JPH10504594A - セルロース溶液及びそれから作られた製品 - Google Patents

セルロース溶液及びそれから作られた製品

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JPH10504594A JP8507778A JP50777896A JPH10504594A JP H10504594 A JPH10504594 A JP H10504594A JP 8507778 A JP8507778 A JP 8507778A JP 50777896 A JP50777896 A JP 50777896A JP H10504594 A JPH10504594 A JP H10504594A
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Abstract

(57)【要約】 溶液の94−100重量%がセルロース、リン酸及び/又はその無水物、及び水からなるところの、セルロース及びリンの無機酸を含む光学的異方性溶液。好ましくは、5価のリンの無機酸を使用する。定義により、リン酸とその無水物と水とからなる溶媒は、リン酸を5酸化物と水とに換算した後、好ましくはその65〜85重量%が5酸化2リンであり、35〜15重量%が水から構成される。異方性溶液は、強化繊維、例えば乗り物タイヤ向け、を作るときに大変経済的な代替品となる。

Description

【発明の詳細な説明】 セルロース溶液及びそれから作られた製品 本発明はセルロース及び無機リン酸を含む光学的異方性溶液、そのような溶液 の製法、その溶液から製品を作る方法、及び作られた製品に関する。 日本国特許4258648号は少なくともセルロース、水、及び2種類の酸の 混合物を用いるセルロース溶液について開示する。当該記載はセルロースを適切 に溶解するためには、溶媒がオルトー、メター、ピロー、又はポリリン酸を85 重量%より多く含んでいてはならない旨を明記する。光学的異方性を示すセルロ ース溶液は硫酸、オルトー又はポリリン酸、及び水を重量比10〜20/70〜 80/10〜20で混合し、少なくとも15重量%のセルロースをそれに溶解す ることによって得られる。 セルロース及び一の無機リン酸を含むそのような光学的異方性溶液は、旭化成 工業(株)のK.Kamideらによる論文“Formation and Properties of th e Lyotropic Mesophase of the Cellulose/Mixed Inorganic Acid System,”Po lymer Journal Vol.25,No.5(1993),453-461 においても記載されている。この論 文は異方性溶液は、硫酸/ポリリン酸/水からなる溶媒と少なくとも16重量% のセルロースとの混合物を用いてのみ得られる事を明確に示している。 硫酸はセルロースに対して高い酸化効果を有し、それを減成する。加えて、硫 酸の使用は腐蝕を促進するので工業用途には余り推奨できない。さらに、異なる 種類の酸の混合物、例えば硫酸とリン酸、の使用は工業用途上不都合であるとい う欠点があり、製品製造後に該溶媒を数種類の酸を含む溶媒系から回収するのも 同様に不都合である。前記論文に記載されている溶液系は、異方性系が可能であ ると考えられている唯一の系において粘度及び適正温度がほとんど固定されてい るため、主な工程条件を様々に制御することは許容されない。 本発明はセルロース異方性溶液に関し、前記問題点を解決するものである。該 発明は、請求の範囲の前文に従う異方性溶液に関し、溶液が下記成分: −セルロース、 −リン酸及び/又はその無水物、及び −水、 を94〜100重量%含むことを特徴とする。 本特許明細書においては、定義により、溶媒は加えられたリン酸及び/又はそ の無水物及び化学的に結合していない状態でその溶液に存在している総ての水か らなるものとする。そのような訳で、“他の成分”のうち、該溶液の製造中の任 意の時点に加えることができる物質に由来する水と同様に、一般に後の時点で加 えられるセルロースに由来する水も、本明細書においては溶媒の一部である。 本発明において用語「リン酸」は総てのリンの無機酸 (それらの混合物を包含する)を意味する。オリトリン酸は5価のリンの酸、即 ち、H3PO4である。それと同等で水分を含まない化合物、即ち、無水物も5酸 化2リン(P25)として知られている。オリトリン酸及び5酸化2リンに加え て、系の水の量に応じてオリトリン酸と5酸化2リンとの中間の水結合容量を有 する一連の5価のリンの酸が存在する。あるいは、例えば100%より低いオリ トリン酸濃度を有するオルトリン酸の溶媒を使用することが可能である。 リン酸とセルロースとのいくらかの反応により、溶液はセルロースのリン誘導 体を含み得る。これらのセルロース誘導体も溶液の94〜100%を成す成分に 属すると考えられる。本明細書で述べる溶液中のセルロースの重量%がセルロー スのリン誘導体に関係する場合、それはセルロースの重量自体に基づいて計算し た量である。同様のことは本明細書におけるリンの量についても言える。異方性溶液 リン酸溶液中、セルロース濃度8%において既に異方性が観察され、セルロー ス濃度40%以上においてもまだ異方性溶液が得られた。そのような高濃度の液 は高い温度で調整されることが好ましい。セルロース濃度を8%より高く選択す ると、溶液から製品をかなり経済的に作ることが可能となる。よって、異方性セ ルロース溶液は、セルロース濃度を約8%から40%の間で選んで作ることがで きる。 これらの溶液から繊維を作るのは、10%から30%、好ましくは12.5%か ら25%、より好ましくは15%から23%においてするのが最も適している。 本溶液の異なる用途においては、他の範囲が最適であり得る。 それを用いて本発明に従った異方性溶液が得られる溶媒系を得るためには、溶 媒中のリンの重量を対応する無水物の等価重量に換算して定められる。このよう に変換すると、オリトリン酸は72.4%の5酸化2リンと残量の水とになり、 ポリリン酸H6413は84%の5酸化2リンと残量の水とになる。 溶媒中のP25の濃度は、溶媒中のリンの無機酸及びその無水物と、水の全量 から出発して、酸を水とP2Oに換算し、該合計重量の何%がP25から成るか を計算して得られる。他のリン酸が使用された場合も、対応する無水物への換算 は同様にして行われる。 日本国特許公告 4258648号が教示するところに拠れば、任意に一のリ ン酸を他のリン酸に置き換えても、溶液中の置換する酸の重量%を置換される酸 の重量%と同じにすれば、異方性溶液が得られる。それに反して、本発明に従う 異方性溶液は、溶液中の酸の重量%を同じにしながら、任意に一のリン酸を他の リン酸に置き換えることにより作ることができず、しかし、これは無水物として 計算したときのパーセントがある限界値内で保たれる限り、任意に一のリン酸を 他のリン酸に置き換える問題であることが今見い出された。本発明に従う異方性 溶液の調製におい ては、セルロース中の水及び酸中の水の量も含めて、溶媒中の水含量が特別の働 きをしているのである。 リンの系が5価のリンの酸を含むときは、本発明に従う溶液を調製するための 溶媒は、65〜80重量%、好ましくは70から80重量%の5酸化2リンを含 む。本発明における最も好ましい実施態様では、8から15重量%のセルロース を含む異方性溶液を調製するのに、71から75重量%の5酸化2リンを含む溶 媒が使用され、15から40重量%のセルロースを含む異方性溶液を調製するの に、72から79重量%の5酸化2リンを含む溶媒が使用される。 水、リン酸及び/又はその無水物、セルロース、及び/又はリン酸とセルロー スの反応生成物に加えて、他の物質も溶液に存在させることができる。例えば、 4つのグループに分類できるところの成分:セルロース、水、リンの無機酸なら びにその無水物、及び他の成分、を混合して溶液を調製することができる。“他 の成分”は、セルロース溶液の加工性をよくするもの、リン酸以外の溶媒、又は 、添加物、例えばセルロースの減成をできる限り防止するためのもの、又は色素 のようなものであってもよい。 本発明に従う溶液はセルロース、リン酸及び/又はその無水物及び水の94〜 100重量%から成る。好ましくは、セルロース、リン酸及び/又はその無水物 及び水の96〜100重量%から成る。補助剤又は添加物は溶液全重量から計算 して、ただ0から4重量%存在することが好ましい。 より好ましくは、セルロース、リン酸及び/又はその無水物及び水以外の物質の 量はできるだけ低く、すなわち、添加物量は0から1重量%である。異方性溶液の調製 ロシア共和国特許SU 1348396号及びSU 1397456号は、リ ン酸中のセルロース溶液の調製例をいくつか提供している。均一な溶液を得るた めには、全部で2から400時間を要する。さらに、溶液調製中に急激で制御さ れないセルロースの重合度の減少が起きることが見い出された。 本発明に従った溶液を、工業的規模で作るときは、溶解に長時間を要するのは 、その際に必要な貯蔵/溶解タンクの大きさを考慮すると、望ましくない。さら に溶解に長時間を要することはその溶液の連続的製造を妨げる。さらに、急激で 制御されないセルロースの重合度の減少は、その溶液をその後使用する際、例え ば、セルロース繊維を作る場合などには不都合と成り得る。