固定
した上下段の各ギャ５４，５４を互いに歯合すると共
に、可動枠４５の後面側中央部に固定した挾持用シリン
ダ５５のロッド端部と、上段側支軸５３の中間部軸周面
に固定した可動片５６とを当接して、挾持用シリンダ５
５の作動により、上下段の各支軸５３，５３に固定した
各挾持爪４４ａ，４４ｂを挾持固定する閉角方向に連動
して回動し、各挾持爪４４ａ，４４ｂの後端側に張架し
た各コイルスプリング５７…の弾性により挾持解除され
る開角方向に牽引付勢している。なお、本発明の実施例
では、エア式又は油圧式の挾持用シリンダ５５により挾
持チャック４４の各挾持爪４４ａ，４４ｂを開閉する
が、例えば、パルスモータ等の電動モータ（図示省略）
或いはカム機構（図示省略）により挾持チャック４４の
各挾持爪４４ａ，４４ｂを開閉するもよい。

【００２４】前述した袋保持機構６は、図１、図２に示
すように、上述した袋開口機構５の開口動作が許容され
る高さ位置であって、同機構により開口された包装袋Ｆ
の投入口Ｆａと対向する両側位置に各可動板６５，６５
を配設し、同側上部に配設した各昇降用シリンダ６６，
６６を各可動板６５，６５の上面側に連結して、各昇降
用シリンダ６６，６６の作動により、後述する箱昇降機
構９により持上げられた段ボール箱Ｂの各フラップＢａ
…に対して包装袋Ｆの投入口Ｆａが被覆される降下位置
と、上述の袋開口機構５により開口される包装袋Ｆの投
入口Ｆａよりも上方に退避させた上昇位置とに後述する
各折返し爪６７…を上下動する。

【００２５】且つ、各可動板６５，６５の下面側に軸架
した各支軸６８，６８上に２枚の各折返し爪６７…を固
定し、同各支軸６８，６８の一側端部に固定した各ギャ
６９，６９と、同側端部に配設した各ラック７０，７０
とを互いに歯合すると共に、同側に配設した各開閉用シ
リンダ７１，７１を各ラック７０，７０に連結して、各
開閉用シリンダ７１，７１の同期作動により、上述の袋
開口機構５により開口された包装袋Ｆの投入口Ｆａに対
して挿入される閉位置と、後述する段ボール箱Ｂの各フ
ラップＢａ…に対して被覆可能な大きさに包装袋Ｆの投
入口Ｆａを開口保持する開位置とに左右の各折返し爪６
７…を開閉する。

【００２６】前述した袋押込み機構７は、上述した袋保
持機構６の保持動作が許容される高さ位置であって、同
機構により開口保持された包装袋Ｆの投入口Ｆａと対向
する上方位置に、段ボール箱Ｂの内側底面部と対応する
大きさ及び形状に形成した袋挿入板７２を配設し、同位
置上部に配設した挿入用シリンダ７３を袋挿入板７２の
上面側に連結して、挿入用シリンダ７３の作動により、
後述する箱昇降機構９により持上げられた段ボール箱Ｂ
の内側底面部と対応する大きさに包装袋Ｆを拡張する下
降位置と、上述の袋保持機構６により保持された包装袋
Ｆの投入口Ｆａよりも上方に退避させた上昇位置とに袋
挿入板７２を上下動する。

【００２７】前述した箱送りコンベア８は、図５に示す
ように、左右に架設した各取付け枠８ａ，８ａの対向面
間に多数本の各送りローラ８ｂ…を送り方向に対して所
定間隔に隔てて軸架し、減速機付き送り用モータ（図示
省略）の駆動力により各送りローラ８ｂ…を送り方向に
回転して、製函工程（図示省略）から供給される上面開
放形態の段ボール箱Ｂを袋挿入位置に搬送し、同段ボー
ル箱Ｂ内に包装袋Ｆを敷設して箱詰め工程（図示省略）
に搬送する。

