JP3701711B2 - 袋敷設装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば、段ボール紙や合成樹脂等で形成された上面開放形態の箱体内に、合成樹脂製又は紙製の袋体を敷設する作業に用いられる袋敷設装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例のような合成樹脂製の包装袋を段ボール箱内に敷設する装置としては、例えば、図15に示すように、合成樹脂で形成したフィルム原反fの前後面を各吸着パッド92,92により吸着保持した後、各吸着パッド92,92で吸着保持したフィルム原反fの上位側に加熱ヘッド93を押圧して幅方向に加熱溶着し、同加熱ヘッド93で加熱溶着したフィルム原反fの下位側を切断カッタ94により幅方向に切断して、一つの包装袋Fを分離形成する。
【0003】
次に、包装袋Fの開口側周縁部を各吸着パッド92,92で吸着保持したまま左右方向に牽引して、同各吸着パッド92,92で吸着保持した包装袋Fの投入口Faを開口する。各吸着パッド92,92で吸着保持した包装袋Fと、同位置下部に供給した段ボール箱Bとを袋挿入方向に相対移動させて、各吸着パッド92,92で吸着保持した包装袋Fを段ボール箱B内に敷設する装置がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように各吸着パッド92,92により吸着保持した包装袋Fの投入口Faを開口する場合、フィルム内面に付着する水分や油分或いはフィルム自体に生じる静電気により、包装袋Fの内面側が隙間無く密着(ブロックキング現象)しているため、包装袋Fの内面側を剥離するときの抵抗が大きく、包装袋Fの投入口Faを段ボール箱Bの各フラップBa…に対して被覆可能な大きさに開口することが困難である。例えば、各吸着パッド92,92により若干開口した包装袋Fの開口側周縁部を各チャック(図示省略)により挾持することで、段ボール箱Bの各フラップBa…に対して被覆可能な大きさに包装袋Fの投入口Faを強制開口できるが、各吸着パッド92,92により吸着保持した包装袋Fを各チャック(図示省略)により一旦挾持しなければならず、包装袋Fの敷設作業に手間及び時間が掛かるという問題点を有している。
【0005】
また、各吸着パッド92,92により開口保持した包装袋Fを段ボール箱B内に挿入する他の手段として、例えば、段ボール箱Bの内側底面部と対応する大きさ及び形状に形成した袋挿入板(図示省略)を、各吸着パッド92,92により開口保持した包装袋F内に挿入することで、各吸着パッド92,92により開口保持した包装袋Fを段ボール箱B内に対して確実に挿入できるが、上述した各チャック(図示省略)を挾持動作するための機構と、袋挿入板(図示省略)を挿入動作するための機構とを一つの装置に備えなければならず、装置全体が大型となり、構造が複雑となるため、製作コストが高価となる問題点も有している。
【0006】
この発明は上記問題に鑑み、袋開口位置に供給された袋体の開口側周縁部を一対の各吸着ロールで吸着保持して剥離方向の回転により開口し、各吸着ロールにより開口保持した袋体にエアを吹付けて箱体内部に挿入することにより、一つの袋体を敷設するときの動作時間が短縮され、作業の能率アップ及び処理速度の向上が図れる。且つ、装置全体の構成が簡素化して、製作コストの低減を図ることができる袋敷設装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、一側開放形態に製函された箱体を袋挿入位置に供給し、該位置に供給される箱体内部に対して袋体を開口した状態に敷設する袋敷設装置であって、上記箱体内部に敷設される大きさに形成した袋体を袋開口位置に供給する袋供給手段を設け、上記袋開口位置に供給される袋体の開口側周縁部と対向する位置に、該袋体の開口側周縁部を吸着保持して剥離方向の回転により開口する一対の各吸着ロールを相対向して設け、上記袋開口位置に供給された袋体の開口側周縁部を吸着する吸着位置と、該袋体の開口側周縁部を箱体の開放側周縁部に対して被覆される大きさに開口する開口位置とに各吸着ロールを相対移動する袋開口手段を設け、上記袋挿入位置に供給した箱体と上記各吸着ロールにより開口保持した袋体とを、該箱体内部に対して袋体の底部側が挿入される方向に相互を相対移動する袋挿入手段を設け、上記各吸着ロールにより開口保持した袋体の一側面に対向して、