調製段階における、 この制御されないセルロースの重合度の減少は、かなり一定の質の溶液を作るこ とを、特に溶液調製に種々のセルロースを用いる場合には、より困難にする。 前述した特許刊行物から、主としてリン酸を含む溶媒にセルロースを溶解する のに長時間を要するのは明らかである。 米国特許US 5,368,385号は水に非常に溶解し易いポリ マーの水への溶解は、形成されたポリマーの塊の濡れた表面上に、不透過性の層 が形成されることによって、ひどく妨げられることを開示する。いかなる理論に も縛られることを望まず、出願人は、US 5,368,385号の開示と同様に、リン 酸にセルロース粒子を溶解する間、使用したセルロースの外層は、比較的速く溶 解して不透過性の層を形成すると考える。この不透過性の層こそが、それに包ま れるセルロースの溶解の進行を妨げ/遅くする。この問題を解決するいくつかの 答が見出だされた。 一つの答は、セルロースと、リン酸を含む溶媒との非常に速く、十分な混合に 存在し、混合操作は望ましくは、セルロース片の周囲に不透過性のあまりにも厚 い層が厚く形成されて溶解の進行を大幅に遅らせるようになる前に、セルロース 粒子を溶媒中に与えるような混合操作である。不透過性の層が形成される速さ、 換言すれば、セルロースがリン酸を含む溶媒に溶解する速さは、セルロースが溶 媒と接触する温度を下げることに拠って、減少させることができる。溶媒中にセ ルロースの粒子がある場合、該セルロース粒子は、ミクロンスケール、例えばセ ルロース小繊維の形であることが好ましく、これらの小片は短時間に溶解して、 セルロースとリンの無機酸とを含む溶液を与える。他の答えは、セルロース上に 形成される不透過性の層が、とても規則正しくセルロースから除去されるような 方法で、リン酸を含む溶媒との混合の間にセルロースを処理することである。 セルロースとリン酸を含む溶媒との混合は、溶媒中のセルロースが小片である 方が速く進行する。このために、セルロースは溶媒と混合される前に、例えば粉 状にする等、予め粒子にしておいてもよい。代わりに、セルロースと溶媒の相互 の混合だけでなく、混合物中のセルロース片を小さくするような装置でセルロー スと溶媒とを混合させてもよい。 セルロースとリン酸を含む溶媒から、セルロースを含む溶液を調製するときは 、セルロースと溶媒とを一緒にする段階に加え、3つの段階が区別できる,すな わち: 1 セルロースの大きさを減少する、 2 セルロースとリン酸を含む溶媒とを混合する、 3 セルロースを溶媒に溶解する。 セルロースのリン酸を含む溶媒への溶解速度が与えあれると、段階2と3とは 分離して考えることはできない。セルロースと溶媒とが混合されると、セルロー スの溶媒への溶解も起きる。上述したように、セルロースの溶解は、温度を低下 することにより遅くすることができる。段階1は段階2及び3から分離すること ができる。その例として、粉状セルロースとリン酸を含む溶媒からの溶液の調製 が挙げられる。 上述したように、溶媒の存在下でセルロースを小さくし、混合することができ る一つの装置で、セルロースを小さくし、混合し、溶解することによって3つの 総ての段階を結合することも可能である。特にセルロース溶液を経済的に 魅力ある規模で製造すべきときに、上述の3つの段階を一の装置中で結合するこ とは、特にセルロース溶液を連続的にそのような装置中で製造すること、すなわ ち、多少とも一定の流れで出発原料を該装置に投入し、同時に、該装置から多少 とも一定の流れでセルロース溶液を取り出す調製プロセスが可能であると判明し たときには、好都合である。 本発明に従う溶液は、セルロースとリン酸を含む溶媒とが装置(当該装置のミ キサーおよびニーダーが生み出す剪断力が、加えられた一以上の成分を強力に混 合するような装置)で混合されれば作ることができることが見い出された。好ま しい実施態様において本発明に従った方法の実施のために使用される混合および 混練装置は、高剪断混合機である。高剪断混合機の例として当業者に知られてい るものには、Linden-z ニーダー、IKA 2連式ニーダー、Conterna ニーダー又 は2軸押出機がある。 大変適した実施例では、粒子サイズを小さくすることができる装置が使用され る。高剪断混合機のうち粒子サイズを小さくすることができる装置として2軸押 出機が好ましい。混合、混練および粉砕ユニット及びそれらの2軸押出機軸上の 配列を適切に選ぶことにより、多くの異なった形態のセルロース、例えば、シー ト、ストリップ、スクラップ、チップ、及び粉のサイズを必要に応じて小さくし 、溶媒中へのセルロースの溶解が、不透過性の層の形成によりかなり遅らされる 前に、リン酸を含む溶媒と完全に混合させることができる。 リン酸を含む溶媒とセルロースとが、ミキサー又はニーダー中で一緒にされた 後に、セルロースと溶媒とが混合され、セルロースの溶解が起きる。混合の度合 いは、セルロースの溶解がセルロース上での不透過性の層の形成により、あまり にも遅らされない程度でなければならない。セルロースの溶解は温度を下げるこ とにより遅らせることができる。一つの好都合な方法は、セルロースと溶媒とが 合わされ混合される装置の部分の温度が30℃未満、好ましくは0℃から20℃ 、であるような装置中でセルロースと溶媒とが合わされることを含む。他の好ま しい実施態様では、溶媒が、セルロースと合わされる前に温度が25℃より低く なるように冷却される。この場合溶媒は、固体または液体状であることができる 。セルロースと合わされる前に溶媒を冷却して、小片の固体溶媒とすることもで きる。 他の好都合な実施態様では、溶媒の初めの一部分がセルロースと混合され、そ の後残りの溶媒が一以上の段階で、生成した混合物/溶液に添加される。 好都合な方法としては、混合及び混練の間、出発物及び生成された溶液が、装 置の開口部(そこで溶媒とセルロースとが合わされる)から、溶液が装置から排 出されるところの他の開口部へと運ばれるように作られた装置を用いる方法であ る。このような装置の例としては、Conterna ニーダー、2軸押出機、Linden-Z ニーダー、及びBusch コーニーダーが含まれる。 好ましい実施態様においては、搬送システムを有する混 合及び混練装置として2軸押出機が使用される。そのような装置では、装置内で 製品が通過するいくつかの異なるゾーンが有る。最初のゾーンでは、供給された セルロースの溶媒との混合及びサイズの減少が主として行なわれる。次のゾーン では、セルロースの溶解が主となる。続くゾーンでは、主として製造された溶液 が保持され、一層の均質化及び未溶解のセルロースとの混合に供される。 そのような装置では、セルロースの溶解及び生成された溶液の特性が、種々の ゾーンについて選択された温度の影響を受ける。最初のゾーンの温度として30 ℃より低温、好ましくは0℃から20℃、を選ぶとセルロースの溶解を遅くする ことができる。温度を上昇することにより、例えば次のゾーンなどで、セルロー スの溶解は速くなる。ここで、熱はセルロースの溶解の間、ならびに、溶媒とセ ルロースを一緒にしたときに発生することに留意すべきである。 主としてセルロースを溶液で保持する混合及び混練装置のゾーンの温度及び滞 留時間を選択することによって、セルロース溶液の重合度を制御できる。一般に 、温度が高くその温度での滞留時間が長いと、セルロース重合度の減少が大きい 。加えて、出発物質の重合度も、ある特定の温度及び滞留時間における重合度の 減少に影響を与える。 装置内の製品と装置自体との熱交換は、概して理想的でないから、装置内の製 品と装置自体とで温度の差がある。 装置は、生成された溶液を脱気する、例えば溶液を減圧 されたゾーンを通して脱気するところのゾーンを有することができる。さらに、 このゾーン又は別個のゾーンで、水または他の成分を溶液から抜き出しあるいは 溶液に添加してもよい。 溶液から、溶解せずに残留している小さい粒子を除くために、装置内で又は装 置から排出された後に濾過してもよい。得られる溶液は非常に粘性である。それ は直ちに使用し得るが、低い温度、例えば−20℃から10℃で、いくらかの時 間保存することができる。一般的に溶液を長時間保存することが必要なときは、 より低い温度でなければならない。暫くの間低温で保存すると、溶液は固体状に なる(例えば結晶化により)ことに注意すべきである。当該固体の塊は、加熱に より、再び高粘性液体を与える。 上記の方法に拠れば、短時間で、セルロースの減成を制御してセルロース溶液 を調製できる。例えば、粉状セルロースと、リン酸を含む溶媒から、15分また はそれより短い時間でセルロース溶液を作れることが分かった。当該時間は、溶 液調製のためにより高い温度を選ぶことにより、さらに短縮できる。 本発明に従った溶液は、入手可能な総てのタイプのセルロース、例えばArboce ll BER 600/30,Arbocell L 600/30,Buckeye V5,Buckeye V60,Buckeye V65,Visco kraft,麻繊維、亜麻繊維、ラミー繊維及びユーカリ樹セルロース等の総て当業 者に知られたもの、を用いて作ることができる。セルロースは広い範囲の形状、 例えばシート、ストリップ、 スクラップ、チップ、又は粉状で添加する事ができる。