【００２８】且つ、箱送りコンベア８上に設定した袋挿
入位置の一側部に、同位置に停止される段ボール箱Ｂの
前後幅と対応する間隔に隔てて各箱支持アーム７４，７
５を旋回可能に軸支し、同位置側部に配設した各回動用
シリンダ７６，７７を各箱支持アーム７４，７５の基端
部に連結して、各回動用シリンダ７６，７７の作動によ
り、袋挿入位置に搬送された段ボール箱Ｂの前後面を保
持する旋回位置と、同段ボール箱Ｂの搬送が許容される
退避位置とに各箱支持アーム７４，７５を回動する。且
つ、袋挿入位置に搬送停止される段ボール箱Ｂの一側面
と対向して幅寄せ板７８を配設し、同位置側部に配設し
た幅寄せ用シリンダ７９を幅寄せ板７８の背面側に連結
して、幅寄せ用シリンダ７９の作動により、箱送りコン
ベア８上の袋挿入位置に搬送停止された段ボール箱Ｂを
幅寄せ板７８で後述する箱昇降機構９の箱載せ爪８２側
に幅寄せする。

【００２９】前述した箱昇降機構９は、箱送りコンベア
８上に設定した袋挿入位置の他側部に各ガイドレール８
０，８０を適宜間隔に隔てて垂直方向に平行架設し、同
各ガイドレール８０，８０上に昇降枠８１の背面側両端
部を上下摺動可能に係合し、同昇降枠８１の前面側中央
部に各箱載せ爪８２，８２を水平固定すると共に、同側
上部に軸支した各スプロケット８３，８３と、同側下部
に軸支した各スプロケット８４，８４との間に各昇降チ
ェーン８５，８５を張架し、同各昇降チェーン８５，８
５の端部を昇降枠８１の背面側に連結して、同位置の下
部一側に配設した昇降用モータ８６の駆動力により、各
スプロケット８７，８８及び駆動チェーン８９を介して
各昇降チェーン８５，８５を上下方向に周回させ、上述
の袋保持機構６により保持した包装袋Ｆの底部側が挿入
される高さ位置に段ボール箱Ｂを持上げた上昇位置と、
箱送りコンベア８の搬送面よりも下方に降下した降下位
置とに昇降枠８１の各箱載せ爪８２，８２を上下動す
る。

【００３０】図示実施例は上記の如く構成するものとし
て、以下、袋開口敷設装置１による包装袋Ｆの開口動作
及び敷設動作を説明する。先ず、図１、図２、図５に示
すように、製函工程（図示省略）から供給される段ボー
ル箱Ｂを箱送りコンベア８上の袋挿入位置に搬送し、同
位置に搬送された段ボール箱Ｂの前後面を各箱支持アー
ム７４，７５で押圧して搬送停止させると共に、同位置
に搬送停止された段ボール箱Ｂの一側面を幅寄せ板７８
で押圧して箱昇降機構９側に幅寄せする。一方、フィル
ム供給機構２を駆動して、ロール装填部１０に軸受され
たフィルム原反ｆの繰出し側始端部を溶着位置に供給
し、フィルム溶着機構３を駆動して、フィルム原反ｆの
上下面を加熱ヘッド３４により幅方向に熱溶着する。こ
の後、各ヘッド３４，３５を初期位置に復帰させる。

【００３１】次に、分離位置直下の開口位置にフィルム
原反ｆの閉塞側下端部を適宜長さ繰出した後、図６、図
７、図８に示すように、袋開口機構５を駆動して、分離
位置直下の開口位置に繰出されたフィルム原反ｆの前面
側両縁部及び後面側両縁部に左右の各挾持チャック４
４，４４を夫々押圧すると共に、フィルム原反ｆの前面
側両縁部に押圧した各挾持チャック４４，４４の各挾持
爪４４ａ，４４ｂと、フィルム原反ｆの後面側両縁部に
押圧した各挾持チャック４４，４４の各挾持爪４４ａ，
４４ｂとを上下互い違いに合致させ、各挾持チャック４
４…を構成する各挾持爪４４ａ，４４ｂの合致面に沿っ
てフィルム原反ｆの挾持部分を蛇行した状態に屈曲す
る。

【００３２】同時に、図９に示すように、各挾持チャッ
ク４４…の各挾持爪４４ａ，４４ｂに貼着した各滑止め
ゴム５８…をフィルム原反ｆの前後面に圧接して、各滑
止めゴム５８…とフィルム原反ｆとの圧接面に生じる接
触抵抗により、フィルム原反ｆの前後面を面方向に変位
させて強制的に剥離する。この後、フィルム分離機構４
を駆動して、加熱ヘッド３４により熱溶着したフィルム
原反ｆの閉塞部分と、各挾持チャック４４…により挾持
したフィルム原反ｆの挾持部分との間を切断カッタ４１
により幅方向に切断して、一つの包装袋Ｆを分離形成す
る。

