JP2000504767A - 水及び塩溶液の高い吸収能を持つ物質の調製法 - Google Patents

水及び塩溶液の高い吸収能を持つ物質の調製法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、水及び塩溶液の高い吸収能を持ち、主にセルロースを含むところの物質を調製するための方法に関し、該方法において、、セルロースがリン酸含有溶媒中に溶解され、94〜100重量%の次の成分、セルロース、リン酸及び/又はその無水物、及び水を含むところの溶液が得られ、そして該溶液が、50重量%より少ない水を含む液体中で凝固されかつ洗浄される。この方法は、水及び(アイソトニック)塩溶液の高い吸収能を持つところのセルロース製品、例えば、ファイバー又はパルプを得るために使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 水及び塩溶液の高い吸収能を持つ物質の調製法 本発明は、水及び塩溶液の高い吸収能を持ち、主にセルロースを含むところの 物質を調製するための方法に関する。 水及び(アイソトニック)塩溶液の高い吸収能を持つ物質はまた、超吸収剤( superabsorbent)として公知である。超吸収剤は、なかんずく、人間の衛生用製 品、例えば、使い捨ておむつ、タンポン、衛生ナプキン、及び失禁パッドに使用 される。ファイバーの形態の超吸収剤は、なかんずく、水分吸収クロス又はタオ ルにおいて使用され得る。 主にセルロースを含む超吸収剤は、国際特許出願公開第93/12275号公 報から公知である。この特許出願において、セルロースファイバーが紡糸され、 そしてそのようにして形成されたファイバーが続くプロセスにおいて化学変性を 受けて、カルボキシ−メチル−セルロース(CMC)ファイバーを形成すること を含むところの、セルロースに基く超吸収剤、とりわけ、セルロースに基くファ イバーの調製が述べられている。しかし、二つの異なるプロセス段階(ファイバ ーを紡糸すること及びそれを化学変性にかけること)において水及び塩溶液の高 い吸収能を持つ物質を調製することは、この方法に重大な欠点を与える。 粉末形態におけるCMCは、高い水分吸着力を持つ物質として公知であり、そ して、なかんずく、濃縮剤として使用される。 米国特許第3,658,790号明細書はまた、流体のための高吸収能を持つ セルロースに基いたファイバーを調製するための方法を開示している。この方法 は、いくつかの段階、例えば、リン酸/尿素水性溶液により(パルプシートの形 態の)セルロースファイバーを飽和すること、高められた温度において得られた 生成物を乾燥すること及び反応させること、水中に得られたシートを分散させる こと、洗浄処理、酸による処理、アルカリ液による処理、第二回目の洗浄処理、 そして任意的に、得られた生成物の機械的精製を含む。得られたファイバーの成 形は、特別のプロセス段階によりのみ可能である。 これらの超吸収剤に加えて、ポリアクリル酸の塩を含む超吸収剤が公知である 。ポリアクリル酸の塩に基く物質の欠点は、セルロースに基く物質と比較してそ の生分解性に乏しいことである。 驚くべきことに、主にセルロースを含むところの超吸収剤を調製するための簡 便な方法が今見出された。この方法は、ポリアクリル酸に基く物質より良好な生 分解性を有するところの、水及び(アイソトニック)塩溶液の高い吸収能を持つ 物質を調製することを可能にする。 本発明は、冒頭の段落で述べられた方法において、セルロースがリン酸を含む 溶媒中に溶解され、ここで、94〜100重量%の次の成分、即ち、 ・セルロース、 ・リン酸及び/又はその無水物、及び ・水 を有するところの溶液が得られ、そして、該溶液が、50重量%より少ない水を 含む液体中で凝固されかつ洗浄されることより成る。 本特許出願において述語リン酸は、リンの全ての無機酸及びそれらの混合物を 言う。オルトリン酸は、五価のリンの酸、即ちH3PO4である。その無水の同等 物、即ち無水物は五酸化リン(P25)である。オルトリン酸及び五酸化リンに 加えて、系内の水の量に依存して、五酸化リンの酸とオルトリン酸との間の水結 合能を持つ一連の五酸化リンの酸、例えば、ポリリン酸(H6413,PPA) がある。 溶媒中の五酸化リンの重量パーセンテージは、無水物を含めてのリン酸の全重 量及び溶媒中の水の全量から出発して、該酸を五酸化リンと水に換算すること、 そして五酸化リンにより占められる該全重量パーセンテージを計算することによ り計算される。 