上記箱体内部に対して袋体の底部側が挿入される方向にエアを吐出するエア吹付け手段を設けた袋敷設装置であることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の構成と併せて、上記各吸着ロールの吸着側周面に複数の各吸気孔を所定間隔に隔てて形成すると共に、該各吸気孔と連通して各吸着ロールの一側端部に負圧発生手段を接続した袋敷設装置であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の構成と併せて、上記各吸着ロールの吸着側周面に上記袋体の開口側周縁部を吸着保持するのに必要な粘着力を有する粘着剤を付設した袋敷設装置であることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、上記請求項1,2又は3記載の構成と併せて、上記袋挿入手段を、上記袋挿入位置に供給された箱体内部に対して袋体の底部側が挿入される方向に、上記各吸着ロールにより開口保持した袋体を移動する袋移動手段で構成した袋敷設装置であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、上記請求項1,2又は3記載の構成と併せて、上記袋挿入手段を、上記各吸着ロールにより開口保持した袋体の底部側が箱体内部に対して挿入される方向に、上記袋挿入位置に供給された箱体を移動する箱移動手段で構成した袋敷設装置であることを特徴とする。
【0012】
【作用】
請求項1記載の袋敷設装置は、袋供給手段を駆動して、箱体内部に敷設される大きさに形成した袋体を袋開口位置に供給する。袋開口手段を駆動して、袋開口位置に供給された袋体の開口側周縁部に各吸着ロールの吸着側周面を密着させて負圧力又は粘着力等により吸着保持した後、袋体の開口側周縁部を各吸着ロールの剥離方向の回転により開口する。各吸着ロールにより吸着保持した袋体の投入口を箱体の開放側周縁部に対して被覆される大きさに開口する。袋挿入手段を駆動して、袋挿入位置に供給された箱体と、各吸着ロールにより開口保持された袋体とを相互が挿入される方向に相対移動させ、各吸着ロールにより開口保持した袋体の開口側周縁部を箱体の開放側周縁部に被覆する。同時に、エア吹付け手段を駆動して、各吸着ロールにより開口保持した袋体の一側面にエアを吹付け、同袋体の底部側を箱体内部に強制挿入するので、袋体の挿入作業が短い時間で行え、作業の能率アップが図れる。
【0013】
請求項2記載の袋敷設装置は、上記請求項1記載の作用と併せて、袋開口手段を駆動して、各吸着ロールの吸着側周面に形成した各吸気孔を袋体の開口側周縁部に密着させ、負圧発生手段を駆動して、各吸着ロールの各吸気孔に発生する負圧により袋体の開口側周縁部を吸着保持するので、袋体の開口側周縁部を確実に吸着保持することができ、袋体の開口作業が容易に行える。
【0014】
請求項3記載の袋敷設装置は、上記請求項1記載の作用と併せて、袋開口手段を駆動して、各吸着ロールの吸着側周面に付設した各粘着剤を袋体の開口側周縁部に密着させ、各吸着ロールに付設した各粘着剤の粘着力による袋体の開口側周縁部を吸着保持するので、袋体の開口側周縁部を確実に吸着保持することができ、袋体の開口作業が容易に行える。
【0015】
請求項4記載の袋敷設装置は、上記請求項1,2又は3記載の作用と併せて、袋移動手段を駆動して、各吸着ロールにより開口保持した袋体を箱体内部に対して挿入される方向に移動させ、各吸着ロールにより開口保持した袋体の底部側を箱体内部に挿入することで、袋体の挿入作業が容易に行える。
【0016】
請求項5記載の袋敷設装置は、上記請求項1,2又は3記載の作用と併せて、箱移動手段を駆動して、袋挿入位置に供給された箱体内部を各吸着ロールにより開口保持した袋体が挿入される方向に移動させ、各吸着ロールにより開口保持した袋体の底部側を箱体内部に挿入することで、袋体の挿入作業が容易に行える。且つ、箱体の移動に要する時間を利用して、次に繰出される袋体を各吸着ロールにより開口保持することで、動作時間が短縮され、作業の能率アップが図れる。
【0017】
【発明の効果】
この発明によれば、袋開口位置に供給された袋体の開口側周縁部を一対の各吸着ロール で吸着保持して剥離方向の回転により開口し、各吸着ロールにより開口保持した袋体にエアを吹付けて箱体内部に挿入するので、従来例のように各吸着パッド92,92により吸着保持した包装袋Fの開口側周縁部を各チャックにより挾持したりする必要が無く、各吸着ロールにより開口保持した袋体を箱体内部に対して即挿入することができ、一つの袋体を敷設するときの動作時間が短縮され、作業の能率アップ及び処理速度の向上を図ることができる。