【００３３】次に、図１０に示すように、各挾持チャッ
ク４４…により挾持した状態のまま包装袋Ｆの投入口Ｆ
ａを前後方向に牽引し、各挾持チャック４４…により挾
持した包装袋Ｆの投入口Ｆａを開口側上端部から閉塞側
下端部に向けて強制的に剥離する。図１１に示すよう
に、袋保持機構６を駆動して、各挾持チャック４４…に
より開口した包装袋Ｆの投入口Ｆａに各折返し爪６７…
を挿入して保持した後、各挾持チャック４４…による挾
持を解除する。

【００３４】次に、図１、図２に示すように、箱昇降機
構９を駆動して、箱送りコンベア８上の袋挿入位置に搬
送停止された段ボール箱Ｂを昇降枠８１の各箱載せ爪８
２，８２により垂直方向に持上げ、各折返し爪６７…に
より保持した包装袋Ｆの底部側を段ボール箱Ｂ内に挿入
すると共に、各折返し爪６７…により保持した包装袋Ｆ
の投入口Ｆａを外側に折返して段ボール箱Ｂの各フラッ
プＢａ…に被覆する。同時に、袋押込み機構７を駆動し
て、各折返し爪６７…により保持した包装袋Ｆ内に袋挿
入板７２を垂直挿入し、段ボール箱Ｂの内面形状と対応
する大きさに包装袋Ｆを整形する。なお、袋開口機構５
により開口された包装袋Ｆを段ボール箱Ｂ内に押込むと
き、各折返し爪６７…の近傍又は袋挿入板７２の下面側
に垂設した噴射ノズル（図示省略）から加圧エアを吐出
して、各折返し爪６７…により保持した包装袋Ｆを段ボ
ール箱Ｂの内面形状と対応する適宜大きさに拡張しなが
ら挿入してもよい。

【００３５】次に、各折返し爪６７…及び袋挿入板７２
を初期位置に復帰させ、昇降枠８１を降下位置に垂直降
下して、箱送りコンベア８上に袋敷設済みの段ボール箱
Ｂを載置した後、箱送りコンベア８上に載置された袋敷
設済みの段ボール箱Ｂを箱詰め工程（図示省略）に搬送
供給する。以下同様に、箱送りコンベア８上に載置され
た次の段ボール箱Ｂを袋挿入位置に搬送し、各機構２，
３，４，５，６，７，９を駆動して、包装袋Ｆの開口作
業及び敷設作業を継続して行う。

【００３６】以上のように、適宜大きさに形成された包
装袋Ｆの開口側周縁部を前後一対の各挾持チャック４
４，４４により上下互い違いに挾持して、各挾持チャッ
ク４４…に貼着した各滑止めゴム５８…の接触抵抗によ
り包装袋Ｆの開口側周縁部を面方向に変位させて強制的
に剥離するので、従来例のように各吸着パッド９２，９
２の吸着面に生じる負圧により包装袋Ｆを開口する方法
に比べて、包装袋Ｆの開口作業が簡単且つ確実に行え、
ブロッキング現象が起きやすい材質の包装袋Ｆであって
も確実に開口できる。且つ、包装袋Ｆの開口側周縁部を
各挾持チャック４４…により挾持した状態のまま前後方
向に牽引して強制開口するので、包装袋Ｆの内面側にブ
ロックキング現象が生じても、包装袋Ｆが脱落したり、
閉塞したりするのを確実に防止でき、包装袋Ｆの開口作
業が安定して行える。

【００３７】しかも、包装袋Ｆの開口側周縁部を各挾持
チャック４４…により直接挾持して前後方向に開口する
ので、従来例のように各吸着パッド９２，９２に接続さ
れた負圧発生手段の負圧を遮断又は停止する切換え動作
が省け、一つの包装袋Ｆを開口するときの動作時間を短
縮して、作業の省力化及び能率アップを図ることができ
る。且つ、吸引用ブロワや真空ポンプ等の負圧発生手段
を備える必要が無く、装置全体の構成を簡素化して、製
作コストの低減を図ることができる。