本明細書において、セルロースに又は他の成分の一部分であるところの物質に 由来する水、及び溶液を得るために加えられる水は、溶媒中の五酸化リンの濃度 の計算に含まれない。 溶液中の五酸化リンの重量パーセンテージは、無水物を含めてのリン酸の全重 量及び溶液中の水の全量から出発して、該酸を五酸化リン及び水に換算すること 、そして五酸化リンにより占められる該全重量パーセンテージを計算す ることにより計算される。この理由により本明細書において、セルロースに又は 他の成分の一部分であるところの物質に由来する水、及び溶液を得るために加え られる水は、溶液中の五酸化リンの濃度の計算に含まれる。 溶液中のセルロースの重量%パーセンテージは、溶液中の全成分の全重量から 出発することにより計算される。 水、リン酸及びその無水物、及びセルロース及び/又はリン酸とセルロースの 反応生成物に加えて、他の物質が溶液中に存在し得る。 従って、溶液は、四つの群、即ち、セルロース、水、リンの無機酸とそれらの 無水物、及び他の成分に分類し得る成分を混合することにより調製され得る。「 他の成分」は、セルロース溶液の加工性のためになるところの物質、リン酸以外 の溶媒、又は例えば、できるだけセルロース分解を阻止するための補助剤(添加 剤)、又は染料等であり得る。 リンが結合されるところのセルロースはまた、溶液の94〜100重量%を占 める成分の群の中に含まれる。セルロース結合リンの場合に、本特許明細書に記 載された溶液中のセルロースの重量パーセンテージは、セルロースに戻って計算 された量に関する。これは、本明細書において述べられたリンの量に同様に適用 される。 本発明に従う方法において使用される溶液は、本出願人名義の未公開特許出願 である国際特許出願第96/06208号において述べられたように得られうる 。 この出願において述べられているように、時間、溶液が 貯蔵されるところの温度、及び酸濃度は、溶液中のセルロース結合リンの量に著 しい効果を有することが分かった。また、押出された溶液の水吸収能は、溶液中 のセルロース結合リンの量に依存することが分かった。 最も高い可能な水吸収能を持つ生成物を得るために、溶液は、好ましくは1. 5重量%より多い、より好ましくは3重量%より多いセルロース結合リンを含む 。 溶液中のセルロース結合リンの含有量に影響を及ぼす種々の方法があることが 分かった。溶液が調製され/貯蔵されるところの温度を上げることは、この含有 量に増加を与えるであろう。しかし、高められた温度において、また、セルロー ス分解が促進されるであろう。この分解は、セルロースの重合度(DP)の減少 に反映される。あるいは、セルロース結合リンの含有量は、溶媒中の五酸化リン の濃度を増加することにより増加され得ることが分かった。これは、セルロース 分解に非常に僅かな効果を有する。 短い時間内にかつ少しのセルロース分解を伴ってセルロースの溶解をもたらす ために、溶媒は、好ましくは水及び65〜85重量%の五酸化リン、より好まし くは水及び70〜80重量%の五酸化リンを含む。 溶液は好ましくは、96〜100重量%の、構成成分であるセルロース、リン 酸及び/又はその無水物、及び水を含む。 補助剤又は添加物は好ましくは、溶液の全重量に基いて計算された0〜4重量 %の量においてのみ存在する。セル ロース、リン酸及び/又はその無水物、及び水の群からの成分以外の物質の最小 可能量、即ち、0〜1重量%の添加剤を含む溶液が、より一層有利である。 本発明に従う方法において、溶液は、50重量%より少ない量の水を含む液体 中で凝固されそして洗浄される。凝固された溶液が水と接触されるとき膨張し、 該膨張は凝固された溶液の更なる加工/処理のために余り所望されない場合、該 溶液は、好ましくは10重量%より少ない水を含む液体中で、より好ましくは本 質的に無水であるところの液体中で凝固されそして洗浄される。本出願において 、液体は、それが5重量%より少ない水を含むとき本質的に無水であると考えら れる。 任意の追加の予備段階なしに超吸収剤としての使用のために適する製品にする であろうような形状又は外観を持つ製品を作るために、凝固に先立って又は凝固 中に所望の形状を溶液に与えること、例えば、素早く回転するミキサー中で溶液 を凝固剤と接触させることにより、例えばフィブロイド(fibroid)のような微 小な粒子を与えること、又は凝固剤中に溶液を押出すことにより、押出しダイに 依存する形状、例えばファイバー、連続フィラメント、若しくはフィルム形状の 押出物を与えることが好ましい。 