【0018】
しかも、エア吹付け手段から吐出されるエアにより袋体を箱体内部に挿入するので、従来例のように包装袋Fの開口側周縁部を挾持するためのチャック機構や、包装袋Fを段ボール箱B内に挿入するための袋挿入機構を設けたりする必要が無く、装置全体を小型化できると共に、装置全体の工程及び構成が簡素化され、従来機に比べて約7割り程度のコストが削減でき、製作コストの低減を図ることができる。
【0019】
【実施例】
図面は上面開放形態に製函された段ボール箱内に合成樹脂製の包装袋を敷設する作業に用いられる第1実施例の袋敷設装置を示し、図1及び図2に於いて、この袋敷設装置1は、ロール状に巻回された合成樹脂製のフィルム原反fを繰出し経路上に設定した分離位置に連続供給するフィルム供給機構2と、同分離位置に供給されるフィルム原反fを適宜大きさに分離するフィルム分離機構3と、同分離位置直下の開口位置に繰出される包装袋Fを吸着保持し、同位置下部の袋挿入位置に搬送停止された段ボール箱B内に敷設する袋開口機構4と、製函工程(図示省略)から供給される上面開放形態の段ボール箱Bを袋挿入位置に搬送供給する箱送りコンベア5とから構成される。
【0020】
上述したフィルム供給機構2は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等により筒状に形成した透明又は半透明のフィルム原反fを扁平状態に折畳んだ(例えば、ガゼット折り状態又は平折り状態)のままロール状に巻回し、そのロール状に巻回してなるフィルム原反fを繰出し側始端部に配設したフィルム装填部10に軸受し、繰出し側始端部から繰出し側終端部に至る間に軸支した各ガイドロール11,12,13と、ダンサーロール17と、送りロール18及び押えロール19とにフィルム原反fの繰出し側始端部に空気を適量注入して張架し、予め注入した空気によりフィルム原反fの内面を剥離しながら繰出し供給する。且つ、フィルム装填部10の上段側に、同部から繰出されるフィルム原反fの上下面と対向して送りロール18と押えロール19とを軸支し、同送りロール18の上段側に軸支した可動アーム20の前端部に押えロール19を軸支し、同位置側部に配設した押え用シリンダ21のピストンロッドを可動アーム20の後端部に連結して、押え用シリンダ21の作動により、繰出し経路上に供給されるフィルム原反fの上下面を各ロール18,19で挾持すると共に、同位置側部に配設した送り用モータ22の駆動力により、各スプロケット23,24及び駆動チェーン25を介して送りロール18を送り方向に回転させ、各ロール18,19により挾持したフィルム原反fを繰出し方向に供給する。
【0021】
且つ、繰出し経路上に設定した分離位置上部に、同位置に供給されるフィルム原反fの前後面と対向して送りロール26と押えロール27とを軸支し、同押えロール27の後方側に配設した押え用シリンダ29のピストンロッドを支持枠28の背面側中央部に連結し、同支持枠28の前端側対向面に押えロール27を軸支して、押え用シリンダ29の作動により、繰出し経路上に供給されるフィルム原反fの前後面を各ロール26,27で挾持すると共に、同送りロール26の後方側に配設した送り用モータ30の駆動力により、各スプロケット31,32及び駆動チェーン33を介して送りロール26を送り方向に回転させ、各ロール26,27により挾持したフィルム原反fを繰出し方向に供給する。
【0022】
前述したフィルム分離機構3は、繰出し経路上に設定した分離位置に、同位置に供給されるフィルム原反fの前後面と対向して加熱ヘッド34と受けヘッド35とを水平方向に配設し、同加熱ヘッド34の後方側に配設した分離用シリンダ36のピストンロッドを支持枠37の背面側中央部に連結し、同支持枠37の前端側下部に受けヘッド35と対向して加熱ヘッド34を固定している。且つ、上述した加熱ヘッド34及び受けヘッド35の上段側に、分離位置に供給されるフィルム原反fの前後面と対向して切断カッタ38と受けヘッド39とを配設し、受けヘッド35の後方側に配設したロッドレス型の切断用シリンダ40上に切断カッタ38を連結し、支持枠37の前端側上部に切断カッタ38と対向して受けヘッド39を固定している。つまり、分離用シリンダ36の作動により、分離位置に供給されたフィルム原反fの前後面を加熱ヘッド34と受けヘッド35とで押圧し、同フィルム原反fの押圧部分を加熱ヘッド34により幅方向に加熱溶着する。同時に、切断用シリンダ40の作動により、加熱ヘッド34と受けヘッド35とで押圧したフィルム原反fの上位部分を切断カッタ38で幅方向に切断して、一つの包装袋Fを分離形成する。