【００３８】図１２は一つに分離された包装袋Ｆを各挾
持チャック４４…により挾持した状態のまま段ボール箱
Ｂ内に挿入する第２実施例の袋開口機構５を示し、各挾
持チャック４４…により挾持した状態のまま包装袋Ｆを
垂直降下して、箱昇降機構９により持上げられた段ボー
ル箱Ｂ内に包装袋Ｆの底部側を挿入し、或いは、箱送り
コンベア８上の袋挿入位置に搬送停止された段ボール箱
Ｂ内に包装袋Ｆの底部側を挿入して、同包装袋Ｆの投入
口Ｆａを段ボール箱Ｂの各フラップＢａ…に被覆するこ
とで、第１実施例のように包装袋Ｆの投入口Ｆａを袋保
持機構６により開口保持する必要がなく、包装袋Ｆを敷
設するときの動作時間を短縮して、作業の能率アップ処
理能力の向上を図ることができる。且つ、装置全体の構
成を簡素化して、製作コストの低減及び小型化を図るこ
とができる。

【００３９】図１３、図１４は分離位置直下の開口位置
に繰出されたフィルム原反ｆの開口側下端部を各挾持チ
ャック４４…により挾持して、同各挾持チャック４４…
により挾持した包装袋Ｆの投入口Ｆａを段ボール箱Ｂの
各フラップＢａに被覆する第３実施例の袋開口機構５を
示し、フィルム供給機構２を駆動して、ロール装填部１
０に軸受されたフィルム原反ｆの開口側下端部を分離位
置直下の開口位置に適宜長さ繰出し、同位置に繰出され
たフィルム原反ｆの開口側下端部を袋開口機構５の各挾
持チャック４４…により挾持する。同時に、フィルム溶
着機構３及びフィルム分離機構４を駆動して、フィルム
原反ｆの閉塞側上端部を加熱ヘッド３４により熱溶着
し、同部分の上位側を切断カッタ３８により切断して一
つの包装袋Ｆを分離形成する。一つに分離された包装袋
Ｆを各挾持チャック４４…により挾持した状態のまま垂
直降下して、箱昇降機構９により持上げられた段ボール
箱Ｂ内に包装袋Ｆの底部側を挿入し、或いは、箱送りコ
ンベア８上の袋挿入位置に搬送停止された段ボール箱Ｂ
内に包装袋Ｆの底部側を挿入して、同包装袋Ｆの投入口
Ｆａを段ボール箱Ｂの各フラップＢａ…に被覆すること
で、第１実施例のように包装袋Ｆの投入口Ｆａを袋保持
機構６により保持する必要がなく、包装袋Ｆを敷設する
ときの動作時間を短縮して、作業の能率アップ及び処理
能力の向上を図ることができる。且つ、装置全体の構成
を簡素化して、製作コストの低減及び小型化を図ること
ができる。

【００４０】図１５は挾持チャック４４を構成する各挾
持爪４４ａ，４４ｂの後端側を連結板４４ｃにより連結
し、同連結板４４ｃの弾性により各挾持爪４４ａ，４４
ｂを挾持方向に回動付勢した第４実施例の袋開口機構５
を示し、分離位置直下の開口位置に繰出されたフィルム
原反ｆの前後面に各挾持チャック４４，４４を夫々押圧
し、各連結板４４ｃ，４４ｃの弾性に抗して、フィルム
原反ｆの前後側に押圧した各挾持チャック４４，４４の
各挾持爪４４ａ，４４ｂを上下互い違いに夫々合致さ
せ、各挾持チャック４４，４４の各挾持爪４４ａ，４４
ｂにより挾持したフィルム原反ｆの前後面を面方向に変
位させて強制的に剥離する。各連結板４４ｃ，４４ｃの
弾性により、各挾持チャック４４，４４の各挾持爪４４
ａ，４４ｂで包装袋Ｆの投入口Ｆａを挾持した状態のま
ま牽引して開口するので、第１実施例と同様に、包装袋
Ｆの開口作業が簡単且つ確実に行える。

【００４１】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の袋体は、包装袋Ｆに対応し、以下
同様に、箱体は、段ボール箱Ｂに対応し、袋開口装置
は、袋開口敷設装置１に対応し、挾持体は、挾持チャッ
ク４４及び各挾持爪４４ａ，４４ｂに対応し、袋開口手
段は、可動枠４５と、開口用シリンダ４６，４７と、支
持枠４９と、ガイド軸４８，５０と、コイルスプリング
５１とに対応し、袋挾持手段は、支軸５３と、ギャ５４
と、挾持用シリンダ５５とに対応し、滑止め部材は、滑
止めゴム８５に対応するも、この発明は、上述の実施例
の構成のみに限定されるものではない。