このセルロースが添加さ れるときの形状は、混合及び混練装置への導入により制約される。仮に装置に導 入できない形状のセルロースを用いるときは、公知の方法、例えばハンマーミル 又はシュレッダーなどにより、装置の外で細かくしなければならない。 使用するセルロースは、α含有量が90%より大きい、より詳細には95%よ り大きいことが望ましい。溶液から良い繊維を紡糸するためには、工業用及び繊 維製品用の繊維の製造に一般的に用いられているような、α含有量が高いいわゆ る溶解パルプを使用することが推奨される。好適なセルロースとしては、Arcobe ll BER 600/30,Buckeye V60,Buckeye V65,Viscokraftが含まれる。本明細書にお いて後述する方法で定められるセルロースの重合度(DP)は、250から15 00、より詳細には350から1350の範囲であることが好都合である。溶液 中のセルロースの重合度は、215から1300、より詳細には325から12 00の範囲であることが好ましい。市販されているセルロースは一般的にいくら かの水を含んでいるが、そのままで使用することに特に問題は無い。もちろん乾 燥セルロースを使用することも可能であるが、必須では無い。 酸の望ましい無水物換算量を有する溶媒を得るために、異なる種類の無機リン 酸の混合物を用いるときは、酸を混合した後に、30℃から80℃に加熱し、溶 媒を1/2〜12時間加熱された状態に維持することが望ましい。いく つかの場合、使用する酸に依存して、他の時間及び/又は温度が好ましいであろ う。例えば、大変均質で表面不規則のない溶液は、オルトリン酸を約40℃から 60℃の範囲に加熱して溶融し、所望量のポリリン酸を加え、2成分を混合し、 混合物を約20℃に冷却して得られた溶媒を用いて作られる。 適した方法に従えば、溶媒は暫くの間、例えば30分から数時間の間、セルロ ースと合わされる前に放置される。 他の成分は、セルロースと合わされる前に、溶媒に添加することができる。あ るいは、溶媒と合わされる前にセルロースに添加してもよい。また、溶媒がアセ ルロースと合わされるときに、他の成分を加えることもできる。加えて、他の成 分は溶媒とセルロースとが合わされた後に添加することもできる。 溶液を保存する時間、温度、及び、酸の濃度はすべて、溶液中のセルロースに 結合したリンの量に大きな影響を与えることが分かった。リンは、十分な洗浄及 び任意の中和処理の後に凝固された溶液がなおリンを含んでいると判った場合に は、セルロースに結合して存在していると推定される。本発明に従った溶液であ って、80重量%のオルトリン酸および20重量%ポリリン酸を含む溶媒にセル ロースを溶解して得られる18重量%のセルロースを含む溶液は、30℃で1時 間保存後、約0.25重量%の結合リンを含むことが分かった。しかし、その溶 液が50℃で保存されたときは、1時間後に約0.8重量%の結合リンを含 む。 本発明に従う溶液は、どんな場合でも、セルロースに結合した少なくとも0. 02%のリンを含んでいることが見い出された。セルロースの添加の直前に、セ ルロースの添加と同時に、又はセルロースの添加の直後に、少量の水を溶媒に加 えると、セルロースに結合したリンの量が低い溶液が得られることが分かった。 得られた溶液は種々の用途に使用できる。例えば溶液は、工業用及び繊維製品 用の繊維、ホローファイバー、膜、不織布、フィルム、及びセルロースを含む溶 液の用途としてよく知られた他の用途に用いることができ、さらに該溶液はセル ロース誘導体を製造するのにも使用できる。異方性溶液の紡糸 得られた溶液は、所望の数のオリフィスを有する紡糸口金から紡糸して、すなわ ち押し出すことができ、あるいは、フィルムへと成形できる。セルロース濃度1 5から25重量%の紡糸溶液は、0℃から75℃の温度で、かつ温度が高ければ 高いほど滞留時間をできるだけ短くして、押し出すのが好ましい。それらの溶液 は20℃から70℃、より詳細には40℃から65℃の間で押し出されるのが好 ましい。他の濃度においては、より高濃度では上記範囲よりも高い温度で紡糸す るのが、とりわけ溶液粘度が高くなるのを補償するために好ましく、その逆も成 立する。しかし、紡糸温度が高いと、セルロースに結合したリン濃度も高く なることに注意すべきである。 紡糸口金のオリフィスの所望の数は、製造する繊維の用途に依存する。よって 、単一の紡糸口金が、モノフィラメントの押出しだけでなく、実際上より必要と される30から10000、好ましくは、100から2000フィラメントを含 むマルチフィラメント糸を押し出すのにも使用してよい。そのようなマルチフィ ラメント糸の製造は、EP168876号に記載されている多数の紡糸オリフィ スクラスターを含む、クラスター紡糸アセンブリ、又はWO95/20696号 に記載されている紡糸口金を用いて行うことが好ましい。 押出しに続いて、押出物はエアギャップを通過され、エアギャップの長さは工 程条件、例えば、紡糸温度、セルロース濃度及び押出物の延伸度等、に依存して 選ばれる。一般にエアギャップは4から200mmの長さ、好ましくは10から 100mm、を有する。次に、得た押出物は、凝固浴を自体公知の方法で通され る。適した凝固剤として、セルロースを膨潤しないような低沸点の有機溶媒、水 又はそれらの混合物を選択できる。そのような適した凝固剤の例としては、アル コール類、ケトン類、エステル類、及び水又はそれらの混合物が含まれる。イソ プロパノール、n−プロパノール、アセトン、ブタノンは、とても良い凝固作用 を示し、大抵の場合、安全性及び取扱易さの点で優れた特性を有するので、凝固 剤として用いるのが好ましい。この理由から、水とこれらの凝固剤との混合物も 大変重宝 である。 凝固浴は、−40℃(選択した凝固剤が許容するとすれば)から30℃の範囲 であるのが好ましく、非常に好ましい結果は20℃より低い凝固浴温度で得られ ている。 凝固の後は、中和処理と共に、あるいはそれ無しに、洗浄してよい。該洗浄は 、凝固した糸の糸巻きを、洗浄剤を入れた容器に漬けて、あるいは繊維を適切な 液体を入れた浴を連続して通してローラーに巻き取ることによって、行われる。 実際上、大変適した方法に従えば、洗浄はいわゆる、ジェットウォッシャー、例 えば英国特許 GB 762,959号に記載されているような、が使用される 。セルロースを膨潤しない、低沸点の有機溶媒、たとえばアルコール類、ケトン 類、エステル類、及び水又はそれらの混合物は洗浄剤として使用できる。イソプ ロパノール、n−プロパノール、ブタノン、水又はそれらの混合物を洗浄剤とし て使用するのが好ましい。大変適しているのは、水又は水と凝固剤との混合物で ある。洗浄は、洗浄剤の沸点より低い、いかなる温度において、いずれの場合で も好ましくは100℃より低い温度、において行うことができる。 本発明に従った溶液が長期間または高温で保存されたときは、溶液を水浴中で 凝固し、又は凝固後、繊維を水洗浄すると、繊維が水と接触してかなり膨潤する ために、エアギャップ紡糸法では紡糸できないことが見出だされた。 水浴での凝固の間に、又は水浴中での洗浄の間に、繊維に吸収された水の量が 、乾燥繊維重量に対して560%よ り高いと、バンドルのなかの個々の繊維はもはや区別されえないことが見い出さ れた。水の吸収量が1300%より高いと、ゲル化を起こす。好ましい機械特性 を有する繊維を得るためには、繊維の水の吸収量が570%より少ないことが望 ましい。セルロースに結合したリンの量が少ないと、水の吸収量も少ないことが 分かった。本発明に従った溶液が、3重量%より少ない結合リンを含み、溶液が 10重量%より少ない水を有する浴、例えばアセトン凝固浴で凝固されて、繊維 が水浴で洗浄されたときは、バンドルのなかの個々の繊維を未だ明瞭に見分ける ことができた。さらに、溶液が、1.3重量%より少ない結合リンを含み,溶液 が水中で凝固されたときは、バンドルのなかの個々の繊維は水洗浄中においても 未だ明瞭に見分けることができた。好ましい機械特性を有する繊維を得るために は、溶液は0.8重量%、より詳しくは、0.5重量%、より少ない結合リンを 含むことが望ましい。 中和処理は、洗浄工程の直後または、凝固と洗浄との間に行うことができる。 これに代えて、中和工程を洗浄後に行い、再度の洗浄を続けて行うこともできる 。中和剤としては、NaOH,KOH,LiOH,NaHCO3,NH4OH,ナトリウムエタノ レート又はナトリウムメタノレートを用い、たとえばバッチ処理、例えば浸漬、 又は連続処理、例えば浴を通過させる、スプレー、キスロールの使用、又はジェ ットウォッシャーを備えた浴を用いて行うことができる。 繊維の熱処理に対する感受性は、押出物の後処理法によ り大幅に減少できることが分かった。その方法については、我々の、共に係属中 の、オランダ特許NL 9401351に基づく特許出願に開示されている。 本発明に従う溶液が、単一の生産ラインで、連続プロセスで調製及び紡糸でき ることは、特に優れた点である。さらに、それから製品を作る際、特にリン酸、 水及びセルロース以外の成分を用いない時に、セルロースとリン酸とがほとんど 反応せず、従って、セルロースの再生が全く、またはほとんど必要無い点も好都 合である。 このようにして、大変好都合な方法で、特に機械的負荷がかかるゴム製品、例 えば乗物のタイヤ、コンベアベルト、ゴムホース等、に用いるのが適しているセ ルロース繊維が得られる。