適切な凝固剤は、低沸点の有機溶剤又はこれらの溶剤の混合物の群から選ばれ 得る。そのような適切な凝固剤の例は、アルコール、ケトン、及びエステル、又 はこれらの混合物である。好ましくは、使用される凝固剤は、アセトン、 プロパノール又はエタノールである。所望なら、50重量%より少ない水を含む 凝固剤を得るために水が凝固剤に加えられることができる。しかし、好ましくは 10重量%より少ない水を含む凝固剤、より好ましくは本質的に無水であるとこ ろの凝固剤を使用する。 同一の群の低沸点の有機溶剤又はこれらの溶剤の混合物から、適切な洗浄液が 選ばれ得る。そのような適切な洗浄液の例は、アルコール、ケトン、及びエステ ル、又はそれらの混合物である。好ましくは、使用される洗浄液は、アセトン又 はエタノールである。所望なら、50重量%より少ない水を含む洗浄液を得るた めに水が洗浄液に加えられることができる。しかし、10重量%より少ない水を 含む洗浄液、より好ましくは本質的に無水であるところの洗浄液を使用すること が好ましい。 経済的に有利な方法において、凝固剤及び洗浄液として同一の液体が使用され る。 溶液が凝固されかつ洗浄された後に、得られた生成物が中和され得る。 溶液中のセルロース結合リンの含有量、そしてそれ故に、得られた製品中のセ ルロース結合リンの含有量のみならず、得られた製品中のセルロースのDPは、 水又は塩溶液の吸収能に効果を有することが分かった。一般的に、製品中のより 高いDPは、(セルロース結合リンの同一の含有量について)水又は塩溶液のよ り高い吸収能を与えるであろう。 製品中のセルロースDPは、好ましくは200より高く、 特に好ましくは400より高く、より好ましくは750より高い。 本出願人名義の未公開特許出願である国際特許出願第96/06208号は、 水、リン酸及び/又はその無水物、及び水を含む溶液からファイバーを作るため の方法を開示している。この方法は本発明に従う方法と結合して、水及び/又は 塩溶液の高い吸収能を持つファイバーを作るために著しく適している。そのよう な方法において、紡糸溶液は、小径の一つ又はそれ以上のオリフィスを持つ紡糸 口金を通して押出され、そして50重量%より少ない水を含む凝固剤及び洗浄液 、より好ましくは10重量%より少ない水を含む凝固剤及び洗浄液、更に好まし くは本質的に無水である凝固剤及び洗浄液、例えばアセトン又はエタノールが使 用される。更に、そのような方法は、高い水吸収及び高い強度を持つファイバー を製造することを可能にする。 なかんずく、セルロース溶液が押出されそして凝固されるところの方法に依存 して、多くの異なる形状であり得るところの、本発明に従う方法により得られた セルロース製品は、液体、例えば、水、(アイソトニック)塩溶液、及び油の優 れた吸収を示す。これらのセルロース製品はまた難燃性を示す。加えて、これら の物質はイオン交換剤として使用され得る。該セルロース製品は良好な生分解性 及び堆肥化性を有する。 そのようなセルロース製品の例は、 ・小径の一つ又はそれ以上のオリフィスを持つ紡糸口金を 通して溶液を押出すことにより得られるファイバー、 ・狭い溝を通して溶液を押出すことにより得られるフィルム、 ・激しく攪拌しながら溶液を凝固剤と接触させることにより得られる顆粒物又は フィブロイド、 ・大径の一つ又はそれ以上のオリフィスを通して紡糸溶液を押出し、続いて、凝 固されかつ洗浄された生成物が小さな断片に切り刻まれることにより得られる顆 粒物又はフィブロイド を含む。 もちろん、これらのセルロース製品は引き続いて、例えば、セルロースファイ バーの編物を編むことにより、セルロースファイバーをパルプにすり潰すことに より、又はセルロースファイバーの不織物を作ることにより更に加工され得る。 不織物は、50重量%より少ない水を含む液体、好ましくは本質的に無水である ところの液体を使用して当業者に公知の湿式積層紙技術(wet-laid paper techn iques)により得られうる。 超吸収剤の性質を持つ得られたセルロース製品は、例えば、下記に示すような非 常に多くの適用において使用され得る。