【００４２】上述の実施例では、垂直方向に繰出される
フィルム原反ｆの前後面を各挾持チャック４４…により
挾持して、フィルム原反ｆから分離される包装袋Ｆの投
入口Ｆａを前後方向に開口するが、例えば、水平方向に
繰出されれるフィルム原反ｆの上下面、或いは、定形に
形成された包装袋Ｆの投入口Ｆａを上下段に配設した各
挾持チャック４４…により挾持して、一つに分離形成さ
れた包装袋Ｆの投入口Ｆａを上下方向に開口するもよ
く、また、分離位置直下の開口位置に繰出されるフィル
ム原反ｆの前後面を、例えば、フィルム原反ｆの横幅と
対応する大きさに形成した長尺寸法の各挾持チャック４
４，４４で幅方向に挾持し、或いは、板バネ等の弾性部
材を折曲げて形状した挾持クリップ（図示省略）により
挾持して、フィルム原反ｆから分離される包装袋Ｆの投
入口Ｆａを前後方向に開口するもよく、実施例の構成の
みに限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の袋開口敷設装置による包装袋の敷
設動作を示す側面図。

【図２】袋保持機構による保持動作及び箱昇降機構によ
る昇降動作を示す側面図。

【図３】袋開口機構を構成する各挾持チャックの取付け
状態を示す平面図。

【図４】各挾持チャックの取付け状態を示す側面図。

【図５】箱送りコンベアによる搬送動作を示す平面図。

【図６】各挾持チャックによる挾持直前の状態を示す平
面図。

【図７】各挾持チャックによる挾持直後の状態を示す側
面図。

【図８】各挾持チャックによる包装袋の挾持状態を示す
側面図。

【図９】各挾持チャックによる包装袋の剥離状態を示す
側面図。

【図１０】各挾持チャックによる包装袋の開口動作を示
す側面図。

【図１１】袋保持機構による包装袋の保持動作及び敷設
動作を示す側面図。

【図１２】第２実施例の袋開口機構による包装袋の敷設
動作を示す側面図。

【図１３】第３実施例の袋開口機構によるフィルム原反
の挾持状態を示す側面図。

【図１４】包装袋の開口動作及び敷設動作を示す側面
図。

【図１５】第４実施例の袋開口機構によるフィルム原反
の挾持状態を示す側面図。

【図１６】従来装置による包装袋の開口動作及び敷設動
作を示す側面図。

【符号の説明】

ｆ…フィルム原反 Ｆ…包装袋 Ｆａ…投入口 Ｂ…段ボール箱 Ｂａ…フラップ １…袋開口敷設装置 ２…フィルム供給機構 ３…フィルム溶着機構 ４…フィルム分離機構 ５…袋開口機構 ６…袋保持機構 ７…袋押込み機構 ８…箱送りコンベア ９…箱昇降機構 ３４…加熱ヘッド ４１…切断カッタ ４４…挾持チャック ４４ａ，４４ｂ…挾持爪 ４４ｃ…連結板 ４５…可動枠 ４６，４７…開口用シリンダ ５３…支軸 ５４…ギャ ５５…挾持用シリンダ ５８…滑止めゴム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シート状に扁平された袋体を開口位置に供
   給し、該位置に供給された袋体の開口側周縁部を適宜大
   きさに開口する袋開口装置であって、上記開口位置に供
   給される袋体の開口側周縁部と対向する位置に、該袋体
   の開口側周縁部を挾持する一対の各挾持体を相対向して
   設け、上記各挾持体の挾持側端部を相互の挾持面が互い
   違いに合致する形状に形成すると共に、上記袋体の開口
   側周縁部を挾持する前進位置と、該袋体の開口側周縁部
   を適宜大きさに開口する後退位置とに上記各挾持体を相
   対移動する袋開口手段を設けた袋開口装置。
2. 【請求項２】上記各挾持体の挾持側端部を上記袋体の開
   口側周縁部を挾持する閉位置と、該袋体の開口側周縁部
   が挾持解除される開位置とに開閉動作する袋挾持手段を
   設けた請求項１記載の袋開口装置。
3. 【請求項３】上記各挾持体の挾持面に上記袋体の開口側
   周縁部を剥離するのに必要な接触抵抗を有する滑止め部
   材を付設した請求項１又は２記載の袋開口装置。