該繊維は特に乗物のタイヤ、例えばトラックのタイヤ 等、の強化に適している。本発明に従い溶液を紡糸して得られた繊維は動的圧縮 負荷に対する十分な抵抗を示すことが見出だされた。この抵抗値は溶液中のセル ロースに結合したリンの量が少ない程増加することが分かった。この抵抗値は、 例えばいわゆるGBF(Goodrich Block Fatigue)試験によって測定できる。 一般に、今回見出だされた繊維は工業用繊維、例えばナイロン、レイヨン、ポ リエステル及びアラミドの好適な代替品になる。 さらに当該繊維はパルプにすることができる。該パルプは、他の材料、例えば カーボンパルプ、ガラスパルプ、アラミドパルプ、ポリアクリロニトリルパルプ と混合してあ るいは混合せずに、例えばアスファルト、セメント及び/または摩擦材料中にお いて、強化材料として用いるのに適している。異方性溶液から紡糸した繊維の特性 本発明は、大変良い機械特性、例えば強度、ヤング率、及び好ましい伸び率を 有する繊維に関する。溶媒がセルロースとほとんど反応しないので、セルロース 構造から得られる特性、例えば鎖弾性率などが維持されている一方で、溶液の異 方性により多くの機械的用途に必要な特性を達成することが可能となっている。 繊維のこれら特質は、繊維を技術的用途に特に適しているものとする。本発明 に従った溶液を使用すると、技術用途で用いられた従来のセルロース繊維、例え ばいわゆるビスコース法で得られるCordeka 660(商標)及び Cordeka 700(商 標)、の特性よりもはるかに優れた特性のものが得られる。 本発明の溶液を使用すると、破断強度が700mN/texより高く、より詳 細には、850mN/texより高く、2%未満の伸び率での最大弾性率が少な くとも14N/texであり、かつ破壊時の伸び率が少なくとも4%、より詳細 には6%より大きい、セルロース繊維が得られる。 紡糸液及び凝固剤の性質により、繊維が水中で凝固されたときは、0.02か ら1.3重量%、水を含まない凝固剤で凝固され、水で洗浄されたときは、0. 02から 3.0重量%の、セルロースに結合したリンを繊維が含む。繊維が0.02から 0.5重量%のセルロースに結合したリンを含むことが好ましい。 糸バンドル内のフィラメントは、従来の糸のフィラメントより著しく高い圧縮 強度を持つ、すなわち、従来の糸のフィラメントが0.15から0.20GPa であるのに対し、本発明に従う溶液を用いて0.3から0.35GPaを有する フィラメントが得られる。 さらに糸を共焦点走査型レーザー顕微鏡で調べると、従来の糸のフィラメント に多くの空孔が見られるのに対し、当該フィラメントにほとんど空孔が無い。 WO85/05115号において、リン酸を含む異方性の溶液から紡糸したセ ルロースフォルメート及び再生セルロースマルチフィラメント糸について報告が されている。その糸は、フィラメントの軸を取り囲みかつフィラメントの軸に沿 って疑似周期的に変化する、互いに重なり合った層からなる形態(モルホロジー )を示す。WO94/17136号では、形態はフィラメントのための原料異方 性溶液と関連されることが示唆されている。本発明の糸はリン酸を含む異方性溶 液から得られたものであるが、WO85/05115号に記載されているような 形態を示さない。 広角X線回析により、従来のセルロース糸と類似の結晶構造が見出だされた。 回折パターン中のある反射線の半値幅を、糸中の結晶子領域の大きさを推定する のに使用することができる。本発明の糸のアスペクト比(結晶の高さ/ 結晶の幅)は、ビスコース法による従来の糸が2.5から3.5であるのに比べ 、はるかに大きく4.3から5.0であることが分かった。 本発明の糸の音波弾性率はこれらの糸の高い(引張)弾性率を反映している。 本発明に従った糸のこれら大きな弾性率は、おそらくセルロース分子の高度の分 子配向を反映しており、それは紡糸溶液の異方性に基づくものであると思われる 。 しかしながら、この高い引張弾性率は、繊維においてしばしば見られるような 、、糸の大きいラテラル複屈折を伴わない。本発明に従った糸のラテラル複屈折 は、ビスコース法による従来の糸が12X10-4から26X10-4であるのに対 し、11X10-4より小さかった。 本発明に従った糸と従来の糸との相違を明確に示す他の測定法は、ラマン分光 法である。この方法は化合物の分子振動についての情報を与える。他の分光方法 と同様にこの方法により記録されるスペクトルは、物質についての、一種の指紋 として用いることができる。本発明に従った糸と従来の糸とのラマンスペクトル における大きな相違は、100〜600cm-1に在り、階層的クラスター分析を 行うことにより、より定量的にすることができる。この分析方法により本発明に 従った糸と従来の糸との差を不均質性値で表すと0.70より大きい。 前述した諸特性のうち、唯一つ、すなわち疲労試験により測定できる動的圧縮 負荷抵抗が、セルロースに結合した リンの量に著しく依存することが分かった。さらに、該試験後のセルロース糸の 相対残留強度は、セルロースに結合したリンの量と直線的比例関係にあることが 見出だされた。糸中のセルロースに結合したリンの量を(X軸上に重量%で)、 試験した糸の相対残留強度 (Y軸上に相対強度%、すなわち%rs)に対して プロットし、最小二乗回帰直線を計算すると回帰係数、すなわち回帰直線の傾き は、−30から−70%rs/重量%、より詳細には−40から−60%rs/ 重量%であった。さらに回帰計算で求められる定数値は試験した糸のモジュラス に依存することが分かった。糸のモジュラスの減少は定数値の増加を伴い、従っ て一定のセルロースに結合したリンの量では、モジュラスが小さいと、試験後の 繊維の相対残留強度は大きくなる。 さらに、本繊維は、従来の接着剤を一回含浸すると、例えば、レゾルシノール /フォルムアルデヒドラテックス(RFL)混合物に浸漬することによって、ゴ ムに対する良好な接着性を有する。測定方法 溶液の複屈折率(Δn)の測定 複屈折率Δnは、例えばW.H.de Jeu,Physical properties of Liquid Crystalli ne Materials(London:Gorden &Breach,1980),p.35 に記載されているアッベ屈折 率計B型、により測定した。測定は室温(20℃)で、Tamson油浴で温 度を制御して、Eurotherm デジタル温度計と、Jタイプ熱電対、ハロゲンランプ 12V 20Wを使用して測定した。屈折率計の接眼レンズに偏光板を入れた。 液の屈折率は接触角を測定して求めた。当該屈折率計は、屈折率がナトリウムの D線の波長(589.3nm)で与えられるように構成されている。このことは 、屈折率の分散が、補償されたことを意味する。複屈折率Δnはn−nであ る。均一相ではΔnは定義によりゼロである。 溶液は、静置した状態で複屈折が観測されれば、異方性であると考えられる。 一般的にこのことは、室温で測定された場合には成立する。しかし、本発明の範 囲内において、室温より低い温度で、例えばファイバー紡糸により加工されるこ とができ、かつ当該低温で複屈折を示す溶液も、やはり異方性であると考えられ る。溶液は室温で異方性であることが好ましい。 等方性及か異方性かは、偏光顕微鏡(Leits Orthoplan-Pol(100x))を用いて目 視により判断できる。そのために、測定する溶液約100mgを2枚のスライド にはさみ、Mettler FP 82 ホットステージプレートに載せ、ヒーターをonにし 、約5℃/分で試料を加熱した。異方性から等方性へ、即ち有色から無色へ転移 するときの温度を、実質的に黒くなった時点で読み取った。当該転移温度はTni (℃)で示す。相転移の目視による測定を、顕微鏡上に設置した光感知セルを用 いた強度の測定と比較した。この強度測定のために、10〜30μmの試料をス ライド上に、 偏光板を直交させたときになんの色も見えないように、配置した。上述したよう に加熱した。光感知セルを記録計につなぎ、光の強度を時間の関数として記録し た。ある一定の温度(溶液によって異なる)以上では強度の直線的な減少がみら れた。この直線を強度ゼロに外挿してTniを求めた。総ての場合において、値は 上述した方法で定められた値と良い一致を示すことが分かった。 重合度の測定 セルロースの重合度(DP)は、ウベローデ1型(k=0.01)を用いて求め た。この測定のために、測定するセルロース試料は中和処理の後、50℃で16 時間真空乾燥し、または、セルロースの水分を考慮してエチレンジアミン銅(II )と水との混合物における水の量を較正した。このようにして、エチレンジアミ ン銅(II)と水との混合物(1/1)を用いて、0.3重量%のセルロースを含 む溶液を作った。当該溶液の粘度比を(visc.rat.またはηrel)を求め、この値 から下式に従って固有粘度(η)を求めた。 ここで、cは溶液中のセルロース粘度(g/dl)及びkは定数0.25である 。 この式から重合度(DP)は、次のように求められる: 溶液中のセルロースび重合度(DP)は、以下の処理の後に上述した方法により 求めた。 20gの溶液をWaring ブレンダー(1リットル)に入れ、400mlの水を加 え、全体を最高設定値で10分間混合した。