パーソナルケアー 使い捨てベビー製品 -おむつ -厚手の下履きパンツ 衛生用保護製品 -衛生タオル -パンツ裏地 -タンポン -失禁おむつジエオテキシタイル 土壌処理 (geotextile) 農業/園芸利用 -合成根おおいケーブル 絶縁物 その他 工業流出物の制御処理 化粧品 医療用吸収剤 -創傷包帯 -外科手術において 使用される滅菌布 薬物配達システム 包装 -有害物質 -花および草木 -果物及び野菜の貯蔵 食品吸収パッド -食肉用皿 濾過媒体 錠剤の分解手段 ねこ用寝わら 人工雪 ロボチックアクティベーターコンクリートブロックシーリング 超吸収剤のファイバー又は不織物は、下記に示すものに使用されることが特に 適している。 ・超吸収剤の層 −おむつ −衛生パッド ・ミスト除去織物 −包装 −フイルター −湿度制御システム ・液体又は固体分離物 −フィルター −医療用製品 ・制御された−リリースジェオテキシタイル −土壌分離機 −エロージョン制御機構 ・ガス透過性液体防壁 −保護おおい −フィルター −通信ケーブルの保護 ・熱吸収媒体 −緊急時の熱防壁 −火災防壁 −冷却手段 ・拭くのに用いる物 −レストランの拭きタオル −工業用水性拭き物 −作業タオル −リクレーション分野のための 拭き物(例えばゴルフ用拭き物) −グラフィクアート用拭取り布 −レンズクリーニング用布 ・医療用使い捨て物、例えば、 −フェースマスク −手術着 −頭部及び靴カバー −洗い掃除用衣服 −手術用脱脂綿 −滅菌ラップ −隔離及び患者用ガウン −圧迫包帯及び包帯 −スポンジ −失禁患者用のシーツ及び 枕カバー 更に、超吸収剤のフィルムは、幼児用の厚手の下履きパンツ中に使用されるこ とができ、超吸収剤のフォームは、包装中に使用されることができ、かつ超吸収 剤の乳化物は、例えば、ケーブル絶縁のための水防御仕上げに使用され得る。 得られた水溶性セルロース製品は、下記の物に使用され得る。 ・増粘剤 −顔料(例えば、繊維工業) −化粧品 −食品 −塗料 ・織物における整経物質 ・紙化学製品 −パルプの機械的強度を改善するため −表面サイジングのため −光光沢剤のための担体として −バインダーとして −粘度調節剤として ・分散系のための安定剤 −塗料組成物 −薬品組成物 ・油分野の使用 −増粘剤 −浮遊剤 繊維形態のセルロース製品は、織物に使用されるために適している。これらの 製品の更なる利点は、医療適用におけるこれら製品の使用を可能にするところの これらの生物適合性である。 国際特許出願第96/06208号において述べられたような異方性溶液を使 用する、本発明に従う方法により得られる連続するセルロースフィラメントは、 工業的適用のための強化物質として、例えば、ホース、コンベヤベルト、及び自 動車タイヤにおける強化物質として使用され得る。 5.5%より多いリン含有量を持つセルロース製品は、(部分的に)水溶性で 有り得、かつ増粘剤として、例えば、水性液体用の増粘剤として使用されるため に特に適していることが更に分かった。水中での溶解度は、なかんずく、水溶性 液体中のカチオン及びアニオンの濃度に依存する。 セルロース製品を架橋することにより、5.5%より多いリン含有量、及び水 又は塩含有溶液のための非常に高い 吸収を持つ不溶性製品が得られうる。 架橋された生成物は、例えば、リン酸又はカルボン酸のような酸の存在下に該 生成物を加熱することにより、又は二官能性のエポキシドによる処理により種々 の方法において調製され得る。セルロース製品の加熱はまた、これらの生成物の セルロース骨格の分解をもたらす故に、二官能性エポキシドによる処理が好まし い。もし、これらの生成物が、これらの調製の後に、直接に架橋されるなら、優 れた吸収性を持つ生成物が得られ得ることが、更に分かった。 本発明に従う方法は、10g/gより高い水の自由吸収(free absorption)及 び5g/gより高い塩溶液の自由吸収、とりわけ、20g/gより高い水の自由 吸収及び10g/gより高い塩溶液の自由吸収を有するセルロース製品、例えば 、ファイバー又はパルプを得るために使用され得る。ここで、水の自由吸収及び 塩溶液の自由吸収は、本出願において下記に述べられる方法に従って決定される 。 6%より多いリン含有量及び300より大きいDPを持つ、本発明に従う方法 により得られるファイバーを架橋することにより、100g/gより高い、とり わけ、125g/gより高い水の自由吸収を持ち、かつ20g/gより高い、と りわけ、30g/gより高いアイソトニック塩溶液(1重量%NaCl)の自由 吸収を持つセルロース製品が得られうる。 