【0023】
且つ、繰出し経路上に設定した分離位置下部に、同位置直下に繰出されるフィルム原反fの前後面と対向してフィルムガイド41を垂設し、同フィルムガイド41の内面形状を上端側開口部から下端側開口部に向けて狭くなる形状に形成して、上述の切断カッタ38により切断されたフィルム原反fの開口側下端部を、後述する袋開口機構4の各吸着ロール45,45間に対して挿入される方向に垂直誘導する。
【0024】
前述した袋開口機構4は、図3、図4、図6に示すように、繰出し経路上に設定した分離位置下部に、同位置直下の開口位置に繰出されるフィルム原反fの横幅寸法よりも幅広形状に形成したコ字形の昇降枠42を配設し、同昇降枠42の両端部中央面に架設した左右の各ガイドレール42a,42a上に各前側可動板43a,43a及び各後側可動板43b,43bの左右両端部を前後摺動可能に係合し、各前側可動板43a,43aの対向側下端部に前側可動枠44aの左右両端部を前後回転可能に軸受し、各後側可動板43b,43bの対向側下端部に後側可動枠44bの左右両端部を前後回転可能に軸受し、各可動枠44a,44bの対向側下端部間に、例えば、丸形、半円、扇形等に形成した中空断面形状の各吸着ロール45,45を軸受し、一方の各可動板43a,43bに垂設した各傾動用シリンダ46,46のピストンロッドを、各可動枠44a,44bの一側端部に連結して、各傾動用シリンダ46,46の作動により、各吸着ロール45,45の各吸気孔45a,45aが相対向する方向に回動停止した姿勢と、各吸着ロール45,45及び各袋押圧板57,57が斜め上向きとなる姿勢(図8参照)と、各吸着ロール45,45及び各袋押圧板57,57が正面向きとなる姿勢(図4参照)とに各可動枠44a,44bを前後回動(例えば、約60度)する。
【0025】
且つ、昇降枠42の前端側対向面に軸支した各スプロケット47a,47aと、後端側対向面に軸支した各スプロケット47b,47bとの間に各連動チェーン48,48を張架し、各前側可動板43a,43aに各連動チェーン48,48の一端側を連結し、各後側可動板43b,43bに各連動チェーン48,48の他端側を連結し、昇降枠42の後側両端部に固定した各開口用シリンダ49,49のピストンロッドを各後側可動板43b,43bに連結して、各開口用シリンダ49,49の同期作動により、各連動チェーン48,48を介して、分離位置直下の開口位置に繰出されたフィルム原反fの開口側周縁部を吸着する前進位置と、後述する段ボール箱Bの各フラップBa…に対して被覆される大きさにフィルム原反fの開口側周縁部を開放する後退位置とに各可動枠44a,44bに軸架した各吸着ロール45,45を前後移動する。
【0026】
且つ、昇降枠42の後端側左右面に、同側に立設した左右の各ガイド軸50,50を上下摺動可能に垂直挿入すると共に、昇降枠42の後端側下面部に、同側下部に配設した昇降用シリンダ51のピストンロッドを連結して、昇降用シリンダ51の作動により、分離位置直下の開口位置に繰出されたフィルム原反fの開口側周縁部と対向する高さ位置に各吸着ロール45,45が停止される上昇位置と、後述する箱送りコンベア5上の袋挿入位置に搬送された段ボール箱Bの各フラップBa…に対して各吸着ロール45,45により吸着保持した包装袋Fの投入口Faが被覆される降下位置とに昇降枠42を垂直昇降する。
【0027】
且つ、上述したフィルムガイド41の下端側前後部であって、各吸着ロール45,45により吸着保持される包装袋Fの前後面と対向する上方前後部に各噴射ノズル52,52を下向きに配設し、各噴射ノズル52,52の一端側に、例えば、送気用ブロワ等の送気手段(図示省略)を接続している。つまり、送気手段から供給されるエアを各噴射ノズル52,52に送気し、各噴射ノズル52,52から吐出されるエアを各吸着ロール45,45により吸着保持した包装袋Fの前後上面に吹き付けて、袋挿入位置に搬送停止された段ボール箱B内に対してエアの吐出力のみにより包装袋Fを強制挿入する。
【0028】