得られた混合物をふるいに移し、水 で十分に洗浄した。最後に2%炭酸水素ナトリウム溶液で数分間中和し、その後 水で洗浄した。得られた物のDPは、エチレンジアミン銅(II)/水/セルロー ス溶液の調整から出発して上述した方法により求めた。 リン含量の測定 溶液又は、溶液から得られたセルロース製品中の、セルロースに結合したリン の含量は、分解フラスコにおいて、(a)凝固させ、水で十分に洗浄した後50 ℃で16時間真空乾燥し、密封容器で保存した300mgのセルロース溶液と、 (b)5mlの濃硫酸と0.5mlの、イットリウム1000mg/lを含むイ ットリウム溶液とを混ぜることにより測定されうる。セルロースを加熱炭化する 。炭化の後、清澄な液が得られるまで2ml単位で過酸化水素水を混合物に加え る。冷却した後、溶液に再び水を入れ、50mlとした。測定する溶液中のリン の濃度は、ICP−EP(誘導結合プラズマ発光分光分析)を用いて、リン を100、40、20及び0mg/l含む各標準試料で求めたリン検量線を用い て、次式に基づいて求めた。 リン含量(%)=(Pconc(mg/l)x50)/(Cw(mg)x10) ここで、Pconc=測定する溶液のリン濃度 Cw=凝固されかつ洗浄されセルロースの重量。 溶液の粘度の違いを補正するために、イットリウムを内部標準として加えた。リ ン含量は波長213.6nmで、内部標準は224.6nmで測定する。 水分の測定 水浴での凝固時または水洗浄時に繊維に吸収された水の量は、繊維を水で洗浄 し、付着した水をブフナー漏斗でのろ過によりで除去して定めることができる。 水分量は、160℃で20分加熱した後の重量減少量から(乾燥繊維に対する重 量%で)求めることができる。 機械的特性 フィラメント及びヤーンの機械的特性は下記設定条件でASTM規格D225 6−90に従い求めた。 フィラメントの特性は、10x10mmの表面のArnitel(商標)固定具で把 持されたフィラメントについて測定した。フィラメントは20℃、相対湿度65 %で16時間コンディショニングした。固定具間の距離は100mmと し、フィラメントは10mm/分の一定速度で伸ばした。糸の特性はインストロ ン4C固定具で把持した糸について測定した。糸は20℃、相対湿度65%で1 6時間コンディショニングした。固定具間の距離は500mmとし、糸は50m m/分の一定速度で伸ばした。糸は1m当りの捩り数4000/√線比重[dt ex]で捩じった。フィラメントの線比重(dtexで表される)は関数共鳴周 波数に基づき計算した(ASTM D 1577-66,Part 25,1968);当該糸の線比重は重量を 測定して求めた。破断強度、伸び率、初期弾性率は負荷−伸び率曲線及びフィラ メント又は糸の線比重から求めた。 初期弾性率(In.Mod)は伸び率2%未満での最大弾性率として定義された。 圧縮強度 フィラメントの圧縮強度は、いわゆるElastica試験により定めることができる 。この試験では、フィラメントループを折り曲げ、顕微鏡下で同時に観察する。 圧縮応力−歪み曲線の弾性域においては該ループの形状は変化しない。臨界歪み に達した後にループ形状は実質的に変化する。この変化が起きるところの歪みが 臨界圧縮歪みとされる。圧縮応力−歪み曲線は引張応力−歪み曲線の逆と考えら れることから、圧縮強度はフィラメントの(引張)応力−歪み曲線から、臨界圧 縮歪みと等しい歪みにおける応力として計算して求められる。Elastica試験につ いてのより詳細な 情報は例えば、D.Sinclair,J.Appl.Phys.,21,(1950),p.380-386などに見られる 。 共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM) CLSMを用いて繊維試料の観察をするために、Ar/Krレーザー光をピン ホール、ビームスプリッター、対物レンズを通して、繊維試料上に像を結ばせる 。反射光は対物レンズ、ビームスプリッター、第2のピンホールを通って光増倍 検出器に導かれる。この光学配置の故に、対物レンズの焦点から出る光のみが検 出器に像を結ぶ。この種の光学顕微鏡の有利な点は何よりも、その高分解能(0 .2μm)である。 CLSMは反射及び蛍光モードで使用できる。反射は隣接する構造部分の間で 屈折率が相違するときにのみ起きる。このことは、比較的低い複屈折のセルロー ス繊維において、欠陥のみが可視化されることを意味する。検出できる欠陥の最 小サイズは約100nmである。セルロースフィラメントをCLSMで調べるた めには、6〜7個の単一フィラメントをガラス板上に置き、屈折率1.48の液 体に浸し、ガラス板で覆う。レーザービームの焦点を試料上に合わせるために4 0x 1.3N.A.油浸漬対物レンズを使用した。 X線回折 繊維試料の広角X線回折を、水平型Philips X´per t MPD 回折装置で測定した。セルロース繊維試料は金属枠に巻き付け、回折装 置の試料ホルダーに入れた。この装置では、散乱角2θと方位角ψとを独立に調 整できる。X線ビームは平行板コリメーターを用いて焦点を合わせた。プログラ ム可能な分散スリットは1/8°に固定した。微小焦点銅X線管球を使用した。 試料の小角X線散乱写真をKiessig 点焦点カメラで撮影した。赤道儀上の散乱の 半定量的評価のために線形位置感応カウンター付きのKrathy線焦点カメラを使用 した。小角X線散乱による(セルロース)繊維のキャラクタリゼーションの概説 はY.Cohen and E.L.Thomas,“Microfibrillar Network of a rigid rod polymer ”,Macromolecules,Vol.21,(1988),p.436に見出だされる。 ラテラル複屈折 セルロース繊維のラテラル複屈折はDe Senarmonts 補償法により測定した。こ の方法を適用するために、1/4波長板を、キセノンランプを備えたJenapol In terphako-U顕微鏡に設置したDe Senarmonts 補償器の補償スロットと平行に置い た。DISP-546nmモノクロメーターで単色光を得た。補償は、De Senarmonts 補償 器中のアナライザーを回転することによって行った。補償における方位角ωはア ナライザーから読み取った。ラテラル複屈折は光路差Γ(Γ=546×ω/18 0)を試料の厚みで割って求めた。試料は繊維バンドルをSpurr低粘度包埋材料 (Poly Scien ces Inc.)に包埋して調製することができる。包埋試料は次に、70℃で少なく とも16時間硬化される。約2mm厚さの薄片を研磨切断輪(Abrasive Cut-off Wheel)5 PCS 357 CAを備えたStruers Accutom を用ることによって調製できる 。これは、繊維がその軸に丁度直角に切断されるように行われるのが好ましい。 薄片はStruers 炭化ケイ素紙1200grit(14μm)、2400grit(10μm)、4000grit(6μ m)、アルミナヴューラーAlpha 1(5μm)、Alpha 1 C(1μm)及びStrueres アルミ ナ AP Fを有する DP-mol 研磨布で両面を続けて研磨される。このようにし て、一般的に10から40μmの薄片を得ることができる。研磨された薄片は顕微 鏡ガラスの上に例えばLocktide IS 401などで接着される。 ラマンスペクトル分光 セルロース繊維のラマンスペクトルは1064nm Nd:YAGレーザーを 備えたBrukerk RFS 100 フーリエ変換ラマン分光計により記録できる。この 装置では、レーザー強度1400mWで4cm-1の分解能でスペクトルを記録で きる。サンプル点でのレーザー光径は約30μmである。各スペクトルについて 約5000回スキャンすることが好ましい。測定するために、セルロース繊維は 鏡に巻き付けられ、分光計の試料台に設置した。参照測定により、セルロース繊 維はレーザー照射によって影響を受けないことが示された。 スペクトルの階層的クラスター分析にBrukerのOPUSソフトウエアからのIDENT- 2パッケージを用いることができる。この分析ではスペクトルの2次微分が用い られる。この分析は、例えばWard´s アルゴリズムを使用することによって種 々のスペクトル範囲に適用できる。クラスター化方法の詳細については、例えば D.Helm,H.Labischinski,G.Schallehn and D.Naumann,J.Gen.Microbol,137,(1991 ),69及びD.Helm,H.Labischinski,D.Naumann,J.Microbiol.Methods,14,(1991),12 7に見ることができる。 疲労試験 セルロース糸の動的圧縮負荷に対する抵抗はGoodrich Disk疲労試験機を用い てASTM D885−62Tに従い測定することができる。この試験はしばし ばGBF疲労試験と呼ばれる。この試験のために、セルロース糸を捩じれ角度2 5°で2重糸に撚る。ゴムへの接着性を上げるために、該コードはレゾルシノー ル/ ホルムアルデヒドラテックスを含浸させる。含浸の後、該コードはDunlop 5320ゴムに包埋され、該ゴムは加硫される。試料は疲労試験機で圧縮20%、 伸び0%、及び2375サイクル/分にて6時間試験される。試験後、該ゴムか らコード試料を調製し、残留強度を測定する。