本発明に従う方法により得られるセルロース製品の吸収は瞬時に起ることが更 に分かった。これは、アクリル酸の 塩を含む公知の超吸収剤に優って更に有利である。これらの物質のために、吸収 プロセスを完結するために約2〜3分間を要することが分かった。 測定方法 リン含有量の決定 セルロース結合リンの含有量は、国際特許出願第96/06208号において 述べられたように測定され得る。 しかし、また、セルロース製品のリン含有量を決定するより簡便な方法がある 。この目的のために、セルロース製品は、50℃で約15時間真空で乾燥された 後、錠剤にされる。X線蛍光発光スペクトルメーター(例えば、クロム管を持つ Philips PW 1400、スペクトル線:Kα,50kV,50mA,GE結晶、角度 :141.025、計数時間:50秒)を使用して、錠剤のリンのX線蛍光強度 が次に測定される。既知のリン含有量を持つ錠剤を使用してスペクトルメーター をキャリブレーションすることにより、測定された強度は、検体のリン含有量に 当業者に公知の簡便な方法において変換され得る。 自由吸収の測定 ビーカー(100ml)中に、0.5gの製品が計り取られる。それに、吸収 されるべき液体、例えば、蒸留水、1%NaCl溶液、又は人工尿のある量(z g)が加えられる。その全体が攪拌される。5分間後、該液体は、水ジェットポ ンプによりブフナー漏斗(Weissbandフィルター、d=125mm)を通して濾 別され、そして集められる。 集められた液体の重量が測定される(xg)。自由吸収(g/g)は、(z−x )/0.5に等しい。 あるいは、濾液の水分含有量は蒸発により測定され得る。この場合、吸収(g /g)はy/0.5に等しく、ここで、yは蒸発中の濾液の重量損失(g)であ る。 圧力下における吸収の決定 ビーカー中に、0.2gの生成物が計り取られる。それに、吸収されるべき液 体、例えば、蒸留水、1%NaCl溶液、又は人工尿の25〜50gが加えられ る。その全体が攪拌される。5分間後、ビーカーの内容物が、ガラスフィルター を持つ濾過るつぼ(多孔度0)中に(部分的に)移される。該るつぼは、2cm の底部空間を備えた遠心分離機の管中に据えられる。該管は、重力の1000倍 に等しい力を生ずるような速度で5分間回転される。るつぼの内容物が秤量され る(=Wbeg),次に、るつぼの内容物は、140℃において加熱することによ り乾燥される。乾燥後の内容物が測定される(=Waeg)。圧力下における吸収 (g/g)は(Wbe−Wae)/Waeに等しい。 いくつかの吸収の測定において、人工尿が使用された。人工尿は、Brian R.S hmaefskyによる「How-to-do-it,artifical urine for laboratory testing」、 The American Biology Teacher第52巻、第3号(1990年)、第170〜172頁におけ る記載に従って調製された。人工尿の調製において、クレアチン及びアルブミン は使用されなかった。 DPの決定 セルロースの重合度(DP)は、Ubbelohde type 1(k=0.01)により 決定された。この目的のために、測定されるべきセルロース検体は、中和後、5 0℃で16時間真空で乾燥され、又はエチレンジアミン銅(II)/水混合物中の 水の量が、セルロース中の水を計算に入れるために補正された。このようにして 、0.3重量%のセルロース含有溶液が、エチレンジアミン銅(II)/水混合物 (1/1)を使用して作られた。 得られた溶液において、粘度比(visc.rat.即ちηrel)が測定され、そしてこ れから、極限粘度(η)が次式に従って決定された。 ここで、c=溶液のセルロース濃度(g/dl)及び k=定数=0.25 である。 この式から、重合度DPは、次のようにして決定された。 溶液中のセルロースのDPの決定は、次の処理の後に上 記において述べられたように行われた。 20gの溶液が、Waring Blender(1リットル)に仕込まれ、400mlの水 が加えられ、そして全体が次に、10分間最大設定において混合された。得られ た混合物は篩に移され、そして水で完仝に洗浄された。最後に、数分間2%−N aHCO3溶液による中和がなされ、そして水による後洗浄がなされた。