上述した各吸着ロール45,45は、各可動枠44a,44bの前側下端部に各吸着ロール45,45の両端部を回転可能に軸受し、同各吸着ロール45,45の一側端部に固定した各ギャ53,53と、同側端部に配設した各ラック54,54とを互いに歯合すると共に、同側上部に固定した各剥離用シリンダ55,55のピストンロッドを各ラック54,54に連結して、各剥離用シリンダ55,55の同期作動により、各ギャ53…及び各ラック54…を介して各吸着ロール45,45を正逆回転させ、分離位置直下の開口位置に繰出されたフィルム原反fの前後面と対向する方向に後述する各吸気孔45a…を回転停止した横向き位置と、後述する各押圧板57…と対向する方向に各吸気孔45a…を回転停止した向き位置とに各吸着ロール45,45を正逆回転する。
【0029】
且つ、各可動枠44a,44bの後側下端部に軸架した各支軸56,56上に複数枚(例えば、3枚、4枚)の各袋押圧板57…を長さ方向に対して所定間隔に隔てて固定し、各可動枠44a,44bの後面側中央部に固定した各押圧用シリンダ58,58のロッド端部と、各支軸56,56の中央部に固定した各可動片59,59とを当接し、各可動枠44a,44bと各可動片59,59との間に張架したコイルスプリング(図示省略)の弾性により、各吸着ロール45,45の吸着面に対して適宜間隔に離間される方向に各袋押圧板57…を牽引付勢すると共に、各押圧用シリンダ58,58の同期作動により、各吸着ロール45,45の吸着面に吸着された包装袋Fの投入口Faを押圧する方向に各袋押圧板57…を回動する。
【0030】
且つ、各吸着ロール45,45の吸着面全長に丸形状を有する多数個の各吸気孔45a…を長さ方向に対して所定間隔に隔てて形成し、同各吸気孔45a…を除く各吸着ロール45,45の周面全体又は吸着面を合成ゴム製の各カバー60,60により被覆し、各吸着ロール45,45の一端側に、例えば、吸気用ブロワ又は真空ポンプ等の吸気手段(図示省略)を接続している。つまり、分離位置直下の開口位置に供給されたフィルム原反fの前後面に各吸着ロール45,45の各吸気孔45a…を密着したとき、吸気手段(図示省略)により発生される負圧でフィルム原反fの開口側周縁部を吸着保持し、後述する箱送りコンベア5上の袋挿入位置に搬送停止された段ボール箱Bの各フラップBa…に各吸着ロール45,45により吸着保持した包装袋Fの投入口Faを被覆したとき、吸気手段の負圧を遮断又は停止して各吸着ロール45,45による吸着保持を解除する。
【0031】
前述した箱送りコンベア5は、図5に示すように、左右に架設した各取付け枠5a,5aの対向面間に多数本の各送りローラ5b…を送り方向に対して所定間隔に隔てて軸架し、減速機付き送り用モータ(図示省略)の駆動力により各送りローラ5b…を送り方向に回転して、製函工程(図示省略)から供給される上面開放形態の段ボール箱Bを袋挿入位置に搬送し、同段ボール箱B内に包装袋Fを敷設して箱詰め工程(図示省略)に搬送する。且つ、箱送りコンベア5上に設定した袋挿入位置の一側部に、同位置に停止される段ボール箱Bの前後幅と対応する間隔に隔てて各箱支持アーム74,75を水平回転可能に軸支し、同位置側部に配設した各回動用シリンダ76,77を各箱支持アーム74,75に連結して、各回動用シリンダ76,77の作動により、袋挿入位置に搬送された段ボール箱Bの前後面を保持する旋回位置と、同段ボール箱Bの搬送が許容される退避位置とに各箱支持アーム74,75を回動する。
【0032】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、袋敷設装置1により合成樹脂製の包装袋Fを段ボール箱B内に敷設するときの動作を説明する。
先ず、図1、図2、図5に示すように、上面開放形態に製函された段ボール箱Bを箱送りコンベア5上の袋挿入位置に搬送し、同袋挿入位置に搬送された段ボール箱Bの前後面を各箱支持アーム74,75で押圧して搬送停止する。一方、フィルム供給機構2を駆動して、ロール装填部10に軸受されたフィルム原反fの繰出し側始端部を分離位置に連続供給し、同分離位置直下の開口位置にフィルム原反fの開口側下端部を適宜長さ繰出した後、図6に示すように、袋開口機構4を駆動して、分離位置直下の開口位置に繰出されたフィルム原反fの開口側下端部に各吸着ロール45,45の各吸気孔45a,45aを密着させ、各吸着ロール45,45の各吸気孔45a,45aに生じる負圧によりフィルム原反fの開口側下端部を吸着保持する。