相対残留強度は、試験前の含浸コ ードの強度に対して計算される。 本発明を実施例により、詳細に示す。 実施例1〜3は、セルロース、リン酸、及び水を含む溶 液の特性に関する。 実施例4と5は、セルロース、リン酸、及び水を含む異方性溶液の連続製造方法 に関する。 実施例6〜8は、セルロース、リン酸、及び水を含む異方性溶液から紡糸した繊 維の凝固に関する。 実施例9〜12は、セルロースに結合したリンの量の、セルロース、リン酸、及 び水を含む異方性溶液から紡糸した繊維の外観と水含量とに対する影響に関する 。該繊維は、水又はアセトン中で凝固される。 実施例13〜20は、セルロース、リン酸、及び水を含む異方性溶液からの繊維 の紡糸に関する。 特に断らない限り、下記の出発成分(それらの仕様と共に示す)を実施例中の 溶液の調製に使用した。 実施例1 セルロース、1以上の種類のリン酸、及び水を含む溶液を下記の組成より調製 した。 リン酸を配合し、IKA−2連式 HKD 06 DP型ニーダー(0.5リッ トル)で清澄で、粘性な液体が得られるまで混合し、当該液を冷やし、セルロー スを加え、そして室温(20℃)で混練を25分間続けることにより溶液が作ら れた。溶液を目視で評価し、溶液中のセルロースのDP(重合度)を測定した。 各組成について溶媒(使用した無機リン酸、無水物、水の全量と定義する)中の P25量を計算し、表に示した。 表の2、3、4欄の特性間には一定の関連が見られる。溶液がより多くの+を 有すると、溶液がより強い異方性を示し、好ましい特性を与える。大変良い溶液 は+のみを有する。 調製後、溶液を評価し、次のように特性を表した: 1 +適当に溶解した −不溶解; 2 +光沢有り −不透明 3 +異方性 −等方性; 4 +糸を引いた −糸を引かなかった; 測定: 1 顕微鏡評価、1/2%より多くのセルロースが未溶解で残留しなければ+ 。 2 混練中の目視評価。 3 20℃での溶解部分のTniの測定による。 4 混練中の目視評価。 溶液 11.4重量%のセルロースを含む溶液を、12重量%のセルロース(5%の水 を含む)を表に示す酸の混合物に加えることによって調製した。示したP25量 は、無機リン酸と水よりなるものと定義される溶媒中の量である。酸の重量部は 、セルロースを加える酸混合物を作るのに秤り取った酸の全量に基づいて計算し た酸の量である。 11.4重量%のセルロースを含む溶液が、溶媒中のP25量の65〜80% の限界に入らないと、セルロースは溶解しないことが明瞭に分かる。丁度この範 囲内に、遷移範囲と言われるものがある。K及びLの行の組成については、室温 より高い温度で溶解すると、かなり良い乃至良い溶液を与える。これらの溶液は 室温で等方性である。よ り低い温度では異方性であり、これらが良い特性の製品に加工されるのはまさに この低い温度においてである。実施例2 実施例1と同様の方法で、17.1重量%のセルロースを含む溶液を、18重 量%のセルロース(5%の水を含む)を表に示す酸の混合物に加えることによっ て調製した。使用したポリリン酸(PPA)はMerck製(P25量85%) であった。 実施例3 種々の実験における溶媒組成が常にほぼ同一になるように、H3PO4を43℃ に加熱して、次いで冷却し、ポリリン酸を加えて無機リン酸と水とから溶媒を作 った。セルロース%を変化させた。溶液の調製のためには、表2に示したのと同 じ出発成分を用いた。 実施例4 Werner & Pfleiderer Zsk 302軸押出機で、セルロースと無機リン酸とを用い て、溶液を連続的に調製した。押出機の搬送方向に各々が7.5cm長さの6対 の加熱素子を設けた。これらの加熱素子対により、6の異なる温度ゾーンを押出 機の搬送方向に配置することができる。2軸押出機の供給口直後の最初のゾーン (ゾーン1)は温度0℃に設定した。続くゾーン(ゾーン2)は10℃に設定し た。続く4ゾーン(ゾーン3、4、5及び6)は20℃に設定した。さらに、ゾ ーン4及びゾーン5及び6は減圧にした。押出機エンドプレート近くの加熱素子 は15℃に設定した。粉状セルロース、Buckeye V65,DP 700,を2.2kg/h で押出機の供給口より投入した。ゾーン1の第一の加熱素子を通して、80重量 %のH3PO4(オルトリン酸)及び20重量%のPPA(ポリリン酸,Stokvis 製)を含む溶液を7.8kg/hで投入した。 押出速さ150rpmで、1%未満の未溶解のセルロース粒子を含む光学的異方 性溶液が10分で得られた。実施例5 6チャンバーを有するConterna ニーダーで、セルロースとリン酸とを含む溶 液を連続的に調製した。セルロース(Buckeye V60 粉状セルロース Dp=820)と 、溶媒、すなわちP2574.4重量%を含むオルトリン酸とポリリン酸(Stok vis 製)との混合液、とをそれぞれ3.6kg/hr及び15.7kg/hrで ニーダーの入り口に調薬した。ニーダーのチャンバーの温度は、チャンバー1( 調薬成分の入り口と共に)の5℃からチャンンバー6の15〜20℃まで昇温す るように設定した。ニーダーのチャンバー1〜5の混練及び混合機は30〜40 rpmで作動させ、チャンバー6の混練及び混合機は3〜8rpmで作動させた 。チャンバー3〜5は減圧を維持した。このようにして、1%未満の未溶解のセ ルロース粒子を含む光学的異 方性溶液が得られた。ニーダー中での滞留時間は約30分と推定された。実施例6 80重量部(pbw)の固体オルトリン酸(H3PO4)と20重量部のポリリ ン酸(Stokvis 製)とをWerner & Pfkeuderer 2.51-Z ニーダー、LUK 2. 5 K3型を用いて溶媒として調製し、混合物を48℃で少なくとも40分間均 質化した。均質な溶液が得られた後10℃に冷却し、直ちにセルロースを加えた 。最終的に溶液が18重量%(平衡水も含む)のセルロースを含むのに十分なセ ルロースを加えた。このようにして、固まりを混練して、均質な溶液を15分か ら30分間で得て、続く30分間脱気した。得られた溶液を、紡糸機に設けられ た貯蔵槽及び紡糸機の温度が37℃で、紡糸機に設けられた貯蔵槽に入れた。次 に、紡糸液を65μmの径の細管を100設けた紡糸口金から押し出した。試料 を水中で凝固した。繊維の水分量及びリンの量を時間の関数(溶液が37に加温 された時をt=0とした)として求めた。繊維の外観も評価した。結果を表IV に示す。 実施例7 実施例6に記載したのと同様にセルロースを含む溶液を調製した。溶媒は66 .1重量部のオルトリン酸と33.9重量部のポリリン酸(Stokvis 製)とを混 ぜて作った。 実施例6に記載したのと同様に紡糸液を紡糸口金から押し出した 。試料の一部を水中で凝固し他はアセトン中で凝固した。双方の凝固試料の水分 量及びリンの量を時間の関数として求めた。繊維の外観も評価した。水中で凝固 した試料の結果を表Vに、アセトン中凝固試料のそれを表VIに示す。 実施例8 実施例6に記載したのと同様にセルロースを含む溶液を調製した。溶媒は57 .9重量部のオルトリン酸と42.1重量部のポリリン酸(Stokvis 製)とを混 ぜて作った。 実施例6に記載したのと同様に紡糸液を紡糸口金から押し出した 。試料の一部を水中で凝固し他はアセトン中で凝固した。双方の凝固試料の水分 量及びリンの量を時間の関数として求めた。繊維の外観も評価した。水中で凝 固した試料の結果を表VIIに、アセトン中凝固試料のそれを表VIIIに示す。 実施例9 69.1重量部(pbw)のオルトリン酸(P2571.2重量%)と13. 5重量部のポリリン酸(P2584.5重量%)を容器中60℃で清澄で粘性な 液体が得られるまで混合及び混練した。当該液体をLinden-Zニーダ に移し、35℃に加温しさらに均質化した。110分間均質化後、当該液体を4 ℃に冷却した。このようにして、74.3重量%のP25を含む溶媒を調製した 。この温度で、5.6重量%の水を含むセルロース粉(Buckeye V65)16重量部 と水0.88重量部とを加えた。均質な溶液を得るまで、組成物は18分間十分 に混練し、最後の13分間は減圧にした。72.5重量%のP25を含む溶媒を 用いて、溶液を上記のようにして得た。紡糸ポンプを用いて、当該溶液を約25 ℃の搬送パイプを通じて紡糸口金を通した。溶液を約36℃で、65μmの径の 細管を375設けた紡糸口金を通し、30mmのエアギャップを通じて、異なる 凝固剤を満たした20℃の凝固浴へ紡糸した。この浴(約0.5m)を通した後 ,フィラメント糸をジェットウォッシャーを用いて15℃にて水で洗浄し、2. 5重量%のNa2CO3・10H2O溶液で中和した。中和の後糸を再度ジェット ウォッシャーを用いて水で洗浄し乾燥ゴデット上で150℃で乾燥し、30m/ minの速さでボビンに巻き取った。セルロース糸は上述したようにして、メタ ノール、エタノール、アセトンを凝固剤として、作った。そのようにして得られ た繊維の機械特性を表IXに示した。 実施例10 実施例9に記載した方法で、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタ ノール、及びアセトンを凝固剤として用いてセルロース糸を作った。そのように して得られた繊維の機械特性を表Xに示した。 