得られ た製品のDPは、エチレンジアミン銅(II)/水/セルロース溶液の調製から出 発して、上記において述べられたように決定された。 本発明は下記の実施例に関して説明される。 特記なき限りは、添付の仕様を持つ次の出発物質が、実施例において溶液を作 るために使用された。 *PPA=ポリリン酸 実施例1 51.5gの粉末状のセルロース(Viskokraft、DP=700)が、79.6 重量%のP25を含むところの溶 媒中で16℃において溶解された。この溶媒は、46℃で40分間74.1gの オルトリン酸と108.4gのポリリン酸とを混合かつ混練することにより得ら れた。20℃において1.5時間混合した後、3.5重量%のセルロース結合リ ンを含んでいたところの均一溶液が得られた。ブレンダーにおいて、この溶液は 、8.6重量%の水を含むエタノール中で凝固されかつ洗浄された。次に、該物 質はブフナー漏斗を通して濾過された。該物質は、エタノール/水=7/3の混 合物中に導入された。該物質は、5%NaOH溶液の混合物に加えることにより 中和された。中和後、該物質は3.0重量%のリンを含むことが分かった。エタ ノールでの洗浄そしてブフナーフィルターを通す濾過後に、該物質は、25℃に おいて真空乾燥機中(200mbar)で16時間乾燥された。 得られた製品(DP=500)は、12.6g/gの水の自由吸収及び5.9 g/gの塩溶液の自由吸収を持っていた。 未処理の粉末セルロースの塩溶液の自由吸収は、1g/gであった。 実施例2 実施例1において述べられたと同一の方法において、18.8gのAlphacell (商標)(DP=2300)が、68.9gのオルトリン酸及び101.5gの ポリリン酸の混合により得られた溶媒中に12℃において溶解された。12℃に おいて6時間混合した後、該混合物は、10℃に おいて15時間貯蔵された。その後、該溶液は、実施例1において述べられた方 法において、凝固され、洗浄され、ろ過され、そして中和された。該物質は、中 和前に5.3重量%のリンを含んでおり、そして中和後に4.0重量%のリンを 含んでいた。 得られた物質(DP=1000)は、23.8g/gの水の自由吸収及び13 .6g/gの塩溶液の自由吸収を持っていた。 実施例3 実施例1において述べられたと同一の方法において、26.0gのリンター( DP=5900)が、119.0gのオルトリン酸及び175.7gのポリリン 酸の混合により得られた溶媒中に20〜30℃において5時間溶解された。該溶 液は、実施例1において述べられた方法において、凝固され、洗浄され、ろ過さ れ、そして中和された。該物質は、中和前に4.5重量%のリンを含んでおり、 そして中和後に3.5重量%のリンを含んでいた。 得られた物質(DP=1850)は、30g/gの水の自由吸収及び8.5g /gの塩溶液の自由吸収を持っていた。 実施例4 実施例1において述べられたと同一の方法において、26.0gのリンター( DP=5900)が、151.3gのオルトリン酸及び228.0gのポリリン 酸の混合により得られた溶媒中に20〜35℃において6時間を超えて 溶解された。該溶液は、アセトン/エタノール混合物中で凝固されかつ洗浄され 、そして次いで、実施例1において述べられた方法において全て、ろ過され、そ して中和された。該物質は、中和前に11.9重量%のリンを含んでおり、そし て中和後に7.4重量%のリンを含んでいた。 得られた物質(DP=280)は、水中に溶解された。 実施例5 溶媒は、74.4重量%のP25の濃度を持つ溶媒が得られるような比におい てオルトリン酸及びポリリン酸をLinden−ニーダー中で混合及び加熱する ことにより調製された。Alphacell(商標)セルロース(DP=2300)が加 えられた。セルロースが完全に溶解された後に、追加のポリリン酸が加えられ、 そして混合及び混練後に、77.9重量%のP25及び10.7重量%のセルロ ース(DP=350〜370)を含む溶液が得られた。セルロースとリン酸の間 の何らかの反応により、セルロース結合リンの含有量及びセルロースのDPが、 実験の間に変化した。 これらの溶液は、各々65μmの直径を持つ500キャピラリーを持つ紡糸口 金を通して押出された。押出された溶液は、エアーギャップを通過して、アセト ンを入れられた浴中に凝固され、アセトンにより非常に小さな張力において洗浄 され、そして室温において乾燥するために放置された。 