【0033】
次に、図7に示すように、各吸着ロール45,45を剥離方向(矢印方向)に回転して、各吸着ロール45,45の各吸気孔45a,45aに吸着保持されたフィルム原反fの開口側下端部を前後方向に剥離すると共に、各吸着ロール45,45の各吸気孔45a,45aに吸着保持されたフィルム原反fの開口側下端部を各袋押圧板57,57で押圧固定する。
【0034】
次に、図8に示すように、各吸着ロール45,45と各袋押圧板57,57とでフィルム原反fの開口側下端部を挾持した状態のまま各可動枠44a,45bを矢印方向に傾動させ、各吸着ロール45,45と各袋押圧板57…とで挾持したフィルム原反fの開口側下端部を上方に持上げて若干弛ませる。この後、図9に示すように、各吸着ロール45,45と各袋押圧板57,57とでフィルム原反fの開口側下端部を挾持した状態のまま各可動枠44a,45bを前後方向に後退させ、各吸着ロール45,45と各袋押圧板57,57とで挾持したフィルム原反fの開口側下端部を前後方向に開口する。
【0035】
同時に、フィルム分離機構3を駆動して、分離位置に供給されたフィルム原反fの閉塞側前後面を加熱ヘッド34と受けヘッド35とで押圧し、同フィルム原反fの押圧部分を加熱ヘッド34により幅方向に加熱溶着する。且つ、加熱溶着されたフィルム原反fの上位部分を切断カッタ38により幅方向に切断して、一つの包装袋Fを分離形成する。この後、加熱ヘッド34及び切断カッタ38を初期位置に復帰させる。
【0036】
次に、図10に示すように、各吸着ロール45,45と各袋押圧板57,57とで包装袋Fの投入口Faを開口保持した状態のまま昇降枠42全体を垂直降下させ、各吸着ロール45,45と各袋押圧板57,57とで開口保持した包装袋Fの投入口Faを、箱送りコンベア5上の袋挿入位置に搬送停止された段ボール箱Bの各フラップBa…に被覆する。同時に、各吸着ロール45,45と各袋押圧板57,57とで開口保持した包装袋Fの前後上面に各噴射ノズル52,52から吐出されるエアを吹付けて段ボール箱B内に強制挿入する。
【0037】
次に、図11に示すように、各吸着ロール45,45の各吸気孔45a,45aに生じる負圧を遮断又は停止して吸着保持を解除し、各吸着ロール45,45の各吸気孔45a,45aを相対向させて回動停止する。且つ、各袋押圧板57,57を初期位置に回動復帰させて挾持固定を解除した後、各可動枠44a,44bを離間した状態のまま昇降枠42全体を垂直上昇させ、フィルム分離機構3の分離位置直下に繰出されるフィルム原反fの開口側下端部と対応する高さ位置に各吸着ロール45,45及び各袋押圧板57,57を上昇復帰させることで、一つの包装袋Fの敷設作業が完了する。
【0038】
次に、各箱支持アーム74,75を初期位置に回動復帰させて押圧解除した後、箱送りコンベア5上に載置された袋敷設済みの段ボール箱Bを袋詰め工程(図示省略)に搬送供給する。以下同様に、箱送りコンベア5上に載置された後続の段ボール箱Bを袋挿入位置に搬送し、分離位置直下の開口位置に繰出されたフィルム原反fの開口側下端部を各吸着ロール45,45と各袋押圧板57,57とで挾持して前後方向に開口し、包装袋Fの敷設作業を継続して行う。
【0039】
以上のように、分離位置直下の袋開口位置に繰出された包装袋Fの開口側周縁部を各吸着ロール45,45により吸着保持して前後方向に開口し、各吸着ロール45,45により開口保持した包装袋Fの上面側に各噴射ノズル52,52から吐出されるエアを吹付けて段ボール箱B内に挿入するので、従来例のように各吸着パッド92,92により吸着保持した包装袋Fの開口側周縁部を各チャック(図示省略)により挾持したりする必要が無く、各吸着ロール45,45により開口保持した包装袋Fを段ボール箱B内に対して即挿入することができ、一つの包装袋Fを敷設するときの動作時間が短縮され、作業の能率アップ及び処理速度の向上を図ることができる。
【0040】
しかも、各噴射ノズル52,52から吐出されるエアにより包装袋Fを段ボール箱B内に挿入するので、従来例のように包装袋Fの開口側周縁部を挾持するためのチャック機構(図示省略)や、包装袋Fを段ボール箱B内に挿入するための袋挿入機構(図示省略)を設けたりする必要が無く、装置全体を小型化できると共に、装置全体の工程及び構成が簡素化され、従来機に比べて約7割り程度のコストが削減でき、製作コストの低減を図ることができる。