実施例11 実施例9に記載した方法で、2−ペンタン、シクロペンタノン、シクロヘキサ ノン、及びアセトンを凝固剤として用いてセルロース糸を作った。 そのようにして得られた繊維の機械特性を表XIに示した。 実施例12 実施例9に記載した方法で、メチルフォルメート、メチルアセテート、エチル アセテート、及びアセトンを凝固剤として用いてセルロース糸を作った。そのよ うにして得られた繊維の機械特性を表XIIに示した。 実施例13 62.8重量部(pbw)のオルトリン酸(98.3%)と17.4重量部の ポリリン酸(P2584重量%)と、セルロース粉(DP700)18.8重量 部とセルロースに由来する水1重量部とを用いて以下の方法で溶液を調製した: 酸をIKA−2連式 HKD−T 06D型ニーダー(0.51)で混合し、清 澄で粘性な液体が得られるまで加熱した。次いで、セルロース粉を加え、ニーダ ーを25分間で、室温まで冷却し、10分間脱気した。溶媒のP25量は73% と算出された。 得られた溶液をフィルター(2X120メッシュ、25μm)を通して各70 μmのオレフィス30個を有する紡糸口金を備えた紡糸機に投入した。ジェット 速度3m/min及び25℃で押出物を形成し、25mmのエアギャップを通し た後、−20℃の約1m長さのアセトン浴へ導いた。当該浴を通過した後、得ら れた繊維を糸巻きに巻き取り、25℃で約30分間、水で洗浄した。前述した方 法で、得られた繊維の測定をした。測定は数本の繊維について行った。 実施例14 67.6重量部(pbw)のオルトリン酸(98.3%)と16.5重量部の ポリリン酸(P2584.5%)と、15.1重量部のセルロース粉(DP 7 00)と0.8重量部の水とを用いて溶液を調製した。溶液の調製方法は以下の 通りである: オルトリン酸を押出機で排出してLinden-Z ニーダーへ入れ、溶融した。次いで ポリリン酸を加えた。清澄で粘性な液体が得られた後、25℃まで冷却し、直ち にセルロース粉を加えた。当該液体を冷却しつつ混練した。当該液体の温度は最 高で37℃で5分間であった。30分間混練し、最後の15分間脱気した。溶媒 のP25量は73.0%と算出された。 得られた溶液をフィルター5μmと65μmのオレフィス250個を有する紡 糸口金とを備えた紡糸機に投入した。下記のジェット速度及び46℃で押出物を 形成し、25mmのエアギャップを通した後、−12℃のアセトン浴へ導 いた。当該浴(約0.6m)を通過した後,得られた繊維をジェットウォッシャ ーを備えた4m長さの水浴中で洗浄した。巻き取り速さは常に100m/min で、糸の乾燥度及び水分量を下記に示した。セルロースのDPは最初測定し、7 00であり、溶液及び糸のDPは以下に示した。 前述した方法で、得られた糸の特性を測定した。 セルロース糸はジェット速度22.3m/minで上術のようにして作った。 洗浄後得られた糸をフィニッシュし、電熱ローラ上で70℃で、水分量が40% になるまで乾燥した。 測定は、1m当たり214回捩じって後、得られた繊維バンドルの測定をした 。溶液中のセルロースのDPは545、得られた繊維のDPは510であった。 糸のリン濃度を測定したところ1%であった。糸の特性を表XIVに示す。 実施例15 74.3重量%のP25と25.6重量%の水とを含む溶液16,240gを 押出機で排出してLinden-Z ニーダーへ入れた。溶液はオルトリン酸とポリリン 酸とを適切な割合で混合して得た。この透明な液体を30℃〜50℃でいくらか の間混練した。冷却後、溶液に水を加えた。水を加えた後の溶液は73.1重量 %のP25と26.9重量%の水を含み、6℃であった。水を加えた直後、3, 600gのセルロース粉を加えた。セルロース粉を加えた後のセルロース量は1 8重量%(平衡水と合わせて)であった。該混合物は、均質な液になるまで30 分間混練した。紡糸ポンプを用いて、当該溶液を30℃の搬送パイプを通じて紡 糸口金を通した。溶液を約60℃で、65μmの径の細管を375設けた紡糸口 金を通し、30mmのエアギャップを通じて、アセトンを満たした12℃の凝固 浴へ紡糸した。エアギャップでの延伸倍率は7であった。次に糸を44℃の水で 洗浄し、2.5重量%のNa2CO3・10H2O水溶液で中和した。中和した糸 を乾燥し、120m/mmで巻き取った。このようにして、セルロース粉を加え た後200分で糸が得られ、それは0.47%のリンを含んだ。糸は、破壊直線 強度800mN/tex,破壊時の伸び率5.8%,2%未満の伸び率での最大 引張応力は22.4N/texであった。実施例16 74.3重量%のP25と25.6重量%の水を含む溶液14,130gを押 出機で排出してLinden-Z ニーダーへ入れた。溶液はオルトリン酸とポリリン酸 とを適切な割合で混合して得た。この透明な液体を30℃〜50℃でいくらかの 間混練した。冷却後、溶液に水を加えた。水を加えた後の溶液は73.1重量% のP25と26.9重量%の水を含み7℃であった。水を加えた直後、2,70 0gのセルロース粉を加えた。セルロース粉を加えた後のセルロース量は16重 量%(平衡水と合わせて)であった。該混合物は、均質な液になるまで35分間 混練した。紡糸ポンプを用いて、当該溶液を25℃の搬送パイプを通して紡糸口 金を通した。溶液を約60℃で、65μmの径の細管を375設けた紡糸口金を 通し、40mmのエアギャップを通じて、アセトンを満たした11℃の凝固浴へ 紡糸した。エアギャップでの延伸倍率は6であった。次に糸を44℃の水で洗浄 し、2.5重量%のNa2CO3・10H2O水溶液で中和した。中和した糸を乾 燥し、120m/mmで巻き取った。このようにして、セルロース粉を加えた後 120分で糸が得られ、それは0.25%のリンを含んだ。糸は、破壊直線強度 860mN/tex,破壊時の伸び率6.7%,2%未満の伸び率での最大引張 応力は22.1N/texであった。実施例17 実施例4に記載したWerner & Pfleiderer ZSK 30 2軸 押出機で、セルロースとリン酸と水とを含む異方性溶液を連続的に調製し、直接 マルチフィラメント糸に紡糸した。粉状セルロース、Buckeye V60,DP 820,を0 .8kg/hrで押出機の供給口より投入した。該供給口の直後で74.4重量 %のP25と水とを含む混合液を、4.2kg/hrで投薬した。押出機のスク リューを250rpmで作動させた。ゾーン1は温度0℃に設定し、ゾーン2は 10℃に設定し、ゾーン3〜7は20℃に設定した。ゾーン4,5及び6は4減 圧の0〜60mbarに維持した。 得られた異方性溶液中の未溶解のセルロース粒子量は1重量%未満であった。い くつかの紡糸ポンプを用いて、当該溶液をいくつかのフィルターを通して、搬送 パイプを通じて紡糸口金を通した。溶液を約52℃に加熱し、59℃で、65μ mの径の細管を375設けた紡糸口金を通し、42mmのエアギャップを通じて 、アセトンを満たした10℃の凝固浴へ紡糸した。次に糸を20℃の水で洗浄し 、中和した。2.5重量%のNa2CO3・10H2O水溶液で中和した後、糸を 再度15℃の水で洗浄し、150℃で水分8.5重量%まで乾燥し、120m/ mmで巻き取った。 得られた糸はDPが約610であり、約0.5%のセルロースに結合したリン を含み、番手625〜635dtex、破壊直線強度760〜775mN/te x、破壊時の伸び率6.3〜6.7%、2%未満の伸び率での最大引張応力は1 9〜21N/texであった。実施例18 実施例4に記載したWerner & Pfleiderer ZSK 30 2軸押出機で、セルロース とリン酸と水とを含む異方性溶液を連続的に調製し、直接マルチフィラメント糸 に紡糸した。粉状セルロース、Buckeye V65,DP 700,を1.5kg/hrで押出 機の供給口より投入した。該供給口の直後でP2574.4重量%と水とを含む 混合液を、8.8kg/hrで投薬した。押出機のスクリューを300rpmで 作動させた。ゾーン1は温度0℃に設定し、ゾーン2は10℃に設定し、ゾーン 3〜7は20℃に設定した。押出機の出口は10〜15℃に設定した。ゾーン4 ,5及び6は40〜60mbarの減圧で維持した。得られた異方性溶液中の未 溶解のセルロース粒子量は1重量%未満であった。いくつかの紡糸ポンプを用い て、当該溶液をいくつかのフィルターを通して、搬送パイプを通じてクラスター 紡糸アセンブリへ通した。溶液を60℃に加熱し、57℃で、75μmの径の細 管を4X375設けた紡糸アセンブリを通し、30mmのエアギャップを通じて 、アセトンを満たした12℃の凝固浴へ紡糸した。次に糸を20℃の水で洗浄し 、100m/mmで巻き取った。別個の工程で糸を2.5重量%のNa2CO3・ 10H2O水溶液で中和した後、再度15℃の水で洗浄し、乾燥し、30m/m mで巻き取った。得られた糸はDPが約590であり、約0.22%のセルロー スに結合したリンを含み、番手2345dtex、破 壊直線強度620mN/tex、破壊時の伸び率5.7%、2%未満の伸び率で の最大引張応力は19.1N/texであった。 実施例19 実施例4に記載したWerner & Pfleiderer ZSK 30 2軸押出機で、セルロース とリン酸と水とを含む異方性溶液を連続的に調製し、直接マルチフィラメント糸 に紡糸した。粉状セルロース、Buckeye V60,DP 820,を1.5kg/hrで押出 機の供給口より投入した。