得られた物質を架橋するために、ファイバー物質は、7 0/30のエタノール/水混合物中のエチレングリコールグリシジルエーテルの 5重量%溶液により処理された。反応時間は、最適な吸収性を得るために5〜約 50分間の間で選ばれた。架橋処理後、該物質は、エタノール又は70/30の エタノール/水混合物により洗浄され、そしてエタノール/水/アルカリ液の混 合物を使用して中和された。 圧力下におけるこのようにして得られた物質の吸収性は、表1に掲げられてい る。 実施例6 二軸押出機において、76.6重量%のP25及び12.0重量%のセルロー ス(DP=240)を含む溶液が、調製された。実施例5において述べられたと 同一の方法において、この溶液は押出され、そして得られたファイバーは、凝固 され、洗浄され、架橋され、そして中和された。圧力下においてこのようにして 得られた物質の吸収性は表1に掲げられている。 実施例7 実施例6において述べられたと同一の方法において、76.6重量%のP25 及び12.0重量%のセルロースを含む溶液が調製された。この溶液は、実施例 5において述べられたと同一の方法において押出され、凝固され、洗浄され、そ して乾燥された。DP=260及び10.5%のリン含有量を持つファイバーが 得られた。これらのファイバーは、22℃において実施例5において述べられた 架橋処理により架橋された。得られた物質はpH=7に中和され、そして室温に おいて乾燥するまで放置された。 この物質の圧力下における吸収性は、種々のカチオンの種々の濃度を持つ溶液 について試験された。該溶液は、NaCl、MgSO4、又は(CH3COO)2 Ca・H2Oを使用して調製された。圧力下における吸収(g/g)は、表2に 与えられている。 実施例8 Linden−ニーダー中で、溶液が、12重量%のセルロースを含むAlphac ell(商標)セルロース(DP=2300)及び76.7重量%のP25から出 発して調製された。この溶液は、実施例5において述べられたと同一の方法にお いて、押出され、凝固され、洗浄され、そして乾燥された。DP=345及び7 .0%のリン含有量を持つファイバーが得られた。これらのファイバーは、22 ℃で実施例5において述べられた架橋処理により架橋された。得られた物質はp H=7に中和され、そして室温において乾燥するまで放置された。 このようにして得られたファイバーは、水の圧力下における吸収が125g/ gを示し、かつ1重量%のNaCl溶液の圧力下における吸収が30g/gを示 した。 実施例9 実施例8において述べられたと同一の方法において、DP=345及び7.3 %のリン含有量を持つファイバーが得られた。これらのファイバーは、22℃で 実施例5において述べられた架橋処理により架橋された。中和の前に、ファイバ ーは、圧力下における水の吸収が172g/gを示した。pH=12までアルカ リ液により中和処理された後、ファイバーは、水の圧力下における吸収が141 g/g、かつ1重量%のNaCl溶液の圧力下における吸収が38g/gを示し た。 実施例10 18kgの溶媒が、74.3重量%のP25の濃度を持つ溶媒が得られるよう な比においてオルトリン酸及びポリリン酸をLinden−ニーダー中で混合及 び加熱することにより調製された。この溶媒は8℃に冷却され、そして3581 gのAlphacell(商標)C100セルロース(DP=2300)が加えられた。 セルロースが完全に溶解された(約15分間の混練)後、追加のポリリン酸が加 えられ、そして25分間、22℃における混合及び混練後に、75.4重量%の P25及び13.3重量%のセルロースを含む溶液が得られた。 この溶液は、各々65μmの直径を持つ500キャピラリーを持つ紡糸口金を 通して51℃において押出された。押出された溶液は、45mmのエアーギャッ プを通過して、そして5℃においてアセトンを入れられた浴中で凝固された。実 験の間に、得られたヤーンのいくつかの試料が取られた。セルロース及びリン酸 の間の何らかの反応により、セルロース結合リンの含有量及びセルロースのDP が実験の間に変化した。得られた試料は、アセトンにより非常に小さな張力にお いて洗浄され、そして減圧下で室温において乾燥するために放置された。 乾燥された試料は、エタノール/水/アルカリ液の混合物を使用して中和され た。中和前に試料のDPが測定された。