【0041】
図12は箱送りコンベア5上の袋挿入位置に搬送停止された段ボール箱Bを垂直昇降して、袋開口機構4の各吸着ロール45,45により開口保持した包装袋Fを段ボール箱B内に敷設する第2実施例の袋敷設装置1を示し、箱送りコンベア5上に設定した袋挿入位置に段ボール箱Bを搬送停止した後、同位置側部に配設した減速機付き昇降用モータ86の駆動力により、各スプロケット87,88及び駆動チェーン89を介して、同側上部に軸支した各スプロケット83,83と、同側下部に軸支した各スプロケット84,84との間に張架した各昇降チェーン85,85を上下回転させる。各昇降チェーン85,85に連結した昇降枠81を垂直方向に昇降して、袋挿入位置に搬送停止された段ボール箱Bを昇降枠81に固定した箱載せ爪82により垂直方向に持上げると共に、袋開口機構4の各吸着ロール45,45により開口保持した包装袋Fの投入口Faを段ボール箱Bの各フラップBa…に被覆し、同時に、各噴射ノズル52,52から吐出されるエアを包装袋Fの前後上面に吹き付けて段ボール箱B内に強制挿入するので、第1実施例と同様に、各吸着ロール45,45により開口保持した包装袋Fを段ボール箱B内に敷設することができる。段ボール箱Bの昇降動作に要する時間を利用して、分離位置直下の開口位置に繰出された包装袋Fの投入口Faを各吸着ロール45,45により吸着保持して前後開口するので、装置全体の動作時間が短縮され、作業の能率アップ及び処理能力の向上を図ることができる。
【0042】
図13は各吸着ロール45,45の吸着面に包装袋Fの開口側周縁部を吸着保持するのに必要な粘着力を有する各粘着剤45b,45bを塗布又は貼着した第3実施例の袋開口機構4を示し、フィルム分離機構3の分離位置直下に繰出された包装袋Fの開口側周縁部に各吸着ロール45,45の各粘着剤45b,45bを密着させ、各吸着ロール45,45に塗布した各粘着剤45b,45bの粘着力により包装袋Fの開口側周縁部を吸着保持して前後方向に開口するので、第1実施例と同様に、段ボール箱Bの各フラップBa…に対して被覆可能な大きさに包装袋Fの投入口Faを開口することができ、包装袋Fの投入口Faを吸着及び開口する作業が容易に行える。
【0043】
図14は各吸着ロール45,45の周面全体に包装袋Fの開口側周縁部を吸着保持するのに必要な粘着力を有する各粘着剤45b,45bを塗布又は被覆した第4実施例の袋開口機構4を示し、フィルム分離機構3の分離位置直下に繰出された包装袋Fの開口側周縁部に各吸着ロール45,45の各粘着剤45b,45bを密着させ、各吸着ロール45,45に塗布した各粘着剤45b,45bの粘着力により包装袋Fの開口側周縁部を吸着保持して前後方向に開口するので、第1実施例と同様に、段ボール箱Bの各フラップBa…に対して被覆可能な大きさに包装袋Fの投入口Faを開口することができ、第3実施例の各吸着ロール45,45に比べて吸着面積が広く、大きな吸着力が得られるため、包装袋Fの投入口Faを吸着及び開口する作業が確実に行える。
【0044】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の袋体は、実施例の包装袋Fに対応し、
以下同様に、
箱体は、段ボール箱Bに対応し、
袋供給手段は、フィルム供給機構2のダンサロール17と、送りロール18,26と、押えロール19,27と、フィルム分離機構3の加熱ヘッド34と、切断カッタ38とに対応し、
袋開口手段は、昇降枠42と、ガイドレール42aと、前側可動板43aと、後側可動板43bと、前側可動枠44a、後側可動枠44bと、吸着ロール45と、スプロケット47a,47bと、連動チェーン48と、各開口用シリンダ49,49、ギャ53と、ラック54と、剥離用シリンダ55と、袋押圧板57と、押圧用シリンダ58とに対応し、
エア吹付け手段は、各噴射ノズル52,52に対応し、
袋移動手段は、昇降枠42と、ガイド軸50と、昇降用シリンダ51とに対応し、
箱移動手段は、昇降枠81と、箱乗せ爪82と、スプロケット83,84,87,88と、昇降チェーン85と、昇降用モータ86と、駆動チェーン89とに対応し、
負圧発生手段は、吸気用ブロワや真空ポンプ等の吸気手段(図示省略)に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0045】