該供給口の直後でP2574.4重量%と水とを含む 混合液を、8.87kg/hrで投薬した。押出機のスクリューを300rpm で作動させた。ゾーン1は温度0℃に設定し、ゾーン2は10℃に設定し、ゾー ン3〜7は20℃に設定した。押出機の出口は10〜15℃に設定した。ゾーン 4,5及び6は40〜60mbarの減圧で維持した。得られた異方性溶液の未 溶解のセルロース粒子量は1重量%未満であった。いくつかの紡糸ポンプを用い て、当該溶液をいくつかのフィルターを通して、搬送パイプを通じてクラスター 紡糸アセンブリヘ通した。溶液を55℃に加熱し、58℃で、65μmの径の細 管を4X375設けた紡糸アセンブリを通し、25mmのエアギャップを通じて 、アセトンを満たした10℃の凝固浴へ紡糸した。次に糸を20℃の水で洗浄し 、2.5重量%のNa2CO3・10H2O水溶液で中和した。中和後、再度30 ℃の水でジェ ットウォッシャーを用いて洗浄し、150℃で乾燥し、100m/mmで巻き取 った。得られた糸は番手2550dtex、破壊直線強度720〜730mN/ tex、破壊時の伸び率6.5〜6.9%、2%未満の伸び率での最大引張応力 は15.5〜17.5N/texであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 1000193 (32)優先日 1995年4月21日 (33)優先権主張国 オランダ(NL) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),BR,CA,CN,JP,K R,MX,RU,UA,US (72)発明者 ウェステリンク,ヤン,バレンド オランダ国,7242 イーエー ロケム,ア ルベルト ハーンウェグ 27

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記成分: −セルロース −リン酸及び/又はその無水物、及び −水 を94〜100重量%含むことを特徴とする、セルロース及びリンの無機酸を含 む光学的異方性溶液。 2.下記成分: −セルロース −リン酸及び/又はその無水物、及び −水 を96〜100重量%含むことを特徴とする請求項1に従う光学的異方性溶液。 3.溶液中のセルロースの濃度が当該溶液の全重量に対して少なくとも8重量% であることを特徴とする請求項1又は2に従う光学的異方性溶液。 4.セルロースの濃度が少なくとも12.5重量%であること特徴とする請求項 3に従う光学的異方性溶液。 5.セルロースの濃度が少なくとも15重量%であること特徴とする請求項4に 従う光学的異方性溶液。 6.溶液が、セルロースに結合したリンを1.3重量%未満含むことを特徴とす る、請求項1〜5のいずれか1つにに従う光学的異方性溶液。 7.溶液が、セルロースに結合したリンを0.8重量%未満含むことを特徴とす る請求項6に従う光学的異方性溶液。 8.溶液が、セルロースに結合したリンを0.5重量%未満含むことを特徴とす る請求項7に従う光学的異方性溶液。 9.溶液が、セルロース、リン酸及び/又はその無水物、水、及び0〜4重量% の添加物から成ることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに従う光学的 異方性溶液。 10.溶液が、セルロース、リン酸及び/又はその無水物、水、及び0〜1重量 %の添加物から成ることを特徴とする請求項6に従う光学的異方性溶液。 11.溶液が、リン酸及び/又はその無水物及び水の全重量に基づいて計算して 65〜80重量%の5酸化2リン及び残余の水からなる溶媒を用いて調整された ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに従う光学的異方性溶液。 12.溶液が、70〜80重量%の5酸化2リン及び残余 の水からなる溶媒を用いて調整されたことを特徴とする請求項11に従う光学的 異方性溶液。 13.溶液が、8〜15重量%のセルロースを含み、且つ、当該溶液が71〜7 5重量%の5酸化2リンからなる溶媒を用いて調整されたことを特徴とする請求 項12に従う光学的異方性溶液。 14.溶液が、15〜40重量%のセルロースを含み、且つ、当該溶液が72〜 79重量%の5酸化2リンからなる溶媒を用いて調整されたことを特徴とする請 求項12に従う光学的異方性溶液。 15.セルロースと、水及びリン酸及び/又はその無水物を含む溶媒とが、装置 内のミキサー及びニーダーにより発生される剪断力により強力な混合が可能にさ れるところの該装置内で混合されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれ か1つに従う溶液を調製する方法。 16.装置が、Linden−Z ニーダー、IKA−2連式ニーダー、Con terna ニーダー,又は2軸押出機であることを特徴とする請求項15に従 う溶液調製方法。 17.装置が、粒子サイズの縮小も可能であることを特徴 とする請求項15に従う溶液調製方法。 18.装置が、2軸押出機であることを特徴とする請求項17に従う溶液調製方 法。 19.セルロース、溶媒及び他の任意に添加される成分及び製造された溶液が、 当該溶媒と当該セルロースとが一緒にされるところの装置内の開口部から、製造 された溶液が装置から排出されるところの他の開口部へ運ばれることを特徴とす る請求項15又は17に従う溶液調製方法。 20.溶媒とセルロースとが、0℃から20℃の温度を有する装置の区間で混合 されることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1つに記載される溶液調 製方法。 21.溶媒が固体状でセルロースと混合されることを特徴とする請求項15乃至 20のいずれか1つに記載される溶液調製方法。 22.セルロースが最初に溶媒の一部に加えられ、その後残りの溶媒を1以上の 段階で加えることを特徴とする請求項15乃至21のいずれか1つに記載される 溶液調製方法。 23.セルロース添加後の組成物の温度が40℃を越えないことを特徴とする、 請求項1乃至14のいずれか1つに 従う異方性溶液を調製する方法。 24.溶液がエアギャップ紡糸法により紡糸され、当該方法で得られた押出物が 30℃より低い温度の凝固剤中で凝固されることを特徴とする、請求項1乃至1 4のいずれか1つに従う溶液からセルロース押出物を製造する方法。 25.溶液がエアギャップ紡糸法により紡糸され、当該方法で得られた押出物が 凝集固中で凝固されること、及び当該凝固剤がアルコール、ケトン、エステル、 又は水、又はこれら成分の2以上の混合物であることを特徴とする請求項1乃至 14のいずれか1つに従う溶液からセルロース押出物を製造する方法。 26.凝固剤がイソプロパノール、n−プロパノール、アセトン、若しくはブタ ノン、又はこれらの成分と水との混合物であることを特徴とする請求項24又は 25に従う方法。 27.凝固後の押出物が水で洗浄されることを特徴とする請求項24乃至26の いずれか1つに従う方法。 28.押出物が繊維であることを特徴とする請求項24乃至27のいずれか1つ に従う方法。 29.下記の特性: −破断強度が700mN/texより大きい、 −2%未満の伸び率における最大弾性率少なくとも14N/tex, −破断時の伸び率が少なくとも4%、及び −セルロースに結合したリンの含量が0.02重量%から1.3重量%、 を有することを特徴とするセルロース繊維。 30.破断強度が850mN/texより大きいことを特徴とする請求項29に 従うセルロース繊維。 31.破断時の伸び率が6%より大きいことを特徴とする請求項29又は30に 従うセルロース繊維。 32.セルロースに結合したリンの含量が0.02重量%から0.5重量%であ ることを特徴とする請求項29乃至31のいずれか1つに従うセルロース繊維。 33.圧縮強度が0.30GPaから0.35GPaであることを特徴とする請 求項29乃至32のいずれか1つに従うセルロース繊維。 34.ラテラル複屈折が11X10-4より小さいことを特徴とする請求項29乃 至33のいずれか1つに従うセル ロース繊維。 35.動的圧縮負荷抵抗がセルロースに結合したリンの量に依存することを特徴 とするセルロース糸。 36.疲労試験において測定する相対残留強度を、セルロースに結合したリンの 量の関数として測定することにより得られるデータ点からの一次回帰直線の傾き が−30から−70%rs/重量%であることを特徴とする請求項35に従うセ ルロース糸。 37.前記傾きが−40から−60rs/重量%であることを特徴とする請求項 36に従うセルロース糸。 38.請求項1乃至14のいずれか1つに従う異方性溶液をパルプ、中空繊維、 紡織繊維、ステープル繊維、膜、不織布、又はフィルムの製造に使用する方法。 39.セルロースの強化糸を含み、機械的負荷に付されることができるゴム物品 において、該強化糸が請求項28に従った方法により製造された繊維を含むこと を特徴とするゴム物品。 40.セルロースの強化糸を含む乗物用タイヤにおいて、該強化糸が請求項28 に従った方法により製造された繊維 を含むことを特徴とする乗物用タイヤ。
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