中和後に、これらのファイバー試料のセ ルロース結合リン含有量及び圧力下における水吸収が測定された。該結果は表3 に示されている。 実施例11 二軸押出機において、76.6重量%のP25及び10.0重量%のセルロー ス(Alphacell(商標)C100 DP=2300)を含む溶液が調製された。実 施例10において述べられたと同じ方法において、この溶液が押出され、そして 得られたファイバーがアセトンにより凝固されそして洗浄された。得られたヤー ンは、25〜40cmの長さを持つかせ(skein)に切断され、そしてアセトン で再度洗浄された。該かせは室温において乾燥された。 次に、該かせは、42分間、70/30のエタノール/水混合物中のエチレン グリコールジグリシジルエーテルの5重量%溶液により処理された。この架橋処 理後に、該かせはエタノールにより洗浄され、そして6mmの平均長を持つ短フ ァイバーに切断された。 これらの短ファイバーは、95/5のエタノール/水混合物中にLorentzen & Wettre分散ユニットにおいてばらばらにされ、そして分散された。得られたス ラリーは更に、0.011重量%の固形分含有量を持つスラリーが得られ るまで、シート形成ユニット中に分散されかつ均一にされた。細かいスクリーン 充填物を使用して、液体がスラリーから抽出され、そしてシートが得られた。シ リンダー上でシートを乾燥することにより、31g/m2の密度を持つセルロー ス不織シートが得られた。不織シートは95g/gの圧力下における水吸収を有 していた。原料の短ファイバーは102g/gの圧力下における水吸収を有して いた。架橋前のファイバー物質は、11.6重量%のセルロース結合リン含有量 及びDP=242を有していた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.水及び塩溶液の高い吸収能を持ち、主にセルロースを含むところの物質を調 製するための方法において、セルロースがリン酸含有溶媒中に溶解され、ここで 、得られた溶液は、94〜100重量%の次の成分、 セルロース、 リン酸及び/又はその無水物、及び 水 を含み、そして該溶液が、50重量%より少ない水を含む液体中で凝固されかつ 洗浄されることを特徴とする方法。 2.該溶液が、本質的に無水であるところの液体中で凝固されかつ洗浄されるこ とを特徴とする請求項1記載の方法。 3.該溶媒が、水及び65〜85重量%の五酸化リンを含むことを特徴とする請 求項1又は2記載の方法。 4.該溶媒が、水及び70〜80重量%の五酸化リンを含むことを特徴とする請 求項3記載の方法。 5.該溶液が、セルロースに結合した1.5重量%より多いリンを含むことを特 徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。 6.該溶液が、3重量%より多いセルロース結合リンを含むことを特徴とする請 求項4記載の方法。 7.請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法により得られるところの、水及び 塩溶液の高い吸収能を持つセルロース製品であって、 10g/gより高い水の吸収能及び 5g/gより高い塩溶液の吸収能 を有することを特徴とするセルロース製品。 8.該製品が、3重量%より多いセルロース結合リンを含むことを特徴とする請 求項7記載のセルロース製品。 9.該製品が、 20g/gより高い水の吸収能及び 10g/gより高い塩溶液の吸収能 を有することを特徴とする請求項7又は8記載のセルロース製品。 10.該製品中のセルロースが、400より大きいDP(重合度)を有すること を特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載のセルロース製品。 11.該製品中のセルロースが、750より大きいDPを有することを特徴とす る請求項10記載のセルロース製品。 12.主にセルロースを含むところの水溶性の物質を調製するための方法におい て、セルロースがリン酸含有溶媒中に溶解され、ここで、得られた溶液は、94 〜100重量%の次の成分、 セルロース、 リン酸及び/又はその無水物、及び 水 を含み、そして該溶液が、50重量%より少ない水を含む液体中で凝固されかつ 洗浄されることを特徴とする方法。
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