例えば、袋開口機構4を構成する各吸着ロール45,45を上下位置に相対向して配設し、水平方向に繰出されるフィルム原反f或いは定形に形成された包装袋Fの開口側上下面を各吸着ロール45,45で吸着保持して上下方向に開口するもよく、実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0046】
また、箱送りコンベア5上に設定した袋挿入位置の後段側に、段ボール箱Bの内側底面部と対応する大きさ及び形状に形成した袋挿入板(図示省略)を垂直昇降可能に設け、袋敷設済みの段ボール箱Bを袋挿入板(図示省略)の直下位置に搬送停止した後、同段ボール箱B内に敷設された包装袋F内に袋挿入板(図示省略)を挿入することで、段ボール箱Bの内面形状と対応する大きさに包装袋Fの挿入姿勢を整えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の袋敷設装置による敷設方法を示す側面図。
【図2】袋開口機構の挿入動作及び箱送りコンベアの送り動作を示す側面図。
【図3】袋開口機構を構成する各吸着ロールの軸受構造を示す平面図。
【図4】各吸着ロールの軸受状態を示す側面図。
【図5】箱送りコンベアによる箱送り動作を示す平面図。
【図6】各吸着ロールによる吸着動作を示す側面図。
【図7】各吸着ロールによる剥離動作及び各袋押圧板による押圧動作を示す側面図。
【図8】各吸着ロールによる弛み動作を示す側面図。
【図9】各吸着ロールによる開口動作を示す側面図。
【図10】包装袋の被覆動作及び挿入動作を示す側面図。
【図11】包装袋の敷設状態を示す側面図。
【図12】第2実施例の袋敷設装置による敷設方法を示す側面図。
【図13】第3実施例の袋開口機構を構成する各吸着ロールの吸着方法を示す側面図。
【図14】第3実施例の袋開口機構を構成する各吸着ロールの吸着方法を示す側面図。
【図15】従来装置による包装袋の敷設方法を示す側面図。
【符号の説明】
f…フィルム原反
F…包装袋
Fa…投入口
B…段ボール箱
Ba…フラップ
1…袋敷設装置
2…フィルム供給機構
3…フィルム分離機構
4…袋開口機構
5…箱送りコンベア
34…加熱ヘッド
38…切断カッタ
42…昇降枠
43a…前側可動板
43b…後側可動板
44a…前側可動枠
44b…後側可動枠
45…吸着ロール
45a…吸気孔
45b…粘着剤
52…噴射ノズル
57…袋押圧板
81…昇降枠
82…箱載せ爪

Claims (5)

  1. 一側開放形態に製函された箱体を袋挿入位置に供給し、該位置に供給される箱体内部に対して袋体を開口した状態に敷設する袋敷設装置であって、
    上記箱体内部に敷設される大きさに形成した袋体を袋開口位置に供給する袋供給手段を設け、
    上記袋開口位置に供給される袋体の開口側周縁部と対向する位置に、該袋体の開口側周縁部を吸着保持して剥離方向の回転により開口する一対の各吸着ロールを相対向して設け、
    上記袋開口位置に供給された袋体の開口側周縁部を吸着する吸着位置と、該袋体の開口側周縁部を箱体の開放側周縁部に対して被覆される大きさに開口する開口位置とに各吸着ロールを相対移動する袋開口手段を設け、
    上記袋挿入位置に供給した箱体と上記各吸着ロールにより開口保持した袋体とを、該箱体内部に対して袋体の底部側が挿入される方向に相互を相対移動する袋挿入手段を設け、
    上記各吸着ロールにより開口保持した袋体の一側面に対向して、上記箱体内部に対して袋体の底部側が挿入される方向にエアを吐出するエア吹付け手段を設けた袋敷設装置。
  2. 上記各吸着ロールの吸着側周面に複数の各吸気孔を所定間隔に隔てて形成すると共に、該各吸気孔と連通して各吸着ロールの一側端部に負圧発生手段を接続した請求項1記載の袋敷設装置。
  3. 上記各吸着ロールの吸着側周面に上記袋体の開口側周縁部を吸着保持するのに必要な粘着力を有する粘着剤を付設した
    請求項1記載の袋敷設装置。
  4. 上記袋挿入位置に供給された箱体内部に対して袋体の底部側が挿入される方向に、上記各吸着ロールにより開口保持した袋体を移動する袋移動手段を設けた
    請求項1,2又は3記載の袋敷設装置。
  5. 上記各吸着ロールにより開口保持した袋体の底部側が箱体内部に対して挿入される方向に、上記袋挿入位置に供給された箱体を移動する箱移動手段を設けた
    請求項1,2又は3記載の袋敷設装置。
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